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ドル円108円を挟んでもみ合い 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆108円台で推移していたドル円は再び下落し107円台後半に。
米長期金利の低下を手掛かりにドル売りが進んだが、低調な売買が続き
値幅は限定的。
◆ユーロドルは1.12が壁となり小幅に反発。
◆株式市場は3指数とも揃って続落。米中通商協議の先行きが
依然として不透明なことなどが材料視されダウは115ドル安。
◆住宅関連の指標が予想を下回ったことで債券相場は反発。
長期金利は2.04%台へと低下。
◆金は反発し、原油価格は3日続落。

◆6月住宅着工件数   →  125.3万件
◆6月建設許可件数   →  122.0万件


本日の注目イベント

◆豪   豪6月雇用統計
◆日   6月貿易収支
◆英   英6月小売売上高
◆米   7月フィラデルフィア連銀景況指数
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   6月景気先行指標総合指数
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
◆米  企業決算 → ブラックストーン、マイクロソフト、モルガンスタンレー


ドル円は再び108円を割り込み107円台後半まで下げてきました。
ベースと見られるレンジは107-109円ですが、その中でも、108円半ばから
上が重いのか、あるいは107円80銭より下が底堅いのか、なかなか判断できない
状況が続いています。

昨日のNY市場では6月の住宅着工件数が前月比0.9%減の125.3万件と予想
を下回り、金利低下が進んでいる割には伸びていないことが材料視されました。
先行指標である建設許可件数も予想を下回っています。
住宅市場はFRBの段階的な政策金利引き上げに伴って、昨年1年はほぼ低調な伸び
を示していましたが、今年の春先から徐々に回復傾向を見せていました。
長期金利が急低下したことで、住宅ローン金利も低下していますが、それでも住宅着
工件数が伸びないことにやや意外感が広がり、昨日の債券相場の上昇につながったと
見られます。債券が買われ金利が低下したことで、定石通りドル円は売られましたが、
昨日は株も売られており、この辺りがこれまでの動きとは異なっています。
もっとも、これは一方的に買われすぎていた反動と見ることができ、株価の下落基調
が始まったと判断するには時期尚早と言えます。

ベージュブックが公開されましたが、今回のそれは市場への影響はほとんどなかった
ようです。ベージュブックでは、景気は拡大しているものの、そのペースは緩慢だと
して、「貿易関連の不確実性がもたらし得る悪影響に関する懸念は広がっているもの
の、向こう数カ月の見通しは総じて明るく、緩慢な景気拡大が続くと想定されている」
と記されています。これは、先週のパウエル議長の議会証言とも整合していると言え
ます。

今朝の経済紙に東京株式市場の売買高が2012年のアベノミクス以前の水準に戻り
つつあるとの記事がありましたが、為替市場でも低調さは同じようなものです。
1日の値幅が出ないことで、売買を手控える投資家が増えていると見られます。
足元のドル円は米長期金利の動きとほぼ連動していることから、長期金利が2%台で
安定してきたことでドル円の動きも限定的になっています。
6月には一時1.93%台まで低下した米長期金利でしたが、再び2%を割り込むよ
うだと、ドル円も107円台半ばを下回る水準が想定されます。
ここは、米長期金利の動きを注視するしかありません。

本日のドル円は107円60銭~108円30銭程度と予想します。


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ドル円再び反発し108円台前半に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は107円台から反発。小売売上高が予想を上回ったことや、長期金利が上昇したことでドルが買われた。ドル円は108円37銭まで上昇。

  • 独ZEW景況感指数が予想以上に悪化していたことでユーロドルは1.1202まで下落。再び1.12割れを試す展開になるのかが焦点に。

  • 株式市場は揃って反落。良好な経済指標に金利が上昇したことで、利益確定の売りが勝った。ダウは23ドル安く、ナスダックは35ポイント下落。

  • 債券相場は続落。長期金利は2.1%台を回復。

  • 金は反落。原油はポンペオ国務長官のイラン問題での前向きな発言で大幅安に。

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(改定値)
  • 欧 G7財務相・中央銀行総裁会議(仏、シャンティイ)
  • 英 6月消費者物価指数
  • 米 6月住宅着工件数
  • 米 6月建設許可件数
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米 企業決算 → IBM、ネットフリックス、バンク・オブ・アメリカ
  • 加 カナダ6月消費者物価指数

ドル円は前日の107円80銭台から再び反発しており、上値は重いものの、107円台では底堅い展開が続いています。市場関係者が最も注目しているのが「金利」ということのようです。「金利」が中心にいて、その金利が低下するとドルが売られ、株は買われます。一方昨日のように、金利が上昇すると、株は売られ、ドルが買われる傾向にあるようです。このような傾向は今に始まったわけではありませんが、株価とドル円が全く「逆相関」に動くという状況はそれほど頻繁には見られません。市場関係者にとって、「金利」が最大の関心事だという証左です。

6月の小売売上高が予想を上回り、大半のカテゴリーで増加していました。前月比0.4%の増加で、自動車とガソリンを除いた小売売上高も0.7%増加しています。これで4カ月連続の伸びとなり、今月末のFOMCでの議論の一つになるかもしれません。株価の上昇が続いており、個人の財布の紐が緩んでいると考えられます。再三指摘しているように、米国人が株式に投資している割合は高く、株価の上昇は「資産効果」として、個人の懐を潤すことになります。含み益が増えれば、欲しいものを買うというのは極めて自然な行動です。従ってこのまま株価の上昇が続くようだと、個人消費がGDPに占める割合も大きいだけに、GDPの上振れという効果も期待できるかもしれません。個人的には、この株価の上昇は長くは続かないと予想していますが、株式の専門家の中には「それでも株価は上がる」と強気の人も多いようです。

好調な経済指標が利下げ観測をやや後退させてはいますが、今月のFOMCでの利下げは揺るがないところでしょう。パウエル議長は昨日、フランス中銀主催の夕食会で講演を行い、経済成長に関する米金融当局の基本シナリオは「引き続き堅固だ」とした上で、「特に貿易を巡る動向と世界経済の面で、この見通しに対する不確実性は増している」と発言しています。(ブルームバーグ)
ここでも先日の議会証言と同じように「不確実性」という言葉を使っており、今月のFOMCでの利下げに踏み切る論拠を支えるものになっていると推察できます。

事務レベルでの電話協議が再開された米中通商協議は、このまま生産的であればムニューシン財務長官は訪中の用意があると述べていましたが、トランプ大統領は昨日ホワイトハウスで開かれた閣議で、「対中関税に関しては、われわれが望めばまだやれることは多い。われわれが望むなら、3250億ドル(約35兆1800億円)相当に別途関税を課すことができる」と発言し、自分が望めば中国からの輸入品に追加関税を課すことができることを改めて述べています。(ブルームバーグ)習近平主席とのトップ会談で通商協議は再び動き出しましたが、関税発動は一時的に「棚上げ」されているだけだということを印象付けているようです。

ドル円は107円台半ばを試す展開ではないものの、今日も上値はそれほど期待できないでしょう。基本レンジの107-109円の中での「もみ合い」と見ています。21日の参院選と月末のFOMCで、どちらかに動く可能性はありますが、もしそれでも動かない
ようだと、「サマーバケーション」入りとなり、さらに膠着することも予想されます。本日のレンジは107円90銭~108円60銭程度と見ます。

NY市場、株式は活況だが為替は停滞 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は狭いレンジ内で小動き。方向感もなく107円台後半での取り引きに終始。

  • ユーロドルは1.12台半ばから後半で推移。1.1273まで買われる場面も。

  • 株式市場は決算発表を控え小動きながら主要3指数が揃って上昇し、最高値を更新。

  • 債券相場は小幅に下落し、長期金利は2.08%台へと上昇。

  • 金は続伸し、原油価格は反落。

本日の注目イベント

  • 豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
  • 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(2019年1月-6月)
  • 独 7月ZEW景況感指数
  • 欧 ユーロ圏5月貿易収支
  • 英 失業率(3月ー5月)
  • 英 カーニー・BOE総裁講演
  • 米 6月輸入物価指数
  • 米 6月小売売上高
  • 米 6月鉱工業生産
  • 米 6月設備稼働率
  • 米 7月FHFA住宅価格指数
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 パウエル議長講演

ドル円は107円台での動きに終始し、しかもNY市場では値幅も15銭程度と、株式市場の盛り上がりに比べ、「停滞」しています。昨日のNY市場では、NY連銀製造業景況指数が予想を上回り、ドル円との相関が高い米長期金利が幾分上昇したものの、108円台に乗せることもできず小動きでした。

材料がない中、市場の注目は30-31日のFOMCでの利下げではなく、その後の利下げの回数を予想する上での手掛かりをコメントの中から探すといった状況です。先週のパウエル議長の議会証言では、米中貿易戦争のリスクがやや後退し、さらに6月の雇用統計では市場予想を大きく上回り、「米労働市場は思ったほど悪くはない」といった雰囲気にも傾きましたが、議長は「最近のイベントにもかかわらず、貿易や世界の製造業に関する不確実性が見通しを引き続き圧迫している」と述べ、依然として米景気の先行きに対する慎重な姿勢は崩しませんでした。そのため、このようなセンチメントがドルの上値を抑え、重苦しい展開をつくり出していると言えそうです。

昨日中国の4-6月期GDPが発表され、市場予想と同じ「6.2%」でしたが、四半期データが取れる1992年以降で最も低い伸びに留まりました。昨年から続いている景気後退が一旦は底入れしたとの観測もありましたが、後退局面は続いている可能性が高いと思われます。トランプ大統領はこの日ツイッターで、対中関税は予定通り中国経済を締め付けていると指摘しています。再開した米中通商協議を巡り、ムシューシン財務長官は、中国側と今週電話協議を予定していることを明らかにし、それが生産的なものになれば、自分とライトハイザーUSTR代表が訪中する可能性があると述べています。(ブルームバーグ)

ドル円は108円台半ばから上が壁になりつつあります。上述のように、米利下げが年内何回になるのか不透明な部分がありますが、少なくとも利下げスタンスは年内続くと見られ、これがドルの重石となっています。ただ、6月下旬に106円78銭を記録した時のように、米長期金利が一方方向に下げ足を速める状況でもありません。一時は1.93%台まで低下した米10年債利回りは、足元では2.08%台で推移しています。また、好調な米株式市場が危ういとはいえ、連日最高値を更新する動きを見せており、株価の上昇がドル円の下落を抑制している部分もあります。目先は107円台を維持できるかどうかです。月末のFOMCまでは「107-109円のレンジが続く」というのが、筆者も含め多くの市場関係者の予想するところです。本日は107円50銭~108円20銭程度を予想します。

議会証言を受け市場はドル売りで反応 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆パウエル議長の議会証言を受け、ドル円は108円35銭まで
下落。109円手前まで買われていたドル円は、再び利下げ観測が
高まりドルが売られる。
◆ユーロドルは今回も1.12を割り込めずに反発。議会証言を
受けてドル売りが活発となり、1.1264までユーロ高が進む。
◆金利低下観測が株価を押し上げ、主要3指数は揃って上昇。
ナスダックは60ポイント上昇し、初の8200台乗せ。
◆債券相場は反発。長期金利は2.06%台と小幅に低下。
◆金は続伸。原油価格はハリケーンがメキシコ湾岸に近づく可能性が
あることと、原油在庫が予想以上に減少していたことで大幅高に。


本日の注目イベント


◆独   独6月消費者物価指数(改定値)
◆米   6月消費者物価指数
◆米   新規失業保険申請件数
◆米 6月財政収支
◆米   パウエル・FRB議長、上院銀行委員会で証言
◆米   クオールズ・FRB副議長講演
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
◆米   バーキン・リッチモンド連銀総裁講演

注目された半期に一度のパウエル議長の議会証言では、米中通商協議の再開や、力強い
6月の雇用統計を受けても 米景気に対する見方は変わらず、議長は利下げを示唆しま
した。議長は、「貿易問題での緊張を巡る不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が
引き続き重しとなっている」と分析し、当局の見通しは変わらなかったと証言しました。

議員との質疑応答では、6月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が市場予想を上回る伸
びを示したことが金融当局の見解を変えたかとの質問に、「率直な答えはノーだ」と答
え、引き続き雇用の不確実性を強調する姿勢を維持していました。
その上で議長は、「見通しに対する不確実性はここ数カ月で増してきている。海外の幾
つかの主要国で経済の勢いが鈍化しているようだ。そうした弱さが米経済に影響を及ぼ
す可能性はある。その上、通商を巡る動向や連邦債務上限、英国のEU離脱など、政府
が扱う多くの政策課題がなお解決されていない」と説明しています。
また、トランプ大統領がパウエル議長に対し、金融緩和をするよう圧力を強めているこ
とに関しては、最大限の雇用と物価安定の確保というFRBの2大責務とともに、その
独立性に触れ、「それには説明責任と透明性が必要だ」との認識を示しました。
(ブルームバーグ)

この発言を受け市場では再び利下げ観測が強まり、先週までに見られたように、株と債
券が買われ、金利低下を受けドルが主要通貨に対して売られる展開になっています。
ドル円は昨日の東京時間に108円99銭まで買われ、その後も何度か109円乗せを
試したものの、結局109円台を見ないまま反落しています。
ただこのまま6月末に見られたような、106円台に突っ込むような急激な円高に向か
うのかどうかはまだ不透明です。
昨日の議会証言を受けた後の各市場の動きを見ると、株は買われたものの、債券の買わ
れ方はいまいち力強さはなく、長期金利の低下もわずかに留まっています。
108円割れは十分あり得ますが、これまでのようなやや前のめりの利下げ観測にはな
らないかもしれません。
証言から窺えることは、今月末の利下げは確実だとしても、その先利下げは1回なのか、
2回なのかは今後の経済データ次第だということは変わっていません。

ドルの上値は引き続き重い印象です。
目先の下値のメドは、今回の上昇局面で反発した値幅の半値戻し(107円88銭)辺
りとし、107円80-90銭程度と予想します。

従って本日の予想レンジも107円90銭~108円70銭程度とします。

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明日の「アナリストレポート」は都合によりお休みとさせておただきます。
ご愛読者の方々にはご迷惑をおかけ致しますが、ご理解下さいますようお願い申し上げま
す。


ドル主要通貨に対して上昇 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は緩やかに上昇し、欧州時間には108円96銭まで
ドル高が進む。過度の利下げ観測の後退と、先週末の雇用統計の
結果を引きずり、米長期金利の上昇もドル高をサポート。
◆ユーロドルは再度1.12突破を試みたものの抜けきれず。
値幅も14ポイント程度とユーロ安が進む割には小動き。
◆ポンドが急落。「合意なき離脱」を巡る議会の混乱で1.2438
前後まで売られ、約半年ぶりの安値を記録。
◆株式市場はまちまち。ダウは3日続落したが、S&P500と
ナスダックは反発。
◆債券相場も3日続落。長期金利は2.06%台まで上昇。
◆金と原油は上昇したが、いずれも上昇幅はわずか。

本日の注目イベント

◆豪   豪7月ウエストパック消費者信頼感指数
◆中   中国6月消費者物価指数
◆中   中国6月生産者物価指数
◆英   英5月鉱工業生産
◆英   英5月貿易収支
◆米   FOMC議事録(6月18-19日分)
◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米   パウエル・FRB議長、下院金融委員会で証言
◆加   カナダ中銀政策金利発表


ドル円は引き続き緩やかな上昇をみせ、欧州時間には108円96銭まで
ドルが買われ、その後のNY時間でも109円台乗せはなかったものの、
108円台後半で堅調に推移しています。
「市場の利下げ観測が前のめりだ」とのコメントは何度か書きましたが、
足元の動きは過度の利下げ期待が修正されている過程にあるようです。
市場全体の動きは、さすがにパウエル議長の議会証言を控えていることで
小動きですが、焦点は何と言ってもパウエル議長の発言内容にかかってい
るということです。議長が今月の利下げ以降の金融政策に、引き続き緩和
姿勢を見せるか、あるいは、それ以降は一旦ニュートラルに戻すのかとい
った点がポイントになります。
投資家も議長の言葉から、その次の行動のヒントを探る姿勢を強めること
になります。議会証言は日本時間23時からの予定になっていますが、本
日はさらに6月のFOMC議事録も公表されます。ここでは利下げは見送
られましたが、その決定も全会一致ではなかったこともあり、その内容次
第では為替に影響が出ることも予想されます。

フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、6月のFOMC会合で決定され
た政策金利据え置きを支持していると、ウォールストリート・ジャーナル
(WSJ)は同総裁とのインタビューの内容を報じています。
同総裁は、「現時点では、どちらの方向にも金利を動かす差し迫った必要
性はないというのが私の見解だ」と述べ、その理由として、「米経済の力
強さは続いている。労働市場もなお極めて力強い」と語っています。(ブ
ルームバーグ)因みに、ハーカー総裁は今年のFOMCでの投票権は持っ
ていません。

ホワイトハウスから断続的に利下げ圧力と、パウエル議長自身にも政治的
圧力がかかる中、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は9日、CN
BCとのインタビューで、「パウエル議長を解任させようという試みはな
い」と発言し、「中央銀行の独立性を支持している」
との立場を表明しています。ただその中でも、昨年12月の利上げを「取
り消すよう」求めているようです。もっとも、この利上げに関してはFO
MCメンバーの中にも「拙速」だったとする意見もあり、見方は別れてい
ます。

市場で再びドル高傾向が強まったことに関して、「1週間で状況がこれほ
ど変わるものか」といったコメントが、為替市場でかなりアクティブな外
銀の担当者から聞こえてきました。G20での米中首脳会議とその後の米
雇用統計を経て、市場のセンチメントも、米景気の先行きに対して楽観的
な見方に変わりつつあります。ただそれでもドル円については、直ぐに1
10円台を回復する地合いでもなさそうです。110円台を回復してさら
に上昇するには、米経済の力強さを示すさらなるデータが不可欠だと考え
ます。今後ある程度の時間を経過し、その中で米国の優勢性が確認できれ
ば、市場のセンチメントもさらにドル高を予想する姿勢に変わってくる可
能性がありますが、それにはまだ時間がかかりそうです。

本日のドル円はややワイドに予想しますが、109円台に乗せる場面があ
ったとしても、そこから一段と上昇する相場ではないと予想しています。
ということで、レンジは108円30銭~109円30銭程度とします。



ドル円続伸し108円台後半に 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は続伸。特段材料はなかったものの、金利の上昇に
108円81銭まで買われ、約1カ月ぶりのドル高に。
◆ユーロドルも徐々に上値を切り下げたが、1.12台は
割り込めず前日と同じ展開に。
◆株式市場は続落。パウエル議長の議会証言を控え投資家は
慎重な姿勢を見せる中、売りが優勢となりダウは115ドル安。
◆債券相場は小幅ながら続落。長期金利は2.04%台へと上昇。
◆金は小幅に続落し、原油は続伸。


◆5月消費者信用残高       → 170.9億ドル

本日の注目イベント

◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米   クオールズ・FRB副議長講演
◆加   カナダ6月住宅着工件数
◆加   カナダ5月建設許可件数

昨日の東京タイムでは株価の下落に歩調を合わせ、ドル円もジリ安となり、108円
28銭前後まで売られましたが、その後の海外市場ではドルが上昇に転じ、NY市場
では約1カ月ぶりとなる108円81銭までドル高が進みました。
昨日の海外では特段ドルを買い戻す材料はなかったものの、先週末の雇用統計の影響
を引きずっていることと、米長期金利が若干上昇したことが手掛かりになっていると
思われます。

報道されているように、イランはウラン濃縮度が2015年の核合意で定められた規
定上限を超えたと発表し、さらに濃縮度を20%まで引き上げる可能性もあると警告
しています。核兵器への転用が可能になるウラン濃縮度は90%以上とされているた
め、直ちに核攻撃などのリスクが高まったわけではありませんが、トランプ大統領は
「イランは気をつけた方がよい。良いことでは全くない」と発言し、ペンス副大統領
も、「トランプ大統領の下、米国はイランが核兵器を保有することを決して許すこと
はない」と語っています。(ブルームバーグ)
米国はすでにイランに対する制裁措置を実施していますが、さらに追加の制裁措置が
近く発表されるものと思われます。
先月末には朝鮮半島非武装地帯の板門店で電撃的な米朝首脳会談が持たれ、朝鮮半島
の地政学的リスクが後退したばかりでしたが、「一難去ってまた一難」といった状況
です。

ただそれでも市場はそれほど指し迫った緊張だとは認識していないようで、昨日のN
Y市場では安全資産の債券が売られ、安全通貨の円も売られる展開でした。
原油価格と金は引き続き高水準で推移しており、この部分でイラン情勢の緊張をかい
間見ることはできますが、まだリスクオフを加速させているわけではありません。
明日のパウエル議長による議会証言が控えていることも、動きを鈍くしていると思わ
れますが、市場の関心は、やはり今後の米金融政策の方向性に集まっていると思われ
ます。
議会証言では、今月末のFOMCでの政策変更に関する何らかの言及があると予想さ
れています。良好な雇用統計を受け、「0.5%の利下げ」の目は既になくなったと
思われ、「0.25%の利下げ」で決まりかと思います。
そして市場はさらにFRBの次の動きを模索することに集中し、年内あと何回利下げ
が行われるのかを予測し始めます。
また、トランプ大統領が再三FRBに対して利下げ圧力をかけていることもあり、議
会では「金融政策の独立性」を巡って質問が出る可能性もあります。
「政治的圧力には一切屈しない」といったコメントも予想されますが、そうなると再
びトランプ大統領の反感をかうことにもなります。
仮に、パウエル議長の任期満了前にパウエル氏を解任したら、トルコのエルドアン大
統領と同じ失態を演じたことになり、歴史に名を残すことになります。

ドル円は108円台後半まで上昇したことで、「日足」よりも短いチャートでは全て
「雲抜け」を完了しており、底堅い動きになって来ました。
引き続き、ドルの戻り売りのスタンスが有効かとは思いますが、その水準には慎重さ
が必要になっています。

予想レンジは108円30銭~109円10銭程度を予想します。


良好な雇用統計受けドル円反発 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は大幅に反発。6月の雇用統計で、雇用者数が予想を大きく
上回る伸びを示したことでドル円は108円64銭まで上昇。
その後はやや下押しされ、108円40―50銭で越週。
◆ドルが買われたことでユーロドルも下落。1.1208まで売られ、
約2週間ぶりのユーロ安水準に。
◆株式市場は揃って反落。これまで金利低下を手掛かりに買われて
いたが、この日は金利が大幅に上昇したことで、売りが先行。
ダウは5日ぶりに43ドル安。
◆債券相場は大幅に反落。長期金利は2.03%台へと急騰。
◆金は大幅安。原油は4日続伸。

◆6月失業率          →  3.7%
◆6月非農業部門雇用者数   →  22.4万人
◆6月平均時給 (前月比)   →  0.2%
◆6月平均時給 (前年比)   →  3.1%
◆6月労働参加率        →  62.9%

本日の注目イベント
◆日  6月景気ウオッチャー調査
◆日   5月貿易収支
◆独   独5月鉱工業生産
◆米   5月消費者信用残高


金曜日のこの欄で、雇用統計が良ければ株が売られ長期金利が上昇し、ドル円が
反発することも予想されると書きましたが、結果は非農業部門雇用者数が予想の
「16万人」に対して、「22.4万人」と、前月から15万人も増え、予想も
大きく上回りました。発表直後から「米労働市場はそれほど悪くはない」との見
方が広がり、市場は上述のように、これまでの動きの巻き戻しが優勢となり、長
期金利は2.03%台まで上昇し、ドル円を108円台半ばまで押し上げました。
ただ、失業率は3.7%と予想より1ポイント悪化し、平均時給の方も予想ほど
伸びていなかったことで、ドル円はその後やや押し戻されて取り引きを終えてい
ます。

今回の雇用統計を受け、前のめりだった市場の利下げ期待はやや修正されたと思
われますが、今月のFOMCでの利下げの可能性にはほとんど影響がないものと
思います。先週末に公表された、半期に一度のFRBによる「金融政策報告書」
では、経済成長ペースが今年4-6月(第2四半期)に鈍化したとし、過去最長
の米景気拡大を維持させるため利下げもあり得るとの姿勢を改めて示しています。
(ブルームバーグ)
報告書では、FOMCが6月の会合で使った「適切に行動する」との文言を繰り
返しており、予防的と見られている利下げは実施されると考えられ、焦点はその
際の利下げの幅、と言ってもいい状況です。

市場の一部には「0.5%」との声も挙がっていますが、今回の雇用統計の結果
を踏まえると「0. 25%」の可能性が高いと予想します。
また株式市場では先週、主要3指数が揃って「史上最高値を更新」するなど、極
めて堅調に推移しており、この点からすれば利下げ幅を拡大する必要性は少ない
と考えられます。最大の懸念材料だった米中通商協議も、首脳会談を経て再開さ
れています。FRBとしても、政策金利は出来るだけ高水準を維持しておきたい
との考えを持っていると思われます。
再び「リーマンショック級」の出来事が発生した場合、金利水準が低過ぎると政
策の効果が限定される恐れがあるからだと見られます。
今回のFOMCでは「0.25%」の予防的な利下げを実施した上で、今後の経
済データを分析していくことが最も考えられる手法かと思います。

ドル円は108円台半ばまで反発しましたが、このレベルはこれまでも何度か試
して抜けなかった水準と概ね同じです。
これも先週末のこの欄で述べましたが、今のところ、先月末辺りからゴールデン
クロスを点灯させている「MACD」に軍配が上がっています。
「MACD」はさらに上昇を拡大させてはいますが、未だに「マイナス圏」にいま
す。直ぐにドル円が109円台に向かう状況ではないことも示唆していると考え
られます。過度の利下げ期待が修正され、ドル円が109円台を回復できるのか。
あるいは、108円台半ばを頂点に再び下落基調に戻って行くのか、重要な局面
かもしれません。

本日の予想レンジは108円~108円80銭程度を予想します。


米市場祝日で動かず 

ひと目で分かる昨晩の動き 

欧州市場

◆ドル円は107円80銭を挟んで小動き。参加者も少なく
値動きは限定的。
◆ユーロドルも値幅は20ポイント以下と小動き。
1.1273から1.1290までと、終始1.12台での
取り引きに。

ドル/円 107.75 ~ 107.84

ユーロ/ドル 1.1273 ~ 1.1290
 
ユーロ/円 121.53 ~ 121.70

NYダウ ------ → 26,966.00ドル

GOLD ------ → 57.34ドル

米10年国債 ------ → 1.950%

本日の注目イベント

◆日  5月景気先行指数
◆中   中国6月サービス製造業PMI
◆独   独5月製造業新規受注
◆米   6月雇用統計
◆加   カナダ6月就業者数
◆加   カナダ6月失業率

米国が「独立記念日」の祝日のため、為替はほとんど動きがありません。
さらに今夜6月の米雇用統計が発表されることも様子見気分を強めており、
今日この後の値動きも21時過ぎまで期待はできません。

世界的に金利低下が進む中、昨日はドイツ国債が買われ、金利が一段と低
下しています。ドイツの10年物国債の利回りはマイナス0.41%まで
低下し、ECBの中銀預金金利であるマイナス0.4%を初めて下回りま
した。
ブルームバーグによると、ドイツ国債の利回り低下を受け、投資家はイタ
リアやギリシャといったよりリスクの高い資産に向かっていると伝えてい
ます。ECBの次期総裁にIMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事が
指名され、同氏が就任すれば利下げや景気刺激策を強化し、利回りはさら
に低下するとの見立てがあるようです。因みにオランダの10年債利回り
もマイナス0.25%まで低下し、フランスもマイナス0.13%台、ス
ウェーデンもマイナス圏に沈んでいます。欧州の安全国であるスイスに至
ってはマイナス0.69%で昨日の取り引きを終えています。
こうなると、下がったとはいえ、まだプラス1.95%台の米10年債は
相対的に投資妙味が高まり、資金が集まる理由も理解できるというもので
す。

米国とイランの緊張が続いている中、昨日イギリスの特殊部隊がイベリア
半島南端にある英領ジブラルタルの沖合で、大型タンカーを拿捕したとい
うニュースがありました。タンカーは欧米の制裁に違反してシリアにイラ
ン産原油を輸送している途中とのことです。これを受けてイランは拿捕が
違法だと抗議をしており、イランを巡る緊張はさらに高まっています。
イランのウラン濃縮度を巡る問題では米国がイランに圧力をかけています
が、トランプ大統領は反発するイランに対して「イランよ、脅迫はやめた
ほうがよい。前例のない痛みのしっぺがえしが待っているぞ」と、軍事行
動を示唆するような警告もしており、イランの今後の出方次第では一触即
発の状況が高まる恐れもあります。

今夜は6月の雇用統計が発表されます。
雇用統計では、非農業部門雇者数の伸びがここ3カ月連続で急激に鈍化し
ています。
これらが、まだ一時的なものなのか、あるいはすでに労働市場に景気後退
の影響が出始めているのか、非常に注目されます。
現在「16万人」と予想されている6月の雇用者数が予想通りか、あるい
は若干でも上回るようなら、利下げ観測の後退につながり、株価が下落し、
金利が上昇し、ドル円は堅調に推移するものと予想します。
もちろんその逆の場合にはドルが売られ、107円割れがあるのかどうか
が焦点になります。「日足」の一目均衡表が示すように、ドル円は依然と
して下落基調が続いており、ドルの戻りを売るスタンスが有効のようです
が、一方で「MACD」ではすでにゴールデンクロスが
点灯しており、微妙な状況になっています。この状況は、今年1月3日の
「フラッシュ・クラッシュ」後の戻り基調の局面とよく似ています。
この局面では、結局「MACD」が勝利を収めたことはご承知の通りです。
予想レンジはややワイドに、107円~108円30銭程度とします。


金利低下を背景に全ての商品が買われる展開 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は休日を控え参加者が少ない中、小幅に反発
金利は低下したものの、株価が大幅に続伸したことで
107円88銭までドルが買われ、この日の高値圏で引ける。
◆ユーロドルは引き続き方向感がなく、1.13を挟んでの展開。
1.1272まで売られたが、ポジション調整の域を出ず。
◆株式市場は金利低下を材料に大幅に続伸。ダウは179ドル高で
史上最高値を更新。S&P500とナスダックも最高値を更新し、
3指数が揃って高値を記録。
◆債券市場は経済指標の下振れを手掛かりに続伸。長期金利は
1.95%台まで低下。
◆金と原油は揃って上昇。

◆6月ADP雇用者数  → 10.2万人
◆5月貿易収支 →  -555億ドル 
◆新規失業保険申請件数      →  22.1万件
◆5月耐久財受注(改定値)     →  -1.3%
◆6月ISM非製造業景況指数   →   55.1


本日の注目イベント

◆豪   豪5月小売売上高
◆欧   ユーロ圏5月小売売上高
◆米 NY休場(独立記念日)

NY株式市場では株価の上昇が止まりません。ダウは179ドル上昇し、
これで他の指数には遅れたものの「史上最高値」を更新し、2万700
0ドルが視野に入ってきました。先行するS&P500もナスダックも
上昇し、この日は主要3指数が揃って最高値を更新しています。ドル円
は小幅ながら反発し、107円台後半をつけてはいますが、ユーロドル
に代表されるように、為替市場だけが「蚊帳の外」といった印象です。

昨日のNY市場では金も買われ、債券も買われています。
6月のADP雇用者数が予想を下回る10.2万人だったことで、政策
金利引の引き下げが進むといった見方から商品全般が買われている状況
です。このところのパターンは、「経済指標の下振れ→金融緩和策の強
化→金利低下を材料に株や金が上昇」といった動きが定着してきたかの
ようです。昨日は先行指標でもある、ISM製造業景況指数も予想を下
回り2年ぶりの低水準で、特に中小企業の雇用は1年4カ月ぶりの低下
でした。この結果を受けて、ISMは「回答者のコメントには、貿易・
関税問題を理由に一定の不確実性が存在する」との分析結果を発表して
います。

確かにこのところの経済指標は雇用を中心に悪化傾向が顕著で、FRB
による利下げ回数の増加観測を高めることになり、それが株価の上昇に
つながってはいますが、その前に、経済指標の下振れは景気そのものが
悪いということを認識しておくべきではないかと思います。景気の悪化
は、企業業績の悪化につながり、企業業績と株価は切っても切り離すこ
とは出来ません。今の株価の上昇は、典型的な「金融相場」と言えると
思います。ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長は、ブルームバーグ
とのインタビューで、「米金融当局が金利を引き下げ、米国・メキシコ
・カナダ協定(USMCA)を議会が承認し、トランプ大統領の成長計
画を推進すれば、ダウ平均株価は3万ドルに到達する」と述べています。

ECBの次期総裁にIMFのラガルド専務理事が指名されました。
ECBの第4代総裁は少なくも、理事会メンバーの中から選ばれると予
想していただけに、この人事はサプライズでした。ECB総裁に女性が
就任するのは初めてですが、フランスからは2人目の総裁で、これでド
イツ出身の総裁誕生がまた先送りになりました。欧州委員会の委員長に
ドイツ出身のフォンデアライエン氏が就任するため、独仏でポストを分
けたとの批評もありますが、ECB総裁の方がはるかに格上で、フラン
スが「漁夫の利を得た」格好です。
「欧州の大国ドイツ」に対する警戒感や、やっかみなどが背景にあるよ
うですが、ラガルド氏はIMFの前はフランスの財務大臣でしたが、セ
ントラル・バンカーとしての経験はありません。
それでもハト派のイメージが強く、これも株価の上昇に一役買ったよう
です。

またトランプ氏が空席のFRB理事にウオーラー、シェルトン両氏を指
名したことも、FRBの利下げを促すと見られています。因みにシェル
トン氏はトランプ氏の非公式アドバイザーを務めておりFRB内ではト
ランプ氏の意向を代弁すると見られ、この人事も株価の上昇につながっ
たようです。
金利低下観測が全ての商品上昇のドライバーになっていると見られます
が、果たしてこの先、市場が予想するようにFRBが年内に2~3回の
利下げを行うのでしょうか?
株価の上昇が続けば、いわゆる「資産効果」から個人消費の拡大につな
がります。
GDPの7割を個人消費が占める米経済にとって、個人消費が伸びれば
他の経済指標にも波及し、景気が再び拡大基調に戻るというシナリオも
考えられます。
そうなると、市場の前のめりの予測も修正局面を迎える場面があるかも
しれません。

ドル円は107-109円のレンジを形成しそうですが、その中でも上
値の重さが意識されます。戻り売りのスタンスはまだ有効だと思われま
す。
本日のドル円は107円30~108円程度予を想します。
米国が祝日のため、大きな動きはないと思われますが、どうでしょう。


ドル円再び108円を割り込む 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は売られ、再び108円台を割り込む。米長期金利が低下し欧州との貿易摩擦を懸念する声が拡大。ドル円は107円77銭まで下落し、107円90銭前後で取り引きを終える。

  • ユーロドルは1.13を挟んでもみ合う。ドルが売られたことで、ユーロを買う動きもあったが、続かず。1.1312までユーロ高が進んだが、この日はユーロ円の売りもユーロの上値を押さえる。

  • 株式市場は続伸。世界的な金利低下を背景に、株式市場への資金流入は継続。ダウは69ドル高。S&P500とナスダックは最高値を更新。

  • 債券相場は続伸し、長期金利は1.97%台へと急低下。

  • 金は大幅に反発。原油価格は利益確定の売りに押され大幅安。

本日の注目イベント

  • 豪  5月住宅建設許可件数
  • 豪  5月貿易収支
  • 中  6月財新サービス業PMI
  • 中  6月財新コンポジットPMI
  • 独  6月サービス業PMI(改定値)
  • 欧  ユーロ圏6月サービス業PMI(改定値)
  • 米  6月ADP雇用者数
  • 米  5月貿易収支
  • 米  新規失業保険申請件数
  • 米  5月耐久財受注(改定値)
  • 米  6月ISM非製造業景況指数
  • 米  独立記念日の前日で株式・債券市場は短期取引
  • 加  5月貿易収支

米中貿易問題で最悪の事態が避けられたことを好感し、月曜日のドル円は窓を開けて上昇しました。しかし、108円台半ばまで上昇したドル円は再び108円台を割り込んできました。直接の要因は米長期金利の低下でした。米10年債利回りは直近の最も低い水準を下回り、2016年11月以来となる1.97%台まで低下してきました。日米金利差の縮小を手掛かりにドル売りが進み、107円77銭までドル安に振れています。これで、ドル円は米中首脳会談前の水準に押し戻されたことになります。

米金利の低下は、世界的に金利が低下していることが影響している部分もあります。日本やドイツだけではなく、フランスの国債も買われ金利が低下してきました。イングランド銀行のカーニー総裁は昨日、「貿易を巡る緊張の高まりで、英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まっている」と述べ、そのため「大規模な政策対応が必要になる可能性がある」との認識を示しました。この発言も主要国の金利低下に拍車をかけたようです。さらに米国とイランとの緊張が高まっており、ポンペオ国務長官は「イランが核開発を進めれば、経済圧力を強化する」と表明し、今後のイラン側の対応次第では、米国による軍事行動もないとは言えません。

米金利が低下する一方、米国の株式市場には資金が流入し、株価の上昇が止まりません。昨日はS&P500とナスダックが最高値を更新し、ダウも8カ月ぶりの高値を記録しています。外部環境は景気を含めて多くのリスクが散見される状況下で、金利低下だけをはやして株価が上昇する足元の動きに違和感を覚える市場関係者も多いと思いますが、運用結果が全てのこの世界、多くの投資家が株を買えば、追随して株を買わざるを得ません。仮に大きく下げたとすれば、その時は多くの投資家が一緒に傷を負うことになるからです。「We are in the same boat」、投資家から良く聞かれる言葉です。

米長期金利との相関が高いドル円は、今後米金利の低下傾向が続く以上なかなか上昇気流に乗ることができません。以前にも述べましたが、まだ足元の動きは株高がドルの下落を支えている部分もありますが、株価が急落すれば、リスクオフの流れから金利が低下する可能性は高く、そのような状況になると円高が急速に加速すると予想されます。今の株価に対する楽観的な見方が今後も続けばいいですが、一旦崩れるとその時の谷も深いものと予想されるため、常に目配りは必要です。本日のドル円は107円40銭~108円20銭程度を予想します。

窓を開けて取り引き開始。米中首脳会談と米朝会談で。 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は107円台後半でもみ合い。G20を控え
積極的な取引は見られず、経済指標の発表にも
反応が薄く、107円80-85銭で越週。
◆ユーロドルは1.13台半ばから後半での取り引き。
底値が徐々に固まってきたものの、1.14台では
ユーロ売り意欲も旺盛。
◆株式市場は3指数とも揃って上昇。
ナスダックは8000の大台を回復し、ダウは73ドル高。
◆債券相場は続伸。長期金利は2.0%近辺まで低下。
◆金は上昇し、原油は反落。

◆米   5月個人所得                 →   0.5%
◆米   5月個人支出                 →   0.4%
◆米   5月PCEコアデフレータ           →   1.5%
◆米   6月シカゴ購買部協会景気指数         →   49.7
◆米   6月ミシガン大学消費者マインド(確定値)   →   98.2


本日の注目イベント

◆日   6月日銀短観
◆中   6月財新製造業PMI
◆独   独6月失業率
◆独   独6月製造業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏6月製造業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏5月マネーサプライ
◆欧   ユーロ圏5月失業率
◆英  英5月消費者信用残高
◆米   6月ISM製造業景況指数
◆米   クラリダ・FRB副議長講演



この週末は、今年前半の最後の週でしたが象徴的な出来事がありました。
G20に米中首脳会談、さらには「電撃的」とも言え米朝首脳会談があり、トランプ氏は
米国大統領として初めて北朝鮮の地に足を踏み入れました。
米中首脳会談では、予想したとおり、制裁関税第4弾の発動は見送られ、貿易協議を再開
することで合意しました。
トランプ大統領と金正恩委員長の会談については、先週金曜日の段階で、トランプ氏が「
2分でも会えればいい」とツイートしていたこともあり、可能性はありましたが、まさか
50分も会談し、しかも北朝鮮の地に入ったことは驚きでした。
これで、「G20会合」の存在がますます影を薄くしたような気もします

米中首脳会談では、3000億ドル(約32兆3600億円)相当の中国製品に対する追
加関税の発動を先送りし、さらにトランプ氏はファーウェイに対する禁輸措置を緩和し、
米企業に同社への部品売却を条件つきながらも認めると語っています。
米中首脳で話合われた内容については明らかになってはいませんが、トランプ氏は会談終
了後に「予想よりもはるかに良いものだった」とツイートしていました。
今後制裁関税第4弾発動の可能性が全くなくなったわけではありませんが、ひとまず貿易
戦争の激化は回避された格好です。
昨日中国の6月製造業PMIが発表されましたが、「50」の節目を下回っただけではな
く、事前予想を下回る「49.4」でした。
中国景気は3月頃、一旦は底入れしたとの観測もありましたが、今回の指標を見る限り再
び下落基調に転じ、2番底を探る展開になっている可能性もあり、米国との貿易問題をこ
れ以上こじらせるわけにはいかないといった事情もあります。

米朝会談では、その仲介役を担ったと思われる、韓国の文大統領の誇らしげな顔も印象的
でしたが、トランプ大統領と金委員長それぞれに、早い時期に会わなければならない「事
情」もあったようです。
トランプ氏は言うまでもなく、2020年の大統領選が始まっており、現職大統領として
の立場を最大限に有効活用したと見られます。そのためには「目に見える成果」が必要だ
ったはずで、今回2つの「成果」を持ち帰ることに成功したと言えます。
また金委員長も、制裁が長く続いており国内の経済状態も厳しい中、打開策が求められて
おり、そのためにはトランプ氏に直接会うのが最も有効だったと思われます。
ちょうどタイミングよく、相手から「会いたい」とのオファーがあったため、万難を排し
て会談の実現に奔走したのではないかと予想されます。
今回の会談では、お互いが首都ワシントンと平壌に招待することも約束したようです。

今朝のドル円は「窓を開けて」取り引きが始まっています。
既に先週記録した戻り高値の108円15銭を大きく上回る108円台半ばまでドルが買
い戻されています。
本日はさすがの日本株も大幅な上昇を見せることでしょう。
海外市場が上記材料をまだ織り込んでいないことから、今日1日を考えると、ドルは底堅
く推移すると予想します。

レンジは108円~109円程度と見ています。

明日(7月2日)の「アナリストレポート」は都合によりお休みとさせていただきます。
ご愛読者の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解くださいますようお願い申し上
げます。


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