ユーロドル3カ月ぶりに1.19台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は東京時間の午後に104円台を割り込み、
103円90銭前後までドル安が進んだが、NYでは104円台を
回復。104円21銭までドルが反発。
◆ユーロドルは続伸し、約3カ月ぶりに1.1964まで
ユーロ高が進む。
◆株式市場は感謝祭後の短縮取り引きのため参加者が減る中続伸。
ナスダックとS&P500は最高値を更新。
◆債券は反落。長期金利は0.83%台まで低下。
◆金は23ドル下げ、1788ドル台まで下落。
原油は小幅ながら反落。
本日の注目イベント
◆日 10月鉱工業生産
◆中 11月中国製造業PMI
◆中 11月中国サービス業PMI
◆独 独11月消費者物価指数(速報値)
◆欧 ラガルド・ECB総裁講演
◆欧 OPEC総会(オンライン)
◆英 英11月消費者信用残高
◆米 11月シカゴ購買部協会景気指数
◆米 10月中古住宅販売成約件数
◆加 カナダ10月住宅建設許可件数
ドル円は先週末の東京時間午後に再び104円台を割り込み、103円90銭
前後までドル安が進みましたが、NYではドルがやや買い戻される展開でした。
ただ、ドルの上値は依然として重く、その傾向はユーロドルで一段と鮮明にな
ってきました。この欄でもユーロドルが1.19台を回復した際に触れました
が、チャートではユーロの上昇を示唆する形が整っており、ユーロロングに妙
味がある状況でした。
ユーロ自体は、12月のECB理事会で追加の緩和策に踏み切る公算が高く、
それ自体はユーロ売り材料ですが、足元の「ドル安傾向」が勝った感じです。
ユーロドルは9月1日以来となる1.1964まで買われ、1.2台が視野に
入ってきました。
この水準はECB高官が何度もユーロ高をけん制した水準で、ECBとしては
受け入れられない水準かと思われます。
域内では新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、ロックダウンな
ど、経済活動の封鎖を余儀なくされており、景気が再び底割れする懸念が台頭
しています。
ユーロ高はドイツなど、輸出を中心とする国にとっては[逆風]となるからで
す。ユーロ圏をけん引するドイツが再び景気後退に陥れば、ユーロ圏の景気回
復にとっては大きなマイナス要因になります。
ユーロドルが1.20に近づいた際、どのような発言がECB高官から出て来
るのか、注目したいと思います。ただこれまで、「口先介入」で相場の流れを
変えられたことは、ほとんどありません。
トランプ大統領は大統領選について、12月の選挙人団が民主党候補のバイデ
ン氏に投票すれば、政権を手放し、ホワイトハウスを去る意向のあることを初
めて示しました。トランプ氏はホワイトハウスで、大統領選での敗北後初めて
記者団の質問に答え、バイデン氏の勝利を選挙人団が確認した場合、ホワイト
ハウスの建物を物理的に去るのかの質問に対し、「確かにそうする。分かるだ
ろう」と述べ、さらに敗北を認めるのかと迫られると返答せず、「敗北を認め
るのは非常に難しいことだ」と発言しています。
また、トランプ氏が選挙での敗北を覆すための訴えについても、連邦最高裁判
所で取り上げられることは「恐らく」ないだろうと認め、トランプ氏の法的手
段が尽きつつある可能性を示唆したものの、不正を訴える取り組みを断念する
期限はないとも述べています。(ブルームバーグ)
クリスマス商戦の前哨戦とも言われる米「ブラックフライデー」は、実店舗で
の客足は半減したものの、ネット購入の流れが加速し、事前予想通りの結果に
終わったようです。センサーマティック・ソリューションズのデータによると、
27日(金)の実店舗への客足は、新型コロナの影響もあり、前年比52%減
少したようです。
また感謝祭当日(26日)の客足は前年比95%の減少だったと報告されてい
ます。一方、アドビ・アナリティクスは、今年のサイバーマンデー(30日)
のオンライン売上高は米史上最高となる、108億ドル~127億ドル(約1
兆1200億円~1兆3200億円)になると予想されています。
ダウは先週初の3万ドル台を達成し、ナスダックとS&P500は先週末も最
高値を更新するなど、足元の株高が個人の購買意欲を掻き立てます。
再開前からお互いをけん制する発言のあった英国とEUの通商協議は、今のと
こと現実的、かつ誠実な協議が進展しているとブルームバーグは報じています。
解決すべき最大の問題は漁業権だとラーブ英外相は述べ、「EUが原則を理解
することが重要だろう。彼らが現実的になって善意と誠実さを示せば、成立す
る合意はあると考えている」と語っていますが、まだ予断を許しません。
本日のドル円は103円70銭~104円50銭程度を予想します。
引き続き動きの出てきたユーロドルの推移には注意が必要です。
- [2020/11/30 09:28]
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ビットコイン急落!
ひと目で分かる昨晩の動き
欧州市場
◆NY市場が休みのためドル円は小動き。ドルは東京時間終了後、
緩やかに下落し、104円22銭前後まで売られたが、その後は
一進一退。
◆ユーロドルも東京時間の午後から軟調となり、欧州では1.1885
までユーロ安が進む。ユーロ円の水準はほぼ横ばい。
本日の注目イベント
◆日 10月東京都区部消費者物価指数
◆中 中国10月工業利益
◆欧 ユーロ圏11月消費者信頼感(確定値)
◆欧 ユーロ圏11月景況感指数
◆米 株式・債券市場、短縮取引
◆米 ブラックフライデー
米国が感謝祭のため、NY市場は休場でした。
感謝祭からクリスマスにかけては、米国では最も人の往来が盛んになり、
人々の財布の紐がゆるむ時期です。
コロナ禍という異例な状況の中、感謝祭の行事も地味に、大人しく行わ
れたようです。
連日高騰を続け、過去最高値までわずか「7ドル以内」に迫っていたビ
ットコインが昨日急落しました。一時は14%も売られる場面もあった
ようです。ここ9カ月で250%程上昇していたビットコインでしたが、
暗号資産交換者を運営する米コインベースのアームストロングCEOが、
デジタル通貨取引の匿名性を弱める新たな規制を米当局が検討した
との観測に関してツイートしたことが、下落のきっかけだったようです。
ブルームバーグのデータによれば、他の暗号資産も最大27%の大幅下
落を記録しています。
英アストラゼネカは、オックスフォード大学と共同で開発したコロナワ
クチンの有効性を分析するため、追加試験を世界各地で行う公算が大き
いと、ブルームバーグが伝えています。同社は1回分の半量を投与した
試験結果を発表しましたが、この投与が製造過程の誤りだったと認めて
おり、試験結果への疑問が高まっています。
同社が、初回接種で半量、2回目は全量を投与された比較的少数の試験
者群では有効性が90%となった一方、2回とも全量だったグループで
は62%だったことを発表しています。
コロナの感染拡大で中断されていた英国とEUの通商協議が今週末に再
開される見通しです。EU当局者によると、土壇場で計画が変更されな
い限り、バルニエ主席交渉官を中心とする交渉チームが28日の交渉再
開のためロンドンに向かう準備をしているようです。
ただ、バルニエ主席交渉官は、「英国に譲歩する用意がないのであれば
、交渉継続のために訪英する意味はほとんどない」と、英国側に警告し
ています。
一方スナク英財務大臣は、「英国はいかなる犠牲を払っても譲歩すべき
でない」と述べており、EU英国ともに譲歩する姿勢を見せていないこ
とから、今回の協議でも合意の可能性は低いと見られます。
英国ではコロナ感染による景気の落ち込みと、EU離脱による混乱から
経済見通しを下方修正する動きがあり、長期的にはEU離脱による悪影
響がより深刻と見られています。
英国は12月末にEUを離脱することが決まっているため、EUとの通
商協議が決裂することを見越した動きもすでに多く見られるようです。
高関税が賦課されることを避け、EUと英国との貿易額も増えています。
11月も残りの営業日はあと1日です。
今月の話題は何といっても3日に行われた米大統領選でしたが、金融市
場では世界的な株価の上昇です。
特に日米では顕著で、ダウは今週3万ドルの大台を達成し、日経平均株
価も29年半ぶりの高値を記録しました。バブルのピークだった198
9年の大納会で付けた「3万8915円」を目の当たりにしている筆者
には、「まだ2万6000円台」との印象ですが、若い方の捉え方は異
なるのでしょう。
為替は、世界中の投資家が同じ「戦場」で闘っていますが、株式は連動
しているとは言え、「戦場」が異なっています。日経平均が史上最高値
を更新するには、企業、税制、市場、投資家など、まだまだ変わらなけ
ればならない部分が多いかと思います。
今から4年程前、日経平均株価が1万6000円台だった頃の友人の言
葉が印象的でした。「日経平均株価が最高値を更新するのが早いか、お
れが死ぬのが早いか、お前どう思う?」答えに詰まってしまった記憶が
あります。
本日のドル円は103円80銭~104円60銭程度を予想します。
- [2020/11/27 09:24]
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NY、ダウは反落するもナスダックは最高値更新
【為替本日の注目点】NY、ダウは反落するもナスダックは最高値更新
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は小動きの中、やや下値を切り下げる展開に。ユーロドルで
ユーロが買われたことで円も買われ、104円26銭前後まで下落。
◆ユーロドルは続伸。1.1926までユーロ買いが進み、9月2日
以来となるユーロ高を示現。
◆株式市場はまちまち。前日3万ドルの大台を突破したダウは173ドル安。
一方ナスダック指数は57ポイント上昇し、最高値を更新。
◆債券相場はほぼ横ばい。長期金利は0.882%前後で取引を終える。
◆金は小幅ながら1週間ぶりに反発。原油価格は在庫が減少していた
ことから続伸し、45ドル台に乗せる。
◆7-9月GDP(改定値) → 33.1%
◆10月耐久財受注 → 1.3%
◆10月個人所得 → -0.7%
◆10月個人支出 → 0.5%
◆10月PCEコアデフレータ → 1.4%
◆ 新規失業保険申請件数 → 77.8万件
◆11月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 76.9
◆10月新築住宅販売件数 → 99万9千戸
本日の注目イベント
◆日 9月景気先行指数(改定値)
◆独 独12月GFK消費者信頼感
◆欧 ユーロ圏10月マネーサプライ
◆欧 ECB議事要旨
◆米 NY市場休場(感謝祭)
前日3万ドルの大台を達成したNYダウは、コロナ感染が拡大している
ことや、新規失業保険申請件数が2週連続で増加していたことなどを嫌
気して、利益確定の売りが優勢に。前日比173ドル安で取引を終えま
したが、ナスダックの方は57ポイント上昇し、こちらは9月2日に記
録した引け値を上回り、最高値を更新しています。
日米ともに株価上昇の勢いは続いていますが、上昇スピードが速いため、
警戒感も出始めているようです。昨日の日経平均株価は前場では500
円以上上昇する場面もありましたが、後場には急速に上げ幅を縮小して
います。この辺りで「健全な調整」(Healthy Correction)があっても
いい頃なのかもしれません。
一方為替市場の方は盛り上がりに欠け、「調整」どころか、「膠着」か
ら抜け切れない状況が続いています。昨日のNY市場でも値幅はわずか
20銭程度で、今週はほぼ104円台半ばを行ったり来たりという状況
です。ドル円は米金利との相関が強いことから、その米金利の動きが小
幅に留まっていることにも影響されている可能性もあります。
FOMC議事録が公開されました。
コロナ感染が拡大しており、それが景気の下振れリスクとなり得ること
から、FRBが景気を支えるため一段の追加緩和の措置を取るのではと
いった観測もありますが、今回公表された議事録は11月4、5日に開
催されたものでしたが、そのような措置を示唆する文言はありません。
ただ、「資産購入のペースと構成を直ちに調整する必要はないと参加者
は判断したが、そうした調整が正当化されるような状況に変わる可能性
があるとの認識は示した」と、議事録は指摘していました。(ブルーム
バーグ)次回のFOMCが今年最後の会合になりますが、12月15、
16日に開催されます。
米大統領選の結果に関して沈黙を守ってきた中国の習近平主席が、口を
開きました。習氏は、両国の「相違点を管理、コントロール」し、経済
大国同士の協力に重点的に取り組みたいとのメッセージをバイデン次期
大統領に送りました。新華社によると、中国は「健全で安定した」関係
を維持し、「衝突なし」かつ「対立なし」の原則を支持する考えだと、
習氏が祝辞に記したと報じられています。(ブルームバーグ)
中国側は、米政権がトランプ氏からバイデン氏に替わるこの時期を「好
機」と捉え、関係改善にむけた「秋波」を送ってきたようですが、民主
党政権でも中国に対する強行姿勢は基本的には不変だと思われます。今
後早い時期に米中トップ同士の会談が実現するのかどうかが注目されま
す。来日中の王毅外相は昨日菅首相と会談を行いましたが、カメラに向
かって手を振るなど非常に友好的な振る舞いを見せていました。ただ、
会談内容には特にこれといったサプライズはなく、突然の来日の根拠がい
まひとつ見えてきませんでした。
今年のイギリスの経済成長は「マイナス11.3%」と、1709年以
来となる約300年ぶりの大幅な縮小に直面するとスナク英蔵相が警告
しました。
またBOE金融政策委員会(MPC)メンバーのソーンダース委員は、
新型コロナウイルスとEU離脱という2つの影響で、年末年始は険しく
なるとの見方を示していますが、その上で、最終的にはEU離脱の方が
イギリス経済にとってはより困難であるとも語っています。
EU離脱は貿易面だけではなく、金融の中心地としての地位にも変化が
出ており、多くの金融機関がその欧州拠点をロンドンからフランクフル
トやパリ、アムステルダムなどに移しています。
本日は米国が感謝祭でお休みとなり、明日は「ブラックフライデー」で
す。足元の株高による資産効果もあり、消費者の購買力も増していると
見られます。
クリスマス商戦を占う意味でも重要なイベントであり、注目したいと思
います。
本日のドル円は104円~104円70銭程度を予想します。
- [2020/11/26 09:29]
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NYダウ初の3万ドル突破
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は104円台で小動きながらリスク選好の流れから
ドルの上値が重い展開。104円台半ばを中心にもみ合う。
◆ユーロドルはドイツの経済指標が良好だったことで買われたものの、
1.19には届かず。
◆リスク選好の勢いが増し、株式市場は連日の急騰を見せる。ダウは
454ドル上昇し、初の3万ドル台に。S&P500も57ポイント
上昇し、共に最高値を更新。
◆リスクオンの流れから債券は続落。長期金利は0.88%台に。
◆金は続落し、一時は1800ドルの大台を割り込む。
原油は反対に、コロナワクチンへの期待もあり、一時45ドル台に
乗せ、44.91ドルで引ける。
◆9月ケース・シラ-住宅価格指数 → 6.57%
◆9月FHFA住宅価格指数 → 1.7%
◆11月消費者信頼感指数 → 96.1
◆11月リッチモンド連銀製造景況業指数 → 15
本日の注目イベント
◆欧 ECB、金融安定報告書公表
◆米 7-9月GDP(改定値)
◆米 10月耐久財受注
◆米 10月個人所得
◆米 10月個人支出
◆米 10月PCEコアデフレータ
◆米 新規失業保険申請件数
◆米 11月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
◆米 FOMC議事録(11月4、5日分)
◆米 10月新築住宅販売件数
リスク選好の流れが一段と強まり、NY株式市場は連日の大幅高で、ダウは
引け値で3万ドルの大台を突破しました。
リスクオンは、株高、債券安、ドル安、金価格の下落につながっており、コ
ロナ禍の状況の中、カネ余りと低金利が市場の「狂乱」を演出しているよう
です。ダウの初の3万ドル突破を受け、トランプ大統領はホワイトハウスで
急遽会見を行い、「株式市場、ダウ工業株30種平均は史上最高値を更新し
、3万ドルを付けた。これまで3万ドルを突破したことはなかった。しかも、
それはパンデミックの最中で起きた」、「全員を祝福したい」と述べました。
トランプ氏が大統領選後にマスコミの前に姿を見せる機会は極端に減りまし
たが、やはり、敗北のショックからか、はたまた、ホワイトハウスを去らな
ければならない一抹の寂しさからか、元気がないように見えました。
会見はわずか1分余りで終了し、記者からの質問は受けつけなかったようで
す。
日米で株価の上昇が顕著です。
昨日の日経平均株価はザラ場で一時700円を超える上昇を見せる場面もあ
り、大引けでも638円高と、大幅高で終わっています。
コロナワクチンへのメドがたって来たことに加え、トランプ氏がバイデン氏
の政権移行手続きを容認したこと。さらに次期財務長官にイエレン前FRB
議長が指名されたことなどが好感され、安心感から株価の一段高を見越した
資金が流入したようです。
イエレン氏の財務長官就任について、NY連銀のウィリアムズ総裁は、「驚
くべき知性の持ち主であり、仕事における倫理観は比類がない」と称えてい
ます。金融行政に詳しいだけではなく、「今後米国のドル政策に関しては、
より明確になる」(ブルームバーグ)と見られています。
中国の王毅外相が来日しました。
中国政府要人の来日は久しぶりで、コロナ感染が拡大する中、オンラインで
はなくあえて来日し、フェーストウフェースの会談を選択したことに、いろ
んな憶測が出ていますが、米中関係が最悪の状況の中、中国包囲網の分断を
狙ったものだという意見には説得力があるように思います。
本日には菅総理とも会談するようですが、日中関係にしても決して良好なわ
けではなく、特に尖閣諸島周辺への領海侵入に関しては「一触即発」の状況
とも伝えられています。
また香港の人権問題に関しても、日本は米国と同じ姿勢で臨んでおり、日中
が急速に関係を改善するとも思えません。
米政権がトランプ氏からバイデン氏に移るため、米国との関係改善への好機
と捉え、日本に「橋渡し」を求めている可能性もありますが、本日の菅総理
との会談内容を見たいと思います。
本日もNY株の大幅高を受け、日経平均株価は上昇が見込まれます。
年内に2万7000円まで上昇するといった強気の予測も出はじめ、個人投
資家の参戦が増えてきているようです。
ただ、コロナ禍での株価の大幅高には違和感を拭いきれず、一部の株価が買
われるのは理解できますが、全体が上昇する根拠の説明は難しいと思われま
す。「マネーゲーム」と割り切れば、それはそれで納得できますが、ゲーム
である以上、勝つ人がいれば、必ず負ける人もいるということです。
いかにして「勝ち組」に入り込むのかが難しい部分です。
株式市場の喧騒をよそに、為替市場は本日も静かな取り引きになることでし
ょう。
予想レンジは104円~104円90銭と、昨日と同じ予想です。
- [2020/11/25 09:31]
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良好な米経済指標にドル円反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は良好な経済指標を手掛かりにドル買いが優勢となり、
104円台半ばを回復。一時は104円63銭までドル高となり、
米長期金利の上昇も支援材料に。
◆ユーロドルは1.1904まで上昇したが1.19台は維持できず。
◆株式市場は大幅に上昇。発表されたPMIが良好だったことに加え、
コロナウイルスの開発に関わる朗報や、次期財務長官にイエレン前
FRB議長が指名されるとの報道に安心感が出て株価を押し上げる。
ダウは327ドル上昇し、他の主要指数も揃って上昇。
◆債券は売られ、長期金利は0.85%台に上昇。
◆ドルが買われたことで金は大きく反落。約4カ月ぶりとなる
1828ドル台まで下落し、1837ドル台で取引を終える。
原油は続伸し43ドル台に。
◆10月マークイット製造業PMI(速報値) → 56.7
◆10月マークイットサービス業PMI(速報値) → 57.7
◆10月マークイットコンポジットPMI(速報値) → 57.9
本日の注目イベント
◆日 黒田日銀総裁講演
◆独 独7-9月期GDP(改定値)
◆独 独11月ifo景況感指数
◆米 9月ケース・シラ-住宅価格指数
◆米 9月FHFA住宅価格指数
◆米 11月消費者信頼感指数
◆米 11月リッチモンド連銀製造景況業指数
◆米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、WSJのイベントに参加
大統領選での勝利を確実にしたバイデン氏は、自身の政権の外交トップと
なる国務長官にアントニ-・ブリンケン氏を起用すると発表しました。
ブリンケン氏はオバマ政権時代の国務副長官を歴任し、バイデン氏はの長
年のアドバイザーを務めた人物です。また財務長官にはジャネット・イエ
レン前FRB議長を指名する計画で、実現すれば初の「女性財務長官」と
いうことになります。また財務長官候補の一人として名前の挙がっていた
ブレイナードFRB理事に対して、FRB内に留まるよう要請していると、
伝えられています。ブレイナード氏は、2022年にパウエル議長の任期
が切れた際には、後任として筆頭候補になる可能性があり、オバマ前大統
領に指名された唯一の民主党系メンバーです。(ブルームバーグ)
バイデン氏はこの他にも、大統領首席補佐官や国家安全保障担当補佐官も
指名しており、いまだ「敗北宣言」を行っていないトランプ氏をよそに、
着々と「外堀を埋めている」状況です。
ドル円は103円台から104円台半ばまで反転し、今回も103円台半
ばまでドル安が進んだものの103円台を割り込めず、底堅い動きになっ
ています。米長期金利も、0.70%から0.8%台で一進一退となって
おり、金利面からドルを大きく売る展開でもなさそうです。
上記バイデン政権の閣僚名発表に加え、マークイットの発表したPMIが
良好で、製造業、サービス業、コンポジット全てで前月を上回っていたこ
ともドル買いにつながったようです。またコロナワクチンを巡る動きでも、
ファイザーは開発中のワクチンの緊急使用許可を20日に米食品医薬品局
(FDA)に申請しており、FDAは12月10日に同ワクチンを承認す
るかどうかの有識者会合を開くとしています。従って、早ければ12月1
1日にも同ワクチンが米各州で接種される可能性があります。
また、英製薬大手アストラゼネカは23日、オックスフォード大学と共同
開発中のコロナワクチンについて、臨床試験の段階で平均70%の有効性
が確認されたと発表しています。ファイザーなど、先の2社に比べ現段階
での有効性は劣るものの、入院や重症化も確認されなかったと発表してい
ます。ようやくコロナワクチンが人々の手の届くところまで来ましたが、
日本に配布されるのは来年1月以降になる模様です。
一方、コロナ感染の拡大に歯止めがかかりません。
米国ではコロナ感染者の急増で、医療施設の病床に占めるコロナ患者の割
り合いが大きく上昇しており、医療崩壊が現実的になってきました。また
イタリアでは累計死者数が5万人を超え、欧州では英国に次いで2番目に
大台を突破したと報告されています。日本でも、北海道や大阪では連日過
去最多の感染者数が確認され、政府はようやく、大阪市と札幌市を「Go
to」の対象地域から除外する方向で検討しているようです。
昨日のテレビのニュースでも、天候が良かったこともあり、この3連休、
観光地はどこも多くの人で一杯でした。2週間後の結果が、今から心配で
す。
ドル円は「1時間足」では1週間ぶりに目先の抵抗線と見られる「120
時間移動平均線」を上抜けしてきました。本日の上値のメドは「4時間足」
の200時間線が位置する、104円75銭前後を抜けることができるか
どうかがが一つのポイントかと思います。依然としてドルの上値が重いこ
とは変わりませんが、底値の方も103円台前半が抜け切れないのも事実
です。まだ「ドルショート先行の地合い」は変わっていませんが、突っ込
み売りには注意をしたいところです。
本日のレンジは104円~104円90銭程度を予想します。
- [2020/11/24 09:38]
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コロナ感染世界中で高止まり
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は欧州時間に104円台を回復し、104円22銭近辺
まで上昇したが、NYにかけては軟調となり104円台は維持できず。
◆ユーロドルは前日とほぼ同じ動きで、1.18台前半から後半で
もみ合う。
◆株式市場は反発。朝方は下げて始まったダウはその後プラスに
転じ、44ドル高。マイクロソフトやアマゾンが上昇し、ナスダック
を押し上げる。テスラは再び最高値を更新。
◆債券は反発。長期金利は0.82%台に低下。
◆金は3日続落。原油は小幅に反落。
◆新規失業保険申請件数 → 74.2万件
◆11月フィラデルフィア連銀景況指数 → 26.3
◆10月景気先行指標総合指数 → 0.7%
◆10月中古住宅販売件数 → 685万件
本日の注目イベント
◆日 10月消費者物価指数
◆欧 ユーロ圏11月消費者信頼感指数(速報値)
◆独 独10月生産者物価指数
◆欧 ラガルド・ECB総裁講演
◆英 英10月小売売上高
◆米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
◆米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
◆ G20(オンライン)
◆加 カナダ9月小売売上高
ドル円は103円台後半からやや上昇に転じ、欧州では104円22銭前後
まで買われましたが、NYでは長期金利が低下したこともあり、結局昨日の
水準で戻ってきました。
短期的な動きを示す「30分足」や「1時間足」を見ると、最も長いローソ
ク200本の移動平均線が最も上に位置し、120本や75本の、短期の移
動平均線がその下方にあることから、「短期的にもまだドルの上値は重く」、
下落トレンドが継続されていることが理解でます。
米国内のコロナ感染は引き続き高止まりしており、米疾病対策センター(C
DC)は19日、中川日本医師会会長が「秋は我慢の3連休としてください」
と発言したように、26日(感謝祭)前後に旅行を自粛するよう国民に訴え
ています。NY市では公立学校の閉鎖が決められ、レストランでの屋内飲食
中止の命令をNY市が発令するのは「時間の問題」とされています。
日本でも昨日は新規感染者数が過去最多となる2371人に達しましたが、
ポルトガルでも新規感染者数が過去最多を記録しており、コロナウイルスの
感染「第2波」、「第3波」が世界中で猛威を振るっている状況です。
マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏は、新型コロナウイルスに対
する米国の対応を「衝撃的な失敗」と表現しています。一方でファイザーや
モデルナに続き、オックスフォード大学と英アストラゼネカが共同開発して
いるワクチンの第2相試験で、高齢者の強い免疫反応が確認され、最終試験
の結果は数週間以内に公表される予定です。またスイスの製薬大手のロッシ
ュのリウマチ治療薬「アクテラム」が重症患者の生存に寄与されることが、
臨床試験の初期結果から明らかになっています。(ブルームバーグ)
昨日発表された米新規失業保険申請件数は5週間ぶりに増加して74万20
00件でした。前週分も上方修正されており、専門家の間では、米労働市場
の緩やかな回復にブレーキがかかった可能性があると指摘しています。
新型コロナの感染拡大に伴うロックダウンと、政府による大規模な経済対策
の遅れが、経済指標の数字にもジワジワと表れてきた形です。
クリーブランド連銀のメスター総裁は「ウイルス感染数の増加は極めて憂慮
される。財政政策パッケージがないという事実も、とても心配だ」とブルー
ムバーグとのインタビューで述べています。
もっとも、コロナによる景気低迷のリスクは米国だけではありません。
今朝の日経新聞は一面トップに「米欧景気、停滞再び」という見出しで、欧
州での都市封鎖や米国での制限強化で、景気回復の道のりが中断されるリス
クがあると警告しています。
当然日本でもそのリスクは高く、「経済活動の維持とコロナ感染の封じ込め」
という相反する政策を、どの程度の割合でコントロールしていくのか、難し
い判断を迫られている状況です。
本日のドル円は昨日と同じような動きが予想され、ユーロドルも1.18台
前半から後半でやや煮詰まってきた感じです。
14時30分に公表される「本日の新規感染者数」の結果で、株価が大きく
動き、ドル円にもその影響が及ぶ展開が見られます。この時間帯には注意が
必要です。
本日のレンジは103円40銭~104円30銭程度といったところでしょ
うか。
- [2020/11/20 09:20]
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ドル円続落し103円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は104円を割り込み、103円66銭まで下落。
コロナワクチンに関する朗報が続いたものの、感染が高止まり
していることでドル売りが進んだ。
◆ドル売りが進んだものの、対ユーロでは前日と同水準で
推移。1.19台を回復できない展開が続く。
◆株式市場は続落。朝方は3万ドルの大台に迫る場面も
あったが、大台に乗せることは出来ず午後には失速。
コロナ感染の高止まりが重石となりダウは344ドル下落。
◆債券は小幅に反落。長期金利は0.87%台に。
◆金は続落し、原油は3日続伸。
◆10月住宅着工件数 → 153万件
◆10月建設許可件数 → 154.5万件
本日の注目イベント
◆豪 豪10月雇用統計
◆トルコ トルコ中銀、政策金利発表
◆欧 ユーロ圏9月経常収支
◆欧 ラガルド・ECB総裁、欧州議会公聴会に出席
◆欧 ラガルド・ECB総裁講演
◆米 新規失業保険申請件数
◆米 11月フィラデルフィア連銀景況指数
◆米 10月景気先行指標総合指数
◆米 10月中古住宅販売件数
ドル円は予想通り104円を割り込み、NYでは103円66銭近辺まで
ドル安が進みました。節目の104円割れでは目立った抵抗もなく、NY
では一旦104円台に戻す場面もありましたが、その後大きく売り込まれ
ています。ユーロドルでは思ったほどドル安が進まなかったことから、ユ
ーロ円などクロス円は概ね下落しています。
ファイザー製薬が先週に続き、コロナワクチの治験最終分析で、95%の
確率で有効性が確認されたと発表しましたが、今回の発表に対して米株式
市場の反応はいま一でした。前回のファイザーとモデルナによる有効性の
発表には株式市場は大きく買いで反応しましたが、今回は限定的で、むし
ろコロナの感染拡大が止まらないことで株価は大きく沈んでいます。ファ
イザーによれば、被験者のうち170人が新型コロナに感染し、そのうち
ワクチン接種を受けたのは8人で、162人は偽薬の接種を受けた被験者
だったとしています。ワクチンは重症化を防ぐ効果も示し、重症患者10
人のうち9人が偽薬グループだったと発表しています。またワクチンは6
5歳以上の高齢者の94%強で効果を示しています。
ファイザーは数日以内に米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請
する準備が整ったと述べています。
昨日の日本のコロナ感染者の数もやや衝撃的でしたが、NY市では市内の
新型コロナウイルス検査陽性率が基準の3%に達したため、19日から公
立学校の対面授業を中止することを発表しています。
またニュージャージー州では1週間で入院患者が3割以上、人工呼吸器が
必要な患者は2倍にそれぞれ増加しています。
欧州でもイタリアでは1日当りの死者数が753人と、この7カ月余りで
最多を記録しており、ドイツでは感染拡大を阻止する政策に反対する1万
4000人規模のデモが発生し、警察隊と衝突しています。(ブルームバ
ーグ)コロナワクチンの開発は着実に進んでいるものの、ロックダウンな
どコロナ感染拡大阻止政策の実施による影響を懸念する声も高まっており、
まさに時間との闘いになっています。
NY連銀のウイリアムズ総裁はインタビューで、「景気は一段と困難な局
面を迎えると考える」と指摘し、「われわれにとって重要なのは、金融政
策での支援や他のプログラムを提供することで自分たちの責任を確実に果
たしていくことであり、力強い経済回復を可能な限り支えるための金融環
境を維持することが基本だ」と語っています。
また政府による財政支援の遅れに関しては、「この先数カ月間にわたり経
済を減速させるだろう」と述べています。
また議会における経済対策案の遅れについてJPモルガンのダイモンCE
OはNYタイムズが主催した会議で、「最大の焦点は対策の規模を2兆2
000億ドル(約230兆円)にするか、それとも1兆5000億ドルに
するか、というものだ。実にふざけている」とコメントし、「妥協して前
に進めばいいだけのことだ。これは大人気ない行動」と、議会の混乱を痛
烈に批判しました。(ブルームバーグ)
議会では今週、ペロシ下院議長が早期の合意を目指して共和党のマコネル
上院院内総務に書簡を送り、協力するよう要請しています。
104円をあっさり割り込んだドル円は、次のターゲットは今月6日に付
けた103円15-20銭となります。米株価が上がっても下がってもド
ル円が売られる展開が続いており、なかなか浮上するきっかけがつかめま
せん。頼みの米長期金利も1%の手前で足踏み状態です。
依然としてドルの上値は重く、下値目線を維持する必要がありますが、こ
こは想定内の動きと見ています。
本日のドル円は103円40銭~104円30銭程度を予想します。
- [2020/11/19 09:29]
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米株価反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は株価の下落や長期金利の低下を手掛かりに続落。
104円08銭までドル安が進み、104円割れも視野に。
◆ユーロドルは小幅に続伸。1.1893まで買われたが
節目の1.19台には届かず。
◆株式市場は反落。このところの急激な上昇に対する警戒感や
小売売上高が予想を下回ったことなどで利益確定の売りが優勢に。
ダウは167ドル下げ、他の主要指数も揃って下落。
◆債券は反発。長期金利は0.85%台へと低下。
◆金は反落し、原油は小幅に続伸。
◆10月小売売上高 → 0.3%
◆10月輸入物価指数 → -0.1%
◆10月鉱工業生産 → 1.1%
◆10月設備稼働率 → 72.8
◆11月NAHB住宅市場指数 → 90
本日の注目イベント
◆豪 豪第3四半期生産者物価指数
◆日 10月貿易統計
◆欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(改定値)
◆英 英10月消費者物価指数
◆米 10月住宅着工件数
◆米 10月建設許可件数
◆米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、ウェビナー参加
◆米 カプラン・ダラス連銀総裁、オンラインパネル討論に参加
◆米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、ウェビナーに参加
◆加 カナダ10月消費者物価指数
ドル円は、104円台は維持できたものの、ドルの上値が重い展開が続いています。
昨日のNYではコロナ感染の拡大が止まらず、発表された10月の小売売上も予想
を下回る「0.3%」(前月は1.6%)でした。
コロナ禍の状況下で、消費者は物の購入に慎重な姿勢であることを示す結果で、消
費者信頼感指数でも、この傾向が確認されています。
この指標の下振れで株価が下げ、安全資産の債券が買われ、長期金利の低下から円
が買われたようです。週初に見られたように、株価の大幅上昇時には「リスク選好
のドル売り」が優勢となり、昨日のように株価が下げると「逃避通貨としての円買
い」といったコメントが付けられ、投資家としては、なかなか基準となる判断材料
の選択に戸惑う状況です。もっとも昨日の場合は、米長期金利の低下がドル売り材
料の一つだったことは明らかです。
米国のコロナ感染の拡大は止まりません。
昨日も1日で16万5000人の感染が確認され、高水準の感染が続いています。
ファイザーやモデルナがコロナワクチンの有効性に関する朗報をもたらしてはいま
すが、実際に配布されるのは、米国で早くて12月。両社と契約を結んでいる日本
に届くのは来年1月の見込みです。
パウエルFRB議長は17日、米経済の回復は着実なペースで続く公算が大きいと
しながらも、「特に短期的にはコロナ感染率の上昇が著しいダウンサイドリスクだ」
と指摘し、「懸念されるのは人々がパンデミック対策への信頼を失い、感染リスク
を懸念する活動を控えることであり、すでにその兆候がみられる」と語っています。
(ブルームバーグ)日本でも地方都市での感染拡大が顕著で、これは「第1波」や
「第2波」では見られなかった特徴です。特に北海道での感染拡大は深刻な状況で
すが、政府は今のところ「Go toキャンペーン」を止める意志はないようです。こ
のままで行くと、今年の年末から来年のお正月は例年と大きく異なる「新生活様式
」にならざるを得ないようです。
大統領選で勝利を確実にしたバイデン氏は通商政策の3原則を示しています。
その中でバイデン氏は、再生エネルギーやITなど先端分野を対象に3000億ド
ル(約31兆2000億円)を投じ、300万人の雇用を産み出すとしています。
また貿易問題では台頭する中国を念頭におきながら「他の民主主義国家と連携する
必要がある」とし、中国に対しては「懲罰的な貿易手段は採用しない」と明言しま
した。中国に対して制裁関税を武器に対決姿勢を前面に出したトランプ氏の貿易政
策とは異なることを鮮明にした格好です。
トランプ氏の大統領選敗北に関する情報はその後入っていませんが、トランプ氏が
2024年の大統領選に出馬することを「真剣に検討している」とCBSが報じて
います。ここは潔く敗北を認め、次期選挙の準備に傾注した方が賢いと思います。
何しろ7100万人の支持者がいたことは紛れもない事実で、バイデン氏との差は
わずか500万票余りだったわけですから・・・。
本日のドル円はやはり、104円割れの可能性に注目です。
日経平均株価も今日は下げると思われ、株価の下げに素直にドル売りで反応する可
能性が高いと予想します。
レンジは103円70銭~104円60銭程度といったところでしょうか。
- [2020/11/18 09:17]
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米モデルナがコロナワクチン94.5%の有効性を発表
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は欧州から米国の朝方にかけて105円台を
回復したものの、その後104円台半ばまで押し戻される。
この日もリスク選好のドル安の流れに。
◆ユーロドルは1.18台で推移。朝方は売られたものの、
徐々に買い戻され、1.1856まで上昇。
◆株式市場はコロナワクチンへの期待から大幅に続伸。
ダウは470ドル上げ、3万ドルの大台に迫る。
S&P500は連日で最高値を更新。
◆債券相場は続落。長期金利は0.90%台に。
◆金は小幅ながら続伸。原油は反発し41ドル台に。
◆11月NY連銀製造業景況指数 → 6.3
本日の注目イベント
◆豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
◆欧 ラガルド・ECB総裁講演
◆英 ベイリー・BOE総裁講演
◆米 10月小売売上高
◆米 10月輸入物価指数
◆米 10月鉱工業生産
◆米 10月設備稼働率
◆米 11月NAHB住宅市場指数
◆米 アトランタ、ミネアポリス、ボストン、サンフランシスコ連銀総裁が
4連銀主催オンライン会議に参加
◆加 カナダ10月住宅着工件数
日本も含め、世界で新型コロナウイルス感染拡大が猛威を振るっている
中、ワクチン開発で、ファイザー製薬に次いで新たな朗報がありました。
米モデルナは16日、新型コロナウイルスのワクチンが大規模な第3相
臨床試験で94.5%の確率で効果を示したとの暫定結果を発表しまし
た。モデルナは3万人余りのボランティア被験者のデータを分析し、9
5人の感染者のうち、ワクチン接種を2回受けた被験者で感染したのは
5人のみで、偽薬を接種されたグループは90人だったと発表していま
す。また同ワクチンは通常の冷蔵庫の温度で30日間安定していること
も新たな安定性データで示されています。
先週のファイザー製薬がワクチンの高い有効性を発表したことに次いで、
モデルナの発表はコロナの感染拡大に直面している世界にとって極めて
インパクトのある朗報です。NY株式市場では、同社の株価だけではな
く、コロナ撲滅期待からほぼ全面高の展開となり、ダウは3万ドルの大
台まで50ドル余りに迫っています。日経平均株価の方も昨日は500
円を超える上昇を見せ、世界でも稀にみる周回遅れの日本株も、本日に
は2万6000円の大台を回復すると見られます。リスク選好からドル
の上値は重く、昨日のNYでは長期金利が上昇したことに伴い105円
台に乗せる場面もありましたが定着せず、押し戻されています。今後も
株価が堅調に推移するとみれば、上値の重いドル円はジリジリと値を下
げる展開も予想されますが、逆に株価が調整局面を迎えるようだとドル
円が反発する可能性もないとは言えません。日本では中間決算の発表を
ほぼ終え、上場企業の上半期は全体で38%の減益だったことが報じら
れています。通期でも34%の減益が予想され、さらに16%の企業が
赤字と予想されています。
中でも製造業の業績が厳しく、コロナ前の水準に戻るのは2022年度
と見られています。株価は「先読み」をすると言われますが、やや「読
み過ぎ」の感があると感じるのは
筆者だけではないと思われます。
バイデン政権で次期財務長官候補として名前の挙がっているイエレン前
FRB議長は、記者の質問に「これに関しては何も話すことはない」と
答え、自身が長官に適任だと思うかと問われると、「それは他人が決め
ることだ」と語ったそうです。(ブルームバーグ)全米50州の票が確
定し、バイデン氏は次期政権の閣僚人事にも着手したと報じられている
中、トランプ氏にやや変化が出てきたようです。
トランプ氏は15日朝、「He won」(彼が勝った)という文言を含むツ
イートを発信しています。共和党のハッチンソン・アーカンソー州知事
は「受け入れの始まりだと思う」と述べており、敗北を認め始めた可能
性もあるようです。ただその可能性をメディアが報じるとすぐに、「私
は何も認めていない」とツイートしています。
トランプ氏が直ちに敗北を認め、バイデン政権へのスムースな移行こそ
が、トランプ氏が掲げた「Make America Great Again」への最良の
道の一つだと思いますが、どうでしょうか。
本日は引き続き日本株の上昇が予想されます。
リスク選好のドル安の流れは、東京市場ではやや異なるものの、依然と
して上値が重いと思われます。104円割れが目先の焦点ですが、どこ
までドルが下値で粘れるかといったところでしょう。
予想レンジは104円~104円90銭程度とします。
- [2020/11/17 09:26]
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S&P500最高値更新
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は再び104円台半ばまで売られる。株価の大幅上昇に
リスク選好のドル売りが優勢となり、104円57銭までドル安に。
◆ユーロドルも反発。1.1837までユーロ高ドル安の流れが
進む。
◆株式市場は3主要指数とも揃って大幅に上昇。コロナワクチン
関連や景気敏感株が買われる。ダウは400ドル程上昇し、S&P
500は48ポイント上昇し、最高値を更新。
◆債券相場は下落し、長期金利は0.89%台へと上昇。
◆金は上昇し、原油は続落。
◆10月財政収支 → -284.1b
◆10月生産者物価指数 → 0.3%
◆11月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 77.0
本日の注目イベント
◆日 7-9月GDP(速報値)
◆日 9月鉱工業生産 (確定値)
◆欧 ラガルド・ECB総裁講演
◆米 11月NY連銀製造業景況指数
◆米 デイリー・サンフランシスコ連銀総裁講演(オンライン)
◆米 クラリダ・FRB副議長、オンライン討論会に参加
ドル円は再び104円台半ばまで売られてきました。
先週は米長期金利が0.97%台まで上昇したことで、ドル円は105円
65銭まで買われました。この欄でも触れたように、その水準から上方に
は重要なレジスタンスがあり、105円80銭近辺までうまく上昇出来れ
ば、テクニカル的にもう一段の上昇も見込める形状になった可能性があり
ましたが、結局レジスタンスに上昇を阻まれた格好で押し戻されています。
先週末のNYでは株価が大幅に上昇し、S&P500は9月以来となる最
高値の更新でした。NYダウとは異なり、S&P500が最高値を更新し
たということは、ハイテク株や一部の銘柄が買われたわけではなく、「幅
広く買われた」ことを意味し、新型コロナウイルス感染が急拡大している
状況にも拘わらず、引き続き株式市場には新規の資金が流れ込んでいるこ
とになります。コロナが克服された際には、一体どんな景色が見られるの
でしょうか・・・。
米主要メディアは大統領選の結果が50州全てで開票され、バイデン氏が
「306」、トランプ氏が「232」の選挙人を獲得し、勝敗が決まった
と報じました。
ただトランプ氏はツイッターの投稿で「選挙に不正があったから(バイデ
ン氏は)勝利した」と述べ、「私は何も認めていない!」と反論していま
す。一方勝利を確実にしたバイデン氏は次期政権の閣僚人事の構想を考え
ているとされており、財務長官候補として前FRB議長のジャネット・イ
エレン氏の名前も挙がっています。懸念されるのは、トランプ氏があくま
でも敗北を認めず、「政権移行」が大幅に遅れる事態です。ここまで来た
ら、バイデン氏の勝利がひっくり返えることはないにしろ、政権の移行が
スムーズに行われず、来年1月20日の大統領就任式までに正式に決まら
ない可能性もないとは言えません。そうなると、好調な株式市場も大幅に
売られ、今度は「リスク回避の円買い」が活発になるかもしれません。
トランプ政権のポンペオ国務長官は「トランプ政権はスムーズに継続され
る」と述べ、側近ぶりをアピールしています。
気になるのは、米国のコロナ感染が再び急拡大してきたことです。
先週には1日の感染者数が19万人に迫る日もあり、15日には累計感染
者数が1100万人を超えています。
バイデン氏に、コロナ対策を助言するパネルチームのトップであるマーシ
ー前医務総監は全国的なロックダウンには否定的な意見ですが、カリフォ
ルニア州では1日の感染者数が2万人に迫り、ここ数カ月では最悪の状況
です。また、フロリダ州でも15日には1万人を超え、7月以来最多とな
っています。先週12日に開かれた金融シンポジウム、ECBフォーラム
でパウエルFRB議長は、「リスクは明らかに米国でのさらなる感染拡大
だ」と警戒感を示し、「今後数カ月は厳しい状況が続くだろう」と述べて
いました。
株高・ドル安の流れが再び強まってきたような印象ですが、ドル円の浮上
のカギは米長期金利が1%を超えることができるかどうかにかかっている
と考えます。バイデン政権への早期移行ともに、大規模な経済対策の議会
通過が待たれます。
本日のドル円は104円30銭~105円程度を予想します。
- [2020/11/16 09:42]
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米長期金利再び1%に迫る
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆東京時間に一時105円台を割り込んだドル円は終始105円台で
推移。米長期金利の上昇が支えに。
◆ユーロドルは小幅に下落。独ZEW景況指数が予想を下回り、
コロナの感染拡大による懸念もあり、1.1793まで売られる。
◆株式市場は前日と同じ展開となり、まちまち。
アップルなどハイテク株は売られ、出遅れ銘柄に資金が流れる。
ダウは262ドル高と最高値を更新。一方ナスダックは続落。
◆債券相場は続伸。長期金利は0.96%台に上昇。
◆金は反発。原油は続伸し41ドル台に。
本日の注目イベント
◆豪 豪11月ウエストパック消費者信頼感指数
◆中 中国「独身の日」
◆欧 ラガルド・ECB総裁講演
◆米 債券市場休場 (ベテランズデー)
前日発表された米ファイザー製薬と独ビオンテックが開発したコロナワクチン
への期待感が市場では概ね好感され、世界の多くの国の株式市場は上昇しまし
た。昨日のNYではその流れが継続され、ダウは続伸し長期金利も上昇してい
ます。ただNY株式市場ではこの日も明暗が分かれ、バリュー株は買われたも
のの、ハイテク株は下げ、「アップルなどのハイテク株は買われ過ぎた」とい
った声もあったようです。ドル円は昨日の東京タイム昼前に105円を割り込
み、久しぶりの105円台前半ということもあり、上値の重い展開でしたが、
海外では再びドルが買われ105円49銭近辺まで上昇しました。
米国では新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、昨日は新規の感染者数が
過去最多となる14万2907人になっています。
このような中、ファイザー社のワクチンの有効性の発表が市場の雰囲気を一変
させましたが、一部専門家の中には、有効性が90%を超えたという「暫定結
果」の数字は極めて有望に見えるが、ワクチン候補の有効性や能力を巡る疑問
は依然残り、生産や供給の問題もあると指摘しています。
ファイザー社の臨床試験は4カ月足らず前に始まったばかりで、このワクチン
候補の有効期限がどれくらい長く、どれほどの人に有効なのか、今のところほ
とんど分かっていないと指摘しています。一方、国立アレルギー感染症研究所
のファウチ所長は、ファイザー社のワクチン候補が向こう1週間もしくは1週
間半で緊急使用許可が下りる可能性が高いと述べ、アザー米厚生長官も、同ワ
クチン候補は、早ければ11月下旬から1カ月当たり2000万回投与分のペ
ースで配布できるようになる可能性があると語っています。(ブルームバーグ)
「Election is over」(選挙は終わった)とバイデン氏が勝利宣言したにも拘
わらず、トランプ陣営では法廷での徹底抗戦の構えを崩さず、ホワイトハウス
の報道官は、共和党が行った開票状況の監視を妨害したなどと、不正選挙に対
して法廷闘争の輪を広げていく考えを改めて示しています。バー米司法長官も、
決定的な証拠はないものの、大統領選で不正行為があった可能性を巡り司法当
局者が調査を開始することを認めました。
一方バイデン氏は10日、トランプ氏が大統領選敗北を認めないのは「恥ずか
しいことだ」と述べ、このことは、トランプ氏のレガシーに汚点を残すことに
なると語っています。
上述のように、ファイザー社のワクチン候補の有効性の発表を契機に、金融市
場のセンチメントに大きな変化が出てきました。ワクチンへの早期配布で、コ
ロナ前の状況に戻るといった期待感から株式市場でも、これまでの「巣ごもり」
での勝ち組が後退し、大きく売り込まれた銘柄が息を吹き返しているようです。
そのため、安全資産の債券が売られ、昨日は長期金利が前日に続き0.97%
台まで上昇する場面がありました。市場ではFRBによる「ゼロ金利政策」の
解除が早まるといった見方も浮上しており、これが「ドル高円安」の一因にな
っていると見られます。
ただ今のところ、ドル円が105円台半ばまで上昇した背景は「ショート筋に
よるドル買い戻し」の域を出ておらず、このままドル高に転換したと考えるの
は早計だと考えます。
ただそれでも、昨日も触れましたが、米長期金利が1%を超えるようだと機関
投資家の投資スタンスも変わってくる可能性があります。
バークレーズ・リサーチによると、9月の国際収支統計の国別対外債券投資統
計では米国債が+9000億円と、8月の-6000億円から買い越しに転じ
ています。
9月の米10年債イールドは概ね0.6~0.7%台で推移しており、足元の
金利水準を考えるとより投資魅力が高まったと言えます。
より高い金利を求める機関家が米国債投資をさらに増やせば、ドル買い需要が
生まれることにつながります。今後もドル円を見る上で、米長期金利の動きは
やはり重要だと言えます。
本日のドル円は前日同様、104円80銭~105円80銭程度と見ます。
----------------------------------------------------------------------
12日(木)、13日(金)の「アナリストレポート」は都合によりお休みと
させて頂きます。
ご愛読者の皆様にはご不便をお掛けいたしますが、ご理解の程お願い申し上げ
ます。
- [2020/11/11 09:32]
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ドル円105円台半ばに急反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆103円台半ばで推移していたドル円はNY時間早朝から
買いが強まり、105円65銭まで上昇。米長期金利の上昇が
材料となり、円を売る動きが主要通貨に対して強まった。
◆ユーロドルは1.1920まで買われたあと急落。
1.1795までドル高が進む。
◆株式市場は、大幅高と大幅安が混ざり合い明暗が分かれる。
米ファイザー製薬がコロナワクチンの治験で好結果が出たと
発表したことでダウは一時1600ドルを超える上昇。
一方ナスダックは大幅安で取引を終える。
◆リスクオンの流れから債券は大幅安。長期金利は0.97%台
まで上昇した後、0.92%台で引ける。
◆ドルが大きく買い戻されたことで金は100ドルに迫る急落。
原油は景気回復期待から大幅高。
本日の注目イベント
◆豪 豪10月NAB企業景況感指数
◆日 9月貿易収支
◆日 9月国際収支
◆日 10月景気ウオッチャー調査
◆中 中国10月消費者物価指数
◆中 中国10月生産者物価指数
◆独 独11月ZEW景況感指数
◆英 英9月失業率
◆米 クオールズ・FRB副議長、上院で証言
◆米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
◆米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
ドル円は103円台半ばから一気に105円65銭近辺まで急反発しました。
昨日のドルの急騰劇は米大統領選関連ではなく、これまでに何度も筆者がこ
の欄でも触れてきた米金利の上昇でした。
米長期金利は、昨日の債券市場で一時0.9730%まで急上昇しました。
バイデン氏の勝利確実で大規模の経済対策が実施されやすく、その財源となる
「国債の大量発行が金利の上昇圧力になる」といったセオリーはすでに周知の
事実で、昨日はNYダウの急騰がリスクオンとなり、安全資産の債券が売られ
たと解釈できます。同じく安全資産の金が97ドルも下落(約5%)したこと
がその証でしょう。国債の大量発行だけで、金がここまで売られる理由は見つ
かりません。
NYダウはザラ場で一時、先週末比1610ドルも上昇する場面がありました。
引け値では834ドル高で終わっていることから、高値からは半分になったこ
とになり、荒っぽい相場展開でした。市場のセンチメントを大きく好転させた
のが新型コロナワクチン治験の好結果でした。米ファイザー製薬とドイツのビ
オンテックが開発するコロナワクチン候補が、大規模な治験で90%を超える
確率で感染を防いだとの「暫定結果」が明らかにされました。同候補薬の有効
性はこれまで、60%から70%と予想されていましたが、これを大きく上回
る結果に、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、90%を超える有
効性は「実に並外れている」と評価したとブルームバーグは伝えています。フ
ァイザー製薬のCEOは今回のワクチン開発は「この100年で最大の革命だ」
と述べているようです。欧米では新型コロナウイルス感染の急拡大で苦しんで
いる中、ワクチン開発に一つのメドがついたことで、市場の雰囲気が大きく好
転しました。大統領選の勝利を確実にしたバイデン氏も自身の政策の柱に「新
型コロナからの脱却」を掲げています。
ドル円はNYで105円65銭まで買い戻しが進み、11月4日の大統領選の
開票速報直後にドルが反発した際の高値、105円35銭を上回っています。
「日足」ではまだ下落基調は変わってはいませんが、相場の動きに敏感に反応
する「MACD」では「ゴールデン・クロス」が点灯しました。ただMACD
は依然として「マイナス圏」で推移しているため、ここから大きく値をさらに
戻す可能性は低いと思われますが、「早期警戒警報発令」には注意したいとこ
ろです。先週まではリスクオンが進むとドルが買われるケースが多かったもの
の、長い目で見た場合、米長期金利のドル円への影響力は無視できるほど小さ
いものではないと認識しています。
本日も日本株は大きく続伸するものと予想されます。
昨日の東京株式市場でも、日経平均株価が一時600円を超える上昇を見せた
ことに驚きましたが、本日は2万5000円台に乗せどこまで上値を伸ばせる
かが注目されます。出遅れ感の著しい日本株はここに来てバブル崩壊後の戻り
高値を更新してきました。機関投資家にとって、株価の上昇は「含み益」の増
大につながり、投資スタンスにも余裕が出て来ます。従って、さらに深く考え
ればリスク許容度が高まり、利回りの高い米国債に「為替ヘッジなし」で立ち
向かう余裕も生まれ、ドル高要因と捉えることも出来ます。
米10年債利回りが1%を超えてくれば、さらにその可能性が高まることにな
ります。
バイデン次期大統領は政権移行への準備を進めていると伝えられています。
次期財務長官の有力候補であるブレナードFRB理事は、これまで対中姿勢で
弱腰だったと見られ、実際に指名されれば議会で厳しい質問に直面する可能性
があるとブルームバーグは予想しています。その理由として、長官指名承認採
決を行う上院では貿易や人権、軍備拡張主義の問題で中国に対し、共和、民主
両党議員とも強硬なスタンスを支持しているからだとしています。
財務長官候補にはこの他、ファーガソン元FRB副議長や、ボステックアトラ
ンタ連銀総裁の名前も挙がっているようです。
本日のドル円は104円80銭~105円80銭程度を予想します。
- [2020/11/10 09:26]
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バイデン氏が勝利宣言
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は103円台で小動き。バイデン氏の勝利を織り込みながら
ドル円は103円20銭まで下落したが、雇用統計発表を受けて
買われる場面も。
◆ユーロドルは続伸し、9月15日以来となる1.1891まで
ユーロ高が進む。
◆株式市場はまちまち。連日の高騰で利益確定の売りも出る中、
ダウは68ドル安。ナスダックは4ポイントの上昇で越週。
◆債券は反落。長期金利は0.81%台に上昇。
◆金は続伸。原油は大幅に続落。
◆10月失業率 → 6.9%
◆10月非農業部門雇用者数 → 63.8万人
◆10月平均時給 (前月比) → 0.1%
◆10月平均時給 (前年比) → 4.5%
◆10月労働参加率 → 61.7%
◆9月卸売在庫 → 0.4%
◆9月消費者信用残高 → 162.14億ドル
本日の注目イベント
◆日 9月景気先行指数(CI)(速報値)
◆独 独9月貿易収支
◆英 ラガルド・ECB総裁、 ベイリー・BOE総裁ロンドンの金融関連会議で講演
◆米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
多くのメディアがバイデン氏の勝利が確実と報道したことを受け、バイデン氏は
日本時間8日の午前10時過ぎに、自身の出身地であるデラウェア州で「勝利宣
言」を行いました。会場には熱心な支持者が多く集まり、セレモニーは副大統領
に就任する予定のハリス氏が最初に登壇。支持者に感謝の言葉を述べるとともに、
「自分は女性で最初の米副大統領になるが、それは最初ではあるが最後ではない」
と述べ、米国の若い女性が今後も副大統領になる可能性があることにも言及して
いました。ハリス氏の後に登場したバイデン氏は喜びを全身に表しながら、「赤
い州でも青い州でもなく、合衆国を作る」と、団結を訴えていました。
「みんなで力を合わせれば、不可能なことはない」と「団結」という言葉を何回
も使っていたことが印象的でした。
一方敗戦が確実となったトランプ氏はバージニア州北部のゴルフ場でゴルフに興
じながらも、依然として選挙は不正で、敗戦を受け入れていない様子です。
ただ、CNNによると、メラニア夫人とトランプ氏の娘婿のクシュナー大統領上
席顧問はトランプ氏に敗北を認めるよう促しているようです。
ブッシュ元大統領(共和党)も、票の再集計などトランプ氏の権利を認めるとし
ながらも、選挙は「基本的には公正だった」との認識を示し、バイデン、ハリス
両氏に祝意を伝えたと、ブルームバーグは報じています。
また、シューマー民主党院内総務はかなり過激な言葉を用いてトランプ氏に敗北
を認めるよう促しています。「あなたは負けた。悪あがきはするな。家に帰れ。
フロリダの家に帰れ。事を遅らせるな。選挙について嘘をでっちあげるのはやめ
よ」とし、トランプ氏に対して「米国はもう、あなたを忘れて前に進まなければ
ならない」とNYでの記者会見で述べています。(ブルームバーグ)
トランプ氏が法廷闘争に訴えているため、正式にバイデン氏の勝利が確定するの
には時間がかかりそうですが、バイデン氏は、経済チームの立ち上げにも言及し
ており、オバマ前政権時代のベテランを起用する方向だとしています。
その中で、最も重要な閣僚の一つである財務長官には、ブレイナード現FRB理
事の名前が挙がっているようです。ブレイナード氏は過去の発言では「ドル安」
を志向しており、どちらかと言えば「ドル安論者」と見られていることから、今
後為替市場に影響を及ぼす可能性があります。今朝のオセアニア市場でもドル円
はやや円高傾向が進んだ中で取り引きされています。
バイデン氏が勝利を確実にしたものの、もう一つの焦点だった議会選挙では、下
院は民主党が過半数を獲得したものの、上院の勢力はまだ確定していません。
これまで同様「ねじれ議会」の可能性もあり、大規模な経済対策の年内成立は難
しいとの見方もあります。これまで市場が描いてきた、「民主党が主張している
2兆4000億ドル(約247兆円)の早期実現で、大量に発行される国債によ
り米長期金利が上昇する」といったストーリーに変化が出て来ることも考えられ
ます。また、多くの専門家がドル安の可能性を指摘していますが、バイデン政権
では米中関係がこれまでより改善されると考えれば、円高圧力の後退にもつなが
ります。法廷闘争の成り行きとともに、新政権への移行に注視しながら今後慎重
に対処していく必要があろうかと思います。
本日のドル円は102円80銭~103円80銭程度を予想します。
- [2020/11/09 09:30]
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ドル円7カ月ぶりの103円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は104円を割込み、103円45銭まで急落。バイデン氏勝利の確率が高まり、リスクオフの流れからドルが売られた。
- ユーロドルでも引き続きドルを売る動きが優勢となり、1.1860までユーロ高が進む。
- 株式市場は大幅続伸。バイデン氏の勝利の観測からダウは542ドル高となり、他の主要株価指数も軒並み大幅高で取引を終える。
- 債券は変わらず。
- 金はドル安の影響から大幅高。前日比50ドル上昇し、1946ドル台に。原油は反落。
本日の注目イベント
- 豪 RBA四半期金融政策報告
- 独 9月鉱工業生産
- 米 10月雇用統計
- 米 9月卸売在庫
- 米 9月消費者信用残高
- 加 10月就業者数
- 加 10月失業率
NY市場では朝方からドルを売る動きが優勢となり、104円台を突破。FOMC後にはさらにドル売りが進み、ドル円は103円45銭まで一気に売られました。今年3月にコロナ感染が拡大し、世界的にリスクオフの流れが加速し、株安、債券高、円高が進んだ時以来となる「ドル安・円高」水準を記録しました。NY株式市場ではこの日も株価が大きく上昇し、ダウは542ドル高と、今週だけでも1800ドルを超える上昇を見せています。
一方債券市場はほぼ変わらずの展開でしたが、今週は一時0.9%に迫る水準まで上昇した長期金利が急低下し、足元では0.7%台で推移しています。先週、米大統領選を巡りバイデン氏有利との事前の予想の中、トランプ氏が法廷闘争をも想定しているとの観測から、株価は大きく調整しました。投票を終え、結果は予想通りの展開になってはいますが、株価の方は全く反対の動きとなり、足元では「どちらが勝っても大規模な経済対策は実施される」との下、連日の急騰劇が続いています。また金利についても、国債の大量発行は避けられないとの見方から1%を超える上昇も予想されていましたが、その動きも修正されつつあります。
いずれにしても、依然として不透明で、今後どのような動きを見せるのか、予想が難しい展開が続きそうです。
米大統領選はバイデン氏の優勢が続いており、過半数の「270」に迫る状況ですが、今朝の時点でもまだ決まっていません。最新の情報では、バイデン氏の選挙人獲得数は「264」と、過半数まであと「6」に迫っています。残る激戦州4つのうち1州を制すれば、バイデン氏の勝利が決まる状況です。残る4州のうち、2州ではトランプ氏が優勢です。
ブルームバーグは今朝時点の開票状況を以下のように伝えています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
*ジョージア州ではトランプ氏が1万3000票弱リードしているものの、約4万7277票の未集計分があると伝えられています。
*ペンシルベニア州はトランプ氏のリードは11万5000票と最大ですが、開票率は92%で、未開票がまだ約75万票もあります。現在までに郵便投票の77%がバイデン氏に投票と、郵便による投票分が開いてくると結果はまだわからず、ここでの逆転もあるかもしれません。
*ネバダ州ではバイデン氏が1万17878票リードしているものの、こちらも開票率が88%で未集計分が相当あり、結果は現地時間の6日にずれ込むとの見通しです。
*アリゾナ州ではバイデン氏が6万9000票リードしており、開票率は約88%です。まだ45万票弱が未開票です。そのうち約30万票が、人口が最も多い郡で、バイデン氏優勢の地域です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
バイデン陣営では既に勝利を確実とし、バイデン政権への準備を開始しました。陣営では公式の政権移行サイト「buidbackbetter.com」を立ち上げています。一方トランプ氏の獲得数は「214」と、前日から全く増えていません。まだ決まってはいませんが、敗北は濃厚な状況になっています。予想された通り、トランプ氏は直ぐに、ミシガン州など4州で票の集計停止を求めるなどの法廷闘争に持ち込んでいます。明日にもバイデン氏の勝利が決まりそうですが、正式な勝利は法廷の判断に委ねられる気配です。国のトップを決める選挙ですが、日本では考えられない事態になりそうです。昨日は多くのメディアが、2000年の「ブッシュ対ゴア」の闘いを映し出していましたが、最後はゴア氏が米国と米国民のため潔く辞退して、最後は小雪降る中二人で肩をたたき合う姿が印象的でした。今回の二人には、はなからこのようなシーンを期待していないのは筆者だけではないと思われます。
FOMCは定例会合で、FF金利の誘導目標レンジを0-0.25%で据え置くことを決めました。声明文では、「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」と指摘し、文言は前回の声明文とほとんど変わっていません。会合後の会見でパウル議長は、「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」と述べ、前回同様政府による財政出動を要請した形でした。感染が拡大している新型コロナウイルスについても、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」語っています。
ドル円は約7カ月半ぶりの円高水準を付けました。3月の101円台が意識される状況ですが、米金利の動きにも注意が必要です。大統領選を巡る法廷闘争が長引くようだと、再びリスクオンに傾く可能性もあります。本日は雇用統計が発表されます。ドル円は103円~104円50銭程度を予想します。
-------------------------------------------------------------------------
4年に一度の大イベントである米大統領選挙もほぼ事前予想通りの結果になりそうです。選挙の開票速報を固唾を飲んで見守った米国人。ストレスから逃れようとグ―グルやツイッターのフィードでは「近所の居酒屋」という検索件数が過去最高になったそうです。「フライドポテト」という検索も記録更新しましたが、この24時間に最も検索された言葉は「選挙」だったそうで、(ブルームバーグデイブレイクより)ひとまずは、安心しました。
良い週末を・・・・・・・。

- [2020/11/06 10:16]
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トランプ氏善戦するもバイデン氏有利動かず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆東京時間に105円35銭前後まで上昇したドル円は下落。
米長期金利が大幅に低下したこともあり、104円25銭まで
ドルが売られる。
◆ユーロドルは東京時間に7月以来となる1.1603近辺まで
売られたが、ドル安の流れから反発。
◆株式市場は大幅に続伸。ナスダックは430ポイント上昇し、
ダウも連日の大幅高。
◆債券相場は急騰。議会選挙で民主党が上院を獲得するとの
観測が後退。長期金利は0.76%台に急低下。
◆金は反落し、原油は続伸。
◆10月ADP雇用者数 → 36.5万人
◆9月貿易収支 → -639億ドル
◆10月ISM非製造業景況指数 → 56.6
本日の注目イベント
◆豪 豪9月貿易収支
◆独 独9月製造業新規受注
◆欧 ユーロ圏9月小売売上高
◆欧 欧州委員会、経済見通し発表
◆英 BOE金融政策発表
◆英 ベイリー・BOE総裁会見
◆米 新規失業保険申請件数
◆米 FOMC 政策金利発表
◆米 パウエル議長記者会見
米大統領選の開票速報を巡り、ようやくドル円にも動きが出てきました。
事前予想のバイデン氏優勢とのシナリオから、「株高・債券安・ドル安」
の想定でしたが、昨日の東京市場の11時頃、トランプ氏の優勢が伝えら
れると、ドル円は105円台を回復し、105円35銭前後まで急速にド
ルの買い戻しが進みました。日経平均株価も一時は500円を超える上昇
を見せていましたが、上昇幅を250円程度まで縮め、米国債券先物も上
昇し、金利が低下する局面がありました。ドル円はその後再び105円台
を割り込む動きになりましたが、一見、大統領選ではどちらが勝っても株
価の上昇傾向は変わらないと見られていますが、バイデン勝利の方がより
インパクトがありそうな動きでした。
一方ドル円は、トランプ氏優勢との報道でドルが買い戻されたものの、そ
の動きに一貫性はなく、選挙結果に対する市場の反応は非常に不透明です。
そんな中、大統領選の勝者ままだ決まっていません。
今朝6時の段階では、バイデン氏が「248」の選挙人を獲得し、トラン
プ氏は「214」です。しかし、予想されたように郵便による票が徐々に
開いてきたことからバイデン氏のリードが広がっています。
CNNとNBCは、トランプ氏が2016年に勝利したミシガン州をバイ
デン氏が制したと伝えています。もしその報道が最終的なものなら、バイ
デン氏が獲得した選挙人は「264」となり、勝利に必要な「270」に
あと「6」となり、勝利に大きく近づくことになります。
昨日の夜10時の時点ではその差がわずか「13」と、非常に接戦でした。
ワシントンからのレポートを聞きながら、2016年の大統領選のことが
頭をかすめました。バイデン、トランプ両氏はお互いに演説で勝利を確信
すると声高に述べていました。特にトランプ氏は激戦州のフロリダで勝利
したことで勢いが増し、事前予想を超える「大健闘」との評価のようです。
ただ、トランプ氏は法廷闘争に持ち込む可能性も示唆していましたが、少
なくとも2州で集計の停止を求めて法廷闘争に乗り出したようです。
(ブルームバーグ)
ドル円はNYで104円25銭まで売られ、上記高値からは1円以上のド
ル安が進みました。ユーロドルも東京時間に1.1603前後まで売られ
た後、1.17台半ばまで反発しており、昨日の夕方からはドル安の流れ
が主流となっています。米長期金利の急低下がその一因と見られます。
米10年債は急騰し、前日比13bp以上も金利が低下しました。
その背景は議会選挙の行方にあります。
議会選挙では下院での民主党の優位は変わりませんが、上院では接戦とな
っており、このまま上下院で「ねじれ議会」が継続されれば、バイデン、
トランプのどちらの候補が大統領になっても、大規模な経済対策の実現に
は時間がかかるといった見立てから、債券が大きく買われたものと見られ
ます。ブルームバーグは上院で民主党が奪回する可能性はほぼ消えたとし、
「ブルーウエーブ」の期待がしぼんだと伝えています。
今朝の時点でも刻々と大統領選に関する情報が伝えられており、どうやら
大統領選の決着は連邦最高裁判所の判断に委ねられそうな形勢になってき
ました。ほぼ事前予想通りで、郵便投票による票が開くにつれバイデン氏
が支持を伸ばしている状況です。トランプ氏が法廷に判断を持ち込む可能
性が高まっており、そうなれば2000年の大統領選以来ということにな
ります。トランプ氏はそのための「布石」として、先日バレット氏を最高
裁判所判事に任命しており、用意周到と言わざるを得ません。
ただ、法廷闘争に持ち込むためには、トランプ氏は憲法もしくは連邦法の
下で具体的な法的異議を申し立てる必要があり、ブルームバーグは「私は
勝ったと思う」と言うために異議を申し立てることはできないと報じてい
ます。
いずれにしても、このままでは予想された中でも最悪の事態になりかねず、
今月一杯で勝者が決まる可能性は低くなったと思われます。
本日はNYの株高を受けて日経平均は大幅高が予想されます。
ドル円は株高でもリスクオンの動きに連動する可能性は低いと思われます。
104円~105円程度のレンジを予想します。
- [2020/11/05 09:33]
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米大統領選投票始まる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円はバイデン氏勝利を織り込みつつ、ドルがやや軟調に。
104円44銭まで売られたが、レンジを抜け切れず。
◆ユーロドルでもややドル安が優勢に。1.1739までユーロが
買われたが、こちらも様子見の域を出ず。
◆株式市場は大幅に続伸。ダウは554ドル上昇し、前日小幅高に
終わったナスダックも大きく買われる。
◆債券は続落。長期金利は0.89%台まで上昇。
◆金と原油は続伸。
◆10月自動車販売 → 1621万台
◆9月製造業受注 → 1.1%
本日の注目イベント
◆豪 豪9月小売売上高
◆日 日銀金融政策決定会合議事要旨(9月16・17日分)
◆中 中国10月財新サービス業PMI
◆中 中国10月財新コンポジットPMI
◆独 独10月製造業PMI(改定値)
◆独 独10月サービス業PMI(改定値)
◆欧 ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
◆欧 ユーロ圏10月サービス業PMI(改定値)
◆欧 ユーロ圏9月生産者物価指数
◆米 10月ADP雇用者数
◆米 9月貿易収支
◆米 10月ISM非製造業景況指数
◆米 米、「パリ協定」正式離脱
◆加 カナダ9月貿易収支
いよいよ新しい米国の、そして世界で最も影響力のある指導者を決める
選挙が行われました。トランプ氏が再選を果たし、もう4年間ホワイト
ハウスに留まるのか?あるいはバイデン氏が勝利し、新しいホワイトハ
ウスの住人になるのか、世界中が注目しています。既に、1億500万
人以上が期日前投票を済ませており、2016年の総投票数の4分の3
に相当するようです。
激戦州の中でも、フロリダ州とペンシルベニア州がカギを握ると見られ
ています。
ドル円は104円75銭まで上昇したものの、その後は軟調となり、ユ
ーロドルでもやや「ドル安」が進んでいますが、今のところ大きな動き
にはなっていません。一方株式市場では、2日に続き昨日も大幅な株高
で取引を終えています。ダウは2日間で1000ドルに迫る上昇を見せ
ており、今日の日本株にも影響を与えそうです。また、債券市場では債
券が売られ、10年債利回りは一時0.9%に接近しています。事前予
想通り「株高・金利高・ドル安」が進むのか、注目です。大統領選の開
票については州ごとに集計方針が異なるため、選挙結果の出るタイミン
グもまちまちです。特に今回は郵便による投票が多く、結果が出るのが
遅れることは必至です。
日本時間4日午前9時には、ジョージア、インディア州などで投票が締
め切られ、この時点では特にジョージア州が注目されそうです。196
0年以降の大統領選で民主党候補がこの州で勝ったのは3回しかなく、
うち2回は同州出身で知事だったカーター元大統領で、「ここでバイデ
ン氏が勝利すれば、極めて幸先の良いスタートになる」と、ブルームバ
ーグは報じています。この時点で複数のテレビ局やAP通信は各陣営が
確保した選挙人について、非公式の発表を開始する模様で、538人い
る選挙人の「270」を獲得した候補者が最終的な勝利者になります。
そして日本時間午前10時には注目のフロリダ、ペンシルベニアなど、
多くの州で投票が締め切られます。前にもこの欄で触れましたが、フロ
リダは選挙人の数も「29」と、全米で第3位の大票田です。
ここでバイデン氏が勝利するようだと、トランプ氏が再選する可能性が
ほとんどなくなると言われ、トランプ氏にとっても絶対に落とせない地
区です。また同州は開票作業を数日前から行っており、開票結果がすぐ
に出ることも予想されます。日本時間4日午前11時にはアリゾナ、N
Y州など14州で投票が締め切られ、この時点では選挙当時に投票所に
足を運んだ人の開票が進むと見られ、投票所に行くよう積極的に訴えた
トランプ氏にとって有利な開票が進むと見られます。
多くのメディアが指摘したように、この時点でトランプ氏が「勝利宣言」
を行う可能性もあります。
そして日本時間4日午後1時には、カリフォルニア州など、4州で投票
が締め切られ、この時点ではアラスカと、ハワイ州だけが投票が締め切
られていません。しかしこの段階で結果が明白であれば、各テレビ局や
AP通信は大統領選の勝者を報道する可能性があります。2008年の
オバマ氏勝利が伝えられたのも、ちょうどこの時間だった(ブルームバ
ーグ)そうです。
結局、本日午後までには大勢が判明しそうですが、今回はどちらも「敗
北宣言」は行わないと見られ、その後法廷闘争に持ち込まれる可能性も
あります。
大統領選の結果が金融市場にどのような影響を与えるかについては、株
式市場に関しては概ね
「株高」で一致しており、債券市場についても同様に「債券安・金利高」
といったところです。しかし、為替については、当初「ドル安円高」と
言われていましたが、その後はバイデン氏の勝利で民主党が主張する大
規模な経済対策が実施され易くなくことから、「ドル高円安」ではとい
った見方が台頭してきましたが、ここにきて再び「いや、どちらが勝っ
てもドル安円高だ」といった流れになっています。確かにドル安が進む
可能性が高いとは思いますが、昨日も金利高に振れたように、米金利が
1%を大きく超えていく可能性があります。
長い目で見た場合、米金利の上昇がドル円に与える影響は無視できない
と考えます。タイミングを言い当てるのは難しいですが、いずれジワジ
ワト円が売られると予想していますが、どうでしょう?
本日は103円~106円と、ほぼ予想がつきません。
あるいは、全く小動きに終始することもないとは言えません。
- [2020/11/04 09:33]
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ユーロドル1カ月ぶりに1.16台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は小動きの中小幅に上昇。104円74銭まで
ドルが買われ、米金利の上昇が材料に。
◆ユーロドルは続落し、1.1640まで下落。ECBによる
追加緩和の示唆に下値を探る展開に。
◆株式市場は下落。アップルなど決算発表を終えたIT株が
下げをけん引し、ナスダックは274ポイントの大幅安。
◆債券相場も下落。長期金利は0.87%台へと上昇。
◆金は反発。原油は続落し、約4カ月ぶりに35ドル台に。
◆9月個人所得 → 0.9%
◆9月個人支出 → 1.4%
◆9月PCEコアデフレータ → 1.5%
◆7-9月雇用コスト指数 → 0.5%
◆10月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 81.8
◆10月シカゴ購買部協会景気指数 → 61.1
本日の注目イベント
◆豪 豪9月住宅建設許可件数
◆中 中国10月財新製造業PMI
◆独 独10月製造業PMI(改定値)
◆欧 ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
◆米 10月ISM製造業景況指数
◆米 9月建設支出
米大統領選がいよいよ明日に迫ってきました。
昨日の多くのTV番組では、大統領選の報道に時間を割いていましたが、
その中で、 「NHKスペシャル」の、「混迷アメリカ大統領密着。分断
の裏で何が・・・」の番組が印象的でした。
バイデン氏支持の若い黒人女性がバイデン氏支持を広げる運動を続けなが
ら揺れ動く心理を描く一方、長い間デトロイトのクライスラーで働き、現
役を終えた白人男性はトランプ氏支持を訴えて地域活動を行ってきたもの
の、息子が「コロナに対する対応でトランプを支持できない」と、父親と
真っ向から対立。家庭内で「分断」が発生している状況を映し出していま
した。米国は今回の大統領選を巡りこれまでにないほど「分断」が深刻化
してきました。
もしトランプ氏が再選されるようだと、この流れはさらに加速するのでは
ないかという印象を受けました。米小売り最大手「ウォルマート」では、
先週から全米全ての店で銃の販売をしばらく停止したそうです。
米大統領選に関する複数の世論調査が1日に発表されていますが、バイデ
ン氏が引き続き全国レベルと激戦州の両方でリードしているようです。た
だ、一部の州では極めて接戦となっています。NYタイムズとシエナ大学
の調査ではペンシルベニアとフロリダ、アリゾナ、ウィスコンシンという
重要な激戦州の全てで、バイデン氏がリードしており、これら4州は20
16年の大統領選でトランプ氏が全て制した地区です。
一方でABCとワシントンポスト紙の調査によれば、バイデン氏がやや苦
戦しており、フロリダ州では50%対48%でトランプ氏が上回っている
とし、ペンシルベニア州についてはバイデン氏が51%と44%のトラン
プ氏を大きくリードしていると報じています。(ブルームバーグ)
すでに9300万人が期日前投票を済ませており、2016年の総票数の
68%に迫っています。またそのうち6000万人以上が郵便投票を行っ
ていますが、その投票の記述や投票用紙を封筒へ入れる方法などで、多数
の「無効票」が出るのではとの指摘もあります。
郵便投票ではすでにバイデン氏が有利であることも報告されています。
多くの専門家が今回の結果については「予測不能」といった言葉を使って
いますが、どちらの候補が勝っても、今後米国をまとめていくのは極めて
難しいのではないかと思います。
欧州ではコロナ感染の勢いが止まりません。
イギリス政府は31日、首都ロンドンのあるイングランドを11月5日か
ら約1カ月間ロックダウンすると発表しました。さらに感染の状況次第で
はさらなる延長の可能性もあるということです。
フランスではすでに10月30日から外出制限が出され、ドイツでも11
月2日から飲食店や娯楽施設の営業が停止されます。またイタリアやオー
ストリア、ベルギーでも同様の措置が取られることになっています。回復
基調にあった欧州の景気も再び下振れする可能性が高く、先週、ECBの
ラガルド総裁は「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつ
ある」と指摘し、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調
整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」と述べています。
今回の米大統領選は上述のように、「予測不能」といった意見が多い中、
個人的にはやはりバイデン氏が勝利すると予想していますが、ただ混乱は
避けられないかもしれません。開票が進むにつれて、トランプ氏有利が報
道され、ここでトランプ氏が「勝利宣言」を行うのではといった
観測も出ています。また「Qアノン」など、やや過激なグループがバイデ
ン支持者の投票を妨害するのではといった見方もあります。もっとも、そ
うなったら米国の「民主主義は崩壊した」も同然かと思いますが、トラン
プ氏が敗北した場合、トランプ氏は法廷闘争に持ち込む可能性は高いと見
られています。そのため選挙後も混乱が続き、市場がその都度大きく反応
することも考えられます。
ここ最近は、為替が株式市場の影響を受けにくくなっているのは幸いです
が、それでも乱高下することも予想されます。
2016年の選挙後の様な、大きな動きにはつながらないとは思いますが、
今週はある程度の値動きはあるものと思います。
本日のドル円は104円10銭~105円程度を予想します。
- [2020/11/02 10:26]
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