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米大統領演説を受けドル円急反発 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆イランの報復攻撃を受け注目されていたトランプ大統領の声明では
柔軟な姿勢を見せ、イランへの再攻撃の可能性が低下したことでドル円は
急反発。109円25銭までドル高が進み、この日の高値圏で取引を終える。
◆ユーロドルは小動きの中小幅に下落し、1.1102までユーロ安が
進行。
◆株式市場は揃って反発。ダウは161ドル高となり、ナスダックは
最高値を更新
◆債券相場は下落。長期金利は1.87%台まで上昇し、昨年12月
30日の水準に並ぶ。
◆金と原油は昨日の東京時間に急騰したが、NYでは大幅に下落。

◆12月ADP雇用者数     →  20.2万人
◆11月消費者信用残高     →  12.513b

本日の注目イベント

◆豪   豪11月貿易収支
◆中   中国12月消費者物価指数
◆中   中国12月生産者物価指数
◆独   独11月鉱工業生産
◆独   独11月貿易収支
◆独   独11経常収支
◆欧   ユーロ圏11月失業率
◆加   カナダ11月住宅着工件数
◆加   カナダ11月建設許可件数
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   クラリダ・FRB副議長講演
◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演(ロンドン)


「オラ・ラ・ラ・ラ・・・」筆者がまだフランス系の銀行に勤務していた頃、昨日の
様な相場展開があった翌朝には、ディーリングルームに入って来たフランス人の支店
長が、相場を見た途端によく発した言葉です。
「何て相場だ・・・」といったニュアンスかと思いますが、昨日の朝から今朝までの
相場の動きはまさに「オララ相場」でした。年明けの金融市場は、今年もトランプ大
統領の一言一句に大きく踊らされる展開が続きそうです。

昨日の夜、多くのメディアは、イランがイラクにある米軍施設を攻撃したことで、「
一線を超えた」といった論調でした。筆者も同感で、米軍がイランの司令官を殺害し
た後のトランプ大統領の発言は「イランが報復したら直ちに攻撃する。非常に激しく」
と警告しており、イランの出方次第では全面的な武力衝突もあり得るとの印象でした。
もっとも、この発言の背景には今年11月の大統領選を意識した部分もあろうかとは
思っていました。

トランプ氏は昨日の朝方、国民に向けて声明を読み上げ、イランへの追加攻撃を示唆
せず、「イランは行動を抑制している様子だ」と述べました。また、「関係者全てに
とって良いことだ。世界にとって、とても良い」とし、「われわれの軍事力を行使し
たくない」と語るなど、予想に反して柔軟な姿勢を見せました。
イランの報復攻撃を受けてトランプ氏が次にどのような行動を見せるのかが注目され
ていましたが、結局、米国人に被害がなかったことや、米軍施設への被害も限定的だ
ったことを評価し、敵対的な姿勢を封印したものと思えます。
また、軍事衝突となれば少なくとも米軍側にも人的被害が及び、大統領選を控えた今、
出来れば戦闘は避けたいとの考えもあったと思います。

これまでの発言からすると「予想外」のトランプ氏の姿勢に、金融市場では急激な巻
き戻しの動きが出ました。
ドル円は昨日の朝方、「イラン米軍施設を攻撃」の一報が伝えられると108円を割
り込み、107円65銭前後まで急激な円高が進みました。
この時点で、これまでも何度か試しては押し戻されていた107円70-80銭のサ
ポートレベルを割り込みました。筆者も、米国が反撃を行えば、107円割れもあり
得るのではと予想していましたが、NYではトランプ氏の発言を好感し、109円2
5銭まで一気にドルの買い戻しが進みました。昨日は「107円、8円、9円」と、
大台を3つも変えたことに成ります。巻き戻しは為替だけではなく、金価格は昨日の
朝方には1600ドルを超えましたが、1560ドル台まで売られ、さらに昨日の朝
方には65ドル台半ばまで買われた原油価格も60ドルを割り込んでいます。
株式・債券市場でも、株価が大きく上昇し、金利は急上昇しました。
昨日発表された12月のADP雇用者数が予想を上回ったことも、ドルをサポートし
たようです。12月のそれは20万2千人と、予想の16万人を大きく超え、さらに
11月分も6.7万人からほぼ倍増の12.4万人に上方修正されました.
明日の雇用統計を見ないと何とも言えませんが、米国の労働市場は依然として拡大基
調にあるようです。

イランに対する米国の再攻撃の可能性が回避されましたが、今後も米国とイランとは
核問題を巡り対立が続くと思われます。
ひとまず109円台まで戻したドル円ですが、これはあくまでもショートの買い戻し
に過ぎず、110円を目指すにはまだ時間が必要で、投資家が米経済の好調さを再認
識し、ドル買いに向かうには外部環境の落ち着きが必要です。
本日のドル円は108円70銭~109円40銭程度を予想します。

まだドルの上値の方が重いと思われ、リスクはドルの下方の方が高いと思います。


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