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米中協議の進展を好感し株高ドル高進む 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は米中通商協議が進展しているとの報道を受けて
    株価と長期金利が上昇したことで買われ、110円83銭まで
    ドル高に。

  • ユーロドルも緩やかにドル高ユーロ安が進み、1.1214まで
    下落。約3週間ぶりのユーロ安水準をつけ、1.12を割り込む
    ことができるかが注目。

  • 株式市場は反発。米中通商協議で「全ての分野で進展が
    あった」との報道を好感。ダウは91ドル上昇し、主要指数も揃って
    上昇。

  • 株価が上昇したこともあり、債券相場は反落。
    長期金利は2.39%台まで上昇。

  • 金は大幅に続落し再び1300ドル台を割り込む。
    原油価格もトランプ大統領が原油高を批判したことで続落。

本日の注目イベント

  • 豪  2月住宅建設許可件数
  • 日  2月失業率
  • 日  2月鉱工業生産
  • 日  3月東京都区部消費者物価指数
  • 独  3月失業率
  • 欧  ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)
  • 英  10-12月期GDP(改定値)
  • 英  2月消費者信用残高
  • 英  10-12月期経常収支
  • 米  2月個人所得
  • 米  1月個人支出
  • 米  1月PCEコアデフレータ
  • 米  3月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米  2月新築住宅販売件数
  • 米  3月ミシガン大学消費者マインド(確定値)

昨日の東京市場では株価の大幅安を受け、ドル円は110円近辺まで売られる場面があり、NY市場でのもう一段の下落も予想されましたが、昨日から北京で再開された米中通商協議が進展したとの報道からドルが買い戻され、110円83銭まで反発しています。米株価と長期金利の上昇もドル買いをサポートしていました。

2日間の日程で始まった米中通商協議は、「中国側が強制的な技術移転に関し、範囲と詳細の両面でこれまでにない話をしている」とロイターが伝えました。さらに、「1カ月前の文書と現在のものを比較すると、全ての分野で進展があった。まだ目指すところには達していない」としながらも、強制技術移転、サイバー攻撃を通じた技術窃盗、知的財産権、サービス、為替、農業、非関税障壁の6分野で覚書が準備されていると、関係者の話として伝えています。協議は来週も場所をワシントンに変えて続けられる予定です。これに関して、クドロー国家経済会議(NEC)委員長はワシントンで、米国にはさらに数週間か数カ月延期する用意があると述べ、その理由として「これは時間に左右される問題ではなく、米国にとってプラスとなるすばらしい取引を成立させなくてはならない。それがわれわれの一番の関心事だ」と述べています。

注目していたFRBのクラリダ副議長は講演で、「インフレ圧力は抑制されているため、われわれは辛抱強く、かつデータ次第の姿勢を取る事が可能だ。米政策金利にどういった調整が必要になり得るのか、将来の会合で検証する」(ブルームバーグ)と述べ、中立的意見に終始し市場への影響はありませんでした。

ドル円は「日足」の雲の上限で下落が支えられている形で推移しています。先週末に109円台まで売られたドル円でしたが、上値が重い中でも一気に下値を攻める動きでもないようです。引き続き方向感を掴むのが難しいポンドは、メイ首相がEUと合意した離脱協定案について、本日下院であらためて採決を実施することになっています。ただ、その内容がこれまでと比べ明らかに異なる内容でなければならないと、バーコウ議長が述べていたこともあり、採決されるかどうかは非常に不透明です。

本日のドル円は110円10銭~111円程度を予想しますが、週末、月末、決算期末が重なっています。特段の動きはないとは思いますが、いつもよりはマーケットの動きに注意を払った方がいいかもしれません。またユーロドルが1.12を割り込み、今月7日に記録した1.1176レベルを試す動きを見せるようだと、円も「連れ安」する可能性があります。

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米長期金利さらに低下し2.35%台に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は欧州市場で110円70銭まで上昇したが、NY市場では
    米長期金利の低下を背景に110円29銭まで下落。

  • ユーロドルではややドル買いユーロ売りが優勢に。ドラギECB総裁の
    発言に、ユーロが買われる場面もあったが、結局小幅に下落。

  • 株式市場は下落。景気の減速懸念が強まり、朝方上昇していた
    ダウの上昇を抑え、ダウは32ドル安。

  • 債券相場は大きく上昇。長期金利は一時2.35%台まで低下し、
    2017年12月以来の低水準に。

  • 金は続落し、原油は反落。

  • 1月貿易収支          →  -511億ドル  

本日の注目イベント

  • 独  3月消費者物価指数(速報値)
  • 欧  ユーロ圏2月マネーサプライ
  • 欧  ユーロ圏3月消費者信頼感(確定値)
  • 米  10-12月GDP(確定値)
  • 米  2月中古住宅販売件数成約指数
  • 米  新規失業保険申請件数
  • 米  クオールズ・FRB副議長講演
  • 米  ボウマン・FRB理事講演 
  • 米  クラリダ・FRB副議長講演
  • 米  ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
  • 米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演

世界経済の減速懸念が強まっていることで資金が債券に向かい、世界的に金利が低下傾向にあります。米10年物国債の利回りは昨日一段と低下して一時、2.35%台を記録しました。これは2017年12月以来、1年3カ月ぶりの低水準です。ドイツ国債も買われ、ドイツの長期金利はマイナス金利を拡大させています。日本の長期金利もマイナス0.07%近辺まで低下しており、投資家が今後の景気の悪化を意識して、資金を安全資産に振り向けていることが窺えます。基本的には低金利を歓迎する株式市場も、昨日は景気の悪化を懸念する声が優勢となり下落しています。

昨日は余り材料が見当たらず、ドル円も欧州時間には110円70銭前後まで買われましたが、NYに入ると金利低下に押されて、110円29銭まで売られています。値幅も30銭程度で小動きでした。そんな中、話題はトルコリラでした。

トルコリラの下落を防ぐため、トルコ政府は国内の銀行に流動性を提供しないよう圧力をかけており、リラ建て資産を放出したい海外のヘッジファンドは身動きがとれなくなっているとブルームバーグは報じています。これによってリラの急落は阻止されているものの、CDSのスプレッドは急上昇しています。昨日のオフショア市場では、リラを借り入れるオーバーナイト・スワップレートが1000%に達したようです。JPモルガン・チェースは先週、トルコリラ売りを勧め、急落を引き起こしましたが、24日にはエルドアン大統領が、投機に加担した銀行を罰すると警告を発していました。ただリラ安の主因は、高止まりしているインフレ率に対する金融政策の遅れや、外交問題などにあり、これでリラ安が止まるとも思えません。

ドラギ総裁はフランクフルトの会議で、緩和的な政策姿勢は依然として必要だと語った上で、域内の経済成長が最終的には加速することに自信を示しました。総裁は、「想定より持続的な外需の悪化に直面しているが、まだ必ずしも深刻な低迷の前兆ではない」と述べ、労働市場が持ちこたえているとの認識を示しました。

本日はFOMCメンバーの中でも影響力の大きいと見られる、FRBの副議長や理事の講演が多く予定されています。個人的にはクラリダ副議長とウィリアムズNY連銀総裁の講演内容に注目しています。FRBの金融政策は引き締めからニュートラルに舵を切り替えてきましたが、市場では「利下げ」が意識され始めています。ハト派の代表格の一人である、シカゴ連銀のエバンス総裁は「利下げが必要な状況があるかしれない」と、利下げの可能性に言及しています。主要メンバーの誰かが利下げに前向きな発言をするようなら、米長期金利がさらに低下し、ドル円を押し下げることにもつながります。

本日のドル円は大きな波乱がないようなら、110円10銭~110円80銭程度で推移すると予想します。

ドル円反発し110円台半ばへ 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は反発。米長期金利が上昇したことや株価も
    揃って反発したことで買い戻しが優勢となり、110円69銭
    までドル高に。

  • ユーロドルは売られる。1.1263までユーロ安が進み、
    今回も1.12台を維持できるのかが注目される。

  • 株式市場は主要指数が揃って上昇。原油高からエネルギー
    セクターが買われ、ダウは140ドル高で取引を終える。

  • 債券市場は反落。このところの上昇に利益確定の売りも出て
    下落。長期金利は2.42%台へと上昇。

  • ドルが反発したことで金は4日ぶりに下落。原油価格は大幅に
    上昇し、60ドルに迫る。

本日の注目イベント

  • 中  2月工業利益
  • 欧  ドラギ・ECB総裁講演
  • 米  1月貿易収支
  • 米  ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
  • 加  1月貿易収支

ドル円は110円台を回復し、NY市場では110円69銭までドルの買い戻しが進みました。伏線は昨日の東京株式市場にあったように思います。昨日は3月決算企業の配当を受け取る最終日で、いわゆる「配当取り」の買いも見込めましたが、日経平均株価はほぼ全面高の451円高で取引きを終えました。前日、今年最大の下げ幅を記録しましたが、その下げ幅の7割を埋める荒っぽい動きでした。株価の「下落スパイラル」を東京市場で断ち切ったことが昨日のNY市場での株高につながったと思われ、ひとまずリスク回避の流れが後退した形です。

中国の習近平国家主席が欧州を訪問し、昨日はドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、それにユンケル欧州委員長を交えて会談を行っています。米国との関係が冷えていることで、習主席は欧州との蜜月をアピールしたかったようですが、対する欧州側も、中国がエアバスに350億ドル(約3兆8700億円)もの大型発注を行ったこともあり、マクロン大統領は「中国には敬意を抱いており、対話と協力を進めていく決意だ」と述べ、習主席を賞賛していました。習主席も、「今後とも市場開放を続けていく」と語っています。欧州の域内では中国に対する対応もそれぞれで、各国の判断にまかせていますが、全体としては中国との関係を発展させるとの方針を維持しており、米国の対応とは異にしています。英国のEU離脱問題は依然として混乱していますが、英議会は本日、首相案にかわる複数の案について採決するもようです。メイ首相は3回目の離脱案を28日議会に諮り、採決を仰ぐ意向のようですが、閣僚の中には、可決が確実にならない限り下院で再び採決にかけることはしないとしている人が多いようで、先行きは依然として不透明です。3回目の離脱案が可決されれば、離脱は5月22日まで延期され、否決されると、離脱期限は現時点では4月12日となっています。

本日もドル円は小じっかりといったところでしょう。ドル円は今週25日に109円71銭まで売られ、今その下落幅を埋めている途中です。今回の下落が今月5日の112円14銭をピークに始まったとすれば、下落幅は2円43銭となります。半値戻しは110円92銭前後となり、上値ではまずこの水準が意識されそうです。その辺りを考慮して、本日のレンジは110円10銭~110円90銭程度を予想します。


米長期金利さらに低下し2.39%台に 

ひと目で分かる昨晩の動き



NY市場

◆ドル円は前日の急落から反発して110円16銭まで上昇したが、

米長期金利が一段と低下したことから109円76銭まで下落。

◆ユーロドルは1.13台で小動き。値幅も20ポイント強に留まる。

◆株式市場はまちまち。ダウは一時130ドルほど下げたが、引け値

では14ドル高。一方ナスダックとS&P500は続落。

◆債券相場は続伸し、長期金利は2.4%を割り込み、2.39%台で

取引を終える。世界景気の減速を織り込む形で債券市場に資金が流入。

◆金は3日続伸。原油価格は3日続落。


本日の注目イベント

◆日   日銀金融政策決定会合における主な意見(3月14、15日分)

◆独   独4月GFK消費者信頼感

◆米   2月住宅着工件数

◆米   2月建設許可件数

◆米   3月消費者信頼感指数

◆米   1月FHFA住宅価格指数

◆米   1月ケース・シラ-住宅価格指数

◆米   3月リッチモンド連銀製造業指数

◆米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演

◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演

◆米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演

◆米   デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演


欧米のPMIが大きく低下し、さらに米国債券市場では3カ月物短期債が10年債利回り

を上回る「逆イールド」が発生したことで、今後1年から1年半後には米景気はリセッシ

ョンに陥るといった見方から、ドル円は昨日の東京市場で109円70銭まで売られまし

た。イエレン前FRB議長は昨日香港で講演を行い、「米国債の逆イールドは景気後退で

はなく、ある時点で利下げを行う必要性を示している」と述べ、米景気のリセッション入

りの可能性を否定しています。

日経平均株価も、予想以上の下落を見せ、一時は700円を超える下げを見せ、引け値で

も今年最大の下落幅となる650円の下落でした。また、日本の債券市場でも長期金利が

低下し、マイナス0.096%前後までマイナス幅を拡大しました。

今朝の報道では日銀が追加緩和に踏み切るとの観測が急速に台頭していることを伝えてい

ますが、長期金利のマイナス幅の拡大を容認する可能性はあるようです。

現在短期金利をマイナス0.1%程度、長期金利をゼロ近辺にコントロールしている金融

政策を、さらにマイナス幅を拡大し、ETFなどの買い入れ額も拡大させる可能性がある

のではないかと思います。

また、今後の経済指標次第では10月に予定されている消費税率の引き上げも可能性は低

いと思いますが、延期されることもないとは言えません。

欧米に加え、中国の景気減速の影響が今年後半からは顕在化することが十分予想されるか

らです。

米長期金利がさらに低下しています。長期金利の2.4%割れは、2017年12月以来

ということになります。

市場では今年の利上げ回数は「ゼロ」と見込んでいますが、一部では「利下げ」の可能性

も指摘されています。

シカゴ連銀のエバンス総裁は昨日、現在の米国は1997-98年のアジア金融危機が起

きた際に、グリーンスパン氏率いるFRBが利下げを断行したことを引き合いに出し、こ

こから学ぶべきだと指摘しています

この時の大半のFOMCメンバーが「政策調整の必要は差し迫っていない」とした議論と

(現在が)「似通っているのではないかと」と述べています。(ブルームバーグ)

米長期金利が急速に低下していることで、日米金利差は縮小しています。

これがドル円の上値を抑える状況になっていますが、足元の動きはドルの戻りを売る姿勢

は強まっていますが、ドルを押し下げてまで売るといったスタンスでは

ありません。目先は109円前後まで売られる可能性はあると思われますが、そこからさ

らに急激な円高に振れるイメージは描きにくいと思われます。

それは、依然として米景気は他の主要地域と比べ相対的に好調で、金利面での優位性も維

持していると考えるからです。

米中貿易戦争、ロシア疑惑、さらに英国のEU離脱問題が揃ってドル売り材料に傾いたら

その限りではありませんが、今しばらく上記材料の行方を見守るしかありません。

本日の予想レンジは109円60銭~110円50銭程度と見ます。


円全面高で、ドル円109円台に 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆ドル円は急落。110円を割り込み、109円75銭まで売られ、約1カ月

半ぶりの円高を記録。米株式市場が大きく売られ、リスク回避が急速に

進んだことで長期金利が急低下し、円買いが強まった。

◆ユーロドルも売られ、1.1274までユーロ安が進む。ユーロ圏や

ドイツの製造業PMIが6年から6年半ぶりの低水準だったことが

響いた。その結果ユーロ円が大幅に下落し、2カ月ぶりに123円台

後半までユーロ安が進む。

◆株式市場は大幅に下落。米国のPMIが予想を下回ったことに加え、

欧州の景気減速が一段と進んだことでほぼ全面安の展開。

ダウは460ドル下げ、今年2番目の下落幅を記録。

◆債券相場は急上昇。景気減速がさらに進むとの見方に、安全資産の

債券が買われる。長期金利は一時2.41%まで低下し、1年2カ月ぶりの

低水準をつける。

◆金は続伸し、原油は続落。

米2月中古住宅販売件数     →  551万件

米2月財政収支           →  -2340億ドル


本日の注目イベント

◆トルコ  トルコ2月消費者物価指数

◆独   独3月ifo景況感指数

◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演

◆米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演

やはりと言って良いのか、ついにと言っていいのか、ドル円は米長期金利の低下

を背景に110円を割り込み、109円75銭までドル安が進みました。米国の

3月製造業PMIが予想を下回り、さらにユーロ圏やドイツのPMIも6年から

6年半ぶりの低水準だったことで、世界的な景気減速懸念が強まり、リスク資産

の株が売られ、安全資産の債券が買われました。

為替市場でも安全通貨の円が、対主要通貨で買われ、ユーロ円は前日の高値から

は2円以上もの円高になっています。主要3通貨では円が独歩高で、ユーロが最

弱通貨となっています。

米債券市場では、長期債が買われ金利が低下したことで、3カ月物短期債利回り

と逆転し、「逆イールド」が発生しました。

短期債利回りが長期債利回りを上回ると、景気減速の前兆と見られ、今後景気が

緩やかに鈍化していくことが予想され、向こう1年半ほどで米景気がリセッショ

ンに陥る前ぶれだという見方が強いようです。

ダウが460ドルも下げた背景には、欧州や中国だけではなく、米国もその影響

を受け、景気が悪化するといった見立てが働いたようです。

市場では、それでも米景気は相対的に良好だという見方が支配的で、今後はどこ

まで米経済指標の下振れが確認されるのかが焦点です。

特に、好調な労働市場の先行きには注意が必要かと思います。

協議が続けられている米中通商問題は、今週27-28日にライトハイザーUS

TR代表と、ムニューシン財務長官が訪中して協議を進め、さらに来週には劉鶴

中国副首相がワシントンを訪れることになっているため、いよいよ大詰めの段階

かもしれません。米中トップが最終合意に署名するまで安心はできませんが、

やや楽観的な見方がコンセンサスのようです。むしろ、ここにきて「トランプ疑

惑」の方がより注目を集めそうです。

バー司法長官はロシア疑惑の捜査を終え議会へ書簡を提出し、モラー特別検査官

の報告書について「この報告書はトランプ大統領が罪を犯したと結論付けてはい

ないが、大統領の潔白を証明するものでもない」と判断したことを明らかにして

います。

野党民主党は報告書の全面公開を要求する構えで、大統領弾劾に向けた準備を狙

っているようです。民主党の要求に対して大統領が拒否権を発動する可能性もあ

り、議会の対立がさらに激化することも予想されます。

ドル円は大きく売られてはいますが「雲の上限」(日足)で支えられている状況

になっています。「MACD」を見ても、依然としてプラス圏で推移しているた

め、このままずるずると下落する形状ではありません。

ただ上述のように、ドル売り材料が徐々に増えてきているのも事実で、もう一段

下げる可能性はあります。

今後の米経済データと米中通商協議の行方、さらに上記ロシア疑惑の成り行きに

注意したいところです。

本日は日経平均株価も大きく下げると予想しています。300円~500円程と

見ていますが、下げ幅の程度によってドル円も上下しそうです。

予想レンジは109円50銭~110円30銭といったところでしょうか。


ドル円欧州時間に110円30銭まで下落 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆ドル円は欧州時間に110円30銭までドル安が進んだが、

米経済指標が予想を上回ったことや、米長期金利が

上昇したことで110円95銭までドルが買い戻される。

◆前日1.14台半ばまで上昇したユーロドルは小幅に反発。

1.1343前後まで売られる。

◆株式市場は大幅に上昇。アップルなどのハイテク株が上昇を

牽引し、ダウは216ドル高。S&P500も30ポイント上昇し、

5カ月ぶりの高値を記録。

◆債券相場は小幅に反落。前日急低下した長期金利はやや

戻し、2.53%台で取引を終える。

◆金は買われ、原油価格は反落。


米新規失業保険申請件数         →  22.1万件

米2月景気先行総合指数          →  0.2%

米3月フィラデルフィア連銀景況指数  →  13.7

本日の注目イベント

◆独   独3月製造業PMI (速報値)

◆独   独3月サービス業PMI(速報値)

◆欧   ユーロ圏3月総合PMI(速報値)

◆欧   ユーロ圏3月製造業PMI(速報値)

◆欧   ユーロ圏3月サービス業PMI(速報値)

◆欧   ユーロ圏1月経常収支

◆米   2月中古住宅販売件数

◆米   2月財政収支

◆加   カナダ1月小売売上高

◆加   カナダ2月消費者物価指数


20日のFOMCでは年内の利上げ見送りや、バランスシートの縮小を今年9月で

完全に停止することを発表するなど、「ハト派寄り」の内容だったことで、米長期

金利が大幅に低下し、ドル円も111円を大きく割り込みました。昨日の夕方には

110円30銭までドル安が進み、ほぼ1カ月ぶりの円高水準を付けました。

この欄でも再三指摘してきましたが、ドル円は結局、米金利の低下に収斂される形

で、落ちてきました。もっとも110-110円30銭近辺は、2月もなかなか下

抜けできずに、サポートゾーンを形成していた水準で、目先は110円台が維持さ

れるかどうかが焦点になろうかと思います。

今回のFOMCでは予想通り政策金利は据え置き、昨年12月時点の予測では、今

年の利上げ回数は2回だったものが、今年は「ゼロ」と一気に引き下げ、政策を景

気警戒モードに舵を切り換えました。パウエル議長は会見で、「海外経済の減速が

米景気の逆風になってきた」と述べさらに、「政策変更を明確に必要とするほど雇

用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」と述べ

ています。

この結果米長期金利は急低下し、20日には2.52%台まで下落し、2016年

1月の水準まで下げています。昨日はやや反発していますが、今後金利上昇が見込

めないとすると、ドル円の上値を抑える要因の一つになろうかと思われます。株式

市場にとっては、金利低下は株価の上昇要因になることから、今後企業業績が極端

に悪化しないかぎり、株価は緩やかに上昇する可能性があります。FRBがこれま

での「金融引き締め政策」から「ニュートラル」に舵を切り換えたのはパウエル議

長の言葉にもあったように「海外景気の落ち込み」です。

特に、欧州と中国の景気減速が米景気に与える影響を考慮した発言かと思われます

が、その象徴が米中通商協議の先行きです。

トランプ大統領は20日、中国製品にかけた追加関税について「解除することは議

論していない」と述べました。

全ての関税撤廃を主張する中国と、一部の関税を残し、今後中国が合意を遵守しな

い際には関税引き上げという「武器」を確保しておきたいとする米中には、まだ意

見に隔たりがあり、これが最終合意を遅らせていると見られます。

28-29日にはライトハーザーUSTR代表と、ムニューシン財務長官が再び北

京を訪問し、中国側高官と協議を再開します。

また、その翌週には劉鶴副首相がワシントンを訪れることも決まっているようです。

2週間連続の協議で、果たして両国の溝が埋められるのか、注目されます。

この欄でも述べたように、「日足」のMACDは3月11日には「デッドクロス」

を示現しており、ドルの下落を示唆していました。相場はその後も下げることはな

く横ばいでしたが結局、20日のFOMCをきかっけに1円程ドルが急落していま

す。しばらくはドルの上値が重くなると予想しますが、それでも米経済は主要国で

は明らかに良好で、その意味ではドルが大きく下落することも予想しづらいのは事

実です。

一進一退を繰り返しながらも、目線はや下方に置いておく方がベターかと思います。

本日の予想レンジは110円30銭~111円程度と見ています。


FOMC待ちの姿勢強まる 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆ドル円は111円台で推移。米中協議に対する明るい見通しが

やや後退したことで111円23銭まで売られる。

◆ユーロドルも動きが鈍い中、ややドル安ユーロ高方向に

推移し、1.1361前後まで上昇。

◆株式市場は強弱まちまち。ダウは3日ぶりに下落したが、

ナスダックは続伸。

◆債券相場は小幅に続落。長期金利は2.61%台へと

小幅に上昇。

◆金は反発し、原油は反落。


本日の注目イベント

◆日   日銀金融政策決定会合、議事要旨(1月22日、23日分)

◆独   独2月生産者物価指数

◆英   英2月消費者物価指数

◆米   FOMC 政策金利発表

◆米   パウエル議長記者会見

引き続き市場の材料は「米中通商協議」と「英国のEU離脱」問題しかなく、

昨日はその材料にも反応薄で、ドル円もユーロドルも、NY市場での値幅は

23~24ポイントでした。市場参加者のストレスも溜まる一方で、大きく

動き出した時の反応が懸念されます。

米中通商協議に対する明るい見通しがやや後退してきました。ブルームバー

グによると、中国の交渉担当者は知的財産権に関する政策の変更に同意しな

がらも、中国製品への関税を撤回するとの確約をトランプ政権から得られて

いないとみて、スタンスを変えていると、事情に詳しい関係者の話を紹介し

ています。中国はまた、医薬品のデータ保護を巡る当初の約束を後退させた

ほか、「パテントリンケージ」改善計画の詳細を示しておらず、データサー

ビスに関する問題でも譲歩を拒否しているとし、中国側は、通商合意で規定

されるルールは中国の法律に準拠する必要があるとの文言を盛り込もうとし

ていると報じています。このように、合意に向けた話し合いは進められては

いるものの、最後の微妙な部分ではお互いに譲れない「かけひき」があると

見て取れます。

一方でトランプ大統領は19日も、「中国との交渉は極めて順調に進んでい

る」と述べています。USTRのライトハイザー代表とムニューシン財務長

官は合意をまとめるため、来週北京を訪れ、中国高官との協議に臨みます。

また、さらにその翌週には劉鶴副首相がワシントンを訪問する予定であるこ

とも報じられており、トランプ氏は、このあたりの予定を評価しているよう

です。

もう一つの材料である「Brexit」もさらに先行きが不透明になってき

ました。昨日もこの欄で述べたように、英下院議長が、メイ首相の修正案の

内容に大きな変化がない限り、「3回目の採決はない」と語ってことで、本

日から2日間にわたって

行われるEU首脳会議には、英議会の承認を得た修正案を提出すことは事実

上不可能になっています。メイ首相は、来週にも修正案を議会に問い、自ら

の案を支持するのか、あるいはEU離脱を長期延期するのかの二者択一を迫

る可能性があります。今朝の報道では、引き続き混乱は避けられず、結局延

期は2年先までずれ込むといった観測も出て来たようです。

FOMC政策発表は日本時間明日の朝方3時です。

金利は据え置きと見られますが、上述のように市場の動きが鈍く、材料に事

欠いている状況が続いているだけに、市場関係者のFOMCにかける想いは

強いと言えるかもしれません。

景気認識、インフレ目標、あるいはバランスシートの縮小に関してどのよう

な見方を示すのか注目されます。

またパウエル議長は先日、ドットプロット(金利予測分布図)についてもそ

の弊害を指摘しており、今後廃止し、それに変わる新たな手法を模索してい

ることを示唆していました。

この部分についても言及があるかもしれません。

ドル円はそれでも動かないかもしれませんが、「大きく動く可能性がある」

ことを意識して臨むことが重要です。

予想レンジは110円80銭~111円80銭程度を見込んでいます。


円、ユーロともに小動き 


ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆ドル円は引き続き111円台で方向感もなく小動き。

FOMCに関するハト派的な観測が多く、111円30銭まで

ドルが売られる場面も。

◆ユーロドルも動きが鈍く、1.13台前半から半ばで推移。

◆株式市場は続伸。原油価格が上昇したことで、石油関連銘柄が

上昇。ダウは65ドル上昇し、ナスダックは25ポイント上げ、

約5カ月ぶりの高値を記録。

◆債券相場は反落。長期金利は2.60%台へ上昇。

◆金は3日ぶりに反落。原油価格は反発し、59ドル台に。


米 3月NAHB住宅市場指数   →  62  

本日の注目イベント

◆豪   RBA議事録

◆独   独3月ZEW景況感指数

◆英   英失業率(11月ー1月)

◆米   FOMC (20日まで)

ドル円は引き続き方向感のない動きが続いています。

昨日は特にFOMCを控えていることもあり、様子見を決め込む市場関係者が

多かったせいか、NY市場での値幅はわずか29銭でした。19-20日に行

われるFOMCでは、FRBが金融引き締めサイクルの終わりに近づいている

との認識を示すのではないかといった見方が強く、ややドルが売られる展開で

した。今回のFOMCでは金利は据え置くことが予想され、焦点は、現状の景

気認識をどのように見るのかといった点です。

市場ではFRBが「ハト派」に傾くとの見方が優勢のようです。

米中通商協議は、どのタイミングで首脳会談が開催されるのかが焦点ですが、

パーデュー米農務長官は昨日フロリダで記者団に、「あらゆる論点を巡り、非

常に活発な対話が続いている。為替から知的財産、強制移転やバイオテク問題

に至るまでだ」と語っています。また「農産品の購入については、中国は非常

に魅力的な数字を交渉のテ-ブルに示している」ことを明らかにしています。

(ブルームバーグ)

ただ最終合意に至らない点について今朝の経済紙は、中国が合意事項を順守し

ているか監視し、違反した場合に罰則を科す仕組みをどう構築するかといった

問題で溝があると報じています。

今回の米中通商協議は「貿易戦争」とはいっても、実際は「貿易」という問題

に名を借りた両国の「覇権争い」だといった指摘もあり、最後までかけひきが

続きそうです。

一方先週大きなヤマバを迎えたと思われる英国のEU離脱問題は、まだ出口が

見えない状況です。

英下院のバーコウ議長は18日、「すでに議会が拒否した案を再び採決に付す

には、中身が大幅に異なるものでなくてはならない。これまでとほぼ同じであ

れば、採決を許可しない」と言明しています。(ブルームバーグ)

メイ首相は21日に始まるEU首脳会議の前に議会から承認を取り付けるため、

本日にも採決を行う意向だったようですが、これで長期の離脱延期を要請せざ

るを得ない状況になりそうです。

為替市場は、ドル円だけではなくユーロドルも鈍い動きが続いています。

せめてユーロが動いてくれれば、ドル円も連れて動くことも予想されますが、

ドル円はここ1カ月では2円弱の値幅しかありません。

本日から始まるFOMCに期待したいところですが、どうでしょう・・・?

本日のレンジは111円10銭~111円80銭程度と予想します。


ドル円軟調な米経済指標に下落 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆ドル円は東京時間に111円90銭まで買われたが、NYでは

軟調な経済指標からドルが下落。111円38銭前後まで売られ、

111円45-55銭で越週。

◆ユーロドルは反発。1.1345までユーロ高が進み、

終始1.13台で推移。

◆株式市場は上昇。中国が景気刺激策の堅持を

表明したことで、ダウは138ドル高。ナスダックと

S&P500も揃って上昇。

◆債券相場は上昇。長期金利は2.6%を割り込み、

1月初旬以来となる2.58%台まで低下。

◆金は反発し、原油は小幅に反落。


米3月NY連銀製造業景況指数           →   3.7%

米2月鉱工業生産                   →   0.1%

米2月設備稼働率                   →   78.2%

米 3月ミシガン大学消費者マインド(速報値)   →   97.8  


本日の注目イベント

◆日   2月貿易収支

◆日   1月鉱工業生産(確定値)

◆欧   ユーロ圏1月貿易収支

◆米   3月NAHB住宅市場指数


中国は4月1日付で付加価値税を引き下げ、経済下押し圧力への対応として大規模減税

などを実施すると、全人代の閉幕に際し李克強首相が記者会見で表明しました。

李首相は、「経済への下押し圧力に対応して強い措置を取る必要がある」と述べ、さら

に、「無差別なアプローチは短期的にはうまくいくかもしれないが、将来の問題につな

がる可能性がある。従って、これは実行可能な選択肢ではない。われわれの選択は市場

参加者が活性化することだ」と語り、暗に、トランプ政権が仕掛けた貿易戦争を批判し

ています。(ブルームバーグ)減税の規模は2兆元(約33兆円)との見方が有力です。

景気減速が鮮明な中国は、あらゆる景気刺激策を駆使し、これ以上の景気の落ち込みを

防ぎたいところです。そのためには、まだ最終合意には至っていない、米国との通商協

議をまとめ、米国による関税引き上げは何としても避けなければなりません。

ただ、そのためにはトランプ大統領と習近平国家主席が直接会い、会談する必要があり

ます。当初、今月27日あたりに予定されていた首脳会談は4月にずれ込む見込みです

が、香港の有力紙は会談が6月にずれ込むと報じています。

トランプ大統領がメキシコ国境での壁建設費を確保するために行った「非常事態宣言」

の先行きもそう簡単ではないようです。米上院はこの「非常事態宣言」を無効とする決議

案を14日可決しました。上院は与党共和党が過半数を維持している「安全圏」と見ら

れていましたが、共和党から12人の造反があり、無効が決議された模様です。

さらに、トランプ大統領はこれに対しては「拒否権」を発動しており、何としても資金

の確保を狙っています。議会も、拒否権を無効としたいところですが、これには議会の

3分の2以上の反対が必要で、造反者が出たとはいえ、これを覆すことは難しそうです。

ただ、司法の判断も残されており、先行きは不透明です。

ドル円は先週末111円90銭まで買われましたが、今回も112円乗せには失敗して

います。112円がやや「壁」になりつつあるように思えますが、それでも米長期金利

が2.6%を大きく割り込んでいる状況では、ドル円は健闘していると言えます。

先週も触れましたが、米金利は低下したとはいえ、まだ主要国の中では「高い」と見ら

れていることなど、ドルに魅力があるということでしょうか。ただ、このままの状況が

続くかどうかは非常に不安であり、懸念されます。

何かのタイミングでドル円が米長期金利の低下傾向に「収斂」されてくることも十分考

えられます。その時は ドル円のボラティリティーも急速に上昇すると予想されます。

本日のドル円は111円20銭~112円程度を予想します。


英議会離脱延期を可決 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆ドル円は目先の節目であった111円台半ばを上抜けし、

111円83銭までドル高が進む。日銀が追加緩和に踏み切るとの

観測が台頭し、円売りにつながる。

◆ユーロドルは小動き。1.13を挟み、上下10ポイント幅で

推移。

◆ポンドドルが下落。英議会がEU離脱延期案を可決したが、

1.32台前半まで売られる。

◆株式市場はまちまち。米中貿易協議が再び株価の上値を

押さえた一方、アップルは買われた。ダウは7ドル高で取引を

終えたが、ナスダックとS&P500は下落。

◆債券相場はほぼ横ばい。長期金利は若干上昇し、2.63%台に。

◆金は3日ぶりに反落し、原油は続伸。


米新規失業保険申請件数     →  22.9万件    

米 2月輸入物価指数       →   0.6%

米1月新築住宅販売件       →   60.7万件

本日の注目イベント

日   日銀金融政策決定会合

日   黒田日銀総裁記者会見

欧   ユーロ圏2月消費者物価指数(改定値)

米   3月NY連銀製造業景況指数

米   2月鉱工業生産

米   2月設備稼働率

米   3月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

連日「BREXIT」に関する話題が市場の中心ですが、昨日も英議会はEUに離脱延期

を要請する政府案を採決し、賛成412、反対202で可決しました。これでメイ首相の

不人気な離脱案が、EU首脳会議の前日の20日までに承認されれば、6月30日までの

一時的な延期をEUに申し出ることになります。今月末の離脱期限が延期される可能性が

高まったものの、前日大きく値を戻したポンドドルは100ポイントほど売られています。

昨日は米貿易協議も再び材料になったようです。

ブルームバーグは事情に詳しい関係者の話として、トランプ大統領と習近平主席が貿易戦

争に終止符を打つ合意に署名するための首脳会談を、今月中には行われず、早くても4月

になる公算が大きいと報じました。トランプ大統領の米フロリダ州の別荘で行われると期

待されていた首脳会談は、実現するとしても4月中旬になる見込みだと伝えており、ライ

トハイザーUSTR代表が下院で証言したように、関税の全面撤廃を主張する中国と一部

関税を維持したい米国との溝が埋まっていないことが背景かと思われます。

今朝の報道でも、ムニューシン財務長官は首脳会談が今月中に開催されることはないだろ

うと正式に述べています。ムニューシン長官は「われわれには依然さらに行うべき作業が

あり、タイミングを考慮すると今月末に会談を行うことはない」と述べており、「習国家

主席の訪問の調整を話し合っている」と語っています。

ドル円は目先のレジスタンス・ゾーンであった111円台半ばを上抜け、先週6日以来

となる111円83銭までドル高が進みました。昨日の東京時間に111円50銭をあ

っさり抜け、株価が下げた中では逆行する動きでした。

本日の日銀政策決定会合で、金融緩和が強化されるといった思惑がドルを押し上げた模

様です。緩やかな上昇が続いているドル円ですが、目先は112円台を回復できるかどう

かが注目されます。

先週までに112円台を2回試していますが、いずれも押し戻され、先週末には雇用統計

の結果に反応し、110円台後半まで売られる場面もありました。

チャートを見ると120日線を再び上回ってきましたが、「転換線」も「基準線」も横ば

いで推移しており、112円台を回復してどんどん上昇する状況ではありません。

本日の予想は111円40銭~112円10銭程度と見ます。


英議会での可決を受けポンド急騰 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆ドル円は買い優勢の中、111円48銭まで上昇したが、今回も

111円台半ばが抜け切れずに反落。111円01銭まで売られ、

111円20-25銭で取引を終える。

◆英議会が「合意なき離脱」を回避する案を可決したことで

ポンドドルは急伸。前日の高値を大きく抜き、1.3382前後まで

買い戻しが進み、2018年6月以来となる高値を記録。

◆株式市場はボーイング株が引き続き売られたものの反発。

ダウは148ドル上げ、S&P500は4カ月ぶりの高値に。

◆金は続伸し、1300ドル台を回復。原油価格も在庫の減少を材料に

1.39ドル上昇し、一気に58ドル台半ばまで買われる。

米2月生産者物価指数      →  0.1%

米1月耐久財受注         →  0.4%

本日の注目イベント

  • 豪   豪3月ウエストパック消費者信頼感指数

  • 中   中国 2月小売売上高

  • 中   中国 2月鉱工業生産

  • 独   独2月消費者物価指数(改定値)

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米 2月輸入物価指数

  • 米   1月新築住宅販売件数


    昨日も市場の「主役」は英議会であり、ポンドでした。

    英議会は13日、EUからの「合意なき離脱」を回避する案を賛成多数で可決

    しました。下院は合意なき離脱を拒否する案を賛成321、反対278で可決

    し、今後は、離脱期限の延期と、離脱条件の根本的な見直しに道を開いた格好

    になります。

    議会は本日、3月29日の離脱期限の延長をEUに申請するかどうかを採決す

    ることになっています。

    メイ首相は下院で、議会はこの決定がもたらす結果に立ち向かわなければなら

    ないと発言し、近く合意がまとまれば、EUに短期間の離脱延期を求めるつも

    りだと述べました。また首相は、合意できなければ延期ははるかに長期にわた

    るだろうと指摘しています(ブルームバーグ)

    議会での可決を受け、市場は「ポジィティブ・サプライズ」と受けとめ、ポン

    ドの買い戻しが急速に膨らんだ模様です。

    ポンドドルは1.32台から1.33台後半まで急騰し、対円でも149円目

    前までポンド高が進み、連日荒っぽい動きが続いています。

    ドル円は欧州市場の流れを受け朝方は底堅く推移していましたが、トランプ大

    統領が事故のあった同機種のボーイング機の運行停止することを発表すると、

    株価が軟調となり、リスク回避の円買いが強まって、111円前後までドル売


    が進んでいます。ドル円は111円台で一進一退を続けていますが、昨日も述

    べたように、米長期金利の低下傾向を勘案すると、どちらかと言えば下落の可

    能性が高いと見ています。

    ただ、金利の低下は米国だけではなく、ドイツや、フランス、英国やカナダなど

    主要国でも見られ、これは世界的な景気減速が背景かと思われます。

    米長期金利は下げたとはいえ、まだ2.6%台で、相対的に言えば高金利通貨の

    地位を占めています。

    ドル円のボラティリティーが低く、そう大きな値動きが予想できないとすれば、

    ドルを保有することにメリットがあり、「円キャリー」がドル円の下落を支えて

    いるとも考えられます。

    本日もドル円にインパクトを与える材料は見当たりません。

    東京時間では静かな動きが予想され、レンジは110円80銭~111円60銭

    程度を予想します。




  • 英議会「EU離脱修正案」を否決 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

    ◆ドル円は前日と同じような展開となり、111円台で

    もみ合う。米長期金利の低下に111円12銭まで売られたが

    勢いはなく、111円30-35銭で引ける。

    ◆ポンドドルは乱高下。EU離脱案が議会での可決期待から

    買われていたが、否決されたことで1.32台から200ポイント

    を超える下落に。

    ◆株式市場は反落。前日に続きボーイング株が大きく売られ、

    ダウは96ドル安。一方アップルなどが買われたことで

    ナスダックは32ポイント上昇。

    ◆債券は反発。10年債入札が好調だったこともあり長期金利は

    一時2.6%を割り込み、今年1月4日以来となる低水準に。

    ◆金は反発し、原油価格は小幅に続伸。

    2月消費者物価指数       →  0.2%

    本日の注目イベント

  • 欧   ユーロ圏1月鉱工業生産

  • 英   英議会、「合意なき離脱」の是非を採決

  • 米   2月生産者物価指数

  • 米   1月耐久財受注


    ひょっとしたら議会で承認されるのかといった期待もありましたが、今朝方、

    英議会はメイ首相がEUから取り付けた修正を加えた離脱案を大差で否決し

    ました。賛成242票、反対391票の結果となり、これで英国の選択肢は

    「合意なき離脱」か「離脱延期」かとなり、引き続き本日「合意なき離脱」

    の是非を採決することになります。

    修正離脱案の承認がほとんど見込めなくなったことから、下院は週内にも離

    脱延期の採決を行うと見られていますが、離脱を延期しても結局は問題を数

    カ月先延ばしにしただけに終わる可能性もあり、メイ首相は今後議会が直面

    する選択肢の一つが再度の国民投票だと述べています。メイ首相は採決後に、

    「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、

    われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最

    善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」と述べています。(ブル

    ームバーグ)

    ポンドドルは、昨日のEUから取り付けた合意案を背景に、1.29台後半

    から徐々に買われ、1.3262前後まで上昇しましたが、否決が伝わると

    1.30近辺まで急落し、極めて荒っぽい動きを見せています。この動きは

    まだ今週一杯は続くと見られ、注意が必要です。

    米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は数週間以内に最終合意す

    る可能性があると見られている米中貿易協議について、中国政府による協議

    履行を確実にする手段として、トランプ政権は中国からの輸入品に対する追

    加関税という選択肢を残しておく必要があると、上院の公聴会で証言しまし

    た。ライトハイザー氏は、「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合

    意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」

    と述べています。中国側は、今回の交渉を契機に、両国の関税を全面的に撤

    廃することを求めており、米中首脳会談での「合意、署名」の日程がいまだ

    に定まらないのは、このあたりの認識の違いが障害になっていると思われま

    す。トランプ大統領と習近平主席との首脳会談は当初今月27日にも行われ

    るとの見方もありましたが、トランプ氏自身これを否定し、4月にずれ込む

    と述べていました。

    米長期金利がさらに低下し、昨日は2.60%を割り込む場面もありました。

    引け値では2.60%台を回復してはいますが、2.60%割れは1月4日

    以来ということになります。

    その割にはドル円は堅調です。

    値動きが少ないということもありますが、110円台半ばから111円台半

    ばでのもみ合いが続いています。

    一目均衡表(日足)では、依然として雲の上方で推移しているため、ドル上

    昇局面にはいますが、「MACD」ではすでに、デッドクロスを示していま

    す。これもあくまでも「過去の経験則」に照らしてのことですが、ドル円下

    落のサインと見ることもできます。

    本日の予想レンジは110円70銭~111円50銭といったところでしょ

    うか。


  • EU離脱案採決前にポンド上昇 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場


    • ドル円は111円台で堅調に推移。米経済指標の発表に111円03銭
      まで売られたが、その後は株価の上昇を好感する形で111円28銭
      前後まで上昇。

    • ユーロドルも1.12台で小動き。ややユーロ買いが優り、1.12台半ばまで上昇。

    • 株式市場は大幅に反発。エチオピア航空機の事故を受けボーイング株が大きく売られたが、IT株が大きく上昇。ダウは6日ぶりに反発し、ナスダックは149ポイントの上昇。

    • 債券市場は小幅に反落。長期金利は2.63%台へ上昇。

    • 金は反落し、原油価格は反発。

    • 1月小売売上高     →  0.2%

    本日の注目イベント

    • 英  1月貿易収支
    • 英  1月鉱工業生産
    • 英  議会、12日までに政府の離脱修正案を採択
    • 米  2月消費者物価指数
    • 米  USTR代表、上院のWTOに関する公聴会で証言

    ドル円は昨日の東京市場では110円台が底堅く、日経平均株価の上昇もあったことで、111円台を回復。NY市場でも大きな動きはなく、終始111円台での取引となっています。1月の小売売上高は市場予想と同じでしたが、12月分が下方修正されたことで
    ドルがやや売られる場面もありましたが、111円台は維持しています。

    ホワイトハウスのサンダース報道官は11日、トランプ大統領と習近平国家主席との会談の日程はまだ決めていないことを明らかにしました。これに先立って10日には、クドロー国家経済会議(NEC)委員長も、米中首脳会談には楽観的であるが、開催は4月にずれ込む可能性があることを示唆していました。サンダース報道官は記者団に対して、「トランプ大統領は米国にとって最善の利益になるなら取引するだろう」と述べ、「良い取引だと思わない場合は署名に及ばない」とした上で、「われわれは中国との交渉を続けており、両首脳の会談の発表があれば、間違いなく、知らせる」と語っています。(ブルームバーグ)両国での最終合意を前に、最後の詰めを巡って折り合わない部分が出てきていると見られ、このまま合意に至らないことはないとは思いますが、懸念材料となっています。

    トランプ政権は11日、2020会計年度(2019年10月―20年9月)予算教書を発表しました。それによると、規模は4兆7000億ドル(約523兆円)で、国内の裁量的経費を過去最大級の幅で削減する一方、国防費の増大やメキシコ国境の壁建設のための
    追加予算86億ドルを要求しています。予算教書では、年間の財政赤字が向こう10年以上続き、国家債務も増加すると見込んでおり、議会が拒否するのは必至だと、ブルームバーグは報じています。予算を巡って議会で対立が深まれば、再び政府機関の閉鎖ということも考えられます。

    本日、EU離脱案を採決することになっている英国では、メイ首相がEUとの離脱合意案の「強化・改善」につながる「法的拘束力のある修正」を確保したと、首相の側近が語っていると報道されています。ブルームバーグは、離脱後のアイルランド国境へのハードボーダー設置回避を保証する「バックストップ(安全策)」条項への「法的拘束力を伴う修正」を首相が勝ち取ったと伝えていますが、昨日ユンケルEU委員長と会談を行っていることから、英国に譲歩した条件が話し合われたと思われます。

    ポンドドルはこの情報を手がかりに急騰しており、今朝もすでにNYのクローズから100ポイントほど上昇しています。本日は英国議会での採決が最大の注目点です。ドル円の予想レンジは、110円80銭~111円70銭程度と見ます。


    ドル円雇用統計後に下落 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場


    • 2月の雇用統計を受けドル円は急落。非農業部門雇用者数が
      予想を大きく下回る2万人だったことで、ドル円は110円75銭まで
      売られる。株安、長期金利の低下もドルの上値を抑える。

    • ユーロドルは引き続き軟調に推移。1.12台前半から半ば
      での取引に終始する。

    • 株式市場はアジア市場の株価の下落と、低調な雇用統計の結果に
      続落。ダウは22ドル下げ5日続落。

    • 債券相場は続伸し、長期金利は2.62%台まで低下。

    • 金は反発。原油価格は反落。

    • 8月失業率              →   3.8%

    • 8月非農業部門雇用者数   →   2.0万人

    • 8月平均時給 (前月比)     →   0.4%

    • 8月平均時給 (前年比)     →   3.4%

    • 8月労働参加率          →   63.2%

    • 1月住宅着工件数        →   123万件

    • 1月建設許可件数        →   134.5万件

    本日の注目イベント

    • 独  独1月鉱工業生産
    • 独  独1月貿易収支
    • 独  独1月経常収支
    • 米  1月小売売上高
    • 米  1月鉱工業生産
    • 米  1月設備稼働率
    • 米  米大統領、2020年予算教書を発表

    2月の米雇用統計には驚きました。非農業部門雇用者数が、事前予想の18万人に対して2万人と、大きく減少していました。一方で失業率は3.8%と予想を上回り、平均時給も3.4%(対前年比)と上昇しており、強弱入り混じった結果でした。

    雇用者数が1年5カ月ぶりの小幅な伸びに留まったのは、天候不順や政府機関閉鎖の影響によるものとの分析がありますが、米経済指標の中でも「優等生」だった、労働市場にも景気減速の波が押し寄せてきたのではないかとの懸念もくすぶります。雇用者数の変化は、単月ではなく、3カ月単位で見るほうが、より実態を表していると言われています。1月分と昨年12月分がともに上方修正されたこともあり、直近3カ月の平均で見た場合「18.6万人」となり、労働市場は堅調に推移していると言えますが、今回が特殊要因による異常値だったのかどうかを見極める意味で、3月の雇用統計が重要になると思われます。

    先週末から日曜日にかけては、FRBや、ほぼ終わったかと思われた米中通商協議に関わる報道がありました。パウエルFRB議長は8日、FOMCでのフォワードガイダンスの公表を見直すことを示唆しました。その理由として、ドット・プロット(金利予測分布図)が「時として混乱の元になっている」ことを認め、「付随する混乱に対処するため他の手段をわれわれは見出す必要があるだろう」と発言しました。また米景気については、米国のインフレ率は低位安定し、スラック(たるみ)に過度に反応していないと指摘し、その一方で、西欧と中国、米国を例に挙げて過去半年で世界的に景気が減速したと述べています。「英国のEU離脱や通商政策を巡る先行き不透明感を背景に、見通しへの下向きリスクが増大した」と分析しています。(ブルームバーグ)

    米中貿易通商を巡っては、早ければ今月27日にも米中首脳が直接会談し、その後合意するとの見方でしたが、会談が4月にずれ込む可能性があることが発表されています。また、中国側はこれを契機に米中間のすべての関税を撤廃したい意向ですが、
    米国側がこれに難色を示しているようです。今朝の報道では、中国人民銀行の易総裁は、輸出を後押しする通貨の切り下げは
    しないことを表明し、国内の一段の景気減速を避けるためさらなる金融緩和で対応する方針を示しています。(日経新聞)

    ドル円は先週112円台を2度ほど試してその水準を維持できず、110円台後半まで反落しています。現時点では110-112円のレンジを形成しつつある状況かと考えますが、ドルの上値の重さは、やはり相関度の高い米長期金利の低下が効いていると思われます。今後とも米長期金利の動きと、先週末の雇用統計で見たように、景気減速が労働市場にまで影響を及ぼし始めたのかどうかを見極める必要があろうかと思います。本日の予想レンジは110円50銭~111円40銭程度とします。


    ECBの決定を受けユーロ急落 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円はECB理事会での決定を受け、リスク回避の流れが

    強まったことから111円48銭まで下落。長期金利の低下や

    株価の大幅下落も円買いを支えた。

  • ユーロドルは大幅に下落し、節目の1.12を割り込み、

    2017年6月以来となる1.1177までユーロ安が進行。

    ECBが成長見通しや、利上げ見通しをハト派寄りに変更した

    ことが材料に。

  • 株式市場は続落。ECBが景気見通しを下方修正した

    ことを手がかりに大きく売られる。ダウは4日続落し

    200ドルの下げに。

  • リスク回避の流れが強まり債券価格は上昇。10年債利回りは

    2.63%台まで低下。

  • 金は続伸し、原油価格は反発。


  • 新規失業保険申請件数        →  22.3万件

  • 10-12月期家計純資産       →  3730bドル

  • 1月消費者信用残高          →   170.5億ドル

    本日の注目イベント

  • 日   1月国際収支

  • 日   10-12月GDP(改定値)

  • 中   中国 2月貿易収支

  • 米   2月雇用統計

  • 米   1月住宅着工件数

  • 米   1月建設許可件数

  • 加   カナダ2月住宅着工件数

  • 加   カナ2月就業者数

  • 加   カナダ2月失業率

      

    「100年に一度の金融危機」と言われた2008年9月の「リーマンショック」。

    多くの中央銀行は非伝統的な金融政策を含むあらゆる金融政策を動員し、景気回復

    に心血を注いできました。その結果、トップランナーである米国は2015年末に

    政策金利の引き上げに踏み切り、「金融正常化」への道を歩んできたことはご存知

    の通りです。その米国に周回遅れで走って来たのが欧州でしたが、どうやらその遅

    れはさらに拡大しそうな気配です。

    ECBは7日定例理事会を開き、経済見通しを大幅に下方修正しました。域内のけ

    ん引役であるドイツを中心に景気減速が急速に進んだことで修正を余儀なくされた

    形です。ECBは2019年の経済成長率予想をこれまでの1.7%から1.1%

    に下方修正し、2020年も引き下げました。

    インフレ率予想についても2019年は、従来予想の1.6%から1.2%へと引

    き下げ、2020、2021年も同様に引き下げています。

    さらにECBは、条件付長期リファイナンスオペ(TLTRO)の再開も決定しま

    した。昨年12月に資産購入プログラムの終了を決めたばかりでしたが、再び景気

    刺激策の導入に踏み切ったわけですが、この決定はサプライズとして市場に受け止

    められています。また利上げのタイミングについても、「早くとも今年の夏以降」

    としていた従来予測を、「少なくとも年末まで現行水準に留まる」として、利上げ

    は来年以降になることを表明しました。

    ドラギ総裁は理事会後の記者会見で「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関

    連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ」と述べ、「ユーロ圏

    の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」と語っ

    ています。(ブルームバーグ)ユーロ圏は米中貿易戦争の影響だけではなく、米国

    への鉄鋼に対して関税が引き上げられており、さらに米国はユーロ圏への農産物の

    輸出を巡りユーロ圏からの自動車に対して関税を引き上げると脅しをかけています。

    米国とEUとの貿易戦争はこれからが本番といった状況です。

    年内の利上げを停止する可能性のある米国。先週の全人代で今年の経済成長率を下

    方修正した中国。さらにわが国でも、昨日発表された景気指数は3カ月連続で低下

    しており、すでに景気はピークアウトしているのではとの観測も出ています。

    日米欧に中国を加えた「世界4大経済地域」で景気減速が鮮明になれば、リーマン

    ショック級とは言わないまでも、マクロ的に見れば世界景気の低迷を背景に、低金

    利水準が当面続くということになります。そして、その最大の原因はトランプ政権

    が仕掛けた「貿易戦争」にあることは明らかで、米国の保護貿易、自国主義が世界

    景気の脅威になっていることを、昨日ドラギ総裁も暗に批判していたと受け止めて

    います。

    ユーロドルはこの決定を受けて大きく売られ、非常に重要な節目と見られていた1

    .12を割り込み、1.1177前後までユーロ安が進みました。この水準は20

    17年6月以来となり、ユーロは他の主要通貨に対しても大きく下落しています。

    ユーロドルを予想するには、すでに下落が大きいため「週足」でも下値のメドが

    見当たらず、「月足」チャートを読むことになります。「月足」では雲の下限が1.

    10台前半にあり、ここを割り込むようだとチャート上は相当な下落が予想されま

    す。

    ユーロドルで「ドル高・ユーロ安」が進んだことで、ドル円でももう少しドル高が

    進んでもおかしくはなかった状況でしたが、市場の「リスクオフ」の流れからやや

    円が買われたものと思われます。そう考えると本日のドル円の上値はやはり重いと

    予想され、下値は「200日線」のある、111円35-40銭近辺がサポート見

    ています。この水準を抜けるようだと111円割れもないとは言えません。

    本日は、雇用統計もあります。

    かつてほど動きのない雇用統計ですが、予断を持つことなく臨むことが肝要です。

    予想レンジは111円~112円程度とします。


  • ユーロドルやや水準下げるもECB会合待ちち 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は小動き。ADP雇用者数や貿易収支の結果にも

    反応せず、111円台半ばから後半で推移。米長期金利がやや

    低下したことで、111円62銭まで売られる。

  • ユーロドルは水準をやや下げ、1.1286まで下落。

    本日のECB会合で、景気見通しを引き下げるとの観測が

    重石に。

  • 株式市場は続落。米中通商協議にメドがたったことや、

    景気見通しが下方修正されたことが手がかりとなり、ダウは

    133ドル下落し、3日続落。

  • 債券相場は続伸。世界景気の見通しが下方修正され、

    株価も軟調だったことから債券は買われた。長期金利は

    2.7%台を割り込む。

  • 金は8日ぶりに反発。原油は続落。


  • 2月ADP雇用者数     →  18.3万件

  • 12月貿易収支       →   -598億ドル

    本日の注目イベント

  • 豪   豪1月貿易収支

  • 豪   豪1月小売売上高

  • 中   中国 2月外貨準備高

  • 欧   ユーロ圏10-12月期GDP(確定値)

  • 欧   ECB政策金利発表

  • 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   10-12月期家計純資産

  • 米   1月消費者信用残高


    ドル円は2月のADP雇用者数や、政府機関の一部閉鎖で送れていた12月の貿易収支

    の発表にもほとんど反応せず、111円台後半でもみ合いました。

    2月のADP雇用者数は事前予想とほぼ一致しており材料にはならず、12月の貿易収

    支は、短月としては10年ぶりの貿易赤字額でした。特に対中国の貿易赤字額は財のみ

    で過去最高の4192億ドル(約46兆9千億円)でした。米中貿易戦争の影響で中国

    側からの駆け込み輸出が拡大したものと思われます。また、対メキシコとEUでも過去

    最大の赤字額を記録しています。この結果通年でも6210億ドル(約70兆円)と1

    0年ぶりに大幅赤字額になっています。

    NY市場では株価が続落し、長期金利も低下しました。利益確定の売りもあったようで

    すが、世界経済の鈍化予測を背景にややリスク回避が進んだ形です。

    OECD(経済協力開発機構)が6日発表した報告書では、世界経済は貿易摩擦と政治

    的不確実性から予想される以上に苦戦しており、特に欧州の見通しを曇らせていると指

    摘しています。OECDは「世界的な景気拡大は勢いを失い続けている」とし、「下振

    れリスクが現実に影響した場合、経済成長はさらに弱まりかねない」と分析しています。

    さらなる貿易障害や英国の合意なきEU離脱、債務増大による金融の脆弱性などのリス

    クが積み上がる中、状況はむしろ悪化する恐れがあるとし、イタリア経済は2013年

    以降で初めて通年で縮小する可能性もあると警告しています。(ブルームバーグ)

    ただこれは昨秋口から始まったトランプ政権の保護貿易主義、自国主義の影響を考えれ

    ば、当然の帰結と言えます。ブルームバーグの分析によれば、貿易赤字額はトランプ大

    統領就任後の2年間で1000億ドル強拡大したことを意味し、さらにトランプ大統領

    自身の指標を使えば、米国の暮らし向きは政権発足直前の2016年末から20%悪化

    したことになると手厳しい評価を下しています。

    ベージュブックでも米国内の景気に対する見方に下方修正がありました。前回のベージ

    ュブックでは、全12地区のうち8地区が「緩慢ないし緩やか」な景気拡大を報告してい

    ましたが今回は、10地区が「わずかないし緩やか」とし、残り2地区は「景気の拡大

    は横ばい」と報告されていました。もっとも、こちらもこれまでの経済指標や貿易戦争の

    影響を考えれば「想定内」と言えるのではないかと思います。

    これらの報告に対して株式と債券市場は素直に反応しましたが、為替市場の

    動きは相変わらず鈍く、ドル円は長期金利の低下に売られましたが、111円62銭前

    後までで勢いはなかったようです。ドルが売られても、これまで上値抵抗線であった「

    120日移動平均線」が今度は下値支持線として機能しているようです。

    本日はECBの理事会とドラギ総裁の記者会見があります。ECBは域内の景気見通し

    を引き下げる公算が高いと見られています。ユーロドルの動きがドル円にも影響を与え

    ることが予想されます。

    本日のレンジは111円30銭~112円20銭程度を予想します。


  • ドル円再び112円台を回復するも維持できず 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は良好な経済指標とユーロが売られたことに反応し、

    112円13銭までドル高が進み、昨年12月20日以来となる

    ドル高水準を記録。ただ112円台は維持できず、111円85-90銭

    まで押し戻されて取り引きを終える。

  • ユーロドルは続落。米経済指標を手がかりに1.1290まで

    ユーロ安が進む。

  • 株式市場は良好な経済指標を材料にプラス圏で推移して

    いたが、引けにかけて売られる。ダウは続落し13ドル安。

  • 債券相場はほぼ横ばい。長期金利も2.72%前後で推移。

  • 金は7日続落。原油は小幅に反落。


  •  12月新築住宅販売件数         →  62.1万件

  • 2月ISM非製造業景況指数        →   59.7

  • 1月財政収支                 →   87億ドル

    本日の注目イベント

  • 豪   豪10-12月期GDP

  • トルコ  トルコ中銀政策金利発表

  • 欧   OECD経済見通し

  • 米   2月ADP雇用者数

  • 米  12月貿易収支

  • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告)

  • 米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演

  • 加   カナダ中銀政策金利発表

  • 加   カナダ12月貿易収支


    底堅い動きが続いているドル円は、昨日のNY市場では再び112円台に乗せ、

    一時は112円13銭までドル高が進みました。先週末に記録したドルの直近

    高値である112円08銭を抜けたことで、もう一段の上昇を予想する向きも

    ありましたが、今回も押し戻され、112円台定着は失敗に終わっています。

    ユーロドルが再び1.13を割り込んできたことで、ドル円でも円売りが強ま

    った側面が強く、引き続きユーロドルやポンドドルの動きに引っ張られる展開

    が続いています。

    ポンペオ国務長官は5日米通信社とのインタビューに応じ、トランプ大統領は

    中国との通商協議で「完璧なディール」を確保できないかぎり、合意に背を向


    ける構えであることを明らかにしました。

    ポンペオ氏は「うまくいかないのであれば、われわれは声高に抗議を続ける」

    と述べ、中国との通商交渉はうまく行ってはいるものの、トランプ政権として

    はあくまでも妥協しない姿勢を見せたものと見られます。

    先週世界に驚きを与えた米朝首脳会談での「物別れ」も、背景にはポンペオ氏

    の考えがトランプ大統領の署名を阻止したとの報道もあるように、ポンペオ氏

    は米中通商協議でも、重要な役割を演じているのかもしれません、

    今月27日には米中首脳が直接会って「合意」に達すると見られていますが、

    最後の最後まで安心はできないということのようです。

    昨日発表されたISM非製造業景況指数は、市場予想を上回り堅調でした。

    また、発表が遅れていた12月の新築住宅販売も予想を上回り、減速が続いて

    いる住宅市場にやや底入れ感も出ています。

    ドル円はこれら経済指標の上振れを好感して上昇した面もあり、年内の利上げ

    に否定的な市場の見方に影響を与えたものです。利上げに関してボストン連銀

    のローゼングレン総裁は昨日講演を行いましたが、内容はパウエル議長と歩調

    を合わせたものでした。

    総裁は、「一連のリスクが現実になりつつあるかどうか、金融当局がはっきり

    分かるようになるには、数回のFOMC会合が必要かもしれない」と語り、

    「辛抱強くなって、時間をかけてリスクを評価するには良い機会だ」と述べて

    います。結局、今年利上げがあるのかどうかは「今後の経済データ次第」とい

    う、パウエル議長の見解と一致しています。

    因みに同総裁は今年のFOMCでの投票権を持っています。

    112円台定着には失敗しましたが、ドル円は底堅い動きが続いています。そ

    れでも意識されるのは「週足」200週移動平均線が位置する112円35銭

    前後です。今回の動きは昨年7月の動きにやや類似しているとも考えられます。

    この時は104円台を記録した後、ドル円は113円台まで上昇に転じ、

    200週移動平均線が抜けずに109円台後半まで、3円以上も押し戻されて

    います。一応、頭の片隅には入れておくべきでしょう。

    本日のレンジは111円40銭~112円30銭程度を予想します。


  • 対ドル、ユーロで利益確定の円買い 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場


    • ドル円は112円台を維持できず。米長期金利の
      低下と株安が進み、ややリスク回避の流れが強まった
      ことで利益確定の売りを伴い、111円64銭まで売られる。

    • ユーロドルは下落。1.1309までユーロ安が
      進むが、1.13台はキープ。ユーロ円の利食い売りも出て、
      徐々に下値を切り下げる。

    • 株式市場は反落。ダウは一時400ドル超える下げを
      見せたが、引け値は206ドル安。米中協議の合意が近い
      との報道で、材料出尽くし感も。

    • 債券相場は反発。長期金利は2.72%台へ低下。

    • 金は売られ1290ドル台を割り込む。これで6日続落。
      原油価格は反発。

    本日の注目イベント

    • 豪  RBA、キャッシュターゲット
    • 豪  10-12月期経常収支
    • 中  2月財新サービス業PMI
    • 中  2月財新コンポジットPMI
    • 中  全人代開幕
    • 欧  ユーロ圏2月総合PMI(改定値)
    • 欧  ユーロ圏2月サービス業PMI(改定値)
    • 欧  ユーロ圏1月小売売上高
    • 英  カーニー総裁、上院で証言
    • 米  12月新築住宅販売件数
    • 米  2月ISM非製造業景況指数
    • 米  1月財政収支
    • 米  バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
     
    先週末のNY市場で112円台に乗せたドル円は、昨日の東京市場でも112円にワンタッチする場面がありましたが、動きは鈍く、その分ドルの上値も重い展開でした。昨日のNY市場では、株価が大幅に下げ、長期金利も低下したことで、利益確定のドル売りを伴い、111円64銭前後まで反落しています。ドル円も米国株も利益を確定する動きに押されたもので、まだ直近の天井をつけたのかどうかは判然としません。ドルが売られると上昇する傾向のある金価格も、昨日で6日続落し、ここでは、ドル上昇を示唆している格好です。足元のドル円は、基本的には米長期金利との相関が強く、引き続き米長期金利の動きに着目した展開が予想されます。

    大詰めを迎えている米中通商協議は、今月27日にトランプ大統領と習近平国家主席が直接会談を行い最終合意に達する見込みだと、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は伝えています。これでひとまず「関税報復合戦」は終結に向かい、米中だけでなく、世界経済にとっても「朗報」と言える状況になります。ドル円やユーロ円、米国株が売られたのも、こうした「朗報」により、材料出尽くしが背景になったと見られます。

    ただ投資家の眼は引き続き中国に注いでいます。中国では本日から「全人代」が開催され、李克強首相が行う政府活動報告に注目が集まっています。ここで景気刺激策が発表される可能性が高く、その規模が注目されます。今朝のブルームバーグは、中国が減速する景気への対策の一環として、製造業を対象に付加価値税(VAT)率を3%引き下げる計画だと報じています。仮に税率が3%引き下げられると、製造業企業にとってはGDPの0.6%に相当する最大6000億元(約10兆円)の負担減が見込まれています。

    今週は上記「全人代」に加え、ECB理事会、RBAのキャッシュターゲット、さらには米雇用統計もあります。ようやく動きの出てきたドル円にとっても支援材料になろうかと思います。ドル円はテクニカル的には上昇傾向が示されており、実需面でも、輸出筋は「余裕を持って」相場に臨んでおり、売り急ぐ状況ではなくなっています。ただ今月は、多くの企業にとって決算月となり、その意味では海外で稼いだ利益を国内に集め、円に転じることも十分予想されます。ドル円がもう一段上昇するとしても緩やかな上昇となり、特に東京時間では上値を抑えることになるかもしれません。

    本日はドルの下値がどの程度堅いのかを試す展開と見ています。111円50銭程度が東京時間での下値のメドと予想しますが、北京から「朗報」が届くようだと、112円を試す動きもあるかもしれません。予想レンジは111円40銭~112円10銭程度でしょうか。

    ドル円2カ月ぶりに112円台に 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場


    • ドル円は続伸し、約2カ月ぶりに112円台に乗せる。米長期金利の
      上昇や米中首脳会談が早ければ今月中旬にも行われるとの報道がドル
      の支えに。ドル円は112円08銭まで買われ、111円85-90
      銭前後で越週。

    • ユーロドルはほぼ前日の水準と変わらず。1.13台半ばから
      1.14前後で推移。

    • 株式市場は反発。米中通商協議が最終合意に達する可能性が高いこと
      などを好感。ダウは110ドル上昇し、3営業日ぶりに2万6千ドル
      の大台を回復。

    • 債券相場は大きく売られる。長期金利は約1カ月ぶりに2.75%台
      まで上昇。

    • 金はドル高の影響から続落し、1300ドルの大台を割り込む。原油
      価格も大幅に下落し55ドル台に。

    • 米  12月個人所得 →  1.0%

    • 米  12月個人支出 →  -0.5%

    • 米  12月PCEコアデフレー →  1.7%

    • 米  1月個人所得 → -0.1%

    • 米  2月ISM製造業景況指数 →  54.2

    • 米  2月ミシガン大学消費者マインド →  93.8 

    本日の注目イベント

    • 豪   1月住宅建設許可件数
    • 日   2月マネタリーベース
    • トルコ 2月消費者物価指数
    • 欧   ユーロ圏1月生産者物価指数

    ドル円は約2カ月ぶりに112円台を回復しました。先週もこの欄で、111円30銭前後にある日足の「200日移動平均線」を明確に超えると、上昇余地があると述べましたが、やはりこの水準を抜けるとストップロスのドル買いなども巻き込まれ、比較的早い速度で上昇しています。

    ドルの上昇の原動力は米長期金利の上昇でした。先週末に発表された経済指標はISM製造業景況指数や、発表の遅れていた
    昨年12月の個人消費・支出も低調で、1月の個人所得も予想を下回っていました。1月のFOMC以降、急速に後退している市場の利上げ観測ですが、週末の相次ぐ軟調な経済指標の発表で利上げ期待がやや復活し、米債券売りにつながり、長期金利の上昇からドルが買われたと推測できます。また一時「休戦」状態の米中通商協議の行方も株価やドルにプラスに働いたと思われます。

    ブルームバーグは、政治的な障害が依然残っているものの、米中首脳会談は早ければ今月中旬にも開催される可能性を報じ、またウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)も、中国は米国からの農産物、化学製品、自動車などの輸入品に対する関税を引き下げることを提案し、米国側も昨年から中国製品に適用してきた制裁について、大半を撤回する検討をしているとして、米中が通商合意に近づいていると報じています。

    トランプ大統領は2日メリーランド州で開かれた保守派の会議で、為替と金融政策について言及しています。大統領は「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎる
    ドルは望んでいない」と述べ、さらにパウエルFRB議長を批判したとも取れる発言も行っています。「FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」とトランプ氏は発言しています。今回の発言は市場には影響がなかったものの、ドル円がさらに上昇した際にはトランプ氏の口から「ドル高」をけん制する発言が出てくることは明らかで、今後とも意識しておくことは必要です。

    112円台まで上昇したドル円は、今朝も111円台後半で推移しており、再び112円を窺う動きを見せています。円安が進み、米国株も上昇したことから本日の日経平均株価も堅調推移するものと思われます。いつものように、その際にドル円がどこまで上値を試せるのかが焦点です。上値には「週足」の20週移動平均線が112円35銭前後にあります。目先はこのレベルが重要かと思います。110円前半~111円前半の狭いレンジを上抜けしたことで、ドル円はしばらくは堅調に推移すると予想しています。本日は111円40銭~112円30銭程度を予想しています。

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