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ドル円再び105円台前半に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は再び下落し、105円20銭までドル安が進む。安倍首相の辞任はそれほど材料にはならなかったものの、米実質金利の低下からドルが売られる展開に。

  • ユーロドルでもドル安となり、一時は約10日ぶりに1.1918までユーロが買われる。

  • 株式市場は3指数とも揃って続伸。低金利が長期にわたって継続されるとの観測から株価は上昇し。ナスダックとS&P500は最高値を更新。

  • 債券は反発。長期金利は0.72%台に低下。

  • 金は大幅に反発し、原油は反落。

本日の注目イベント

  • 日 7月鉱工業生産
  • 日 7月小売売上高
  • 独 8月消費者物価指数(速報値)
  • 米 クラリダ・FRB副議長、バーチャル討論会に参加
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演(バーチャル形式)

先週木曜日には、FRBが金政政策に関する新たなインフレ目標を発表したことでドル円は105円台半ばまで売られましたが、その後106円台半ばまで急反発。しかし週末には「安倍首相辞任」の報道から再びドルが売られ、ドル円はNYでは105円20銭までドル安が進みました。荒っぽい展開が続いています。

安倍首相辞任は筆者だけではなく、多くの人が最近の顔色を見て、「政権の座を去るのも近いのではないか」と考えていたと思いますが、このタイミングの辞任は唐突でした。先週金曜日の午後2時過ぎ、辞任の一報が流れると、ドル円は一気に50銭以上のドル安に振れ、日経平均株価は600円を超える下げに見舞われました。アベノミクスの終焉ということで株価が下げ、リスク回避が強まり、ドル安円高に振れたようです。相場はその後やや戻してはいますが、今後「ポスト安倍」を巡る動きに一喜一憂しながら荒っぽい動きが続くと予想されます。「真夏の夜の夢」ならぬ、「真夏の午後の混乱」でした。ただ冷静に考えれば、これで自民・公明の連立政権が崩れるわけでもなく、これまでの政策は継続されると思われます。むしろ、コロナ禍で、あれほど混乱したコロナへの経験を踏まえて、より適切な対応が可能になってくることも予想されます。新しい首相は来月17日にも選出されるようですが、それまで多少混乱はあるかもしれませんが、大きな混乱にはつながらないと思われます。

パウエル議長は先週、2%のインフレ目標を、一定期間の平均として達成する考えを示したことで、9月のFOMCでは新たなガイダンスが発表される可能性が出て来ました。ドル円も乱高下しながらも結局は ゼロ金利政策の長期化や、実質金利の低下傾向を見据える形でドル安が進みそうで、株式市場は低金利の長期化を歓迎するかのように上昇しています。ただ9月のガイダンスの変更については幾人かの地区連銀総裁から異論も出ています。ダラス連銀のカプラン総裁は28日ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「新型コロナウイルスの動向をより明確につかみたい。フォワードガイダンスはこれまでに十分示してきたと考える」と述べ、「年内と来年は政策金利を低水準で維持するとすでに示している。私はここである程度、自制した方がいいと思う」と語っています。また、クリーブランド連銀のメスター総裁も28日ヤフーファイナンスとのインタビューで、「経済見通しを踏まえ、しばらくは低金利が続くとした米金融当局のメッセージは、誰もが受け取り、そのように想定している」と語り、さらにセントルイス連銀のメスター総裁も「金融政策は現在の状況に照らして適切だ」との考えを示しました。メスター総裁は、「政策金利は低く、長期にわたり低く保つ方針だ。市場も長期の低金利を予想している」とも述べています。(ブルームバーグ)新たなガイダンスの変更は別としても、このように多くのFOMCメンバーは低金利の長期化は必至と見ていることははっきりとしており、これは今後ドル安と株高が進行する可能性が高いことを示唆していると考えることが出来ると思います。

ドル円は多少値を戻していますが、チャートでは短い「1時間足」から長い「月足」まで全ての足で雲がローソク足の上に位置しており、下落基調であることを暗示しています。105円前後や104円台前半では何度も押し戻されてきましたが、チャートでは「月足」の120カ月移動平均線が104円前後にあり、これが最大のレジスタンスと見られます。急激な円高はないとしても、緩やかな円高の可能性は高いと予想されます。日本の政局は材料にはなりにくく、やはり米大統領選の行方が相場を左右するのではないかと
考えます。本日のドル円は105円~106円程度を予想します。

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米7月新築住宅販売予想を上回る 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は106円台を回復し、106円58銭まで上昇。新築住宅販売件数が予想を大きく上回ったことや、長期金利の上昇などが材料に。

  • ユーロドルは終始1.18台で推移。1.1843まで買われたが、直近レンジの中央近辺で一進一退。

  • 株式市場はまちまち。ダウは反落したものの、ナスダックとS&P500は続伸し、これで4日連続の最高値更新。

  • 債券相場は続落。長期金利は0.68%台へと上昇。

  • ドルが買われたことから金は続落。原油はハリケーン「ローラ」の接近から買われ、約5カ月ぶりの高値に。

本日の注目イベント

  • 日 6月景気先行指数(CI)(改定値)
  • 米 7月耐久財受注

ドル円は再び106円台を回復し、NY市場では106円台ミドルまでドル高が進んでいます。7月の新築住宅販売件数が前月比13.9%増の90万1000戸と、約14年ぶりの高水準だったことが好感されました。低水準の住宅ローン金利が追い風となり、加えて株高による資産効果もあり、今のうちに住宅を購入しようとする人が急増しているようです。ある住宅業者は、「5月以降は打ち上げロケットのような勢いだ」と述べており、「現在の需要はとどまること知らない」と語っています。ブルームバーグによると、市場が強すぎるため、在庫の枯渇を防ぐ必要がある建設業者は、販売ペースを落とすため価格引き上げを余儀なくされていると報じています。住宅を購入すると、それに付帯する家具の購入など、個人消費の拡大につながる傾向があり、コロナ禍で急激に落ち込んだGDPを、今後押し上げる効果も期待できます。

トランプ政権の中国に対する圧力は強化の一途をたどっていますが、そんな中、米通商代表部(USTR)は昨日、中国と閣僚級の貿易協議を行ったと発表しました。今年2月の「貿易協議第1段の合意」に基づいた進展度合いを検証する会合で、米国側からはライトハイザーUSTR代表とムニューシン財務長が、中国側からは協議の責任者である劉鶴副首相が電話で協議した模様です。
2月の合意では、中国が2年間(2020年~2021年)で、対米輸入を2000億ドル(約21兆円)増やすとしたことを検証したようで、新型コロナウイルスの影響から遅れているため、米国側は輸入を早めるよう促したと見られます。ただ米中間ではその後の第2段の貿易協議の予定は全くたっていません。トランプ大統領は中国の出方次第では「断交」も辞さない姿勢を見せており、大統領選挙でどちらの候補が勝利するかといった点も含め、先行きが全く読めない状況です。

ドル円は今週に入ってからは105円台半ばを底値にジリジリと上昇しており、足元では「1時間足」の雲が支えになっています。106円台半ばから107円が「抵抗帯」と見られ、ここから107円に向かうのか、あるいは再び105円台に押し戻されるのか、見極めたいところです。ドルの下値もなかなか底堅いようで、小刻みに利益を取っていくしかありませんが、今後11月の米大統領選までは上値も下値もあろうかと思います。それでも基本はやはり緩やかなドル安傾向を排除できないと思います。8月も、今日を含め4営業日を残しますが、104円~108円のレンジの中で、108円もないとは言えませんが、リスクとしては104円を割り込むリスクの方がより高いと考えます。

本日のドル円は106.00銭~106円80銭程度を予想します。

27日(木)、28日(金)の「アナリストレポート」はお休みとさせていただきます。
ご愛読者の皆様にはご不便をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

NYダウ、半年ぶりの高値に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は小動きの中、長期金利の上昇に伴いドル買いが優勢に。106円近辺までドルが買われ、この日の高値圏で引ける。

  • ユーロドルは反発。1.18台を回復し、1.1849までユーロ高が進む。

  • 株式市場は大幅に続伸。トランプ政権が新型コロナのワクチンと治療薬の承認を優先するとの期待からダウは378ドル高。ナスダックとS&P500は3日連続の最高値更新。

  • 債券相場は3日ぶりに反落。長期金利は0.654%台に上昇。

  • 金は売られ、原油は2つのハリケーンの接近を手掛かりに買われる。

本日の注目イベント

  • 独 4-6月期GDP(改定値)
  • 独 8月ifo景況感指数
  • 米 6月ケース・シラ-住宅価格指数
  • 米 6月FHFA住宅価格指数
  • 米 7月新築住宅販売件数
  • 米 8月消費者信頼感指数
  • 米 8月リッチモンド連銀製造景況業指数
  • 米 デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、パネルディスカッションに参加

力強い上昇を見せる米株式市場がけん引する形でややリスクオンが強まり、債券が反落し、長期金利の上昇に伴ってドル円も小幅ながら買われ、106円前後まで上昇しています。昨日の本欄でも述べたように、トランプ政権が新型コロナウイルスのワクチンと治療薬の使用に向けた動きを加速させるとの見方が好感され、株価の大幅上昇につながっています。またジョーンズホプキンス大学の集計によると、米国内の新型コロナによる感染者数は鈍化しており、フロリダ州では新規感染者数が6月半ば以降最少となり、カリフォルニア州でも新規感染者数は4946人と、過去14日の平均である7622人を大きく下回ってきました。ただ、一方ではニュージーランドでは、国内最大の都市であるオークランドのロックダウンを当初の予定より4日延長し、30日深夜までとしました。また、感染が鎮静化した欧州では、感染拡大の第2波が押し寄せ、フランスでは過去24時間の新規感染者が1955人と、4カ月ぶりの多さになっています。(ブルームバーグ)

共和党全国大会が開幕しました。トランプ氏とペンス氏が正式に大統領、副大統領候補に指名されることになっており、27日の最終日には受諾演説を行う予定です。トランプ氏は正式指名を受ける前に政策の概要を発表し、バイデン氏と闘う姿勢を見せています。政策の柱は「アメリカ・ファースト」をさらに強力に推し進め、雇用を創出することと、中国への強硬策を前面に出したことです。中国から雇用を米国に移す企業に対して減税を行い、そうでない企業には増税を課す可能性もあります。「中国に新型コロナの責任を取らせる」と明言しており、「中国への依存を終わらせる」とも述べています。さらに「中国が私たちを適切に扱わないなら、きっと私は中国との関係を切り離すだろう」とFOXニュースのインタビューで答え、中国との断行も辞さない姿勢を見せています。また米国内での雇用を10カ月で10万人創出するとも述べており、具体的な政策の内容は受諾演説の際に明らかになる模様です。
そして昨日は「今回の選挙は米国大統領選挙の歴史で、最も重要な選挙になる」、「民主党に政権を渡してはならない」と、再選に強い意欲を見せていました。

本日は住宅関連の指標が多く発表されますが、大きな値動きにはつながらないと思われます。市場は、27日のジャクソンホールでのシンポジウムで行われるパウエル議長の講演に注目が集まっています。パウエル議長はFRBがかねてから取り組んでいる金融政策の枠組み見直しについて話す予定で見直しでは新たなインフレ戦略に重点が置かれていると見られ、注目されています。(ブルームバーグ)

本日のドル円は105円70銭~106円40銭程度を予想します。

ユーロドル10日ぶりに1.17台半ばに 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は良好な米経済指標を受け106円台を回復する場面があったものの維持できず、105円65銭まで下落。

  • ユーロドルは大幅に反落。中古住宅販売などが予想を上回ったことで、ドル買いユーロ売りが加速し、1.1755までドル高に。

  • 株式市場は3指数とも揃って続伸。製造業PMIなどが予想を上回ったことでダウは190ドル高。ナスダックとS&P500は最高値を更新。

  • 債券相場は続伸。長期金利は0.62%台へと低下。

  • 金は小幅高。原油は続落。

本日の注目イベント

  • トルコ 7月消費者物価指数 
  • 米   共和党全国大会(27日まで)
  • 米   米郵政公社総裁、下院委員会で証言

ドル円は105円~106円前後で一進一退を繰り返していますが、相変わらず好調なのが米株式市場です。米国では運用者が基準として注目している一方、日本ではやや地味に捉えられているS&P500が先週末も11ポイント上昇し、週間ベースでは4週連続のプラスと、今年に入って最長の連続上昇を記録しています。また、ナスダックは6月末に1万の大台に乗せたばかりですが、すでに1万1311ポイントと11.3%上昇していることになります。アップルやアマゾンなど、ハイテク株が記録的な上昇を見せていることが指数を押し上げています。

民主党全国大会でバイデン氏が正式に大統領候補となったことで、11月の大統領選を巡る報道も俄然増えてきました。バイデン氏は指名後の演説で、「独裁者をもてはやすのは終わりにしよう。私は見て見ぬふりをしない。尊厳と人権のために立ち上がる」と、トランプ大統領を厳しく批判し、米国を正しい方向に導くと、自信を示しました。一方当初、21~24日までと予定されていた共和党全国大会も、本日から4日間の日程で行われます。トランプ氏は4夜全てに登場し演説するようです。開幕前にCBSが実施した調査では、共和党員の75%は米国が4年前より良い状態にあると答えています。また、新型コロナへの米国の対応は「うまくいっている」との回答は70%に上り、17万5000人を超えた国内の死者数についても57%が「許容範囲」との見方を示したとしています。(ブルームバーグ)米国での新型コロナウイルス感染拡大はやや鈍化してきてはいるものの、このままでは11月の大統領選では有権者による郵便投票も避けられない見通しです。下院は22日、郵政公社向けに250億ドル(約2兆6400億円)の追加資金を配分する法案を可決しましたが、共和党のマコネル院内総務は上院では取り上げない考えを示し、ホワイトハウスは拒否権を発動する方針だと表明しています。

今週はそれほど重要な経済指標の発表はないことから、上記共和党の全国大会でのトランプ氏の演説も焦点の一つになるかもしれません。再選後の経済対策や景気回復に大規模な財政支出をぶち上げるかもしれません。また新型コロナ対策も重要なポイントになりそうです。トランプ政権はすでに、新型コロナウイルス感染症から回復した人の血漿((けっしょう)を使った治療法が、米当局から緊急使用許可を取得したことを発表するとしています。また治験の最終段階に来ている英アストラゼネカとオックスフォード大学が開発中のワクチンについて、英国で比較的小規模な試験が成功すれば、米国での通常の規則基準を迂回し、大統領選前にも実用化することを検討している模様です。

ドル円は先週20、21日とも106円台に乗せると押し戻される展開が続き、106円前半がやや「壁」になりつつあります。ユーロ圏の経済指標が軟調だったことを受けて、利益確定のユーロ売りドル買いが進み、ユーロ円などのクロス円は水準を切り下げています。ユーロドルでドル高が進んだことからドル円もう少し買われ、106円台で推移してもおかしくはない状況ですが、上値は依然として限定的です。ユーロドルが再び1.18~1.19に向かうと、ドル円が下落するリスクもあるため、今後もユーロドルの動きには注目です。ユーロドルは約3週間、1.17台を割り込んでいないことから、この前後が重要なサポートです。本日のドル円は105円40銭~106円20銭を予想します。


ナスダック、S&P500連日で最高値を更新 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は小幅に反落。新規失業保険申請件数が予想外に
増加していたことで、米労働市場の回復には時間がかかる
との見方からドルが売られた。ドル円は105円75銭まで
下落。
◆ユーロドルも反落。1.18台は維持したものの、利益確定の
ユーロ売りと、独仏でのコロナ感染拡大が重石に。
◆株式市場は3指数とも揃って上昇。テスラ株が上昇をけん引し、
ナスダックとS&P500は連日の最高値更新。
◆債券は反発し、長期金利は0.65%台に低下。
◆金は大幅に続落。原油も反落。

◆新規失業保険申請件数         →  110.6万件
◆8月フィラデルフィア連銀景況指数   →  17.2
◆7月景気先行指標総合指数       →  1.4%

本日の注目イベント

◆日  7月消費者物価指数
◆独   独8月製造業PMI(速報値)
◆独   独8月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏8月総合PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏8月製造業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏8月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏8月消費者信頼感指数(速報値)
◆英   英8月製造業PMI(速報値)
◆英   英8月サービス業PMI(速報値)
◆英   英7月小売売上高
◆米   7月中古住宅販売件数
◆米   8月マークイット製造業PMI
◆米   8月マークイットサービス業PMI
◆米   8月マークイットコンポジットPMI
◆加   カナダ6月小売売上高

ドル円は106円台が維持できず小幅に反落しましたが、基本的には動きもなく
静かな1日でした。発表された新規失業保険申請件数が予想外に増加していたこ
とが手掛かりとなり、金利が低下したことでややドルが売られた格好です。
申請件数は前週より13万5000件増えて、110万6000件でした。市場
は92万件の予想だったことで、労働市場の回復には時間がかかるといった見方
が強まり結局、前日公表されたFOMC議事録の内容が正当化された形になりま
した。ただ、クドロー国家経済会議(NEC)委員長は依然として強気の見方を
維持し、FOXとのインタビューで、「米経済は、第3、4四半期それぞれ20
%以上成長する」との予想を示しています。

大規模な追加景気対策を巡って米議会では与野党の対立が続いていますが、民主
党穏健派の下院議員らがペロシ下院議長に対し、暗礁に乗り上げている共和党と
の協議を再開するよう圧力を強めていると、ブルームバーグが報じています。
米激戦区選出の、財政規律を重視する民主党議員26人からなる「ブルードッグ
連合」は、ペロシ下院議長とシューマー民主党院内総務らに対し書簡で、「下院
が米郵政公社を保護する法案の今週末の採決を準備する中で、この公衆衛生・経
済危機の規模に見合う新型コロナウイルス感染症第5次救済パッケージに関する
超党派の両院交渉を再開するよう要請する」としており、20日に送付される予
定とのことです。

追加の景気対策はその規模を巡って両党が折り合わず、今月中の合意は微妙な状
況になっています。また本日より開催される共和党全国大会を前に、トランプ大
統領は、2020年大統領選で再選された場合、海外から国内に雇用を戻すこと
を拒否する企業に関税を課すと警告しました。トランプ氏は遊説先のペンシルベ
ニアでのイベントで、「米国に雇用を戻す企業には税額控除を与え、そうしない
企業にわれわれは関税を課す。多額の支払いが必要になるだろう。それでは彼ら
はどうするだろうか。雇用を戻すことになろう」と語っています。
新型コロナウイルス感染拡大により、製造業に従事するブルーカラーの失業率は
高まっています。
特に「ラストベルト」と言われるミシガンやオハイオ州などでは、自動車メーカ
ーが販売不振に陥っており、大規模なレイオフが実施されています。
この日のトランプ氏の発言は、大統領選を前に、これらブルーカラーを意識した
発言かと思われますが、現時点では詳細は分かっていません。

ドル円は104円台~107円台でのレンジが続くと予想しています。
ドルの上値の方が「より重い」とは見ていますが、それでも今週目の当たりにし
たように、105円近辺や、さらに下方の104円近辺ではドル買い需要も見受
けられます。上値も下値も、その壁を突き破るだけの決定的な材料がないという
のがその理由ですが、9月に入ればコロナの感染状況も変化し、中銀による金融
政策の見通しもより明確になってくるかと思われ、ドル円も上記レンジを抜ける
可能性が出て来ます。またその頃には、米大統領選の予測に関する報道も相場に
より影響を与えるようになると思います。現時点で「バイデン氏有利」は動かな
いところですが、トランプ氏との差は徐々に詰まってきており、専門家の予想で
は、「隠れトランプも5%ほどいる」との見方もあります。だとすると、バイデ
ン氏との支持率の差は2~3%程度となり、2016年のトランプ氏勝利もそう
でしたが、結果は最後まで分からないということです。

本日のドル円予想レンジは105円30銭~106円20銭程度とします。



ドル円106円台に反発 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は大幅反発。昨日の東京市場の朝方には105円10銭
まで売られたが、NY市場では106円15銭まで急反発。
今朝方公表されたFOMC議事録がトリガーに。
◆ユーロドルは反落。前日1.19台半ばを超えたユーロドルは
利益確定の売りも伴い、1.1830まで下落。
◆株式市場は3指数とも揃って下落。FOMC議事録で、今後の景気
回復道筋に弱気の見方が台頭。ダウは85ドル下げ、3日続落。
◆債券相場はFOMC議事録を受け下落。長期金利は0.68%台
へと上昇。
◆金はドルが買われたことで大幅に反落。原油は小幅に上昇。

本日の注目イベント

◆独   独7月生産者物価指数
◆欧   ECB議事要旨
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   8月フィラデルフィア連銀景況指数
◆米   7月景気先行指標総合指数
◆米   デイリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
◆米  企業決算 → アリババ

ドル円は昨日の朝方、前日のNY市場でドル安が進んだことを受け、東京市場開始直後
に105円10銭まで売られ、105円を割り込むかどうかが焦点の一つでしたが、N
Y市場ではドルが大きく買い戻され、106円15銭まで上昇しました。約1円ものド
ル高円安の展開でした。長期金利が上昇し、金利高に反応した側面はありましたが、今
朝方公表されたFOMC議事録で下半期の景気回復に対する楽観を弱め、金利ガイダン
スを明確にする用意があるとの姿勢を後退させたことが「株安・金利高」を醸成した形
になりました。

先月27-28日に開催されたFOMCでは、「今会合より後の金融政策の見通しにつ
いては、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジはたどる可能性の高い道筋に
関して明瞭さを高めることが、ある時点で適切となると、幾人かの参加者が指摘した」
と記されています。また予想されたことではあったが、「新型コロナウイルス感染拡大
が経済活動を顕著に抑制している間は、新たなガイダンスを示す必要性は低下している」
と、幾人かのメンバーが示唆しているとも記されていました。(ブルームバーグ)
市場は今回公表された議事録には新たなフォワードガイダンスの強化などが議論されて
いるとの見方があり、公表後にはやや失望感から株や債券が売られたようです。

トランプ政権は中国に対する包囲網を強化し、中国政府要人に対する制裁やファーウェ
イなど中国IT企業の完全締め出しを図るなど、着々と強硬策を押し進めています。
その中心にいるのがポンペオ国務長官と見られますが、ポンペオ氏は先週講演で、「中
国はかつてのソ連よりも手ごわい」との認識を示していました。
米中の緊張の高まりはそう簡単に緩和する見込みはなく、「新冷戦」は長引くとの見方
が適切と思いますが、一方で「朗報」もありました。
米中両国は、貿易協議第1段階の合意発効から6カ月の節目に合わせて、履行状況を点
検することになっていましたが、延期されていました。
今回、まだ日程は決まっていないものの、協議自体は近く開催されるとブルームバーグ
は報じています。トランプ大統領は「習近平主席とは会いたくない」と明言しており、
米中貿易協議のその後の予定は全くたっていませんが、ひょっとすると「バイデン次期
大統領」に委ねられるかもしれません。昨日正式に民主党の大統領候補に決まったバイ
デン氏は中国政策について、「同盟国と共同で圧力を
かける」ことを表明しており、トランプ氏よりはやや柔軟な姿勢を見せています。ただ、
民主党の中にも中国に対する強硬策を支持する議員も多くおり、対中政策をモデレート
なものに変えるわけにもいかない事情もあります。
一方の中国は、大統領選でのトランプ氏の敗北を望んでいることは周知の事実です。

ドル円は再び106円台まで反発し、下値の方も「なかなかしぶとい」と言えます。
先月末も104円19銭まで売られた後、急速に2円ほど戻しており、個人的には「ド
ル安傾向」は不変と見ていますが、ドルの底値が固いのも事実です。
104~107円程度のレンジを形成しているのかもしれませんが、引き続き焦点はユ
ーロドルの動きです。ユーロドルが1.2を超えて上昇するようなら104円割れの可
能性もありますが、1.2に届かなく、再び1.15を目指すようなら108円に向か
うこともないとは言えません。やはり、こまめに利益を確定していくことが肝要かと思
います。

本日のドル円は105円60銭~106円50銭程度でしょうか。


ユーロドル2年3カ月ぶりに1.19台半ばに 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル安が進み、ドル円は105円29銭まで売られる。
ユーロドルでユーロが買われたこともあり、円を買う動きが優勢に。
◆1.19台に乗せると売られてきたユーロドルは、節目を抜けると
一段と上昇し、1.1966まで買われる。
◆ハイテク株が買われ、ナスダックとS&P500は揃って
最高値を更新。ダウは66ドル売られ、続落。
◆債券は買われ、長期金利は0.66%台へと低下。
◆金は続伸し、2000ドルの大台を回復。原油は変わらず。

◆9月住宅着工件数   →  149.6万件
◆9月建設許可件数   →  149.5万件

本日の注目イベント

◆日   7月貿易収支
◆朝   北朝鮮、朝鮮労働党中央委員総会
◆欧   ユーロ圏7月消費者物価指数
◆英   英7月消費者物価指数
◆米   FOMC議事録(7月28-29日分)
◆米   バーキン・リッチモンド連銀総裁、ウェブ会議に参加

やはりユーロの上昇傾向は変わっていなかったようです。
これまで2度、1.19台に乗せると上昇が抑えられ、先週には1.17台前半
まで押し戻される展開が続いていましたが、昨日のNYではついにそのレジスタ
ンスゾーンを抜け、一気に1.1966までユーロ高が進みました。2018年
5月以来となる高水準です。

ドイツの製造業を中心に、景気底入れを示唆する経済データがユーロ買いにつな
がっており、足元のコロナ騒動が収束すれば、日米欧で最も早く景気回復が望め
るとの見方が支えになっています。中国の景気がいち早く回復基調にあることも、
特に中国への輸出依然度が高いドイツにとっては追い風となっており、7月21
日の「復興基金」創設でユーロ買いが加速してから、ユーロドルはすでに500
ポイント以上も上昇しています。
次の目安は1.2を突破できるかどうかですが、「大台」ということもあり、再
び手前で足踏みすることも予想されますが、依然ユーロには強気の姿勢を維持し
ています。チャートでもすでに「週足」では、全てのレジスタンスを上抜けして
おり、「月足」の一目均衡表の雲の上限が1.21台後半にあることから、仮に
1.2台を回復したらこの水準が目先の「最大の難所」と予想しています。
一方105円台前半まで売られてきたドル円はユーロに比べ、「上昇スピード」
は遅く、その分、ユーロ円が上昇していますが、105円前後が目先の下値のメ
ドで、そこが抜けたら7月31日に記録した104円19銭辺りということにな
ります。前回この水準を付けた頃のセンチメントは、「104円を抜けて102
.3円程度まで円高が進む」といった見方が優勢でした。しかし、実際にはその
日のNYで106円近辺までドルが急反発し、その後106円台後半までドルが
買い戻されたことは記憶に新しいところです。従って、このままドル安円高が大
きく進むという見方は、現時点では想定しにくいと考えます。

とは言っても、昨日のNYではナスダックとS&P500が再び「最高値」を更
新し、売られていた金(きん)も2000ドル台を回復してきました。
原油も高止まりしており、仮想通貨の「ビットコイン」も昨日は売られてはいま
すが、1万2000ドル台です。ドルから他の市場に資金が流れていると見られ、
ドル安傾向は変わっていないと考えられます。

昨日から始まった民主党全国大会では、バイデン氏とハリス氏が正式に正副大統
領候補に選出される見通しです。
ハリス氏を副大統領候補に指名したバイデン氏は、折からの人種差別問題の高ま
りや白人主義が批判される中、リベラルで、公正、公平を米国民にイメージさせ
たことで、選挙戦を有利に闘っています。特に、ヒスパニック系や黒人系の支持
を集めやすいと考えられます。加えて、昨日のオンライン大会にはコロナ対策で
人気をはくしたNY州知事のクオモ氏が登場しました。
クオモ知事は「分断がトランプ氏を生み、トランプ氏がそれをより深刻にした」
と述べ、多くの支持者から賛同を得ていました。
一時はトランプ氏に10ポイント程の差を付けていたバイデン氏でしたが、ここ
に来てトランプ氏が猛追しており、その差が7ポイント程に縮小していると言わ
れていますが、バイデン氏は「ドナルド・トランプを、1期限りの大統領にして
みせる」(日経新聞)と、自信を見せています。
大統領選まで2カ月余りです。両氏の政策の違いも徐々に明確になってきました。
特に税制では法人税の引き上げや富裕層への課税強化などを明言しているバイデ
ン氏が「当確」となると、株式市場が反応し、それに伴ってドル円も動く可能性
があります。21日から24日までの予定で共和党全国大会も開催されます。
いよいよ米大統領選を巡る市場の反応も顕著になってくると思われます。

民主党のペロシ下院議長は、ホワイトハウスとの景気対策協議が行き詰る中、党
として現在要求している
規模3兆5000億ドル(約368兆円)を半減することに前向きな姿勢を示し
ています。民主党が以前検討した2兆ドル未満の規模で交渉する用意があると、
ブルームバーグは報じています。
ただ、ホワイトハウスが主張する規模は1兆ドルで、依然としてその規模に大き
な差があることが懸念されます。

本日のドル円は104円70銭~105円60銭程度を予想します。



NY金7年ぶりの大幅下落 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は反発し106円台半ばまで上昇。米長期金利が上昇したことを手掛かりにドルが買われ、106円68銭までドル高が進む。

  • ユーロドルも反発。独ZEW景気期待指数が予想を上回ったことを好感し、1.1807まで上昇。

  • 株式市場は下落。朝方ダウは続伸して始まり、2万8000ドル台を回復する場面もあったが、景気対策の不透明感から引けにかけて急速に値を下げる。ダウは104ドル下げ、ナスダックも続落。

  • 債券相場は続落。長期金利は0.66%台まで上昇し、0.64%台で引ける

  • 金利の上昇を受けて金は大幅に下落。前日比93ドル下げ、2000ドルを大きく割り込む。原油価格も小幅安。

本日の注目イベント

  • 豪 8月ウエストパック消費者信頼感指数
  • 欧 ユーロ圏6月鉱工業生産
  • 英 6月鉱工業生産
  • 英 4-6月期GDP(速報値)
  • 英 6月貿易収支
  • 米 7月消費者物価指数
  • 米 7月財政収支
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁、質疑応答に参加
  • 米 デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、オンライン討論に参加

本来、リスクが高まると買われる米国債や金、それに円やスイスなどの安全通貨が、昨日は揃って大きく売られる展開でした。では昨日は「リスクオフ」が強まったかと言えば、そうでもないようです。「リスクオンの後退」といったところでしょうか、あるいはこれまで積み上げたポジションの巻き戻し、言ってみれば「利益確定の動き」といった方が適切なようです。

ドル円は予想した以上に反発し、106円68銭まで上昇。上値が重い中、7月24日以来のとなる高水準を付けています。一時は0.5%前後まで低下した米10年利回りが昨日は0.66%台まで上昇(価格は下落)したことから、「日米金利差の拡大に着目したドル買い」との説明でしたが、金利差の広がりはせいぜい0.1%程度。やや説得力に欠けるようです。やはりこれまでのポジションの巻き戻しが、より「しっくり」きそうです。昨日は特に連日上昇を続けていた金が大きく売られました。先週木曜日には2081ドル台まで買われた金は、昨日は1946ドル台で終わっています。前日比93ドルの下落は、実に7年ぶりの下げ幅ということです。上げ続ける相場はないということが改めて確認された格好です。

もっとも、その伏線になったのが、合意が近いと見られていた景気対策を巡る協議の混乱です。マコネル共和党上院院内総務が「景気対策協議が行き詰っている」と発言したことが響いているようです。与党共和党と民主党は引き続き協議を続ける模様です。 
そんな中、民主党大統領候補のバイデン氏は11月の大統領選を共に闘う副大統領候補にカマラ・ハリス上院議員を選びました。
ハリス氏は民主党の大統領候補指名争いではバイデン氏と闘ってきた人物ですが、当選すれば初の女性副大統領となるばかりか、人種的マイノリティとしても初の副大統領になります。バイデン氏はハリス氏を選んだ理由として「賢く、意志が強い。それがカマラだ」と述べていましたが、白人主義や人種差別に抗議する嵐が吹き荒れている中、逆風に苦しんでいるトランプ大統領を目の当たりにしていることで敢えてハリス氏を選び、リベラルな姿勢を見せたとも考えられます。来週17日から始まる「民主党全国大会」で、正式に民主党としての正副大統領候補が決まることになります。

ロシアが世界初となる新型コロナウイルスのワクチンを開発したと報じられています。ただ大規模な治験を完全に終えておらず、プーチン大統領は要請があれば世界に供給すると述べていますが、安全性に懸念が残るとも報じられています。 一方で世界のコロナ感染者はついに2000万人を超えました。米国がその4分の1を占めていますが、続くブラジル、インドの上位3カ国で世界の感染者数の半分を占めています。感染の拡大は続いており、1日で20万人を超える新たな感染者が出ている状況です。

台湾に厚生長官を送るなど、トランプ政権は対中強硬策を矢継ぎ早に実行していますが、今後さらに考えられる制裁を講じると見られています。トランプ氏は昨日もメディアとのインタビューで、中国との貿易交渉について、「中国ウイルスで彼らがわれわれにしたことの結果、現時点で私が最も考えそうにないのは、中国との第2段階合意だ」と述べ、中国の習近平主席とは、「長い間話していない。あの疫病が中国からやってきた時点で、関係が変わった」と語っています。香港では中国に批判的なメディアのトップが逮捕されたのに続き、民主化運動の先頭に立って闘ってきた周庭さんも逮捕され、世界から批判を浴びています。この様な状況の中、今後さらに中国に対する制裁を強めるとすれば、「伝家の宝刀」である関税引き上げを再びちらつかせる可能性もありそうです。

本日のドル円は底堅い動きになりそうです。上値は日足の「120日線」のある106円90銭~107円のゾーンが抜けるかどうかですが、まだ上値の重さは不変と見ています。予想レンジは106円~106円90銭程度でしょうか。


NYダウとS&P500は7日続伸 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は先週末の雇用統計発表後に106円台を回復し、その後105円台に押し戻されたものの、再び106円台に。コロナ感染の鈍化傾向や景気対策を好感し、ドルが底堅く推移。

  • ユーロドルは1.19台を示現してからは軟調に推移。1.1736まで売られ、終始1.17台で推移。

  • 株式市場はまちまち。ダウとS&P500は7日続伸したが、ナスダックは下落。

  • 債券相場は続落。長期金利は10日ぶりに0.57%台まで上昇。

  • 金は3日ぶりに反発。原油も反発。

本日の注目イベント

  • 豪 7月NAB企業景況感指数
  • 日 6月貿易収支
  • 日 6月国際収支
  • 日 7月景気ウオッチャー調査
  • 独 8月ZEW景気期待指数
  • 英 失業率(4月ー6月)
  • 米 7月生産者物価指数
  • 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、オンライン討論に参加
  • 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁、オンライン討論に参加

米国では国内のコロナ感染の拡大傾向に変化が見られ、景気対策への期待と共に株価を押し上げています。新型コロナウイルス感染者数は500万人を超えていますが、ニュージャージー州など、これまでに打撃の大きかった州の一部で改善傾向が見られています。ホワイトハウスと民主党は、景気対策の規模や内容を巡って対立を続けていますが、トランプ大統領が失業給付金の拡充や家賃未払いを理由に立ち退きを猶予する措置などに関する大統領令に署名を行い、財政支出の権限は議会が握っていることはありますが、一歩前進した格好です。景気対策についても、ムニューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長がここに来て、前向きな姿勢を見せていることから、合意は可能との見方が強まっています。

この様な状況を好感し、NY株式市場ではダウが連日上昇を続け、昨日も357ドル高と、これで7日続伸です。この間の上昇幅は1478ドル(5.61%)に達し、2月24日以来となる2万7000ドル台を付けています。ハイテク株を中心とするナスダックは先週、連日で最高値を更新していましたが、ナスダック指数に比べて出遅れていたダウ指数に資金が向かってきたと見ることも出来そうです。ただ一方で、コロナ禍での世界的な株価の上昇に加熱の兆しも出てきたとブルームバーグは報じています。時価総額でみた世界の株式市場が、ドルに換算した世界経済を規模で上回ったことで、市場は過熱している兆候との見方も出ているようです。
世界の株式市場は9日時点で時価総額が87兆8300億ドルに到達し、2019年の世界のGDP、87兆7500億ドル(2019年末時点での世界の名目GDP:世銀まとめ)を超えたと報じています。2005年以降、過去2回同じような状況が出現していますが、いずれもその後大幅な調整局面を迎えているのは、興味深い事実のようです。

トランプ政権は中国に対する強硬姿勢をさらに強め、9日トランプ政権のアザー厚生長官が台湾を訪問しました。1979年の断交以来、米政権では最も高位にある立場の人の台湾訪問となり、中国は猛反発を見せています。トランプ政権はこれに先立ち、香港の民主化を巡り香港政庁のトップであるキャリー・ラム長官を含む11人の制裁を発表しています。これに対して中国側も対抗措置を発表していますが、台湾の空域に軍機を飛ばし、東シナ海にある浙江省舟山群島周辺で実弾射撃訓練を行うと発表するなど、米中関係はさらに激化しています。米国の中国専門家の中には、「米中関係はすでに修復不能な段階にまで来ている」との意見もあります。ドル円は再び106円台に戻し、106円前後で推移しています。先月末には104円20銭を下回る水準までドル安が進み、どこまで下値があるのかを探る展開でしたが、ドルも底堅い動きを見せており、現時点では100円を目指す展開には至っていません。ユーロドルも二度、1.19台まで「ユーロ高・ドル安」が進みましたが、この動きも一服です。ドルの上値は引き続き重いと見られますが、上値は4時間足の120時間足に上昇を抑えられている格好です。まずは、このレジスタンスを抜けるかどうかです。一方下方では、同じく4時間足の「雲の上限」で支えられている状況で、この辺りを考慮して、本日の予想レンジは105円70銭~106円40銭程度とみます。


米ナスダック初の1万1千ポイントに 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は105円台前半から半ばで小動き。
米長期金利の低下にドル売りが優勢となる場面があったものの、
ドルの下落は105円31銭と、前日の安値と同水準。
◆ユーロドルは1.18台前半から後半で推移するも、
1.19台を前に足踏み。
◆豪ドル円は再び76円台に乗せ、76円40銭近辺まで上昇。
豪ドルは対米ドルで堅調な動きが続き、約1年半ぶりの0.72台
半ばまで買われた。
◆株式市場は失業保険申請件数が前の週から25万件余り減少したことや、
景気対策への期待から大幅に続伸。ダウは185ドル高と5日続伸し、
ナスダックは4日連続で最高値を更新し、初めて1万1千ポイント台に乗せる。
◆債券相場は反発。長期金利は0.53%台へと小幅に低下。
◆金も続伸し2069ドル台で引ける。原油は5日ぶりに反落。

◆新規失業保険申請件数       → 118.6万件

本日の注目イベント

◆日  6月景気先行指数(CI)
◆日  6月景気一致指数
◆中   中国7月外貨準備高
◆中   中国 7月貿易収支
◆独   独6月貿易収支
◆独   独6経常収支
◆独   独6月鉱工業生産
◆米   7月雇用統計
◆米   6月消費者信用残高
◆米   ボストン連銀総裁、議会証言

ドル円は小動きの中、105円台半ばを中心に一進一退でした。ユーロドル
は再度上値を試したものの、今回は1.19台には届かず小幅に反落してい
ます。1.19台乗せはこれまで2回ありましたが、いずれもその水準を維
持できず、1.19前後がやや「壁」になりつつあります。一方堅調なのが
豪ドルです。

オーストラリアは、米国の対中国包囲網に参加するなど、中国との関係が悪
化していますが、商品市況の好調さに支えられる格好で着実に上昇している
印象です。対円では再び76円台に乗せ、3月に記録した「60円割れ」は
ウソのようです。豪ドル円の上昇をけん引しているのは、対米ドルで豪ドル
の上昇が際立っているからです。
直近では0.7241近辺まで買われ、2019年1月以来の水準になって
います。ドル円の水準はやや円高方向ですが、それ以上に豪ドルが上昇して
いることで、豪ドル円を押し上げています。ただ足元の上昇は「週足」の
「200週移動平均線」で頭を抑えられており、ここを抜け切れるかどうか
が焦点です。仮に上抜けするようなら、80円前後までこれといったレジス
タンスはありません。オーストラリアでは新型コロナウイルスの感染拡大を
封じ込めることに成功しましたが、ここに来て再び感染が拡大しており、オ
ーストラリア第2の都市メルボルンではロックダウンが発令されています。
今回もコロナの感染拡大を封じ込めることが出来るかどうかも、上記水準を
上抜けできるかどうかに関係してきます。

米株式市場の上昇が止まりません。
特に、アマゾンやアップルなど「GAFA」の存在が大きいナスダック市場
の上昇が際立っています。ナスダックは昨日も109ポイント上昇し、引け
値で1万1000ポイントの大台乗せを達成しています。
新規失業保険申請件数が前の週から25万件余り減少し、新型コロナ感染が
パンデミックとなって以降で最小となったことを好感しました。
また、追加の景気対策案を巡って与野党が対立していますが、ペロシ下院議
長とシューマー民主党上院院内総務は、6日夜遅くにも(現地時間)ムニュ
ーシン財務長官、メドウズ大統領首席補佐官と再び協議する模様で、ペロシ
氏は、「新型コロナウイルス危機に対応する追加景気対策を巡る交渉につい
ても、交渉担当者が自ら設定した7日の期限が迫る中で大きな意見の相違は
残るものの、前進しつつある」と語っています。
トランプ大統領も、家賃未払いを理由にした立ち退きを猶予する措置と、学
生ローン返済に関する大統領令にも署名する予定だと述べています。
(ブルームバーグ)

BOEは昨日の政策会合で、政策金利を現行の0.1%で据え置くことを決
めました。会合後の記者会見でベイリーBOE総裁は、「国内経済が回復す
るまでの長い道のりを支え続ける用意がある」と表明し、「早期に政策を引
き締めることはない」と、投資家の不安払しょくに努めていました。
また、ブルームバーグTVとのインタビューでは、「恐ろしいほどの多大な
リスクがあり、それが一方向に分布していることは明らかだ。従ってわれわ
れは身を乗り出して支える用意を整える」と語っています。

ドル円は105円台でのもみ合いが続いていますが、今夜の雇用統計発表を
きっかけに上下への動きが出て、方向性も見えてくるかもしれません。
先週104円台前半まで売られ、その後に106円台半ばまで急反発したこ
とを考えると、ちょうどその値幅の真ん中にいるようです。
ただ、依然としてドルが売られるリスクの方が高いと予想していますが、今
後もユーロドルの動きに左右される展開が基本になろうかと思います。
そのユーロドルは上でも述べたように、1.19台に乗せ、そこからもう一
段続伸出来るかどうかがポイントになります。

本日のドル円は105円~106円20銭程度のレンジを予想します。

来週の「ウイークリー・レポート」はお休みとさせて頂きます。


ADP雇用者数、予想を大きく下回る 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は小幅に続落し105円33銭まで売られる。
120万人程度の増加と見られていた7月のADP雇用者数が
大きく予想を下回ったことで円を買う動きが優勢に。
◆ドル安の流れからユーロドルは続伸し、1.1905まで
ユーロ高が進み、先週末に付けた水準とほぼ同水準を示現。
◆株式市場は大幅に続伸。ダウは373ドル高と4日続伸し、
ナスダックは1万1千ポイントに迫り最高値を更新。
◆債券相場は反落。前日0.5%台まで低下した長期金利は
0.54%台に上昇。来週発行される国債が過去最高の
1120億ドル(約11兆8200億円)に上ることが嫌気され、
利益確定の売りを誘発。
◆金は続伸し、2070ドル台まで買われる。原油も続伸し、
一時は43ドル台に。

◆7月ADP雇用者数       →  16.7万人
◆6月貿易収支          → -502億ドル
◆7月ISM非製造業景況指数   →  58.1

本日の注目イベント

◆独   独6月製造業新規受注
◆英   BOE金融政策発表
◆英   ベイリー・BOE総裁会見
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   カプラン・ダラス連銀総裁、バーチャルイベントで講演

緩やかなドル安の流れが再燃し、ドル円は再び下値を探る展開となり、NY市
場では105円台前半までドルが売られ、ユーロドルも1.19台に乗せる場
面がありました。ドル安の流れからドルの代替資産でもある金も、連日で過去
最高値を更新しており、さらにナスダック指数も1万1千ポイントに迫る勢い
です。このような現象を見る限り、「リスクオン」なのか、「リスクオフ」な
のか判断に窮しますが、言えることは、潤沢な資金が常に有利な投資先を探し、
虎視眈々とうごめいているということのようです。

7月のADP雇用者数は市場予想の120万人の増加に対して16.7万人で
した。6月の431万人の増加から急激にブレイキがかかったようで、内訳で
は、5、6月には合計で300万人を超えていた娯楽・ホスピタリティー業が、
わずか3.8万人の増加にとどまり、全体の足を引っ張っています。
ADP雇用者数は雇用統計とは必ずしも連動しませんが、明日の雇用統計もひ
ょっとしたら「一波乱」あるかもしれません。
ドル円はこの発表直後に売られ、105円33銭までドル安が進みましたが、
その後に発表されたISM非製造業景況指数が予想を上回ったことで、ドルが
やや買い戻されています。

米議会で追加の経済対策が週末までに合意に達するという期待が高まり、これ
が昨日の株価上昇の一因になっていますが、実際には米与野党間の溝は埋まっ
ていないようです。与党政権側は週400ドルの失業保険給付上乗せを12月
14日まで実施する案を提示しましたが、民主党は、週600ドルを主張して
おり、溝はうまっていません。
シューマー民主党上院院内総務は、「政権はさらに踏み込む必要がある」と述
べる一方、ムニューシン財務長官は「7日までに合意できなければ、合意はな
いだろう」と語っています。(ブルームバーグ)先月で失効した失業保険給付
金の上乗せ額は、一部で「大盤振る舞いだ」と批判されたものの、新型コロナ
ウイルスの感染拡大により離職を余儀なくされた労働者への補償として、それ
なりの効果をもたらし、個人消費などの失速を回避してきました。
ただ、一方では大規模の景気対策の原資として大量の国債増発につながってい
ます。米財務省は昨日、来週実施する四半期定期入札で過去最高となる112
0億ドル(約11兆8200億円)相当の国債を発行すると発表しました。
特に足元での低金利を踏まえて、7年、10年、20年、30年など、長期債
・超長期債の発行を増やしています。
国債の増発は金利の上昇につながりますが、FRBによる大量の国債購入によ
り、長期金利は過去最低水準で推移しています。
クラリダFRB副議長はCNBCとのインタビューで、米経済の生産活動が
「2021年末までには、パンデミック前の水準に戻る可能性がある」と、景
気の持ち直しに自信を見せながらも、「その予測には非常に大きな不確実性を
伴う」と述べ、「現状が長引けば、経済へのダメージもその分長期化するリス
クが高まる」としつつ、「まだその段階にはないと思う」と語っています。

米国では新型コロナウイルス感染拡大の勢いはやや鈍化してきたものの、フロ
リダ州の感染者数は50万人を突破しています。
開発の急がれるワクチンでは、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
は開発中のワクチン候補を1億回分供給することで米政府と合意したことを発
表し、米モデルナ社は開発中のワクチンを供給する「前金」として。これまで
に4億ドル(約420億円)を受け取ったことを明らかにしています。
(ブルームバーグ)

明日の雇用統計発表を前に、ドル円の動きも徐々に活発化してきたように見え
ます。ドルの上値が依然として重い展開は続くと思われますが、前回のドル安
で104円18銭まで下げたドル円は、その後の反発も急で、想定以上に早か
ったのも事実です。この戻りの早さに、損切りを余儀なくされた投資家も多か
ったかと思われ、今後もドル安が進行するとは思いますが、利益確定のタイミ
ングも探りつつ臨む姿勢も必要です。今回仮に、105円を再び割り込んだ際
には、104円~104円ミドルがサポートになるかどうかも注視したいと思
います。

本日のドル円は105円10銭~105円90銭程度を予想します。


ドル円反発し、一時106円台に 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆欧州時間には一時104円20銭前後まで売られたドル円は急反発。
NY時間には106円05銭まで買われ、105円台後半で引ける。
◆ユーロドルは反落。1.1852までユーロ高が進んだが、その後は
週末ということもあり、利益確定の売りに押される。
◆株式市場は3指数とも揃って反発。ダウは114ドル上昇し、
ナスダックも大幅に上昇。
◆債券相場は続伸。長期金利は0.52%台まで低下し、
過去最低水準を更新。
◆金は反落し、ザラ場では2005ドル台まで上昇。
原油は反落。

◆6月個人所得                 → -1.1%
◆6月個人支出                 →  5.6%
◆6月PCEコアデフレータ           →  0.9%
◆4-6月雇用コスト指数            →  0.5%
◆7月シカゴ購買部協会景気指数         →  51.9
◆7月ミシガン大学消費者マインド(速報値)   →  72.5

本日の注目イベント

◆中   7月財新製造業PMI
◆欧   ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
◆米   7月ISM製造業景況指数
◆米   7月自動車販売
◆米   6月建設支出
◆米   セントルイス連銀総裁、バーチャルイベントで講演
◆米   シカゴ連銀総裁、記者団と電話会見

先週末のNY市場ではドル円は予想外に反発し、106円乗せまでドルの買い戻し
が進みました。株価は反発したものの、長期金利は過去最低水準を更新するほど低
下しており、これと言ってはっきりしたドル買い材料があったわけではありません。
連日上昇を続けていたユーロドルが1.18台半ばまで続伸した後売られたことで、
「ドル高・ユーロ安」が進み、この流れにドル円が影響された側面はあったかもし
れません。ドル円は下値を切り下げる格好でじり安が続き、104円前後で一旦下
げ止まり反発はしましたが、まだドル安の流れが変わったとは判断できません。
何しろコロナで混乱し、一時101円台まで乱高下したあの3月相場を除けば、
104円割れというのは、2016年11月のトランプ氏大統領が誕生した時期に
まで遡らなければならないほどのドル安水準です。ある程度のドル買い需要はあっ
たかと思われます。ただ、米中関係など、ドルを取り巻く環境は変わっていません。

6月の米個人所得は1.1%の減少と、予想以上の減少でした。
個人消費の減少は、今後の消費に大きな影響を及ぼし、米国ではGDPの7割を占
めるだけに、成長率にも直接響いてきます。
さらに悪いことに、コロナ特別給付として失業給付金を、従来の金額に週600ド
ルを上乗せして受け取れる期限が7月末で失効してしまいました。
与党共和党は、受給者の7割が以前の給与水準を上回るものだとして減額を主張し
ていました。このままでは、今月からは元の給付水準に戻ることになります。
ペロシ下院議長とホワイトハウスの担当者は3日にも交渉を再開する見通しですが、
両者の間にはなお大きな意見の隔たりがあり、ペロシ氏は、失業給付の上乗せが大
きすぎるとして縮小するか、打ち切るべきだと提案した議会共和党とホワイトハウ
スについて、「人を見下すような態度だ」と指摘し、「民主党は600ドル給付で
団結している」と、ABCテレビの番組で述べています。(ブルームバーグ)
特別給付は2500万人に週150億ドル(約1兆6000億円)もの金額が支給
されていたため、これが中止になれば、さらに個人消費を冷え込ませることは必至
です。今後の個人消費や小売売上高の推移にも目を向けていく必要があります。

先週は日本でもコロナ感染の第2波が猛威を振るい、東京都では1日で500人に迫
る新規感染が確認され、大阪や愛知、福岡などでも過去最多の新規感染者が出てい
ます。沖縄では独自に「非常事態宣言」を発令するに至っている状況です。
先週末の日経平均株価は600円を超える下げを見せましたが、これはコロナ感染
者が急増したことで、売りが加速したようです。
昨日のNHKの討論番組で、菅官房長官は「感染防止と経済の両立は極めて困難だ」
と苦渋に満ちた表情で述べていましたが、感染防止策を行いながら「GoToトラ
ベル」キャンペーンを活用してほしいと、歯切れの悪い発言を行っていました。
8月に入り、今年の夏休みは例年とは全く異なるものの、親子揃っての旅行や帰省
などを行う人も多いと思います。
余程個人レベルで予防をし、慎重に行動を行わないと未曾有の感染拡大につながる
可能性がありそうです。まさにこの夏が正念場となります。

本日のドル円は105円40銭~106円30銭程度と予想します。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の要請もあり、本アナリストレポートは4
日(火)と5日(水)はお休みとさせていただきます。
今後もしばらくの間、随時お休みとさせていただくことになろうとか思います。
読者の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申しあげます。



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(法人のお客様の取引に必要な証拠金は、通貨ペア、取引コースにより1万通貨あたり3,500円から
34,000円の範囲内であり、証拠金の約200倍までの取引が可能です。)当社では、
「オフセット注文™」以外の取引手数料、口座維持手数料を無料としておりますが、
取引レートの売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があり、
また諸費用等については別途掛かる場合があります。当社は法令上要求される区分管理方法の
信託一本化を整備いたしておりますが、区分管理必要額算出日と追加信託期限に時間差があること
等から、いかなる状況でも必ずお客様から預かった証拠金が全額返還されることを保証するもの
ではありません。ロスカット取引は、必ず約束した損失の額で限定するというものではありません。
通常、あらかじめ約束した損失の額の水準(以下、「ロスカット水準」といいます。)に達した時点から
決済取引の手続きが始まりますので、実際の損失はロスカット水準より大きくなる場合が考えられます。
また、ルール通りにロスカット取引が行われた場合であっても、相場の状況によってはお客様より
お預かりした証拠金以上の損失の額が生じることがあります。お取引の開始あたり、
契約締結前交付書面を熟読の上、十分に仕組みやリスクをご理解いただき、ご自身の判断にて
開始していただくようお願いいたします。