マネーは債券から株式へ
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は米長期金利の上昇や、米中通商協議への期待から続伸。
107円59銭までドル高が進み、高値圏で引ける。
◆ユーロドルは明日のECB理事会を控え小動き。1.10台
前半から半ばで推移。
◆株式市場は前日と同じような展開となり、ダウは上昇したが、
ナスダックは下落。ダウは73ドル上昇し、5日続伸。
◆債券相場は続落。長期金利は5営業日続伸し、1.73%台に。
◆金は4日続落し、1500ドルの大台を割り込む。
原油は5日ぶりに反落。
本日の注目イベント
◆豪 豪9月ウエストパック消費者信頼感指数
◆米 8月生産者物価指数
「資金は債券から株式へ」・・・・今朝の海外市場からのコメントを読むと、
そのような内容の記事が目立ちます。
確かに、そのような動きが顕著です。
約1か月前には、1.5%を割り込み、1.48%台まで低下した米10年
債は、昨日1.73%台まで上昇(価格は下落)しており、この間25ベーシ
スもの金利が上昇しています。また、先月14日には2万5500ドルを割
り込んだNYダウは、2万7000ドルに迫る水準まで買われ、長く低迷を
続けていた日本株も上昇に転じてきました。明らかに「債券売り、株式買い」
の動きが強まっています。この結果、米長期金利との相関が高いドル円は、
この動きに連動する形で、107円台半ばまで円売りが進んできました。
もっとも、単純にマネーが債券から株式にシフトしたというよりも、リスク
オフが後退した
ことで、金融・商品市場で、これまでのポジションの巻き戻しが起きたと考
える方が、より適切かと思います。
事実、1560ドルまで買われた金(きん)は1500ドルを割り込む水準
まで売られ、下落基調だった原油価格も上昇してきました.
明日のECB理事会を皮切りに、日米欧では政策決定会合が開催され、その
前に利益を確定しようという動きが上記巻き戻しにつながったと考えられま
す。
10月から米中通商協議が再開されますが、すぐに米中が合意に達するとも
思えません。また、ジョンソン英国の混迷は続いており、イタリア、ドイツ、
香港の政治的リスクは多少低下したものの、存在します。
市場を取り巻く環境はそれほど変わっていない中、巻き戻しの動きがかなり
の規模で進行していると見られます。
トランプ大統領は10日、ボルトン大統領補佐官を解任しました。
これでトランプ氏は就任以来3人の大統領補佐官を解任したことになります。
トランプ氏はツイートで、「昨晩、私はボルトンにホワイトハウスでもう働
く必要はないと告げた」ことを明かにしました。
報道では、両氏の間では多くの点で意見が対立し、特にアフガニスタン問題
や、北朝鮮問題では厳しい意見の対立があったようです。(ブルームバーグ)
また、ボルトン氏はポンペオ国務長官とも対立しており、ボルトン氏の辞任
はポンペオ氏にとっても「朗報」だとしています。
ドル円は106円台を固める動きになっています。
上で述べたように、予想外の米金利上昇と株価の上昇が円売りにつながって
います。昨日も述べたように、107円70銭近辺を明確に抜けると、日足
で「雲抜け」を完成させることになり、上昇に弾みが付く可能性も出てきま
した。4月24日のドル高値である112円40銭から、8月26日のドル
安値である104円46銭をフィボナッチ・リトレースメントで計ってみる
と、38.2%戻しが107円49銭となり、
昨日の動きはほぼこの水準で止まっています。「半値戻し」が107円98
銭ということで、このまま上昇したら、108円近辺が非常に重要な戻りの
ポイントになりそうです。
「半値戻しは、全値戻し」という格言もあるように、ここを抜けるようだと、
市場の雰囲気も一変しそうです。
本日のドル円は107円10銭~107円90銭程度を予想します。
- [2019/09/11 09:03]
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