ドル円1か月ぶりに107円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は約1カ月ぶりに107円台を回復し、107円23銭までドル高が進む。日米で株価が急反発し、米長期金利は一時12bp上昇するなど、リスクオンの流れに。
- ユーロドルはやや上昇。円を売る動きが強まり、ユーロ円は118円台まで反発したことに伴い、ユーロドルでもユーロが買い戻された。
- 株式市場は大幅に続伸。米中通商協議が10月初旬にも再開されることを好感し、ハイテク株を中心に株価が上昇。
- 債券相場は大幅に反落。長期金利は1.55%台まで急上昇。
- ドル高が進み、金は前日比35ドルに迫る下落。原油価格は小幅に上昇。
本日の注目イベント
- 日 7月景気先行指数(CI)(速報値)
- 独 7月鉱工業生産
- 欧 ユーロ圏4-6月期GDP(確定値)
- 米 8月雇用統計
- 加 カナダ8月就業者数
- 加 カナダ8月失業率
昨日の東京時間の午前中に、中国が米国との通商協議を10月に再開することを発表。ドル円は106円70銭前後まで上昇し、日経平均株価は500円も上昇するなど、リスクオンの流れが急速に強まりました。この流れはNY市場でも続き、株価は連日の大幅高を演じ、安全資産の債券が大きく売られ、さらに連日買われてきた金(きん)が売られるなど、典型的なリスクオンの動きになりました。投資家が米中通商協議の再開に、これほど大きな反応を示したことにはやや驚きでしたが、前日トランプ大統領が、「私が中国と何もしたくなかったら、米国の株式相場は今よりも1万ポイント高かっただろう」と述べたことも、あながちオーバーなことでもないのかもしれません。
昨日のNYではさらにADP雇用者数が、予想の14.8万人に対して、19.5万人と大きく伸びており、今夜の雇用統計にも期待が膨らんでいます。製造業の伸びの鈍化は明らかになって来ましたが、労働市場は依然として拡大を続けていると見られます。仮に今夜の雇用統計でも同じように予想を上回るようだと、今月18日のFOMCでの政策にも影響を与える可能性があります。その場合は、50bpの利下げ観測が後退し、25bpに落ち着き、ドル円にはドル高材料と考えられます。また、NYダウも2万6700ドル台まで反発しており、株価の下落懸念も払拭されそうで、この点からもFRBが緩和姿勢を強める要因が一つ取り除かれることにもなります。
8月のISM非製造業景況指数も予想を上回る「56.4」でした。前日に発表された製造業が「49.1」と、節目の「50」を割り込んでいたことからその結果が注目されていましたが、前月よりも改善していたことで、米景気に対する過度の懸念も一旦後退した状況です。ただ、米中貿易戦争の影響がじわりと出ているのは事実で、今後10月に協議が再開されても、両国の主張に隔たりがあるため、合意に達するにはまだ時間がかるといった見方がコンセンサスのようです。また、いつトランプ大統領の「口撃」が再び飛び出すのかもわかりません。これまでの実績を良く見ると、週末金曜日か、土曜日に「口撃」に出ることが多いように思います。中国に対する「制裁関税第4弾発動」発言も8月23日の金曜日で、翌週月曜日の早朝に104円46銭を記録したことは記憶に新しいところです。
昨日のこの欄でも述べましたが、ドル円は106円40-50銭にある、マイナーな壁を超えられるかどうかに注目していましたが、やはりと言うか、超えてしまえば上昇の勢いが加速し、約1か月ぶりに107円台前半までドル高が進みました。まだ107円台が定着するには早計だと思いますが、一方で104円台からの距離も徐々に遠く感じて来た印象です。難しい状況です。ここからさらに上値を追うには、さらなるドルへの支援材料が必要ですが、水準を間違えると、ドルを売っても買い戻しに苦労します。基本は105-107円前後ということで、早めの決済に徹する方がベターといったところでしょう。本日のドル円は106円50銭~107円40銭程度を予想しますが、ドルを下落傾向で見ている筆者は、ドル円の上値の予想を外しています。
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民主化運動で大きく揺れている香港。筆者もビジネスで4回ほど訪れたことがあります。最も印象に残っているのが、1985年11月から1か月間、前職の香港支店に研修で行った時のことです。当時はまだ、あのビルの間をかすめるようにして着陸する「啓徳国際空港」でした。コーズウェイベイのホテルに滞在し、金融街セントラルにある支店に毎日通いましたが、到着翌日に支店を訪問した日から驚きの連続でした。ディーリングルームのマネージャークラスは、すでに全員携帯電話を持っていました。ポケベル程度の大きさのものでしたが、彼らが街中で携帯で会話しているのには驚きました。その日の夜には歓迎会と称して、直ぐ目の前の港から船で30分位は走ったところにある「島」に行き、市場のようなところで大きな水槽に入っている魚介類を自分で選び、それをレストランで料理してもらい食べるという、中華風海鮮料理を満喫しました。食事を終えると、再び船で目の前に広がる「100万ドルの夜景」を船のデッキの上で、風に吹かれながら、セントラルに帰るという、何とも贅沢な歓迎会でした。因みにその船は「ジャンク」呼ばれ、当時香港で所有している外資系金融機関は、筆者が所属していた銀行と、シティバンク(現シティーグループ)だけで、年間の維持費だけでも1千万円以上かかると聞き、またビックリ・・・。香港滞在中、3回もこのクルーズを楽しみました。国際都市香港は、その後も順調に発展して来ましたが、今が香港の歴史の中でも最大の危機かもしれません。良い週末を・・・・・。

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- [2019/09/06 12:29]
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