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英国のEU離脱問題で楽観論後退 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円はアジア時間では上値が重かったものの、NYでは再び
108円台後半まで上昇。米中貿易協議の先行きを懸念する
声が出たもののドルは堅調に推移。
◆ユーロドルは続伸。一時は1.1085を付け、1カ月ぶりの
ユーロ高を記録。ユーロ円も120円47銭前後まで上昇。
◆株式市場は小幅に反落。小売売上高が予想に反して減少して
いたことや、英国のEU離脱問題が依然不透明なことなどが
材料視された。ダウは22ドル下落するも2万7千ドルの大台は
維持。
◆債券相場は反発。長期金利は小幅に低下し、1.74%台に。
◆金と原油は反発。

◆9月小売売上高         →  -0.3%
◆10月NAHB住宅市場指数   →  71

本日の注目イベント

◆豪   豪9月雇用統計
◆英   英9月小売売上高
◆米   9月住宅着工件数
◆米   9月建設許可件数
◆米   10月フィラデルフィア連銀景況指数
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   9月鉱工業生産
◆米   9月設備稼働率
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米  企業決算 → モルガンスタンレー

先週末の米中通商協議で部分的な合意に達したことで、今後の米中関係に楽観的な
見方が広がり、足元の金融市場ではリスク選好が強まっていますが、事はそう簡単
ではないようです。
昨日米下院で香港人権法案が可決したことを受け、中国政府は直ちに断固反対する
との声明を出しました。
中国外務省は「内政干渉」だとし、法案が成立したら報復措置を講じると発表して
います。法案はこの後、上院で可決後トランプ大統領の署名を経て発効しますが、
今後の通商問題にも影響を及ぼす可能性があり、こじれるようだと、再び制裁関税
引き上げ問題に発展することも予想されます。
今朝の報道では、米上院外交委員長のリッシュ氏は「香港は私にとって優先順位が
高い」として、同法案を迅速に審議する意向を示しています。(ブルームバーグ)

楽観的な見方が支配的だった「BREXIT」もまだゴールは遠いようです。
前日、英国とアイルランドの交渉担当者が合意案の作成に近づいているとの報道が
ありましたが、北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)が
合意案に抵抗しており、離脱合意は難しいとの認識が広がっています。EU側も修
正された合意案について、税制や補助金、環境基準などの分野でEUの統制が利か
なくなる事態を懸念していると伝えられています。
EU首脳会議は本日から2日間の日程で行われますが、合意案はこの会議に間に合
わない可能性があるとブルームバーグが報じています。

地区連銀経済報告(ベージュブック)が公開されましたが、米経済への見通しをや
や下方修正しています。
報告書は「調査対象企業はおおむね景気拡大が続くと予想しているが、多くの企業
が向こう6-12カ月の成長見通しを引き下げた」と指摘しており、「長引く貿易
摩擦と世界的な景気減速が企業活動への重しとなった」と報告されています。
一方で同報告書は、家計支出は「堅調」だとありますが、昨日発表された9月の小
売売上高は予想に反してマイナス0.3%でした。
市場予想はプラス0.3%で、マイナスを記録したのは7カ月ぶりです。
ブルームバーグは、米経済の主要な柱である個人消費が不安定になり始めているこ
とが示唆され、FRBが今月、3会合連続となる政策金利の引き下げを決定する論
拠が強まった可能性があると報じています。

このような状況の中、昨日のドル円は堅調でした。
堅調というよりも、円が弱いと言った方が適切かもしれません。
ユーロ円は120円台半ばまで上昇し、8月1日以来の水準を回復しています。
また、ポンド円も139円台半ば、豪ドル円も73円台半ばと、いずれも円安傾向
です。市場では総じてリスクオンが続いていると見ることができますが、この状況
がいつ反転するのかわかりません。
トランプ大統領の「ちゃぶ台返し」がいつ起きるのか予想がつかないことから、利
益はこまめに確定していく手法が有利かと思います。
本日のドル円は108円30銭~109円程度を予想しますが、引き続き「200
日移動平均線」を抜くことができるかどうかが注目されます。


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英、EU離脱合意観測高まりポンド全面高 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は続伸。英国とEUの交渉担当者が離脱合意の草案
取りまとめに近づいているとの報道に、リスクオンが強まり、
ドル円は108円90銭まで上昇。
◆ユーロドルも英国のEU離脱合意が近いとの見方から
買われ1.1045までユーロ高が進む、ユーロは対円でも
120円22銭近辺まで上昇し、2カ月半ぶりの高値を付ける。
◆株式市場は大幅に反発。欧州の政治的リスクが後退したことを
好感しダウは一時300ドルを超える上昇。引け値は237ドル高と、
2万7000ドルの大台を回復。
◆リスク選好が進み、債券は続落。長期金利は1.77%台へと上昇。
◆ドル高から金は反落し、原油は続落。

◆10月NY連銀製造業景況指数   →  4.0

本日の注目イベント

◆欧   ユーロ圏9月消費者物価指数(改定値)
◆英   英9月消費者物価指数
◆米   9月小売売上高
◆米   10月NAHB住宅市場指数
◆加   カナダ9月消費者物価指数
◆米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米  企業決算 → ネットフリックス


イギリスとEUの交渉担当者らが離脱合意の草案の取りまとめに近づいており、15日
中にも事態が打開されるとの期待からポンドが全面高の展開です。一方、リスク選好が
強まり、株価が上昇。長期金利も上昇したことから円は全面安となり、ドル円は109
円には届かなかったものの、108円90銭までドル高円安が進みました。
昨日この欄で指摘したように、この直ぐ上方には重要な「200日移動平均線」があり、
その点も意識されたようです。

米中通商協議では部分合意したものの、中国側は、米国が報復関税を維持する限り年間
500億ドル(約5兆4200億円)相当の米国産農産物の購入は難しいと見ており、
米国側が主張する購入額を達成するのは困難との見方を、事情に詳しい関係者の話とし
てブルームバーグが伝えています。
それによると、中国企業はこれまでに大豆2000万トン、豚肉70万トンをはじめと
する米国産農産物を購入しており、購入を加速させるには、まず関税を撤廃することが
先だといった考えが、中国側にあるようです。
今回の部分合意に関しては詳細を詰め、11月16-17日に南米チリで開催されるA
PEC首脳会議の席で、トランプ大統領と習近平主席が署名する見通しです。ただ、今
回発動が回避された関税が撤廃されるのか、あるいは12月15日に予定されている別
の関税と併せて発動になるのかまだ決まっていないようです。
従って、今後の中国の対応次第ではまだ紆余曲折が十分ありそうです。

IMFは昨日「世界景気見通し」を発表しました。
世界全体の成長率を、7月時点から0.2ポイント下方修正し「3.0%」とし、米国
も0.2ポイント下方修正し「2.4%」にしました。また、日本については今年の成
長率を「0.9%」と据え置いたものの、20年については0.1ポイント引き上げ
「0.5%」とし、中国は今年を「6.1%」、20年を「5.8%」にいずれも下方
修正しています。IMFは四半期ごとに「世界経済見通し」を発表していますが、これ
で5期連続の下方修正となります。IMFのチーフエコノミストは、「減速の同時発生と
不確かな回復に伴い、グローバルな見通しはなお不安定だ。政策ミスの余地はなく、政
策担当者が貿易摩擦を地政学的緊張の緩和で協調することが急務だ」と指摘しています。
(ブルームバーグ)

ドル円は依然として貿易摩擦や、中東の地政学的リスクがありながらも、上昇してきま
した。昨日はイギリスの「ソフトブレグジット」が高まり、ポンドが買われたことによ
る影響があったと思われますが、これまでにも述べてきたように、今月末には日米欧の
金融政策の発表も控えており、相場のボラティリティは上昇する傾向にあります。
昨日もセントルイス連銀のブラード総裁は、米中の貿易摩擦といった経済へのリスクに
備え、金融当局は追加利下げを検討すべきとの考えを示しています。
今月末のFOMCで、25ベーシスの利下げはほぼ間違いないと思われますが、併せて
今回は日銀も何らかの政策変更に踏み切ると予想しています。
今月末に向けて相場が乱高下する可能性は高いと見られます。

本日は109円台を回復できるのかどうかが焦点です。上記「200日移動平均線」も
あり、ある程度の抵抗が見られるでしょう。
109円前後にあると思われるドル売り注文をこなしながら上昇できるかどうかですが、
本日のドル円は108円30銭~109円20銭程度を予想します。


ドル円108円台半ばで推移 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆先週末、米中貿易交渉の一部合意を受け108円62銭まで
買われたドル円は小幅に反落。欧州時間には108円02銭まで
下げたが108円台は維持し、NY時間には108円46銭まで反発。
◆ユーロドルは1.10台前半で小動き。高値は1.1033
◆株式市場は3指数とも揃って反落。先週末に大幅上昇したが、
中国がさらなる交渉を求めていることで今後の交渉難航も
予想されることでダウは29ドル安。
◆債券は続落。長期金利は1.73%近辺まで上昇。
◆金は反発し、原油は反落。

本日の注目イベント

◆豪   RBA議事録
◆日   黒田日銀総裁講演
◆日   日銀さくらリポート公表
◆日   8月鉱工業生産(確定値)
◆中   中国9月消費者物価指数
◆中   中国9月生産者物価指数
◆独   独10月ZEW景気期待指数
◆英   英9月失業率
◆英   カーニー・BOE総裁議会証言
◆米   10月NY連銀製造業景況指数
◆米  企業決算 → シティーグループ、JPモルガン、ウェルズファーゴ、ジョンソン&ジョンソン、ブラックロック
◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米   デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演

先週2日間の日程で行われた米中通商協議が「部分的合意」に至ったことで、
市場は一気にリスクオンに傾き、ドル円はこれまで「壁」になっていた108円台
半ばを抜け、108円62銭までドル高が進みました。
株式市場も「部分的合意」を好感し、ダウは319ドル上昇し、ほぼ全面高の展
開を見せ、安全資産の債券は下落し、長期金利が上昇しています。

合意内容は、中国が米農産品を400-500億ドル(約5兆4000億円)輸入
することや、中国を為替操作国に認定している件については今後検討すること。
さらにはファーウェイへの禁輸措置についても、今後協議を行うというものです。
これら「部分的合意」に達したことで、トランプ政権は本来なら本日15日から発
動予定であった中国製品2500億ドルに対する制裁関税を延期することを決め
ています。
「部分的合意」の可能性は予想されていましたが、これまでトランプ大統領は
「部分的な合意はしない」と明言していたことから、合意は難しいと個人的には
予想していました。この辺りの方針変更も、いかにもトランプ流と言えます。最初
に脅しをかけ、その後相手の出方を見極めながら、手綱をゆっくりと緩めていくや
り方です。

昨日は先週末と異なりややリスクオンの流れが後退しました。
中国側が詳細を詰めるためのさらなる協議を早ければ今月末にも持ちたい意向
を示し、習近平主席が署名に合意するのは、その後だと主張しているようです。
また、米国は本日発動する予定だった関税引き上げを見送りましたが、12月に
予定している関税引き上げについては保留しています。中国側はこの関税引き
上げも撤回を望んでいると、ブルームバーグは報じています。
ムニューシン財務長官は14日にCNBCとのインタビューで、米中が第一段階の
合意署名できるよう両国当局者が今後数週間かけて作業する。これが実現しな
ければ、12月15日に予定している追加関税の発動に踏み切ると述べています。
同時にムニューシン氏は、トランプ氏と習氏が来月チリで開かれるサミットで最終
合意する見通しだとも述べています。

米中貿易戦争については、ひとまず最悪の事態は避けられることになりましたが、
EUに対する関税引き上げは18日に発動される予定で、さらに米国はトルコに対
する鉄鋼関税を50%に引き上げるとともに、貿易協定を巡る交渉を停止すること
を明らかにしています。目先の最大の貿易摩擦は回避できましたが、まだ米国で
発生した「関税引き上げ」という嵐は猛威を振るいそうです。

ドル円は108円台半ばを超え、さらには「120日移動平均線」も超えてきました。
円高材料が多く見られる中、テクニカルの示唆が優勢な展開です。
次の上値のメドは「200日移動平均線」がある、109円前後ということになります。
本日のレンジは108円~108円70銭程度を予想します。


ドル円一時108円台を回復 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は米中通商協議への楽観的な見方が強まり一時
108円台を回復。トランプ大統領が中国の劉鶴副首相と
会うとツイートしたことで協議の進展期待が強まった。
◆ユーロドルは反発。ECBのQE観測が弱まり、ユーロ買い
ドル売りに1.1033までユーロ高が進む。ユーロは対円でも
9月20日以来となる118円台後半まで上昇。
◆米中通商協議を巡る好材料に株価は続伸。ダウは150ドルを
超える上昇。他の主要指数も揃って続伸。
◆債券相場はリスクオンの流れが強まり続落。長期金利は
1.66%台へと大幅上昇。
◆金は反落し、原油は4日ぶりに反発。

◆9月消費者物価指数   →  0.0%
◆ 新規失業保険申請件数  →  21.0万人

本日の注目イベント

◆独   独9月消費者物価指数(改定値)
◆欧   国際エネルギー機関(IEA)月報
◆米 9月輸入物価指数
◆米   10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
◆米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
◆米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
◆米   カプラン・ダラス連銀総裁講演
◆加   カナダ9月就業者数
◆加   カナダ9月失業率

引き続き錯綜する米中通商協議を巡る情報に振らされる相場が続いています。
昨日の東京時間朝方には、香港紙が「次官級協議では進展がなかった」と伝
えたことから、ドル円は107円近くまで売られましたがそこから切り返し、
今度は15日発動予定の「中国製品に対する30%の関税賦課を延期する可
能性がある」との一部報道に、107円80銭前後までドルが急進。
さらにNY時間には、トランプ政権が中国のファーウェイに対し、機密保持
の必要性の低い製品を供給するライセンスを一部米国企業に与える方針だと
の報道に、欧州時間では下落していたドルが再び上昇。トランプ氏が劉鶴副
首相と会うとツイートしたことで108円台までドル高が進む展開でした。

トランプ氏は、「中国との交渉において重要な日だ。彼らは取引を望んでい
るが、私はどうだろうか。私は明日、ホワイトハウスで副首相に会う」とツ
イートしています。また、初日の協議についても、「非常にうまく行った」
述べ、「われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」と、記者
団に話しています。ただ、米中は共に、まずは部分的な合意を取りまとめ、
双方の立場に大きな開きがある問題はその後に議論することにしているよう
に見受けられる。(ブルームバーグ)との見方もあり、トランプ氏の口からは
15日発動予定の関税引き上げについては言及がありません。米中協議に楽
観的な見方が急速に強まり、各金融市場ではリスクオンの流れに傾いていま
すが、まだ予断は許しません。
協議は日本時間明日の朝方に終える予定ですが、ワシントン時間土曜日にト
ランプ氏が突然想定外の発言を行い、翌週の月曜日には市場が大混乱したこ
とは記憶に新しいところです。安心仕切るのはまだ早いでしょう。

昨日はBREXITに関しても進展がありました。
ジョンソン英首相とアイルランドのバラッカー首相はEUからの離脱条件の
合意へ「道筋」が見えるとの見解で一致しました。
両首相はイングランド北西部で1対1の会談を行い、会談は2時間半に及び
ました。声明では、両国ともに「離脱合意を成立させることがあらゆる関係
者の利益にかなうと引き続き確信している」と言明し、「合意への道筋が見
込めるとの点で一致した」と述べています。この声明を受けてポンド円は1
31円台前半から2円ほど上昇しています。

ドル円は一時は108円台まで乗せましたが、この水準には「120日移動
平均線」があり、前回10月1日にも上昇を抑えられた経緯があります。
昨日もこの水準で一旦上昇が止まっており、市場参加者が意識している証か
と思います。先ずはこの水準を抜けるかどうかが注目され、抜けたら今度は
さらに重要なレジスタンスである108円台半ばが抜けるかどうかが焦点で
す。この水準を抜けば、ドルが上昇トレンドに弾みをつける可能性があると
予想しています。108円~108円台半ばにはドル売り注文が集まってい
ることは想像に難くありません。従って、それらの売り注文をこなすだけの
材料が必要です。
一方で、その水準を超えた所には「ストップロスのドル買い」もあると見ら
れ、抜けると以外に上昇が早い可能性もあります。
全てはワシントンでの協議次第です。

本日のドル円は107円50銭~108円50銭といったところでしょうか。


中国、一部合意を排除しない 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は上昇し、107円63銭まで買われた。通商協議で中国が部分的な合意を受け入れることを排除しないと一部のメディアが報じたことが材料となり円が売られた。

  • ユーロドルは小動き。1.09台半ばから後半で推移し、値幅も16ポイント程度に収まる。

  • 株式市場は米中通商協議に部分合意の可能性が出てきたことで主要指数は反発。ダウは181ドル上昇し、VIX指数も低下。

  • 債券相場は反落。長期金利は1.58%台へと上昇。

  • 金は続伸し、原油は小幅ながら3日続落。

本日の注目イベント

  • 独 8月貿易収支
  • 独 8月経常収支
  • 英 8月鉱工業生産
  • 英 8月貿易収支
  • 欧 ECB議事要旨
  • 欧 OPEC月報
  • 米 9月消費者物価指数
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米 米中閣僚通商協議(11日まで)

昨日この欄で述べたように,足元の金融市場は、為替も含めて米中協議に関する情報がネガティブがポジティブかで方向が決まる展開が続いています。昨日のNY時間では一部メディアが、中国は米国との部分的な貿易協定への合意をまだ排除していないと伝えたことが材料視され、本日から始まる米中通商協議への楽観的な見方が広がり、ややリスクオンに傾いています。また、英フィナンシャルタイムズ(FT)は、中国が米国産大豆の購入を年3000万トンと現在の2000万トンから増やすことを提案していると、事情に詳しい関係者の話を基に報じています。

ただ米中協議の合意については、これまでトランプ大統領は「部分的合意」に否定的で、米国の望むところではないと繰り返し述べています。従って、この報道をそのまま鵜呑みにするわけにもいきません。中国共産党機関紙・人民日報系の新聞である「環球時報」は論説で、「貿易協議が開かれるたびに最善の結果を目指して努力する必要はあるが、新たな緊張を恐れずにわが国の中核的な利益を守ることも大事だ」と述べており、「貿易戦争の終了時期は中国が決めることではない」と論じ、中国側は既に譲歩しており、ボールは米国側にあることを主張しています。また先行して行われた次官級協議では、中国側は強制的な技術移転への対処を拒否し、中国政府の補助金問題の協議も避けられたと、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が報じています。(ブルームバーグ)

先月17-18日に開催され、25ベーシスの利下げを決めたFOMCの議事録が公開されました。議事録では、「経済活動の見通しに対する下振れリスクは7月会合以降に幾分か強まり、貿易政策に関する不透明感や海外事情に起因するものが顕著だというのが、参加者の全般的な判断だ」と記述されていました。また市場の追加緩和期待と当局者の政策見通しに隔たりがあることに、「数人の参加者」が違和感を覚えつつあったことも示されており、参加者の金利予測もばらばらであったと記述されています。

それでも昨日のドル円は1週間ぶりのドル高水準まで上昇しています。本稿執筆時には、上記サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙のニュースに反応したのか、107円近辺まで押し戻されていますが、いずれにしても明確な方向感はなく、106円台半ば~107円台半ばでのもみ合いになっています。本日からは閣僚級の協議が始まります。個人的には合意の可能性は極めて低い状況ですが、それでも景気減速が鮮明な中国としては、米国による30%の関税賦課は避けたいところ。一方のトランプ政権も、弾劾調査問題や製造業を中心に景気後退の足音が聞こえる状況の中、貿易戦争の激化で景気悪化の種を撒くことは避けたいといった事情もあります。トランプ氏自身にとっても、来年の大統領選を巡る戦いではバイデン候補を攻撃している間に、ウォーレン候補の台頭が著しく、直近の調査では支持率ではトップになっている模様です。ここで、効果的で勝利を手繰り寄せるホームランも欲しいところです。協議に関する報道を注視したいと思います。本日のドル円は106円70銭~107円70銭程度を予想します。

NY株再び大安に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は米中通商協議が難航するとの見方から売られ、106円83銭まで下落。しかしその後はパウエル議長の発言を材料にドル買い戻しが強まり107円30銭まで反発。

  • ユーロドルは終始緩やかに下落。1.09台半ばまでユーロ安が進んだが値動きは緩慢。

  • 株式市場は再び大幅下落。米中のハイテク企業を巡る対立が高まったことで、半導体銘柄を中心に大幅安。ダウは先週に続き313ドル下落。

  • 債券相場は反発。長期金利は低下し、1.53%を割り込む。

  • 金は3日続落。原油も小幅ながら続落。

本日の注目イベント

  • 豪 10月ウエストパック消費者信頼感指数
  • 米 FOMC議事録(9月17-18日分)
  • 米 IMF,世界経済見通し発表
  • 米 パウエル・FRB議長講演

米中協議をどのように見るかどうかで、金融市場は上にも下にも動く展開です。ドル円は107円を挟んで上下し、それほど大きな値動きにはつながっていませんが、株式市場では日米で1日の値幅が大きく、NYダウは連日100-400ドルも上下する日が続いています。

昨日は新疆ウイグル自治区のイスラム系住民の大量拘束に関与した中国当局者を対象に、トランプ政権は入国制限を発表しました。一方、米国が中国ハイテク企業を禁輸措置の対象にしたことに中国は強く反発。ブルームバーグ・ニュースはホワイトハウスが中国への資本流入を制限することについて協議すると報じました。それによると、関係者が会合を開き、米政府の退職年金基金が中国の経済成長のために資金を提供するのを阻止する法案を重点的に話し合ったとされています。ナバロ米国家通商会議(NEC)委員長はこれを否定していますが、明日から始まる閣僚級の米中通商協議が難航するとの見方からリスク回避の流れが再度強まっている状況です。ただ、今回ワシントンで開かれる会合では、中国側からは劉鶴副首相に加え、中国商務相と人民銀行総裁も参加するとの報道もあり、中国側の「本気度」も窺えます。個人的には、協議についてはどちらかと言えばネガティブな予想をしています。中国が既に米国から大豆の大量輸入を決めるなど、好材料もありますが、重要案件などで合意に至るに両国の溝は深く、「継続案件」として協議を終えればいいところでしょう。

もう一つの懸念材料であるBREXITは、ジョンソン英首相の強硬姿勢が続いていることから、解決策どころか、合意なき離脱に突き進んでいるような印象です。ジョンソン首相はドイツのメルケル首相に対し、北アイルランドがEU関税同盟内に留まることをEUが求めるならば離脱を巡る合意は「本質的に不可能だ」と伝えています。トゥスクEU大統領は、ジョンソン首相が「ばかげた非難合戦をしている」と批判し、「ばかげた非難合戦にどちらが勝つかではなく、欧州と英国の未来および域内市民の安全と利益がかかっている」とコメントしています。(ブルームバーグ)

ドル円は昨日のNY市場では上記材料を手掛かりに売られ、106円台後半を付けましたが、その後はパウエルFRB議長の発言を材料に107円30銭まで反発しました。パウエル議長はデンバーで、最近見られたような短期金利の混乱が再発しないよう、「私と同僚は徐々に準備預金の供給を増やしていく措置を近いうちに発表する方針だ」と述べ、購入の対象として財務省短期証券(Tビル)を検討していることを明らかにしました。また次回FOMCでの政策変更については明言を避け、「次のFOMCは数週間先であり、われわれは今後入っている情報を注視していく」との表現にとどめています。ただ、その後の質疑応答では1990年の3回の利下げによって景気拡大を維持させるのに成功した例を挙げており、利下げには前向きな発言だと捉えられているようです。この日は前回会合でも利下げに反対票を投じたエバンス・シカゴ連銀総裁も、「さらなる保険として、25ベーシスポイント引き下げる根拠は十分ありそうだ」と述べており、3会合連続の利下げが確実になってきた印象です。

107円を挟んで一進一退の動きを見せているドル円ですが、明日から始まる米中通商協議の結果が全てです。予想は難しく、予断を持たずに注視したいと思います。本日のドル円は106円50銭~107円30銭程度を予想します。


米長期金利上昇しドル円107円台半ばに 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆米中通商協議の進展期待からドルが買い戻され
ドル円は107円台を回復。長期金利の上昇に反応し
107円46銭までドル高に。
◆ユーロドルは小幅に反落。ドル高が進み、1.0969まで
ユーロが売られる。
◆株式市場は3日ぶりに反落。連日の急上昇の影響もあり、
利益確定の売りに押された。ダウは95ドル安。
◆債券相場も反落し長期金利は1.55%台へと上昇。
◆金は続落し、原油はほぼ横ばい。

◆8月消費者信用残高   →  179.0億ドル 

本日の注目イベント

◆豪   豪9月NAB企業景況感指数
◆日   8月国際収支・貿易収支
◆日  9月景気ウオッチャー調査
◆中   中国9月財新サービス業PMI
◆中   中国9月財新コンポジットPMI
◆独   独8月鉱工業生産
◆英   カーニー・BOE総裁講演(東京)
◆米   9月生産者物価指数
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米   パウエル・FRB議長講演
◆米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
◆加   カナダ9月住宅着工件数
◆加   カナダ8月建設許可件数


ドル円は再び107円台を回復し、107円台半ばまでドル高が進みました。
先週後半からは106円台半ばを3回試したものの、下値は限定的でした。
不確定要素が多い中、市場はまだ決定的な方向性を掴みきれない展開が続い
ています。

ドル買い戻しを促したのは米中通商協議を巡る報道でした。
中国は米国との通商協議では可能な部分で合意を取りまとめ、より困難な問
題は来年に交渉する工程表を作成する用意があるとブルームバーグが伝えま
した。
昨日の朝方は、中国が米国との通商協議で議論の範囲を狭めるとの報道でド
ル円は売られ、106円台半ばまで円高が進む場面もあり、ここ数日は通商
協議を巡る報道に振り回される展開になっています。
市場関係者も協議の結果を予想できずにいることも、相場を振れやすくして
いるようです。トランプ大統領も7日ホワイトハウスで、今週の米中通商協
議について尋ねられ、中国との部分的な貿易合意は「われわれの望むもので
はない」とし、「私は大きな取引をまとめることに傾いている」と、部分的合
意には否定的な考えを示しています。

昨日はトランプ大統領に対する弾劾調査問題以外でも、同氏の話題がニュー
スのヘッドラインを飾っていました。
トランプ大統領に税務記録提出を求めたNY連邦地裁の判断を違法として控
訴していた件で、米連邦高等裁判所は7日、執行阻止を訴えるトランプ氏の
主張を認める判断を行いました。それにしても何と話題の多い大統領でしょ
うか。ロシア疑惑に始まって、今回はバイデン前副大統領の息子の企業活動
に違法性の疑いがあるとして、ウクライナと中国に調査を要請するなど、2
020年の大統領選まで、今後何が出て来るのか予測不可能な状況です。
その大統領選では、民主党候補の動きに変化が出て来ました。
有力候補の一人であったバニー・サンダース候補が、健康が優れないことを
理由に選挙活動を中止した一方、エリザベス・ウォーレン候補の支持率が急
上昇していると報じられています。このままで行くと、バイデン氏とウォー
レン氏の一騎打ちということになりそうです。
民主党内には、「バイデン氏ではなくウォーレン氏なら、トランプ氏に勝て
る」という見方もあるようです。

米中通商協議は10-11日の予定で行われますが、その前に本日から次官
級の協議がスタートするようです。
足元の相場は米中通商協議に関する報道で動いていることから、協議に関す
る報道が引き続き相場の方向性を決めそうです。
106-108円のレンジがどちらにブレイクするのか、現時点では予想も
難しい状況です。周りを見ると円高材料が目立ちますが、それでもドル円は
堅調に推移しており、健闘していると言えます。
今後は米中通商協議に加え、来週15日には中国製品2500億ドル(約2
6兆8000億円)に対する30%の関税賦課の期限を迎えます。またその
後にも日米欧の金融政策発表、さらにはBREXITがあり、香港での民主
化運動はさらに激化しています。香港での混乱については、トランプ氏は中
国に対し「平和的解決」を行うようけん制しており、そうでない場合、米中通
商協議にも影響が出て来ると警告しています。
上記レンジは今月中にはどちらかにブレイクすると予想しています。

本日の予想レンジは106円80銭~107円60銭程度と見ます。


米失業率50年ぶりの低水準 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆雇用統計発表後に107円台を回復し、107円13銭まで
ドルが買われた。その後は107円前後で一進一退の展開となり、
106円台後半で越週。
◆ユーロドルも発表直後に1.10までユーロ高が進んだが
その後は1.09台後半でもみ合う。
◆株式市場は3市場とも揃って大幅反発。9月の雇用統計の内容が
さほど悪化しておらず、米景気もそれほど悪くはないとの見方から
ダウは372ドル高で取り引きを終える。
◆債券相場はほぼ横ばい。長期金利は1.529%前後で推移。
◆金は小幅に下落。原油は9日ぶりに反発。

◆9月失業率          →  3.5%
◆9月非農業部門雇用者数   →  13.6万人
◆9月平均時給 (前月比)   →  0.0%
◆9月平均時給 (前年比)   →  2.9%
◆9月労働参加率        →  63.2%
◆9月貿易収支         →  -549億ドル


本日の注目イベント

◆日  9月景気先行指数(CI) (速報値)
◆中   中国8月外貨準備高
◆独   独8月製造業新規受注
◆米   8月消費者信用残高
◆米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演


ドル円は先週末、9月の米雇用統計を受けて107円台を回復したものの勢いはなく、
106円台後半で一進一退の展開でした。
9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数と賃金は市場予想を下回ったものの、失業
率が3.5%と、実に50年ぶりの低水準を記録しました。
また8月分の雇用者数が13.0万人から16.8万人に、7月分も15.9万人か
ら16.6万人にそれぞれ上方修正され、労働市場は引き続き堅調で、「米景気はそ
れほど悪くはない」といった見方が強まりました。
株式市場はこの結果を好感し、ダウは372ドル上昇し、他の主要指数も揃って買わ
れ、ほぼ全面高の様相でした。

もっとも、これまでに発表を終えたISM製造業や非製造業、それにADP雇用者数
の指標が予想を大きく下回っていたことから、市場には「雇用統計も悪いだろう」と
いったマイナス方向のバイアスが掛かっていたことも作用した印象です。
この日はワシントンでパウエル議長の講演もあり、議長は米景気について「米経済は
いくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」と述
べ、雇用統計の結果についても、「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフ
レ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している」と指摘し、
「われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」と語っていま
す。(ブルームバーグ)

労働市場が引き続き拡大基調にあることが確認されたことで、今月末に開催されるF
OMCでの利下げ確率はやや低下しています。
またブルームバーグは、米経済が現在良好に推移しているため、過去2回のFOMC
で利下げに反対票を投じてきたカンザスシティー連銀のジョージ総裁が、「一段の成
長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」と述べたことを伝えていま
す。

今朝のドル円は、先週末のNY市場の引け値よりも、円高方向で取引が始まり「窓明
け」を見せています。これは、中国側が貿易交渉の合意には消極的な姿勢を示してい
ることが報じられたことが主因となっています。
過去数週間に北京を訪問した米当局者との会合で、中国高官は同国が議論したい問題
の範囲はかなり狭まっていると示唆し、劉鶴中国副首相は米国側の要人に対し、中国
の産業政策や政府補助金の改革に関するコミットメントを盛り込まない提案を行うと、
関係者の話として伝えています。(ブルームバーグ)
米中閣僚級協議は今週10日からワシントンで再開される予定ですが、トランプ大統
領はこの協議に対する楽観的な見方を何度も示していますが、まだまだ合意には程遠
いというのが事実のようです。

毎月初旬に発表される重要経済指標を終え、市場の関心は上記米中通商協議のなり行
きに移ります。今月はそれ以降もトランプ大統領の弾劾調査問題やBREXITもあ
り、さらに日米欧の金融政策発表も控えています。
これまでの、107-109円のレンジが1円ほど下方に修正されたように見えます
が、米景気がどこまで粘り腰を見せるのかが基本になろうかと思います。

本日のドル円は106円40銭~107円30銭程度を予想します。


米長期金利低下でドル円106円台半ばへ 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 前日に続き、ISM非製造業景況指数も予想を下回っていたことでドル円は一段と下げ、106円48銭までドル安に。長期金利が急低下したことでドル売りが加速したが、その後107円手前まで戻して引ける。

  • ユーロドルは1.10前後までドル安ユーロ高が進む。ドルに対してユーロは買われたものの、上昇のテンポは緩やか。

  • 株式市場は朝方続落して始まったが、値ごろ感から買いが入り3主要指数とも3日ぶりに反発。

  • 債券市場は続伸し、長期金利は一時1.50%台まで低下。

  • 金は3日続伸。一方景気の減速観測から原油は8日続落。

  • 新規失業保険申請件数       →  21.9万件

【本日の注目イベント】

  • 豪 8月小売売上高
  • 米 9月雇用統計
  • 米 8月貿易収支
  • 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 米 パウエル・FRB議長講演
  • 加 8月貿易収支

昨日のこの欄でも述べたように、注目されたISM非製造業景況指数でしたが、結果は低調で、発表直後から米長期金利が急低下し、ドル円も106円台半ばを割り込む水準まで売られました。その後米株価がプラスに転じたことで、ドル円も106円台後半まで戻っていますが、本日の雇用統計がますます重要な地位を占めてきました。

ISMが発表した9月の非製造業景況指数は、市場予想の「55」を大きく下回る「52.6」となり、節目の「50」は上回っていたものの、約3年ぶりの低水準でした。新規受注と景況指数の伸びが急低下し、雇用指数は過去5年余りで最低水準を記録しています。
製造業の鈍化は以前から指摘されていたものの、これでサービス業にもその影響が波及し、「採用担当者間で、守りの姿勢が強まった」と、ブルームバーグエコノミストは分析しています。今夜発表される9月の雇用者数は14万5000人の増加と予想されていますが、予想を下回るとの声が増えています。

製造業と非製造業での低調な結果を受けて、金利先物市場ではFRBがリセッション回避を図るため年内あと2回の利下げを行うのではとの観測が浮上しています。今月FOMCでの利下げ確率は85.3%まで上昇してきており、12月の利下げ確率も59%に
なっています。今夜の雇用統計が軟調であれば、この確率もさらに上昇するものと思われます。年内のFOMCは今月29-30日に開催され、12月は10-11日に行われます。年内2回ということは、残りの会合全てで利下げが行われるということになり、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は1.25%~1.50%になるということになります。

トランプ大統領はバイデン前副大統領と息子のハンター・バイデン氏に関する調査を、中国の習近平主席は開始するべきだと、ホワイトハウスで記者団に述べています。中国が「長年わが国を食い物にしてきた好条件の取り決め」にあずかったのは、バイデン親子に理由があるかもしれないと、証拠を示さず話したようです。(ブルームバーグ)

ドル円は52日移動平均線を下抜け、昨日この欄で指摘したように、一目均衡表の「雲」に入って来ました。連日あれだけ予想を下回る指標が発表され、長期金利が急低下する状況の中では、ドル売りが強まるのも当然と言えます。「米景気は相対的に好調で、製造業は軟調だが、個人消費が景気を支えている」と言われてきた、この構図が今後崩れるのかが焦点です。FRBが今月のFOMCで利下げに動く可能性が高まってきましたが、今月30-31日に開催される日銀決定会合でも、今度は日銀も動く可能性が高まっています。日銀は今月の会合で、景気と消費の状況を再検証すると述べており、黒田総裁も政策を変更するとすれば、長短金利を動かす可能性を排除していません。9月は日米欧中銀による金融政策が最も注目されたイベントでしたが、今月再びその雰囲気が高まってきました。

昨日は今年5番目の大きさとなる大幅な下げを記録した日経平均株価でしたが、本日は米国株が反発したこともあり、上昇を見込める可能性もあります。だた、円高が進んでいることから大幅な反発は望めないと思われ、ドル円が再びNYでの下値を試すような動きになると、「続落」ということもないとは言えません。本日のドル円は106円30銭~107円30銭程度を予想します。

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熱戦が続き、にわかに増えたラグビーファンに驚く毎日です。日本が出場しない試合でも、2万人~3万人も入る熱狂ぶりです。少なくとも45年以上はラグビーを見てきた筆者にとっても、嬉しい誤算です。テレビで観戦しながら、「日本にこんなにラグビーファンがいたのか・・・?」と思っています。しかも、中には熱狂的なファンの姿も。もちろん、その根底には意1次リーグで負けなしと日本に強さがあることは言うまでもありません。明日はサモア戦です。これまで戦いぶるに見ていると、順当にいけば勝つことでしょう。そして、最後のスコットランド戦で勝てば「Aグループ1位」で決勝リーグに進むことになり、相手は南アフリカになる可能性が高まります。もし2位で決勝リーグに進むようだと、相手は「Bグループ1位」の国となり、そうなるとニュージーランドとなる可能性が高いと言えます。どちらにしても、まだまだラグビーを楽しめる「スポーツの秋」が続きます。良い週末を・・・・・。

NYダウ連日の大幅下落 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 米ADP雇用者数の発表を受けドル円はさらに下落。9月の雇用者数が予想を下回ったことに加え、8月分も下方修正されたことでリスクオフが進み、ドル円は107円05銭まで売られる。

  • ユーロドルも続伸し、1.0963前後まで上昇。

  • 株式市場は景気減速の可能性が一段と高まったとして、大幅に続落。ダウは494ドル下げ、ナスダックも123ポイント下落。

  • リスクオフの流れが一段と強まり、安全資産の債券が買われ、長期金利は1.60%台を割り込む。

  • ドル安が進んだことで金は続伸し、1500ドルの大台を回復。在庫が予想よりも増加していたことを材料に原油は4日続落。

本日の注目イベント

  • 豪 8月貿易収支
  • 欧 ユーロ圏9月総合PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏9月サービス業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏8月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏8月小売売上高
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 9月ISM非製造業景況指数
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演

予想を下回る米経済指標が続いたことで、米景気減速が一段と進んでいるとの見方から、リスクオフの流れが加速しています。ドル円は、昨日この欄で触れたレジスタンスラインの下限である、107円30銭前後を割り込み107円05銭まで円高が進みました。
9月のADP雇用者数が事前予想の「14万人」に対して、「13.5万人」と、予想を若干下回っていました。この程度の差は驚くほどのことはありませんが、市場はむしろ、8月分の下方修正に対して敏感に反応したようです。

ADP雇用者数は、オートマティック・データ・プロセッシングという給与明細のアウトソーシングを受ける会社が発表する民間部門だけに限った雇用統計です。企業が雇用者を一人増やせば、給与明細も一枚増え、解雇されれば一枚減るという具合に、給与明細の数から雇用者の増減を集計しようとするものです。8月分は「19.5万人」から「15.7万人」に下方修正されました。前日にISM製造業景況指数が10年ぶりの低水準を示したこともあり、米景気減速の可能性が一段と高まったことから株価の大幅下落につながっています。ダウは2日間で800ドルを超える大幅安に見舞われ、米長期金利は9月9日以来の1.6%割れとなりました。

リスクオフの流れから円と、米国債、さらには金が買われ、一方リスク資産の株やドルが売られ、景気の減速から原油も売られています。米経済指標にはこれまで以上の注目が集まっていますが、今夜もISM非製造業景況指数の発表があります。8月は製造業が予想を大きく下回ったものの、非製造業が予想を上回ったことで景気減速懸念は一旦後退しましたが、今夜の指標発表には一段と関心が高まっていると言えます。そして、明日には9月の雇用統計が発表され、こちらもさらに注目を集めることになります。
連日の低調な経済指標の発表を受けて、金利先物市場では利下げを織り込む動きも強まってきました。今月のFOMCで25ベーシスの利下げを行う確率は、昨日は62.5%でしたが、今朝は73.4%まで上昇しています。明日の雇用統計がさらに低調だと、この確率はさらに高まることになります。

ジョンソン英首相はEUに新たな離脱案を提出しましたが、この提案にEUが関心を示さない場合には合意なき離脱に進む意志を表明し、昨日行われた保守党大会では2021年にはEUとの関税同盟から離脱する方針を発表しています。一方新たな離脱案を受け取った欧州委員会のユンケル委員長は、「提案には問題点があり、さらなる作業が必要」との認識を示しています。(ブルームバーグ)連日熱戦を繰り広げている「ラグビー・ワールドカップ」では、アイルランドチームは「英領北アイルランド」の選手も含め統一チームとして試合に臨んでいますが、EUとの関税同盟を離脱した場合、EUに加盟しているアイルランドと英領北アイルランドの関税問題はどのようにするのか、課題は残ります。

ドル円は徐々に切り下がって、足元では「52日移動平均線」まで迫ってきました。9月24日、25日の下落もこの線に止められた格好になっており、107円前後が重要な下値のメドの一つと言えます。上でも述べたように今日と明日の経済指標の結果次第ということになりますが、107円を割り込むようだと、次のサポートは106円30銭~106円80銭にある一目均衡表の「支持帯」(雲)ということになります。昨日の日本株は米国株の大幅下落の割には106円安と、健闘していました。本日は米国株の、さらに大幅な下落を受けて、どの位の下げを見せるのか注目されます。シカゴ先物市場では400円ほどの下げを見せています。本日のドル円は106円60銭~107円60銭程度を予想します。


ISM製造業景況指数10年ぶりの低水準 

ひと目で分かる昨晩の動き 
NY市場

◆ドル円は東京タイムから緩やかに上昇し、欧州時間からNY時間
の朝方にかけて108円47銭までドル高が進んだが、その後急速に
値を崩す。9月のISM製造業景況指数が予想を下回ったことで、
107円63銭前後まで売られる。
◆ユーロドルも反発。1.09台を回復し、1.0943まで
ユーロ買い戻しが進む。
◆低調な製造業の指数を受けて株式市場は大幅安。ダウは343ドル
下落し、11セクター全てが下げる全面安に。
◆債券相場は4日続伸。長期金利は1.63%台へと低下。
◆前日大きく売られた金は反発。原油価格は低調な製造業指数に
反応し、3日続落。


◆9月ISM製造業景況指数      →  47.8
◆9月自動車販売台数         →  1719万台

本日の注目イベント

◆米   9月ADP雇用者数
◆米   バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
◆米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演


今週は、週末の雇用統計とともにISM製造業景況指数も注目されていましたが、
昨日発表された同指数が金融市場に大きなインパクトを与えました。
供給管理協会(ISM)が発表した9月の製造業景況指数は「47.8」と、2
カ月連続で節目の「50」を割り込み、2009年6月以来、10年ぶりの低水
準でした。この結果を受け、米景気のリセッション入りの可能性が高まったとの
見方からドル円は売られ、株安、債券高から長期金利も低下しています。
商品市場でも、今後経済活動が鈍化するとの観測から原油が売られ、リスクオフ
の流れに沿って金が買われています。

同指数の内訳を見ると、生産指数が「47.3」と、10年ぶりの低水準を示し、
雇用指数も「46.3」に沈んでいます。
同指数は8月も市場予想を大きく下回り、警戒感が出ていた状況でしたが、10
年ぶりの低水準を示したことで、比較的好調な米景気の中でも「製造業」がすで
にピークアウトした可能性もあり、8月末から9月に掛けて発生した「逆イール
ド」を裏付ける格好になっています。足元の2年債利回りは1.54%台である
ことから、「逆イールド」は発生していませんが、リスクオフが進み長期金利が
さらに低下するようなら、再び発生することも予想されます。
この結果を受けて金利先物市場では今月のFOMCでの利下げ確率も62.5%
まで上昇して来ました。

中国では昨日建国70年を迎え、軍事パレードや習主席の演説など、記念式典を
行いましたが、香港では参加者が全体で数万人に達する大規模な抗議デモが行わ
れました。そんな中、警察とデモ隊が衝突し、香港警察官の発砲により18歳の
高校生が重体となる事態が発生しました。
習主席は演説で、中国本土と香港は一体だと強調し、「一国二制度」は維持して
いく考えを示しましたが、香港でのデモには言及せず、「いかなる勢力も偉大な
祖国の地位を揺るがすことはできない」と、米国を念頭に置いたと思われる内容
の演説を行っています。香港でのデモは収まる気配がなく、さらにデモが過激に
なると、隣接する深釧で待機する軍隊の出動につながる可能性もあり、米中の溝
がさらに深まることにもなります。

ドル円は今回も108円台半ばで上昇を抑えられ反落しています。
先月18、19日にも108円48銭近辺までドル高が進んだものの、108円
50銭を超えられず、今回も同じような動きでした。
108円台半ばが徐々に「壁」になりつつあります。
一方、日足では、4月に付けたドルの高値である112円40銭を頂点に描ける
「レジスタンスライン」を上抜けしたところで推移しており、107円30-4
0銭がサポートになっていると見られます。従って、このレベルをしっかりと下
抜けするようだと、再びドルの底値を探る動きが想定され、逆にここが維持でき
るようなら、再び上昇に転じる可能性もあると見ています。

トランプ大統領に対する弾劾調査問題や「BREXIT」、米中通商協議など、
先行き不透明な問題がありますが、ここは予断を持たずに臨みたいところです。
「BREXIT」を巡っては、ジョンソン英首相は、EU離脱に関する最終案を
2日にEU側に送り、EU当局が積極的に協議に応じない場合は、話し合いの席
を立ち、合意がないまま英国をEUから離脱させると警告しています。(ブルーム
バーグ)

また 閣僚級の米中通商協議は来週、10、11日にワシントンで再開される見
通しですが、それを前に中国の国有企業と民間企業が合わせて最大100万トン
の米国産大豆を購入したことが明らかになっています。米国側には好印象を与え
るものと思われます。
本日のドル円は107円30銭~108円程度を予想しますが、米国株が大きく
下げており、その影響で日本株がどの程度下げるのかにも影響されそうです。
日経平均株価が500円以上下げるようだと、上記レンジの下限を割り込むかも
しれません。


ユーロドル2年5カ月ぶりの安値に 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

◆東京時間では107円台後半まで押し戻されたドル円は
再び108円台に乗せ、108円18銭までドル高に。
◆ユーロドルは続落。ドイツのCPIが低調だったことから
ユーロ売りが強まり、1.0885までユーロ安が進む。
◆株式市場は揃って反発。米政府高官が中国企業の米国での
上場廃止を巡る報道を否定したことが好感された。
ダウは3日ぶりとなる96ドル高で引ける。
◆債券相場は続伸。長期金利は小幅に低下し1.66%台に。
◆金は33ドル安と大幅に下落。ドルが買われたことが背景だが
節目の1500ドルを大きく割り込む。原油は続落。


◆9月シカゴ購買部協会景気指数   → 47.1


本日の注目イベント

◆豪   豪8月住宅建設許可件数
◆豪   RBA、キャッシュターゲット
◆日   8月失業率
◆日   7-9月期日銀短観
◆独   独9月サービス業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏9月消費者物価指数(速報値)
◆米   9月ISM製造業景況指数
◆米   9月自動車販売台数
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米   ボウマン・FRB理事講演 

ドル円は、昨日の東京時間では上値が重く107円台後半で推移していましたが、
NY市場では再び108円台に乗せ、先週末と同じ水準となる108円18銭ま
でドル高が進みました。
今回も、震源地はユーロドルです。ドイツの9月CPIが市場予想を下回ったこ
とで、ECBが追加の緩和に動くとの見立てから「ユーロ売り・ドル買い」が強
まり、ユーロドルは2017年5月以来となる1.0885まで
ユーロ安が進みました。この動きがドル円にも波及し、「ドル買い・円売り」が
優勢となったと見られます。

ドラギECB総裁はFTとのインタビューで、「金利や資産買い入れ、フォワー
ドガイダンスまで全ての措置を調整する用意がる」と強調し、現在の金融緩和は
「財政政策からの支援がなければ、長期にわたり続く可能性がある」(ブルームバ
ーグ)と述べ、政府による財政出動が必要との認識を示し、この取り組みを財政出
動で支援するようユーロ圏加盟国にあらためて呼びかけています。
ただ、ドラギ総裁は今月末で任期を終えるため、加盟国に対してどこまで影響力
が及ぶかは不透明です。ドラギ氏が議長を勤める最後の理事会は今月24日に開
催されます。

香港の民主化運動が再び強まる中、中国は本日建国70周年を迎え、軍事パレー
ドや習近平主席の演説が予定されています。
習主席は前日、国家としての団結を強調し、香港と中国本土の関係は改善すると
表明しましたが、香港でのデモはさらに激化している模様で、本日の演説も注目
されます。金融市場への影響は今のところほとんどありませんが、トランプ大統
領に対する弾劾調査は静かに進行しているようです。
大統領弾劾を調査する下院情報特別委員会は、トランプ氏の個人弁護士である、
ジュリアーニ元NY市長に対し召喚状を送付し、今月15日までに資料の提出を
求めています。また、疑惑の焦点であるウクライナ大統領との電話会談には、ポ
ンペオ国務長官も参加していたとWSJ紙が報じています。
こちらも今後の成り行きを注目したいと思います。

最後は「BREXIT」です。
今月末で期限の来るEUからの離脱を巡り、ジョンソン英首相は、最終的なEU
離脱プランの詳細を24時間以内にEU首脳に提示する見通しだと、英紙テレグ
ラフが報じたようです。合意なき離脱も辞さないとするジョンソン首相はEUか
らの同意も得られず、議会でも不利な立場にいます。残された時間が限られる中、
どのような案を提示するのか、見ものです。

今朝の日経朝刊1面に「GPIF、外債投資拡大へ」と見出しがあります。
世界最大規模の運用資金を誇るGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)が外
債に振り向ける資金を増やすということは「ドル高要因」です。
ただ記事では、国内債券の運用比率が低下していることから、外債を購入し、そ
れにヘッジをかけることで「国内債扱い」にすれば、その運用枠を使えるというも
ののようです。米国債であれば、円でドルを買い、そのドルで米国債を購入する
ことになりますが、同時に先物でドルを
売り、ヘッジすることで為替差損を避けるという手法です。従って、為替市場に
与える影響はニュートラルです。先物でヘッジと言っても、実際には直物(スポ
ット)でドルを売り、その後に「Buy and Sell」のスワップを組むことになりま
す。
厳密に言えば、金利部分も含めてヘッジをかけるのであれば、むしろ「ドル安要
因」になると言えます。

本日のドル円は108円台を維持出来るのかどうかという点に注目です。
先週金曜日から108円台前半は3度示現しています。滞留時間は短いですが、
108円台前半でのドル売り予約を終えていれば、もう一段のドル高水準を狙い
たくなるのが、人情です。ドル売り注文が少ないようだと、108円台を維持し
ながら推移することもないとは言えません。

本日の予想は107円70銭~108円40銭といったところでしょうか。



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信託一本化を整備いたしておりますが、区分管理必要額算出日と追加信託期限に時間差があること
等から、いかなる状況でも必ずお客様から預かった証拠金が全額返還されることを保証するもの
ではありません。ロスカット取引は、必ず約束した損失の額で限定するというものではありません。
通常、あらかじめ約束した損失の額の水準(以下、「ロスカット水準」といいます。)に達した時点から
決済取引の手続きが始まりますので、実際の損失はロスカット水準より大きくなる場合が考えられます。
また、ルール通りにロスカット取引が行われた場合であっても、相場の状況によってはお客様より
お預かりした証拠金以上の損失の額が生じることがあります。お取引の開始あたり、
契約締結前交付書面を熟読の上、十分に仕組みやリスクをご理解いただき、ご自身の判断にて
開始していただくようお願いいたします。