米大統領候補テレビ討論会実りなし
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は引き続き105円台半ばでもみ合い。
追加の経済対策への合意期待が盛り上がったものの不発。
第1回大統領候補テレビ討論会での議論も期待はずれに
終わった。
◆ユーロドルは1.1752前後まで買われたが、
ポジション調整の域を出ず小幅に反落。
◆株式市場は大幅に反発。追加の経済対策合意への
期待からダウは500ドルを超える上昇を見せたが、
結局合意に至らず上げ幅を縮小。ダウは329ドル高、
ナスダックは82ポイントの上昇で取り引きを終える。
◆債券は反落。長期金利は0.68%台まで上昇。
◆金は3日ぶりに反落。原油は反発。
◆9月ADP雇用者数 → 74.9万人
◆4-6月GDP(確定値) → -31.4%
◆9月シカゴ購買部協会景気指数 → 62.4
◆8月中古住宅販売成約件数 → 8.8%
本日の注目イベント
◆日 7-9月期日銀短観
◆独 独9月製造業PMI(改定値)
◆欧 ユーロ圏8月生産者物価指数
◆欧 ユーロ圏8月失業率
◆欧 ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)
◆欧 EU臨時首脳会議(2日まで、ブリュッセル)
◆米 9月自動車販売
◆米 新規失業保険申請件数
◆米 8月個人所得
◆米 8月個人支出
◆米 8月PCEコアデフレータ
◆米 9月ISM製造業景況指数
◆米 8月建設支出
◆米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
◆米 ボウマン・FRB理事講演
「貴方の対応が悪かったから20万人もの人が亡くなった」、「いや、あなたが
大統領だったら何百万人もの人が亡くなっただろう」・・・・。
注目された第1回大統領候補テレビ討論会は史上最悪の討論会だったと、多くの
識者は論じています。筆者も全てを観たわけではありませんが、建設的な政策議
論もなく、お互いに相手を罵倒する言葉の応酬でした。トランプ氏はバイデン氏
の発言中に何度も言葉を発し続け、司会者から黙るよう注意される場面もありま
した。90分余りにわたる討論も結局は、「勝者はいなかった。敗者は米国だ」
といった言葉が印象的でした。今回の討論会で共和党トランプ大統領と民主党バ
イデン前副大統領による非難の応酬で混乱したのを受け、米大統領候補討論会委員
会は(CPD)は30日、2回目以降の討論会では形式を変える意向であること
を明らかにしました。
第2回の討論会は10月15日に行われる予定で、その前7日には副大統領候補に
よる討論会も予定されています。
両陣営とも、次回の討論会からは相手の弱い所を攻撃することを止め、具体的な
政策論争に軸足を移してくることを期待したいと思います。
今回の討論会は結果的には勝者はいないと言われていますが、有権者への印象は
ややバイデン氏が有利だったようです。
昨日の東京時間昼には、討論会を終えバイデン氏勝利の確率がやや高まったこと
が報じられると、ドル円はやや円高に振れ、日経平均株価は下げ足を急速に早め、
この日の安値圏で取り引きを終えています。バイデン氏が勝利すれば、法人税増
税や富裕層への増税が確実と言われ、「反ウォール街」と見られて
いることに反応した結果かと思います。しかし、昨日のNY市場ではその影響は
全くなく、株価は大幅に上昇しています。『バイデン勝利=ドル安・株安』とい
った公式が本当に当てはまるのか、いましばらく見極める必要がありそうです。
ムニューシン財務長官は30日ペロシ下院議長と約1時間半協議した後、まだ合
意に至っていないと述べました。ムニューシン財務長官は「自分とペロシ議長の
交渉は、この数日間で大きく前進した」としながらも、
「まだ合意には至っておらず、さらに取り組むべき仕事がある。どうなるか、や
がてわかるだろう」と語っています。(ブルームバーグ)またマコネル共和党院
内総務も、新たな経済対策を望んでいるものの、共和、民主両党の立場にはまだ
なお隔たりがあると述べ、合意が近いことには否定的でした。
米大統領選まであと1カ月です。
まだドル円は大きな反応を見せてはいませんが、今後急速にボラティリティが上
昇することが予想され、ドル円も値幅を伴って上下する可能性があります。
特にシステム売買やAIといった、人の手を介さない取引が多くを占める昨今の
市場では、ヘッドラインだけで瞬時に反応し売り買いを実行します。
そのためレートも飛びやすく、値幅も増幅されやすいと言えます。
いよいよ10月です。これまでよりも慎重な見極めが必要になってきます。
本日のドル円は105円10銭~105円80銭程度でしょうか。
- [2020/10/01 09:34]
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