ドル円3週間ぶりに106円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- トランプ大統領の景気対策に関する前向きなツイートにリスクオンが強まり、ドル円は約3週間ぶりに106円台を回復。この日の高値圏で取り引きを終える。
- ユーロドルは小幅に下落。ドルが買われたことで1.17台半ばまで売られる。
- 株式市場は大幅に反発。景気対策を巡るトランプ大統領のツイートを材料に朝方から買いが優勢となる。ダウは530ドル高と、約1カ月ぶりの高値を記録。
- 債券は反落。長期金利は0.79%付近まで上昇。
- ドル高の流れから金は続落。原油も売られ40ドル台を割り込む。
本日の注目イベント
- 日 8月貿易収支
- 日 8月国際収支
- 日 10月日銀地域経済報告(さくらリポート)
- 日 9月景気ウオッチャー調査
- 中 9月財新サービス業PMI
- 中 9月財新コンポジットPMI
- 独 8月貿易収支
- 独 8月経常収支
- 欧 ECB議事要旨
- 欧 OPEC、世界石油見通し
- 欧 ノーベル文学賞受賞者発表
- 英 ベイリー・BOE総裁、パネル討論に参加
- 米 新規失業保険申請件数
- 加 8月住宅着工件数
「米景気対策を巡るドラマはまだ終わりそうもない・・・・・」
前日、追加の景気対策に関する協議を大統領選挙後まで行わないとしたトランプ大統領のツイートで株価が大きく下げ、債券が買われ、長期金利の低下につながりましたが、その直後に今度は一転して「1200ドル(約12万7000円)の小切手を個人に配布する独立した法案(Stand Alone Bill)が議会を通過し、送られた場合には、直ちに署名する用意がある。聞いているか、ナンシー?」とツイートしました。ナンシーとは言うまでもなく、民主党下院議長のナンシー・ペロシ氏を指していますが、このツイートを好感し、昨日のNY株式市場は朝方から急騰しました。「依然として追加の景気対策を巡る協議進展の可能性がある」との連想からダウは530ドル上昇し、他の株価指数も1.5%近い上昇を見せました。ダウは約1カ月ぶりの高値を付けています。債券は売られ、10年債利回りは直近の高値を抜き、0.79%近辺まで上昇しています。
ペロシ議長は7日、ムニューシン財務長官と電話で協議を行い、航空会社に的を絞った個別法案には前向きな姿勢を示したものの、個人に1200ドルを直接給付する法案については、「新型コロナウイルスに伴う困難に対処するには不十分だ」と発言し、トランプ大統領からの圧力をはねのけました。(ブルームバーグ)しかしペロシ氏は包括的景気対策案については、交渉の可能性を閉ざしてはいないと見られますが、依然として協議の行方に関しては不確実性が高い状況が続いています。
将来利上げを行う際の基準について、明確な指針を示した前回のFOMCでしたが、その議事録の内容が公表されました。9月15、16日に行われた会合では、ダラス連銀のカプラン総裁とミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が反対票を投じました。議事要旨では、「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」と記述されていました。「インフレ率が上昇し、一定期間2%を適度に超える軌道に乗るまで」とした、物価上昇の基準を明確にすることによって、FRBの柔軟な金融政策に影響が出るといった声もあり、意見が分かれていたことが判明しました。
ドル円は106円08銭までドル高が進みました。前日のNY株の急落にもドル円は105台半ばを維持しており、底堅いとは見ていました。値幅としてはたいしたことはありませんが、約3週間ぶりの高値です。日足では、ドル円は現在雲の中で推移しており、雲の上限に迫る形になっています。雲の上限は106円15銭前後にあり、この水準を明確に抜け切ると、ドルの先安観にもやや修正が加わる可能性が出てきます。ドルの上昇も非常に緩やかで、その動きを基準にすると、相場観の切り替えを行う状況でもありませんが、それだけに、ずるずると放置してしまい、相場の転換点を見失しなうリスクもあります。
本日は日本時間10時から米副大統領候補の討論会があります。トランプ大統領がコロナに感染したこともあり、注目度は増しています。共和党のペンス副大統領はこの討論会で、どこまでトランプ大統領への支持を奪回出来るのかが焦点です。今朝の時点でも、コロナに感染したトランプ氏への「同情票」は伸びず、バイデン氏がリードを広げているとの報道があります。
本日のドル円は105円50銭~106円30銭程度を予想します。

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- [2020/10/08 10:07]
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