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米長期金利1.5%を割り込む 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は105円台では底堅い動きを見せたものの、上値は
依然として重い印象。米長期金利が一段と低下したが、この日の
ドル円の底値は105円80銭止まり。
◆ユーロドルは小幅に続落し、約2週間ぶりに1.11を割り込み、
1.1092まで下落。
◆株式市場は前日の混乱の余波が残り上下を繰り返したが、
ダウは99ドル高で引ける。ナスダックは続落し、S&P500は
小幅に反発。
◆債券相場は続伸し、長期金利は3年ぶりに1.5%を下回る。
◆金は続伸し、原油は続落。
********************(何もない時は空欄のままにします)

◆7月小売売上高             →  0.7%
◆ 新規失業保険申請件           →  22.0万件
◆8月フィラデルフィア連銀景況指数    →  16.8
◆7月鉱工業生産             →  -0.2%
◆7月設備稼働率             →  77.5%
◆8月NAHB住宅価格指数        →  66     

本日の注目イベント

◆欧   ユーロ圏6月貿易収支
◆欧   OPEC月報
◆米   7月住宅着工件数
◆米   7月建設許可件数
◆米   8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)


ドル円は動きがやや不透明になってきました。
ここ数日の動きは、105円台後半から一気に107円手前まで反発しましたが、そ
の後再び105円台半ばまで売られ、昨日の東京時間では105円90-95銭でほ
とんど動かず、「お盆休み相場」の様相を見せていたと思いきや、午後3時半過ぎに
は105円台後半から、わずか5分程度で106円78銭までドルが急騰しています。
昨日のこの動きについて原因を調べてみたら、東北地方で地震があっただけで、それ
以外の材料はなかったようです。
この材料だけで80銭も動くとは思えませんが、ドル円はボラも上がっており、足元
では本来動きの大きいユーロドルよりも値幅が大きいのが現状です。

前日は米債券市場で発生した「逆イールド」が話題の中心で、米景気もリセッション
になるといった見方が、為替、株、金、その他商品相場の方向性を決定付けました。
個人的には現時点では、米景気がリセッションに入る可能性はかなり低いと考えてい
ます。昨日発表された7月の小売売上高は予想を大きく上回る「0.7%」でした。
個人消費は米GDPに占める割合が大きいだけに、第2四半期GDPへの期待も膨ら
みます。小売売上高はこれで5カ月連続のプラスです。この間の株価は上昇しており、
資産効果の影響もあったかと思いますが、低失業率が続き、賃金も上昇していること
が、個人の財布の紐を緩めていると推察されます。
ブル-ムバーグによると、主要13項目のうち10項目が増加し、オンラインショッ
ピングを含む無店舗小売が2.8%増加した。アマゾン・ドット・コムの会員向けセ
ール「プライムデー」に支えられた可能性があると分析しています。
少なくも個人消費が活発であれば、リセッションに陥る可能性は低いと考えられます
が、株価の雲行きが怪しくなってきたことと、「逆イールド」発生後にリセッション
に陥るタイミングは平均でも1年6カ月後との分析もあり、まだ分かりません。

米中貿易戦争に関するニュースは昨日もありましたが、材料にはなっていないようで
す。トランプ大統領は、中国とのいかなる通商合意も「われわれの条件」に基づくも
のでなければならないと、譲歩する意思のないことを表明していますが、習近平主席
と貿易に関して近く電話協議を行う予定であるとも述べています。
トランプ氏は政権が中国側と非常に良い話し合いをしており、「生産的だ」と発言し、
「彼らは何か行いたいのだ」と語っています。
このまま事態が進展しないと、中国に対する関税引き上げ対象品目が一部延期された
としても、多くの品目に9月1日から10%の関税が課せられることになります。
中国としても何とかそれを避けるため、トランプ氏と直接話し合いたいということな
のでしょう。何が「生産的」なのかは分かりませんが、中国側が最後の最後に譲歩して
くることもあるかもしれません。残された時間はあと2週間です。

米長期金利がさらに低下しています。
昨日のNY債券市場では債券が一段と買われ、長期金利は一時1.47%台まで低下
しました。引け値では1.5%台を回復しましたが、3年ぶりの低水準を記録してい
ます。もっとも、その割にはドル円が売られていません。
米債券が買われて金利が低下しているのは、かならずしも、質への逃避(Flight to
quality)という側面だけではないようです。
ブルームバーグ・バークレーズ・グローバル・マイナス利回り指数では、世界のマイ
ナス利回り債券残高は過去最高を更新しており、その額は14日の終値で16兆ドル
(約1670兆円)を突破しています。
15兆ドルを超えたのが先週だったので、わずか1週間で1兆ドル相当の債券がマイ
ナス利回りに沈んだことになります。
このような情況の中、米国10年債はまだプラスどころか、1.5%の利回りです。
世界中から米国債に資金が集まってくるのは当然と言えます。
世界的な金融緩和傾向が終わらない限り、米金利の低下傾向に終止符が打たれないの
かもしれません。

本日のドル円は105円50銭~106円50銭程を予想します。


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NYダウ今年最大の下落 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆ドル円は前日の上昇から一転し大きく売られる。
NYダウが800ドルを超える下落を見せ、米長期金利が
1. 57%台まで急低下したことで、ドルは105円65銭まで
下落。
◆ユーロドルは小幅に下落。ユーロ円の売りが相場を押し下げ、
1.1131までユーロ安が進む。ユーロ円も117円78銭前後
まで下げる。
◆株式市場は主要3指数とも3%近く下げ、ダウは800ドル安と、
今年最大の下げに。米債券市場で「逆イールド」が発生するなど、
景気後退懸念が再燃。
◆債券相場は急騰し10年債利回りは1.57%台へと急低下。
2年債が1.6%台と、10年債を上回る。
◆金は反発し、原油価格は大幅に反落。

◆7月輸入物価指数       →  0.2%

本日の注目イベント

◆豪   豪7月雇用統計
◆日   6月鉱工業生産(確定値)
◆米   7月小売売上高
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   8月フィラデルフィア連銀景況指数
◆米   7月鉱工業生産
◆米   7月設備稼働率
◆米   8月FHFA住宅価格指数
◆米  企業決算 → アリババ、エヌビデア、ウォルマート


前日のNY市場で米中貿易を巡る明るいニュースが出たことで、107円手前まで
ドル高が進んだものの、その流れはわずか1日で終わったようです。
昨日のNYでは、世界的な景気減速が材料となり、米10年債利回りと2年債利回
りが逆転する、「逆イールド」が発生したことで、近い将来に米国がリセッション
に陥るとの観測が台頭。これが株価を押し下げ、NYダウは今年最大の下げとなる
800ドルの下落でした。ドル円は長期金利の低下に押され、105円65銭まで
売られ、前日の上昇分をほぼ吐き出した格好です。

米債券利回りの「逆イールド」はすでに3カ月物や3年債などでも見られましたが、
「本命」の2年債との逆転は、実に12年ぶりのことです。
10年債と2年債で「逆イールド」が発生すると、その後数年以内にリセッション
入りしていることは、過去の事実が示しています。
リセッションを巡っては、セントルイス連銀のブラード総裁が昨日、「失業率は5
0年ぶりの低水準に近い。インフレ率は低位で安定している。やや低過ぎだと私は
主張してきたが、基本的には低位安定だ。米景気はリセションではない。よって、
将来を戦略的に考えるのに適した時期だ」と述べ、日本では20年にわたって低金
利が続き、その間低インフレやマイナスが続いたことを例にあげ、「そうしたわな
を回避する方法は何か。それが今回の枠組み見直しでの重要な課題だと思われる」
と語っています。(ブルームバーグ)

またトランプ大統領もFRBの政策を批判し、「(パウエル議長は)何も分かって
いない」し、「中国は米国の問題ではない。香港の状況は良くないが、米国の問題
は米金融当局だ。過去の利上げは幅もスピードも行き過ぎていた」とツイートし、
さらに別のツイートで、「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっ
ていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲ
ームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬
と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。
われわれは勝つだろう」(ブルームバーグ)と、一段と批判のトーンを上げていま
す。トランプ氏は以前にも、「われわれの問題は中国ではない、FRBだ」と述べ
たこともあり、FRBに対する圧力をさらに強めています。

米国がこの後リセッションに入るのかどうかは、今しばらく経済データを読み解く
必要がありますが、FRBは9月の会合では少なくとも25bpの利下げは避けら
れないと思います。個人的には50bpの利下げも十分考えられる情況になってき
たと感じます。それにしても、昨日の金融・商品市場の動きは鮮烈でした。
デスクの上にあるブルームバーグ専用の画面では、「デイブレイク」というページ
があり、今朝そこには「新たな警報・・・・米英で逆イールド。米政権、中国に譲
歩する用意ない・・・ナバロ氏」との文字が踊っており、その背景には黒い雲が湧
き上がり、暗雲急を告げている構図になっています。
本日も日本株の大幅な下げは避けられないところでしょう。
ひょっとしたら日経平均株価が2万円の攻防になるかもしれません。
そこまで売られることはないとしても、この先好材料は見当たりません。
ドル円も105円05銭前後が壁になっていますが、米長期金利の低下傾向が続い
ていることから、「3度目の正直」の可能性も否定できません。

予想レンジは105円~106円20銭といったところでしょうか。


ドル円107円手前まで急反発。 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆105円06銭まで売られたドル円は急反発。トランプ政権が
中国に課す関税を巡り、一部品目を12月15日まで延期する
ことを発表したことで、106円98銭までドル高に振れる。
◆ユーロドルはドル円ほどの動意は見せず、引き続き1.12を
挟んでもみ合う。
◆株式市場は急反発。米中貿易戦争が緩和されるとの見方に、ダウは
一時500ドルを超える上昇を見せ、382ドル高で取引きを終える。
アップルなど、中国関連銘柄が上昇を牽引。
◆債券相場はリスク回避の動きが後退し反落。長期金利は1.7%台を
回復。
◆リスク回避モードが後退したことで、金は売られ、原油は大幅に続伸。


◆7月消費者物価指数        →  0.3%

本日の注目イベント

◆豪   豪8月ウエストパック消費者信頼感指数
◆中   中国7月小売売上高
◆中   中国7月鉱工業生産
◆独   独4-6月期GDP(速報値)
◆欧   ユーロ圏4-6月期GDP(速報値)
◆欧   ユーロ圏6月鉱工業生産
◆英   英7月消費者物価指数
◆米 7月輸入物価指数




《本日も日本株の下落に伴ってドル円は105円方向を試すことが予想されます。
ただ、105円が大きな節目になる可能性もあります。
気になるのは、ここにきて筆者も含め多くの専門家や投機筋が、円高がさらに進むと予想
し始めているという点です。
105円前後が当面の底値になる可能性も、上記理由からわずかですがないとは言えませ
ん。注意が必要です。》

この文章は昨日の「アナリストレポート」の最後の部分です。
日本が祝日だった12日の欧州市場でドル円は105円05銭を付けた後反発し、昨日の
夕方7時過ぎにもほぼ同じ水準である105円06銭までドルが売られ、その後驚きのド
ル急騰でした。105円前後を2度アタックして跳ね返されたことで、やはり、105円
前後は注意を要する水準だったと言えます。
もっとも、ここまでの反発を予想できた人はいないはずで、これも「トランプリスク」の
なせる業(わざ)です。

トランプ政権は中国からの輸入品に賦課する10%の追加関税について、一部品目に関し
て発動を9月1日から12月15日まで延期すると発表しました。
品目にはエレクトロニクス製品や衣服などが含まれており、延期した理由は「クリスマス
シーズンに影響が出るから」ということのようです。「開いた口がふさがらない」とは、
このことです。それならば、8月1日に「中国からの製品3000億ドル(約32兆10
00億円)に9月1日から10%の関税をかける」と発表しなければよかったわけです。
「最初に相手を脅しておいて、相手の出方を見ながら制裁を緩めていく」という、トラン
プ流のディールです。当初9月1日をデッドラインとしたものの、こえまでに中国側が譲
歩する気配もなく、むしろ農産物の大量輸入を取り消すなど、攻勢に出てきたことが「想
定外」だったのかもしれません。

今回の「発動」、「延期」で、金融市場は大混乱し、かなりの損出をこうむった投資家も
いると思われます。7月末のドル円は109円でした。そこから105円05銭まで約4
円ドル安が進み、NYダウは、2万7198ドルから12日には2万5897ドルまで売
られ、日経平均株価も同じような展開です。米長期金利は、2.05%台から一時は1.
59%台まで急落し、この間金価格は100ドルも上昇しています。
このように、8月1日の突然の発表を受け、金融・商品市場は大混乱させられました。
米国の大統領として、もう少し慎重さが求められます。
仮に2020年の大統領選に勝つようなことがあれば、さらにあと4年このような事態が
起こる可能性があるということです。

ドル円はこの発表を受け、105円台前半から107近辺まで一気に買い戻しが進みまし
たが、ドル円との相関が高い米長期金利の上昇率からすれば、買われ過ぎだったと言
えます。
その証拠に、ユーロドルでは、それほどドル高は進んでいません。
ドル円のショートが溜まっていたということでしょうが、ストップが巻き込まれたのと、
お盆休みのため、参加者が少なかったことも理由として挙げられそうです。
株式市場でも中国関連銘柄などが大きく上昇しており、ナスダック指数は、前日比で約
1.95%も上昇しました。

問題は、これでドル円も105円前後で「当面の底値を確認」したのかどうかという点
です。結論から言えば、まだ底値を打ったとは言えないと考えています。
日足チャートを見る限りまだそこまでの転換は示唆していません。
「MACD」では「マックD」と「シグナル」がちょうど交わったところで、ドル円が
天井を付けたようで、まだ「ゴールデンクロス」は示現していません。
また、これでFRBによる政策金利引き下げスタンスが変わるものでもありません。
このように考えると、現時点ではまだドル安の流れは変わっていないと考えます。


本日は日本株の反発具合にもよりますが、107円台を回復するようだと、今度はドル
の反転に注意する必要が生じますが、それまでにはまだ時間が必要でしょう。

本日の予想レンジは106円~107円といったところでしょうか。


香港、アルゼンチンなど地政学的リスク拡大 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は欧州時間に約7カ月ぶりとなる105円05銭を
記録。NYでは朝方の105円12銭を底値にドルが買い戻された
が、上値は重く105円43銭止まり。その後やや値を下げて引ける。
◆ユーロドルは新たな動意もなく1.12を挟む展開。
◆株式市場は大幅安。香港での大規模デモや、アルゼンチンペソの急落。
さらに米中貿易戦争長期化などの懸念からダウは390ドル下げ、
他の主要指数も3日続落。
◆債券相場は急上昇。長期金利は1.65%台へと低下。
◆金は3日ぶりに反発し、原油は3日続伸。


◆7月財政収支  →  119.7b

本日の注目イベント

◆独   独7月消費者物価指数(速報値)
◆独   独8月ZEW景況感指数
◆英   英失業率(4ー6月)
◆米   7月消費者物価指数
◆米   4-6月期家計債務残高


ドル円は欧州時間に105円05銭まで売られ、105円割れは回避できたものの、
ついに105円割れが時間の問題となってきました。
NYではややドルが持ち直したものの上値は重く、香港国際空港での大規模デモや
アルゼンチンでは大統領予備選で、野党候補が元首相のマクリ氏に予想外の大差を
つけて首位になったことなどが材料となり、NYダウは再び大幅な下落に見舞われ
ています。ドル円もドルの戻りを売りたいとする姿勢が優勢のようです。

香港での大規模なデモに対して中国報道官は、「急進的なデモ隊の行動はテロ行為
であり、香港の安定性への挑戦だ。警察による厳重な法執行を支持する」との声明
を発表しています。また米中貿易戦争の出口が見えない状況の中、中国人民銀行の
陳元副総裁は黒竜江省で開かれたイベントで、米国が中国を為替操作国と認定した
ことは、「貿易戦争が金融戦争、通貨戦争へと姿を変えつつあることを意味する」
と述べ、「米国は地政学的な見地から、米国債を保有する中国に行動を抑制されて
いることを考えている。つまり、米国に弱点が全くないと言うことではない」
と論じています。(ブルームバーグ)
米国債を大量に保有する中国が、それを武器に使うということは予想されるものの、
先週この欄で述べたように、実際問題としては、売却行為が自分の首を絞めること
となり、言葉で言うほど簡単ではありません。
米国が中国に対して制裁関税を課したことについても、中国共産党機関紙・人民日
報は「米国からのいかなる挑戦や圧力にも中国は打ち勝つことが可能だと宣言する」
記事を準備していると、環球時報の編集長がSNSで発言しています。

上述のように、香港やアルゼンチンに加え、イタリアでも政治的混迷が続き、さら
にインドとパキスタンの間でも緊張が高まっています。
このように米中貿易戦争以外でも地政学的リスクが高まっており、安全通貨の円が
買われ易い状況が続いています。
CFTCが6日に発表した建玉明細によると、シカゴ先物市場における大口投機家
は、円持ち高をロングにシフトし、ネットロングは2016年以降で最大となる1
万561枚になっています。円高がさらに進むという見立ての下、円買いを膨らま
せている状況です。

ドル円はちょうど今月1日の109円台から「雲抜け」(1時間足)を果たした後、
一度も雲を上回ることなく下落を続けています。
そのため、この雲を上抜けすれば、一旦は下落が止まり、反転するサインになるか
もしれません。ドルショートの投資家にとっては、決済タイミングを見るうえで参
考になろうかと思います。
本日も日本株の下落に伴ってドル円は105円方向を試すことが予想されます。
ただ、105円が大きな節目になる可能性もあります。
気になるのは、ここにきて筆者も含め多くの専門家や投機筋が、円高がさらに進む
と予想し始めているという点です。105円前後が当面の底値になる可能性も、上
記理由からわずかですがないとは言えません。
注意が必要です。

本日のレンジは104円80銭~105円70銭程度を予想します。


米株式市場大幅上昇でVIX指数低下 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は上値が重い展開が続いているものの、105円台では底堅い動きを見せ、106円を挟んでもみ合う。105円90銭まで売られたが、株価の上昇に円を買う動きも限定的だった。

  • ユーロドルも1.12を挟む展開に。1.12台前半が抜け切れないものの、ドル安の流れから1.11台半ばもしっかり。

  • 株式市場は3指数とも揃って大幅に上昇。中国人民元の中心レートが元高方向に設定されたことを好感。ダウは371ドル高で取引きを終える。

  • 債券相場は小幅に上昇。長期金利は1.71%台へ低下。

  • 金は5日ぶりに反落。原油価格は大幅に反発。

  • 新規失業保険申請件数    → 20.9万件 

本日の注目イベント

  • 日   4-6月GDP(速報値)
  • 中   中国7月消費者物価指数
  • 中   中国7月生産者物価指数
  • 独   独6月貿易収支
  • 独   独6月経常収支
  • 欧  国際エネルギー機関(IEA)月報
  • 英   英4-6月期GDP(速報値)
  • 英   英6月鉱工業生産
  • 英   英6月貿易収支
  • 加   カナダ7月住宅着工件数
  • 加   カナダ6月建設許可件数
  • 加   カナダ7月就業者数
  • 加   カナダ7月失業率

昨日も為替は東京市場の動きに比べNY市場の動きは小幅で、どちらかと言えば少なくともドル円では東京主導の動きになっています。株価は大きく乱高下しているものの、ドル円との相関が強い米長期金利が1.7%台で推移し、限定的になっていることが背景かと思われます。106円20-30銭前後が上値の壁になりつつある一方、105円後半では底堅い動きになっています。

トランプ大統領が再び金融当局に利下げ圧力をかけています。トランプ氏はツイートで、「米国の大統領として、私が非常に強いドルを喜ぶと考えている人もいるだろう。だが私は喜んでいない」とし、「他国と比較した米金融当局の高い金利水準は、ドルを高い水準で維持し、米国の素晴らしい製造企業が競争するのをより難しくしている」と主張しました。具体的はキャタピラー、ボーイング、ディアといった企業名を挙げています。(ブルームバーグ)今回のツイートでは、直接ドル高をけん制してはいませんが、今後米国の貿易赤字が目に見えて減少しない状況になれば、直接的な物言いもありそうです。

トランプ氏がFRBに大幅な利下げを求めていますが、今月はFOMCが開催されないため、9月のFOMCでは利下げの可能性が非常に高いと予想されます。それも、先月のように25bpの利下げ幅ではなく、50bpの可能性もあります。今朝時点での利下げ確率は25bpが「66.2%」で、50bpも「33.8%」あります。9月の会合では利下げがあるかどうかではなく、利下げ幅が問題なのかもしれません。インドやタイが利下げを行い、ニュージーランドは予想を上回る50bpの利下げを行うなど、世界景気の下振れ予測を理由に、多くの国が利下げ競争の波に巻き込まれています。加えて、執拗なまでのホワイトハウスからの利下げ圧力もあり、パウエル氏率いるFRBもある意味、「外堀を埋められた」格好です。従って、仮に9月の会合で50bpの利下げを断行したとしても、トランプ氏の圧力に屈したとの評価は避けられるような気もします。9月の会合はFOMCが17-18日で、日銀が18-19日となっており、次回は日銀にとっても「相手の手の内」が見えるため、動きやすいと考えられます。まだ1カ月以上も先の話ですが、世界の多くの中銀が利下げ競争の流れに引き込まれている状況の中、金融・商品市場に最も影響力のあるFOMCの決定は、今後のドル円を予想する上ではカギになります。

本稿執筆時(6時30分)にはドル円がスルスルと下落し、105円72銭前後まで落ちてきました。米国が中国ファーウェイとの取引き再開のライセンス決定を先送りしたとの報道で、NYのクローズからはやや円高方向に振れています。米国株が大きく反発していることから、ドル円も急激に円高が進む可能性は低いと思いますが、円高に弱い日本株からすると、米国株ほど日経平均株価は上昇しないのかもしれません。今朝の株価がマイナスで始まるようだと、前日記録した105円50銭を再度試しに行く可能性もあります。なかなかドルが反転するきっかけがつかめない状況が続いています。

本日のドル円は105円30銭~106円30銭程度と予想します。


NY株大幅反発 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆東京時間に107円台まで反発したドル円は、NYでは小動き。
長期金利の低下傾向が続きドルの上値は重く、106円台半ばでの
もみ合いに終始。
◆ユーロドルは引き続き買い戻しが優勢となり、1.12台前半まで
反発。
◆株式市場は大幅に反発。人民元の安定した動きも好感され、
ダウは300ドルを超える上昇に。
◆債券相場はほぼ横ばい。長期金利は1.70%台で小動き。
◆金は3日続伸で1484ドル台に。原油価格は景気悪化を
織り込む形で大幅続落

本日の注目イベント

◆日   日銀金融政策決定会合における主な意見(7月29、30日分)
◆中   中国 7月外貨準備高
◆独   独6月鉱工業生産
◆米   6月消費者信用残高

ドル円は連日値動きが荒くなっており、値幅も拡大しています。
その中でも、このところの特徴は東京時間の値動きの方がNY時間のそれよりも、
かなり大きいということです。
昨日も朝方ドル円は105円52銭前後まで売られた後、午後に急反発して、あ
っという間に107円08銭までドルの買い戻しが進みました。
106円台後半での「ストップのドル買い」が執行されたものと思われますが、
その後夕方にかけては再び106円40銭台まで下落するなど、荒っぽい動きで
した。一方NY市場では前日と同じように値幅も小さく、106円台半ばを中心
に40銭ほどの値動きに終わっています。

為替市場以上に荒っぽいのが株式市場です。
日経平均株価は昨日も600円を超える下落を見せましたが、さすがに連日の大
幅な下げに買い戻しも入り、引け値では134円安と、一時は2万円の大台割れ
も懸念されましたが、何とか、維持している状況です。
昨日のNY株式市場もマイナスに沈む場面もありましたが、引け値では大幅な上
昇で取引きを終えました。
昨日は対ドルで7.0を超えた人民元が安定していたことが大きな材料だったよ
うです。ブルームバーグによると、中国人民銀行は北京で外国の輸出業者多数と
会合を持ち、会合では当局者がドルを売買することも通常通り可能だと伝えたよ
うです。声明では、中国が通貨を米国との貿易戦争の武器として使うことはない
という人民銀行総裁の言葉を繰り返したようです。

ただ、為替も株もこのまま冷静さを取り戻すことはありません。
このままでは9月1日には中国から米国へ輸出される多くの製品に10%の関税
が課せられ、トランプ大統領はさらに関税を引き上げることも示唆しています。
中国側も農産物の大量輸入を中止するなど、対抗措置を発表していますが、中国
側が不利なことは明白です。米国からの輸入品に関税をかけることもすでに限界
にきており、今後とり得る報復手段は、「米国債を大量に売却する」という脅し
でしょう。

中国は米国債を1兆1000億ドル(約116兆円)ほど保有しています。
この国債を武器として売却すれば、米長期金利が急騰します。同時にドル売り人
民元買いのオペレーションを行う必要があるため、ドル安が加速することも予想
されます。こうなると財政政策上も米国にとっては厳しいことになります。米国
は今年も大量の発行を予定しており、国債の金利が急騰すれば、金利分だけでも
米財政赤字を拡大させることになります。
財政赤字のさらなる悪化は、「格付け」が下がることにもつながります。
もし、中国がこのような行動に出たら、米国も安閑としてはいられません。
ただ、現実問題として、中国がこのような行動に出ることも簡単ではありません。
中国が一度でもこのような行動を口にしたら、債券価格は急落し、結局自分の首
を絞めることになるからです。「Too big to sell」といったところです。

やや唐突だった制裁関税第4弾や「為替操作国」への認定など、トランプ政権は
中国に対する圧力を強めています。
6月29日に大阪で行われた「米中首脳会談」は一体何だったのでしょう?
この会談は約50分も行われ、これを契機に休止されていた米中通商協議の再開
にこぎつけました。米中貿易戦争が一旦は和らぐと見られていた矢先での制裁関
税第4弾発動だっただけに、市場の混乱も大きかったと思います。
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は昨日、閣僚級協議は中国の出方にも
よるが、継続する意向を示していましたが、一体何を協議するのでしょう?
米国側は譲歩する意思はないように見えますが、中国側も同じように簡単に譲歩
するとも思えません。仮にそうだとすれば、協議を経て、トランプ大統領が再び
関税率の引き上げを口にする可能性もあります。
結局、貿易戦争はまだまだ続くと見るしかありません。

ドル円は昨日の東京で107円台に戻す場面もありましたが、NYでは引き続き
ドルの上値が重い印象です。
それは引き続き、米長期金利の低下傾向が続いていることが背景です。
株価が大きく反発したにも関わらずドル円が戻らないのは、金利に反応している
からと考えられます。依然としてドル下落のリスクは残っていると考えられます。

本日のドル円は105円80銭~106円80銭程度を予想します。


円105円台、NYダウ一時950ドル急落 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆東京タイムに105円台後半まで売られたドル円はNY時間では
小康状態。106円前後で小動きとなり、長期金利の低下にも反応薄。
◆ユーロドルはさらに買い戻しが進み、1.12台まで反発。
◆株式市場は大幅続落。アジア市場での大幅な株安を受け、ダウは一時
950ドルを超える下げに。S&P500も5日続落し、この日は
3%を超える下落に。
◆債券相場は一段と上昇し、長期金利は2016年1月以来となる
1.70%台まで低下。
◆金は大幅に続伸。原油は反落。

◆7月ISM非製造業景況指数   →  53.7

本日の注目イベント

トランプ大統領が下した「制裁関税第4弾」は、単に「貿易戦争」を激化させた
だけでなく、「通貨戦争」にまで波及しそうな勢いです。
昨日の朝方、人民元が対ドルで7.0を超え、11年ぶりの「ドル高人民元安」
が進み、それをきっかけに、円高が進み、日本株も大きく下げ幅を拡大しました。
中国人民銀行は、「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で
元相場は今日7元を突破した」との声明を発表しました。
7.0という水準は、これまで中国人民銀行が守ってきたレベルでしたが、人民
元安を容認することで、国内の輸出企業を優位にするという意図が見えます。
このままでは9月1日から、中国からの米国へのほぼ全ての製品に10%の関税
がかかり、中国製品の値段が上がることで競争力が低下します。
その値段の部分を、為替で「補完」しようという目的が見られるようです。
この動きに日本株は昨日のザラ場で580円程まで下げ幅を拡大する場面もあり、
ドル円は105円78銭前後まで一気に円高が進み、その後のNY市場でもダウ
は一時950ドルを超える下げを見せ、長期金利は1.70%台まで低下。リス
ク資産が大きく売られました。

問題はこれで終わりません。人民元安を受けて、トランプ氏は昨日早朝にツイッ
ターで、「為替操作だ」と非難し、「中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで
押し下げた」と述べ、「これは<為替操作>と呼ばれる。
Fedよ聞いているか?これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めるこ
とになる」と主張しました。
トランプ氏がさらに金融当局への利下げ圧力を強めることが予想され、それを織
り込む格好で米長期金利が一段と低下し、米金利の低下がドル円を押し下げ、さ
らに円高が日経平均を押し下げるといった「負のスパイラル」に陥って来ました。


さらに、今朝7時ごろから106円近辺だったドル円が再び下げ足を速め、10
5円台半ばまで一段と円高が進みましたが、背景は米財務省が中国を「為替操作
国」(Currency Manipulator)に認定したとの報道でした。
ムニュ―シン財務長官は「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位
を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」とのコメントを発表してい
ます。(ブル-ムバーグ)まさに「通貨戦争」の様相を呈してきましたが、円は
その「とばっちり」を受けているといった状況です。

以前この欄で、ドル円は米長期金利の低下が続く以上はドルの上値は重く、円高
傾向が続くといったコメントを残しました。それでも米金利の低下傾向を好感し
てNY株式市場が上昇し、何度も「史上最高値」を更新する動きを見せ、この株
価の上昇がドル円下落の抑止力になっていました。そして、「問題は、株価が何
らかのきっかけで大きく売られると、さらに金利が低下し、ドル下落のバッファ
ーがなくなり、円高が一段と進む可能性がある」と指摘しました。足元の動きは、
まさにそのような状況になりつつあります。米国内では、今後物価上昇に加えて
株価の下落から個人消費も低迷し、景気悪化を防ぐためFRBが積極的に利下げ
に踏み切ることも予想され、ドル円は反転するきっかけがつかめない状況が続き
ます。

本日も日本株の下落に伴って、ドル円は下値を試す展開になりそうです。
日本株がさらに下落し、今夜のNYでも同じように株が一段安になるようだと、
105円を割り込む事態もあるかもしれません。「貿易戦争」と「通貨戦争」が
どこまで拡大していくのか出口は見えず、闇夜は深まるばかりです。

本日のドル円は105円~106円20銭程度を予想します。


ドル円続落し106円台半ばへ 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆7月の雇用統計は良かったものの、米中貿易戦争の行方に
対する不安からドル円はさらに下落し、106円51銭を付ける。
長期金利が急低下するなど、リスク回避の流れが強まり、円が買われた。
◆ユーロドルもドル安の流れから反発。1.1116まで
ユーロの買い戻しが進む。
◆株式市場は続落。米中通商問題が一段とエスカレートしたこと
が懸念され、S&P500は5日続落し、ダウも4日続落。
◆債券相場は一段と上昇し、長期金利が1.84%台まで低下。
◆金は大幅に続伸。一時は1461ドル台まで買われ、2013年5月
以来となる高値を記録。原油は反発。

◆8月失業率          →  3.7%
◆8月非農業部門雇用者数   →  16.4万人
◆8月平均時給 (前月比)   →  0.3%
◆8月平均時給 (前年比)   →  3.2%
◆8月労働参加率        →  63.0%
◆6月貿易収支         →  -522億ドル
◆7月消費者信頼感指数     →  98.4


本日の注目イベント

◆中   中国7月財新サービス業PMI
◆中   中国7月財新コンポジットPMI
◆独   独7月サービス業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏7月総合PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏7月サービス業PMI(改定値)
◆欧  企業決算 → HSBC
◆米   7月ISM非製造業景況指数


トランプ大統領が中国に対する関税問題をさらにエスカレートさせたことで、
金融・商品市場ではリスク回避の流れが一段と加速しています。
ドル円は6月に記録した円の直近高値を抜き、106円51銭までドル安円
高が進みました。これで、次の目安は今年1月3日の早朝に記録した105
円近辺ということになり、やや円高に弾みがつきそうな雰囲気です。

米中貿易戦争は解決が長引くとは見られていましたが、この段階で中国製品
に対する制裁関税第4弾が発動されるのは想定外でした。
一部のメディアも報じているように、2020年の大統領選を意識しての行
動かもしれません。「全ての政策は、2020年の大統領選に勝利するため」
といった見方も、決してオーバーなことではないのかもしれません。
今回のトランプ氏の決定を受け、円だけではなく、安全資産の金が1461
ドル台まで急騰し、2013年5月以来、実に6年3カ月ぶりの高値まで買
われました。また、米国債も買われ、長期金利は2016年11月以来の低
水準まで低下してきました。安全資産が買われ、リスク資産が売られる展開
です。

中国に対する関税第4弾を9月から実施するという決定で、先週末の雇用統
計の影がやや薄くなった印象でしたが、7月の雇用統計は比較的良好でした。
失業率は3.7%と予想通りで、非農業部門雇用者数は16.4万人とまず
まずの結果でした。また賃金の伸びも好調で、平均時給は前年同月比で3.
2%増と、こちらも市場予想を上回っており、労働市場は引き続き堅調だと
いうことが確認できます。今後の焦点の一つがFRBの利下げ回数になりま
すが、好調な労働市場が続けば、利下げに対する抑止力にはなると見られま
す。
年内1回から2回の利下げが見込まれる中、今後は雇用統計の結果がこれま
で以上に注目されるのではないでしょうか?
昨年後半あたりから雇用統計の結果が市場に与えるインパクトが小さくなり
ましたが、再び「名門復活」の日もそう遠くない気がします。

米国家通商会議(NTC)のナバロ委員長は4日FOXニュース・サンデー
とのインタビューで、FRB議長の今回の利下げに対してトランプ大統領と
同じ認識を示しています。
同氏は、「実際はパウエル議長が1ポイント利上げをし、量的引き締めを行
ったことがGDPの伸び率を少なくとも1ポイント押し下げており、議長の
責任にほかならない」と、7月31日のFOMCで25bpの利下げを決め
た根拠として、パウエル議長が米中貿易問題の緊張を挙げたことを批判して
います。(ブルームバーグ)

ドル円は年初来の安値が視野に入ってきたと思われます。
上でも述べたように、105円前後が大きな節目と見ていますが、この水準
を割り込むのかどうかは、今後の相場の動きにとっても重要です。
今月はFOMCがありません。次回は9月17~18日に開催されますが、
ここで引き続き利下げが実施されるのかどうかが今後の焦点です。
それまでには様々な経済指標も発表されますので、この結果を分析すること
は当然必要ですが、9月FOMCでの当局の政策スタンスを汲み取るのには、
今月22日~24日に行われる恒例の、カンザスシティ連銀主催の「ジャク
ソンホールでのシンポジューム」が注目を集めます。この会合に世界中から
中銀総裁やエコノミスト、あるいは企業経営者が集います。
今年の会合は「Challenges for Monetary Policy」(金融政策への挑戦)と
題してシンポジュームが行われます。
詳細はまだ分かっていませんが、パウエル議長の講演も予定されると思われ
ます。

本日のドル円は106円10銭~107円20銭程度を予想します。


ドル円109円台から107円台に急落 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は東京時間に109円32銭前後まで上昇したが、トランプ大統領が中国への追加関税第4弾を発動すると発表したことで、107円26銭までドル急落。

  • ユーロドルではややドル安が進み、1.12手前までユーロが買い戻される。

  • ユーロ円は118円台後半まで急落し、2017年4月以来のユーロ安を記録。

  • 株式市場は大幅に続落。ダウは280ドル下げ、ナスダックも64ポイント安。債券相場は急上昇。長期金利は一時1.87%台まで低下し、2016年以来の低水準に。

  • 金は反落。原油価格は貿易戦争による景気の悪化に伴い、原油使用量が減るとの見方から大幅安。前日比4ドル63セン下げ54ドルを割り込む。

本日の注目イベント

  • 豪  第2四半期生産者物価指数
  • 豪  6月小売売上高
  • 日  7月マネタリーベース
  • 日  日銀金融政策決定会合、議事要旨(6月19日、20日分)
  • 欧  ユーロ圏6月小売売上高
  • 欧  ユーロ圏6月生産者物価指数
  • 欧  企業決算 → RBS
  • 米  7月雇用統計
  • 米  6月貿易収支
  • 米  6月耐久財受注
  • 米  7月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 米  企業決算 → エクソンモービル
  • 加  6月貿易収支

「トランプ・リスク」炸裂です。トランプ大統領は1日、ツイートで9月1日から中国からの輸入品3000億ドル(約32兆2300億円)相当に10%の関税を賦課すると発表しました。突然の発表でした。昨日の朝方のパウエル議長の発言を受け、利下げ観測の後退からドル円は109円まで上昇し、東京時間には109円32銭前後までドル高が進みました。そのドル円は上記発表を受けて、一気に107円台前半まで円高が進んでいます。

それもそのはず、米長期金利が2%を大きく割り込み、一時は1.87%まで低下し、2016年以来の低水準を記録しています。トランプ氏は、「私はいつでももっと引き上げることができるし、引き下げることもできる」と述べ、25%の関税引き上げの可能性にも言及しています。ただ、25%の関税については「必ずしもそれを目指していない」とも、口にしていますが、中国の習近平主席の貿易戦争解決に向けた動きについては、「率直に言って十分迅速ではない」と語っています。

正直、このタイミングの追加関税発動には驚きました。休止していた米中通商協議が30日から上海で再開したばかりだったので、特にそう感じます。ただ、次官級協議の進展についての情報が入ってこなかったことから、議論は平行線で終わったのかとは思っていましたが、中国の遅過ぎる対応に、トランプ氏は再び圧力を強めたというのが、その理由かもしれません。今回のこの「寝耳に水」の決定を受けて、各市場も大きく動きました。
 
さらに、原油先物市場でもWTI原油価格は4.63ドル下げ、1日で7.9%もの値下がりを記録しています。各市場の混乱ぶりが数字に表れています。この欄でも、たびたびドル円の下落リスクを指摘してきました。昨日は「8月は1年で最も円高に振れる月」であることも、経済新聞の記事を引用しながら過去の実数も紹介しました。そして昨日から8月が始まり、同時に円高がスタートしたのは「偶然」にしか過ぎませんが、余りにもタイミングが良過ぎます。今回は、ドル円との相関が高い米長期金利が1.87%台まで低下したことを考えると、「いよいよ円高が始まった」という印象が残ります。とりわけ、109円台前半までドルが買われた直後の107円台への下落は、インパクトもあります。焦点は、直近の円の最高値である106円78銭前後を割り込むのかどうかです。

本日は日経平均株価も500円程度下げるかもしれません。雇用統計の結果を受け、ドルが反発するか可能性もありますが、投資家の「ドル戻り売り」の姿勢がさらに強まったのではないかと思います。予想レンジは106円50銭~107円70銭といったところでしょうか。

FOMC、0.25%の利下げを決定 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆FOMCでは25bpの利下げを決めたものの、その後のパウエル議長の
発言がタカ派的だったことでドル円は上昇。109円ちょうどまで買われ、
108円70-80銭で取引きを終える。
◆ドルが買われたことでユーロドルは1.11を割り込み、1.1060
までユーロ安が進む。
◆株式市場は大幅安。パウエル議長の「利下げサイクルの始まりではない」
との発言を嫌気して3指数とも大幅安。ダウは333ドル安。
◆債券相場は続伸。長期金利は2.01%台に低下。
◆金は5日ぶりに反落。原油価格は在庫減少を手掛かりに5日続伸。


◆7月ADP雇用者数        →   15.6万人
◆4―6月雇用コスト指数      →   0.6%
◆7月シカゴ購買部協会景気指数   →   44.4

本日の注目イベント

◆中   7月財新製造業PMI
◆独   独7月製造業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
◆欧  企業決算 →バークレーズ、ロイヤル・ダッチ・シェル、BMW
◆英   BOE金融政策発表
◆英   BOE四半期インフレ報告
◆英   カーニー・BOE総裁講演
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   7月ISM製造業景況指数
◆米   7月自動車販売台数
◆米  企業決算 → GM、ベライゾン

予想通り、FOMCでは「50bp」ではなく、「25bp」の利下げを決定
しました。これ事態は織り込み済みであったことから、市場関係者はその後の
パウエル議長の発言から「次の一手」を読み取る姿勢を強めていましたが、発
言内容が「タカ派寄り」だったことで、株価は大きく下落。ドル円は金利低下
がそれほど進まないとの見方から109円ちょうどまでドル高が進みました。
FOMCの決定も、その決定を受けて発したトランプ大統領のツイートも、ほ
ぼ想定内のものでした。

FOMCでおよそ10年半ぶりに利下げを決めたことで、FF金利の誘導目標
はこれで2.00~2.25%になりました。
パウエル議長はその後の会見で、「一度きり(の利下げ)とは言っていない」
としながらも、「この利下げの本質は、長期にわたる一連の利下げの始まりで
はない」と述べ、「サイクル半ばでの政策調整だとわれわれは捉えている」と
語りました。市場は、今回の利下げも含め、年内に2~3回の利下げがあると
予想していただけに、「長期にわたる一連の利下げの始まりではない」といっ
た部分に反応し、株価が大きく下げ、ダウは一時400ドルを超える下げを見
せました。このところの株価の上昇は、決して企業業績が良くて買われたわけ
ではありません。「今後も金利低下が進む」という想定の下に最高値を更新し
続けてきたわけで、昨日の株価の大幅下落は、その根底が崩れた以上ある意
味当然と言えます。いつものことながら、市場は前のめりする傾向があります。
「年内4回の利下げ」、「今回は50bpの利下げ」は、いずれもオーバーシ
ュートだったということです。

正直なところ、筆者もパウエル議長の発言には驚きました。市場の利下げ期待
に、これほど急ブレーキをかけることは想定外でした。
せいぜい緩和スタンスを維持しながらも、今後のデータ次第では利下げのスピー
ドは緩やかになるといった、「中立的な発言」を予想していました。
この会見後、トランプ大統領は、「長期にわたる積極的な利下げサイクルの開
始を期待していた」とツイッターで批判し、そうすれば、「中国や欧州連合な
ど諸外国に遅れを取らずにすむ」と指摘し、その上で、「いつものことだが、
パウエル議長はわれわれを失望させた」と述べていました。

FOMC声明文では、「経済見通しに関する世界的な動向と落ち着いたインフ
レ圧力が示唆するものを考慮して、委員会はFF金利誘導目標のレンジを2.
00-2.25%に引き下げることを決定した」と記されています。また「不
確実性」も残っていると指摘しています。(ブルームバーグ)
世界的な景気減速や米中に代表されるように、貿易戦争の嵐が吹き荒れており、
この先、好調な米経済にもその影響が及ぶ可能性があることを鑑み、2015
年12月から始まった「利上げサイクル」を一旦修正した動きと捉えることが
できます。

パウエル発言を受けて、ドル円は109円ちょうどまで買われましたが、その
後押し戻されています。今回も含めて、ドル円が7月に109円前後を試した
のは3回ありますが、全て押し戻されており、このレベルが目先の上値の壁に
なりつつあります。輸出業者のみならず個人投資家も含めて、この先「円高傾
向が続く」と予想していることが、この水準にドル売りが集まる背景かと思い
ます。
もっとも、この水準が目先のドルの天井になるのかどうかは分かりませんが、
貿易問題は対中国だけではなく、EUとも続いています。また日米貿易交渉も
これからが本番です。また、ここにきて「為替介入」の話題も聞こえています。
加えて、イラン問題もイラン側の出方次第では軍事行動に発展する可能性もあ
ります。
個人的にもまだドル下落の可能性が高いと予想していますが、それでも108
円台を維持しているドル円は、よく健闘していると言えます。

明日は早くも7月の雇用統計が発表されます。
ここでも108-109円のレンジが抜けないようだと、今月もドル円は10
8円台で推移する可能性が高まります。
「8月は1年で最も円高が進む月」・・・今週の経済紙にこんな記事もあり、
筆者も取材を受けましたが、1990年から調べても、28回のうち8月は1
8回が円高でした。この辺りは頭の片隅の入れておいてもいいかもしれません。

本日は108円20銭~109円20銭程度を予想します。


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