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トランプ大統領一転法案に署名 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆トランプ大統領が議会で可決した法案に署名したことを
好感し、リスクオンが高まったことでこの日はドル高に。
ドル円は103円89銭までドル高が進み、1週間ぶりに
103円台後半まで上昇。
◆ユーロドルは1.22台に乗せ、1.2240まで買われる。
ユーロ円は127円目前までユーロ高に。
◆法案がひとまず成立したことで株価は上昇。ダウは200ドルを
超える上昇を見せ、3指数が揃って最高値を更新。
◆債券は小動きの中ほぼ横ばい。長期金利は0.92%台で推移。
◆金は反落し、原油は続伸。

本日の注目イベント

◆米 10月ケース・シラ-住宅価格指数

27日米議会が可決した9000億ドル(約93兆1500億円)の経済対策
を含む包括法案に対して、国民一人当たり600ドルの現金給付には不満とし
て署名を拒否していたトランプ大統領が一転して法案に署名を行いました。
これにより法案は成立しましたが、トランプ氏は引き続き現金給付を2000
ドルに増額するよう求めていましたが、今朝の報道ではこれも議会で可決して
います。「1人当たり600ドルの現金給付額を2000ドルに差し替えるた
めの法案は、賛成多数で可決した。採決結果は賛成275、反対134と、可
決に必要な3分の2の賛成票を上回った」と、ブルームバーグは伝えています。

署名を拒否していたトランプ氏が一転して署名を行った背景には、自身が所属
する共和党内部からも署名を求める声があり、さらに「トランプ氏は退任後も
政治的な影響力を維持したいと考え、年始年末の経済の混乱回避を優先した」
(日経新聞)ものと見られます。
成立した経済対策は、2009年のリーマンショック時のそれを上回り、20
21年の経済成長を3%程押し上げる効果があるとの試算もあります。

ひとまず法案が成立したことで、NY株式市場は3主要指数が揃って最高値を更
新し、リスクオンが強まりました。
リスクオンが強まり、株価が上昇すると売られる傾向があったドル円は、昨日
はドル高に振れています。ドル円は103円89銭まで買われ、1週間ぶりの
高値を付け、直近の円の高値からちょうど1円値を戻したことになります。
依然としてドルの上値はまだ限定的と見ていますが、今のところ市場の参加者
が少ない間隙をぬった投機的な動きは見られません。
ユーロ円が127円に迫る水準まで上昇するなど、クロス円では概ね円安傾向
が継続しており、これがドル円をサポートしているとも考えられます。
また米長期金利も1%を目前に足踏みはしていますが、トレンドとしては上昇
傾向を維持していることも、ドルが思ったほど下げない要因の一つになってい
ます。

今年もあと3日で終わりますが、上述のように米国では大規模な経済対策に加
え、コロナワクチンの接種も急速に進んでいるようです。
今後、ドル円は下値を試す可能性が高いと見ていますが、どこかの段階で反発
することも十分考えられます。
コロナからの脱却と経済成長の再加速がドル高につながる構図ですが、この部
分では日米欧では先頭を走る可能性もあります。
ドル円が100円を割り込み、底値を確認してからの反転になるのか、あるい
は100円という非常に重要な大台を割り込むことなく反転に向かうのか、こ
の点については今後の動きを慎重に見ていきたいと思います。

本日のドル円は103円40銭~104円程度を予想します。


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英国とEU、通商協定で合意 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は市場参加者も少なく取引きは閑散。
103円台半ばから後半で推移し、ポジション調整の
ドル買いが優勢に。
◆欧州時間に1.22台を回復したユーロドルは
ジリジリと値を下げ、1.2178まで下落。
◆EUとの通商協定が合意に至り、ポンドドルは続伸。
一時は1.3619近辺まで買われ、2018年5月
以来となるポンド高を示現。
◆株式市場は短縮取引きの中、3指数は揃って上昇。
英国とEUが通商協定で合意に達したことを好感。
ダウは70ドル上昇。
◆債券は反落。長期金利は0.92%台へと低下。
◆金と原油は揃って続伸。

本日の注目イベント
◆日    11月失業率
◆日  2月東京都区部消費者物価指数
◆欧米   欧米主要市場はクリスマスのため休場

英国とEUは移行期間の終了が迫る中、歴史的な通商協定で合意に達しました。
ジョンソン英首相は、余程嬉しかったのか、体全体で喜びを表し、「数十年に
わたり英国の政治を悩ませてきた問題を解決した」と述べ、「いいとこだけを
集めた協定ではないが、現段階で英国に必要なものであると信じている」と語
っています。
これで来年1月からのEUとの貿易では、これまで通り関税ゼロで取引きが行
われ、英国にとって最も重要で最大の貿易相手であるEUとの関係は維持され
ることになります。一方、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、「長く
、曲がりくねった道だった。しかしその成果を示す合意だ」とコメントし、「
公平であり、バランスの取れた合意だ。英国とEUの双方にとって、適切かつ
守る責任ある内容だ」と語っています。
ただ、通商協定の合意によって12月31日以降も関税と割り当てのないモノ
の貿易は継続できるが、英国経済の約80%を占めるサービス業と金融サービ
ス業に対しては適用されない(ブルームバーグ)と、されています。

米国では議会を通過し、大統領の署名を待つばかりとなっていた9000億ド
ル(約93兆円)規模の追加経済対策でしたが、トランプ大統領は個人への直
接給付600ドルでは不足だとして2000ドルへ増額するよう議会に修正を
求め、署名を拒否していました。
この案に対してペロシ下院議長など、民主党は受け入れる構えを見せていまし
たが、24日の議会で共和党が反対しました。可決には全会一致が必要でした。
同包括法案には2021年会計年度の予算も含まれており、議会で承認され大
統領の署名を得られない場合には、28日までの暫定予算の失効に伴い、連邦
政府は資金切れとなり、政府機関が停止されることになります。
以前にもこの問題は「フィスカル・クリフ」(財政の崖)と呼ばれ、実際に政
府機関の機能がストップした経緯もあります。
ペロシ議長は、「上下両院で民主党は米国民のために個人給付の増額に向けて
繰り返し取り組んできているが、共和党が拒否し続けている」と批判していま
す。
民主党は28日に下院で採決する方針のようですが、「一難去ってまた一難」
といった状況です。

「時間との勝負」となっているコロナとの闘いですが、英国で発生した新型コ
ロナ変異種が、初めてドイツで感染が確認されました。
NY州では12月の感染者数が累計で23万6000人を超え、まだ1週間も
残しているものの、月間ベースでは過去最多を記録しています。米疾病対策セ
ンター(CDC)は米国の新型コロナ累計死者数が来年1月16日時点で
37万8000~41万9000人になるとの見通しを発表しています。
ジョンズホプキンス大学の24日時点での集計では、累計死者数は32万70
00人ですから、今後3週間ほどで28%以上も増えることになります。ワク
チン接種はすでに始まっていますが、まさに「時間との闘い」になっています。

本日はクリスマスということで、東京以外の主要マーケットは全てお休みです。
当社のレート配信も午後3時25分で終了しますのでご注意ください。
それ以降は、28日(月)の7時までレート配信はありません。
本日のドル円はほぼ固定レート状態かと思いますが、スプレッドが通常よりワ
イドになると思われます。インターバンク市場でも同様なことが起きており、
この時期はやむを得ません。

「パンデミック」、「クラスター」、「実行再生産数」、さらには、「ECM
O」、「PCR」と、今年初めて耳にした新型コロナに関する言葉は多くあり
ます。そして残念なことに、それらの言葉が連日マスコミで報道されているこ
とから、今ではすっかり、その言葉の意味を理解し、耳慣れてしまいました。
先日、普段は「鬼滅の刃」に夢中の6歳の孫に「パンデミックって何のこと?」
と聞かれ驚きました。

今年は文字通り、コロナに始まってコロナに終わります。
来年の今頃は間違いなくこれらの言葉が過去のものになっていて欲しいと願わ
ずにはいられません。
よい週末を・・・・・。

欧米主要市場がクリスマスで休場のため、28日(月)の「アナリストレポー
ト」はお休みとさせて頂きます。また「ウィークリーレポート」もお休みとな
ります。



英国とEUの通商協議、大筋合意 

ひと目で分かる昨晩の動き 
NY市場

◆ドル円は小動きの中、ユーロがドルで軟調だったことから
103円65銭まで上昇。
◆ユーロドルはやや上値が重くなり1.2161まで下落。
1.22台では徐々に上値を切り下げる展開が続く。
◆株式市場は午後の引け際まで3指数とも揃って上昇して
いたが、上げ幅を大幅に縮小しダウ以外は反落。
ダウは114ドル高。経済対策の行方が依然不透明に。
◆債券相場は反落。長期金利は0.94%台へと上昇。
◆金と原油は揃って反発。
  
◆11月個人所得                    →  -1.1%
◆11月個人支出                    →   -0.4%
◆11月PCEコアデフレータ              →  1.4%
◆ 新規失業保険申請件数                 →  80.3万件
◆11月耐久財受注                   →  0.9%
◆12月ミシガン大学消費者マインド(確定値)      →  80.7
◆11月新築住宅販売件数                →  84.1万戸
◆10月FHFA住宅価格指数              →  1.5%

本日の注目イベント

◆日   黒田日銀総裁講演
◆トルコ トルコ中銀、政策金利発表
◆欧   ECB経済報告
◆米   5月新築住宅販売件数
◆米   株式・債券市場、短縮取引

ようやく議会で可決された9000億ドル(約93兆円)規模の米経済対策案
でしたが、実現にはまだ不透明感が残っています。
トランプ大統領は同案の、大半の国民を対象とする直接給付を「とんでもなく
低い」とし、「1人当たり600ドルから増して2000ドルに引き上げるよ
う議会に求める」と述べ、同案への署名を拒否しています。
これに対してペロシ下院議長は、直接給付額を2000ドルに引き上げるとの
内容を盛り込んだ新たな法案を採決にかける計画で、民主党と歩調を合わせる
よう共和党に呼びかけています。ただ、共和党幹部は財政規律の観点から20
00ドルへの増額には難色を示しているようで、経済対策の早期実現には至っ
ていません。NY株式市場では、この状況を嫌気して引け間際には上げ幅を大
きく縮め、ダウ以外は前日比マイナスで取引を終えています。
トランプ大統領は早くから大規模な経済対策を主張していたこともあり、任期
最後の仕事として、自身の「トラックレコード」を残したい考えもあるようで
す。
民主党側は、国民が必要とする支援だとして歓迎していますが、共和党側の出
方次第では年内の成立が危ぶまれ、黄信号が灯っています。

もう一つの懸案事項だった英国とEUとの通商協議はどうやら合意しそうな気
配です。「英国とEU、大筋合意」とのヘッドラインが語るように、23日中
にも歴史的な合意がありそうです。
ブルームバーグによると、EUが他の分野で折れることを条件に、英国側が大
幅な譲歩を見せたようです。英国側の最新の提案では、EUによる英水域での
年間漁獲高(金額ベース)を約3分の1減らすよう要求していました。EU側
はこれに対して、25%を上回る削減は、フランスやデンマークにとって受け
入れ難いとして、英国の提案を拒否していました。
詳しい内容はまだ分かっていませんが、英国側が大幅な譲歩を見せたことで交
渉は最終段階にあるようです。
フランスのボーヌ欧州問題担当相は「来年まで持ち越されることを私は望まな
い」と述べ、ジェンリック英・住宅・地域社会。・自治相は「そこそこ楽観し
ている」と語っています。
大筋合意の報道を受け、ポンドドルは1.34前後から1.35台前半まで急
騰しています。

クリスマスや年末に向け、市場の不確定要素だった案件は概ね落ち着きを見せ
て来ましたが、一方でコロナウイルスの方は感染が止まらないどころか、依然
として拡大しています。英国では1日の新規感染者数が過去最多の3万923
7人になったことが発表され、英政府は最も厳しいロックダウン措置をイング
ランド全域に拡大しました。日本でも連日報道されているように、新規感染者
数がこれまでの最多を記録し、お酒を伴う飲食店の営業時間をさらに早めるこ
とも検討されているようです。コロナによる死者数もついに3000人を超え
てきました。ワクチンの到着は早くても来年2月以降と見られており、状況に
よっては春以降になる可能性もあります。
日本医師会の中川会長は昨日の会見で、政府にさらに厳しい措置と、国民に一
段の自粛を訴えていました。
また、医療崩壊目前だとの認識も示し、特に年末年始の医療体制が困難である
ことに危機感を示していました。「コロナに年末年始はない」とのことです。

ドル円が102円88銭まで売られてから1週間が経ちましたが、103円台
半ばを中心とした取引が続いており、思ったほどドル安は進んでいません。
クリスマス休暇前にポジションを縮小する動きもあろうかと思いますが、市場、
特に株式市場がこれまでのような一方的な「リスクオン」に傾いていないこと
も、その一因として挙げられます。
NYダウが初めて引け値で3万ドルの大台を達成したのは11月24日でした。
昨日のダウは114ドル高でしたが、それでも3万129ドルと、ここ1カ月
でほとんど上昇していません。
この動きは日経平均株価が2万7000円を前に足踏みしていることにも通じ
ます。
リスクオンでドルが売られる傾向が定着しつつあるため、リスクオンが進まな
い足元の動きではドルが底堅い動きを見せています。
また一時1.22台後半まで上昇したユーロドルが、1.23を前に勢いが鈍
っており、やや天井感が出て来たことも要因の一つと見られます。

本日のドル円は103円30銭~103円80銭程度と見ますが、クリスマス
イブということもあり、値幅はぐっとせばまる可能性があります。


リスクオフがやや進み、ドル円103円台後半に 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円はややリスクオフが進んだことで買い戻しが優勢に。
ユーロやポンドが対ドルで売られこともあり、103円73銭まで
円が売られた。
◆ユーロドルは前日と同じような展開となり、1.21台半ばまで
ユーロ売りが進む。
◆株式市場はまちまちの展開。新型コロナウイルスの「変異種」
拡大の影響が残り、ダウは200ドル安。一方ナスダックは
アップルなどの上昇に支えられ65ポイント高。
◆債券は続伸。長期金利は0.91%台に低下。
◆金と原油は続落。
  
◆7-9月GDP(確定値)           →  33.4%
◆11月中古住宅販売件数            →  669万戸
◆12月リッチモンド連銀製造景況業指数     →  19
◆12月消費者信頼感指数            →  88.6

本日の注目イベント

◆日   日銀金融政策決定会合、議事要旨(10月28日、29日分)
◆日  10月景気先行指数(CI)(改定値)
◆米   11月個人所得
◆米   11月個人支出
◆米   11月PCEコアデフレータ
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   11月耐久財受注
◆米   12月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
◆米   11月新築住宅販売件数
◆米   10月FHFA住宅価格指数
◆米   バー司法長官退任

米上院は21日深夜の本会議採決で、新型コロナウイルス感染拡大の影響に対する
約9000億ドル(約93兆円)規模の追加経済対策と、1兆4000億ドル規模
の2021年会計年度(20年10月―21年9月)歳出法案を可決しました。
下院でもすでに可決済みのため、同案はトランプ大統領に送付され、署名を待つの
みとなりました。
追加経済対策の合意を巡り、これまで何度も株価を乱高下させ、それがリスクオン、
リスクオフとなり、為替にも影響しましたが、法案成立にも拘わらず昨日のNYでは
ダウは
200ドルも売られ、安全資産の債券が買われました。織り込まれていたと言えば
それまでですが、やはり根底には「Buy on rumor、Sell on fact(News)」という相
場の定理のようなものが働いていたのでしょうか。

英国で広がっている新型コロナウイルスの「変異種」は、既に米国とドイツ、フラ
ンスにも流入している可能性もあると報告されています。
ファイザーと共にワクチンを開発した独ビオンテックのサヒンCEOは21日の会
見で、「コロナ変異種に対しても両社のワクチンが恐らく有効だ」との見解を示し
ました。またサヒン氏は、「具体的な数字はまだ分からない」としながらも、両社
が来年の生産を約束した13億回分を上回る量を製造するため、あらゆる選択肢を
探っていることを明らかにしました。
米国からは、バイデン次期大統領が同ワクチンを接種する映像も届いており、米国
立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も、アザー厚生長官とともに同ワクチン
を接種しています。

昨日この欄でも紹介しましたが、英国とEUとの通商交渉で、漁業権について英国
が新たな提案を行いましたが、EU側は拒否したと関係者が明らかにしたことを、
ブルームバーグが報じています。
EUのバルニエ主席交渉官は、英国とEUが通商合意に向けて「最後の追い込み」
をかけていると述べ、双方の当局者は23日にも合意の成立は可能だと話していま
す。ただ残された時間は限られており、ロンドン市長やスコットランドの首相など
は、離脱移行期間の延長を求めるようジョンソン英首相に迫っていると伝えられて
います。
しかし、それでも移行期間の延長は法的にも難しいようです。
「離脱協定」には、2020年12月末から最長24カ月の延長を認めるオプショ
ンが盛り込まれていますが、延長の決定は今年6月末までに下すこととなっていま
す。この「離脱協定」は英国がEUを離脱した今年1月31日に発効済みで、今か
ら「離脱協定」を書き換えることは、法的には可能ではない。(ブルームバーグ)
と説明されています。英国では、EUとの通商協議が不調に終わるとの見方もあり
、欧州大陸との物流拠点であるドーバー海峡ではトラックの激しい渋滞が続いてい
ます。加えて新型コロナウイルスの「変異種」の問題がクローズアップされており、
「泣きっ面にハチ」状態です。物流システムに大きな混乱が生じているため、フラ
ンス政府は英国との国境を再開する予定だと今朝は報じられています。

昨日のNYではややリスクオフに傾いたため、ドル円は再び103円台後半を試す
展開でした。ただ前日のドルの高値は抜けておらず、まだ上値は重い印象です。
NYダウが一進一退の動きに変わっており、これまでのように力強い上昇を見せて
いません。そのため、リスク、オンとオフが交互にやって来る展開です。
また足元ではポンドの動きも、ドル円を見る上でも必要になってきた印象がありま
す。

本日のドル円は103円10銭~103円90銭程度を予想します。


コロナの『変異種』欧州で拡大 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆リスク回避の流れが強まったことからドル円は欧州時間に
103円89銭近辺まで反発。NYでは上値を追う動きはなく、
ドルがジリジリと売られ、103円30銭まで下落。
結局、東京時間のレベルまで押し戻される。
◆ユーロドルは反落し、1.2163まで売られる。英国とEU
との通商協議の行方が不透明なことに加え、欧州各国がロックダウンに
踏み切ったことがユーロ売りにつながった。
◆コロナの「変異種」が確認され、欧州でロックダウンが相次いだ
ことから株価は朝方から大きく下落。その後銀行株を中心に買いが
優勢となり、結局ダウは37ドル高で取引を終える。
◆債券相場は反発。長期金利は0.93%台に低下。
◆金は続落。原油は欧州でのロックダウンを手掛かり大幅に
下落。

本日の注目イベント

◆独   独1月GFK消費者信頼感
◆英   英7-9月期GDP(改定値)
◆米   7-9月GDP(確定値)
◆米   11月中古住宅販売件数
◆米   12月リッチモンド連銀製造景況業指数
◆米   12月消費者信頼感指数

本日も話題は、「新型コロナウイルス」と、「米経済対策を巡る動き」、そして
「英国とEUの通商交渉の行方」の「3本立て」です。

昨日もこの欄で触れましたが、コロナウイルスの「変異種」が欧州を中心に拡大
しているニュースが、大きく取り上げられています。
「変異種」はすでに英国だけではなく、イタリア、オランダ、デンマークなどで
も確認されており、アフリカでも異なる種類だとされていますが確認されていま
す。ハンコック英保健相は前日、コロナ変異種の感染が「制御不能」に陥ってい
ると警告しています。「変異種」はこれまでのコロナに比べ70%も感染力が強
いといった報告も英国から伝えられています。欧州各国でロックダウンに踏み切
ったことから、「リスクオフ」が一気に
強まり、昨日の欧州時間にドル円は103円89銭前後まで買い戻されています。
「リスクオンでドル売り」が強まることの「裏返し」ということでしょうか。
前日49ドル台まで買われていたWTI原油価格も、昨日は大きく売られました。
欧州各国では渡航禁止が発令され、特に欧州と英国の物流拠点であるドーバー海
峡ではトラックなどの物流で混乱が出ている模様です。

英国とEUの通商交渉は依然として合意には達していませんが、英国側から新た
な提案が検討されているようです。
ブルームバーグによると、双方とも週末には新たな譲歩は難しいことを示唆して
いましたが、交渉に詳しい関係者は英国が21日、EUが他の分野で折れるのを
条件にさらなる譲歩を申し出たとされています。
英国は最新の提案で、EUによる英水域での年間漁獲高(金額ベース)を約3分
の1減らすことを求めているようです。ジョンソン英首相はEUが提示した通商
協定案を受け入れるかどうかの決断を迫られていると、ブルームバーグが報じて
います。英国はロンドン時間12月31日午後11時をもってEU単一市場と関
税同盟を離れますが、離脱後の協定についてEUは週末にこれ以上の譲歩を拒否
しており、ジョンソン首相がどう動くかが注目されています。
交渉に近い双方の関係者は、21日の合意が成立する大きな可能性があると述べ
ていますが、交渉が決裂する確率も同じくらい高いことも認めています。

報道されているように、米議会の与野党指導部は9000億ドル(約93兆円)
規模の追加経済対策で合意しました。
ペロシ下院議長は会見で、「今回の経済対策は第一歩。バイデン次期政権で追加
対策を講じる」と述べ、さらなる追加対策の対案を示唆しています。これに対し
てムニューシン財務長官はCNBCのテレビ番組で、「これで回復できる」と述
べるに留まっています。
合意した内容では、大人一人あたり最大600ドルの現金給付や、低所得層を中
心に家賃の支払いや食費の確保を支援する仕組みも含んでいます。
本来ならこの合意を受けてNY株式がさらに上値を追う展開も想定できましたが、
コロナの「変異種」に負けた格好です。
巷で、ようやくコロナワクチンの接種が開始されたことを感じ取って、自己変質
したわけでもないのでしょうが、コロナは手ごわく、侮れない相手です。

ドル円は欧州時間に103円89銭近辺まで反発したことから、短期の動きを示
す「30分足」では一目均衡表の雲を上抜けしましたが、その後のNY市場の動
きで、再び雲の下方に押し戻されています。
リスクオフが一時的に高まったことによるドルの買い戻しでしたが、この先コロ
ナの「変異種」がどこまで猛威を振るうのかを見極める必要があります。
これまでのように、大きな流れとしてリスクオンが継続されるのであれば、ドル
円も再び102円台を試すことになりますが、恐怖指数と呼ばれる「VIX指数」
は約1カ月ぶりに「25」を超えて来ています。依然としてドルの上値の重さは
昨日のNYでの動きからも確認されていますが、やや注意は必要かと思います。

本日のドル円は103円~103円80銭程度を予想します。


米経済対策大筋合意 


ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は小動き。103円台には戻したものの、103円台
前半でのもみ合いに終始。
◆ユーロドルは前日の水準から値を下げる。1.226まで
売られたが、ポジション調整の域に留まる。
◆株式市場は3指数が揃って反落。ダウは124ドル下げた
ものの、下げ幅は引け際に経済対策で大筋合意との報に
大幅縮小。
◆債券相場は続落。長期金利は0.94%%台に上昇。
◆金は反落し、原油は5日続伸。

◆経常収支(7-9月)       →  -1785億ドル
◆11月景気先行指標総合指数    →  0.6

本日の注目イベント

◆欧  ユーロ圏12月消費者信頼感指数(速報値)

年内の成立が危ぶまれていた米経済対策案が大筋合意し、20日上下両院で
採決される見込みとなりました。
追加経済対策の規模は総額9000億ドル(約93兆円)とし、大人一人あ
たり600ドルを支給する現金給付も盛り込み、低所得層を中心に家賃の支
払いや食料の確保を支援する内容です。民主党のシューマー上院院内総務は
19日遅くに記者団に対し、共和、民主両党の交渉担当者の立場が「非常に
近づいている」と述べ、経済対策について上下両院が20日にも採決に動く
ことが可能だと発言しています。また同氏は、「この方向に事態が引き続き
進み、邪魔が何も入らなければ、明日採決できるだろう」とも述べています。
この報道は先週末のNY株式市場の引け間際に伝わり、3主要指数は下げ幅
を大幅に縮小して越週しました。

もう一つの懸念材料である英国とEUとの通商交渉は依然として難航してお
り、双方の間に「著しい相違」があると、双方の担当者は述べています。合
意への最大の障害は、漁業権と国家補助だと当局者は指摘しており、英国側
の交渉責任者フロスト氏とEU側のバルニエ主席交渉官との交渉は21日も
継続される見通しです。(ブルームバーグ)ポンドはこの報道で売られ、や
やドル高に振れており、ドル円も今朝方はドル買い戻しが優勢となっていま
す。

英国は新型コロナウイルスでも厳しい状況に立たされています。
英国のハンコック保健相は新型コロナウイルス「変異種」の感染が、「制御
不能」に陥っていると警告しています。
20日から3回目のロックダウンに入ったロンドンとイングランド南東部で
は、住民1600万人余りが外出自粛を指示されており、ジョンソン首相が
「クリスマスを禁じるのは非人間的だ」と述べていましたが、政府はそのわ
ずか3日後に撤回を余儀なくされています。オランダ政府は20日から英国
への渡航を禁止する措置に踏み切っています。
欧州では英国以外でもイタリアやスウェーデンでも都市封鎖が続いており、
今年は異例の
クリスマスシーズンになりそうです。
米国でも、カリフォルニア州では1週間の新規コロナ感染件数が30万26
90件と7日間としては過去最多となっており、累計では185万456件
に達しています。(ブルームバーグ)
ジョーンズホプキンス大学の集計では、全世界のコロナによる死者数は16
9万人を上回っています。
一方で米国ではコロナワクチンの集団予防接種が始まり、米疾病対策センタ
ー(CDC)は、最初の週に55万6208人が接種を受けたと発表しています。


日本でも「勝負の3週間」は完敗で終わり、今ではその敗因の一部に「Go To
キャンペーン」が挙げられている状況です。
先週は東京都で1日の感染者数が過去最多を更新し、昨日も556人の感染
者数を記録しています。
日本でもコロナクチンの早期審査を進める意向はあるものの、田村厚生労働
大臣は、日本の接種時期について、「2月とは予断を持って言えない」と述
べました。

ドル円は先週102円88銭までドル安が進んだものの、そこからはやや値
を戻しています。
103円がかなり重要な水準であったことから、「103円を割り込むとド
ル安が加速する」と予想していましたが、今のところドル下落の勢いは緩慢
です。
ただ、依然としてドルの上値は重い展開が予想され、クリスマスから年末に
かけて注意が必要なことは変わりません。

本日のドルは103円~103円80銭程度を予想します。


ドル円約9カ月ぶりに102円台に 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は続落し、約9カ月ぶりに102円88銭まで売られた。
米経済対策の合意が近いことや、金融緩和が長期にわたって継続
されることなどが材料視され、リスクオンが強まったことが背景。
◆ユーロドルも続伸し、一時は1.2273までユーロ高が進行。
◆株式市場はリスクオンが一段と強まり、3指数が揃って最高値を
更新。
◆債券は続落し、長期金利は0.93%台へと上昇。
◆金は3日続伸。原油も買われ48ドル台に

◆新規失業保険申請件数           →  88.5万件
◆11月住宅着工件数            →  154.7万戸
◆11月建設許可件数            →  163.9万戸
◆12月フィラデルフィア連銀景況指数    →  11.1

本日の注目イベント

◆日  11月消費者物価指数
◆日   日銀金融政策決定会合
◆日   黒田日銀総裁記者会見
◆独   独11月生産者物価指数
◆独   独12月ifo景況感指数
◆欧   ユーロ圏10月経常収支
◆英   英11月小売売上高
◆米  経常収支(7-9月)
◆米   11月景気先行指標総合指数
◆加   カナダ10月小売売上高

NYではリスクオンがさらに進み、「株高・債券安・ドル安」が一段と進行
しています。米経済対策が合意に近いとの観測や、前日のFOMCで緩和政
策が長期に継続されることが確認されたことなどが、市場の先行きに不透明
感を覆っている「新型コロナ」に打ち勝っている状況です。
もっとも、上記材料に加え、「過剰流動性」が根底にあり、大量の資金が次
の「ホットスポット」を求めて躍動していることも挙げられます。
「リスクオン」の流れを受け、下げ基調にあった金が1900ドル台まで買
われたことや、WTI原油価格が約9カ月ぶりの高値となる48ドル台半ば
まで買われたことなどがそれを物語っています。
要は、「カネ余り」が続いているということです。

ドル円は11月に記録した直近のドル安水準を割り込み、102円88銭前
後までドル安が進みました。明らかに、「円高ではなくドル安」であること
は、その他のドルストレートを見ても、クロス円でも確認できます。
ユーロドルは1.2273までユーロ高が進み、こちらは2018年4月1
6日以来の水準ですが、ECB高官からは目立ったユーロ高をけん制する発
言はありません。NY株は「3指数が揃って最高値を更新」しました。
これで今年は何回目の「最高値更新」になるのでしょう?。米ゴールドマン
サックスは、トレーディング部門が好調なことから、賞与を20%増やす計
画だと、ブルームバーグは伝えています。コロナ禍で職を失う人もいる中、
対照的なニュースで「悲喜こもごも」といったところです。
安全資産の債券は売られましたが、こちらは思ったほど下げはきつくなく、
「長期金利の1%超え」は近いようで遠い印象です。FRBが恒常的に市場
から債券を購入していることで、金利上昇圧力はあるものの、1%を前に足
踏み状態です。

米経済対策を巡り共和党のマコネル上院院内総務は、超党派合意が「間近だ
とみえる」と発言し、上下両院を通過させるため、「これを仕上げるまでわ
れわれはここに残る。週末を通した作業が必要になったとしてもだ。そうな
る可能性は非常に高い」と述べています。
ペロシ下院議長も「進展があった」と述べており、今週末にも合意の実現性
が高まってきました。
またトランプ大統領も、議会指導部が48時間以内に経済対策で合意するこ
とを楽観していると、ホワイトハウスの報道官が述べています。昨日のNY
の株高は合意を織り込んだ動きとも言えます。

もう一つの難問である英国とEUの通商協議の方は、お互いがある程度の歩
み寄りを見せているようですが、最後の「漁業権」問題で折り合いがついて
いないようです。ジョンソン英首相は、「われわれは公平な競争環境でEU
の合理的な要求に対応すべく、あらゆる努力をしている。しかし、相違は縮
まったものの、一部の根本的な分野は難しいままだ」と語っています。
一方相手側のフォンデアライエン欧州委員長はより具体的に、「英国との通
商交渉では、特に『漁業権で大きな相違』がある」と述べています。
ジョンソン英首相とフォンデアライエン委員長は英国時間17日午後7時か
ら電話会談を行うことになっていますが、ジョンソン首相は、「相違点を解
消するのは非常に困難だろう」と、会談前に語っていました。

今週に入ってからは、ドル下落方向で見ていましたが、ドル円は目先の「岩
盤」と見られていた103円を割り込んできました。ただ、今のところその
動きは「一歩前進、二歩後退」といった動きで、まだドルの急落には至って
おらず、いわば「想定内」の動きです。

3月に記録した101円台を目指していると見ていますが、上でも述べてい
るように、米長期金利の推移には注意が必要です。
足元では、市場全体の方向性を決めているのが「NY株の動き」です。これ
が市場全体を「リスクオン」に向かわせるかどうかを決定付けていると見ら
れます。これがいつ「債券の動き」に替わるかもしれないからです。

本日のドル円は102円60銭~103円40銭程度と予想します。


FOMC政策変更なし 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は欧州時間に103円26銭前後まで売られたが、
FOMC後には103円台後半まで反発。ただその後は再び
103円30銭近辺まで下落。
◆ドル安の流れが加速した上に、ユーロ圏の経済指標の上振れも
加わったことでユーロドルは1.22台に乗せる。
◆株式市場はまちまち。ダウは小幅に下落したものの、ナスダックと
S&Pは最高値を更新。
◆債券相場はFOMC後に売られたが、その後元の水準に。
◆金と原油は揃って続伸。

◆11月小売売上高                →  -1.1%
◆11月企業在庫                 →  0.7%
◆12月マークイット製造業PMI         →  56.5
◆12月マークイットサービス業PMI       →  55.3
◆12月マークイットコンポジットPMI      →  55.7
◆12月NAHB住宅市場指数           →  86

本日の注目イベント

◆豪   豪11月雇用統計
◆欧   ユーロ圏11月消費者物価指数(改定値)
◆英   BOE金融政策発表
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   11月住宅着工件数
◆米   11月建設許可件数
◆米   12月フィラデルフィア連銀景況指数

朝方発表されたFOMCの結果は、予想通り政策変更はありませんでした。
個人的にも今回は政策据え置きを予想していましたが、一部には追加緩和
の増額など、より緩和姿勢を強めるといった予想もあったため、発表後に
は債券が売られ長期金利は上昇しました。ただその後は元の水準近くに戻
っています。
株式市場ではナスダックとS&P500が最高値を更新しており、ダウは
小幅安で終わっています。ドル円はFOMC後にドルが買われ、103円
91銭まで上昇しましたが、こちらも103円40銭近辺まで押し戻され
ています。

FOMC声明文では、「委員会は長期にわたって最大限の雇用と2%のイ
ンフレを達成することを目指す。インフレがこのより長期の目標を下回る
状況が長く続いていることを踏まえ、委員会はインフレが一定期間2%を
適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となり、より
長期のインフレ期待は2%でしっかりとどまるようにする。委員会はこう
した結果が得られるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する見通しだ」
と記され、さらに「委員会の目標である最大限の雇用と物価安定に向けて
一段と顕著な進展があるまでそれを継続する」との文言も加えられていま
す。今回の声明文ではより具体的に「顕著な経済活動の進展」(Substant
ial Economy Gains)との言葉が挿入されている点が、前回11月の声明文
と異なっています。

会合後の記者会見でパウエル議長は、「経済活動と雇用は回復を続けたが
、今年初めの水準をなお大きく下回っている」と述べ、「ようやくトンネ
ルの先に明かりが見えるような状況になった」としつつ、「あと数カ月が
持ちこたえられず事業を失う人がいることを思うと、心が痛む」と語って
います。議長は最後に、「金融当局として、経済支援を続けるため今後も
あらゆる手段を講じる」ことを表明しました。(ブルームバーグ)

ECBの政策委員会のメンバーであるドイツ連銀のバイトマン総裁は講演
で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の増額や期間の延長は、
市場の規律を弱める危険があると警告しました。
バイトマン総裁は、ECBが保有する国債の量が大きくなりすぎないこと
が極めて重要だとしながら、「そうしなければ、われわれは市場への支配
的影響力を得て国債のリスクプレミアムの違いをならす危険を冒すことに
なる。これは市場の規律をさらに弱める。とりわけ最近のPEPP拡充に
よりこの問題が増幅された」と語っています。

ドル円は昨日のこの欄でも指摘したように、103円台半ばを割り込み、
欧州時間には
103円26銭前後までドル安が進みました。ユーロドルも1.22台に
乗せ、1.2212近辺まで上昇しました。リスクオンに伴うドル売りが
継続されているということですが、それでも昨日のドル円は103円台前
半で下げ止まっています。重要なのはやはり103円という大台です。
ここを割り込むようだと、ドル売りに拍車がかかる可能性があると見てい
ます。11月初めにもこの水準をテストし、その時は103円を割り込め
ずに反転しました。今回のテストでも同様に底堅さを見せるのかどうか、
注目されます。

トランプ政権はスイスとベトナムを「為替操作国」に認定しました。
かつて日本もこの「為替操作国」に認定されるかどうかを巡り、為替市場
が動いたこともありましたが、米国は「為替操作国」認定に際し3つの基
準を設けています。
今回両国は、この3つの基準全てを満たしたものと思われます。
特にスイスについては、必要以上に為替介入を実施したことが挙げられて
います。
これに対してスイスは反発し、スイスフラン高を抑制するための介入は継
続すると表明しました。
因みに日本と中国、ドイツ、韓国などは現在「監視対象国」に認定されて
います。

本日のドル円は103円~103円80銭程度を予想します。


バイデン氏、選挙人投票でも勝利 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆市場ではリスクオンが強まり、ドル円は再び103円台に。
103円61銭までドル売りが進み、ほぼこの日の安値圏で
取引きを終える。
◆ユーロドルでもユーロが買われたものの、これまでの水準は
抜け切れずもみ合う。1.2169までユーロ高が進む。
◆株式市場は主要3指数が揃って大幅高。経済対策協議の早期成立
観測と、モデルナのコロナワクチンのへの信認期待からダウは
337ドル高。ナスダックは最高値を更新。
◆債券相場は反落。長期金利は0.90%台に。
◆金は反発。原油は続伸し、47ドル台に。

◆12月NY連銀製造景況業指数      →  4.9
◆11月輸入物価指数           →  0.1%
◆11月鉱工業生産            →  0.4%
◆11月設備稼働率            →  73.3

本日の注目イベント

◆日   11月貿易収支
◆独   独12月製造業PMI(速報値)
◆独   独12月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏11月総合PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏11月製造業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏11月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏10月貿易収支
◆英   英11月消費者物価指数
◆米   11月小売売上高
◆米   11月企業在庫
◆米   12月マークイット製造業PMI
◆米   12月マークイットサービス業PMI
◆米   12月マークイットコンポジットPMI
◆米   12月NAHB住宅市場指数
◆米   FOMC 政策金利発表
◆米   パウエル議長記者会見
◆加   カナダ11月消費者物価指数

東京時間には104円台前半で推移していたドル円は再び103円台半ば
まで売られ、103円61銭を付けています。今週月曜日に続き、2度目
の103円台ミドルをアタックしている状況です。
NYでは好材料が出たことでリスクオンが強まり、株価が大きく上昇。安
全資産の債券が売られ、それに伴ってドルが売られた格好です。
「リスクオンのドル売り」といった動きはやや定着しつつあるようです。

好材料の一つが、コロナワクチンを巡る動きです。
米食品医薬品局(FDA)のスタッフは、モデルナが開発する新型コロナ
ワクチンは、18歳以上の人が接種した場合、安全かつ感染予防に有効だ
との見方を示しました。FDAのスタッフレポートによれば、モデルナの
ワクチン候補の有効性は94.1%で、同社がこれより先に発表したデー
タ結果を裏付けたことになります。
FDAによる最終的な結果が出る前にFDA諮問委員会は17日に会合を
開き、モデルナ製ワクチンの承認を推奨するかどうかの採決を実施する予
定ですが、FDAは諮問委員会の勧告に従う必要はないものの、同委員会
の見解に同意するケースが多いことは事実のようです。
モデルナの治験データでは、65歳以上の人で86.4%。18-65歳
のグループでは95.6%の有効性が示され、最も共通した副作用として
は疲労感と頭痛が挙げられています。(ブルームバーグ)

2つ目の材料は経済対策協議を巡る動きでした。
共和党のマコネル上院院内総務は、経済対策が成立するまで上院が休会に
入ることはないと明言し、同氏はペロシ下院議長や民主党のシューマー上
院院内総務らと15日午後に協議を行うと述べています。
一部の報道では経済対策協議は週内にもまとまると言った意見もあったよ
うですが、一方で、まだ両者の隔たりは大きいとする見方もあり流動的で
す。
ただ市場では経済対策の早期成立観測が株価の大幅高につながっています。
ダウは337ドル上昇し、今月4日に記録した最高値に20ドルほどと迫
っています。また、ナスダックは最高値を更新し、S&P500も大きく
上昇しました。

大統領選挙で勝利したバイデン氏は、14日の選挙人投票でも306人を
獲得し、これで正式に大統領に決まりました。
バイデン氏は予定通り、1月20日に第46代米国大統領に就任すること
になります。
マコネル上院院内総務は15日、バイデン氏の大統領選勝利を初めて認め、
「バイデン次期大統領に祝意を表したい」と述べました。
一方でトランプ氏は依然として選挙は不正だったとして、敗北を認めてい
ません。これまで「選挙人投票で(バイデン氏に)決まったら、敗北を認
める」といった趣旨の発言を行っていましたが、まだ悪あがきを止めてい
ません。ただ、バー司法長官も「不正は無かった」と述べているように、
もうここまできたら結果が覆ることはありません。
ロシアのプーチン大統領もバイデン氏に祝電を送るなど、外堀は完全に埋
められたようです。

ドル円は11月の米大統領選後、何度も103円台半ばを試しています。
少なくとも5、6回はテストしており、その都度押し戻されています。
今後も株価が上昇し、リスクオンが継続されると見れば、ドル円もこの水
準を割り込んでくる可能性が高いと見られます。今日の日経平均株価も上
値を追う展開でしょう。
本日の株価の上昇程度によっては、ドル円が103円台半ばを完全に下抜
けする可能性もないとは言えません。本日はFOMCの政策発表もあるこ
とから、

予想レンジは103円10銭~104円20銭程度とややワイドに見てい
ます。


コロナ、ロンドンで最高レベルの『ティア3』に 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は急落し、一時は103円51銭前後まで売られる。
英国とEUが通商交渉の延期で合意したことを受け、ポンドドルで
ドルが売られたことに連安した。ただその後はリスクオフの
ドル買いから104円台に戻す。
◆ユーロドルもドル安の流れから1.2177近辺まで上昇。
◆株式市場はまちまち。ダウは朝方最高値を更新する場面も
あったが、NY市が完全なロックダウンに入る可能性があるとの
情報から下げに転じる。結局ダウは184ドル下げ、ハイテク株の
多いナスダックは62ポイントの上昇。
◆債券はほぼ横ばい。FOMCを控え動きにくく、長期金利は
0.89%台と変わらず。
◆金は反落し、原油は反発。

本日の注目イベント

◆豪   RBA議事録
◆中   中国11月工業生産
◆中   中国11月小売売上高
◆欧   国際エネルギー機関(IEA)月報
◆英   英失業率(8月ー10月)
◆米   12月NY連銀製造景況業指数
◆米 11月輸入物価指数
◆米   11月鉱工業生産
◆米   11月設備稼働率
◆加   カナダ11月住宅着工件数

ファイザーなどが提供するワクチンの接種が開始されました。
NY市では、救命救急看護師がワクチン投与を受ける市民第一号になった
とTVでも報じられていました。最初にワクチン接種を受けたのは、NY
市クイーンズ地区にあるメディカルセンターに勤務する看護師、サンドラ
・リンゼイさんで、その様子は全米にビデオで紹介されたようです。NY
州のクオモ知事はこの様子を、「これが戦争に勝つための武器だと信じて
いる」とのコメントを残しています。

一方で米国では死者数が30万人を超えてきました。
デブラシオNY市長は「米国での感染拡大には歯止めがかからず、NY市
は完全なロックダウンの可能性に備えるべきだ」と述べました。
この発言が市場のセンチメントを急激に悪化させ、一時103円51銭近
辺まで急落し、約1カ月ぶりとなるドル安水準を付けていたドル円を押し
戻した格好になっています。

日本でも「勝負の3週間」は完全な「敗北」に終わり、政府は昨日の会合
で、今月28日から1月11日までの期間、「GoToトラベル」を全国
一斉に停止することを決定しました。決定が遅すぎた感もありますが、こ
れで年末年始は「我慢のお正月」ということになります。
日本では各地で感染者数が「過去最多」を記録する地域が増えており、感
染の広がりは都心部だけではありません。
また、死亡者の数も増えており、すでに2500人以上の方が命を落とし
ています。多くの方の意見にあるように、このコロナに関しては、「アベ
ノマスク」に始まり、政府の対応が「後手後手」になっている印象は否め
ません。欧州でも英国では16日から、ロンドンとイングランド南東部の
一部に最も厳しい制限措置が適用され、ロンドンでは警戒レベルが最も高
い「ティア3」に指定されることになっています。
またオランダが14日にロックダウン強化を発表し、ドイツも16日から
全土でロックダウンが強化される予定です。

EUのバルニエ主席交渉官は、英国との通商交渉合意に週内にも達する可
能性があると述べています。EU加盟国の大使との非公開の会合で、「漁
業権の問題で妥協できれば合意が可能になる」と語っています。
一方、公平な競争が維持されなければならないと、フォンデアライエン欧
州委員長は指摘し、英国側は、合意がまとまらないという結果もあり得る
としており、交渉は依然として予断を許さず、時間との闘いといった部分
もあります。

米政府は14日、トルコに対する制裁を発表しました。
これは、NATO加盟国のトルコがロシア製の地対空ミサイルシステム「
S400」を導入したことに対するものです。
ポンペオ国務長官は声明で、「S400システムの購入は米国の軍事技術
および関係者を危機にさらし、ロシア軍セクターに相当の賃金を供給し、
トルコの軍や国防産業へのロシアのアクセスにつながると、米国は最高レ
ベルのやり取りで幾度もトルコに明白に伝えていた」と説明しています。
制裁は、トルコ国防産業庁(SSB)とデミル同長官ら個人が対象の見込
みで、同システム搬入から1年余り経過した後に行われる模様です。
(ブルームバーグ)

昨日のNYでは、103円台半ばまで急落したドル円がその後104円台
まで押し戻されています。依然として上値が重いことは確認できますが、
103円台半ばが岩盤になりつつあるようにも見受けられます。
103円50銭近辺まで売られた際、そこで追随売りが出て来ないことに、
今のドル円の難しさがあるようにも思えます。
結局103円台半ばで売った向きは、損切を余儀なくされているわけです
から・・・。

本日のドル円は103円60銭~104円30銭程度を予想します。


英国とEUの通商協議、交渉延期で合意 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は104円台を中心にもみ合う。米長期金利が低下
したことで103円83銭まで売られたものの、104円台に
値を戻して越週。
◆ユーロドルは英国との通商協議が決裂するとの見方が強まった
ことでやや下落。1.2106近辺まで売られたが、小動きに
終わる。
◆株式市場はまちまち。ダウは47ドル上昇した一方、ナスダックと
S&P500は下落。
◆債券は続伸し、長期金利は0.89%台へと低下。
◆金は反発し、原油は反落。

◆米   11月生産者物価指数               → 0.1%
◆米   12月ミシガン大学消費者マインド(速報値)    → 81.4

本日の注目イベント

◆日   10-12月期日銀短観
◆日   10月鉱工業生産(確定値)
◆欧   ユーロ圏10月鉱工業生産
◆欧   OPEC月報

13日まで延期されていた英国とEUの通商交渉は時間切れが迫る中、ジョンソン英首相
とフォンデアライエン欧州委員長が電話会談を行い、EUと離脱後の英国との自由貿易
協定(FTA)締結交渉の継続で合意しました。これまで双方は、「決裂の可能性が高い」
とのコメントを発していましたが、これはお互い妥協する意志のないことを見せながらも、
相手側から有利な譲歩を引き出す「戦略的な意味合い」もあったかと思われます。
両首脳は電話会談後の共同声明で、「ほぼ1年にわたる交渉で双方とも力を尽くしてきた
が、一層の努力を重ねる」と表明し、ジョンソン首相は、「英国は合意に向けて努力し、
希望がある限りは協議から立ち去らない」と述べています。(ブルームバーグ)

通商合意がないまま年末を迎えれば、来年1月1日からはEUと英国の貿易で混乱が生じ、
企業のコストが上昇することは目に見えています。英国内で製造した自動車をEUに輸出
する際には10%の関税が賦課され、ドイツやフランス車との販売競争では価格面で劣勢
に立たされることが予想されます。英国内に製造拠点を持っているトヨタやホンダなど日
本のメーカーにとっても、生産拠点の移転を含め、深刻な問題になっています。交渉をさ
らに継続することで合意はしたものの、漁業権など、深刻な問題を残しており、
残された時間は多くありません。ドイツのメルケル首相は13日の記者会見で、「交渉に
おける立場は何ら変わっておらず、協議が容易でないという事実は明らかだ」と述べてい
ます。

ファイザーとビオンテックが開発したコロナワクチンは米食品医薬品局(FDA)が緊急
使用許可を承認したことで、14日に最初の発送が行われ、16日までに全米50州で
最初の搬送が終了するようです。今回は医療従事者を優先し、高齢者施設入所者への接種
はごく一部にすぎないと言われており、一般市民に行き渡るにはまだ時間がかかるようで
す。一方でコロナによる感染では米国内での死亡者は30万人に迫っています。ロスアン
ゼルス市のガルセッティ市長は、「今週は20分ごとにロスアンゼルス郡では誰かが新型
コロナで亡くなっている」と警鐘を鳴らしています。カリフォルニア州では新規感染者が
2日連続で3万5000人を超えています。

日本でも感染者数は増加しており、昨日は初めて全国での一日の感染者数が合計で300
0人を超えてきました。政府はようやく重い腰をあげ、東京と名古屋での「GoToキャ
ンペーン」の一時停止を検討するようです。
「勝負の3週間」も今週で終わりますが、このままではどうやら「勝負に負けた」ようで
す。来週からはクリスマス、年末年始にお正月と、1年で最も人の往来が激しい時期を迎
えます。その前に医療崩壊がおこらないことを願うのみです。

今週は16日に今年最後のFOMCがあるため、それまではさらに値動が緩慢になりそう
です。FOMCの決定を受けて相場が動いてくれればいいですが、そこでも動かないよう
だと、そのままクリスマス休暇に入り、年末を迎えることになります。「掉尾の一振」が
果たしてあるのかどうか、気を抜かずに注意したいところです。

本日のドル円は103円60銭~104円30銭程度を予想します。


ECB追加の緩和策発表 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は底堅い動きを続け、104円46銭まで買われる。
その後ECBの発表を受けたユーロドルでドル安が進んだ
こともあり、104円台前半まで押し戻される。
◆ECBの政策発表を受けユーロドルは再び1.2158まで
上昇。ラガルド総裁からユーロ高をけん制する発言がなかった
こともユーロ買いにつながる。
◆株式市場はまちまち。経済対策が依然まとまらないことで
利益確定優勢の流れとなり、ダウは69ドル安と続落。
一方ナスダックは小幅高。
◆債券相場は反発。長期金利は0.90%台に。
◆金は小幅に続落し、原油は反発。

◆新規失業保険申請件数        →  85.3万件
◆11月消費者物価指数        →  0.2%
◆11月財政収支           →  -1453億ドル

本日の注目イベント

◆独   独11月生産者物価指数
◆英   BOE金融安定報告書公表
◆米   11月生産者物価指数
◆米   12月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
◆米   米暫定予算期限
◆米   クオールズ・FRB副議長講演

ECBは政策会合を開き、緊急購入プログラム(PEPP)を5000億ユーロ
(約63兆2000億円)増額し、期間も9カ月延長し、少なくとも2022年
3月末までとすることを決定しました。PEPPの増額幅は市場予想通りでした
が、期間については予想よりも長期でした。
ラガルドECB総裁は政策発表後の記者会見で、PEPPの5000億ユーロの
増額は、「望ましい金融環境が維持できているならば、全額を使う必要はない」
と述べ、新型コロナウイルスのパンデミックについて、「先を見れば、ワクチン
接種開始の見通しが健康危機の段階的な解消という想定への自信を深める」とし
た上で、「しかしながら、幅広く免疫が獲得されるには時間がかかり、さらなる
感染再燃が公衆衛生と経済見通しに課題を突き付ける可能性は排除できない」と、
今回の決定の理由を説明しました。(ブルームバーグ)ECBがこの日公表した
「最新の経済予測」によると、インフレ率は2023年でも
平均1.4%で、今年は辛うじて0%を上回る水準と、ECBの目標である2%
にはほど遠い状況です。ECBの政策発表を受けて、ユーロドルは1.20台後
半から100ポイント程上昇し、再び1.21台半ばまでユーロが買われていま
す。

米経済対策は決まりそうで決まらない状況が続いています。
ブルームバーグはこの状況を「『進展』という言葉だけは伝ってくる米経済対策
交渉」といったタイトルで報じていました。
ペロシ下院議長、ムニューシン財務長官の両氏は交渉の進展をアピールするもの
の、企業免責条項を巡る共和・民主両党の対立に解消の兆しは見られません。ペ
ロシ氏は9080億ドルの超党派案を支持し、共和党のマコネル上院院内総務は
ムニューシン氏が示した9160億ドルの案を推しています。議会休会まで1週
間ほどしか残されていない中、協議が続けられています。
最新の情報では、マコネル上院院内総務に次ぐ共和党上院ナンバー2のスーン院
内幹事は、超党派グループによる妥協案について、重要な部分で共和党議員の大
多数の支持を得られないとの見方を示しているようです。
上昇基調を続けている米株式市場でも、ダウは3万ドルの大台を大きく超えたも
のの、この不透明な経済対策協議の懸念から、昨日は大台を割り込んできました。

もう一つ不透明なのが、英国とEUの通商交渉です。
新たに13日までに合意を目指すとした英国のジョンソン首相は、合意なしの離
脱に備えよと明言しました。首相は10日、記者団とのインタビューで「EUと
の関係は(通商合意のある)カナダ型よりも、(通商合意のない)オーストラリ
ア型にはるかに近い形で決着する可能性が今や高い」と発言し、「協議はやめず、
交渉は継続する。しかし、現在の状況から見て、オーストラリア型の選択肢に全
員が備えることが重要だろう」との見解を示しました。EU側の詳しい見解は伝
わってきていませんが、関係者の話として、「土壇場での劇的な介入がない限り、
合意に達せずに終わるだろう」との見方もあります。

ユーロドルが再び1.21台のミドルまできました。
ECBの声明文には「為替の動きには注視する」とありましたが、ラガルドEC
B総裁からは明確なユーロ高をけん制する発言はありませんでした。「ユーロ高
を容認??」そんな観測も出て来そうな状況ですが、パンデミック後の景気回復
にユーロ高が逆風であることは間違いありません。どこかのタイミングでけん制
発言は出て来ると予想します。

再びドルと円が売られる展開が戻って来そうな感じもしますが、引き続きユーロ
ドルの動きには注目です。

本日のドル円は103円90銭~104円60銭程度を予想します。


ユーロドル反落し1.21台を割り込む 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆株価が下げ、長期金利も上昇したことで、リスクオフが進み
ドル円は上昇。約1週間ぶりとなる104円41銭までドル高が進む。
◆ユーロドルも上昇が一服し反落。ECBの政策会合を控え、
1.2058までユーロの持ち高調整が進む。
◆株式市場は反落。ハイテク株の売りが相場全体に広がり、ダウは
105ドル安。ナスダックはさらに下げ243ポイント売られる。
フェイスブックが提訴されたことが重石に。
◆債券相場は反落。長期金利は0.93%台へと上昇。
◆金は大きく反落。原油は3日続落。

本日の注目イベント

◆欧   ECB政策金利発表
◆欧 ラガルド・ECB総裁記者会
◆英   英10月鉱工業生産
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   11月消費者物価指数
◆米 11月財政収支

リスクオンではドルが売られ、反対にリスクオフではドルが買われる動きが定着
しつつあります。
昨日のNYでは、コロナワクチンを巡る悪材料と、ファイスブックが米連邦取引
委員会と複数の州から提訴されたことで株価が下げ、ドルが買われました。
長期金利が若干上昇したこともドル買いを促したと思われ、ドルは104円41
銭前後まで買われ、約1週間ぶりの水準を付けました。ただ、まだ最近形成した
レンジの上限には届いておらず、狭いレンジ内での「もみ合い」は続いていると
見られます。

米連邦取引委員会(FTC)と複数の州は9日、独占的な地位を利用して競争を
阻害したとしてフェイスブックの提訴に踏み切りました。
FTCとNY州を中心とする州連合はフェイスブックが自社の独占状態を維持す
るため他社との競争を妨害したと主張し、同社によるチャットアプリ「ワッツア
ップ」と写真共有アプリ「インスタグラム」買収を解消するよう裁判所命令を求
めています。(ブルームバーグ)

米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンは、8日
から英国で市民への投与が開始されましたが、これまでに2人がアレルギー反応
を示したことを受けて、英国の国家医療制度(NHS)は、アレルギーを持つ人
は接種しないよう警告しました。レーンMHRA(英医薬品・医療製品規制庁)
長官は英議会で、「広範にわたる治験では今回の反応は特徴として挙げられてい
なかった。アレルギー反応が明らかになった今、勧告を強化する必要があれば迅
速にそのように伝える」と述べています。
現時点では予防的な対応と見られており、ワクチンの早期接種の流れに影響はな
い模様です。

米経済対策の協議は再び膠着しているようです。
超党派グループが9080億ドル(約94兆5000億円)規模の案の詳細を公
表しましたが、コロナ関連の賠償請求訴訟から企業を守る免責条項と州・地方自
治支援の2点に関し、意見の相違は解消されていません。これとは別にムニュー
シン財務長官が民主党に提示した9160億ドル規模の案は、政権や一部共和党
議員の支持を得ていますが、民主党主導部は超党派グループの協議を妨害しかね
ないとして難色を示しています。マコネル共和党上院院内総務は交渉で、「ゴー
ルポストを何度も移動させている」と、絶妙な言い回しで民主党指導部を非難し
ています。

英国とEUとの通商協議は依然としてまとまる気配がありません。
9日のトップ同士の話合いでも英国とEUとの間にはなお大きな隔たりが残って
おり、双方が譲歩する姿勢を見せていません。
ただ年内に交渉が合意に達しないと、来年1月から貿易面で大きな混乱が予想さ
れることから、締結交渉は13日まで継続することで双方が合意しています。
メルケル独首相は、「合意不成立を覚悟している」と述べたと報じられています。

ドル円でもユーロドルでもややドル安の流れが止まった印象です。
ドル円は104円41銭近辺まで買われ、約1週間ぶりのドル高に。またユーロ
ドルも1.21台を割り込み、1.2058までドル高が進みました。
ドル安の流れは依然として変わっていないものと思いますが、ドル下落を見込ん
でショートを振っている向きには、何ともストレスの溜まる日々となっています。
本文の最初に記したように、株高が継続すると見れば、「リスクオンに伴うドル
安傾向」は続くことになります。
その株式については、すでに2021年の予想も概ね出揃っていますが、日経平
均3万円、ダウは3万2000ドルといった見方も多くあります。
コロナが鎮静化し、大型の景気刺激策が講じられ、金融緩和に伴うゼロ金利政策
も続く、といったことが多くのアナリストを強気にさせています。
何か、「いいとこ取り」といった印象ですが、しっかりとそれぞれの事柄を見て
いきたいと思います。

本日のドル円は104円~104円70銭程度を予想します。


S&P500初の3700ポイント乗せ 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場


◆ドル円は小動きの中、ほぼ前日と同じ展開。
経済対策の早期実現への観測が高まったものの、
104円台前半の動きに終始。
◆ユーロドルも同じように、1.21台前半で小動き。
◆株式市場は3主要指数が揃って上昇。ナスダックとS&P500が
最高値を更新。S&P500は初の3700ポイント台に乗せる。
経済対策の実現性が高まったことを好感。
◆債券はほぼ横ばい。長期金利は0.91%台後半に。
◆金は続伸し、原油は小幅に続落。

本日の注目イベント

◆豪   豪12月ウエストパック消費者信頼感指数
◆中   中国11月消費者物価指数
◆中   中国11月生産者物価指数
◆独   独10月貿易収支
◆加   カナダ中銀政策金利発表

足元の市場を動かすドライバーは「コロナワクチン関連」と「米経済対策
の実現性」の行方に絞られているようです。
この2つの材料がポジティブかネガティブかで、先ず株式市場が反応し、
それに伴って為替や債券が若干連動する動きが強まっています。
確かに、この2つの材料は2021年の米景気、ひいては世界景気を占う
上では極めて重要なファクターであることは間違いありません。

共和党のマコネル上院院内総務は記者会見で、経済対策法案に企業の免責
条項を盛り込むという従来の要求を断念しても良いと示唆しました。その
代わりに州政府支援の要求を取り下げるよう民主党に迫ったとブルームバ
ーグが伝えています。
マコネル氏は会見で、「経済対策を成立させずに会期を終えられない、と
私だけではなく、
両党の全議員が考えていると思う。米国はこれを必要としている」と述べ
ています。
9080億ドル規模の超党派案は再び行き詰まりを迎え、共和党指導部は
ムニューシン財務長官、メドウズ大統領首席補佐官と協議する予定のよう
です。また、マコネル氏の譲歩は行き詰まりを打開し、妥協に導く可能性
もありますが、民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は譲歩
を示したマコネル氏を批判し、「超党派の両院議員による交渉は順調に進
展しており、マコネル氏の妨害を受け取ることなくさらに前進を認められ
るべきだ」と語っています。

ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長は本日(9日)ブリュ
ッセルで協議を行う予定です。英国とEUの通商協定成立に向けた最後の
チャンスになるかもしれませんが、会談を控えてジョンソン首相は「率直
に言わなければならない。現時点で、状況は非常に難しいと認識している」
と記者団に語り、「合意できることを強く期待しているが、交渉を諦める
時が来るかもしれない」とした上で、「分別のある独立した政府や国なら、
明らかに超えられない限界というものがある」と警告しています。
英国とEUでは、公平な競争条件とガバナンス、漁業権という3つの重要
な問題が残っており、英首相秘書官は、「今回合意に達することが出来な
い場合でも、来年まで交渉を続けることはしない」と述べていることもあ
り、交渉が決裂する可能性も決して低くはありません。
場合によっては、2021年からの英国とEUの貿易に大きな影響を及ぼ
すことになります。

トランプ大統領はコロナワクチンを米国民に優先的に配布する大統領令に
署名しました。米食品医薬品局(FDA)は明日の会合でファイザーなど
が開発したワクチンを承認すると思われますが、バイデン次期大統領も昨
日、自身の就任後100日間でワクチン1億回分を提供すると公式に述べ
ています。
米国内の配布を優先すれば、供給量の点からもワクチンが日本へ届くのは
来春以降に
なる可能性もあるかもしれません。
日本でも昨日はコロナによる死者数が47人と、過去最多を記録しており、
ワクチンがあれば助かる命もあったと思われ、早期の配布が求められます。
もちろん、ファイザーやモデルナとは供給を受ける契約は結んでいますが、
トランプ大統領が署名した「大統領令」がその供給量を制限する可能性も
あります。

今朝の経済紙で投機筋の「円買い」ポジションが4年ぶりの高水準になっ
ているとの記事が掲載されていました。
この欄でも何度も触れていますが、市場では「ドルの先安観」が優勢なた
め、ドルショート(円買い)を積み上げていることの証左です。
筆者もこの先ドルが下落する可能性方が高いと予想していますが、これは
想定内で、今後半年とか1年続くことはないと考えています。
過去15年を見ても、投機筋の円買いの期間が1年を超えて継続された
ことはありません。2016年も、その年の1月からネットで円買いに傾
き、12月にはネットでドル買いに転じています。今回の「ネット円買い」
は3月から始まっていますが、1年以上続かないとすれば来年1月で終わ
る可能性があることになります。その通りにはならないとしても、円ロン
グが増えれば増えるほど、ドル安が進めば円を売り戻す動きも活発になる
ということです。これが、ドル下落を抑制する動きになる可能性もありま
す。また、仮にここから106円を超えるドル高になれば、ポジションを
決済する「損切」を余儀なくされる展開もないとは言えません。
連日同じような水準ですが、何か既にクリスマス休暇に入ったような雰囲
気です。

本日のドル円は103円80銭~104円50銭程度を予想します。


英、EU通商協議で進展見られず 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は欧州時間に104円30銭前後まで反発したが、
NYでは長期金利の低下もあり、緩やかに値を下げる。
104円近辺でのもみ合いが続き、前日の水準と変わらず。
◆ユーロドルはやや売りに押され、1.2108まで下落。
ECBの政策会合を前に、利食いの売りが優勢に。
◆株式市場はナスダックが引き続き最高値を更新した
ものの、ダウは148ドル安。コロナ感染が全米に広がり、
景気に対する懸念が浮上。
◆債券は反発。長期金利は0.92%台へと低下。
◆金は反発。原油は反落し45ドル台に。

◆10月消費者信用残高    →  72.28億ドル

本日の注目イベント

◆豪   豪11月NAB企業景況感指数
◆豪   豪第3四半期住宅価格指数
◆日   10月国際収支
◆日   10月貿易収支
◆日   7-9月GDP(確定値)
◆日  11月景気ウオッチャー調査
◆独   独12月ZEW景気期待指数
◆欧   ユーロ圏7-9月期GDP(改定値)
◆米   米大統領選挙、各州の選挙結果の認定期限

103円台に入ると反発するドル円ですが、104円台では依然として
上値の重い展開が続いています。
昨日も東京時間では株価の下落もあり上値の重い展開でしたが、欧州市
場では104円台を回復し、104円30銭前後まで上昇したものの、
勢いはなく、その後はもみ合いになっています。
103円台半ばから104円台半ばでの動きが続いていますが、為替市
場も今週と来週一杯で動かないと、その後はクリスマス休暇に入ってし
まいます。
多くの市場参加者がドル安を予想している中、ドルショートもやや積み
上がってきた印象です。ドル先安を見込んだ投資家が、しびれを切らし
てドルの買い戻しに入るような状況も想定できなくはありません。
ドルの先安観を維持しながらも、レンジを上抜けした際には注意が必要
です。

米経済対策を巡っては、民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内
総務や複数の共和党上院議員が、超党派グループが提出した9080億
ドルの案をたたき台とすることを指示したことで、楽観的な見方が浮上
していましたが、協議は再び難航しているようです。
共和、民主両党の交渉担当者は、包括的歳出法案と新型コロナウイルス
対応の追加経済対策の両方で協議の進展は見られず、11日夜としてい
た法案可決期限を延長する方向だと、ブルームバーグは報じています。
現在の暫定予算は11日で期限切れとなるため、下院は9日に政府閉鎖
を回避するため1週間の暫定予算案を採決する計画でした。
バイデン新政権では、依然としてねじれ議会が継続されると見られるこ
とから、今後もこの様に、法案や政策をめぐる混乱が起こる可能性があ
りそうです。

英国とEUとの通商協議でも同じようなことが起こっています。
ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長の7日の会談では合
意に至らず、共同声明で、「最終的な合意をまとめるための状況にはま
だ至っていないとの意見でわれわれは一致した。公平な競争条件とガバ
ナンス、漁業権という3つの極めて重要な問題で深刻な隔たりが残って
いるためだ」と説明しています。
その上で、「数日中にブリュッセルで予定する対面での会談に備え、争
点の概要をまとめるよう交渉担当者とチームに指示した」と記していま
す。また、英首相報道官は、今回合意に達することができない場合でも、
来年まで交渉を続けることはしないと述べており、そうだとすれば交渉
の時間も限られているようです。ポンドドルはこの報道を受け、欧州時
間には100ポイント以上も売られる局面がありましたが、NYではド
ル安の流れもあり元の水準を回復しています。

米国ではコロナ感染拡大が止まらず、病床不足の懸念が高まっています。
今朝の報道では全米の集中治療室(ICU)の利用者数は2万人を超え、
アラバマ州など、ICU病床利用率が80%を大きく超える州も目立っ
てきました。11月の感謝祭休暇では人の移動も活発だったことから、
今後さらに感染者が増えるとの
予想もある中、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「クリ
スマスシーズン中の感染拡大は、11月の感謝祭よりも悪くなる可能性
がある」と警告し、「1月中旬に『本格的な暗黒期』を迎えることにな
る」と語っています。

本日も日本株は軟調な展開が予想され、それに伴ってドル円は103円
台後半を試す動きになると見ています。
ただ、いつものように東京時間では活発な値動きは期待できません。

予想レンジは103円60銭~104円50銭程度とみます。


米11月の失業率6.7%に 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場


◆11月の雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を
大きく下回ったことを受け、ドル円は103円83銭まで
売られる。ただ、その後は反発し、米長期金利の上昇や、
経済対策が早期に実現するとの見方が支えに。
◆ユーロドルは1.21台後半から反落。週末を控え、利益確定の
売りが優勢となり、1.2110まで下落。
◆株式市場は3主要指数が揃って上昇し、最高値を更新。
経済対策へ期待が高まりダウは248ドル上昇し、引け値で
3万ドルの大台に。
◆債券は反落。長期金利は0.96%台に上昇。
◆金は4日ぶりに反落し。原油は続伸し46ドル台に。

◆11月失業率          →  6.7%
◆11月非農業部門雇用者数   →  24.5万人
◆11月平均時給 (前月比)   →  0.3%
◆11月平均時給 (前年比)   →  4.4%
◆11月労働参加率        →  61.5
◆10月貿易収支         →  -631億ドル  
◆10月製造業受注        →  1.0%

本日の注目イベント

◆日  10月景気先行指数(CI)(速報値)
◆日  10月景気一致指数(速報値)
◆中   中国11月外貨準備高
◆中   中国11月貿易統計
◆独   独10月鉱工業生産
◆米   10月消費者信用残高

11月の米雇用統計は失業率こそ「6.7%」と前月よりも改善していたものの、
非農業部門雇用者数は予想を大きく下回り「24.5万人」でした。10月が「
66.1万人」だったことから、雇用の伸びは大きく鈍化を示し、全米で拡大す
るコロナ感染の影響が出てきたものと思われます。
ドル円は発表直後に売られ103円83銭までドル安が進みましたが、その後ジ
リジリと反発し、104円台を回復しています。雇用統計の悪さを帳消しにした
のが、経済対策の早期実現観測でした。

民主党のペロシ下院議長と共和党のマコネル上院院内総務がともに景気対策案と
包括的歳出法案の統合を望んでいるとのコメントが伝えられ、株式市場がこれを
好感し、主要3指数は揃って最高値を更新しました。
ペロシ議長は2法案の一本化に関する質問に対し、「それが望ましい」と答え、
景気対策協議のたたき台として9080億ドル(約95兆円)規模の超党派案を
支持していると改めて表明しました。
ダウは248ドル上昇し、引け値で3万ドルの大台を大きく上回っています。先
週はS&P500の上昇が目立ち、3主要指数が揃って最高値を更新するケース
は見られない展開が続いていましたが、週末にようやく揃い踏みといった状況で
す。また期待外れの雇用統計の結果でしたが、市場はむしろ、早期の経済対策を
促す材料として捉えているようで、雇用統計の悪化も足元の株価上昇基調には、
存在感が薄かったようです。

英国とEUとの間で協議が続いている通商交渉は、未だに合意には至ってはいま
せんが、主な争点の一つである漁業権問題では、解決に向かう兆しも見えている
ようです。
双方は7日夕刻までの最終合意を目指しており、ジョンソン英首相とフォンデア
ライエン欧州委員会委員長が同日夕刻に電話で直接協議する模様です。
ただ、交渉が遅々として進まない中、EU当局者の一人は、24時間以内に合意
が得られる可能性は低いと警告していると、ブルームバーグは報じています。

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、ワクチンの実際の接種が今週に
も開始されそうです。英国では8日にも医療従事者から優先的には接種が始まり、
米国でも10日の米食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可を出せば、11日に
もワクチンの接種が始まる見込みです。一方でコロナの感染は、カリフォルニア
州で1日の新規感染者数が過去最多となる3万75人を記録し、ノースカロライ
ナ州でも新規感染者数と入院者数が過去最多となっており、NY市では感染状況
が引き続き悪化しています。米ジョーンズホプキンス大学の集計では、世界の新
型コロナ感染者数は6640万人を突破し、死者数は152万人を上回っていま
す。
日本でも東京都で600人に迫る新規感染者が確認され、大阪、北海道でも高水
準の感染が続いており、「新たなステージに入った」と指摘する専門家もいます。
今週英国と米国でワクチン接種が開始され、その効果を見極める段階のようです
が、一方で慎重論もあります。
調査会社ギャラップ社が11月に公表した世論調査では、新型コロナのワクチン
を無料で接種できるとしても、接種を希望すると答えたのは、米国人の「58%」
にとどまっていました。
大規模な治験を経て、有効性が95%といった暫定結果であっても、その副作用
はまだ不透明な部分もあります。
人間の心理と言えるのかもしれませんが、「出来れば他の人が受けて、その経過
を見極めてから接種したい」と考える人が多いということのようです。日本でも
この傾向は変わらないと思われ、ワクチン接種が始まっても、これも、次の課題
として考えておかなければなりません。

本日のドル円は103円70銭~104円60銭程度を予想します。


ユーロドル1.21台後半まで続伸 


ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆米経済対策の早期実現観測が強まり、ドル円は下落。
104円を割り込み、103円68銭までドル安が進む。
◆ユーロドルは続伸。1.2174までユーロ高が進み、
ドル安の流れがさらにユーロ買いにつながる。
◆株式市場はまちまちながらS&P500を除く主要指数は
続伸。リスク選好の流れが続く中、経済対策の実現性が高まった
ことで、ダウ85ドル高。ナスダックは27ポイント上昇し、
最高値を更新。
◆債券相場は反発。長期金利は0.90%台へと低下。
◆金は3日続伸。原油は「OPECプラス」が来年以降の
段階的減産縮小で合意したことを好感し続伸。

◆新規失業保険申請件数                 →  71.2万件
◆11月マークイットサービス業PMI(改定値)     →  58.4
◆11月マークイットコンポジットPMI(改定値)    →  58.6
◆11月ISM非製造業景況指数             →  55.9

本日の注目イベント

◆豪   豪10月小売売上高
◆独   独10月製造業新規受注
◆米   11月雇用統計
◆米  10月貿易収支
◆米   10月製造業受注
◆米   ボウマン・FRB理事講演 

ドル円は再び104円を割り込み、103円68銭前後までドル安が進みました。
前日にも主要通貨に対してドル安が進みましたが、円に対してはほぼニュートラ
ルでした。昨日は円も含めドル全面安の展開でした。注目のユーロドルはさらに
続伸し、1.2174近辺まで買われています。
昨日のコメントでも触れたように、ユーロドルは着々と1.20台を固めている
ような動きを見せています。ポンドも対ドルで大きく上昇しています。
英国とEUとの通商交渉でEU側の代表を務めるバルニエ主席交渉官は、4日朝
ロンドンを出発し、ブリュッセルに戻る予定です。ブリュッセルで欧州委員会の
フォンデアライエン委員長および、EU27カ国の大使らと最終的な合意条件に
付いて協議する予定のようです。通商協議の大枠が今後48時間以内に明らかに
なる可能性があると報じられています。

また米国の経済対策実現への可能性がさらに高まったとの観測も、リスク選好に
つながったようです。
共和党のマコネル院内総務は、民主党が従来の主張より小規模な景気対策に前向
きな姿勢に転じたことは「心強い」と評価し、「妥協が視野に入ってきた。われ
われが合意する分野は分かっている。これを成し遂げることは可能だ」と述べ、
さらに「どうすれば行き詰まりを打開できるかは、ずいぶん前から誰の目にも明
らかだった」(ブルームバーグ)と語っています。かなり豹変したようにも思え
る発言ですが、これで経済対策が、規模は異なるものの年内に議会を通過する可
能性はぐっと高まりました。

前日、英国が欧米で初のコロナワクチンを承認し、早ければ7日にも配送される
ファイザー社のワクチンについて、同社は、サプライチェーンの面で問題が発生
しているとして、年内に出荷量を当初計画の半分に引き下げる模様だと、ダウ・
ジョーンズ通信が報じました。
ただ、来年に関しては10億回投与分を超える出荷をなお見込んでいるそうです。
米国では来週10日に米食品医薬品局(FDA)が会合を開き、ここで同ワクチ
ンが承認されると見られますが、1日も早い配布が待たれます。
新型コロナウイルスの感染拡大は依然として衰えてはおらず、世界で1日の新規
感染者数は70万人を上回ってきました。イタリアでは1日の死者数が3月のピ
ークを上回り過去最多となり、世界の死者数は合計で150万人を超えてきまし
た。
感染拡大が続いている米カリフォルニア州では、州内の大部分の地域で数日以内
にロックダウンを実施する可能性があると、同州の知事は警告しており、「要す
るに、われわれが
今行動しなければ、医療システムは押しつぶされることになる」と述べています。
日本でも感染による死者の数がここ2週間ほどで急増し、1日で50人に迫る日
もあります。東京都では死者の90%以上が60歳を超えた高齢者だとのデータ
を発表しています。また医療現場では、医師や看護師の過労がピークに近いとい
った報告もあります。

ドル円は再び103円台半ばまで下落し、先月106円台半ばまで反発して以来、
4回目の「103円台半ば割れテスト」ということになります。
リスクオンが強まるとドル安が進む傾向は定着しつつあり、今後も株高が続くと
予想するのであれば、ドル円が103円を割り込んでもおかしくはない状況です。
今夜の雇用統計がそのきっかけになるかもしれませんが、事前予想は、非農業部
門雇用者数が「45.5万人の増加」で、先月よりは雇用の増加の勢いは鈍化し
ていると見られています。


豪ドル円は昨日のNY市場で77円台半ばまで上昇してきました。
約3カ月ぶりの高水準を付けましたが、対ドルでは上昇傾向が鮮明です。
先月の会合でRBAは政策金利を引き下げ、過去最低となる0.1%にしました。
ただ、その後政策金利の打ち止め感が台頭し、さらに新型コロナウイルスの感染
拡大でオーストラリア第二の都市メルボルンをロックダウンしましたが、感染拡
大阻止には成功しています。
また同国の主要輸出品である鉄鉱石の価格が上昇していることも追い風となって
おり、10月の鉄鉱石の輸出額は109億豪ドルと過去最高を記録しました。
6月に過去最高を更新しましたが、再びその記録を上回っており、同国の輸出全
体をけん引しています。豪ドル円の次のターゲットは78円台半ばと見られます
が、ドル円で円高が急速に進むようだとブレイキがかる可能性もあります。

本日のドル円は103円30銭~104円30銭程度を予想します。


ユーロ円、3カ月ぶりに126円台半ばまで上昇 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は104円台半ばを中心に底堅く推移。
米長期金利が上昇したことで104円64銭まで買われた。
ユーロ円など、クロス円での買い優勢な流れもドル円をサポート。
◆ユーロドルは続伸。2018年4月以来となる1.2118まで
ユーロ高が進行。
◆株式市場はまちまちながらS&Pは連日で最高値を更新。
英国でコロナワクチンが承認されたことや、米景気対策が
前進するとの観測からダウは59ドル高。一方ナスダックは
小幅に反落。
◆債券は続落し、長期金利は0.93%台に。一時は0.941%
前後まで上昇。
◆金は続伸。原油は反発。

◆11月ADP雇用者数   →  30.7万人

本日の注目イベント

◆豪   豪10月貿易収支
◆中   中国11月財新サービス業PMI
◆中   中国11月財新コンポジットPMI
◆独   独11月サービス業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏11月サービス業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏11月総合PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏10月小売売上高
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   11月マークイットサービス業PMI(改定値)
◆米   11月マークイットコンポジットPMI(改定値)
◆米   11月ISM非製造業景況指数

連日この欄でも取り上げていますが、1.20台を回復したユーロドルの上昇は止
まりません。
昨日のNYでは1.21台を付け、1.2118前後までユーロ高が進行しました。
もともとこの通貨ペアは一旦方向は決まると、かなりの幅でその方向に行く傾向が
あります。言い換えれば。トレンドが出たら、「順張り」でトレンドフォローが起
きやすいと言えます。また、ドル円のように、いわゆる「値ごろ感」などと言う概
念が機能しにくいとも言えます。
1.20台を固め、1.21台には「月足」で、「120カ月移動平均線が」1.
2115前後に位置していたため、ここで一旦利益確定の売りや、ショートのユー
ロ売りなどが持ち込まれたと思われ、これもテクニカル的には「教科書が教える通
り」の動きでした。この先の水準を手さぐりで探すには、チャートではすでに「月
足」しか残されていません。2018年4月の1.24台前半が次のターゲットと
見られますが、その前に1.22台ではもみ合うと予想しています。

因みに、フィボナッチ数列を駆使して2018年2月の1.2556から、今年3
月の1.0636までの下げ幅「1920ポイント」の戻りを計算しても、最大の
戻りとなる「76.4%」では1.2103という水準が導き出され、「月足」と
いう点を考慮すれば、昨日の高値は「ほぼ近似値」だったと言えます。従って、こ
こでもフィボナッチ数列の「リトレースメント」が機能したと言えなくもありませ
ん。
「半値戻しは、全値戻し」と言われますが、もしそれを信じるとすれば、時間を掛
けながら1.25台半ばまで上昇するのかもしれません。一方、ドル円は前日と同
じようにそれほどドル安は進んでいません。米長期金利が0.94%台まで上昇す
る場面もあったことから、米金利との相関が強いドル円ではドルが底堅い動きにな
っています。ユーロ円は126円55銭近辺まで続伸し、約3カ月ぶりの高水準を
示現しています。結局昨日も、ドルと円が売られたということになります。

議会で対立が続き、成立が大幅に遅れている米経済対策にやや明るい見通しが出て
来ました。
米上下両院の超党派グループは1日に9080億ドル(約94兆8000億円)規
模の経済対策案を公表しましたが、民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内
総務は2日、共和党およびホワイトハウスとの景気刺激策を巡る新たな交渉のたた
き台として、同案を支持する考えを表明しました。ブルームバーグによると、同案
への支持は、民主党が固執してきた2兆4000億ドル規模から譲歩したことを初
めて示すものだとし、数カ月に及ぶ協議の膠着状態が打開し、年内に法案通過が実
現する可能性が出てきたと報じています。
両氏は声明で共和党のマコネル上院院内総務とマッカーシー下院院内総務に言及し、
「われわれは新たな提案を行ったが、上院議員らが昨日提案した超党派の枠組みを
妥協の精神にのっとり、超党派および両院の交渉の土台として速やかに使うべきだ
と考える」と表明しました。
これまで民主党の対策案に対し「問題外」と一蹴し、最も強く非難していた共和党
のマコネル氏が妥協するかどうかはまだ予断を許さないところでありますが、民主
党指導部が大きく譲歩したことを受け、マコネル氏もこれまで通りの強硬な姿勢は
維持できないのではないかと見ています。

前日の上院に続き下院金融委員会で証言を行ったパウエル議長は、「何らかの支援
措置が適切となるセクターは多い」とし、労働市場について「人々の仕事への復帰
ペースは速く、それは非常に歓迎すべきことだが、パンデミックの影響でいまだに
1000万人が失職していることを忘れてはならない」と語っています。
今月15、16日に開催されるFOMCでどのような対策を取るのかについて、今
回の両院の証言からは何らヒントが得られなかったとブルームバーグは伝えていま
す。

本日もリスクオンの流れが継続されると見られます。
上述のように、米国で経済対策に前進が見られたことに加え、英国がファイザーと
ビオンテックが開発したコロナワクチンを欧米で初となる承認を行い、来週から使
用可能になることなどが好感されています。
ユーロドルの動きと共に、ユーロ円の動きにも目配りしながらの展開になります。

ドル円のレンジは104円10銭~104円90銭程度を予想します。


ユーロドル2年半ぶりの高値を記録 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 市場はリスクオンムードが強まったものの、ドル円は104円台で小動き。104円58銭まで買われたが、ドル安の流れから上値は限られた。

  • ユーロドルではドル安が一段と進み、一時は2018年5月以来となる1.2077までユーロ高が進む。

  • リスクオンムードが再び高まり、主要株価指数は揃って上昇。ナスダックとS&P500はともに最高値を更新。

  • 債券は大幅下落。長期金利は約4週間ぶりに0.92%台に乗せる。

  • 金は大幅に反発し、原油は続落。

本日の注目イベント

  • 豪 7-9月期GDP
  • 欧 ユーロ圏10月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏10月失業率
  • 米 11月ADP雇用者数
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米 パウエル・FRB議長講演
  • 米 ムニユーシン財務長官、パウエル・FRB議長下院で証言
  • 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演

NY株式市場では再びリスクオンムードが高まり、主要3指数は揃って上昇。中でもナスダックとS&P500はともに最高値を更新しました。コロナワクチンの開発が進み、感染が収まることで来年は景気が上向くといった見方や、大型の景気対策を巡ってはやや明るさも出てきたことなどが背景となり、株価が上昇。株価が上昇し、リスクオンムードが高まったことで為替市場では、このところ定着してきた「ドル安」が進みました。ユーロドルは1.20台を大きく超え、一時は1.2077まで「ユーロ高ドル安」が進み、何と2018年5月以来の水準を示現しました。ただ、ドル円ではそれほどドル安は進まず、昨日とほぼ同じ水準です。そのため、ユーロドルが買われた分、ユーロ円は126円手前まで上昇し、こちらは約4カ月ぶりのユーロ高水準です。ドルが売られたものの、円も売られ、クロス円では円全面安の展開です。

記録的な株高が続いていますが、ブルームバーグの集計によれば、株式ETFは先月、過去最大となる810億ドル(約8兆4600億円)の資金流入があった模様です。年初からの累計でも1960億ドルが流入しており、11月の記録的な株高を演出したことは、資金の流れからも明らかになっています。言い換えれば、NY株式市場には世界中から資金が集まっており、3万ドル目前で足踏みしているNYダウが、3万ドルの大台を超え3万ドル台を固めるのも、時間の問題のようです。ただ、それでもこういった「極端な楽観ムード」の時には注意が必要で、安全運転を目指すべきです。昔から言います、「好事魔多し」と。

ムニューシン財務長官とパウエルFRB議長は1日、新型コロナウイルス対策に関する上院銀行委員会で証言を行いました。パウエル議長は、「一定程度の財政支援を行えば、経済を前進させる助けになる他、特に中小企業にとって下方リスクへの備えにも役立つ」と発言し、「対応が過剰によるリスクは、過小なものに留まるリスクよりも小さい」と説明しました。一方、ムニューシン財務長官は「議会が迅速に何らかの対策を通過させるよう求める」と述べ、ともに追加の経済対策を支持する考えを示しました。(ブルームバーグ)

アドビ・アナリティクスは12月1日に行われた[サイバーマンデー]での売り上げが、前年比15%増しの108億ドル(約1兆1200億円)と、過去最高を記録したと発表しました。感謝祭からサイバーマンデーまでの販売動向を踏まえ、同社は現在、ホリデーシーズンのオンライン売上高を前年比30%増の計1840億ドルと予想しており、株価上昇という資産効果の中でも、オンライン販売の優位性がさらに加速して行くと見られています。

来週10日にECBの政策会合を控えている中、シュナーベルECB理事はインタビューで、新型コロナの感染は長引く可能性が高いことから、重要なことはコロナ禍が終わるまでこの状況を維持していくことだとし、「さらに大きく緩和することよりも、現状を維持
していくことに集中するのが適切だ」と述べています。ECBは10日の理事会で何らかの追加緩和に踏み切ると予想され、現行のパンデミック緊急プログラム(PEPP)1兆3000億ユーロ(約162兆5000億円)の5000億ユーロ前後の増額と、少なくとも6カ月の延長が有力と見られます。

本日もNY株の上昇を受け、日本株も上値を追う動きが予想されます。日経平均株価が引け値で2万7000円台を維持できるかどうかに注目していますが、リスクオンからドル円も上値は重いと見ておく方がベターでしょう。予想レンジは103円90銭~104円70銭程度といったところでしょうか。

ビットコイン最高値を更新 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は再び104円台を回復し、104円41銭まで上昇。株安などリスクオフの流れからドルの買い戻しが優勢に。

  • ユーロドルは9月1日以来となる1.204まで上昇したが、

  • ドル高の流れからその後大きく反落。

  • 株式市場は3主要指数が揃って反落。過熱感が意識され、ダウは271ドル下げる。ナスダックは小幅な下落に。

  • 債券相場はほぼ変わらず。長期金利は0.84%近辺で推移。

  • 金と原油は共に下落。

本日の注目イベント

  • 豪 7-9月期経常収支
  • 豪 10月住宅建設許可件数
  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 日 10月失業率
  • 中 11月財新製造業PMI
  • 独 11月製造業PMI(改定値)
  • 独 11月失業率
  • 欧 ユーロ圏11月総合PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏11月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 OCED経済見通し
  • 欧 ラガルド・ECB総裁講演
  • 米 11月ISM製造業景況指数
  • 米 10月マークイット製造業PMI(改定値)
  • 米 11月自動車販売
  • 米 ムニユーシン財務長官、パウエル・FRB議長上院で証言
  • 米 ブレイナード・FRB理事、討論会N参加
  • 米 デイリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演

昨日の東京時間の朝方に103円83銭前後まで売られたドル円は、欧州時間には104円台を回復し、104円40銭近辺までドルが買い戻され、NYでも同じような展開でした。ドルの先安感が根強いものの、103円前半どころか、103円台後半でも底堅い動きになっています。もっとも昨日の海外でのドルの買い戻しは、リスク資産の株が売られたことで、ドルが反発したようです。リスクオンが強まるとドルが売られ、反対にリスクオフ時にはドルが買われる傾向が「定着」するのかどうか、もうしばらくは目をこらして確認する必要があるようです。またユーロドルは予想通り1.20台に乗せましたが、1.200台は維持できず、その後はドル高が強まったことで1.19台前半まで押し戻される展開でした。

バイデン次期大統領は30日、経済チームの顔ぶれ第一陣を発表しました。財務長官には事前に噂されていたように、前FRB議長のジャネット・イエレン氏を正式に指名しました。また世界最大の運用会社であるブラックロックの元シニアアドバイザーのアデワレ・アデエモ氏を副財務長官に指名する意向も発表しています。さらに行政管理予算局(OMB)局長に民主党政策スタッフを長年務めたニーラ・タンデン氏を、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長にプリンストン大学のセシリア・ラウズ氏を、国家経済会議(NEC)委員長にブラックロック幹部のブライアン・ディーズ氏をそれぞれ指名しました。(ブルームバーグ)今後上院で承認される必要がありますが、イエレン、タンデン、ラウズの3氏が承認されれば、経済チームの主要3ポストを初めて女性が占めることになります。イエレン氏はFRB議長に就任した際も「初の女性議長」と称されましたが、今回も「初の女性財務長官」ということになります。
イエレン氏はFRB議長に就任する前には、サンフランシスコ連銀総裁やFRB副議長も歴任しており、金融政策には極めて詳しいとされています。政府財務省と金融政策で独立しているFRBとの風通しがよくなると見られます。因みにイエレン氏の夫であるジョージ・アカロフ氏もノーベル経済学賞を受賞した経済学者です。

コロナワクチンを巡っては、ファイザー製薬に続いて米モデルナも30日に米国と欧州の当局に許可申請する模様です。同社は11月16日に有効性が94.5%だったとの暫定結果を発表しています。臨床試験で重症化が確認された30人はいずれも偽薬(プラセボ)を接種した被験者で、重症化の予防には100%の有効性が示唆されたことを明らかにしています。また、その後196人を対象とする一次解析で有効性は91,4%と、暫定結果とほぼ同水準だったこと発表しています。同社のワクチンは今月17日のFDA諮問委員会の会合で許可が下りれば、年内に2000万回分を米国内に出荷できるとしています。

英国とEUの通商協議は、週内に交渉がまとまる可能性があるものの、妥協するのは相手側だと、依然として双方が譲らず責任のなすり合いが続いています。フランスのボーヌ欧州問題担当副大臣は、合意が数日内に実現することを望んでいるとしながらも、「まだ合意にはほど遠い」と述べています。(ブルームバーグ)

本日から12月です。本日はISM製造業景況指数が発表される他、ムニューシン財務長官とパウエルFRB議長の議会証言があります。次期バイデン政権ではムニューシン財務長官がその職を辞することが分かっているため、やや注目度が低下している気もしますが、注目材料の一つです。新政権は予定通りなら来年1月20日以降になります。本日のドル円は103円90銭~104円70銭程度を予想します。


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