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 2019年09月 

ECB量的緩和再開を決定 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は東京時間に108円台を回復したが、NYの朝方は
107円52銭までドル売りが先行。ECBの政策発表後はドル
買いが強まり、108円19銭まで上昇。米中通商協議に対する
楽観的な見方が根底に。
◆ユーロドルは乱高下。朝方はECBの金融政策を受けて
1.0927まで売られたが、ドラギ総裁の会見を境に上昇。
1.1087までユーロ買い戻しが進む。
◆株式市場は続伸。トランプ政権が中国に対する関税引き上げを
当初予定の10月1日から10月15日まで延期したことなどを
好感、ダウは45ドル上昇し、これで7営業日続伸。
◆債券は続落。長期金利は1.77%台まで上昇。
◆金は続伸し、原油は3日続落。

◆8月消費者物価指数      →  0.1%
◆新規失業保険申請件数     →  20.4万件
◆8月財政収支         →  -2003億ドル

本日の注目イベント

◆日   8月鉱工業生産(確定値)
◆米 8月輸入物価指数
◆米   8月小売売上高
◆米   9月ミシガン大学消費者マインド(速報値)


昨日の東京時間午前中、ドル円は107円85銭前後で推移していましたが、一気に
108円台を回復する場面がありました。
トランプ大統領が、中国への制裁関税の実施を2週間延期すると発表したことが、円
売り、株高を誘い、ドル円はその後108円10銭程度まで上昇。じりじりとドルの
買い戻しが進んでいます。

トランプ氏は、先に中国製品2500億ドル(約27兆円)に対する関税を25%か
ら30%に引き上げ、10月1日から実施することを決めていましたが、これを10
月15日まで延期すると発表しました。市場はこの決定を好感しましたが、2週間程
度延期することにどれ程の意味があるのか疑問です。「中国の出方を見ながら、厳し
い制裁を徐々に緩和させていく」という、いつものトランプ流のやり方ですが、泣い
ている子供に、小出しにおやつを与えているような印象です。ここは一気に関税を撤
廃するとか、最後の1600億ドルの関税実施時期である12月まで延期するなどの
措置なら理解できますが、恐らくトランプ氏は、2週間後には米中通商協議が再開さ
れていることから、その成果を見極めたいという考えなのでしょう。

ECBは理事会を開き、中銀預金金利を現行のマイナス0.4%からマイナス0.5
%に引き下げ、さらに債券購入(QE)を再開すると発表しました。
債券購入は11月1日から行い、月額200億ユーロ(約2兆3500億円)で、期間
も「インフレ目標達成に必要な限り」行うことを決定しました。
ECBの金融政策については、マイナス金利の深堀は予想されていましたが、QEの
再導入の可能性はかなり低いと見ていましたが、ドラギ総裁は反対意見を押し切って
決めたようです。QEの再開については、ドイツ連銀、フランス中銀、オランダ中銀
の各総裁が反対し、さらにオーストリア、エストニアなどの総裁と複数のECB理事
も反対に回った(ブルームバーグ)ようです。
また、QE反対派の理由は、非常時の対応で繰り出す最後の手段としてQEは温存す
べきと主張したことに加え、ドイツ連銀などは金融機関への副作用も反対理由に挙げ
たようですが、ドラギ総裁は「金融機関はコスト削減とデジタル化で対応すべき」と
一蹴しています。
ドラギ総裁は、QEを巡り「さまざまな見解がある」ことを認めたものの、「最終的
には極めて幅広い合意があったため採決の必要もなかった」と説明し、ECBの慣行
に従い賛否を問う採決は行われなかった模様(ブルームバーグ)です。
ECBの政策発表後、ユーロドルは売られましたが、その後のドラギ総裁の会見をき
っかけに大きく値を戻し、底値からは150ポイント以上も上昇し、これに伴ってユ
ーロ円も119円台後半までユーロ高が進んでいます。

ECBが終わり、来週はFOMCと日銀会合です。
両会合とも、このところのポジションの巻き戻しの流れが強まったことで、株高と円
安が進み、政策に対するプレッシャーはやや低下したと思われます。
FOMCでは50ベーシスの利下げの目はほぼなくなったと思います。25ベーシス
の利下げと、年内あと何回利下げが行われるのか、FRBの利下げスタンスの強弱が
注目されます。日銀についても、108円台を回復したことでプレッシャーは緩和さ
れています。今回も「様子見」の可能性がやや浮上してきたと思われますが、さらな
る緩和を行うかどうかは、FOMCでの決定内容にも左右されそうです。

本日のドル円は107円50銭~108円50銭程度と予想します。


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