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ドル円111円台半ばまで反落 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆前日112円台半ばまで上昇したドル円は大きく反落。
連休前のポジション調整もあり、NY市場では111円38銭
まで下落。円は主要通貨に対して全面高の展開。
◆ユーロドルはジリジリと底値を試す展開が続き、一時は
1.1118まで売られる。前日の安値を更新し、2017年6月
以来の低水準を記録。
◆株式市場はまちまち。大型ハイテク株が上昇する一方、3M
などが決算発表後大きく売られた。ダウは134ドル安と続落し、
ナスダックは小幅に続伸。
◆債券は3日ぶりに反落。長期金利は2.53%台へと上昇。
◆金は小幅に続伸。原油価格は在庫が増えていたことを手掛かりに
続落。

◆3月耐久財受注         →   2.7%
◆ 新規失業保険申請件数      →   23.0万件
◆3月製造業受注         →   1.3%


本日の注目イベント

◆豪   豪第1四半期生産者物価指数
◆日   3月失業率
◆日  4月東京都区部消費者物価指数
◆日   3月鉱工業生産
◆米   1-3月GDP(速報値)
◆米   4月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
◆米  企業決算 → エクソンモービル


前日112円40銭まで上昇し、昨年12月以来4カ月ぶりのドル高水準を記録
したドル円でしたが昨日は大きく反落し、前日の高値から1円ほど売られ、元の
鞘に押し戻されました。もしかしたらこの動きが、大型連休中のドル円の方向性
を示唆しているのかもしれません。

昨日の東京時間でもやや上値の重さを感じましたが、下げが加速したのは日銀決
定会合の内容が伝わった時間と重なります。
市場では金融緩和のさらなる拡大を期待していた向きもあり、今回の会合が注目
されていただけに、やや失望感からドルが売られた印象です。

日銀は今回の会合で、金融政策の据え置きを決めました。
短期金利は日銀当座預金のうち政策金利残高に対して「マイナス0.1%」の金
利を適用し、長期金利は「ゼロ%程度」で推移するよう国債買い入れを行う。た
だし金利は経済・物価情勢に応じてある程度上下しうるとしています。
一部には今回の会合で、マイナス金利をさら拡大するのではないかとの見方もあ
りましたが、これ以上のマイナス金利の深堀は、金融機関の経営にも影響を与え
ることから、その副作用に配慮した側面もありそうです。
また、ETFおよび、J-REITについてははこれまで通り保有残高がそれぞれ年間約6兆円、約900億円相当
で増加するよう購入することとしました。

2%の物価上昇率達成が困難な中、注目された「展望レポート」では今年度の物
価上率を1.1%、2020年度を1.4%、2021年度でも1.6%と、前
回見通しを下方修正しました。これで2%の物価目標には届かないことになりま
すが、「当分の間、少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利
の水準を維持する」とのフォワードガイダンスを発表しています。
これまでは超低金利政策を「当分の間」継続するとしていましたが、今回は
期間を明示したことで金融緩和姿勢を強調したようですが、一方で手詰まり感は
払拭できていません。「出口」がさらに遠のいた印象も残ります。

ドル円は112円台半ばから1円ほど押し戻されたことで、日足の「MACD」
ではデッドクロスが点滅してきました。
これは今月初めてのことで、ドル下落への警戒感が醸成されそうです。
本日ワシントンで行われる日米物品貿易協議の再開を皮切りに、重要イベントや
経済指標の発表が相次ぎます。
イベントの結果や経済指標の内容次第ではドルが再び買われる可能性はあります
が、どちらかと言えばドル下落のリスクの方が高いと考えています。
為替市場は連休中も通常通り動いています。レートのチェックを怠らないように、
お願いします。

本日のドル円レンジは111円10銭~112円程度と予想します。


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ドル円4カ月ぶりの高値を記録 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆久しぶりに大きく動いたドル円。112円40銭まで買われたが、
対ドルでユーロやカナダが売られたことによる「連れ安」の側面が
強く、引けにかけは112円15-20銭まで売られる。
◆ユーロドルは急落。一時は1.1141まで売られ、2017年6月
以来のユーロ安を記録。
◆株式市場は揃って反落。主要指数が高値圏にあることもあり、
利益確定の売りに押される。キャタピラーが好決算だったが、
先行きに慎重な見方を示したことも材料視されダウは59ドル安。
◆株安から債券は続伸。長期金利は2.51%台まで低下。
◆金は7営業日ぶりに反発。原油価格も小幅に反落し66ドル台を割り込む。


本日の注目イベント

◆日   日銀金融政策決定会合
◆日   黒田日銀総裁記者会見
◆トルコ トルコ中銀政策金利発表
◆米   3月耐久財受注
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   3月製造業受注
◆米  企業決算 → スターバックス、3M、アマゾン、インテル、UPS



「そろそろ動き出してもおかしくはない」といったコメントを書きましたが、
昨日のNY市場でドル円は久しぶりに値幅を伴った動きを見せました。
ドル全面高の展開から、ドル円は112円40銭まで買われ、昨年12月2
0日以来の水準を記録しました。
ユーロやカナダ、豪ドルなどが対ドルで売られたことで、ドル円でも「円売
り」が加速し、112円20-30銭にあったドル売り注文を飲み込んで上
昇しました。

ユーロは4月のIFO景況感指数が「99.2」と、今年最も低水準だった
ことが材料となり、1.1141まで売られています。この水準は2017
年6月以来となるユーロ安水準ですが、ここまで売られると焦点は、1.1
を割り込むかどうかです。中国の景況感がやや底打ち傾向を見せる中、ユー
ロ圏の景気はドイツを中心に浮上のきっかけをつかめない状況が続いていま
す。昨日はカナダドルも1.34台前半から80ポイントほど売られていま
す。カナダ中銀の声明から利上げの文言が削除され、利上げ観測が急速に後
退したことが背景でした。

昨日は米10年債も買われ、長期金利は2.51%台まで低下しましたが、
それでも相対的な金利水準は高く、他に比べれば魅力的ということなのでし
ょうか。金利だけではなく、景気に対する見方も含めて、ドルに対する需要
はさらに高まったと言えそうです。
ただドル円は112円40銭をつけた後、112円06銭前後まで売られて
います。
10連休を控え、輸出業者を中心に先物やオプションを使って5月から8月
までの手当てをしておこうとするニーズはかなりあると予想されます。
そのため、本日も東京時間での高値更新は難しいと思われます。昨日もユー
ロドルなどの動きに「連れ安」した側面が強かったこともあり、欧州時間か
らNYにかけてのユーロの動きに注意しながらの市場参加が賢明でしょう。

もし東京時間でドル円が大きく動くとしたら、材料は日銀の決定会合でしょ
う。金融政策に変更はないものと思われますが、今回は「展望レポート」も
発表されます。
焦点は、レポートで3年先の2%物価目標達成が示されるかどうか(ブルー
ムバーグ)という点です。物価は上がりにくい状況が続いており、物価目標
を下方修正する可能性を指摘する声もあります。
また、マイナス金利をさらに深堀するのではとの見方もありますが、すでに
金融機関への副作用も議論されており、さらにマイナス金利を拡大するよう
だと、地方銀行の経営に大きな影響が
出てくる可能性もあり、これも簡単ではありません。
相場がようやく動き始めたこともあり、3時半から始まる黒田総裁の会見が、
これまでになく注目されそうです。

ドル円はこれまで112円を挟んで一進一退を続けており、111円50銭
~112円50銭の狭いレンジが予想されていましたが、昨日のドル急騰で、
チャート的には上値を追う可能性が高まってきました。
ただ上述のように、連休を前にして実需や思惑も入り乱れやすい状況です。
個人的には上値の深追いは避けたいところと思っています。
テクニカルでは依然としてドルの上昇を示唆していますが、仮に連休中に急
変があるとすれば、やはり円高方向ではないかと予想しています。

本日のドル円レンジは111円80銭~112円50銭程度とみています。



米国株大幅上昇にドルしっかり 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は昨日の朝方111円65銭まで売られたが、その後徐々に値を戻し、
    NY市場では112円台に乗せる場面も。予想を上回る米経済指標にドルが
    上昇したが、111円85銭前後まで押し戻されて取引を終える。

  • ユーロドルはドル高が進んだことで一時1.192まで売られ、3週間ぶりの
    ユーロ安水準に沈む。引けにかけては1.12台まで反発。

  • 株式市場は大幅に上昇。予想を上回る決算にナスダックとS&P500がとも
    に史上最高値を更新。ダウも145ドル上昇し最高値も視野に。

  • 債券相場は上昇し長期金利はやや低下。

  • 金は反落。原油は3日続伸し、66ドル台に乗せる。

本日の注目イベント

  • 豪  第1四半期消費者物価指数
  • 独  4月ifo景況感指数
  • 米  企業決算 → AT&T、キャタピラー、VISA、ボーイング、マイクロソフト
  • 加  カナダ中銀政策金利発表

昨日のドル円は思った以上に動き、朝方には111円65銭まで売られ、活発な展開も期待されましたが、その後はいつものようにジリジリと値を戻し、NY市場では住宅関連の指標が予想を上回ったことに反応し、112円台まで上昇する場面もありました。3月の新築住宅販売件数が予想を上回る「69.2万件」でした。このところ住宅関連指標が改善傾向を見せているため、「住宅市場が底入れした可能性がある」といった声も出てきました。

昨日のNYでの話題は株価の上昇でした。ロッキード・マーチンやハズブロが好決算を発表したことで、株価はほぼ全面高となり、特にハイテク銘柄の多いナスダックは1.3%上昇し、昨年8月に記録した史上最高値を8カ月ぶりに更新。S&P500も7カ月ぶりの更新でした。アップルなど、いわゆる「FANG」銘柄は昨年10月以降の株価急落で、時価総額を大きく減らしましたが、すでにその下落分を埋めています。米長期金利も2.5%台半ばから後半で安定している中、株価が史上細最高値を更新する「適温相場」が続いていますが、トランプ大統領が仕掛けた「関税戦争」を考えると、やや楽観的すぎるとも言えるのではないでしょうか。

そのトランプ大統領はハーレー・ダビッドソンの決算発表後にツイートし、「ハーレーは現在31%のEUの関税に苦しんでいる。この関税の一部を相殺するため、ハーレーは製造拠点を海外に移転せざるを得なかった。EUの関税率は2021年6月に66%に引き上げられる。米国に対し、非常に不当だ。われわれは報復する!」(ブルームバーグ)と述べています。トランプ氏は、ハーレーが製造工場を海外に移すことを発表した際、同社を厳しく批判していました。ハーレーはトランプ氏がEU製品に対する関税を引き上げことに対するEU側の報復措置を受けて、製造工場の海外移転を決断した経緯があります。まさに「関税戦争」の様相を強めています。

ドル円はやや動きが出てきた感じもします。「日足」や「週足」では上下しながらも、「雲」に支えられた動きになっています。そのため、トレンドはまだ上向きと捉えられます。一方で短期的な「1時間足」では、112円台での上値がわずかですが、徐々に切り下がっています。まだ明確な方向性が見えていませんが、そろそろ動き出すかもしれません。準備だけは怠らないように。
本日のレンジは111円60銭~112円10銭程度でしょうか。

WTI原油価格半年振の高値に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円はさらに膠着感を強め、111円90銭台を抜切れず。NY時間での値幅は
    わずか5銭に留まる。

  • ユーロドルも1.12台半ばで膠着。

  • 株式市場はまちまち。ボーイングが売られ、ダウは48ドル安。一方ナスダックは
    続伸し、8015ポイント台に乗せる。

  • 債券相場は小幅に下落。長期金利は2.58%台に上昇。

  • 金は5日ぶりに反発。原油価格は大きく買われ、約半年ぶりに65ドル台後半まで
    上昇。米国がイラン原油の全面禁輸を決めたことが材料に。
 
本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏4月消費者信頼感(速報値)
  • 米 2月FHFA住宅価格指数
  • 米 3月新築住宅販売件数
  • 米 4月リッチモンド連銀製造業指数
  • 米 企業決算 → コカコーラ、P&G、ベライゾン、ツイッター

米トランプ政権は22日、イラン原油の輸入を日本を含む8カ国・地域に認める特別措置を5月2日に打ち切ると発表しました。イランからの原油輸入を全面的に禁止すことで、イランに対する制裁を強める狙いがあるようです。現在イラン原油の禁輸から適用除外となっている国は日本の外、中国、ギリシャ、インド、韓国、トルコなどがあります。

ホワイトハウスのサンダース報道官は「この決定はイランの原油輸出をゼロにし、同国政権に対して主要な収入源を断つことが目的だ」と述べています。イラン原油の輸出先はアジア地域に偏っており、ブルームバーグの調べによると、3月の積み出し実績では、中国が61.3万バレルと突出しており、次いで韓国が38.7万バレルとなっており、この2カ国でイラン輸出量の6割程度を占めています。因みに3月の日本は10.8万バレルでした。問題は中国やトルコがこの禁輸に従うかどうかです。トランプ政権は、違反した場合には米国内にある資産を凍結するなどの罰則を考えているようですが、今後原油価格がさらに上昇するようだと、世界景気の成長にマイナス効果を与える可能性もあり、仮に中国が反対するようだと、米中通商協議の行方にも影響が出てくることも考えられます。

為替が動かないことにはもう慣れてきましたが、昨日のNYではわずか5銭の値幅でした。ここまできたら、重要なイベントや経済指標の発表まで動きはないと思われます。今週でいえば、明日から始まる日銀金融政策決定会合と週末の日米首脳会談ということになります。

今朝の経済紙に「国内機関投資家の外債買いが鮮明」との記事が掲載されています。記事によると、銀行、生保、運用会社などが2019年1-3月には8兆円もの(純増ベースで)買い越しを行ったようです。昨年10-12月が純増ベースでほぼ横ばいだったことを考えると、資金が急激に「外モノ」に向かっています。この背景は言うまでもなく、10年債でもマイナス金利が続く国内には運用先がないということです。海外の債券や株式に投資するということは、為替市場で「円売りドル買い」など外貨を買って投資することを意味します。今年に入って、米中貿易戦争や株価の暴落、あるいは米長期金利の急低下など、ドル売り材料が何度も出ましたが、そのたびにドルの下落が限定的だったのは、これらの資金がドルの下落を支えていたとも言えそうです。

外債投資は4月に入っても高水準が続いているようです。国内のマイナス金利が続く限り、この傾向は変わらないものと思われますが、「外モノ」に対するエクスポージャーが増えれば増えるほど、「為替リスク」も高まります。外債投資は、足元ではドル高要因にはなっていますが、今後ドル高がさらに進めば、どこかのタイミングでヘッジをかけてくるはずで、今度はドルの上昇を抑えることになります。あるいは、急激な円高が始まると為替損を回避するためのヘッジを先行して行う必要も生じてきます。異次元緩和で国内には資金がジャブジャブで、機関投資家だけではなく、企業にも大量の余裕資金があります。この傾向は個人にもあてはまり、行き場のない資金が高金利を求めてひしめき合っている状況です。

本日もドル円は動かないと予想されます。レンジは111円80銭~112円10銭と予想しますが、予想自体、意味もないようです。

主要市場休みで動かず 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は小動き。主要市場が休みな上、NY市場でも株式、債券市場が
休場で材料が乏しく、参加者も限られたため111円台後半で動かず。
◆ユーロドルも動かず1.12台半ばでの取引に終始。

◆3月住宅着工件数    →  113.9万件
◆3月建設許可件数    →  126.9万件

本日の注目イベント

◆欧   欧州市場休場
◆米   3月中古住宅販売件数



イースター休暇初日の「グッド・フライデー」のため、アジアと欧州の主要市場
が休みとなり、為替はほとんど動きがありません。
NY市場でも、株式、債券、商品市場が休場で、参加者も少なくドル円は111
円台後半で小動きでした。
経済指標関連では、3月の住宅着工件数が発表されましたが、市場予想を下回っ
てはいましたが、これ自体が材料になることはなく、ポジション調整に終始した
1日でした。

今週も余程の新しい材料が出てこない限り動きは少ないと思います。問題は今週
末から始まる10連休中に、巷間言われているような急激な動きになるのかどう
かです。為替だけではなく、株式も債券も連休前にポジションを減らしたり、ヘ
ッジをかけるなど、
大型連休を意識した動きも予想されますが、個人投資家の皆さんは、それほど慌
てる必要はないと考えます。

今年1月3日の早朝に起きたドル急落のような動きが起こる可能性は、それほど
高くはないと予想しています。
1月3日は、日本ではまだお正月休みだったということもあり、ドル円の指値注
文はそれほど多くはなかったと思われます。
それまで108円台後半で推移し、そもそも値動きが少なかったこともあり、指
値水準もせいぜい上下1円~2年程度の範囲内に収まっていたと思います。
まさか一気に4円以上も円高が進むとは想定していなかったと思われ、106円
以下での注文は少なかったものと思います。そのため、一気に104円台まで円
高が進み、その直後に107円台まで値を戻しています。

今回は、1月3日の「学習効果」もあり、112円台から上ではドル売り注文も
多く並び、同時に110円から下でもかなりの注文が集まるとみています。
そのため、仮に投機的な動きがあったとしても、水準を大きく上下させることは
そう簡単ではありません。
ただ、この連休中には重要イベントや経済指標が目白押しです。
そのイベントや経済指標の内容次第では相場が乱高下する可能性はもちろんある
でしょう。
まずは、ポジションの縮小か、資金に余裕を持たせることです。
また連休中ですが、レートをこまめにチェックすることも必要です。
本日も欧州市場はほぼ休みです。
NY市場では住宅関連指標が出ますが、参加者は通常よりも少なくなります。
レンジとしては111円70銭~112円30銭程度を予想します。



ユーロ圏の経済指標を受けユーロドル売られる 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は昨日の夕方111円77銭前後まで売られ、レンジブレイクの期待も高まったがNY市場にかけては112円台に反発。良好な米経済指標が支えに。

  • ユーロドルは水準を切り下げる。ドイツなどユーロ圏のPMIが総じて軟調だったことで1.1226までユーロ安が進む。

  • 株式市場は3指数とも揃って反発。ダウは110ドル上昇し、最高値まで300ドルに迫る。

  • 債券相場は小幅に上昇。長期金利は2.56%台に低下。

  • 金は続落し、一時は約4カぶりの安値を記録。1276ドルで引ける。原油価格は反発。

  • 3月小売売上高           →  1.6%

  • 新規失業保険申請件数        →  19.2万人

  • 3月景気先行総合指数        →  0.4%

  • 4月フィラデルフィア連銀景況指数  →  8.5

本日の注目イベント

  • 日 3月消費者物価指数
  • 米 株式、債券市場休場
  • 米 3月住宅着工件数
  • 米 3月建設許可件数

昨日の夕方、動かなかったドル円が下げ足を早め、一時111円77銭前後まで売られました。これでようやく「レンジブレイク」し、動きが出るかと期待したものの、欧州市場からNY市場にかけては再び押し戻され、112円台まで反発しています。

引き続き米経済指標が好調です。3月の小売売上高は市場予想を上回る「1.6%」で、失業保険申請件数も、20万件を下回る記録的な低水準が続いています。これらの発表を受け米景気への懸念が後退し、株価の上昇につながり、ドル円も堅調に推移しています。

一方ドル円と同じように、1.13を挟む展開が続いていたユーロドルは水準を切り下げ1.12台前半まで「ドル高・ユーロ安」が進みました。ドル円が112円台に押し戻された遠因には、ユーロドルでドル高が進んだことも挙げられます。ユーロ圏の4月の総合PMIは、市場予想では前月の「51.6」から若干改善しているとして「51.8」でしたが、結果は「51.3」とさらに悪化していました。
また、ドイツの4月製造業PMIは「44.5」と、縮小と拡大の境目である「50」を下回りました。これで今年に入って4カ月連続で節目の「50」を下回る状況が続いており、いまや、ユーロ圏全体の景気に悪影響を与えています。ユーロ圏の「盟主」ドイツの低迷が
続く限り、ユーロ圏全体の景気の底入れは望めない状況です。

昨日の欧州市場でトルコリラが急落しました。対円では19円36銭近辺から19円手前まで売られ、それほど大きな動きにはつながっていませんが、対ドルでは一時1.9%も下げています。ブルームバーグによると、外貨準備の動向について中銀から明確な説明がなかったことで、財政への懸念が強まったようです。トルコでは外貨準備の不足が続いており、英国のメディアは「トルコ経済が崩壊し、再起不能」といった報道をしています。エルドアン大統領はテレビ演説で、報道はどうであれ「われわれの状況は明快だ」と主張したと報じています。

昨日気になったニュースがありました。自民党の萩生田幹事長代行がインンターネットテレビ番組で、「6月日銀短観次第では
増税延期もあり得る」と発言したことです。10月の増税まですでに半年を切っており、このタイミングで延期はないと思いますが、
案の定、菅官房長官はいつもの定型文言である「リーマンショク級の出来事が起こらない限り、予定どおり引き上げる」と萩生田発言を否定しています。

消費税増税はすでに秒読み段階で、ここで延期することのほうが混乱を招きます。萩生田氏は、どんな意図があって発言したのか、こちらの方が興味深いと思います。

本日はイースターのため、主要市場はほぼ休場です。従って、東京市場が引ける夕方以降は動きがないものと思われます。そもそも動きの少ない状況で、欧米の参加者が休みですから期待はできません。予想レンジは111円70銭~112円20銭といったところっでしょうか。

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米国だけではなく、日本でも富める人とそうでない人との「所得格差」が拡大していると言われています。2008年のリーマンショック後の大規模な金融緩和を通じて、富裕層に資産効果を生む一方、資産を持たない人は何も恩恵受けていないことが、特に米国では顕著です。ところが日経新聞「ウォール街ラウンドアップ」によると、その富裕層からも格差を是正すべきとの声が上がっているそうです。世界最大のヘッジファンド運用会社ブリッジ・ウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオCEOは、無から自分を大富豪にした資本主義というシステムが今機能しなくなったと「資本主義の危機」を訴えています。米国では今、富裕層に対する増税だけではなく、資産の大半を慈善活動に寄付すべきといった議論も活発だとか。ダリオ氏は、先ごろ1億ドル(約112億円)を公立学校教育の向上のため、自身に住むコネティカット州に寄付することを発表したそうです。著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏は「富裕層の税金は低すぎる。私のような者に減税は必要ない」とまで述べているそうです。日本もいずれはそうなるのでしょう。
良い週末を・・・・・。

為替市場の膠着状態続く 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は昨日の朝方上値を切り上げ112円17銭まで上昇したが
その後はもみ合い。NY市場でも112円を挟む展開が続く。
◆ユーロドルも1.13を挟む動きは変わらず、膠着感がさらに
強まる。
◆株式市場は揃って下落。3指数とも高値圏にあることから
利益確定の売りも出やすく、ヘルスケアー関連を中心に下落、
◆債券相場は横ばいながら金利が小幅に上昇。
◆金は続落し、原油価格は反落。


◆2月貿易収支    →  -494億ドル

本日の注目イベント

◆豪   豪3月雇用統計
◆独   独3月生産者物価指数
◆英   英3月小売売上高
◆米   3月小売売上高
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   3月景気先行総合指数
◆米   4月フィラデルフィア連銀景況指数
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米  企業決算 → ブラックストーン、AMEX
◆加   カナダ2月小売売上高




昨日の朝方9時過ぎにドル円はやや上昇傾向を強め、112円17銭まで買われ、先月
記録した年初来高値をわずかですが「更新」しました。
通常、直近の高値を抜くとさらに上昇が加速し、市場参加者も「もう一段の上昇」を期待
し、ドル買いで追随することが多いのですが、昨日はその水準を頂点に再び112円割
れまで押し戻されています。
高値を抜いても勢いがつかないのが「今の相場の地合い」とでも言うのでしょうか、
NYでもドル円は底堅い動きを見せながらも、この水準をクリアしていません。

昨日、注目されていた中国の第一四半期のGDPが発表されました。
予想された通り、前年同期比で「6.4%」と、わずかですが上振れしました。
一部のチャイナ・ウォッチャーが「中国景気は底を打った」と指摘しているように、
このところの中国の経済指標は改善傾向を見せています。
製造業PMIや非製造業PMIなどはいずれも1月分より3月分は改善していたことが確認
できますが、これは中国政府が減税やインフラ投資、あるいは金融緩和など、積極的な
「景気刺激策」を実施していることの効果が出てきたものとみられます。
米国景気はまだら模様ながら底堅い強さを見せており、これに中国景気が底入れすれば、
先週IMFが発表した世界景気の下振れが「杞憂」に終わる可能性もあります。
ただ、まだ2019年の第一四半期を終えたばかりですので、今後の経済指標の推移を
見極める必要があります。

先週9日にトランプ政権がEUに対して関税を引き上げる考えを示したことに関して、
EUは報復関税の内容を公表しました。
EUの行政執行機関である欧州委員会は、米国が実際に関税をかければ、米国の
工業品や農業品など幅広い分野の米製品に、200億ドル(約2兆2000億円)相当
の関税をかけることを発表しました。
報復関税リストに載った品目は航空機やトラクターなどに、スーツケースやハンドバ
ッグ、さらにはケチャップにまで及んでいます。
ただ欧州委員会はそれほど強硬な姿勢を見せたわけではなく、通商担当のマルム
ストローム委員は声明文で、「対抗措置の準備を進める必要があるが、われわれは
米国との対話にオープンだ」と表明しています。(日経新聞)
それでもトランプ大統領がこれまでのような強硬姿勢を崩さないようだと、EUとの関
税問題が激化し、世界景気の押し下げ要因になることは十分考えられます。
2020年の大統領選に向けて成果をアピールしたいトランプ氏が、振り上げたこぶし
を簡単に下ろすとも思えません。

われわれ日本の為替関係者にとって非常に注目されていた「日米物品貿易協議」は、
結局大きな波乱もなく終わってしまいました。
懸念された「為替条項」については、麻生財務大臣とムニューシン財務長官が26日
に行われる日米首脳会談にあわせて直接協議することになった模様です。
従って「為替条項」が合意文書に盛り込まれるのかどうかはまだ不明で、安倍―トラ
ンプ会談の内容にも影響を受ける可能性もありそうです。

ドル円は動きません。
日本の大型連休まであと10日を切りました。
このまま膠着状態が続くと、10連休中に大きく変動する可能性も高まってくる
ように思います。
26日の日米首脳会談は日本時間では27日です。
4月30日―5月1日にはFOMCが開催され、1日にはISM製造業景況指数とADP雇用
者数が発表され、3日には4月の雇用統計と、重要イベントが目白押しです。
通常でも相場が大きく動きやすい状況ですが、日本が連休のため参加者が少なく、流
動性が低下することで相場が一方に振れやすくなることが予想されます。
もちろん大きな動きにならないこともありますが、やはり用心するにこしたことはありま
せん。

と言うことで、大きな値動きはお預けです。本日のレンジは111円85銭~112円25銭
程度といったところでしょうか。



ドル円日米協議にも動かず 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は引き続き小動きで、値幅も前日とほぼ変わらず。
日米物品貿易協議材料にドルが売られたものの111円90銭
止まり。112円台ではドル売りも強く上値を伸ばせず。
◆ユーロドルも1.13を挟む展開が変わらず小動き。
◆株式市場は3市場揃って反発。アップルなどIT株や金融株が
買われ、ナスダックは8000ポイント台を回復。
◆債券市場は続落し、長期金利は2.59%台まで上昇。
◆金は大幅に売られ、1277ドル台に。
一方原油価格は続伸し64ドル台に上昇。


◆3月鉱工業生産        →  -0.1%
◆3月設備稼働率        →   78.8% 
◆4月NAHB住宅市場指数   →   63


本日の注目イベント

◆日   3月貿易収支
◆日   2月鉱工業生産(確定値)
◆中   中国1-3月GDP
◆中   中国3月小売売上高
◆中   中国3月工業生産
◆欧   ユーロ圏3月消費者物価指数(改定値)
◆欧   ユーロ圏2月貿易収支
◆英   英3月消費者物価指数
◆米  2月貿易収支
◆米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
◆米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米  企業決算 → モルガンスタンレー
◆加   カナダ2月貿易収支


ドル円だけでなく、為替市場全体が膠着感を強めています。NY市場でのドル円は上下
わずか14銭しか動かず、ユーロドルも32ポイントの値動きでした。主要通貨のドルに
対する動きもまちまちでしたが、市場は「リスクオン」の動きがやや強かったようです。
その証拠に金が大きく売られ、引け値では1277ドル台と、今年1月24日以来の
安値を記録しました。

金は持っていても「利息」を生みません。
そのため、金投資で利益をあげるためには「価格差」しかなく、「キャピタルゲイン」狙い
ということになります。
世の中や市場が混乱すれば、その普遍性や換金性、あるいは流動性を基に金は買われます。
反対に足元のように、為替や債券、株式市場のボラティリティが低く、投資家がリスクを
取れるような状況では金の魅力が低下し、売られる傾向があります。
今はまさにこのような状況かと思われます。


トランプ政権が仕掛けた「関税戦争」は、今がピークかもしれませんが、まだ収まる気配は
ありません。
そんな中、日米物品貿易協議は2日目の会合を終えています。
日米の間では交渉の範囲に認識の違いがあったものの、会合を終えた茂木経済再生担当大臣は
記者団に「出来るだけ早期の合意を目指す」と語っています。
会合では、昨年9月の日米共同声明に沿って進めることをライトハイザーUSTR代表と
確認したとし、日本側としては物品貿易以外には想定していないと述べています。
注目されていた「為替条項」について茂木大臣は、2017年2月の日米首脳会談で
合意された通り、日米財務相間で議論されることになっていると述べています。
また米国側は、交渉が続く限り「米通商拡大法232条」を発動しないと理解している
とも語っていました。(ブルームバーグ)
来週にも再びライトハイザー代表と会い、議論を進めるとしていますが、結局
今のところ、特筆すべき合意内容はないようです。
協議の始まる前にムニューシン財務長官は、「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを
自制する為替条項を含めることになる」と先制口撃を仕掛けていましたが、これも
トランプ大統領流の「交渉術」を踏襲しただけのことだったのでしょうか。

中国との通商協議についてもクドロー国家経済会議(NEC)議長は昨日FOXテレビとの
インタビューで、今週さらに協議が行われるが、執行の問題を含む複数の面で「非常に
良い進展」があったとしながらも、「現状には満足しているが、私は予測を立てるつもりは
ない」(ブルームバーグ)と最終合意に至るかどうか明言を避けています。

連日小動きの続いているドル円ですが、当然のことながらボラティリティも急速に
低下しています。
足元では1カ月のボラは「4.78%」程度まで低下しており、2014年9月以来
の低水準になっています。今年1月3日のドル急落時には「10%」まで上昇していたので、
ここ3カ月で半分以下になったことになります。
多くの市場参加者が当面ドル円は動かない、と考えていることが背景になっていますが、
このボラティリティを基にオプション・プレミアムも算定されるため、輸出業者
にとっては、為替の水準とともに「追い風」がふいていると言えます。
因みに輸出企業の社内想定レートは日銀短観では「108円台後半」となっており、
足元の水準から3円以上も有利になっています。プレミアムを払っても、少なくも
今年上半期の為替ヘッジは十分採算が合うことになります。
112円台では実需のドル売りが出やすいのも、こうしたことが要因になっているとも
考えられます。

本日のドル円も期待はできません。
レンジは111円70銭~112円30銭程度としますが、これでもワイドすぎるのかも
しれませんが、いつものことですが、安心しきっていてはいけません。
今日は午前11時に中国のGDPが発表されますが、影響力があるだけに注目です。
市場予想は「6.3%」ですが、上振れる可能性があるかもしれません。



ドル円112円を挟んで動かず 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は112円を挟み小動き。値幅は10銭程度に収まり、
日米物品貿易協議を見極めたいとするも動かず。ドルの高値は
東京時間とほぼ同じ112円07銭。
◆ユーロドルも前日と同じく1.13を挟み小動き。
◆株式市場は3市場とも揃って反落。ゴールドマンの決算発表に
失望し金融株が下げる。ダウは27ドル下落と小幅安。
◆債券相場はやや買われ、長期金利は2.55%台へと若干低下。
◆金と原油はともに反落。


◆4月NY連銀製造業景況指数   →  10.1 

本日の注目イベント


◆豪   RBA議事録
◆独   独4月ZEW景況感指数
◆英   英3月失業率
◆米   3月鉱工業生産
◆米   3月設備稼働率
◆米   4月NAHB住宅市場指数
◆米   カプラン・ダラス連銀総裁講演
◆米  企業決算 → IBM,ジョンソン&ジョンソン、ネットフリックス、バンクオブアメリカ、ブッラクロック



昨日の東京時間では予想通り株価は大きく上昇したもののドル円の動きは鈍く、
先週末のNY市場の高値を抜けず、上値の重さを見せられたと同時に下値の方
も限定的で、株価に反応薄の1日でした。
この流れはNY市場へも引き継がれ、NY時間では値幅もわずか11銭と、ほ
ぼ動きは見られませんでした。

日米物品貿易協議(TAG)が始まり、市場はこの行方を見極めたいとのムー
ドが支配的だったとはいえ、動きはなく「無風状態」でした。
また、ムニューシン財務長官が「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを
自制する為替条項を含めることになる」と先制口撃をしてきたにも関わらず、
市場の反応は見られません。
協議では最初から日米間で認識の違いが明らかになっています。日本側は自動
車や農産物など、モノに限った物品貿易協定を求めているものの、米国側はサ
ービスも含めた包括的な自由貿易協定(FTA)を想定しており、(日経新聞)
交渉の範囲に認識の違いがあるようです。


米国の対日貿易赤字の大半は「自動車と自動車部品」によるものです。
トランプ政権とすれば、この部分に規制をかければ貿易赤字が一気に減ること
が分かっているため、日本からの自動車輸入に数量規制をかけてくる可能性も
取り沙汰されています。一方で日本側としても、その事態は何としても避けた
く、これまでに官民で手を打ってきました。
政府が今年度米国からF35戦闘機105機を、1兆円を超える予算で購入す
ることを決めたのもその一つです。
トヨタ自動車が米国への投資を5年間で100億ドル(約1兆1200億円)
コミットしていましたが、さらに30億ドル増やすことを決めたのも、トラン
プ政権へのアピールだと見られています。
実際、トランプ大統領はこれらを評価する発言を行っていました。
しかし、全て「ディ-ル」として捉えるトランプ氏は「それはそれ」と言い放
ち、厳しい要求を突きつけてくる可能性があります。
中国との貿易交渉では、中国からの大幅な譲歩を引き出すのに成功し、ほぼ合
意に近い
ところまできました。
これに味をしめて、EU,メキシコ、そして日本に対しても強硬姿勢を見せて
くることも十分考えられます。

ハト派の代表格の一人であるシカゴ連銀のエバンス総裁は昨日、CNBCのイ
ンタビューに
答えて、「フェデラルファンド(FF)金利は2020年秋まで据え置かれる
とみている」と述べ、「それによりインフレ見通しを支え、2%ないしそれを
やや上回る水準での持続を確実にできると私は考えている」と語っています。
(ブルームバーグ)
FRBは年内の利上げを断念しながらも、「今後の経済データ次第だ」という
言い回しで、利上げの余地もわずかではありますが残していると理解していま
す。政策金利据え置きを今後1年半という明確な期間に言及したのは今回のエ
バンス総裁が初めてのことと思います。
さすが「ハト派」の代表格と言われている人物です。
もしこの見方が正解であれば、今後ドル円の上昇は極めて限定的になると言え
ます。

本日はワシントンから日米協議の内容が伝わらない限りドル円は動かないとみ
られます。
レンジは、余程のインパクトのあるニュースがない限り、111円60銭~1
12円20銭程度といった所でしょうか。


ドル円5週間ぶりに112円台を回復 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は112円台を回復し、3月5日以来となる112円9銭
までドル高が進む。株高、金利高がドルを押し上げ、ユーロ円の
上昇も円売りにつながった。
◆ユーロドルは急反発。約2週間ぶりに1.1324までユーロ高
が進行。ユーロ円も126円台後半まで買われる。
◆株式市場は大幅に反発。ディズニーや金融株が上昇を牽引し、
ダウは269ドル高。S&P500は2900台に乗せる。
◆債券市場は反落。長期金利は2.56%台へと大幅に上昇。
◆金と原油はともに上昇。


◆3月輸入物価指数              →  0.6%
◆4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)  →  96.9


本日の注目イベント

◆米   日米物品貿易協議(TAG)
◆米   4月NY連銀製造業景況指数
◆米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米  企業決算 → シティーグループ、ゴールドマン

ドル円は先週末のNY市場で112円台を回復し、112円09銭まで
ドル高が進みました。
前日には111円割れもあり、上値は重いと見ていましたが、緩やかな
動きが続いている中では、予想以上の上昇です。
3月5日に記録した112円14銭が意識され、上昇は一旦止まりまし
たが、本日の展開次第では上記水準を上抜け、年初来高値をつける可能
性も出て来ました。

ドル円上昇の背景は、株高と長期金利の上昇でした。
ディズニー株が急上昇したことと、好決算を発表した銀行株が買われ、
ダウ平均を押し上げましたが、その前に中国の貿易収支が発表され、
輸出の伸びが市場予想を上回ったことで、世界経済への懸念が和らぎ、
これが株価上昇の伏線になったと思われます。NY株式市場では、再
び資金が流入しており、ダウは史上最高値に400ドルほどに迫って
おり、ナスダックもS&P500も同様な状況が続いています。
また債券市場では、株高の割にはそれほど債券が売られておらず、株
式と債券が揃って安定したな動きを見せる「適温相場」が続いており、
ドル円で円売りが進む背景には、この辺りに原因があるのかもしれま
せん。

先週15-16日にワシントンで行われた「G20」は特に材料には
なっていません。一部には「G20」の形骸化がさらに進み、単なる
顔合わせに終わっているとの指摘もありました。
「G20」終了後の記者会見で、黒田日銀総裁は「金融政策の余地が
ないと決め付けることはできない」と述べ、「わが国についてもまだ
必要があれば、さらなる追加緩和ということを考える余地はある」と
語っています。また麻生財務大臣は、日米貿易交渉を米国が急いでい
るとは認識していないと語っています。(ブルームバーグ)
その日米物品貿易協議は本日から2日間の日程で行われますが、すで
に米国からはけん制する発言が聞こえています。

ムニューシン財務長官は15日から始まる交渉を前に「為替も議題と
なり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」
と述べ、2国間の経済関係など幅広い案件を議論する意向を示してい
ます。貿易不均衡を何としても解消したいトランプ大統領は、中国を
はじめ、EU,カナダ
メキシコを相手に「関税引き上げ」を武器に貿易黒字の削減を求めて
います。
日本といえども例外ではないと見られ、今回の協議で「為替条項」や
「自動車の輸入制限」などが議題に挙げられる恐れがあります。
特に「為替条項」が合意に盛り込まれるようだと、ドル売り円高が再
燃するリスクがあり、協議の成り行きを注意深く見守る必要がありま
す。

本日のドル円は堅調な動きが予想されます。
NY市場でのドル高と株高から、日経平均株価も大幅な上昇が見込ま
れます。株高に伴いドル円も買われると思われ、上述の112円14
銭が抜けるかどうかが、
一つの焦点です。抜け切れば112円30銭程度までのドル高もない
とはいえません。

予想レンジは111円70銭~112円40銭程度と見ます。



ドル円急反発し111円台後半に 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆前日の急落で東京時間でも110円台後半だったドル円は、
良好な米経済指標と長期金利の上昇に111円70銭まで反発。
◆ユーロドルは引き続き小動きで、1.12台半ばでもみ合い。
前日と真逆の展開となり、ユーロ円は125円台後半まで上昇。
◆株式市場は小動きの中、高安まちまち。ダウは14ドル下げたものの、
S&P500は小幅高。まもなく始まる決算発表を見極めたいとする
姿勢が強まる。
◆債券相場は反落。長期金利は2.5%に届く水準まで上昇。
◆金は大幅に下げ1300ドル台を割り込む。原油価格もIEAの
需要見通しを受け大幅に反落。

◆3月生産者物価指数     →  0.6%
◆ 新規失業保険申請件数    →  19.6万人

本日の注目イベント

◆中   中国 3月貿易収支
◆欧   ユーロ圏2月鉱工業生産
◆米 3月輸入物価指数
◆米   4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)


前日のNY市場で110円85銭まで売られたドル円は、昨日の東京時間でも上値が重く、
111円を挟む展開でしたが、NY市場に戻るとジリジリとドルが買われ、111円70
銭まで大きく反発しました。
2つの経済指標が発表され、いずれも市場予想を上回るものだったとはいえ、ここ最近の
値幅のない動きを考えると、やや驚きでした。前日の「円全面高」から、昨日は一転して
「円全面安」の様相でした。

3月の生産者物価指数が予想を上回る0.6%だったことで、好調な米景気の持続や、利
上げ観測につながったと思われます。また週間失業保険申請件数も19.6万件と、実に
49年ぶりの低水準で、引き続き労働市場の拡大を示唆していると見られます。
同指標はこれで、4週連続で減少しており「失業率が低い中、雇用主にとっては労働者を
引き付け、採用することが依然困難な状況」だとブルームバーグは説明しています。

イギリスのEU離脱期限が10月末まで再延期になりました。
EUは10日、臨時首脳会議で「合意なき離脱」を回避するため、離脱の期限を6カ月
延期し、10月末にしました。
同時にイギリスがその間、離脱協定案で合意できれば、10月末を待たずに離脱する
ことができる仕組みも残しました。
さらに合意文書には、イギリスが5月の欧州議会選に不参加なら6月1日離脱といった
ことや、離脱協定案は再交渉できないなどの条件も付記されています。
EUのトゥスク大統領は「最良な解決方法を見つけるには十分な時間だ」との
コメントを残していますが、メイ首相にとっては依然としてイバラの道は続きます。
メイ首相は11日遅くに最大野党労働党のコービン党首と会談をしたようですが、
党内の抵抗も強く、短時間で会談を終えています。


FRBの中でもその発言が注目されるクラリダ副議長はワシントンでの講演で、
米経済は昨年の力強いペースから幾分減速しているが「良好な状態にある」との
認識を示しました。
副議長は、物価上昇が抑制されている中で、賃金が上昇しつつある状況を踏まえて、
「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は
非常に高い」と述べています。


 
ドル円は結局、日足の雲の上限で下落が止められ反発しました。
ドルがさらに売られても、それほど深押しはないとは予想していましたが、
予想以上の反発です。
111円70銭までドル高が進んだことで、再び日足の重要な移動平均を上抜けしてい
ます。
目先のレジスタンスは、先週の雇用統計直後につけた111円82銭ということでしょ
う。
この水準をしっかりと上抜けできれば112円台乗せへの窓が開かれてくる可能性が高
まると予想しています。
引き続き米長期金利の動きと、本格化する米企業の決算発表にも注意したいと思います。
米朝関係も再び微妙な状況になってきたようです。
ベトナムで行われた2回目の首脳会談の決裂を受け、北朝鮮のメディアは強い口調で
米国口撃を再開しています。
一方トランプ大統領が3回目の首脳会談は可能性だと述べています。G20がワシント
ンで開催されています。今回から日本が議長国です。
ここからの情報にも注意したいところです。
本日の予想レンジは111円30銭~112円程度でしょうか。



円、対ドル、ユーロなどで上昇 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 上値が重くなりつつあるドル円は再び111円を割り込み、
    110円85銭まで下落。FOMC議事録では思ったほど
    ハト派の意見はなく、111円28銭までドル高が進んだものの、
    長期金利の低下にドル売りが優勢となる。

  • ユーロドルはドラギECBの総裁の発言を受け、1.1230まで
    下落。ユーロ円の売りも誘い、ユーロは円に対しても下落。

  • 株式市場は反発。好調な企業決算が相場のセンチメント改善に
    つながり、ダウは小幅ながら3日ぶりに上昇。

  • 債券相場は上昇。長期金利は2.46%台まで低下。
    金は3日続伸。原油も反発し、引け値で64ドル台に。

本日の注目イベント

  • 中  中国3月消費者物価指数
  • 中  中国3月生産者物価指数
  • 独  3月消費者物価指数(改定値)
  • 米  3月生産者物価指数
  • 米  新規失業保険申請件数
  • 米  G20(ワシントン)  
  • 米  クラリダ・FRB副議長講演
  • 米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演

東京時間では底堅い動きを見せていたドル円は、米長期金利の低下に再び111円を割り込み、110円85銭まで売られました。ドル安が進み、ユーロドルでもユーロが買われる場面もありましたが、ユーロ円の売りも出て、結局ユーロドルの水準はほぼ変わらず。ドル円が下げた分だけユーロ円も前日より水準を切り下げています。

ECBは理事会で政策金利を予想通り据え置きました。ドラギ総裁は会見で、ユーロ圏経済が今年さらに減速したことを認め、その弱さは「年内は続くだろう」と述べました。また現在行っているマイナス金利政策につても言及し、マイナス金利が銀行の収益性を
損ない、企業や個人への融資を抑制するに至っているかを分析することが必要とも述べました。またドラギ総裁の声明によれば、政策委員会の景気判断は暗いもので、トランプ大統領の政策が貿易に及ぼす脅威や、イタリアの財政問題、英国のEU離脱を巡る不透明なリスクが山積していると指摘しています。(ブルームバーグ)

トランプ大統領は前日、EUへの報復関税に触れ、EU製品に110億ドル(約1兆2000億円)の関税を課すことを示唆しましたが、EU側もこれに負けてはいません。EUのマルムストローム通商担当委員は10日、「発動されれば同様の措置を講じる」と述べ、
「報復措置を講じなければならない(対象品目の)リストは準備済みだ」と米国をけん制する発言を行っています。(日経新聞)
米国の対EU貿易赤字額は対中国ほど大きくはなく、しかもその6割程度が対ドイツです。従って、米中貿易戦争のように激化することはないと予想していますが、トランプ大統領の貿易赤字解消に対する執拗な熱意がさらに高まると、来週15日から始まる日米物品貿易協議(TAG)に影響を与える可能性もあります。

FRBは3月10-11日に行われたFOMC議事録を公表しました。議事録では「フェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標の適切なレンジに対する見解は、今後のデータや他の動向に基づいてどちらの方向にも変わり得るとの考えを幾人かの参加者が示した」とあり、FRBの現在の金利に対するスタンスが中立であることが確認された格好です。ただ一部の当局者は、経済成長率が長期的なトレンドを上回る状態が続いた場合、年内に利上げをすることが適切だとの見解も示したとしており、「ハト派色」はまったく見られませんでした。

ドル円はこの内容が公表されるとドル高に振れる場面もありましたが、米長期金利の低下がドルの上値を抑えていました。米長期金利は再び2.5%を割り込み、約1週間ぶりに2.46%台まで低下してきました。3月28日には2.33%台まで急低下しましたが、その後は底打ち感も出て、上昇傾向を見せていましたが、米国とEUあるいはメキシコとの貿易問題が激化するとの観測などから安全資産の債券に資金が流れているものと考えられます。今後さらに上記日米物品貿易協議で自動車への関税引き上げなどが議題になるようだと、さらに金利が低下し、ドル円も円高方向に振れる可能性がないとは言えません。

これまで何度か述べてきたように、動かないドル円ですが上値は限定的で、あるとすれば円高方向と記述してきました。ようやく111円を明確に割り込んできましたが、まだ勢いは感じられません。チャートでは「日足」の雲の上限に差し掛かろうとしているところです。従って、まだ円高方向にトレンドを切り始めたとも言えません。110-112円のレンジ内での一進一退が続くと見ています。
本日のドル円は110円70銭~111円30銭程度を予想します。

米EUとの貿易摩擦激化で円が買われる 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は111円を割り込み、一時110円98銭まで下落。
    米国とEUとの貿易摩擦が激化したことに加え、IMFが世界経済
    見通しを下方修正したことで、安全通貨の円に買いが集まる。

  • ユーロドルは本日のEU首脳会議を控え小動き。ドルが売られた
    ことで水準をやや切り上げ1.12台半ばから後半で推移。

  • 株式市場は大幅に続落。トランプ政権がEUへの報復関税を
    準備しているとの報道からダウは190ドル下げ、他の主要指数も
    揃って下落。

  • 債券相場は小幅に上昇。10年債利回りは低下し、2.50%台に。

  • 金は3日続伸。原油価格は直近高値を更新する場面があったものの、
    引け値では42セント安。

本日の注目イベント

  • 豪  4月ウエストパック消費者信頼感指数
  • 欧  ECB政策金利発表
  • 欧  ドラギ・ECB総裁記者会見
  • 英  2月貿易収支
  • 英  2月鉱工業生産
  • 米  3月消費者物価指数
  • 米  3月財政収支
  • 米  FOMC議事録(3月19、20日分)

111円台で安定的に推移していたドル円は、それほど大きな動きではなかったものの、昨日のNYでは一時111円を割り込んでいます。世界景気がさらに鈍化するとの見通しと、米中貿易問題が解決を見ない中、対EUとの貿易摩擦が激化しそうな気配が高まったことで、円買いが優勢の流れとなっています。

IMFは9日、最新の世界経済見通しを発表しました。IMFは今年1月時点での世界経済成長率を「3.5%」としていたものを、「3.3%」に下方修正しました。その理由としてIMFは、米中貿易協議の決裂の恐れや、英国がEUを合意なく離脱する可能性など、リスクは下向きだと警告しています。その上で、「世界的な成長の勢いが衰え不況に対応する政策的余地が限られる中、経済活動
を害しかねない政策ミスを回避することを主な優勢事項にする必要がある」と指摘しています。ラガルドIMF専務理事も、「世界経済は、微妙な瞬間に直面している」と述べています。

今回の見通しでIMFは主要国の見通しを、1月時点のものから全て下方修正しています。米国を、「2.5%」から「2.3%」に、ユーロ圏を「1.6%」から「1.3%」に。中国についても「6.4%」から「6.3%」に引き下げ、日本も「1.1%」から「1.0%」に引き下げています。IMFが見通しを下方修正するのは、過去6カ月で3回目ということになります。(ブルームバーグ)

トランプ政権はEUに対してさらに強気の姿勢を見せています。関税引き上げ戦争の主戦場が中国から欧州に移りそうな気配です。トランプ大統領は、EUのエアバスへの補助金は不当だとして、EUに対して報復関税を準備しているとツイートしました。対抗措置としてEUからの輸入品110億ドル(約1兆2200億円)相当に関税を課す方針を示しました。これに対してEU側もすぐさま対抗措置を講じると反発しており、「はるかに大規模な米国への対抗措置」を推し進めるだろうとしています。米中通商協議が最終合意に達する可能性が高まる中、予想されていたとはいえ、新たな混乱要因が出てきたと言えます。関税引き上げ合戦が激化すれば、世界の貿易量が減少します。世界の貿易量との関係が深い「バルチック海運指数」を見ても、昨年7月には「1772」の高水準だったものが直近では「714」と、60%近くも下落しています。IMFが世界経済成長率を下方修正したのもうなずけるというものです。

本日のEU首脳会議では、英国に認める離脱再延期の長さについて検討されると伝えられています。EUのトゥスク大統領はメイ首相の求める短期間の離脱再延期を拒否しており、1年の延期で意見の一致を望んでいるようです。これまでメイ首相が短期間の延期を提案しても、議会の承認が得られない状況が繰り返されており、膠着状態の打破には1年の期間が必要との見方のようです。

本日はEU首脳会議での内容が大きな材料です。ポンドドルの動きに、ドル円も影響を受ける可能性があります。日本株の下げも大きくなる可能性があり、ドル円は昨日のNYの底値を試す展開が予想されます。レンジとしては110円60銭~111円40銭程度を予想します。


WTI一段と上昇しドル下落 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は東京時間に株価の下落に伴い111円35銭近辺まで
売られ、上値の重さを確認したが、NYでも同じような展開。
111円29銭まで売られ、長期金利の上昇も材料とならず。
◆ユーロドルはドル高が進んだものの先週末の水準とほぼ変わらず。
1.12台半ばを中心にもみ合う。
◆株式市場は高安まちまちながら原油価格の上昇に、エネルギー
セクターが買われる。ダウは83ドル下げたが、S&P500は
小幅高で、8営業日続伸。
◆債券相場は反落。長期金利は2.52%台に上昇。
◆金は続伸し1300ドル台を回復。原油価格はリビア情勢の悪化を
手掛かりに大きく買われ、64ドル台に。


本日の注目イベント


◆米   IMF、世界経済見通し発表
◆米   クラリダ・FRB副議長講演


先週末には111円台後半まで続伸したドル円でしたが、昨日は終始上値が重く、
NY市場では111円29銭までドルが売られ、先週前半の水準まで押し戻され
ています。もっとも売られたのはドル円だけではなく、ユーロドルでもドル安が
進み、原油価格が大きく買われたことでドルが全般的に下落したようです。

リビア暫定政府は7日、ハフタル将軍に忠誠を誓う武装勢力「リビア国民軍」を
掃討するため軍事作戦を開始することを明らかにしました。
リビアは石油輸出機構(OPEC)の加盟国です。今回の衝突が同国の石油輸出
に影響を及ぼす恐れがあることで、WTI原油価格は64ドル台半ばまで買われ、
5カ月ぶりの高値を記録しました。

EUは明日臨時の首脳会議を開催します。
イギリスのメイ首相はこの席で、今週末に迫っているEUからの離脱期限を「6
月30日まで」延期するよう要請する予定です。
ただEU側が求めていた英議会での承認はどうやら間に合いそうもなく、EUが
メイ首相の要求を簡単に受け入れる可能性は低いと見られています。
メイ首相が最大野党のコービン労働党党首に提案していた協議案もまとまっては
おらず、コービン党首は「メイ首相はEU離脱を巡る新たな妥協案について労働
党に書面で提案したが、労働党の主な要求の一つである関税同盟はそこに含まれ
ていなかった」と述べており、与野党の隔たりは埋まっていません。(ブルーム
バーグ)イングランド銀行のカーニー総裁も、合意なき離脱のリスクが「驚くほ
ど高い状況にある」と述べており、イギリスの混迷は深まる一方です。

雇用統計でも動きが限定的だったドル円は方向感もなく、1日の値幅も少なく、
投資家の中には様子見を決め込む人も多いのではないかと思います。
ドル円は年初の急落から値を戻してはいますが、目先の上値のメドは112円台
というところが衆目の一致するところです。
一方下値の方も、先月22日に110円を割り込み、ようやく値動きが活発にな
ったかと思いきや、その後は緩やかな上昇軌道を辿っています。
今週は110-112円のレンジかと思いますが、実際の値幅はもっと狭くなる
可能性もあります。
材料としては、引き続き「米中通商協議」と「Brexit」ですが、投資家は
これらの材料にも「そろそろアキがきた」といった印象です。
ただいつものことですが、いつ動き出すのかわかりません。市場をチェックする
ことは怠らないようにしましょう。

本日も材料不足の中、上記EU首脳会議の動きということになります。
ドル円レンジは111円10銭~111円70銭といったところでしょうか。



3月の雇用統計を受けドル堅調 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

3月の雇用統計が予想を上回る内容だったことで、発表
直後にドル円は111円82銭まで上昇。その後は方向感も
なく一進一退の展開に。

ユーロドルも動きが鈍く1.12台前半から半ばで推移。
株式市場は続伸。良好な雇用統計を受け、米景気の先行きに
対する不安が後退。ダウは40ドル上昇し、ナスダックは
46ポイントの上昇で、約5カ月ぶりに高値を記録。
債券相場は続伸。長期金利は小幅に低下し、再び2.5%を割り込む。

金と原油はともに上昇。原油価格は引け値で63ドル台に乗せる。


3月失業率           →   3.8%
3月非農業部門雇用者数     →   19.6万人 
3月平均時給 (前月比)    →   0.1%
3月平均時給 (前年比)    →   3.2%
3月労働参加率         →   63.0%
2月消費者信用残高       →   151.9億ドル 

本日の注目イベント

日   2月国際収支
日  3月景気ウオッチャー調査
独   独2月貿易収支
独   独2月経常収支
加   カナダ3月住宅着工件数
加   カナダ2月建設許可件数

3月の雇用統計では非農業部門雇用者数が注目されていましたが、結果は事前予想を
大きく上回る19.6万人でした。2月分についても、2万人から3.3万人に上
方修正され、これで米労働市場は依然として拡大基調にあることが確認されました。
賃金の方ではやや上昇率が鈍化していたことで、むしろ景気は過熱しておらず、FR
Bの政策スタンスに影響を与えないとの見方が支配的となり株価は上昇。ナスダック
指数は約5カ月ぶりの高値をつけています。
ドル円は発表直後にはドル買いが先行したものの、112円を試す動きにはなってい
ません。経済指標を見るかぎり強弱まちまちで、米景気の後退を窺わせるものもあり
ますが、労働市場の拡大が景気の底堅さを支える構図になっています。

ワシントンで行われていた米中通商協議では、「合意が近い」との見方に、うまくい
けば米中首脳会議の日程発表にまで発展するのではないかとの観測もありましたが、
制裁関税の部分では両国の溝が埋まらず、再び持久戦になる見込みです。
トランプ大統領は4日、大統領執務室に劉鶴中国副首相を招いて個別に協議し、一時
は「米中交渉は進展している。合意の可能性は高く、4週間以内にわかるだろう」と
述べていましたが結局、制裁関税の完全撤廃を主張する中国側との溝は埋まらず、今
月内に習近平主席と首脳会談を開いて最終合意に達するというシナリオも崩れたこと
になります。

3月の雇用統計を無事終えて聞こえてくるのは、「適温相場の再来」という言葉です。
FRBは先月のFOMCで、利上げ路線を修正し、今後の経済データをより重視する
姿勢を打ち出しました。
市場の一部には「利下げ」もあり得るといった見方も出てきましたが、その背景にな
っているのが、米中通商協議の不透明さや、欧州の景気悪化といった外的要因です。
ただ今回の雇用統計では、引き続き労働市場は好調で、賃金上昇もそれほど急激では
ありません。
また、インフレ率を見てもさらに加速する気配はなく、しばらくは政策金利を引き締
めもしないし、緩和もしないスタンスが続く「適温相場」ということです。
米株式市場が緩やかに上昇し、債券市場でも価格が緩やかに上昇、長期金利が低水準
で安定している足元の動きがそれを物語っているようです。
米中貿易問題が引き続き予断をゆるさない状況であることは事実ですが、いつ米国側
が25%の関税引き上げを決定するかわからいこの状況下では、困るのは中国です。
さらに進んだ譲歩を見せていると予想しています。


失業保険申請件数大幅に減少 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は小幅ながら続伸。トランプ大統領が劉鶴中国副首相
    と会談するとの報道や好調な労働市場のデータを好感し、
    111円68銭までドル高に。

  • ユーロドルは反発。1.1271まで買い戻しが進み、1.12割れは
    底堅いとの見方も。

  • 株式市場ではダウが166ドル上昇し、2万6300ドル台を回復。
    米中通商協議の合意が近いとの観測が買い安心感を醸成。
    一方高値警戒感が出てきたナスダックは小幅に下落。

  • 債券相場はほぼ横ばいながら長期金利は小幅に低下。

  • 金と原油は続落。

本日の注目イベント

  • 独  2月鉱工業生産
  • 米  3月雇用統計
  • 米  2月消費者信用残高
  • 米  ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 加  3月失業率

ドル円は引き続き小動きながらも前日の高値を若干ですが上回り、111円68銭までドル高が進みました。材料は米中通商協議と米労働市場の拡大でした。

トランプ大統領と中国の劉鶴副首相が会談するとの報道があり、市場は「合意が近い」との観測を高め、株高、ドル高が進みました。本稿執筆時に実際に会談が行われているようですが、トランプ氏は会談の冒頭に記者団に「まだ先の話だ」と言いながらも「合意済みの問題は未解決の問題よりはるかに多い。このことが最も重要だ」と述べ、通商協議を締めくくる中国の習近平主席との会談についても、「われわれが合意すれば首脳会談を開くだろう」と語っています。(ブルームバーグ)楽観的な見方をすれば、首脳会談の日程も近く発表されるのではないかと予想しています。

一方でメキシコとの関係は厳しい状況が続いています。メキシコからの移民問題では、トランプ大統領は国境を直ちに封鎖する警告をやめたものの、昨日はホワイトハウスで「薬物流入が止まらなければ、われわれは自動車に関税を適用する。メキシコ政府は自ら望めば薬物の流入を停止することが可能だ。そしてそれが機能しなければ、国境を封鎖するだろう」と発言し、「われわれは彼らに1年間の警告を発する」と述べています。

毎週発表される「週間失業保険申請件数」も今回は材料になったようです。事前予想の「21.5万件」に対して結果は「20.2万件」と、予想を1万件以上も下回っています。前日発表されたADP雇用者数が予想よりも悪化していたこともあり、やや意外感を
もって受け止められたと同時に、本日の雇用統計への期待も高まっています。全体的にみれば、米労働市場は依然として拡大していると見られます。

この他、トランプ氏は2名空席のFRB理事ポストに元ピザチェーン経営者のハーマン・ケイン氏を指名するといったニュースもあります。トランプ氏はすでに自身の経済ブレーンの一人であるスティーブン・ムーア氏をFRB理事に指名していますが、さらに自分に近い人物を送り込み、影響力を強めようとしているようです。12月に利上げを断行したパウエル議長を何度も批判していますが、同氏もトランプ氏が指名したにもかかわらず関係が悪化しています。FRB議長を簡単には解任できないことを承知しているトランプ氏が、自分に近い人物をFRBの重要ポストに送り込もうとしていることは明らかです。

本日は雇用統計です。昨日もこの欄で述べたように、2月分がサプライズだっただけに、3月分が本来の実力通りであるかどうかを確認する意味で重要です。市場予想は17.7万人となっています。本日のドル円は111円~112円といったところでしょうか。
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日本各地で桜が満開です。
今年の桜は、開花したものの、その後寒い日が続いていたため長持ちしているようです。東京地方の桜は今週日曜日くらいまでなら十分楽しめそうです。企業にとって重要な決算末を終えたところも多く、新入社員も入ってきました。今日辺りが花見のピークでしょうか。朝から花見の会場取りにかり出された新人時代が懐かしく思いだされます。当時は宴が金曜日でも、翌日は仕事でした。「半ドン」という言葉を耳にすることはもうありません。
良い週末を・・・・・。

米中通商協議進展期待からドル堅調 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は111円台半ばを試したものの抜けきれずに
    前日と同じ水準に押し戻される。米中通商協議の進展
    報道や米長期金利の上昇から円が売られやすい地合い
    ながら値動きは緩やか。

  • ユーロドルは反発。ユーロ圏の経済指標が予想を上回った
    ことで買い戻しが優勢となり、1.1251まで上昇。

  • 株式市場は揃って上昇。米中通商協議期待からダウは
    39ドル上昇し、S&P500は半年振りの高値を記録。

  • 債券相場は続落し、長期金利は2.52%台まで上昇。

  • 金は下落したもののほぼ横ばい。原油は4日ぶりに反落。

  • ドル/円 111.31  ~111.51

  • ユーロ/ドル 1.1225 ~ 1.1251 

  • ユーロ/円 125.08  ~ 125.39

  • NYダウ +39.00  →  26,218.13ドル

  • GOLD -0.10  → 1,295.30ドル

  • WTI -0.12    → 62.46 ドル

  • 米10年国債 +0.050 → 2.524% 

本日の注目イベント

    欧   ECB議事要旨
    米   新規失業保険申請件数
    米   メスター・クリーブランド連銀総裁講演

英フィナンシャルタイムズ(FT)が米中通商協議に関して「最終合意が近い」と報じたこともあり、ドル円は昨日の東京時間夕方には111円58銭前後まで買われ、日足の重要な移動平均線が集まる111円台半ばを試す動きを見せました。まだ完全に上抜けしたとは言えませんが、今朝6時時点でも111円40銭台で推移しています。先週2.36%台まで低下した米長期金利も2.52%台まで切り返しており、やや円売りが優勢な状況になっています。

舞台をワシントンに移して再開された米中通商協議は、FTが前向きな報道を行った一方、クドロー国家経済会議(NEC)委員長は3日記者団に、「協議は順調に進展しているが、まだ合意に達しておらず、週内に近づくことを望む」と語っています。協議では、2025年までに大豆やエネルギーを含む米国の一次産品の輸入を拡大するほか、中国に進出した米企業に100%出資会社設立を認めることを公約する。この公約は拘束力があり、もし履行しなければ米国は報復措置を講じ得る。といった合意を目指している、とブルームバーグは伝えています。

前日1.1188前後まで売られたユーロドルは今回も粘り腰を見せ反発しています。ユーロ圏3月のサービス業PMIとコンポジットPMIが上方修正され、2月の小売売上高も前月より改善していたことが材料になっています。ユーロドルは前回3月8日の下落時もこの辺りを底値に反発しており、この水準がもう一段下がるかどうかの分岐点になっていると思われます。ただ、チャートを見る限りユーロドルの下落傾向は鮮明です。

これは「1時間足」から「日足」さらには「月足」に至るまで、右下に向かって描くことのできる「レジスタンスライン」が見事に機能しています。同時にこのレジスタンスラインは、一目均衡表の「雲」の上限辺りに沿って描くことができ、結局ユーロドルは、「一歩前進・二歩後退」を繰り返していることが見て取れます。この先、1.10を明確に下抜けするようだと、「月足」の雲の下限を抜けることから、さらに下落が加速することもテクニカル的には言えます。ユーロ圏では、域内の経済を牽引するドイツの景気後退が鮮明で、これがユーロ圏全体の景気後退につながっていると見られます。先日発表されたドイツの3月の製造業PMIは「44.1」と景気拡大か縮小の基準である「50」を大きく下回り、実に2017年7月以来となる低水準でした。ドラギ総裁は、今後も金融政策面から大規模な刺激策が必要との認識を示しています。このままさらに景気後退が続くかどうかは、上記米中通商協議の行方にも左右されると同時に、EUと米国の関税問題、さらには英国のEU離脱問題などにも影響され、見通しは甘くありません。

ドル円が111円台半ばをしっかりと抜けて112円を試すのか、またユーロドルが1.12を大きく割り込んでいくのかどうかは明日の雇用統計次第です。昨日発表されたADP雇用者数は、予想を大きく下回りましたが、2月分が上方修正されたことから「相殺」された形になっています。直近3カ月単位で見れば20万人を超えており、依然として米労働市場は「好調」だと言えます。一方本番の雇用統計では、2月の非農業部門雇用者数が衝撃的な内容でした。果たして2月分は政府機関閉鎖などによる「一時的な現象だった」と言い切れるのかどうか注目したいと思います。本日のドル円は111円10銭~111円80銭程度と予想します。

ドル円111円台で小動き 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

ドル円は小動きで、ほぼ前日と同じ水準で推移。
米長期金利は低下したが、ドル円は大きくは売られず
111円25銭で下げ止まり、終始111円台で推移。
ユーロドルは小幅に続落し、1.1188まで下落した
ものの、1.12台に戻して取引を終える。
株式市場はまちまちながら、ここ3日で600ドルを超える
上昇を見せていたダウは79ドル安。ドラッグストア大手の
下落がダウを押し下げる。
債券相場は反発。前日2.5%を回復した長期金利は
2.47%台へ低下。
金は反発。原油はイランとベネズエラの減産観測から上昇。
62ドル台半ばまで買われ、5カ月ぶりに高値を記録。


3月自動車販売台数     → 1750万台
2月耐久財受注       → -1.6%

本日の注目イベント

豪   豪2月小売売上高
豪   豪2月貿易収支
中   中国3月財新サービス業PMI
中   中国3月財新コンポジットPMI
欧   ユーロ圏3月総合PMI(改定値)
欧   ユーロ圏3月サービス業PMI(改定値)
欧   ユーロ圏2月小売売上高
米   3月ADP雇用者数
米   3月ISM非製造業景況指数
米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演


ユーロドルでは若干ドル高が進み、ドル円も上値を試す動きが
見られたものの前日同様、111円台半ばで上昇を抑えられた
形で戻っています。基本的には小動きで、米長期金利の低下や
経済指標にも反応薄でした。昨日は原油価格がさらに上昇し、
WTIは一時62ドル台後半まで買われる場面もあったようで
す。OPECの生産量が減少し、イランとベネズエラの生産量
が減少するとの観測が価格を押し上げ、昨年11月以来の高水
準に達しています。通常、原油価格が上昇するとドル円では円
高方向に振れるケースが多いと言われますが、足元のドル円は
それほど円高に振れてはいません。このまま原油価格がさらに
上昇するようだと、国内のガソリン価格の上昇などを通じて物
価がジリジリと上昇する可能性もあります。


米中通商協議は本日、中国の劉鶴副首相がワシントンを訪れ、
先週に引き続き協議を行います。
市場の注目は米中の貿易問題に集まっていますが、遅れていた
日米物品貿易協議(TAG)の閣僚級の会合が今月にも開催さ
れる模様です。15~16日にワシントンで開催することで調整
されているようですが、新たな市場の注目材料になり、成り行き
次第では相場を動かすことにもなります。
会合は農産品など関税分野に加え、サービス貿易やルール分野な
どを含めるかが焦点になっているようです。

われわれにとって最も関心があるのが「為替条項」の扱いです。
「為替条項」が協議の議題として挙がり、合意内容に盛り込まれ
るようだと、円高圧力が強まり、ドル円下落の大きな要因になる
からです。トランプ政権は自動車分野の対日貿易赤字を問題視し
ており、米商務省は2月に自動車・自動車部品輸入による米国の
国家安全保障に及ぼす影響をまとめた報告書をホワイトハウスに
提出しています。(ブルームバーグ)
日本側の責任者である茂木経済再生担当大臣は、為替問題は日米
の共同声明にも「全く入っていない」と述べていますが、タフ・
ネゴシエイターのライトハイザーUSTR代表が相手です、「そ
うは問屋がおろさない」といったところでしょうか。

3度目の修正案も否決された英国のEU離脱問題では、メイ首相
が緊急会見で、EUに対して離脱期限の延長を要請すること述べ
ました。
また「合意なき離脱」を回避するため、最大野党・労働党のコー
ビン党首に共同プランの立案への協力を求めています。
一方ではメイ政権の閣僚らが、メイ首相の辞任を求めているとの
報道もあります。
離脱期限は来週12日です。「合意なき離脱」が刻々近づいてき
ていると言えます。

ドル円は111円台で膠着状態です。
昨日も述べましたが、上値は重いと見ています。この水準から1
12円台に乗せ3月初旬につけた112円14銭まで上昇する可
能性は、それほど高くはないと予想しています。
トランプ政権は利下げを望んでおり、FOMCメンバーもハト派
に傾いてきました。米長期金利が2.8%台まで上昇するには、
米景気の好調を示すよほどの経済指標が出ない限り簡単ではあり
ません。

本日はADP雇用者数の発表が注目されます。予想は17.5万
人と、前月よりも減少と見られていますが、このところの同指標
は好調です。
本日のドル円は110円80銭~111円60銭程度と予想します。



米ドルほぼ全面高の展開 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は2週間ぶりに111円台半ばまで上昇。
ISM製造業景況指数が予想を上回り、長期金利が急騰
したことが材料に。ドル円は111円44銭まで買われ、
この日の高値圏で取引を終える。

◆ドル高が進み、ユーロドルも1.12を割り込み、
1.1199まで売られ、約1カ月ぶりのユーロ安水準を示現。

◆株式市場は大幅に続伸。中国のPMIが良かったことに加え、
ISM製造業景況指数が予想を上回ったことで、世界景気に対する
懸念が後退。ダウは329ドル上昇し、約半年ぶりの水準に戻る。

◆債券相場は大幅に続落。長期金利は2.50%台を回復。

◆ドル高が進み金は続落。原油価格は経済指標の好転を手がかりに
1.45ドル上昇し、5カ月ぶりに61ドル台半ばまで買われる。


◆3月ISM製造業景況指数   →  55.3
◆2月小売売上高(速報値)   →  -0.2%

本日の注目イベント

◆豪   RBA、キャッシュターゲット
◆豪   豪2月住宅建設許可件数
◆日   3月マネタリーベース
◆欧   ユーロ圏2月生産者物価指数
◆米   3月自動車販売台数
◆米   2月耐久財受注


ドルはポンドを除く主要通貨に対して買われ、ドル円は111円台半ばまで、
ユーロドルは1.1199までドル高が進みました。
昨日の日本株の上昇もそうでしたが、中国のPMIが節目の「50」を上回
ったことが好感され、「リスクオン」の流れを加速させたものと思われます。
改めて、中国景気が世界景気に与える影響力を意識せざるを得ません。

中国のPMIが改善したことに加え、昨日発表された米国のISM製造業景
況指数も市場予想を上回る「55.3」と、「50」を大きく超えていまし
た。
特に、雇用が3年ぶりの大幅上昇を見せ、3月指数の最大の押し上げ要因に
なって
います。同指数は3カ月連続で低下しており、まだ判断はできませんが、製
造業の底入れが近いのかもしれません。
いずれにしても、経済規模で世界第1位と2位の米中で経済指標の悪化に歯
止めがかかったことは大きな意味があり、世界景気の先行き悲観論がやや後
退したと言えます。

このためNYダウはここ3日間で600ドル以上上昇しており、1月の底値
から4000ドル近く買われたことになります。
FRBが金融政策の舵を引き締めから中立へ切り直したことも大きな要因で
すが、株価を見る限り、ハイテク株を中心に一時の悲観論が大きな修正を迫
られている印象があります。

一方で、ユーロ圏の先行きには依然として慎重な見方を変えるわけにはいき
ません。
ドイツの3月製造業PMI確定値は、速報値からさらに下方修正され「44.
1」でした。この数値は、2012年7月以来となる低水準で、ユーロ圏全
体の足を引っ張っています。
ECBは年内の利上げを断念していますが、この状況では再び大規模な金融
緩和が必要との見方も浮上しています。
ドラギECB総裁はECBの年次報告書の序文で、「中期的に域内の物価圧
力を確実に積み上げていくには、金融政策による大規模な刺激が依然欠かせ
ない」と述べており、「地政学的な要素に関連する不透明性の持続や、保護
主義の脅威、新興国市場の脆弱性を踏まえ、ユーロ圏の金融政策運営は引き
続き忍耐と慎重さ、粘り強さが求められる」と論じています。
(ブルームバーグ)

ドル円は昨日この欄で述べたように、上値は日足の重要な移動平均線が集ま
る、111円30-50銭で一旦上昇が止まっています。
日米の株価に対する見方がやや楽観的に傾いてきた印象ですが、本日も日経
平均株価の上昇が見込まれ、この動きに伴ってどこまで上値を伸ばせるのか
が焦点です。すでに3月5日の高値112円14銭から今回の下落幅の「半
値戻し」は達成しており、「半値戻しは全値戻し」と言われるように、11
2円台を試す可能性も出て来ました。
ただ、米長期金利は戻ったとは言え、2.5%台です。
上値については依然慎重なスタンスを維持しています
今週末の雇用統計が好調さを維持するようなら、112円台が見られるもし
れませんが、ユーロ圏だけではなく、米国にも昨日の小売売上高のように、
依然として低調な内容を見せる指標が散見されます。

本日のドル円は111円~111円80銭程度を予想します。



中国PMI好転でドル円一時111円台に 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆良好な米経済指標が散見され、さらに株高、長期金利が上昇

したことを好感し、ドル円は110円95銭まで買われ、

1週間ぶりのドル高を記録。

◆ユーロドルも下値を探る展開だったものの、1.1212近辺で

下落を止められ、1.12台をキープ。

◆株式市場は大幅に続伸。米中貿易協議の進展期待や、

消費者マインドの好転を材料に、ダウは211ドル高で

取引を終える。

◆債券相場は続落。長期金利は小幅に上昇し、2.40%台に。

◆金は上昇し、原油価格は約4カ月ぶりに60ドル台を回復。



◆2月個人所得                       →   0.2%

◆1月個人支出                       →   0.1%

◆1月PCEコアデフレータ                 →   1.8%

◆3月シカゴ購買部協会景気指数            →   58.7

◆2月新築住宅販売件数                 →   66.7万件

◆3月ミシガン大学消費者マインド(確定値)      →   98.4


本日の注目イベント

◆日   1-3月期日銀短観

◆中   3月財新製造業PMI

◆独   独3月製造業PMI

◆欧   ユーロ圏3月製造業PMI(改定値)

◆欧   ユーロ圏2月失業率

◆米   2月小売売上高

◆欧   ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)

◆米   3月ISM製造業景況指数

ドル円は底堅く推移しています。先週末のNY市場では、住宅関連の指標や消費者

マインドの上昇などを手がかりに、ドル円は110円95銭まで買われ、今朝早い

時間には111円台に乗せる場面もありました。

そのため、今朝のドル円やユーロ円などは「窓を開けて」取引が開始されています。

昨日中国が3月の製造業PMIを発表し、これが予想を上回る上昇を見せたことが

今朝のドル円が上昇した背景かと思われます。

3月の製造業PMIは「50.5」と、前月の「49.2」から大きく好転し、景

気拡大と縮小の節目である「50」を超えています。

製造業PMIの好転は昨年10月以来、5カ月ぶりのことで、中国政府が法人税減

税や金融緩和など、景気刺激策を行ったことの効果かと思われますが、この数字が

一過性のものであるのかどうか、世界経済に与える影響も大きいことから、注目して

いく必要があります。

米中通商協議は2日間の日程で行われましたが、新たな進展もあった模様です。

ムニューシン財務長官は「USTRと私は北京での貿易交渉を建設的に終えた」と

ツイートしています。中国側が大きく譲歩したとの報道がありますが、まだ詳しく

は分かっていません。協議は舞台をワシントンに移し、今週3日には劉鶴副首相が

訪米し、引き続き行われることになっており、うまく行けば米中首脳が会談する日

程にまで進むかもしれません。

中国のPMIの改善と米中通商協議の進展は、ドル円や株式市場に好影響を与える

と見られ、本日昼前に発表される「新元号」とともに、期待が集まります。

ドル円は先週110円を割り込み、109円70銭前後まで下落しましたが、その

後徐々に値を戻しています。

個人的には下値目線で見ていましたが、今朝は111円台を回復する場面もありま

した。チャートでは「日足の雲」の下限を試したものの、抜け切れずに反発してい

ることも心理的には安心感につながっている面もあります。

ただ引き続き上値は重いと見ています。

長期金利の上昇も限定的と見ていますが、米中通商協議の更なる進展があれば、1

11円台後半までのドル高があるかもしれません。

ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長は、トランプ大統領は、

FRBが政策金利を「0.5%引き下げる」ことを望んでいると経済専門局のイン

タビューで述べています。FRBがこの要求を呑むとは思えませんが、今後の米景

気次第では市場が予想し始めたように、利下げがないとは言えません。

目先の上値のメドは移動平均線が示す、111円30-50銭のゾーンかと思いま

す。

本日の予想レンジは110円60銭~111円40銭程度と考えます。


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