トランプ大統領退院でリスクオンに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- トランプ大統領が日本時間朝方7時半に退院するとの報道にドルが買われ、ドル円は105円79銭まで上昇。株高、金利高でリスクオンの流れが強まる。
- ユーロドルは続伸。1.1797までユーロ高が進み、対円でも124円台後半に。
- 株式市場は3指数とも揃って大幅に上昇。トランプ大統領の早期退院や、良好な経済指標、さらには追加の経済対策の早期合意など好材料が後押し。ダウは465ドル上昇し、2万8000ドル台を回復。
- 債券は大きく売られ続落。長期金利は0.78%台まで上昇し、約3カ月ぶりの高水準に。
- 金と原油は反発。原油価格は前日比2ドルを超える上昇を見せ、トランプ大統領の早期退院を好感。
本日の注目イベント
- 豪 8月貿易収支
- 豪 RBA、キャッシュターゲット
- 独 8月製造業新規受注
- 欧 ラガルド・ECB総、パネル討論会に参加
- 欧 ノーベル物理学賞受賞者発表
- 米 8月貿易収支
- 米 パウエル・FRB議長講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁、討論に参加
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 加 8月貿易収支
トランプ大統領は日本時間今朝7時半に退院し、ホワイトハウスに戻りました。先週金曜日に急遽コロナに感染したことが発表され即入院しましたが、わずか3日目に退院したことになります。大統領選挙を控え、何としても元気な姿を見せなくてはならない事情があったとは思いますが、医師団を説き伏せての退院かもしれません。トランプ氏は「気分は非常に良い」と述べ、「この病気に人生を支配させてはならない」と回復ぶりをアピールしました。主治医のコンリー医師は、「大統領の容体は改善し続けており、全ての退院基準を満たすか、上回っている。」と述べ、退院前には治療薬レムデシビルの4回目の投与を受け、今後もホワイトハウス内で治療する予定のようです。
ただ、まだ完全に回復したわけではなく、今後選挙戦にいつ復帰できるかはなお不明です。またバレット判事を指名したホワイトハウスでのイベントでは、少なくとも13人の感染が確認されており、大統領報道官のマクナニー氏も新型コロナ検査で陽性反応が出たことを明らかにしています。昨日もこの欄で述べましたが、あの状況の中、バレット判事が感染しなかったことが驚きです。トランプ氏は今後容体が許す限り大統領選に全力を注ぐものと思われますが、その一方でトランプ氏の「敗北」は濃厚になりつつあります。最新の世論調査によると、バイデン氏との支持率の差はこの選挙戦で最大の14ポイントに拡大しています。(参照:10月5日『ウィークリーレポート』)そのため、「大接戦となり、法廷闘争にまでもつれるのではないか」との懸念も後退しており、新大統領への移行もスムーズに行われるといった見方も出て来ました。
トランプ氏の退院、経済指標の好転、さらには入院を経てトランプ氏自身が追加の経済対策には前向きなことから、民主党とホワイトハウスの早期の合意も来期待できる状況になっており、株式市場には強い追い風が吹きました。NYダウは465ドル上昇し、9月16日以来となる2万8000ドルの大台を回復してきました。ドル円もリスクオンの流れから105円79銭まで買われましたが、米長期金利の上昇幅を考えるとややもの足りません。やはり、ドルの先安観が残っており、上昇するにしても極めて緩やかな動きになっています。
ISM非製造業景況指数が予想を超え、良好な内容でした。特に雇用指数は3.9ポイント上昇し、「51.8」と、コロナ感染が拡大して以降初の「50」超えです。16のサービス業界のうち、活動が縮小していると報告されたのは、専門職、科学、技術サービスのみで、娯楽。運輸、ヘルスケア、不動産など、多くの業種で拡大が報告されています。ISM非製造業景況調査委員会のエニベス委員長は、「企業からのコメントは引き続きビジネス状況や経済に関しておおむね楽観的で、そうした企業の事業を直接的に反映している」と語っています。(ブルームバーグ)本日は日本株にも買い安心感が出てきそうです。日経平均はそこそこの上昇が予想されますが、昨日すでに大きく上昇しているためNYと比べると期待値は高くはないと思います。本日のドル円は105円20銭~106円程度を予想します。

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- [2020/10/06 11:46]
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