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米中協議の進展期待からドル上昇 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は米中貿易協議に新たな進展があるとの観測に続伸。106円台を回復し、106円68銭までドルが買われる。

  • ユーロドルでもドル高が進んだが、1.1042止まり。ラガルド次期ECB総裁発言にも反応薄。

  • 株式市場は大幅に続伸。米中協議に期待が高まり、ダウは326ドル上昇し、昨日の上昇と合わせ週初の大幅下落分を埋める。

  • 債券相場は続落。長期金利は一時1.50%台を回復。

  • 金は続落。原油は3日続伸。

本日の注目イベント

  • 豪 7月住宅建設許可件数
  • 日 7月失業率
  • 日 8月東京都区部消費者物価指数
  • 日 7月鉱工業生産
  • 独 7月小売売上高
  • 欧 ユーロ圏8月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏7月失業率
  • 米 7月個人所得
  • 米 7月個人支出
  • 米 7月PCEコアデフレータ
  • 米 8月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 加 カナダ4-6月期GDP

ドル円は106円台を回復し、NY市場では一時106円68銭までドル高が進み、先週末のジャクソンホールでのパウエル議長の講演を待っている水準までドルが買い戻されています。今週はトランプ大統領の発言に右往左往させられてきましたが、昨日のドル上昇も結局はトランプ氏の発言が材料になりました。

トランプ氏は29日、FOXニュースのインタビューで、9月の米中協議は実現するのかとの質問に、「異なるレベルでの協議が今日、予定されている」と述べました。詳細は示していませんが、これに先立って中国商務省の報道官は、トランプ氏が先週発表した
対中制裁関税の税率引き上げに対して、報復措置を今のところ取らないと示唆し、貿易戦争のさらなるエスカレートを防ぐために新たな関税を取り除くことに注力したいとの考えを示していました。(ブルームバーグ)米中双方の関税発動は9月1日と、残された時間は多くありません。最後の最後に関税発動回避という劇的なシーンもあるかもしれませんが、一方でトランプ氏は簡単には妥協しそうもありません。トランプ氏からは、「中国は米国を食い物にしてきた。彼らは取引をしたいのだと思う」などの発言もあり、
どちらに転ぶかは全く分かりません。

11月にECB総裁に就任するラガルド氏は29日、欧州議会からの質問に答える形で、自身の金融政策に対する考えを示しました。ラガルド氏は、ユーロ圏経済は下振れリスクに直面し、インフレ率も低い難しい状況にあると認め、「予見可能な将来において、極めて緩和的な金融政策を続ける必要があることは明らかだ」と主張し、「導入する措置の適切な組み合わせは、インフレ見通しに影響する衝撃の性質や金融市場の状況次第ということになる」と述べ、ややハト派的なスタンスであることを示しています。
市場では、9月のECB理事会ではかなり明確な緩和姿勢を示すと見られ、場合によっては量的緩和(QE)策の再出動にも言及してくる可能性があると見られています。一方で、ECBの政策委員会メンバーである、オランダ中銀のクノット総裁は「QE再会を正当化できるほどユーロ圏経済は弱くはない」との認識を示しています。(ブルームバーグ)ここはラガルド次期総裁のお手並み拝見といったところでしょう。

ドル円は105円台では底堅い動きを見せてはいますが、今月に入ってからは106円70-80銭を2度試し、押し戻されていることから、この水準から107円が目先の「抵抗帯」と見られます。今後仮にドルが上昇するにしても、まずはこの水準を突破する必要があり、もし抜けたとしたら、約1カ月ぶりのこととなります。米長期金利の水準からすれば、依然としてドルの上昇には限界があると予想していますが、余り固定観念で相場を見るのは避けるべきです。トランプ氏の「ツイート」一つで相場が大きく上下する状況は変わっていません。本日のドル円は106円~106円90銭程度を予想しますが、上述のように、9月1日に迫った関税発動がどのようなことになるのかで、上へも下へも抜けることがあり得ることは意識しておきたいと思います。

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世界的に金利低下が進み、今や日本だけではなく、ドイツ、スイス、デンマークなどでもマイナス金利が常態化しています。金融機関では、マイナス金利の影響を受け収益が圧迫されているところも多いとか。そんな中、スイスやデンマークの銀行では大口預金にはマイナス金利の適用を開始します。スイスでは最大手のUBSが、200万スイスフラン(約2億1600万円)超の講座から0.75%の手数料を取り、デンマークではユスケ銀行が750万クローネ(約1億1900万円)を超える口座から0.6%の手数料を取ると発表しています。さらに驚いたことには、ユスケ銀行ではマイナス0.5%の金利で住宅ローンを貸し出すとか。銀行からお金を借りて、金利がもらえる・・・??米国やスウェーデンではこの歴史的な低金利を活用して、100年国債の発行を検討しています。これまでの金融の常識では考えられない事態が起きているということです。このままでいけば、いずれ日本でもこのような事態が起こることも予想されます。「金利は低いけど、安全だからお金は銀行に預けている」そう考えている貯蓄派の皆さん、そろそろ次の対策を考えておく必要があるかもしれません。良い週末を・・・・・。

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英国の合意なき離脱リスク高まりポンド下落 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は105円台半ばを底値に反発。ポンドがドルに対して売られた影響もあり、106円23銭までドル高が進む。

  • ユーロドルは引き続き値動きがなく、1.10台後半で推移。

  • 英国の「合意なきEU離脱」のリスクが高まったことで、ポンドドルが下落。1.22台後半から1.21台半ばまで売られる。

  • 株式市場は大幅に反発。原油価格の上昇からエネルギー関連株を中心に上昇。ダウは258ドル買われ、ナスダック、S&P500も揃って上昇。

  • 債券は小幅ながら反落。長期金利は1.48%近辺まで小幅に上昇。

  • 金は反落し、原油は続伸。

本日の注目イベント

  • 独 8月失業率
  • 独 8月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏8月景況感指数
  • 欧 ユーロ圏8月消費者信頼感指数(確定値)
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 4-6月GDP(改定値)
  • 米 7月中古住宅販売件数成約指数
  • 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演

上値の重かったドル円はジリジリと値を下げたものの、105円台半ばがブレイクできずに、NY市場では再び106円台を回復し、106円23銭までドル高が進みました。ドル円でドルを買う材料はほとんど見当たらない中、ポンドドルでドルが買われポンドが売られたことで、円が「連れ安」した側面が強かった展開でした。

イギリスのジョンソン首相は9月12日から約5週間の議会休会をエリザベス女王に要請し、女王がこれを承認しました。これで議会再開はEU首脳会議のわずか数日前のタイミングとなり、ジョンソン首相は、合意なきEU離脱を阻止しようとする動きを封じ込める思惑があると見られています。(ブルームバーグ)これに対してバーコウ下院議長は、「言語道断の憲法違反だ」と声明で厳しく批判しています。EUからの合意なき離脱の可能性が高まったことから、ポンドドルは1.22台後半から売られ、1.21台半ばまでポンド安が進みました。昨日はこれ以外にもイタリアではコンテ首相の続投が決定的となり、欧州の政治的材料が相場の中心にはなりましたが、為替への影響は限定的でした。イタリアでは、これでコンテ首相が新しい連立政権の樹立に向けて始動するものと思われます。

今月に入ってトランプ大統領の言動が市場を一段と混乱させていますが、全ての政策や言葉は2020年の大統領選を有利に進めるための布石であることは誰もが承知しているところです。その大統領選で、民主党候補指名獲得レースで先頭を走っているバイデン前副大統領への支持がトランプ大統領をリードしているという調査結果が出て来ました。ブルームバーグによると、米キニアピック大学が8月21-26日に実施した世論調査では、バイデン氏が54%で、トランプ氏の38%をリードしている結果が明らかになりました。6月に行った調査では53%対40%だったことから、バイデン氏がさらにリードを広げたことになります。また、この調査ではバイデン氏ら民主党候補トップ5人は、全員がトランプ氏を上回る支持を得たことも明らかになっています。

9月入ると、日米欧の中銀による政策会合が開催されるため、市場はその内容を予測し、大きく動くことが予想されますが、その会合が終わるといよいよ1年後に迫った米大統領選がいやが上でも相場を動かす材料になると思われます。昨日、たまたま立ち寄った本屋の店頭に並べてあった本を手に取ると、そこにも2020年の大統領選に関して大胆な予想が載っていました。そこでは、トランプ大統領の再選はないと予想されており、では誰が大統領に選ばれているのかと興味津々とページをめくると、「バーニー・サンダース」とありました。現時点では現職が有利と言われ、トランプ氏再選の可能性が高いと見られていますが、トランプ氏が破れ、民主党候補が勝利し、しかもバイデン氏ではなくサンダース氏が勝つという大胆な予測はやや驚きでした。同時に筆者の頭の片隅では、「その場合はドル売り、それともドル買い?」と、どのように反応すべきか思考回路が始動していました。元為替ディーラーの宿命のようなものでしょうか。「Once a dealer always a dealer」とは、よく言ったものです。

本日は106円台を維持できるかどうかに注目しています。今週火曜日には、前日のNYで106円43銭までドルが上昇したものの、ジリジリと値を下げ、東京時間では105円台半ばまで押し戻されています。予想レンジは105円60銭~106円40銭といったところでしょうか。

米長期金利1.5%を割り込む 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は前日の106円台から昨日の東京時間にはじりじりと値を下げ105円台半ばに。NYでも同様に106円台から105円台半ばでの取引を繰り返す。

  • ユーロドルは小動き。1.11を挟みもみ合いが続き、方向感も不透明。

  • 株式市場は朝方には上昇で始まったものの、「逆イールド」が強まったことで、景気に対する懸念から反落。ダウは120ドル下げ、他の指数も揃って反落。

  • 債券相場は上昇。長期金利は1.5%を割り込み、1.47%台まで低下。

  • 金と原油は上昇。

本日の注目イベント

  • 独 9月GFK消費者信頼感
  • 欧 ユーロ圏7月マネーサプライ
  • 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演

昨日の東京時間の動きを見ていると、日経平均株価は米国株が大幅反発したことで、堅調に推移したもののドル円はじり安が続き、106円を割り込み、午後には105円台半ばまで円高に振れました。さすがに106円台を維持する状況ではなかったものの、前日にドルの底値から約2円もの反発をを見せたドル円は、直ぐに大きく下げる状況でもなかったようです。同じような動きはNY市場でも見られ、月曜日早朝に104円台半ばまで急落したドル円でしたが、再び基本レンジである105-107円に戻るような雰囲気です。

ただ、そんな中でもドルの上値の重さは変わっていないと考えます。ドル円との相関が高い米長期金利は昨日、節目の1.5%を割り込み、1.47%台まで低下してきました。この水準は、2016年7月以来の低水準となります。この結果、再び10年債と2年債との利回りが逆転する「逆イールドカーブ」が強まっています。昨日の米国株が上昇から下げに転じたのも、この動きが材料となり、景気の先行き不安から株価の下落につながったものと見られます。

8月も今週で終わりますが、今月はトランプ大統領の発言に金融市場は大荒れでした。トランプ氏のやや恣意的な言動が市場を混乱させ、その動きは、もはや2008年の金融危機のそれを上回るものだとの記事は、昨日のこの欄で述べた通りです。今朝のブルームバーグ・ニュースにも、似たような記事がありました。「トランプ大統領の信頼性が、中国が米国との恒久的な合意を結ぶ上で大きな障害になっている」という記事です。

記事は、中国当局者が匿名で述べたとして、「2020年米大統領選前に実際に合意可能とみる向きは、中国政府で数えるほどしかいないという。トランプ氏が結局ほごにするかもしれない合意案への署名を習国家主席に具申するのは危険だと、当局者は感じている。トランプ氏は中国側から協議再開を求める電話がかかってきた26日に発言、中国側でこれが何を指しているのか理解できた者はいなかった様子だ」と述べています。26日にトランプ氏が突然、中国と貿易協議が再開することを発表しましたが、中国側がこの件を認知していないと応じたことを指しているようです。

トランプ氏の予想を超える言動は今に始まったことではありませんが、このことに対して前NY連銀総裁のダドリー氏の提案したコラムが話題になっているようです。ダドリー氏は、「利下げは2020年の大統領選でトランプ氏の再選を助けるようなもので、これを拒否するべきだ」と提案しています。さらに、「トランプ氏の再選は米国と世界の経済、さらには米金融当局の独立性および雇用・インフレの責務達成能力への脅威になり得ることは否めない。金融政策の目標が可能な限り最良の長期経済であるならば、当局者らは自分らの決定が2020年の政治的結果にどう影響するかを考えるべきだ」と述べています。また、「米金融当局が政治に関与しない姿勢を続けたいのは理解できるし、支持する」としながらも、「このままの姿勢ではトランプ政権が貿易戦争のエスカレートという破滅的な道を歩むのを容認することになる」従って、「大統領選の敗北も含めて、そのリスクを背負うのは大統領自身だという、
明確なシグナルを発信することが必要だ」と論じています。(ブルームバーグ)「利下げはトランプ氏再選の手助けになるため、すべきではない」といった極端な提案ですが、個人的には理解できます。ダドリー氏は現在プリンストン大学の教授という自由な立場にいることから、このような提案が出来るといった面はありますが、今後議論を呼びそうです。個人的には溜飲が大きく下がった気がします。
本日のドル円は105円20銭~106円10銭程度を予想します。

ドル円底値から2円に迫る急反発 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 昨日の早朝には104円46銭まで急激な円高が進んだドル円は大幅に反発。トランプ大統領が中国との貿易協議を再開すると発言したこともあり、NY市場では106円42銭までドルが上昇。

  • ユーロドルは小幅に下落したが、1.11を中心に小動き。

  • 株式市場は大幅に反発。米中貿易問題で「大きなことが起こる」といったトランプ氏の発言や、イランとの交渉の余地が出てきたことなどが材料に。ダウは269ドル上昇し、主要指数も揃って上昇。

  • 債券相場は横ばい。長期金利も1.53%台で変わらず。

  • 金は小幅に反落。原油は続落し53ドル台に。

本日の注目イベント

  • 中   中国7月工業利益
  • 独   独4-6月期GDP(改定値)
  • 米   6月FHFA住宅価格指数
  • 米   6月ケース・シラ-住宅価格指数
  • 米   8月リッチモンド連銀製造業指数
  • 米   8月消費者信頼感指数

予想外の展開でした。昨日の朝方には105円を大きく割り込み104円46銭までドル安が進みました。急激な円高が進んだことで、円高に弱い日本株も大きく下落すると予想したため、ドルの戻りも105円台前半辺りが限界ではないかとレンジ予想に盛り込みましたが、NYでは予想を大きく上回る106円台半ばまでドルが反発しました。予想を大きく外し、失礼いしたしました。朝方のドル急落はトルコリラ円の急落と、それに伴って104円80銭以下にあった、「ストップロス」が執行されたためと思われます。

それにしても、トランプ大統領の発言一つで、全ての金融・商品市場が混乱させられています。「歯に衣着せぬ」とはいえ、大統領として、もう少し慎重に言葉を選ぶ必要があるはずです。前日「われわれに中国は必要ない」と言い放ったトランプ氏は、昨日G7終了後の会見では「中国と交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう」と述べ、米中の貿易交渉の担当者が中国と電話協議を行ったことを明らかにしました。トランプ氏はさらに、中国が取引成立を「非常に強く望んでいる」と再び主張し、中国側の交渉
責任者である劉鶴副首相が、「冷静な態度で問題を解決したい」と述べたことを賞賛しています。「脅し」と「懐柔」を巧みに使い分けるトランプ流の交渉術に、市場も翻弄させられています。ただ注意したいのは、この件に関しては中国、環球時報の編集長や中国人民銀行の易総裁が、「認知していない」と否定していることです。

G7が閉幕しましたが、予想通り今回は「首脳宣言」もなく、景気の下振れに対応するという点で一致しただけでした。唯一の成果は日米貿易協議で合意に至ったことです。トランプ氏は、「日本から輸入する自動車・同部品に新たな関税を課すことは、現時点では、ない」と述べており、今後EUとも合意が近いことを示唆しました。(ブルームバーグ)また、対立が続いているイランとも、「適切な状況下であれば、イランのロウハニ大統領と会談し、核合意を巡る対立について協議する」と前向きな姿勢を示し、数週間以内に会談を設定したいと語っています。このように、米中貿易戦争が泥沼化し、株安、円高が進んだ状況が、今後急激に変わる気配も出てきました。もっとも、これら好材料も一夜にして変わる可能性はあります。ここしばらくは状況を見つめるしかありません。

今朝届いたブルームバーグ・ニュースには「言葉を失うウォール街、金融危機より異様なトランプマーケット」と題した記事がありました。「2008年当時の信用デリバティブ売買はクレ-ジーだったとよく話したものだが、今の方がはるかに異様だ。当時は流動性がポジション形成を難しくしていた。今はマーケットのあらゆる部分にそれぞれの特異な問題があり、中でもトランプ大統領という最大の問題がある。トランプ氏はこれまで誰も考えつかなかった前代未聞のやり方で大惨事を引き起こす」と、ファンド・アドバイザーの言葉を紹介しています。

ドル円は昨日の底値からほぼ2円戻したことになり、先週末のジャクソンホールでのパウエル議長の講演を待つ水準に近いところまで来ました。結局「往って来い」の展開だったということになります。本日は日本株も上昇が見込めますが、ドル円は106円台半ばから上では、現時点ではこれまで通りドル売りゾーンと見られます。予想レンジは105円50銭~106円50銭程度と見ます。

米長期金利1.5%を割り込む 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は105円台では底堅い動きを見せたものの、上値は依然として重い印象。米長期金利が一段と低下したが、この日のドル円の底値は105円80銭止まり。

  • ユーロドルは小幅に続落し、約2週間ぶりに1.11を割り込み、1.1092まで下落。

  • 株式市場は前日の混乱の余波が残り上下を繰り返したが、ダウは99ドル高で引ける。ナスダックは続落し、S&P500は小幅に反発。

  • 債券相場は続伸し、長期金利は3年ぶりに1.5%を下回る。

  • 金は続伸し、原油は続落。

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏6月貿易収支
  • 欧 OPEC月報
  • 米 7月住宅着工件数
  • 米 7月建設許可件数
  • 米 8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

ドル円は動きがやや不透明になってきました。ここ数日の動きは、105円台後半から一気に107円手前まで反発しましたが、その後再び105円台半ばまで売られ、昨日の東京時間では105円90-95銭でほとんど動かず、「お盆休み相場」の様相を見せていたと思いきや、午後3時半過ぎには105円台後半から、わずか5分程度で106円78銭までドルが急騰しています。昨日のこの動きについて原因を調べてみたら、東北地方で地震があっただけで、それ以外の材料はなかったようです。この材料だけで80銭も動くとは思えませんが、ドル円はボラも上がっており、足元では本来動きの大きいユーロドルよりも値幅が大きいのが現状です。

前日は米債券市場で発生した「逆イールド」が話題の中心で、米景気もリセッションになるといった見方が、為替、株、金、その他商品相場の方向性を決定付けました。個人的には現時点では、米景気がリセッションに入る可能性はかなり低いと考えています。昨日発表された7月の小売売上高は予想を大きく上回る「0.7%」でした。個人消費は米GDPに占める割合が大きいだけに、第2四半期GDPへの期待も膨らみます。小売売上高はこれで5カ月連続のプラスです。この間の株価は上昇しており、資産効果の影響もあったかと思いますが、低失業率が続き、賃金も上昇していることが、個人の財布の紐を緩めていると推察されます。ブル-ムバーグによると、主要13項目のうち10項目が増加し、オンラインショッピングを含む無店舗小売が2.8%増加した。アマゾン・ドット・コムの会員向けセール「プライムデー」に支えられた可能性があると分析しています。少なくも個人消費が活発であれば、リセッションに陥る可能性は低いと考えられますが、株価の雲行きが怪しくなってきたことと、「逆イールド」発生後にリセッションに陥るタイミングは平均でも1年6カ月後との分析もあり、まだ分かりません。

米中貿易戦争に関するニュースは昨日もありましたが、材料にはなっていないようです。トランプ大統領は、中国とのいかなる通商合意も「われわれの条件」に基づくものでなければならないと、譲歩する意思のないことを表明していますが、習近平主席と貿易に関して近く電話協議を行う予定であるとも述べています。トランプ氏は政権が中国側と非常に良い話し合いをしており、「生産的だ」と発言し、「彼らは何か行いたいのだ」と語っています。このまま事態が進展しないと、中国に対する関税引き上げ対象品目が一部延期されたとしても、多くの品目に9月1日から10%の関税が課せられることになります。中国としても何とかそれを避けるため、トランプ氏と直接話し合いたいということなのでしょう。何が「生産的」なのかは分かりませんが、中国側が最後の最後に譲歩してくることもあるかもしれません。残された時間はあと2週間です。

米長期金利がさらに低下しています。昨日のNY債券市場では債券が一段と買われ、長期金利は一時1.47%台まで低下しました。引け値では1.5%台を回復しましたが、3年ぶりの低水準を記録しています。もっとも、その割にはドル円が売られていません。米債券が買われて金利が低下しているのは、かならずしも、質への逃避(Flight to quality)という側面だけではないようです。
ブルームバーグ・バークレーズ・グローバル・マイナス利回り指数では、世界のマイナス利回り債券残高は過去最高を更新しており、その額は14日の終値で16兆ドル(約1670兆円)を突破しています。15兆ドルを超えたのが先週だったので、わずか1週間で1兆ドル相当の債券がマイナス利回りに沈んだことになります。このような情況の中、米国10年債はまだプラスどころか、1.5%の利回りです。世界中から米国債に資金が集まってくるのは当然と言えます。世界的な金融緩和傾向が終わらない限り、米金利の低下傾向に終止符が打たれないのかもしれません。本日のドル円は105円50銭~106円50銭程を予想します。

7月のFOMCでは2人の委員が利下げに反対 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆週末のジャクソンホールを控えドル円は106円台半ばで
小動き。FOMC議事録では7月の利下げが政策軌道に対する
再検証の一環だとし、パウエル議長の発言と一致した。
◆ユーロドルは1.11を挟んだ展開。1.1080まで下落し、
底値を試すも動きは緩慢。
◆株式市場は大幅高を演じたものの、午後には議事録の公表を受け
上げ幅を縮小。ダウは240ドル高となり、他の主要指数も上昇。
◆債券相場は反落。長期金利は1.58%台へ上昇。
◆金は変わらず。原油は反落。

本日の注目イベント

◆米   新規失業保険申請件数
◆米   8月マークイット製造業景況指数
◆米   8月マークイットサービス業PMI
◆米   7月景気先行指標総合指数
◆独   独8月製造業PMI(速報値)
◆独   独8月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏8月総合PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏8月製造業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏8月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏8月消費者信頼感指数(速報値)
◆欧   ECB議事要旨


引き続き大きな材料がない中、昨日は7月のFOMC議事録が公表され、
その内容に注目が集まりました。
7月30-31日に行われたFOMCでは、ご存知のように、「10年
半ぶりの利下げ」に踏み切り、パウエル議長はその後の会見で、「今回
の利下げは長期にわたる利下げの始まりではない」と述べ、 利下げ観
測に前のめりになっていた市場を「けん制」する発言を行いました。
発言が予想外に「タカ派寄り」だったことで、ドル円は発言をきっかけ
に109円台までドル高が進み、ここを頂点にその後は105円台前半
までドルが売られたことは記憶に新しいところです。それだけに、どの
ような議論がなされたのか、注目されていました。

議事録では、「世界的な低調な成長見通しや通商政策を巡る不確実性の
影響に対応し、そうした要因に伴う一段の下振れリスクに対する保険を
掛け、さらにインフレ率が2%目標により速やかに戻るのを促進するた
め、政策決定に賛成票を投じたメンバーらは全体的な政策スタンスをよ
り適切に位置づけることを目指した」(ブルームバーグ)とし、25bp
の利下げを決定しています。また利下げについては、2018年後半に
始まった政策軌道に対して「継続して行われている再検証」の一環だと
記され、上記パウエル議長の発言とも整合性がとれています。
また利下げの理由としては、「貿易を巡る不確実性が見通しへの根強い
向かい風として留まり続ける」とあり、トランプ大統領が仕掛けた「貿
易戦争」が政策決定に重要な位置を占めていたのが理解できます。
ただ、25bpの利下げについては、2名の委員が50bpの利下げを
求めた一方、ボストン連銀のローゼングレン総裁とカンザスシティー連
銀のジョージ総裁は、利下げそのものに反対票を投じるなど、FOMC
メンバーの中でも意見が分かれています。
「貿易戦争」に伴う世界的な景気後退と、その影響がどの程度米国に及ぶ
のか予測することが、極めて困難であることを物語っているものと思わ
れます。

トランプ大統領は、「米国はおそらく中国と取引をおこなうだろう」と
述べるとともに、「この貿易戦争はずっと前に起こるべきものだった。
誰かがしなければならなかった。私は選ばれし者だ」と述べ、これまで
中国の不公平な貿易慣行を放置したとして歴代大統領を批判しました。
ジャクソンホールでのパウエル議長の講演まであと1日。9月のFOM
Cまでも1カ月を切りました。大幅な利下げを執拗に要求しているトラ
ンプ大統領ですが、仮に9月のFOMCで25bpの利下げに留まった
場合、トランプ氏は何と言ってパウエル議長を批判するのでしょうか。
昨日すでに、「彼はパットの下手なゴルファーのようだ。まったく勘が
鈍い」と述べています。
ひょっとしたら、議長解任にも言及するかもしれません。
以前にも、トランプ氏は「私にはその権限がある。ただ、それはしない」
と述べていました。
 
引き続き動きにくい展開です。
日本時間23日の午後11時から始まるパウエル議長の講演までは仕方
のないところでしょう。

本日のドル円は106円20~106円90銭程度を予想します。


コンテ・イタリア首相辞任 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は小幅に下落。イタリアのコンテ首相が辞意を表明したことで、
イタリアの政局不安から円が買われた。ドル円は106円17銭まで下落したが
重要イベントを控え動きは緩慢。
◆ユーロドルは水準を下げ1.1065まで下落。イタリアの政治的リスクが
意識され上値を切り下げる。
◆株式市場は反落。欧州の政治的リスクが意識され、ダウは117ドル下落。
◆債券相場は上昇。イタリアの政局不安から、イタリアやドイツの債券が買われ、
米国債にも買いが集まる。長期金利が1.55%台まで低下。
◆金は3日ぶりに反発、原油も小幅ながら反発。

本日の注目イベント

◆米   FOMC議事録(7月30-31日分)
◆米   7月中古住宅販売件数
◆米   日米貿易交渉の閣僚会議(ワシントン、22日まで)
◆加   カナダ7月消費者物価指数


今週末に「ジャクソンホール」でパウエル議長の講演を控えていることもあり、
ドル円は106円台でもみ合いが続いています。米長期金利はある程度の動
きを見せるものの、ドル円の反応はいまひとつぱっとしません。
もっとも昨日は特段経済指標の発表もなく、動きにくい面はありました。やや
材料になったのが、イタリアの政局不安でした。

イタリアのコンテ首相は20日、マッタレッラ大統領に辞表を提出しました。
コンテ氏はサルビーニ副首相が解散総選挙を求めていたことについて、利己的
で無責任だと非難し、毎年選挙を実施するのはイタリアの利益にならないと指
摘し、その上でコンテ氏は現政権の活動は、「これをもって終了する」と表明
しました。イタリアの政治的リスクが再び表面化したことで、昨日はイタリア
国債だけではなく、ドイツ国債も買われ、金利が低下しています。
これら一連の流れから米国債にも買いが入り、金利低下、ドル円下落と、いつ
ものリスク回避の流れが進んでいます。
今後は、マッタレッラ大統領があらたな連立に向けた協議をどこまでリードで
きるかどうかにかかっているようです。

もっとも、イタリアの政局不安は今に始まったことではなく、この先市場の関
心がそれほど高まるとは思えません。
現時点では、やはり今週末の「ジャクソンホール」でパウエル議長がどのよう
な内容の発言を行うのかが最大の関心事です。
発言次第では9月のFOMCでの利下げ幅が50bpになる可能性も十分ある
と考えます。利下げ幅を巡っては、トランプ大統領が引き続き圧力をかけてい
ます。19日は、「米政策金利はかなり短期間に少なくとも100bp引き下
げられるべきだ。恐らく何らかの量的緩和も伴うべきだ」と具体的な下げ幅に
も言及し、この日は「量的緩和」という言葉もツイートしています。
また昨日も同じように、「米利下げを目にしたい。ずいぶん前にしていなけれ
ばならなかったからだ」(ブルームバーグ)と述べ、圧力をかけ続けています。
仮にトランプ氏が求めるように今後1%の利下げがあるようなら、米国株が買
われ、株式市場に再び安心感が戻ってきます。
トランプ氏にとって、大統領選を有利に進めるためには、株価の上昇は喉から
手が出るほど欲しいといったところでしょう。
全ての言動が2020年大統領選での勝利につながっていると見られます。

ドル円は上記「「ジャクソンホール」までは106円台で推移しそうな気配で
す。ただユーロドルが再び下値を試す動きになっています。
イタリアのあらたな政局不安という材料が出て来たこともありますが、8月1
日に記録した直近安値である1.1027を割り込むようなら、ドル円も10
7円近辺までドル高が進むことも考えられます。
ユーロドルの動きにも目配りが必要です。本日のドル円は105円90銭~1
06円70銭程度を予想します。


ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は小幅に下落。イタリアのコンテ首相が辞意を表明したことで、
イタリアの政局不安から円が買われた。ドル円は106円17銭まで下落したが
重要イベントを控え動きは緩慢。
◆ユーロドルは水準を下げ1.1065まで下落。イタリアの政治的リスクが
意識され上値を切り下げる。
◆株式市場は反落。欧州の政治的リスクが意識され、ダウは117ドル下落。
◆債券相場は上昇。イタリアの政局不安から、イタリアやドイツの債券が買われ、
米国債にも買いが集まる。長期金利が1.55%台まで低下。
◆金は3日ぶりに反発、原油も小幅ながら反発。

本日の注目イベント

◆米   FOMC議事録(7月30-31日分)
◆米   7月中古住宅販売件数
◆米   日米貿易交渉の閣僚会議(ワシントン、22日まで)
◆加   カナダ7月消費者物価指数


今週末に「ジャクソンホール」でパウエル議長の講演を控えていることもあり、
ドル円は106円台でもみ合いが続いています。米長金利はある程度の動きを
見せるものの、ドル円の反応はいまひとつぱっとしません。
もっとも昨日は特段経済指標の発表もなく、動きにくい面はありました。やや
材料になったのが、イタリアの政局不安でした。

イタリアのコンテ首相は20日、マッタレッラ大統領に辞表を提出しました。
コンテ氏はサルビーニ副首相が解散総選挙を求めていたことについて、利己的
で無責任だと非難し、毎年選挙を実施するのはイタリアの利益にならないと指
摘し、その上でコンテ氏は現政権の活動は、「これをもって終了する」と表明
しました。イタリアの政治的リスクが再び表面化したことで、昨日はイタリア
国債だけではなく、ドイツ国債も買われ、金利が低下しています。
これら一連の流れから米国債にも買いが入り、金利低下、ドル円下落と、いつ
ものリスク回避の流れが進んでいます。
今後は、マッタレッラ大統領があらたな連立に向けた協議をどこまでリードで
きるかどうかにかかっているようです。

もっとも、イタリアの政局不安は今に始まったことではなく、この先市場の関
心がそれほど高まるとは思えません。
現時点では、やはり今週末の「ジャクソンホール」でパウエル議長がどのよう
な内容の発言を行うのかが最大の関心事です。
発言次第では9月のFOMCでの利下げ幅が50bpになる可能性も十分ある
と考えます。利下げ幅を巡っては、トランプ大統領が引き続き圧力をかけてい
ます。19日は、「米政策金利はかなり短期間に少なくとも100bp引き下
げられるべきだ。恐らく何らかの量的緩和も伴うべきだ」と具体的な下げ幅に
も言及し、この日は「量的緩和」という言葉もツイートしています。
また昨日も同じように、「米利下げを目にしたい。ずいぶん前にしていなけれ
ばならなかったからだ」(ブルームバーグ)と述べ、圧力をかけ続けています。
仮にトランプ氏が求めるように今後1%の利下げがあるようなら、米国株が買
われ、株式市場に再び安心感が戻ってきます。
トランプ氏にとって、大統領選を有利に進めるためには、株価の上昇は喉から
手が出るほど欲しいといったところでしょう。
全ての言動が2020年大統領選での勝利につながっていると見られます。

ドル円は上記「「ジャクソンホール」までは106円台で推移しそうな気配で
す。ただユーロドルが再び下値を試す動きになっています。
イタリアのあらたな政局不安という材料が出て来たこともありますが、8月1
日に記録した直近安値である1.1027を割り込むようなら、ドル円も10
7円近辺までドル高が進むことも考えられます。
ユーロドルの動きにも目配りが必要です。本日のドル円は105円90銭~1
06円70銭程度を予想します。


ドル円106円台半ばでもみ合い 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は小幅に上昇したものの、106円43銭で上げ止まる。
中国とドイツが景気対策を検討しているとの報道にリスクがやや後退。
◆ユーロドルは小幅に水準を下げ、1.1066まで下落。
◆株式市場は大幅に続伸。中国とドイツの景気対策報道を好感し
ダウは306ドル、ナスダックも129ポイント上昇。
◆債券相場は反落。長期金利は1.55%台へと上昇。
◆ドルが買われたことで金は反落。原油は3日ぶりに反発。

◆7月住宅着工件数                →  119.1万件
◆7月建設許可件数                →  133.6万件
◆8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)    →  92.1

本日の注目イベント

◆日   7月貿易収支
◆欧   ユーロ圏6月経常収支
◆欧   ユーロ圏7月消費者物価指数(改定値)

ドル円は概ね106円台で推移しています。上値は重いものの、106円割れから
105円台半ばではドル買い意欲も強く、依然としてドルの下落リスクの方が高い
とは思いますが次の材料を待つ展開になっています。
その次の材料は、恐らく今週末にはやってきそうです。
ワイオミング州「ジャクソンホール」で行われる、カンザス・シティー連銀恒例の、
シンポジュームが今年も世界中の注目を集めることになりそうです。

このシンポジュームには世界中から中銀総裁や、エコノミスト、企業のトップなど
が集まり、景気や金融政策などについて議論をするものです。
FRBは先週、この会合にパウエル議長が参加し、米国東部時間23日(金)の1
0時から「金融政策への挑戦」(Challenges for Monetary Policy)と題して、講演
を行うと発表しています。また、クオーレ・副議長も、現地時間20日(火)午後
4時にソルトレーク・シティーで講演を行うことも発表しています。

毎年8月は材料に乏しく、それだけに「ジャクソンホール」での経済シンポジュー
ムは注目されてきましたが、今回はこれまでになく注目度が高いと思われます。
先月末のFOMCでは市場予想通り、25bpの利下げを決めましたが、その後の
記者会見でパウエル議長の放った言葉が予想外に「タカ派寄り」であったことを記
憶している方も多いのではないかと思いますが、議長は「今回の利下げが長期的な
利下げサイクルの始まりではない」と、市場の前のめりの利下げ観測をけん制する
発言を行いました。
ドル円はこの発言をきっかけに、利下げがあったにも関わらず109円まで上昇し
ました。タイミングが悪いことに、トランプ大統領が中国製品3000億ドルに対
する制裁関税第4弾を唐突に発表したのが翌日8月1日でした。ドル円はこの日以
降ジリジリと下げ、105円台半ばまで下落したことは、ご存知の通りです。

このような経緯があった中で、今回パウエル議長の講演が行われるわけです。
9月のFOMCでの利下げもほぼ確実視されていますが、問題は「利下げ」ではな
く「利下げ幅」です。トランプ大統領やクドロー米国家経済委員会(NEC)委員
長などは、相変わらずFRBに対して利下げ圧力をかけ続けています。
一方で、出口の見えない米中貿易戦争の影響もあり、株式市場では先週ダウが今年
最大の下げ幅となる800ドルも下落するなど、混乱が続いています。
また、経済データでも景気の悪化を示す指標も散見され、先週には10年半ぶりに
「逆イールド」が発生するなど、もはや「外堀は埋められた」格好になっています。
「ジャクソンホール」での講演では、少なくとも「タカ派寄り」の発言はないもの
と予想しています。政治的圧力に屈することはないとしても、今後も「FRBが利
下げスタンスを維持している」という事実を、鮮明に市場に印象付ける必要がある
と考えます。従って、個人的には9月のFOMCで50bpの利下げを実施すると
予想しています。

先週トランプ氏は、近いうちに習近平主席と電話会談を行うことをツイートしてい
ましたが、クドローNEC委員長は、「今後1週間から10日のうちに電話会談を
行う」ことを明らかにしています。トランプ氏も、「米国は中国とうまくやってお
り、話をしている」と述べており、協議がうまくいけば中国側を米国に招いて閣僚
協議を行う計画があることも発表しています。
また、トランプ氏に近いナバロ大統領補佐官は「力強い経済が2020年を通じて、
またそれ以降も続く」とABCテレビの番組で語り、金融政策についても「パウエ
ル議長は鏡に映った自分の姿を見て、『私は政策金利を早く引き上げ過ぎた』と言
うべきだ」とあらためてパウエル氏を批判していました。(ブルームバーグ)

本日のドル円はドルの上値がどこまであるのかを確認する動きになりそうです。
引き続き値を飛ばす可能性もあるので注意は必要です。
レンジは106円~106円80銭程度を予想します。「8時間足」の雲の下限が
106円85銭前後にあります。まずは、この辺りが意識されそうです。


都合により今週、20日(火)と23日(金)は「アナリストレポート」をお休み
にさせて頂きます。
ご迷惑をおかけいたしますが、宜しくお願い申し上げます。



米長期金利1.5%を割り込む 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は105円台では底堅い動きを見せたものの、上値は
依然として重い印象。米長期金利が一段と低下したが、この日の
ドル円の底値は105円80銭止まり。
◆ユーロドルは小幅に続落し、約2週間ぶりに1.11を割り込み、
1.1092まで下落。
◆株式市場は前日の混乱の余波が残り上下を繰り返したが、
ダウは99ドル高で引ける。ナスダックは続落し、S&P500は
小幅に反発。
◆債券相場は続伸し、長期金利は3年ぶりに1.5%を下回る。
◆金は続伸し、原油は続落。
********************(何もない時は空欄のままにします)

◆7月小売売上高             →  0.7%
◆ 新規失業保険申請件           →  22.0万件
◆8月フィラデルフィア連銀景況指数    →  16.8
◆7月鉱工業生産             →  -0.2%
◆7月設備稼働率             →  77.5%
◆8月NAHB住宅価格指数        →  66     

本日の注目イベント

◆欧   ユーロ圏6月貿易収支
◆欧   OPEC月報
◆米   7月住宅着工件数
◆米   7月建設許可件数
◆米   8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)


ドル円は動きがやや不透明になってきました。
ここ数日の動きは、105円台後半から一気に107円手前まで反発しましたが、そ
の後再び105円台半ばまで売られ、昨日の東京時間では105円90-95銭でほ
とんど動かず、「お盆休み相場」の様相を見せていたと思いきや、午後3時半過ぎに
は105円台後半から、わずか5分程度で106円78銭までドルが急騰しています。
昨日のこの動きについて原因を調べてみたら、東北地方で地震があっただけで、それ
以外の材料はなかったようです。
この材料だけで80銭も動くとは思えませんが、ドル円はボラも上がっており、足元
では本来動きの大きいユーロドルよりも値幅が大きいのが現状です。

前日は米債券市場で発生した「逆イールド」が話題の中心で、米景気もリセッション
になるといった見方が、為替、株、金、その他商品相場の方向性を決定付けました。
個人的には現時点では、米景気がリセッションに入る可能性はかなり低いと考えてい
ます。昨日発表された7月の小売売上高は予想を大きく上回る「0.7%」でした。
個人消費は米GDPに占める割合が大きいだけに、第2四半期GDPへの期待も膨ら
みます。小売売上高はこれで5カ月連続のプラスです。この間の株価は上昇しており、
資産効果の影響もあったかと思いますが、低失業率が続き、賃金も上昇していること
が、個人の財布の紐を緩めていると推察されます。
ブル-ムバーグによると、主要13項目のうち10項目が増加し、オンラインショッ
ピングを含む無店舗小売が2.8%増加した。アマゾン・ドット・コムの会員向けセ
ール「プライムデー」に支えられた可能性があると分析しています。
少なくも個人消費が活発であれば、リセッションに陥る可能性は低いと考えられます
が、株価の雲行きが怪しくなってきたことと、「逆イールド」発生後にリセッション
に陥るタイミングは平均でも1年6カ月後との分析もあり、まだ分かりません。

米中貿易戦争に関するニュースは昨日もありましたが、材料にはなっていないようで
す。トランプ大統領は、中国とのいかなる通商合意も「われわれの条件」に基づくも
のでなければならないと、譲歩する意思のないことを表明していますが、習近平主席
と貿易に関して近く電話協議を行う予定であるとも述べています。
トランプ氏は政権が中国側と非常に良い話し合いをしており、「生産的だ」と発言し、
「彼らは何か行いたいのだ」と語っています。
このまま事態が進展しないと、中国に対する関税引き上げ対象品目が一部延期された
としても、多くの品目に9月1日から10%の関税が課せられることになります。
中国としても何とかそれを避けるため、トランプ氏と直接話し合いたいということな
のでしょう。何が「生産的」なのかは分かりませんが、中国側が最後の最後に譲歩して
くることもあるかもしれません。残された時間はあと2週間です。

米長期金利がさらに低下しています。
昨日のNY債券市場では債券が一段と買われ、長期金利は一時1.47%台まで低下
しました。引け値では1.5%台を回復しましたが、3年ぶりの低水準を記録してい
ます。もっとも、その割にはドル円が売られていません。
米債券が買われて金利が低下しているのは、かならずしも、質への逃避(Flight to
quality)という側面だけではないようです。
ブルームバーグ・バークレーズ・グローバル・マイナス利回り指数では、世界のマイ
ナス利回り債券残高は過去最高を更新しており、その額は14日の終値で16兆ドル
(約1670兆円)を突破しています。
15兆ドルを超えたのが先週だったので、わずか1週間で1兆ドル相当の債券がマイ
ナス利回りに沈んだことになります。
このような情況の中、米国10年債はまだプラスどころか、1.5%の利回りです。
世界中から米国債に資金が集まってくるのは当然と言えます。
世界的な金融緩和傾向が終わらない限り、米金利の低下傾向に終止符が打たれないの
かもしれません。

本日のドル円は105円50銭~106円50銭程を予想します。


NYダウ今年最大の下落 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆ドル円は前日の上昇から一転し大きく売られる。
NYダウが800ドルを超える下落を見せ、米長期金利が
1. 57%台まで急低下したことで、ドルは105円65銭まで
下落。
◆ユーロドルは小幅に下落。ユーロ円の売りが相場を押し下げ、
1.1131までユーロ安が進む。ユーロ円も117円78銭前後
まで下げる。
◆株式市場は主要3指数とも3%近く下げ、ダウは800ドル安と、
今年最大の下げに。米債券市場で「逆イールド」が発生するなど、
景気後退懸念が再燃。
◆債券相場は急騰し10年債利回りは1.57%台へと急低下。
2年債が1.6%台と、10年債を上回る。
◆金は反発し、原油価格は大幅に反落。

◆7月輸入物価指数       →  0.2%

本日の注目イベント

◆豪   豪7月雇用統計
◆日   6月鉱工業生産(確定値)
◆米   7月小売売上高
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   8月フィラデルフィア連銀景況指数
◆米   7月鉱工業生産
◆米   7月設備稼働率
◆米   8月FHFA住宅価格指数
◆米  企業決算 → アリババ、エヌビデア、ウォルマート


前日のNY市場で米中貿易を巡る明るいニュースが出たことで、107円手前まで
ドル高が進んだものの、その流れはわずか1日で終わったようです。
昨日のNYでは、世界的な景気減速が材料となり、米10年債利回りと2年債利回
りが逆転する、「逆イールド」が発生したことで、近い将来に米国がリセッション
に陥るとの観測が台頭。これが株価を押し下げ、NYダウは今年最大の下げとなる
800ドルの下落でした。ドル円は長期金利の低下に押され、105円65銭まで
売られ、前日の上昇分をほぼ吐き出した格好です。

米債券利回りの「逆イールド」はすでに3カ月物や3年債などでも見られましたが、
「本命」の2年債との逆転は、実に12年ぶりのことです。
10年債と2年債で「逆イールド」が発生すると、その後数年以内にリセッション
入りしていることは、過去の事実が示しています。
リセッションを巡っては、セントルイス連銀のブラード総裁が昨日、「失業率は5
0年ぶりの低水準に近い。インフレ率は低位で安定している。やや低過ぎだと私は
主張してきたが、基本的には低位安定だ。米景気はリセションではない。よって、
将来を戦略的に考えるのに適した時期だ」と述べ、日本では20年にわたって低金
利が続き、その間低インフレやマイナスが続いたことを例にあげ、「そうしたわな
を回避する方法は何か。それが今回の枠組み見直しでの重要な課題だと思われる」
と語っています。(ブルームバーグ)

またトランプ大統領もFRBの政策を批判し、「(パウエル議長は)何も分かって
いない」し、「中国は米国の問題ではない。香港の状況は良くないが、米国の問題
は米金融当局だ。過去の利上げは幅もスピードも行き過ぎていた」とツイートし、
さらに別のツイートで、「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっ
ていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲ
ームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬
と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。
われわれは勝つだろう」(ブルームバーグ)と、一段と批判のトーンを上げていま
す。トランプ氏は以前にも、「われわれの問題は中国ではない、FRBだ」と述べ
たこともあり、FRBに対する圧力をさらに強めています。

米国がこの後リセッションに入るのかどうかは、今しばらく経済データを読み解く
必要がありますが、FRBは9月の会合では少なくとも25bpの利下げは避けら
れないと思います。個人的には50bpの利下げも十分考えられる情況になってき
たと感じます。それにしても、昨日の金融・商品市場の動きは鮮烈でした。
デスクの上にあるブルームバーグ専用の画面では、「デイブレイク」というページ
があり、今朝そこには「新たな警報・・・・米英で逆イールド。米政権、中国に譲
歩する用意ない・・・ナバロ氏」との文字が踊っており、その背景には黒い雲が湧
き上がり、暗雲急を告げている構図になっています。
本日も日本株の大幅な下げは避けられないところでしょう。
ひょっとしたら日経平均株価が2万円の攻防になるかもしれません。
そこまで売られることはないとしても、この先好材料は見当たりません。
ドル円も105円05銭前後が壁になっていますが、米長期金利の低下傾向が続い
ていることから、「3度目の正直」の可能性も否定できません。

予想レンジは105円~106円20銭といったところでしょうか。


ドル円107円手前まで急反発。 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆105円06銭まで売られたドル円は急反発。トランプ政権が
中国に課す関税を巡り、一部品目を12月15日まで延期する
ことを発表したことで、106円98銭までドル高に振れる。
◆ユーロドルはドル円ほどの動意は見せず、引き続き1.12を
挟んでもみ合う。
◆株式市場は急反発。米中貿易戦争が緩和されるとの見方に、ダウは
一時500ドルを超える上昇を見せ、382ドル高で取引きを終える。
アップルなど、中国関連銘柄が上昇を牽引。
◆債券相場はリスク回避の動きが後退し反落。長期金利は1.7%台を
回復。
◆リスク回避モードが後退したことで、金は売られ、原油は大幅に続伸。


◆7月消費者物価指数        →  0.3%

本日の注目イベント

◆豪   豪8月ウエストパック消費者信頼感指数
◆中   中国7月小売売上高
◆中   中国7月鉱工業生産
◆独   独4-6月期GDP(速報値)
◆欧   ユーロ圏4-6月期GDP(速報値)
◆欧   ユーロ圏6月鉱工業生産
◆英   英7月消費者物価指数
◆米 7月輸入物価指数




《本日も日本株の下落に伴ってドル円は105円方向を試すことが予想されます。
ただ、105円が大きな節目になる可能性もあります。
気になるのは、ここにきて筆者も含め多くの専門家や投機筋が、円高がさらに進むと予想
し始めているという点です。
105円前後が当面の底値になる可能性も、上記理由からわずかですがないとは言えませ
ん。注意が必要です。》

この文章は昨日の「アナリストレポート」の最後の部分です。
日本が祝日だった12日の欧州市場でドル円は105円05銭を付けた後反発し、昨日の
夕方7時過ぎにもほぼ同じ水準である105円06銭までドルが売られ、その後驚きのド
ル急騰でした。105円前後を2度アタックして跳ね返されたことで、やはり、105円
前後は注意を要する水準だったと言えます。
もっとも、ここまでの反発を予想できた人はいないはずで、これも「トランプリスク」の
なせる業(わざ)です。

トランプ政権は中国からの輸入品に賦課する10%の追加関税について、一部品目に関し
て発動を9月1日から12月15日まで延期すると発表しました。
品目にはエレクトロニクス製品や衣服などが含まれており、延期した理由は「クリスマス
シーズンに影響が出るから」ということのようです。「開いた口がふさがらない」とは、
このことです。それならば、8月1日に「中国からの製品3000億ドル(約32兆10
00億円)に9月1日から10%の関税をかける」と発表しなければよかったわけです。
「最初に相手を脅しておいて、相手の出方を見ながら制裁を緩めていく」という、トラン
プ流のディールです。当初9月1日をデッドラインとしたものの、こえまでに中国側が譲
歩する気配もなく、むしろ農産物の大量輸入を取り消すなど、攻勢に出てきたことが「想
定外」だったのかもしれません。

今回の「発動」、「延期」で、金融市場は大混乱し、かなりの損出をこうむった投資家も
いると思われます。7月末のドル円は109円でした。そこから105円05銭まで約4
円ドル安が進み、NYダウは、2万7198ドルから12日には2万5897ドルまで売
られ、日経平均株価も同じような展開です。米長期金利は、2.05%台から一時は1.
59%台まで急落し、この間金価格は100ドルも上昇しています。
このように、8月1日の突然の発表を受け、金融・商品市場は大混乱させられました。
米国の大統領として、もう少し慎重さが求められます。
仮に2020年の大統領選に勝つようなことがあれば、さらにあと4年このような事態が
起こる可能性があるということです。

ドル円はこの発表を受け、105円台前半から107近辺まで一気に買い戻しが進みまし
たが、ドル円との相関が高い米長期金利の上昇率からすれば、買われ過ぎだったと言
えます。
その証拠に、ユーロドルでは、それほどドル高は進んでいません。
ドル円のショートが溜まっていたということでしょうが、ストップが巻き込まれたのと、
お盆休みのため、参加者が少なかったことも理由として挙げられそうです。
株式市場でも中国関連銘柄などが大きく上昇しており、ナスダック指数は、前日比で約
1.95%も上昇しました。

問題は、これでドル円も105円前後で「当面の底値を確認」したのかどうかという点
です。結論から言えば、まだ底値を打ったとは言えないと考えています。
日足チャートを見る限りまだそこまでの転換は示唆していません。
「MACD」では「マックD」と「シグナル」がちょうど交わったところで、ドル円が
天井を付けたようで、まだ「ゴールデンクロス」は示現していません。
また、これでFRBによる政策金利引き下げスタンスが変わるものでもありません。
このように考えると、現時点ではまだドル安の流れは変わっていないと考えます。


本日は日本株の反発具合にもよりますが、107円台を回復するようだと、今度はドル
の反転に注意する必要が生じますが、それまでにはまだ時間が必要でしょう。

本日の予想レンジは106円~107円といったところでしょうか。


香港、アルゼンチンなど地政学的リスク拡大 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は欧州時間に約7カ月ぶりとなる105円05銭を
記録。NYでは朝方の105円12銭を底値にドルが買い戻された
が、上値は重く105円43銭止まり。その後やや値を下げて引ける。
◆ユーロドルは新たな動意もなく1.12を挟む展開。
◆株式市場は大幅安。香港での大規模デモや、アルゼンチンペソの急落。
さらに米中貿易戦争長期化などの懸念からダウは390ドル下げ、
他の主要指数も3日続落。
◆債券相場は急上昇。長期金利は1.65%台へと低下。
◆金は3日ぶりに反発し、原油は3日続伸。


◆7月財政収支  →  119.7b

本日の注目イベント

◆独   独7月消費者物価指数(速報値)
◆独   独8月ZEW景況感指数
◆英   英失業率(4ー6月)
◆米   7月消費者物価指数
◆米   4-6月期家計債務残高


ドル円は欧州時間に105円05銭まで売られ、105円割れは回避できたものの、
ついに105円割れが時間の問題となってきました。
NYではややドルが持ち直したものの上値は重く、香港国際空港での大規模デモや
アルゼンチンでは大統領予備選で、野党候補が元首相のマクリ氏に予想外の大差を
つけて首位になったことなどが材料となり、NYダウは再び大幅な下落に見舞われ
ています。ドル円もドルの戻りを売りたいとする姿勢が優勢のようです。

香港での大規模なデモに対して中国報道官は、「急進的なデモ隊の行動はテロ行為
であり、香港の安定性への挑戦だ。警察による厳重な法執行を支持する」との声明
を発表しています。また米中貿易戦争の出口が見えない状況の中、中国人民銀行の
陳元副総裁は黒竜江省で開かれたイベントで、米国が中国を為替操作国と認定した
ことは、「貿易戦争が金融戦争、通貨戦争へと姿を変えつつあることを意味する」
と述べ、「米国は地政学的な見地から、米国債を保有する中国に行動を抑制されて
いることを考えている。つまり、米国に弱点が全くないと言うことではない」
と論じています。(ブルームバーグ)
米国債を大量に保有する中国が、それを武器に使うということは予想されるものの、
先週この欄で述べたように、実際問題としては、売却行為が自分の首を絞めること
となり、言葉で言うほど簡単ではありません。
米国が中国に対して制裁関税を課したことについても、中国共産党機関紙・人民日
報は「米国からのいかなる挑戦や圧力にも中国は打ち勝つことが可能だと宣言する」
記事を準備していると、環球時報の編集長がSNSで発言しています。

上述のように、香港やアルゼンチンに加え、イタリアでも政治的混迷が続き、さら
にインドとパキスタンの間でも緊張が高まっています。
このように米中貿易戦争以外でも地政学的リスクが高まっており、安全通貨の円が
買われ易い状況が続いています。
CFTCが6日に発表した建玉明細によると、シカゴ先物市場における大口投機家
は、円持ち高をロングにシフトし、ネットロングは2016年以降で最大となる1
万561枚になっています。円高がさらに進むという見立ての下、円買いを膨らま
せている状況です。

ドル円はちょうど今月1日の109円台から「雲抜け」(1時間足)を果たした後、
一度も雲を上回ることなく下落を続けています。
そのため、この雲を上抜けすれば、一旦は下落が止まり、反転するサインになるか
もしれません。ドルショートの投資家にとっては、決済タイミングを見るうえで参
考になろうかと思います。
本日も日本株の下落に伴ってドル円は105円方向を試すことが予想されます。
ただ、105円が大きな節目になる可能性もあります。
気になるのは、ここにきて筆者も含め多くの専門家や投機筋が、円高がさらに進む
と予想し始めているという点です。105円前後が当面の底値になる可能性も、上
記理由からわずかですがないとは言えません。
注意が必要です。

本日のレンジは104円80銭~105円70銭程度を予想します。


米株式市場大幅上昇でVIX指数低下 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は上値が重い展開が続いているものの、105円台では底堅い動きを見せ、106円を挟んでもみ合う。105円90銭まで売られたが、株価の上昇に円を買う動きも限定的だった。

  • ユーロドルも1.12を挟む展開に。1.12台前半が抜け切れないものの、ドル安の流れから1.11台半ばもしっかり。

  • 株式市場は3指数とも揃って大幅に上昇。中国人民元の中心レートが元高方向に設定されたことを好感。ダウは371ドル高で取引きを終える。

  • 債券相場は小幅に上昇。長期金利は1.71%台へ低下。

  • 金は5日ぶりに反落。原油価格は大幅に反発。

  • 新規失業保険申請件数    → 20.9万件 

本日の注目イベント

  • 日   4-6月GDP(速報値)
  • 中   中国7月消費者物価指数
  • 中   中国7月生産者物価指数
  • 独   独6月貿易収支
  • 独   独6月経常収支
  • 欧  国際エネルギー機関(IEA)月報
  • 英   英4-6月期GDP(速報値)
  • 英   英6月鉱工業生産
  • 英   英6月貿易収支
  • 加   カナダ7月住宅着工件数
  • 加   カナダ6月建設許可件数
  • 加   カナダ7月就業者数
  • 加   カナダ7月失業率

昨日も為替は東京市場の動きに比べNY市場の動きは小幅で、どちらかと言えば少なくともドル円では東京主導の動きになっています。株価は大きく乱高下しているものの、ドル円との相関が強い米長期金利が1.7%台で推移し、限定的になっていることが背景かと思われます。106円20-30銭前後が上値の壁になりつつある一方、105円後半では底堅い動きになっています。

トランプ大統領が再び金融当局に利下げ圧力をかけています。トランプ氏はツイートで、「米国の大統領として、私が非常に強いドルを喜ぶと考えている人もいるだろう。だが私は喜んでいない」とし、「他国と比較した米金融当局の高い金利水準は、ドルを高い水準で維持し、米国の素晴らしい製造企業が競争するのをより難しくしている」と主張しました。具体的はキャタピラー、ボーイング、ディアといった企業名を挙げています。(ブルームバーグ)今回のツイートでは、直接ドル高をけん制してはいませんが、今後米国の貿易赤字が目に見えて減少しない状況になれば、直接的な物言いもありそうです。

トランプ氏がFRBに大幅な利下げを求めていますが、今月はFOMCが開催されないため、9月のFOMCでは利下げの可能性が非常に高いと予想されます。それも、先月のように25bpの利下げ幅ではなく、50bpの可能性もあります。今朝時点での利下げ確率は25bpが「66.2%」で、50bpも「33.8%」あります。9月の会合では利下げがあるかどうかではなく、利下げ幅が問題なのかもしれません。インドやタイが利下げを行い、ニュージーランドは予想を上回る50bpの利下げを行うなど、世界景気の下振れ予測を理由に、多くの国が利下げ競争の波に巻き込まれています。加えて、執拗なまでのホワイトハウスからの利下げ圧力もあり、パウエル氏率いるFRBもある意味、「外堀を埋められた」格好です。従って、仮に9月の会合で50bpの利下げを断行したとしても、トランプ氏の圧力に屈したとの評価は避けられるような気もします。9月の会合はFOMCが17-18日で、日銀が18-19日となっており、次回は日銀にとっても「相手の手の内」が見えるため、動きやすいと考えられます。まだ1カ月以上も先の話ですが、世界の多くの中銀が利下げ競争の流れに引き込まれている状況の中、金融・商品市場に最も影響力のあるFOMCの決定は、今後のドル円を予想する上ではカギになります。

本稿執筆時(6時30分)にはドル円がスルスルと下落し、105円72銭前後まで落ちてきました。米国が中国ファーウェイとの取引き再開のライセンス決定を先送りしたとの報道で、NYのクローズからはやや円高方向に振れています。米国株が大きく反発していることから、ドル円も急激に円高が進む可能性は低いと思いますが、円高に弱い日本株からすると、米国株ほど日経平均株価は上昇しないのかもしれません。今朝の株価がマイナスで始まるようだと、前日記録した105円50銭を再度試しに行く可能性もあります。なかなかドルが反転するきっかけがつかめない状況が続いています。

本日のドル円は105円30銭~106円30銭程度と予想します。


NY株大幅反発 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆東京時間に107円台まで反発したドル円は、NYでは小動き。
長期金利の低下傾向が続きドルの上値は重く、106円台半ばでの
もみ合いに終始。
◆ユーロドルは引き続き買い戻しが優勢となり、1.12台前半まで
反発。
◆株式市場は大幅に反発。人民元の安定した動きも好感され、
ダウは300ドルを超える上昇に。
◆債券相場はほぼ横ばい。長期金利は1.70%台で小動き。
◆金は3日続伸で1484ドル台に。原油価格は景気悪化を
織り込む形で大幅続落

本日の注目イベント

◆日   日銀金融政策決定会合における主な意見(7月29、30日分)
◆中   中国 7月外貨準備高
◆独   独6月鉱工業生産
◆米   6月消費者信用残高

ドル円は連日値動きが荒くなっており、値幅も拡大しています。
その中でも、このところの特徴は東京時間の値動きの方がNY時間のそれよりも、
かなり大きいということです。
昨日も朝方ドル円は105円52銭前後まで売られた後、午後に急反発して、あ
っという間に107円08銭までドルの買い戻しが進みました。
106円台後半での「ストップのドル買い」が執行されたものと思われますが、
その後夕方にかけては再び106円40銭台まで下落するなど、荒っぽい動きで
した。一方NY市場では前日と同じように値幅も小さく、106円台半ばを中心
に40銭ほどの値動きに終わっています。

為替市場以上に荒っぽいのが株式市場です。
日経平均株価は昨日も600円を超える下落を見せましたが、さすがに連日の大
幅な下げに買い戻しも入り、引け値では134円安と、一時は2万円の大台割れ
も懸念されましたが、何とか、維持している状況です。
昨日のNY株式市場もマイナスに沈む場面もありましたが、引け値では大幅な上
昇で取引きを終えました。
昨日は対ドルで7.0を超えた人民元が安定していたことが大きな材料だったよ
うです。ブルームバーグによると、中国人民銀行は北京で外国の輸出業者多数と
会合を持ち、会合では当局者がドルを売買することも通常通り可能だと伝えたよ
うです。声明では、中国が通貨を米国との貿易戦争の武器として使うことはない
という人民銀行総裁の言葉を繰り返したようです。

ただ、為替も株もこのまま冷静さを取り戻すことはありません。
このままでは9月1日には中国から米国へ輸出される多くの製品に10%の関税
が課せられ、トランプ大統領はさらに関税を引き上げることも示唆しています。
中国側も農産物の大量輸入を中止するなど、対抗措置を発表していますが、中国
側が不利なことは明白です。米国からの輸入品に関税をかけることもすでに限界
にきており、今後とり得る報復手段は、「米国債を大量に売却する」という脅し
でしょう。

中国は米国債を1兆1000億ドル(約116兆円)ほど保有しています。
この国債を武器として売却すれば、米長期金利が急騰します。同時にドル売り人
民元買いのオペレーションを行う必要があるため、ドル安が加速することも予想
されます。こうなると財政政策上も米国にとっては厳しいことになります。米国
は今年も大量の発行を予定しており、国債の金利が急騰すれば、金利分だけでも
米財政赤字を拡大させることになります。
財政赤字のさらなる悪化は、「格付け」が下がることにもつながります。
もし、中国がこのような行動に出たら、米国も安閑としてはいられません。
ただ、現実問題として、中国がこのような行動に出ることも簡単ではありません。
中国が一度でもこのような行動を口にしたら、債券価格は急落し、結局自分の首
を絞めることになるからです。「Too big to sell」といったところです。

やや唐突だった制裁関税第4弾や「為替操作国」への認定など、トランプ政権は
中国に対する圧力を強めています。
6月29日に大阪で行われた「米中首脳会談」は一体何だったのでしょう?
この会談は約50分も行われ、これを契機に休止されていた米中通商協議の再開
にこぎつけました。米中貿易戦争が一旦は和らぐと見られていた矢先での制裁関
税第4弾発動だっただけに、市場の混乱も大きかったと思います。
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は昨日、閣僚級協議は中国の出方にも
よるが、継続する意向を示していましたが、一体何を協議するのでしょう?
米国側は譲歩する意思はないように見えますが、中国側も同じように簡単に譲歩
するとも思えません。仮にそうだとすれば、協議を経て、トランプ大統領が再び
関税率の引き上げを口にする可能性もあります。
結局、貿易戦争はまだまだ続くと見るしかありません。

ドル円は昨日の東京で107円台に戻す場面もありましたが、NYでは引き続き
ドルの上値が重い印象です。
それは引き続き、米長期金利の低下傾向が続いていることが背景です。
株価が大きく反発したにも関わらずドル円が戻らないのは、金利に反応している
からと考えられます。依然としてドル下落のリスクは残っていると考えられます。

本日のドル円は105円80銭~106円80銭程度を予想します。


円105円台、NYダウ一時950ドル急落 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆東京タイムに105円台後半まで売られたドル円はNY時間では
小康状態。106円前後で小動きとなり、長期金利の低下にも反応薄。
◆ユーロドルはさらに買い戻しが進み、1.12台まで反発。
◆株式市場は大幅続落。アジア市場での大幅な株安を受け、ダウは一時
950ドルを超える下げに。S&P500も5日続落し、この日は
3%を超える下落に。
◆債券相場は一段と上昇し、長期金利は2016年1月以来となる
1.70%台まで低下。
◆金は大幅に続伸。原油は反落。

◆7月ISM非製造業景況指数   →  53.7

本日の注目イベント

トランプ大統領が下した「制裁関税第4弾」は、単に「貿易戦争」を激化させた
だけでなく、「通貨戦争」にまで波及しそうな勢いです。
昨日の朝方、人民元が対ドルで7.0を超え、11年ぶりの「ドル高人民元安」
が進み、それをきっかけに、円高が進み、日本株も大きく下げ幅を拡大しました。
中国人民銀行は、「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で
元相場は今日7元を突破した」との声明を発表しました。
7.0という水準は、これまで中国人民銀行が守ってきたレベルでしたが、人民
元安を容認することで、国内の輸出企業を優位にするという意図が見えます。
このままでは9月1日から、中国からの米国へのほぼ全ての製品に10%の関税
がかかり、中国製品の値段が上がることで競争力が低下します。
その値段の部分を、為替で「補完」しようという目的が見られるようです。
この動きに日本株は昨日のザラ場で580円程まで下げ幅を拡大する場面もあり、
ドル円は105円78銭前後まで一気に円高が進み、その後のNY市場でもダウ
は一時950ドルを超える下げを見せ、長期金利は1.70%台まで低下。リス
ク資産が大きく売られました。

問題はこれで終わりません。人民元安を受けて、トランプ氏は昨日早朝にツイッ
ターで、「為替操作だ」と非難し、「中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで
押し下げた」と述べ、「これは<為替操作>と呼ばれる。
Fedよ聞いているか?これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めるこ
とになる」と主張しました。
トランプ氏がさらに金融当局への利下げ圧力を強めることが予想され、それを織
り込む格好で米長期金利が一段と低下し、米金利の低下がドル円を押し下げ、さ
らに円高が日経平均を押し下げるといった「負のスパイラル」に陥って来ました。


さらに、今朝7時ごろから106円近辺だったドル円が再び下げ足を速め、10
5円台半ばまで一段と円高が進みましたが、背景は米財務省が中国を「為替操作
国」(Currency Manipulator)に認定したとの報道でした。
ムニュ―シン財務長官は「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位
を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」とのコメントを発表してい
ます。(ブル-ムバーグ)まさに「通貨戦争」の様相を呈してきましたが、円は
その「とばっちり」を受けているといった状況です。

以前この欄で、ドル円は米長期金利の低下が続く以上はドルの上値は重く、円高
傾向が続くといったコメントを残しました。それでも米金利の低下傾向を好感し
てNY株式市場が上昇し、何度も「史上最高値」を更新する動きを見せ、この株
価の上昇がドル円下落の抑止力になっていました。そして、「問題は、株価が何
らかのきっかけで大きく売られると、さらに金利が低下し、ドル下落のバッファ
ーがなくなり、円高が一段と進む可能性がある」と指摘しました。足元の動きは、
まさにそのような状況になりつつあります。米国内では、今後物価上昇に加えて
株価の下落から個人消費も低迷し、景気悪化を防ぐためFRBが積極的に利下げ
に踏み切ることも予想され、ドル円は反転するきっかけがつかめない状況が続き
ます。

本日も日本株の下落に伴って、ドル円は下値を試す展開になりそうです。
日本株がさらに下落し、今夜のNYでも同じように株が一段安になるようだと、
105円を割り込む事態もあるかもしれません。「貿易戦争」と「通貨戦争」が
どこまで拡大していくのか出口は見えず、闇夜は深まるばかりです。

本日のドル円は105円~106円20銭程度を予想します。


ドル円続落し106円台半ばへ 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆7月の雇用統計は良かったものの、米中貿易戦争の行方に
対する不安からドル円はさらに下落し、106円51銭を付ける。
長期金利が急低下するなど、リスク回避の流れが強まり、円が買われた。
◆ユーロドルもドル安の流れから反発。1.1116まで
ユーロの買い戻しが進む。
◆株式市場は続落。米中通商問題が一段とエスカレートしたこと
が懸念され、S&P500は5日続落し、ダウも4日続落。
◆債券相場は一段と上昇し、長期金利が1.84%台まで低下。
◆金は大幅に続伸。一時は1461ドル台まで買われ、2013年5月
以来となる高値を記録。原油は反発。

◆8月失業率          →  3.7%
◆8月非農業部門雇用者数   →  16.4万人
◆8月平均時給 (前月比)   →  0.3%
◆8月平均時給 (前年比)   →  3.2%
◆8月労働参加率        →  63.0%
◆6月貿易収支         →  -522億ドル
◆7月消費者信頼感指数     →  98.4


本日の注目イベント

◆中   中国7月財新サービス業PMI
◆中   中国7月財新コンポジットPMI
◆独   独7月サービス業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏7月総合PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏7月サービス業PMI(改定値)
◆欧  企業決算 → HSBC
◆米   7月ISM非製造業景況指数


トランプ大統領が中国に対する関税問題をさらにエスカレートさせたことで、
金融・商品市場ではリスク回避の流れが一段と加速しています。
ドル円は6月に記録した円の直近高値を抜き、106円51銭までドル安円
高が進みました。これで、次の目安は今年1月3日の早朝に記録した105
円近辺ということになり、やや円高に弾みがつきそうな雰囲気です。

米中貿易戦争は解決が長引くとは見られていましたが、この段階で中国製品
に対する制裁関税第4弾が発動されるのは想定外でした。
一部のメディアも報じているように、2020年の大統領選を意識しての行
動かもしれません。「全ての政策は、2020年の大統領選に勝利するため」
といった見方も、決してオーバーなことではないのかもしれません。
今回のトランプ氏の決定を受け、円だけではなく、安全資産の金が1461
ドル台まで急騰し、2013年5月以来、実に6年3カ月ぶりの高値まで買
われました。また、米国債も買われ、長期金利は2016年11月以来の低
水準まで低下してきました。安全資産が買われ、リスク資産が売られる展開
です。

中国に対する関税第4弾を9月から実施するという決定で、先週末の雇用統
計の影がやや薄くなった印象でしたが、7月の雇用統計は比較的良好でした。
失業率は3.7%と予想通りで、非農業部門雇用者数は16.4万人とまず
まずの結果でした。また賃金の伸びも好調で、平均時給は前年同月比で3.
2%増と、こちらも市場予想を上回っており、労働市場は引き続き堅調だと
いうことが確認できます。今後の焦点の一つがFRBの利下げ回数になりま
すが、好調な労働市場が続けば、利下げに対する抑止力にはなると見られま
す。
年内1回から2回の利下げが見込まれる中、今後は雇用統計の結果がこれま
で以上に注目されるのではないでしょうか?
昨年後半あたりから雇用統計の結果が市場に与えるインパクトが小さくなり
ましたが、再び「名門復活」の日もそう遠くない気がします。

米国家通商会議(NTC)のナバロ委員長は4日FOXニュース・サンデー
とのインタビューで、FRB議長の今回の利下げに対してトランプ大統領と
同じ認識を示しています。
同氏は、「実際はパウエル議長が1ポイント利上げをし、量的引き締めを行
ったことがGDPの伸び率を少なくとも1ポイント押し下げており、議長の
責任にほかならない」と、7月31日のFOMCで25bpの利下げを決め
た根拠として、パウエル議長が米中貿易問題の緊張を挙げたことを批判して
います。(ブルームバーグ)

ドル円は年初来の安値が視野に入ってきたと思われます。
上でも述べたように、105円前後が大きな節目と見ていますが、この水準
を割り込むのかどうかは、今後の相場の動きにとっても重要です。
今月はFOMCがありません。次回は9月17~18日に開催されますが、
ここで引き続き利下げが実施されるのかどうかが今後の焦点です。
それまでには様々な経済指標も発表されますので、この結果を分析すること
は当然必要ですが、9月FOMCでの当局の政策スタンスを汲み取るのには、
今月22日~24日に行われる恒例の、カンザスシティ連銀主催の「ジャク
ソンホールでのシンポジューム」が注目を集めます。この会合に世界中から
中銀総裁やエコノミスト、あるいは企業経営者が集います。
今年の会合は「Challenges for Monetary Policy」(金融政策への挑戦)と
題してシンポジュームが行われます。
詳細はまだ分かっていませんが、パウエル議長の講演も予定されると思われ
ます。

本日のドル円は106円10銭~107円20銭程度を予想します。


ドル円109円台から107円台に急落 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は東京時間に109円32銭前後まで上昇したが、トランプ大統領が中国への追加関税第4弾を発動すると発表したことで、107円26銭までドル急落。

  • ユーロドルではややドル安が進み、1.12手前までユーロが買い戻される。

  • ユーロ円は118円台後半まで急落し、2017年4月以来のユーロ安を記録。

  • 株式市場は大幅に続落。ダウは280ドル下げ、ナスダックも64ポイント安。債券相場は急上昇。長期金利は一時1.87%台まで低下し、2016年以来の低水準に。

  • 金は反落。原油価格は貿易戦争による景気の悪化に伴い、原油使用量が減るとの見方から大幅安。前日比4ドル63セン下げ54ドルを割り込む。

本日の注目イベント

  • 豪  第2四半期生産者物価指数
  • 豪  6月小売売上高
  • 日  7月マネタリーベース
  • 日  日銀金融政策決定会合、議事要旨(6月19日、20日分)
  • 欧  ユーロ圏6月小売売上高
  • 欧  ユーロ圏6月生産者物価指数
  • 欧  企業決算 → RBS
  • 米  7月雇用統計
  • 米  6月貿易収支
  • 米  6月耐久財受注
  • 米  7月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 米  企業決算 → エクソンモービル
  • 加  6月貿易収支

「トランプ・リスク」炸裂です。トランプ大統領は1日、ツイートで9月1日から中国からの輸入品3000億ドル(約32兆2300億円)相当に10%の関税を賦課すると発表しました。突然の発表でした。昨日の朝方のパウエル議長の発言を受け、利下げ観測の後退からドル円は109円まで上昇し、東京時間には109円32銭前後までドル高が進みました。そのドル円は上記発表を受けて、一気に107円台前半まで円高が進んでいます。

それもそのはず、米長期金利が2%を大きく割り込み、一時は1.87%まで低下し、2016年以来の低水準を記録しています。トランプ氏は、「私はいつでももっと引き上げることができるし、引き下げることもできる」と述べ、25%の関税引き上げの可能性にも言及しています。ただ、25%の関税については「必ずしもそれを目指していない」とも、口にしていますが、中国の習近平主席の貿易戦争解決に向けた動きについては、「率直に言って十分迅速ではない」と語っています。

正直、このタイミングの追加関税発動には驚きました。休止していた米中通商協議が30日から上海で再開したばかりだったので、特にそう感じます。ただ、次官級協議の進展についての情報が入ってこなかったことから、議論は平行線で終わったのかとは思っていましたが、中国の遅過ぎる対応に、トランプ氏は再び圧力を強めたというのが、その理由かもしれません。今回のこの「寝耳に水」の決定を受けて、各市場も大きく動きました。
 
さらに、原油先物市場でもWTI原油価格は4.63ドル下げ、1日で7.9%もの値下がりを記録しています。各市場の混乱ぶりが数字に表れています。この欄でも、たびたびドル円の下落リスクを指摘してきました。昨日は「8月は1年で最も円高に振れる月」であることも、経済新聞の記事を引用しながら過去の実数も紹介しました。そして昨日から8月が始まり、同時に円高がスタートしたのは「偶然」にしか過ぎませんが、余りにもタイミングが良過ぎます。今回は、ドル円との相関が高い米長期金利が1.87%台まで低下したことを考えると、「いよいよ円高が始まった」という印象が残ります。とりわけ、109円台前半までドルが買われた直後の107円台への下落は、インパクトもあります。焦点は、直近の円の最高値である106円78銭前後を割り込むのかどうかです。

本日は日経平均株価も500円程度下げるかもしれません。雇用統計の結果を受け、ドルが反発するか可能性もありますが、投資家の「ドル戻り売り」の姿勢がさらに強まったのではないかと思います。予想レンジは106円50銭~107円70銭といったところでしょうか。

FOMC、0.25%の利下げを決定 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆FOMCでは25bpの利下げを決めたものの、その後のパウエル議長の
発言がタカ派的だったことでドル円は上昇。109円ちょうどまで買われ、
108円70-80銭で取引きを終える。
◆ドルが買われたことでユーロドルは1.11を割り込み、1.1060
までユーロ安が進む。
◆株式市場は大幅安。パウエル議長の「利下げサイクルの始まりではない」
との発言を嫌気して3指数とも大幅安。ダウは333ドル安。
◆債券相場は続伸。長期金利は2.01%台に低下。
◆金は5日ぶりに反落。原油価格は在庫減少を手掛かりに5日続伸。


◆7月ADP雇用者数        →   15.6万人
◆4―6月雇用コスト指数      →   0.6%
◆7月シカゴ購買部協会景気指数   →   44.4

本日の注目イベント

◆中   7月財新製造業PMI
◆独   独7月製造業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
◆欧  企業決算 →バークレーズ、ロイヤル・ダッチ・シェル、BMW
◆英   BOE金融政策発表
◆英   BOE四半期インフレ報告
◆英   カーニー・BOE総裁講演
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   7月ISM製造業景況指数
◆米   7月自動車販売台数
◆米  企業決算 → GM、ベライゾン

予想通り、FOMCでは「50bp」ではなく、「25bp」の利下げを決定
しました。これ事態は織り込み済みであったことから、市場関係者はその後の
パウエル議長の発言から「次の一手」を読み取る姿勢を強めていましたが、発
言内容が「タカ派寄り」だったことで、株価は大きく下落。ドル円は金利低下
がそれほど進まないとの見方から109円ちょうどまでドル高が進みました。
FOMCの決定も、その決定を受けて発したトランプ大統領のツイートも、ほ
ぼ想定内のものでした。

FOMCでおよそ10年半ぶりに利下げを決めたことで、FF金利の誘導目標
はこれで2.00~2.25%になりました。
パウエル議長はその後の会見で、「一度きり(の利下げ)とは言っていない」
としながらも、「この利下げの本質は、長期にわたる一連の利下げの始まりで
はない」と述べ、「サイクル半ばでの政策調整だとわれわれは捉えている」と
語りました。市場は、今回の利下げも含め、年内に2~3回の利下げがあると
予想していただけに、「長期にわたる一連の利下げの始まりではない」といっ
た部分に反応し、株価が大きく下げ、ダウは一時400ドルを超える下げを見
せました。このところの株価の上昇は、決して企業業績が良くて買われたわけ
ではありません。「今後も金利低下が進む」という想定の下に最高値を更新し
続けてきたわけで、昨日の株価の大幅下落は、その根底が崩れた以上ある意
味当然と言えます。いつものことながら、市場は前のめりする傾向があります。
「年内4回の利下げ」、「今回は50bpの利下げ」は、いずれもオーバーシ
ュートだったということです。

正直なところ、筆者もパウエル議長の発言には驚きました。市場の利下げ期待
に、これほど急ブレーキをかけることは想定外でした。
せいぜい緩和スタンスを維持しながらも、今後のデータ次第では利下げのスピー
ドは緩やかになるといった、「中立的な発言」を予想していました。
この会見後、トランプ大統領は、「長期にわたる積極的な利下げサイクルの開
始を期待していた」とツイッターで批判し、そうすれば、「中国や欧州連合な
ど諸外国に遅れを取らずにすむ」と指摘し、その上で、「いつものことだが、
パウエル議長はわれわれを失望させた」と述べていました。

FOMC声明文では、「経済見通しに関する世界的な動向と落ち着いたインフ
レ圧力が示唆するものを考慮して、委員会はFF金利誘導目標のレンジを2.
00-2.25%に引き下げることを決定した」と記されています。また「不
確実性」も残っていると指摘しています。(ブルームバーグ)
世界的な景気減速や米中に代表されるように、貿易戦争の嵐が吹き荒れており、
この先、好調な米経済にもその影響が及ぶ可能性があることを鑑み、2015
年12月から始まった「利上げサイクル」を一旦修正した動きと捉えることが
できます。

パウエル発言を受けて、ドル円は109円ちょうどまで買われましたが、その
後押し戻されています。今回も含めて、ドル円が7月に109円前後を試した
のは3回ありますが、全て押し戻されており、このレベルが目先の上値の壁に
なりつつあります。輸出業者のみならず個人投資家も含めて、この先「円高傾
向が続く」と予想していることが、この水準にドル売りが集まる背景かと思い
ます。
もっとも、この水準が目先のドルの天井になるのかどうかは分かりませんが、
貿易問題は対中国だけではなく、EUとも続いています。また日米貿易交渉も
これからが本番です。また、ここにきて「為替介入」の話題も聞こえています。
加えて、イラン問題もイラン側の出方次第では軍事行動に発展する可能性もあ
ります。
個人的にもまだドル下落の可能性が高いと予想していますが、それでも108
円台を維持しているドル円は、よく健闘していると言えます。

明日は早くも7月の雇用統計が発表されます。
ここでも108-109円のレンジが抜けないようだと、今月もドル円は10
8円台で推移する可能性が高まります。
「8月は1年で最も円高が進む月」・・・今週の経済紙にこんな記事もあり、
筆者も取材を受けましたが、1990年から調べても、28回のうち8月は1
8回が円高でした。この辺りは頭の片隅の入れておいてもいいかもしれません。

本日は108円20銭~109円20銭程度を予想します。


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