FOMC、25bpの利下げを決定
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 注目されたFOMCでは事前予想通り25bpの利下げを決定したが、年内の利下げスタンスが想定されたよりも弱かったことで、ドル円は上昇。108円48銭までドル高が進む。
- ユーロドルは前日とほぼ同水準で推移。1.10台前半から1.1068まで上昇。
- 株式市場は政策発表後売られたが、パウエル議長の会見後上昇。ダウは36ドル高だったが、ナスダックは8ポイント下落。
- 債券相場はほぼ変わらず。長期金利は1.80%台を割り込んだが小動き。
- 金は3日続伸。原油価格は続落。サウジの生産量への懸念が後退し、1ドルを超える大幅下落。
本日の注目イベント
- 豪 8月雇用統計
- 日 日銀金融政策決定会合
- 日 黒田日銀総裁記者会見
- 欧 ユーロ圏7月経常収支
- 英 8月小売売上高
- 英 BOE金融政策発表
- 米 経常収支(4-6月)
- 米 9月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 8月景気先行指標総合指数
- 米 8月中古住宅販売件数
今朝方発表されたFOMCでは事前予想通り政策金利を25ベーシス引き下げ、フェデラル・ファンド金利の誘導目標レンジを1.75~2.00%に決定しました。これで2会合連続の利下げですが、昨日のこの欄でも述べたように、25ベーシスであれば金融市場に与える影響はニュートラルで、大きな動きにはつながらないと予想しましたが、為替、株、債券市場は、極めて落ち着いた動きに終始しています。ただ、追加緩和を巡っては当局者の間で意見が分かれ、市場が予想したほどハト派寄りではなかったことから、ドル円は108円48銭まで上昇し、先月104円台まで急落した後の、戻り高値を若干ですが更新しています。
政策発表後パウエル議長は会見で、「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」と利下げの根拠を説明し、「世界の成長の弱さと貿易政策が米経済の重石となっている」と付け加えました。また今後の政策スタンスについては、必要に応じて「より大きな継続的利下げ」を否定しない考えを示したものの、これは当局者らが予想する展開ではないことを強調した上で、「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ」と述べています。(ブルームバーグ)さらに「景気拡大の維持に向け、適切に行動する」とも述べたことで、株価が上昇し、債券の下落につながったようです。これまでパウエル議長を繰り返し非難してきたトランプ大統領は、この日もFOMCの声明発表後にツイートし、「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」と非難しています。
為替、株式、債券市場は落ち着いた動きを見せましたが、NY短期金融市場ではこの日も混乱が続いています。NY連銀は朝方、前日に続き翌日物システムレポで750億ドル(約8兆1300億円)の資金を市場に供給しました。短期金融市場で金利が上昇している背景は、米財務省が大量の国債を発行していることで、プライマリーディーラーである多くの大手米銀が資金不足に陥っていることや、四半期法人税の納付で市場の資金が吸い上げられていることが原因とブルームバーグは報じています。この異例な短期金利上昇にパウエル議長は、「これらの問題は市場の動きと市場参加者にとって重要だが、米経済ないし金融政策のスタンスには影響しない。こうした圧力に対応するため、われわれは昨日と今日、翌日物レポ取引を実施した。これらの臨時のオペは資金調達圧力の緩和に有効だ」と述べています。ドル円は108円48銭まで上昇し、直ぐ上方の108円60銭前後には重要な「120日移動平均線」があります。本日はこの水準を抜けるかどうかに注目していますが、日足チャートを見ると、9月4日から昨日までのローソク足では、11本中10本が「陽線」です。これは、その日の寄り付きよりも引け値の方が高いことを示しており、ドル円が「ジリジリ」と上昇していることが窺えます。上記水準を超え109円台を示現するようだと、気が早いようですが、8月26日に記録した104円46銭が今年の円の最高値だった可能性も出てきそうです。この先まだドルの急落がないとは言えませんが、ドルが下げたところでは買いたいとする投資家が多いのは事実です。本日の日銀決定会合の結果は昼までには発表されると思われます。ドル高、株高傾向が崩れていないことから、政策変更なしの可能性が高いと予想していますが、黒田総裁が、今後の状況次第ではいつでも一段の緩和策を講じる用意があることには言及してくると思います。本日のドル円は108円~108円80銭程度を予想します。

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- [2019/09/19 10:07]
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