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ドル円108円台を回復したものの、同水準を維持できず 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆東京時間に108円15銭まで買われたドル円は、海外市場では
徐々に軟調となり、NYでは107円67銭まで下落。G20での
米中首脳会談の結果が読み切れないことで、ドルの上値は重い。
◆ユーロドルは横ばい。1.13台半ばを中心に20ポイント程の
値幅で推移。
◆株式市場は前日と同じような展開となり、ダウは下落したものの、
ナスダックは上昇。米中首脳会談を前に動きも鈍く、ダウは10ドル安。
◆債券市場は反発。長期金利は2.01%台に低下。
◆金は続落し、原油は小幅ながら続伸。

◆1-3月GDP(確定値)     →   3.1%
◆ 新規失業保険申請件数       →   22.7万件
◆5月中古住宅販売件数成約指数   →   1.1%

本日の注目イベント

◆日   5月失業率
◆日  6月東京都区部消費者物価指数
◆日   5月鉱工業生産
◆日   G20大阪サミット
◆欧   ユーロ圏6月消費者物価指数(速報値)
◆英   英1-3月期GDP(改定値)
◆米   5月個人所得
◆米   5月個人支出
◆米   5月PCEコアデフレータ
◆米   6月シカゴ購買部協会景気指数
◆米   6月ミシガン大学消費者マインド(確定値)

いよいよ本日からG20大阪サミットが始まります。
すでに昨日から首脳同士の外交活動が始まっており、昨日は大阪で日中首脳が会談を
おこなっています。
会談では、来年の春に習主席を国賓として招きたいという申し出を、中国側も受け入
れ、日中韓関係を「永遠の隣国」として今後さらに関係を強化していくことで合意し
ています。また、中国側から拉致問題に関する言及があったことはややサプライズで
したが、習主席は先週の訪朝の際に、拉致問題に関する日本の立場を金委員長に伝え
たことを明らかにしています。米中首脳会談を前に、日本側との距離を縮めておこう
という思惑があると見られているようです。

注目の米中首脳会談は明日の11時30分から行われます。
これに先だってクドロー国家経済会議(NEC)委員長は、合意がなければ、米国は
中国製品に追加関税を賦課する可能性があることにあらためて触れ、「われわれに良
い取引をすることに
中国が前向きなら、われわれは見方を変えるかもしれない」と述べています。
また、「中国との協議には合意履行が含まれる必要がある」とも述べ、引き続き中国
側に圧力をかけているようです。
中国側も会談では、ファーウェイに対する禁止措置の撤回を米国に要求していくと米
紙は伝えていますが、どうなるのか明日の結果は読み切れません。
ただ、ここまで米国が圧力をかけてきた以上、「決裂」という選択肢は考えられませ
ん。その場合、直ちに制裁関税第4弾が発動され、減速傾向が鮮明な中国景気が一段
と悪化することになるからです。

一方で米国側の要求を全て飲むようだと、中国国内から「弱腰」との批判も噴出し、
習主席の指導者としての立場にも微妙な影響が出てくることから、米国側の要求にも
ある程度条件をつけることも予想されます。
結局、最終合意には至らないものの、米国の貿易赤字解消に対するコミットを行いな
がら、核心的な問題については今後も協議を継続することで会談を終えるのではない
かと、個人的には考えています。
仮にそうなった場合の市場の反応は、どちらかと言えばポジティブではないかと思い
ます。制裁関税第4弾の発動は、米中どちらにも痛みを伴うものですが、中国側によ
り強い痛みが襲うことになります。
中国側もその点については十分理解していると考えます。
従って、中国側がどこまで譲歩して来るのかが焦点です。

G20では米中貿易問題だけではなく、ロシアやトルコなどとの関係についてもトラ
ンプ大統領は首脳会談を通じて話し合われるものと思われます。
先のアルゼンチンサミットでは首脳宣言に「保護貿易主義に反対する」といった文言
は盛り込まれませんでした。米国が強く反対したからだと伝えられていますが、今回
はそのような文言が盛り込まれるのか、議長国としての日本の立場が試されます。

ドル円は昨日の東京時間に108円台を回復し、108円15銭まで上昇しましたが、
海外市場ではその流れが続きませんでした。
本日もトランプ氏はメルケル独首脳やプーチン・ロシア大統領などとの会談が予定さ
れています。今日の段階では為替への影響はないと思われますが、伝えられるニュー
スのヘッドラインで動く可能性はあるかもしれません。
来週月曜日の早朝の動きには注意が必要です。

本日のドル円は107円30銭~108円20銭程度を予想します。


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ドル円反発し107円台後半に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は反発。この日は終始107円台で推移し、米長期金利の上昇や、G20前のショートの買い戻しで107円85銭までドル高に。

  • ユーロドルは前日とほぼ同じ水準で推移。1.1392まで上昇したものの、1.14台に届かず。

  • 株式市場はまちまち。ダウは続落したもののナスダックはマイクロン・テクノロジーが上昇を牽引し25ポイント高。

  • 債券相場は大幅に反落。重要イベントを前に利益確定の売りに押され下落。長期金利は2.04%台へと上昇。

  • 金は5日ぶりに反落。原油価格は在庫が減少していたことや、イラン情勢の不透明さから大幅高となり59ドル台に

本日の注目イベント

  • 日  若田部日銀副総裁青森市で挨拶
  • 中  5月工業利益
  • 独  6月消費者物価指数(確定値)
  • 欧  ユーロ圏6月消費者信頼感指数(確定値)
  • 米  1-3月GDP(確定値)
  • 米  新規失業保険申請件数
  • 米  5月中古住宅販売件数成約指数

ドル円は前々日につけた、106円77銭の安値から約1円ほど反発しています。この戻り幅は今回の下落局面では初めてのことで、G20と米中首脳会談という「ビッグイベント」を前に各市場でポジションの巻き戻しが起きたことが背景かと思われます。連日上昇していた米債券市場では利益確定の売りに長期金利が、前日の1.98%台から2.05%近くまで上昇し、ドル円を押し上げる源動力になっています。そのドル円も、ショートの手仕舞いが中心となり107円台後半まで反発してきました。また、5年10カ月ぶりの高値を記録した金も一旦上昇が止まっています。

相変わらず口が滑らかなトランプ大統領は昨日、FOXビジネス・ネットワークとのインタビューで様々なことに言及しています。まずは米中首脳会談に関して、もし中国に対する関税が発動される場合、税率は25%ではなく10%になるかもしれないと述べています。トランプ氏は「私はプランB(次善の策)で、それは25%ではなく、10%になる可能性がある」と述べ、中国も習主席のことも好きだが、「中国はあまりに長い間、われわれを食い物にしてきた。ピンポン玉のように通貨安を誘導している」と主張しています。これに対して同じFOXテレビのインタビューに応じたロス商務長官は、「協議が不調に終わった場合のトランプ大統領の関税賦課の警告ははったりではない」と語っています。(ブルームバーグ)

トランプ氏はさらに、自分はパウエルFRB議長を降格させる権限があるとし、「(パウエル氏は)以前は全く無名だった。私が彼を有名にしてやったので、彼は自分がいかに気骨があるかを示したいのだ。いいだろう、それなら見せてもらおうじゃないか。彼は良い仕事をしていない」と語り、さらに「FRB議長にはFRBの人間ではなく、ドラギECB総裁を据えるべきだ」と述べ、再びパウエル議長を批判しています。またトランプ氏は日米安保条約にも触れ、「日本が攻撃されれば、米国はいかなる犠牲を払ってもわれわれは闘う。だが米国が攻撃されても、日本にはわれわれを助ける必要がない。ソニー製のテレビで見るだけだ」と述べ、条約が余りにも一方的だと感じていると語っています。(ブルームバーグ)

米中首脳会談は29日に夕食を挟んで行われるようですが、まだ詳しい情報は入っていません。結果が分かるのは29日夜か、30日(日)の朝方かもしれません。そのため、為替に影響が出るのは1日早朝のオセアニア市場ということになりそうです。金曜日のNYの引け値からは「窓を開けて」取引が始まる可能性があり、注意が必要です。

ドル円は短期的には上昇傾向を示していますが、「日足」を見るとまだ下落局面は続いていると判断できます。108円台に乗せれば「MACD」ではゴールデンクロスが発生する可能性が高いと思われますが、今年のドルの最高値である4月24日の112円40銭から描くことのできる「レジスタンスライン」は、108円30銭を大きく超えないとブレイクしません。米中首脳会談で劇的に合意がなされれば話は別でしょうが、まだ戻り売りのスタンスが有効かと思います。もっとも、市場関係者の多くが「合意はない」と予想しているだけに、その場合の反応はかなりのものが想定されます。一応注意は必要かと思います。本日のドル円は107円30銭~108円10銭程度を予想します。

ドル円106円台に突入 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は底値を探る展開が続き、昨日の東京時間に106円77銭
前後まで下落。NY市場では107円台半ばまで値を戻す場面もあったが
上値は重く、107円20銭前後で取引終える。
◆ユーロドルはやや値を戻したものの、1.13台半ばから
後半で推移。
◆株式市場は下落。パウエル議長が米景気の下振れリスクが
強まったとの認識を示したことでダウは179ドル安。
◆債券相場は続伸。長期金利は引け値で2%を割り込み、
1.98%台で取引を終える。
◆金は小幅ながら4日続伸。原油価格は反落。

◆4月FHFA住宅価格指数      →   0.4%
◆4月ケース・シラ-住宅価格指数   →   2.5%
◆6月リッチモンド連銀製造業指数   →   3   
◆5月新築住宅販売件数        →   62.6万件
◆6月消費者信頼感指数        →   121.5


本日の注目イベント

◆独   独7月GFK消費者信頼感
◆英   カーニー・BOE総裁らが議会証言
◆米   5月耐久財受注


ドル円は昨日の東京時間の午後、107円を割り込み一時は106円77銭前後まで
ドル安が進みました。
米国がイランの最高指導者と外相などに発動した追加制裁に対して、一部メディアが
イラン外務省のコメントを伝え、その中で「イランの指導者と外交の最高責任者に対
する無益な制裁は、米政府との外交の道筋が永遠に閉鎖されたことを意味する」と内
容を伝えたことで、ドル売り円買いが強まりました。
ドル円はその後107円台に戻しましたが、依然としてドルの上値は重く、ドル円と
の相関が強い長期金利が再び2%を割り込んだことで円を買う動きが優勢になってい
ます。

先週火曜日はまだ108円台半ばで推移していたドル円は、1週間で大台を2つ変え
ています。動きとしてはやや速過ぎる印象ですが、ドルが反発するきかっけをつかめ
ないのが実情で、ここまで来ると105円を割り込むのかどうかと言った点が焦点に
なってきそうです。米金利が着実に低下している中、日米金利差の縮小を手掛かりに
円高が進んでいる面もあります。
黒田日銀総裁は「必要ならちゅうちょなく追加緩和を検討する」と、先週の記者会見
の席で述べていましたが、円金利の低下余地は限られています。市場もその辺りの事
情を理解していると見えて、円買いの手綱を緩めようとはしません。

パウエル議長が先週のFOMC後の記者会見に続いて、昨日はNYの外交問題評議会
で講演を行いました。
議長は、「多くのFOMC参加者は、さらに幾分か緩和的な政策の論拠が強まったと
判断している」と、FOMC後の会見内容を繰り返しましたが、さらに、「貿易に関
してあったようにみえた進展が不確実性の深まりに転じ、入手するデータは世界経済
の強さに対する懸念を再燃させており、相反する流れが再び生じている」と述べ、米
景気の先行きに慎重な見方を示しました。またこれまでトランプ大統領の再三にわた
る批判に対しても明確な反論を避けていましたが、この日は、「米金融当局は短期的
な政治的圧力からは守られている。これは、しばしは当局の独立性と言われる」と指
摘し、「議会は米金融当局をこうした方法で守る選択をした。政策が短期の政治的利
害に屈することでしばしばダメージが生じたことが理由だ」と、トランプ大統領を名
指ししなかったものの、あらためてFRBの独立性を強調したとブルームバーグは論
じています。
この日は、ミネアポリス連銀総裁やセントルイス連銀総裁も利下げの必要性を述べて
いましたが、セントルイス連銀のブラード総裁は「0.5%の利下げは行き過ぎだ」
との見解を示しています。

米中首脳会談の開催を前に、ライトハイザーUSTR代表らと劉鶴中国副首相が事務
レベルの会合を行うことになっていますが、29日に予定されている首脳会談までに
どの程度合意に向けた話し合いがなされるのか不透明です。
ただ今朝の報道では、米中両政府が通商協議再開に向けて準備を進める中、米国
は中国からの輸入品3000億ドル(約32兆1500億円)相当への関税賦課を保留す
ることに前向きだとする内容を、ブルームバーグは事情に詳しい複数の関係者の話し
として伝えています。中国側が大幅な譲歩を示していることと無関係ではないと思い
ますが、米中首脳会談での最も重要な課題の一つであるだけに、もしこのような方向
で話し合いが進むのであれば、市場に極めて好印象を与えることになります。
会談まで残すところあと3日です。今後もこの種のニュースが相場を動かすことにな
るでしょう。

本日のドル円は106円70銭~107円50銭程度を予想します。


金5年10カ月ぶりの高値を記録 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は107円台前半から半ばで小動き。G20を控えている
ことから様子見の雰囲気が支配的に。
◆ユーロドルは続伸。IFO企業景況指数がそれほど下振れして
いなかったことを好感し1.1404まで上昇。
◆株式市場はまちまち。ダウは8ドル上昇したものの、ヘルスケアが売られ
S&P500は小幅安。
◆債券相場は反発。長期金利は2.01%台まで低下し、再び2%割れを
試す展開に。
◆金は続伸し、1418ドル台に。原油価格もイラン情勢の緊迫を
背景に続伸。

本日の注目イベント

◆日   日銀金融政策決定会合、議事要旨(4月24日、25日分)
◆米   4月FHFA住宅価格指数
◆米   4月ケース・シラ-住宅価格指数
◆米   6月リッチモンド連銀製造業指数
◆米   5月新築住宅販売件数
◆米   6月消費者信頼感指数
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米   パウエル・FRB議長講演
◆米   バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演


トランプ大統領は予定通り、イランに対する追加制裁を発表。最高指導者ハメネイ師
や軍高官8人に制裁を科しました。
米国内に保有する個人資産を凍結しましたが、バグダッドの米大使館が4月にフェイ
スブックに掲載した資料によると、ハメネイ師は推計2000億ドル(約21兆36
00億円)相当の資産を保有していると見られています。(ブルームバーグ)
トランプ氏は24日ホワイトハウスで、制裁によりハメネイ師と同師の組織は金融リ
ソースにアクセスできなくなると説明し、「イランの最高指導者は同政権による敵対
的行為に究極的に責任を負う」と述べています。

今週は最重要イベントである「G20大阪サミット」が開催され、ここで米中首脳会
談が行われることになっており、市場はこのイベントを前にして動きにくい状況にな
ってきました。ドル円は引き続き上値は重いものの、昨日は値幅もわずか27銭程度
でした。株式市場も、FRBによる利下げ期待だけではここからもう一段上昇する勢
いもなく、さらなる支援材料が必要な状況です。
そんな中、ユーロドルの上昇が目立っています。
昨日は6月のIFO企業景況指数が発表され、前回よりも悪化していたものの予想通
りだったことでユーロが買われ、一時1.1404まで上昇。約3カ月ぶりの高値を
つけました。また、債券市場でもイランに対する追加制裁の発表を受けて、安全資産
の債券と金が買われ、長期金利は再び2%に迫る水準まで低下し、金価格は5年10
カ月ぶりとなる1420ドル台まで上昇する場面がありました。

市場が将来のリスクに対して身構えている証ですが、恐怖指数と言われる「VIX指
数」は節目の「20」を下回っており、足元でも「15.3」程度で推移しています。
株価が堅調なことがその背景ですが、その株価は利下げ期待に支えられており、7月
の利下げ確率はほぼ100%になっています。
また、年内3回の利下げを予想する向きも徐々に増えてきました。
ただそんな中、市場の前のめりの利下げ期待に警鐘をならすFRBメンバーもいます。

ダラス連銀のカプラン総裁は24日、利下げを巡って懸念を表明しています。
「現時点で金融刺激を増やせば米経済の過剰と不均衡が一段と拡大し、最終的に制御
が困難かつ面倒になる恐れがあると懸念している」とダラス連銀が公表した論文で述
べています。
総裁は、「貿易を巡る緊張と不確実性がこの2カ月で大幅に高まり、見通しの下振れ
リスクが高まった」ことを認めながらも、それでも利下げの準備はまだ整っていない
とし、「米金融政策のスタンス変更が適切かどうか考える上で、より多くの時間をか
けて状況の変化を見守るのが
賢明だろう」と述べています。総裁は、緩和政策による過剰流動性を懸念しており、
リーマンショックの再現を心配しているようです。
ドル円は本日も引き続き小動きかと思いますが、ユーロドルがさらに一段高を見せる
ようだと、再び107円割れを試す可能性も出てきそうです。
ユーロドルは日足の雲を「明確に抜けて」おり、この状況は昨年9月以来のこととな
ります。上値のメドは1.1420~30前後かと思いますが、ここからは「週足」
の厚い雲にぶつかります。

本日のドル円は107円~107円70銭程度と予想します。


ユーロドル3カ月ぶりに1.13台後半に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 東京時間に107円05銭前後まで売られたドル円は海外市場ではやや反発。NYでは107円73銭までドルが買い戻されたが、イラン情勢の緊迫から107円30銭まで反落して引ける。

  • ユーロドルは続伸。約3カ月ぶりに1.1378までユーロ高が進行。

  • 株式市場は下落。ダウはザラ場で史上最高値を更新したが、引け値では34ドル安。

  • 債券相場は続落。長期金利は2.05%台へと上昇。

  • 金は続伸し、引け値でも1400ドル台に乗せる。金利低下とイラン情勢の緊迫から資金が金に流れる。原油価格は小幅に続伸。

本日の注目イベント

  • 豪 ロウRBA総裁講演
  • 日 4月景気先行指数(改定値)
  • 独 6月ifo景況感指数

ドル円は先週末の東京時間に107円05銭近辺まで売られ、107円割れも意識されましたが、そこは踏み留まり、海外市場ではドル買戻しの流れが優勢となりました。NY市場では朝方に107円73銭までドル高が進みましたが、その後はイラン情勢の緊迫から再びドルが下落しています。トランプ大統領がイランへの空爆を直前に停止していたことを明らかにし、イランが米国の無人機を撃墜したことで一触即発の状況になっていました。

トランプ大統領は攻撃したら150人ほどの死者が出るとの報告から、「釣り合わない」として、攻撃10分前に停止命令を出しましたがその後、24日には追加制裁を発表するとツイートしています。軍事行動についても、「われわれがこの問題を解決するまで常にテーブルの上にある」と述べ、イランの指導者が「悪事を働けば、彼らにとって非常に不運な日になるだろう」と語っています。(ブルームバーグ)

トランプ氏はNBCの番組「ミート・ザ・プレス」で再びパウエルFRB議長を批判しています。「私は彼の行動に不満だ。彼が良い仕事をしてきたとは思わない」と批判し、パウエル議長を「降格させると脅かしたことは決してない」とした上で、「私はそれを行う権限がある。だが、そう言ってはこなかった」と述べました。また政策金利についても、「金利を非常に急激に引き上げたばか者がいた。やり過ぎた。彼は間違いを犯した。それは証明されている」と語っています。(ブルームバーグ)トランプ氏はすでに先週2020年の大統領選への再出馬を宣言しています。現職有利とは言え、次期大統領に誰がなるのかはまだ分かりませんが、仮にトランプ氏が再選された場合、これまでの言動から判断して、パウエル議長の続投はないものと思われます。

ドル円は徐々に下値を切り下げてきました。107円割れもそう遠くないと予想していますが、なかなかドルを買う理由がみつからないのが現状です。金利低下、イラン情勢、さらには米中貿易問題・・・・。株価の上昇だけがドルを支える材料になっていますが、これもいつまで続くのか、危うい気がします。米朝関係については、お互いの親書が取り交わされたことで、やや明るい見通しも出てきましたが、仮に第3回米朝首脳会談開催に漕ぎ着いたとしても、事態はそれほど変わるとも思えません。焦点は、やはり今週末に迫ったG20での米中首脳会談で、どこまで話し合いがつくのかという点です。ここでも、貿易問題で劇的な合意がなされるとは思えませんが、それでも米中トップ同士が直接話し合いを行うことで、事態がこれ以上悪化することはないと予想します。今後も協議を継続して行きながら、その間、中国が米国からエネルギーや農産物を大量に購入して貿易の不均衡を解消することでひとまず関係を修復する、といったシナリオを描いています。世界中の投資家が注目する米中首脳会談は29日に夕方に行われる予定ですが、まだ詳しい情報は入っていません。本日のドル円は107円~107円80銭程度を予想します。

円高加速し107円台前半に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は下げ足を早め107円21銭までドル安が進む。FRBが緩和姿勢を強めたことに加え、イランが米国のドローンを撃墜したことで緊張が高まり円買いを加速。

  • ドル安の流れはユーロにも波及し、ユーロドルは1.1317までユーロ高が進む、

  • 株式市場は大幅高となり4日続伸。FOMCで政策金利の引き下げの可能性が示唆されたことで株価の上昇に勢いが。ダウは249ドル上昇し、S&P500も27ポイント上昇し、最高値を更新。

  • 債券相場も続伸。長期金利は一時2%を割り込み、1.97%台まで低下。急速な低下に警戒感も出て、引けは2.02%台まで戻す。

  • 米国とイランとの緊張の高まりから金価格は急騰。前日比48ドル上昇し、約5年9カ月ぶりの高値となる1396ドル台に。原油価格も大幅に上昇し、56ドル台に乗せる。

本日の注目イベント

  • 日  5月消費者物価指数
  • 独   独6月製造業PMI(速報値)
  • 独   独6月サービス業PMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏6月総合PMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏6月製造業PMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏6月サービス業PMI(速報値)
  • 米   5月中古住宅販売件数
  • 米   ブレイナード・FRB理事講演
  • 米   メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 加   カナダ4月小売売上高

ドル円は前日のFOMC前の水準から1円を超える円高に振れています。前日は、FOMCの声明文とその後のパウエル議長の発言で一旦は108円を割り込んだドル円でしたが、その後は108円台前半で東京市場に戻ってきました。しかし昨日は東京市場が開くと同時に円高が加速しました。米長期金利が2%を割り込んだことで。ドル売り円買いが進み、これまでサポートとして機能していた107円80-90銭の水準をあっさり割り込みました。個人的にはこのレベルでもう少しもみ合うと予想していましたが、米金利の急低下を前に無力でした。

東京時間では株価が緩やかに上昇する一方、円高の流れは止まらず、これまでのように株価は上がればドルが買われる展開とは異なり、夕方にかけては107円台半ばを割り込む水準まで円高が進みました。3時半から始まった黒田日銀総裁の記者会見
にかけては一旦107円70-80銭まで反発しましたが、NY時間ではイランによる米ドローン撃墜のニュースに再び円が買われ、107円台前半までドル安が進んだ展開です。G20で米中首脳会談が実施されることで、貿易戦争に歯止めがかかるかもしれないといった期待感も出てきた矢先での緊張の高まりです。

ホルムズ海峡での緊張の高まりから、原油価格は急騰し、金も大幅に上昇しています。通常このような時にはリスク資産である株式も売られる傾向にありますが、昨日は株式が大幅な上昇をみせています。金利低下が鮮明になったとはいえ、多くの市場がリスクに対する構えをみせている状況の中で、株価だけが無風といった現象には危ういものがあると思われます。米金利が低下する中、何かのきっかけで株価も下落基調に転じたら、円高がさらに進むことも予想されます。

これまでも米中貿易戦争、 米長期金利低下、イラン問題など、ドル円では下方リスクの方が高いと指摘してきましたが、ドルが上昇するきっかけが見つからないのが現実です。来週の米中首脳会談で米中が劇的な合意に達するようであれば、ドルが急反発する可能性がありますが、それは期待できません。「必要ならばちゅうちょなく追加緩和を検討する」と述べた黒田総裁の言葉も、これまでの繰り返しで市場へのインパクトはありません。もっとも、「為替レートは金融政策の目標にしていない」とも述べていることから、円高を阻止するといった考えはそもそも持ち合わせてはいません。またマイナス金利の深堀や市場介入といった行動を取った場合、米財務省から「為替操作国」と認定されるリスクもあるため、安易には動けないといった事情もあります。

本日は107円を割り込むかどうかが一つの焦点ですが、割り込むようだと円高がさらに加速し、1月3日の「フラッシュ・クラッシュ」でつけたレベルも視野に入ってくるかもしれません。予想レンジは106円70銭~107円70銭程度をみます。

FOMCを受けドル円108円を割り込む 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 108円台半ばで推移していたドル円はFOMCを受け107円90銭まで下落。利下げの可能性を示唆したことで、金利低下と歩調を合わせドル売りが優勢に。

  • ユーロドルも小幅に反発。前日1.12割れまで売られたがFOMC後に1.1255までユーロ高が進む。

  • 株式市場は続伸。パウエル議長のハト派的な発言もありダウは3日続伸。他の主要指数も揃って上昇。

  • 債券相場も続伸。長期金利は直近最低水準を下回る2.02%台まで低下。

  • 金と原油はともに反落。

本日の注目イベント

  • 日  日銀金融政策決定会合
  • 日  黒田日銀総裁記者会見
  • 欧  ユーロ圏6月消費者信頼感
  • 欧  ECB経済報告
  • 英  5月小売売上高
  • 英  BOE金融政策発表
  • 英  BOE議事録
  • 英  カーニー・BOE総裁講演
  • 英  保守党党首選、下院議員による第4回投票
  • 米  経常収支(1-3月)
  • 米  新規失業保険申請件数
  • 米  6月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米  5月景気先行指標総合指数

今朝方3時に発表されたFOMCの結果は、市場予想通り政策金利の据え置きを決め、声明では「辛抱強くなる」との文言が削除され、「不確実性」が高まったとして、利下げの可能性を示唆しました。発表を受けて為替市場はドル安で反応し、ドル円は直後に108円を割り込み、107円90銭までドル安が進みましたが、108円台に押し戻されてNYでの取引を終えています。米10年物債券は買われ、利回りが2.02%台まで低下し、6月3日に記録した直近最低水準を下回っています。また株式市場では前日大幅高を演じたこともあり、利下げを好感しながらも小幅高に終わっています。

声明では、「見通しを巡る不確実性が高まった」と指摘し、「これらの不確実性と落ち着いたインフレ圧力を考慮し、委員会は経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視し、景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する」としました。またブルームバーグによると、今回の政策決定は全会一致ではなく、セントルイス連銀のブラード総裁が0.25%の利下げを主張し、反対票を投じています。パウエル議長の下でのFOMC会合で、反対票が投じられたのは今回が初めてとなったようです。また経済予測に関しても当局者の間で意見が分かれており、17人のメンバーのうち8人が年内の利下げを予想し、他の8人が据え置き、残り一人は利上げ予想しています。

パウエル議長は記者会見で、「同僚と私には1つの包括的な目標がある。景気拡大の維持だ」と述べ、「多くの政策当局者は利下げの論拠が強まったと考えている」と語っており、市場はこの部分が「ややハト派寄り」と受け止めたようです。また、トランプ大統領が再三金融当局を批判していることについては、「法律で私には4年の任期があることは明白であり、私はこの任期を全うする意向だ」と、トランプ氏の露骨な批判に対して反論していました。今回のFOMCを通過し来月の利下げはほぼ確実となりましたが、市場はすでに「その先」を読み始めています。利下げ傾向が定着し、年内2~3回の利下げに突き進んで行くのかどうかに焦点が移っていきます。

今朝はFOMC関連のニュース一色でしたが、その中に米中首脳会談に関する記事もありました。昨日開かれた米下院歳入委員会の公聴会で、USTR代表のライトハイザー氏は「劉鶴中国副首相と電話会談する計画だ」と発言しています。(ブルームバーグ)
ライトハイザー氏は、「対話は続いており、中国側と会うことになっている」と語り、同氏とムニューシン財務長官が劉氏と直接対面する予定だとしています。来週のG20で、米中首脳会談は最終日にあたる29日の夜に行われる見込みですが、その前にも実務レベルのトップ同士が話し合うことのようです。FOMCが終わり、次の関心事は本日の日銀決定会合と、最大の注目材料である米中首脳会談ということになります。ドル円は今回も108円割れのレベルではサポートされた形になっています。FRBが金融緩和策へ再び舵を切り直したことが鮮明になったことで、107円80-90銭の「予想外に底堅いレベル」を切り崩して、ジリジリと107円に向かうのか、あるいは上記米中首脳会談がドルの支えになるのか、注目されます。

本日の日銀決定会合もこれまでより注目度が高まっています。政策変更はないと思いますが、米金利の低下傾向や円高観測、さらには外部環境の不確実性などを背景に、「必要とあれば、追加緩和の用意がある」といった言葉が、黒田総裁の口から出てきそうです。本日のドル円は107円80銭~108円60銭程度を予想します。

G20で米中首脳会談開催の見通し 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は海外市場の流れを受け、朝方には108円06銭まで売られたが、G20で米中首脳会談が開催されるとの情報からドルが反発。108円67銭まで上昇したものの、108円45-50銭で取引を終える。

  • ユーロドルは2週間ぶりに1.12台を割り込み、1.1182まで下落。米中首脳会談の実現見通しや株高から、ドル買いユーロ売りが活発に。

  • トランプ大統領がG20での米中首脳会談に言及したことで株価は大きく続伸。ダウは一時400ドルを超える上昇を見せ、引け値では353ドル高、中国関連銘柄などが急上昇。

  • 債券相場は反発。長期金利は2週間ぶりに2.06%台に低下。

  • 金、原油はともに上昇。

本日の注目イベント

  • 日  5月貿易収支
  • 英  5月消費者物価指数
  • 英  保守党党首選、下院議員による第3回投票
  • 米  FOMC 政策金利発表
  • 米  パウエル議長記者会見
  • 加  カナダ5月消費者物価指数

この欄で「少なくとも米中首脳会談は行われる。それ以外に中国に選択肢はない」と何度か記述しましたが、予想通り、来週のG20では米中首脳会談が行われる見通しとなりました。この報道を受け、米国株は急騰しましたが、ドル円は108円67銭で頭打ちとなり、この辺りの動きは予想外でした。これは、明日の朝発表のFOMCの影響によるものでしょう。利下げ観測がドルの上値を抑える展開が続いています。

トランプ大統領は18日ツイートを投稿し、中国の習近平主席と「とても良い電話会談ができた」ことを明らかにし、来週大阪で開かれるG20で同主席と「時間をかけて会談する」意向を示しました。一方中国国営テレビも、習主席は「トランプ氏と会って米中関係の発展に関する基本問題について意見を交換することに、意欲的だ」と報じています。(ブルームバーグ)トランプ氏は、G20で習主席が会談に応じない場合は、3000億ドル(約32兆5500億円)相当の中国製品に対して、直ちに25%の関税か、それ以上の関税を課すと警告していました。

この状況で、中国は会談に応じないという選択肢はないと思っていましたが、会談が実現する見通しになったことで、昨日の各市場はガラッと雰囲気を変えています。米株式市場ではダウが一時414ドル上昇し、これまでの史上最高値に300ドル程度まで迫る水準をつけ、ナスダック指数は8000ポイントの大台も視野に入って来ており、最高値を記録しています。ボーイングやキャタピラーなどの「中国関連銘柄」が大きく買われる展開でした。また、WTI原油価格も大幅に上昇しており、為替市場ではドル高が進んでいます。ユーロドルは再び1.12を割り込む水準までドルが買われ、豪ドルも1月3日の「フラッシュ・クラッシュ」以来の安値に沈んでいます。ただドル円は依然として108円台半ばを超えた水準で頭を抑えられていますが、それは明日朝発表のFOMCがドル円の上昇を抑制しているものと考えられます。

ひとまず、来週のG20大阪サミットで米中首脳会談が行われる予定ですが、前日ロス商務長官が述べていたように、「両首脳の会談が実現した場合でも、重要な通商合意がまとまる可能性は低い」と思われます。また、トランプ氏自身、「米中通商問題は急がない」とも述べており、今回の会談から大きなサプライズが出てくる可能性は低いと見ておくべきでしょう。ただそれでも、米中貿易戦争は両首脳が直接会って話し合いをしない限り進展しない状況にまで到達しています。今回の会談が、次につながるものであればという期待が高まります。

明日の朝、日本時間3時にFOMCの政策発表があります。市場はすでに「2~3回の利下げ」を織り込む動きを見せていますが、パウエル議長の発言には注意が必要です。7月の利下げを示唆する発言は想定内ですが、さらに数回の利下げをにおわすようならドル円は108円を割り込み、目先の重要なサポートである107円80-85銭レベルを試す可能性があるでしょう。逆に、7月利下げ以降は様子を見て、その後は経済指標を注視するといった内容だと、「タカ派寄り」と受け止められ、ドルが反発する可能性もあります。市場がやや前のめりになっているだけに、後者の反応には注意したいところです。ということで、本日のドル円はややワイドレンジを予想し、108円~109円10銭程度とします。


ユーロドル1.12台前半から半ばで推移 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円はFOMCを控え小動き。108円台半ばを超える場面があった
ものの、軟調な経済指標にドルが売られ108円52銭まで下落し、
取引を終える。
◆ユーロドルは続落。1.12台前半から半ばで推移。
◆株式市場は主要3指数とも揃って反発。ダウは22ドル上昇。
ナスダックはFANG銘柄が上昇を牽引し48ポイント高。
◆債券相場は小幅に反落。長期金利は2.09%台に。
◆金は5日ぶりに反落し、原油も下落。

◆6月NY連銀製造業景況指数    →  -8.6
◆6月NAHB住宅市場指数     →  64

本日の注目イベント

◆豪   RBA議事録
◆独   独6月ZEW景況感指数
◆欧   ユーロ圏5月消費者物価指数(改定値)
◆欧   ユーロ圏4月貿易収支
◆英   英保守党党首選
◆英   カーニー・BOE総裁講演
◆米   5月住宅着工件数
◆米   5月建設許可件数

6月のNY連銀製造業景況指数は「-8.6」と、予想を大きく下回ったばかりか、統計が
始まって以来、過去最大の低下となりました。前月は「17.8」だったので、下落幅は
「26.4」ポイントにも達しています。項目別を見ると、ほぼ全ての項目が低下していま
すが、特に新規受注と受注残の下げがきつく、新規受注は3年ぶり、受注残は2015年以
降で最低でした。

それにしても今月に入って、ADP雇用者数や雇用統計の非農業部門雇用者数でも見られ
たように、単純に市場予想を下回るだけではなく、「3年ぶり」とか、「リーマンショク以来」
といった形容詞がつくほど、大きな落ち込みを見せています。
これらの現象をどう捉えればいいのでしょうか?
米中貿易戦争の長期化で、経済活動に何らかの影響が出ているほか、経営者心理にも不
安を与えているといったことなのでしょうか。
判断が難しいのは、一方的に予想を下回る結果が出るだけではなく、予想を大きく超える
結果もあり、強弱まちまちでそのブレが大きいといったところです。

中国の習近平主席が突然の北朝鮮訪問です。
中国国営の新華社は、習主席が20、21日に北朝鮮を公式訪問すると発表しました。
中国首脳の北朝鮮訪問は約14年ぶりのことになるそうですが、来週にはG20があり、
その前にあえて訪朝することで、米国へのけん制との見方があります。
北朝鮮の金委員長が先週、トランプ大統領に親書を送り、ボルトン首席補佐官は、3回
目となる米朝首脳会談の実現にも言及していましたが、それでも核廃絶を含めた米朝関
係を進展させるには、「中国の介在が不可欠」ということを印象付ける思惑もあるようです。

米国では中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5500億円)相当に対する関税を付
加することの一環として公聴会が始まりました。公聴会には米国半導体工業会の代表な
ど、メーカーや小売業者など320人が出席し、25日まで行う予定ですが、すでに多くの反
対の声があがっています。今後、米通商代表部(USTR)が企業の意見などを踏まえて制
裁対象品目を慎重に検討することになっています。

FOMC、G20を控えてドル円だけではなく、主要通貨の動きも鈍くなっています。
FOMCでは7月利下げに向けた地ならしで、G20ではひとまず米中首脳会談の実現とい
うのがメインシナリオかと思います。
恐怖指数と言われる「VIX指数」も直近では「15.3」と、恐怖の目安となる「20」
を下回っています。
市場は、「最悪の事態にはならない」という想定の基にポジションを取っていることを表し
ており、米中首脳もそこは避けたいところでしょうが、ギリギリまで腹の探り合いは続きま
す。

本日のドル円は108円20銭~108円90銭程度を予想します。


ホルムズ海峡でタンカー攻撃される 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は中東ホルムズ海峡で2隻のタンカーが攻撃されたことで108円25銭まで円高に振れる場面も。ただその後は大きな
    値動きもなく108円30銭台で推移。

  • ユーロドルは続落。IMFが域内の経済成長に否定的な見方を示したことで、1.1268まで下落。

  • 株式市場はホルムズ海峡で不安な動きがあったにもかかわらず反発。ダウは100ドルを超える上昇を見せ、他の指数も揃って反発。

  • 債券相場は続伸。長期金利は2.09%台に低下。

  • 金は3日続伸。原油価格はホルムズ海峡で日本の船舶を含む2隻のタンカーが攻撃されたことで反発。前日比1.14ドル高の52.28ドルで引ける。

  • 5月輸入物価指数       →  -0.3%

  • 新規失業保険申請件数     →  22.2万件 


本日の注目イベント

  • 日   4月鉱工業生産(確定値)
  • 中   中国5月小売売上高
  • 中   中国5月鉱工業生産
  • 欧   IEA月報
  • 英   カーニー・BOE総裁講演
  • 米   5月小売売上高
  • 米   5月鉱工業生産
  • 米   5月設備稼働率
  • 米   6月ミシガン大学消費者マインド(速報値

昨日の夕方、中東ホルムズ海峡で日本の船舶を含む2隻のタンカーが何者かに攻撃されたとのニュースが入ってきました。安倍首相がイランを訪問したタイミングでもあり、驚きでしたが、ポンペオ米国務長官はワシントンで、「イランに責任がある」との判断を示していますが、現時点ではイランは関与を否定しています。

この報道を受けて、ドル円では円が買われ、WTI原油価格も大きく上昇しましたが、前日の大幅安を埋めるには至っていません。リスクオフから米債券市場では債券が買われ、金利は低下しましたが、リスクに弱い株は大きく値を上げています。この日発表された週間失業保険申請件数が予想に反して増えていたことがFRBによる利下げ観測へとつながり、株価を押し上げたものと見られます。米株式市場は先週から利下げという「好材料」をテコに、大きく上昇を続けています。

米失業保険申請件数は2009年3月の66万件からほぼ一貫して減少してきました。ただ減少傾向をよく見ると、今年に入ってからは5月に一度20万件を割り込むことがありましたが、その週以外では20万件というボーダーラインを割り込むことがなく、減少傾向に歯止めがかかったようにも見えます。先週発表されたADP雇用者数や、労働省が発表した雇用統計では、雇用者数が予想を大きく下回るサプライズだったことは記憶に新しいところです。これらを総合してみると、好調だった米労働市場にもジワリと景気減速の波が押し寄せて来たとも考えられます。もちろん、その背景は米中貿易戦争に代表されるように、関税問題が大きく影響しています。

ここ最近は、米経済指標が予想を下回ると、FRBによる利下げ観測が高まり、株価が上昇する傾向がありますが、そもそも金利を引き下げることは景気が悪いということと表裏一体です。そして、景気が悪いにもかかわらず株価が上がるというロジックは長く続くはずがありません。懸念されるのは、利下げが進んでも株価が下がり続ける状況になることです。そのような状況下では、株安、金利低下、リスクオフから円高が急速に進む可能性があるからです。

このように、米経済にも暗雲が立ち込めている状況の中、米中貿易問題は中国側に投げたボールが返って来ないためやや手詰まり感が漂っています。トランプ大統領は中国へ圧力をかけ続けていますが、昨日はクドロー国家経済会議(NEC)委員長もホワイトハウスで同じように中国へ警告を発しています。委員長は、「トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式に準備されてない」と語り、「会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。しかし、大統領は会談をする方を好むだろう」と述べています。(ブルームバーグ)

昨日もこの欄で述べましたが、中国は今この問題にどのように対処しようかと作戦を練っている所だと考えます。会談を拒否すれば「ゲームオーバー」は目に見えており、中国側が大きな経済負担を強いられることなり、会談で米国側の要求を飲めば、弱腰と見られ国内での権力の低下につながります。それでも、個人的には来週あたりには「会談する用意がある」とのメッセージが中国側から発せられると予想しています。会談で合意するかどうかは別にしても、少なくとも中国に「会談拒否」という選択肢はないと考えます。本日のドル円は108円~108円70銭程度と予想します。

米中貿易問題・・・ボールは中国に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 欧州市場で108円20銭前後まで売られたドル円はNYに入ると上昇。108円54銭まで反発したが、CPIが低調だったことで上値は限定的となり、108円50銭近辺で引ける。

  • ユーロドルは小幅に反落。1.1274まで売られる場面があり、前日よりやや水準を下げる。

  • 株式市場は続落。利下げ観測の効果もやや低減し、この日はハイテク株や金融株が売られる。ダウは43ドル下げたものの、2万6000ドルの大台は維持。

  • 債券相場は米中貿易問題の先行き懸念から買われる。長期金利は2.12%と、小幅に低下。

  • 金は続伸。原油価格は在庫の増加が重石となり大幅に続落。5カ月ぶりの安値となる、51ドル14セントで取引を終える。

  • 5月消費者物価指数  → 0.1%

  • 5月財政収支  → -2078億ドル

本日の注目イベント

  • 豪 5月雇用統計
  • 独 5月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏4月鉱工業生産
  • 米 5月輸入物価指数
  • 米 新規失業保険申請件数

ドル円は108円台で一進一退の動きが続いています。FOMCとG20という、ビッグイベントを控えており、その内容次第で相場はどちらにも動く可能性があり、結果を見極めるまでは動きにくいということなのでしょう。ただ、その前に立ちはだかっているのが、トランプ大統領の予想不可能な「ツイート」です。

前日、「米中問題で結論を遅らせているのは実は自分だ」、とツイートしたトランプ氏は、昨日ホワイトハウスで記者団に対して、「自分に最終期限はない」と発言した上で、自分の頭部を指し、「私の最終期限はここにある」と述べています。(ブルームバーグ)すでに「ボール」は中国側に投げられており、中国が今後どのような対応を見せるのかを待っている状況です。その上で、大阪で行われるG20で習主席が会談に応じないようなら、3000億ドル(約32兆5千億円)相当の中国製品に対して直ちに25%か、それ以上の関税をかけると警告しています。さらに中国側の譲歩についても、中途半端なものを受け入れる意思はなく、先の交渉で合意した内容の厳しいものを要求しています。中国側も、相手がトランプ氏だけに、最悪の事態もないとは言えないと警戒しているものと思われます。

このように、非常の厳しい米中のかけ引きが続いていますが、ブルームバーグは北京大学の張健准教授の言葉を紹介しています。同教授は、「中国指導者として過去数十年間で最も強大な権限を手にした習主席でさえ、就任後6年間で最も厳しい立場に追い込まれている。トランプ氏の脅しに屈せば、国内で弱腰と見られるリスクがある。会談を拒めば、トランプ氏は貿易対立を2020年の大統領選まで引き延ばす公算が大きいため、中国は経済コストを支払わされる」と述べています。

また中国政府関係者の言葉も紹介し、貿易問題を担当する政府関係者は、「米国との協議は両国首脳の介入がなければこれ以上進展できない地点に到達した」とのことです。

確かに、このままでは時間ばかりがいたずらに過ぎてしまい、米中トップが直接会って、会談するしか解決の糸口は見つからないと思われます。個人的には「最低でも会談は実現する」と予想していますが、それでも合意に達するのは容易ではないでしょう。

ただ一方で中国側としても、合意するしか選択肢はないように思います。

本日も、水準は前日と変わらず動きのない1日になりそうです。ドル円は108円20銭~108円90銭程度を予想します。

ユーロドル1.13台で小動き 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は108円台半ばから後半で推移。一時は108円80銭
まで買われたものの、株価が下落に転じたことで108円台半ばまで
水準を切り下げ、取引を終える。
◆ユーロドルは1.13台で底堅く推移。ECBメンバーの中銀総裁が
量的緩和再開の用意があるとの発言が伝わり、やや水準を下げ1.1320
近辺まで下落。
◆株式市場は揃って反落。ダウは小幅ながら7日ぶりに下落。上昇が続いて
いたことで、利益確定の売りが優勢に。
◆債券相場はほぼ横ばい。長期金利は2.14%台で小幅に低下。
◆金は反発し、原油は変わらず。

◆5月生産者物価指数     →  0.1%


本日の注目イベント


◆豪   豪6月ウエストパック消費者信頼感指数
◆中   中国5月消費者物価指数
◆中   中国5月生産者物価指数
◆欧 ドラギ・ECB総裁講演
◆米   5月消費者物価指数
◆米 5月財政収支

ドル円は海外市場ではやや水準を切り上げ、108円80銭までドル高が進み、
約2週間ぶりの水準を付けましたが、その後はNY株式市場で好調だった株価
がマイナスに転じたことで、108円台半ばまで押し戻され、結局、昨日の水
準に戻っています。来週にはFOMCが開催され、さらにその翌週にはG20
も開かれ、重要イベントを控えていることで、値動きも緩やかなものになって
います。
また、この日も「トランプ節」は健在でしたが過激な内容もなく、市場も余り
関心を示さなくなったのかもしれません。

トランプ大統領は再び米金利に触れ、米金利は高すぎるとツイートし、「ばか
げた量的引き締めに追いうちをかけている!彼らは全くわかっていない!」と
批判し、さらにユーロを引き合いに出し、「ユーロとその他の通貨は米ドルに
対して下落誘導されているため、米国はひどく不利な立場に置かれている」と
も述べていました。
また、最大の懸念材料である米中貿易問題については、「合意を先延ばしして
いるのは、実は私だ。中国とは素晴らしい合意をまとめるか、まったく合意な
しで終わるのかどちらかだ」と述べ、中国が今年交渉済みの条件に立ち戻らな
い限り、最終合意するつもりがないことを表明しています。(ブルームバーグ)

トランプ氏は前日にも、習近平主席がG20での会談に応じない場合には、3
000億ドル(約32兆5000億円)の中国製品に25%か、それ以上の関
税を課すと豪語しています。このような、最悪の事態になる可能性は低いと思
われますが、これまでのトランプ氏の言動やこのところの中国側の強硬発言を
考えると、ないとは思いますが、リスクに備える必要があるかもしれません。
これに対して中国外務省報道官は11日北京で、「米国がG20サミットに合
わせて米中首脳会談を行う期待を幾度も表明していることに、われわれは注目
している。これに関する情報が入れば、いずれ発表する」との見解を示してい
ます。

ユーロドルが徐々に下値を切り上げてきました。
景気後退が鮮明で、多くの投資家がユーロ売りスタンスを維持していますが、
1.10近辺が底堅く、このところのドル安の流れから水準を切り上げてきま
した。注目は「日足」の「200日移動平均線」がある1.1365―70レ
ベルをしっかりと抜けるかどうかです。
ユーロショートが溜まっているだけに、ドル円が再び107円台まで落ちるよ
うだと、ユーロドルもストップロスを巻き込みながらこのレベルを上抜けする
可能性もあり得ると予想しています。「MACD」では、「シグナル」は依然
としてマイナス圏ですが、「マックD」はすでにプラス圏入り
しており、微妙な値位置にいることを物語っていると言えます。また一目均衡
表では、昨年9月以来抵抗帯である雲を3度も上抜けして、上昇に転じたかと
思わせましたが、全て押し戻され下落基調に戻されています。
今回が4回目の挑戦となりますが、ここでも「4度目の正直」になるのかどう
か、微妙なところと言えます。
今後の動きに注目したいと思います。

本日のドル円は108円20銭~108円90銭程度と予想します。


NY株さらに続伸 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円はメキシコへの関税見送りを材料に108円67銭
まで上昇。その後NYマンハッタンにヘリが墜落したとの報道に
108円33銭まで下落し、108円台半ばで引ける。
◆ユーロドルは1.13を挟む展開となり小動き。
◆株式市場は主要3指数とも揃って続伸。ダウは78ドル高と
6日続伸し、2万6000ドルの大台を回復。
◆債券相場は反落。長期金利は小幅に上昇し、2.14%台に。
◆金は利益確定の売りに押され大幅安。原油も在庫増加観測から反落。

本日の注目イベント

◆英   英5月失業率
◆米   5月生産者物価指数


米債券相場がやや下落したことで長期金利が小幅に上昇し、さらにメキシコに対
する関税見送りの効果もあり、ドル円は堅調に推移しました。
NYでは108円67銭までドル高が進みましたが、トランプ大統領が再び中国に対
して圧力をかけたことでドルの上値は重い展開です。

トランプ氏は10日ホワイトハウスで、「中国の習近平国家主席がG20での会談に
応じない場合、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)に対して
直ちに25%の関税を課す可能性がある」と、これまでの主張を繰り返し「25%よ
りはるかに高い」可能性にも言及しました。
また、CNBCとのインタビューでも、「習主席はG20に参加すると理解している。
われわれは会談することになるだろう。それに、主席と私はすばらしい関係にある。
実際のところ、驚くべき、偉大な人物だ。非常に強くて賢い。だが主席は中国のため、
私は米国のために仕えている」とも述べています。
そして最後に、「中国は取引せざるを得なくなるため、それに応じるだろう」と語っ
ています。(ブルームバーグ)今回の発言はやや過激でしたが、一方で習主席に対し
て友好的な言葉も発していることから、現時点では市場への影響もほとんどないよう
でした。

トランプ氏はまた、FRBに対する批判も繰り返しています。
今回は、中央銀行を支配下に置いている中国首脳と比較しながらの批判でした。
「中国の金融当局を率いているのは習近平国家主席だ」と発言し、中国人民銀行は米
金融当局と異なり、政治的に独立していないため、主要な政策決定において習主席や
政府首脳部の承認を要すると述べ、米金融当局に対して、「米国にはその優位性はな
い。当局が利下げをしないからだ。当局は大きな誤りを犯し、私の言うことを聞かな
かった。金利を大幅、かつ
急速に上げすぎた」とし、「米国の金融当局はわれわれにとって、とても有害だ」と
言い放っています。(ブルームバーグ)
トランプ氏のFRB批判は今に始まったわけではありませんが、今回の発言内容には
「有害」(Disruptive)といった言葉が含まれており、批判のボルテージを上げてい
ます。

今月28-29日に大阪で開催される「G20」は、上述のように、米中首脳会談が
行われる予定ですが、まず実施されるのかどうかという点と、その内容に世界の注目
が集まります。仮に会談が持たれない場合には、中国からの全輸入品に対して25%
の関税、あるいはそれ以上の関税がかかることになります。
先週末のメキシコとの例もあり、直前に回避されることも無いとは言えませんが、厳
しい状況であることに変わりはありません。
IMFは先週、米中貿易戦争が激化した場合、「2020年の世界経済は0.5ポイ
ント、中国は1.0ポイント、米国でも0.2ポイント成長が下押しされる」との試
算を発表しています。

このような状況の中でも、ドル円は108円台での推移です。107円台後半が底堅
く、米長期金利の低下にもそれほど円高が進まないのは、急騰している米国株の影響
によるものと機関投資家を中心に「外もの」への投資が高水準であることが要因だと
考えています。ただそれにも限界があろうかと思います。
その前に米中貿易戦争に収束する気配が見られることが望まれます。

本日のドル円は107円80銭~108円60銭程度を予想します。


米5月雇用統計大幅に悪化 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は5月の雇用統計で、予想を大きく下回る雇用者数が発表
されたことで107円88銭まで下落。ただその後はメキシコとの
関税を巡る問題が好転したことで108円台を回復し、108円
20-25銭近辺で越週。
◆ユーロドルでもドル安が進み、1.1348までユーロが買われる。
◆株式市場は利下げ観測と、トランプ大統領がメキシコに対する
関税を見送ると発表したことで大きく上昇。ダウは5日続伸し、
S&P500なども4日続伸。
◆債券相場は続伸し、長期金利は一時2.05%台まで低下。
引けにかけては2.08%台まで反発。
◆金は8日続伸。原油価格も続伸し、54ドル近辺まで上昇。

◆5月失業率          →  3.6%
◆5月非農業部門雇用者数   →  7.5万人
◆5月平均時給 (前月比)   →  0.2%
◆5月平均時給 (前年比)   →  3.1%
◆5月労働参加率        →  62.8%
◆4月消費者信用残高      →  17.497b

本日の注目イベント

◆日   4月貿易収支
◆日 5月景気ウオッチャー調査
◆中   中国5月貿易収支
◆中   中国5月マネーサプライ
◆英   英4月貿易収支
◆英   英4月鉱工業生産
◆英   英4月月次GDP
◆加   カナダ5月住宅着工件数
◆加   カナダ4月建設許可件数

5月の雇用統計はサプライズでした。
非農業部門雇用者数が、予想の17.5万人に対して、7.5万人と、大きく下振れ
していました。民間の雇用統計である「ADP雇用者数」でも大きく予想を下振れし
ていたことから、「ひょっとしたら・・・?」との観測もありましたが、この両者は
必ずしも連動していないことから、楽観視していただけに驚きでした。今回の内容は
5月分が予想を下回っただけではなく、4月分、3月分もともに大きく下方修正
され、むしろこちらの方がより驚きが大きいかもしれません。

ここから読み取れることは、米労働市場は今年の春先からすでに後退局面入りしてい
た可能性が高いということです。
米経済指標に関しては、昨年ほどの好調さは見られず、それでも今年は強弱まちまち
で、相対的には日本や欧州など、他の主要国と比べ優位性を維持していました。これ
が、米中貿易戦争が激化したにも関わらずドルが堅調に推移していた理由の一つでし
た。今後この労働市場が縮小に向かうとすれば、当然金融当局が金融政策の舵を再度
切り直すことは想像に難くありません。
事実、雇用統計が発表された先週金曜日の債券市場では、FRBが年内に2~3回の
利下げに動くといった観測から長期債が買われ、長期金利は一時2.05%台まで低
下する場面もありました。
FRBの使命は「物価の安定」ということに加え、日銀やECBにはないもう一つの
使命である「雇用の最大化」という使命が法律で課せられています。
2015年末にリーマンショック後初めて利上げに踏み切って以来、政策金利に連動
する形で雇用は順調に拡大してきました。
その雇用にも、そろそろ暗雲が立ち込めてきたということですが、今後米中貿易戦争
が激化するようなら、労働市場はさらに縮小ペースを速める可能性もあり、「雇用統
計」が再び市場の注目を大きく集める日が来そうです。

トランプ大統領は7日、メキシコからの輸入品への関税発動を見送ると発表しました。
メキシコが移民を食い止める強硬な措置を取ることで合意したことが、その理由にな
っています。トランプ氏はまた、「メキシコが大量の農産品を購入することで合意し
た」とも述べ、メキシコとの「ディール」が成功したことをアピールしています。
NY株式市場はこの報道を好感し、ダウは263ドル高で取引を終えました。
ダウはこの結果、先週5日間を通じて全て上昇し、この間の上昇幅は1168ドルと、
4.7%の上昇率を記録しています。
上記メキシコとの関税問題が解消したことに加え、FRBが利下げを行うとの見通し
が急速に高まり、足元ではFRBが年内に利下げを行う確率は「97.9%」まで上昇
しています。早ければ今月の会合でその議論を行い、7月の会合での利下げといった
見方が有力です。
さらに年内に2回利下げを行う確率も、34%程度まで高まっています。
「米中貿易問題の不透明さ」と、「雇用の悪化」が利下げ観測を高めたという、やや
皮肉な結果になっています。

ドル円は先週末にも107円台後半を試しましたが、押し戻されています。
これで107円80-90銭の水準を4回ほど試しましたが、全て押し戻されており、
この水準がかなりしっかりしたサポートレベルと見られています。
一目均衡表ではまだ下落基調を維持していますが、「MACD」では、8時間までの
足でゴールデンクロスを示現してます。
まだドルの上値は重いものの、何かのきっけでは109円に向かう可能性もあるかも
しれません。「戻り売り」のスタンスを維持しながらも、「日足」のゴールデンクロ
スには注意したいところです。

本日のドル円は108円~108円70銭程度を予想します。


NYダウ大幅高で4日続伸 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆メキシコへの関税を巡る報道で上下しているドル円は108円台
で推移。関税先送りを検討との報道で108円56銭まで上昇し、
108円40銭近辺で取り引きを終える。
◆ユーロドルは堅調に推移。ECBが政策金利据え置きを決めたが、
大きな影響はなく、1.12台半ばから1.13台前半で推移。
◆株式市場は大幅に3日続伸。依然として利下げ観測が株価を押し上げ、
この日はエネルギー株などが上昇。ダウは181ドル高と4日続伸
◆債券相場は小幅に上昇し、長期金利は2.11%台へと低下。
◆金は6日続伸し原油も反発。

◆4月貿易収支          →  -508億ドル
◆労働生産性(1-3月)     →  3.4%
◆ 新規失業保険申請件数     →  21,8万件

本日の注目イベント

◆日   4月景気動向指数
◆中   中国5月外貨準備高
◆独   独4月鉱工業生産
◆米   5月雇用統計
◆独   独4月貿易収支
◆米   4月消費者信用残高
◆米   デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
◆加   カナダ5月就業者数
◆加   カナダ5月失業率

ドル円はメキシコに対する関税が10日から計画通り発動されるのかどうかといった
報道に振り回されています。
昨日のNY時間には「関税の延期を検討」との報道が伝わるとドル円は上昇基調を強
め、108円56銭までドル高が進み前日の高値を抜きましたが、勢いは見られなか
ったようです。
今朝方には、これも昨日と同じように、ペンス副大統領のコメントとして、「不法移
民の流入を巡る関税回避で米国とメキシコはまだ合意に達していない」とブルームバ
ーグが報じて、ドル円はNYのクローズからはやや下押しされています。
また「本丸」である米中貿易問題に関して6日、トランプ大統領は仏マクロン大統領
との会談後、「G20の後に決断する」と述べ、「習主席に会う。どうなるか様子を
見ることになるが、決定は恐らくG20の後になるだろう」と記者団に語っています。

ECBは6日リトニアで理事会を開き、現行の政策金利を少なくとも2020年上期
末まで据え置くことを決めました。記者会見の席でドラギ総裁は、「保護主義の高ま
る脅威」を強調しながら、「最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見
通しを圧迫していることを示している」と述べ、「理事会は不測の事態には行動し、
あらゆる措置を取る準備ができている」と
景気後退に対処する強い姿勢を見せましたが、一部にはECBの政策手詰まりを感じ
取ったとのコメントもあります。
ドラギ総裁自身の任期も今秋までで、次期総裁が誰になるのかによって、政策の中身
も読み切れない部分があるようです。

NY株が連日大幅な反発を見せています。
ダウはここ4日間で900ドルを超える上昇です。パウエル議長が「適切な行動を起
こす」と発言し、その後もメキシコとの関税問題が片付いていないにも関わらず、利
下げ観測が株価を押し上げる展開が続いている状況です。
「パウエル・プットの効果絶大!」といったところでしょうか。
昨日もNY連銀総裁の発言がありましたが、基本的にはパウエル議長と同じトーンで、
市場への影響はなかったようです。

本日は5月の雇用統計が発表されます。
18.5万人と、3.6%の失業率が予想されていましたが、今週水曜日のADP雇
用者数がかなりサプライズだった影響なのか、手元のブルームバーグの端末に示され
ている予想値は、
非農業部門雇用者数が17.5万人に下方修正されており、失業率については「空欄」
になっています。
予想を大きく下回ればさらに利下げ観測が高まり、ドル円は売られると考えられます
が、予想を上回るようだと、利下げ観測の後退からドル円が買われることもありそう
です。
ただ、それでも109円台乗せが「いっぱい・いっぱい」といったところでしょうか。
来週109円台で帰ってくる確率は低いと予想しています。
雇用統計までは108円台で推移し、108円~108円60銭程度と見ますが、2
1時半以降を考えると、本日のレンジは107円80銭~108円80銭程度と予想
します。


ドル円108円台半ばまで反発 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆予想外のADP雇用者数の下振れに、ドル円は107円81銭まで
売られる。ただその後は利下げ観測がさらに高まり、ISM非製造業
指数が良好だったことで108円台を回復。メキシコとの関税問題が
好転するとの期待もあり、108円48銭までドル高が進む。
◆ユーロドルも朝方は1.1306まで上昇し、4月17日以来となる
ユーロ高を記録したものの、その後は軟調な展開に。
1.1220まで押し戻され、この日の底値圏で引ける。
◆株式市場は大幅に続伸。メキシコとの関税回避への楽観的な見方と、
利下げ観測が相場を押し上げる。ダウは207ドル上昇し、
連日の大幅高となり、他の主要指数も揃って続伸。
◆債券相場はほぼ変わらず。長期金利は2.13%台で小幅に上昇。
◆金は6日続伸し、1333ドル台に。
原油価格は大幅に反落し51ドル台半ばに。

◆5月ADP雇用者数       →  2.7万件
◆5月ISM非製造業景況指数   →  56.9


本日の注目イベント

◆日   黒田日銀総裁講演
◆欧   ユーロ圏1-3月期GDP(速報値)
◆欧   ECB政策金利発表
◆欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
◆英   カーニー・BOE総裁講演
◆米  4月貿易収支
◆米   労働生産性(1-3月)
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   カプラン・ダラス連銀総裁講演
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
◆加   カナダ4月貿易収支


5月のADP雇用者数には驚きました。
市場予想の「18.5万人」に対して「2.7万人」と、大きく下振れ
していました。この結果を受けてドル円は再び108円を割り込み、1
07円81銭まで売られましたが、その後は再び108円台を回復し、
108円48銭までドル高が進む展開でした。

ドルを押し上げたのはナバロ国家通商会議(NTC)委員長が、10日
に発動が計画されているメキシコへの5%の関税措置について、「メキ
シコ当局者が回避する時間はまだある」と発言し方法としては、亡命希
望者の受け入れや国境に配備している要員の増加などに合意することを
挙げたと、ブルームバーグは伝えています。
また、その後に発表された5月ISM製造業景況指数が予想以上に良好
だったこともドル円を押し上げていますが、前日のパウエルFRB議長
の発言を契機に、利下げ期待がさらに高まったことで株価が連日の大幅
高を演じたことも、投資家のリスク・センチメント好転に
つながったようです。もっとも、本稿執筆時には米CNBCが、米国と
メキシコの当局者は5日ワシントンでの会談で、関税回避で合意できな
かったと報じ、ドル円を20銭ほど下押しする場面もあり、依然として
関税問題に相場が振り回される状況が続いています。

NY株式市場では株価が連日の大幅高を演じています。
前日のパウエルFRB議長の講演内容が、利下げを示唆したものと受け
止め、今後FRBは金融緩和に転じるとの観測が相場を押し上げていま
す。
個人的には、市場が「やや前のめり」だといった印象は拭えませんが、
貿易戦争で今後米景気の後退を示す兆候があれば適切に行動するといっ
た状況で、市場はそれを「利下げ」へのフォワードガイダンスだと受け
止めたようです。
昨日もその流れが続き、7月会合での利下げ確率は70%まで上昇して
います。

そんな中、ダラス連銀のカプラン総裁は昨日ブルームバーグとのインタ
ビューで、「(政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期
尚早だ」との認識を示しています。
総裁は、「貿易を巡る緊張の高まりを把握すべく強く警戒していく。そ
うした緊張が経済に影響を及ぼすのか、そしてこれは最も重要なことだ
が、緊張が根強く続くのかどうかを注視していく」と語っています。
カプラン総裁は今年のFOMCでの議決権は持っていませんが、議長、
副議長が「ハト派」的な姿勢に傾いている中、シカゴ連銀総裁ほど「タ
カ派」的な姿勢ではなく、やや中立的な立場を取っているようです。

FOMCメンバーによるこれら一連の発言から読み取れることは、FO
MC内部でも今後の金融政策に対する意見は明確に分かれているという
ことです。
今後の経済指標次第では「利下げ」、「ニュートラル」の、どちらにも
振れるということで、発表される経済指標も昨日のように、強弱まちま
ちです。
昨日はベージュブック(地区連銀報告書)も公表されましたが、ここで
もフィラデルフィア地区と、ダラス地区では貿易問題の不透明さが企業
のセンチメントを圧迫していると報告された一方、
多くの地区で、「経済活動は緩慢なペースではあるが拡大している」と
していました。
明日は5月の雇用統計が発表されます。予想外のADP雇用者数の結果
を受けて、今回の雇用統計はその内容がより注目されることになります。

ドル円はまだ下値リスクの方が高いと見ていますが、107円80-8
5銭レベルは3度試して押し戻される展開が続いており、底堅さも見せ
ています。
以前に比べようやくドル円にも動きが出てきました。伝わって来る報道
には、強弱どちらの情報も含まれている状況です。ここは、「根っこ」
の部分はキャリーしても、それ以外のポジションは深追いせず、
ある程度利益が見込める段階で閉じることも必要かと思います。

本日の予想レンジは107円80銭~108円60銭程度と見ています。


パウエル発言を受けNYダウ500ドルを超える急騰 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 東京時間に107円85銭前後まで売られたドル円は反発。中国が貿易交渉に前向きな姿勢を見せたことからドル円は108円35銭まで上昇。その後パウエル議長の講演で利下げの可能性が高まったことでやや軟調な動きを見せたものの、108円台はキープ。

  • ユーロドルは小幅に続伸。1.1267まで買われ、この日は終始1.12台での取引きに。

  • パウエル議長が利下げの可能性に言及したことで、株価は大幅に反発。

  • ダウは512ドル上昇しほぼ全面高。前日大きく売られたナスダックも194ポイント上昇。

  • 債券相場は小幅に下落。長期金利は2.13%台に上昇。

  • 金は5日続伸。原油価格も5日ぶりに反発。

本日の注目イベント

  • 豪 1-3月期GDP
  • 中 5月財新サービス業PMI
  • 中 5月財新コンポジットPMI
  • 独 5月サービス業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏5月総合PMI
  • 欧 ユーロ圏5月サービス業PMI
  • 欧 ユーロ圏4月小売売上高
  • 欧 ユーロ圏4月生産者物価指数
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米 5月ADP雇用者数
  • 米 5月ISM非製造業景況指数
  • 米 クラリダ・FRB副議長挨拶
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演

ドル円は昨日の東京時間に107円85銭前後まで下げ、1月7日以来の円高水準をつけましたが、その後の海外市場ではやや反発しています。NY株式市場ではこのところ軟調な株価がパウエルFRB議長の講演をきっかけに急騰しましたが、FRBが今後利下げに動く可能性が高まったことでドル円の反発は限られています。

パウエル議長はシカゴ連銀の会議で講演し、貿易交渉などの問題に関して、「どのように、またいつ解決するのか分からない」と指摘した上で、「そうした状況が米経済の行方に与える影響を注意深く観察し、これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は当局の対称的な2%の目標付近にある」と語っています。前日のブラード・セントルイス連銀総裁や、クラリダ副議長に続き、「本命のパウエル議長」も条件つきながら利下げの可能性に触れたことで、利下げが現実的になってきました。年内利下げの確率は、現時点で、「98.2%」まで上昇し、6月会合での利下げ確率も「19.7%」まで高まっています。さらに年内に2回の利下げを行う確率も「32.9%」と、金利先物市場では徐々に利下げを織り込む動きになってきました。ただこのような状況の中でも、「タカ派」の代表格であるエバンス・シカゴ連銀総裁は利下げ圧力を一蹴しています。総裁は、「インフレがやや低めのため必要に応じて政策を調整する余地はあるが、経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。個人消費も底堅い。これが実際に何を意味するのかわれわれは熟慮する必要がある」と、CNBCとのインタビューで述べています。(ブルームバーグ)

FRBが最後の「利上げ」を実施したのが昨年12月の会合でした。仮に今月のFOMCで利下げに踏み切れば、わずか半年で金融政策を変更することになり、異例なことと言えます。言い換えれば、それほど「貿易戦争の影響が大きい」ということと、「トランプ・リスクの先行きが読めない」ということを示していると理解できます。今月の会合での利下げは個人的にはないだろうと見ていますが、今週末に発表される5月の雇用統計が予想を大きく下回る結果になれば、その可能性が五分五分になるかもしれません。米中の貿易戦争の影響が本格的に出てくるのはこれからだと予想されます。FOMCは今月18-19日に開催されます。続いて7月と9月にも開催され、9月の会合までには利下げは実施されると予想しますが、引き続き米経済指標がどのような内容を示すのかを見極める必要があります。穿った見方かもしれませんが、今後の経済指標が下振れするようなら、FRBとしても利下げの理由が明確になり、「正々堂々と」利下げを実施でき、少なくともトランプ大統領の「圧力による利下げ」ではないことを、内外に示すことができます。

株式市場は利下げの可能性を好感し、ほぼ全面高の様相を見せましたが、利下げは日米金利差の縮小につながることで、ドル円の伸びは限定的でした。もちろんドル円の方向性が金利差だけで決まるものではありませんが、金利差がドル円の上昇にとっては重要なファクターの一つであることは間違いありません。今後株価が底入れし、徐々に上昇に転じていけば「リスクオン」の流れが広がり、円が売られる展開も十分考えられます。いずれにしても今後数カ月以内には利下げが実施されることを念頭に置きながら、貿易戦争の行方を見守る他ありません。本日は日経平均株価もさすがに買われ、250―400円程度の上昇もあるでしょう。
ドル円のレンジは107円80銭~108円50程度と予想します。

ドル円は下げが加速し107円台に 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は朝方には108円台半ばで推移していたが、長期金利の
低下を材料に徐々にドル売りが優勢となり108円を割り込む。
107円89銭までドル安が進み、108円前後で取引を終える。
◆ドル安の流れが一段と強まったことで、ユーロドルも上昇。
1.1265までユーロ高ドル安が進む。
◆株式市場はまちまち。ダウは上昇したもののほぼ横ばい。
グ-グルをはじめIT株が大きく売られ、ナスダックは120ポイント
下げる。反トラスト法違反疑惑の捜査が入る公算が高まったことが材料に。
◆債券相場は大きく続伸。長期金利は一時2.06%台まで低下し、
2.07%台に戻して引ける。
◆ドル安の流れから金は3日続伸。一方原油価格は4日続落。

◆5月ISM製造業景況指数   →  52.1
◆5月自動車販売台数      →  1730万台

本日の注目イベント

◆豪   豪4月小売売上高
◆豪   豪1-3月期経常収支
◆豪   RBA、キャッシュターゲット
◆欧   ユーロ圏4月失業率
◆欧   ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値)
◆米   4月耐久財受注
◆米    ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
◆米   パウエル・FRB議長挨拶


昨日コメントで、「108円割れは時間の問題」と書きましたが、さっそく昨日のN
Y市場であっさり108円台を割りこみ、107円89銭までドル安が進みました。
この水準は、今年正月3日早朝の「フラッシュ・クラッシュ」以来の水準となります。

貿易戦争を巡るニュースが相場を下押しする展開が続いていましたが、昨日は米国内
の材料が株価を押し下げ、長期金利を大きく押し下げ、これが円買いにつながってい
ます。米司法省と連邦取引委員会(FTC)がハイテク大手の監督任務を分割するこ
とに合意したことを受け、反トラスト法違反の疑いで司法省がグーグルの捜査に着手
する準備を始めているとの見方が広がった(ブルームバーグ)ことで、アルファベッ
ト(グーグル)やフェイスブック、アマゾンなどIT株が大きく売られました。
アルファベット株は3日の市場で一時先週末比7.2%も売られる場面があったよう
です。この報道でナスダック指数が大きく低下し、債券が一段高となり、長期金利の
急低下につながっています。


また、この日行われたセントルイス連銀のブラード総裁の講演内容も「ハト派」的で、
金利先安感を加速させた側面もあったようです。
ブラード総裁は、「インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より
急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加える
ことは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較
的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある」と
述べています。先日クラリダFRB副議長が、条件つきながら利下げの可能性に言及
したばかりでしたが、この日は ブラード総裁もエスカレートする貿易戦争がもたら
す経済への下振れリスクに対処する必要から、利下げの可能性に触れました。

現時点で市場はすでに7月の会合での利下げの確率を66.9%、9月までの会合で
は95%の確率で利下げがあると予想しています。
本日はNY連銀総裁の講演もあります。
同連銀総裁はFOMCでは常に投票権を有しており、その発言には影響力もあるだけ
に現在の米景気に対してどのような見方をするのか注目されます。
昨日発表された5月のISM製造業景況指数も、2016年10月以来となる低水準
でした。貿易戦争の影響はすでに出ていると判断できるのかもしれません。

ドル円は108円台を割り込み1月7日に付けた107円77銭前後が視野に入って
きました。
1月3日のドルの急落は、どこが底値だったのかいまいち判然としませんが、一瞬で
すが105円を割り込んだことは事実のようです。105円~107円台はそう簡単
には割り込むとも思えませんが、出口の見えない貿易戦争がドルの反発を抑える動き
はまだしばらく続くと考えざるを得ません。

本日のドル円は107円60銭~108円50銭程度を予想します。

<

ドル円108円台前半に急落 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は109円台半ばから急落。トランプ大統領が
メキシコからの輸入品に5%の関税をかけるとツイートした
ことで円買いが加速。東京時間で109円台を割り込み、NYでは
108円28銭まで円高が加速。
◆ユーロドルでは大きな動きはなく、1.11台半ばから後半で
推移。ドル円で円高が進んだことで、ユーロ円は121円台を割り込む。
◆株式市場は大幅に下落。貿易戦争がさらに激化するとの見方に、
ダウは354ドル下落し、2月1日以来となる2万5000ドルの
大台を割り込む。
◆債券相場は連日上昇し、長期金利は2.12%台まで急低下。
◆ドル安の流れから金は3日続伸。一方原油価格は貿易戦争の影響で
需要が減少するとの観測から3ドルを超える大幅な下げに、53ドル
台まで売られる。

◆米   4月個人所得            →  0.5%
◆米   4月個人支出            →  0.3%
◆米   4月PCEコアデフレータ      →  1.5%   
◆米   5月シカゴ購買部協会景気指数    →  54.2
◆米   5月ミシガン大学消費者マインド   →  100.0
  
本日の注目イベント

◆中   5月財新製造業PMI
◆独   独5月製造業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏5月製造業PMI(改定値)
◆米   5月ISM製造業景況指数
◆米   5月自動車販売台数
◆米   バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米   トランプ大統領、国賓として英国訪問(5日まで)


「トランプ・リスク」の炎上です。
先週木曜日のNY市場では110円には届かなかったものの、109円93銭
まで上昇したドル円が金曜日には108円28銭まで売られています。

このところの値動きとしては、かなり急激な円高の進行と言えます。
トランプ大統領がメキシコに対して常套手段である「関税引き上げ」をツイー
トしたことで、金曜日の東京市場では朝方から一気にドル売り円買いが加速し、
リスク回避の動きから日米の株価も大きく下げ、米長期金利は1年8カ月ぶり
となる2.12%台まで低下してきました。
原油市場でも、貿易戦争から世界の生産活動や景気が減速するとの見方から、
WTI原油先物市場では、先週木曜日に2.22ドル下落したのに続き、金曜
日も3ドルを超える下げを記録し、この間の下げは9%を超えています。
またドルが売られたことで金が大きく上昇し、「VIX指数」も18.7付近ま
で上昇し、「リスクオフ・モード」が拡大してきました。

トランプ大統領は、「メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで同国から
の輸入品に5%の関税を課す」と述べ、さらにメキシコがそれでも行動しなけ
れば10月1日までに段階的に25%まで引き上げることにも言及しています。
この関税は来週10日に発動される予定です。
今月1日からは中国が米国製品600億ドル(約6兆5000億円)相当に対
して25%の関税を発動しています。
さらに米国はEUともお互いに関税を引き上げることが予定されており、トラ
ンプ大統領が仕掛けた「関税戦争」が世界貿易と景気の減速にジワジワと効い
てきそうな状況です。

中国も米国に対して交渉の扉はオープンだとしながらも徹底抗戦の構えを見せ
ています。シンガポールで開催された「アジア安全保障会議」で講演した中国
国防相は、「対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はで
きている」と対立の長期化を辞さない考えを示しています。(日経新聞)。
また中国は貿易協議に関する白書を公表し、貿易協議で実務レベルの代表団の
トップを努めてきた王受分商務次官が北京で記者会見を行い、「米中貿易協議
の中断について米国に全責任がある。今後いかなる議論も誠実さと相互尊重、
平等を基礎におく必要がある」と語り、「全てが合意されるまで、何も合意は
ない」と述べています。(ブルームバーグ)
このように、今後も対話を望みながらも、協議の内容については徹底抗戦を思
わせる発言が増えているのが気がかりです。

先週末に発表された中国の製造業PMIは市場予想を下回る「49.4」でし
た。春先から景気底入れの兆しも見えていた中国経済が、再び二番底を探る方
向に向かっているようにも見えます。
本日も財新PMIが発表されます。
日本株の下落も止まらず、本日も300-500円くらいの下げがあるかもし
れません。個人的には「10月の消費税率引き上げは延期」と予想しています
が、本日さらに円高と株安が進めば、その可能性が高まります。
タイミング的にも今週から「G20」開催週までには結論が出てくるのではな
いかと考えています。

本日のドル円は107円70銭~108円70銭程度を予想します。

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