fc2ブログ

米第4四半期GDP4.0% 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は続伸。株価が持ち直し、長期金利が上昇したことで、104円46銭までドル高に。

  • ユーロドルは小幅に反発。1.2142までユーロ高が進んだことで、ユーロ円も126円台半ばまで上昇。

  • 株式市場は反発。前日大幅に下げたこともあり、この日は買い戻しが優勢に。ダウは600ドルを超える上昇を見せる局面もあったが、300ドル高で取引を終える。

  • 債券は反落し、長期金利は1.04%台に上昇。

  • 金は6日続落し、原油も反落。

  • 新規失業保険申請件数          →  84.7万件

本日の注目イベント

  • 豪   豪第4四半期生産者物価指数
  • 日   日銀金融政策決定会合における主な意見(1月20、21日分)
  • 日  1月東京都区部消費者物価指数
  • 日   12月鉱工業生産
  • 独   独10-12月期GDP(速報値)
  • 独   独1月失業率
  • 欧   ユーロ圏12月マネーサプライ
  • 米   12月個人所得
  • 米   12月個人支出
  • 米   12月PCEコアデフレータ
  • 米   10-12月雇用コスト指数
  • 米   12月中古住宅販売成約件数
  • 米   1月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米   1月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
  • 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演
  • 米   デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、討論に参加
  • 米  企業決算 → イーライリリー、キャタピラー、

米国の第4四半期GDPは「4.0%」と、2期連続でプラス成長だったものの、市場予想を下回り、2020年通期では「マイナス3.5%」と、1946年以来の低成長で
した。
新型コロナウイルスのパンデミックから労働市場が大きな打撃を受け、個人消費が抑制されたことが主因です。
米GDPは個人消費が全体の7割を占めており、個人消費の低迷がそのままGDPの数値を押し下げます。
7-9月期には41%に急増していた個人消費は、10-12月期には2.5%と急
ブレーキがかかっています。
2021年1-3月期は、バイデン新政権が大規模な経済支援を提案しており、その中には個人へ1400ドルの追加現金給付も含まれており、個人消費の伸びが期待されます。

コロナワクチンの供給が世界的に不透明になっています。
日本でもアストラゼネカが日本国内でワクチンを製造することを決めたことで、
供給体制への不安がやや後退しました。医療従事者への接種は2月下旬、高齢者へは4月の初めとの見方を河野担当大臣が表明しています。
国内では「変異種」による感染も徐々に確認されており、コロナとの闘いはいまだに
トンネルの中で、その先の勝利が見えてきません。
その「変異種」に関して、米ファイザーと独ビオンテックの両社が開発したコロナワクチンが、英国と南アフリカでそれぞれ見つかった「変異種」に有効なことを示す試験結果が得られたと発表しています。
すでに世界の感染者数は1億人を超えています。
コロナ感染第一波撲滅に成功した中国でも、再び感染者が増え始めているようです。
中国では特に、昨日から春節が始まり、4億人以上の人が移動すると伝えられています。
再び爆発的な感染拡大が起こらないことを願うのみですが、「医療崩壊はすでに起こっている」と、多くの専門家が指摘する日本では、1日も早いワクチン接種が望まれます。

ドル円はNY市場で104円46銭まで上昇しました。
今回も104円ミドルを完全に抜け切ることは出来ていませんが、昨日は終始104円台での取引が続き、これまでとは「やや異なる」値動きだった印象です。
一目均衡表(日足)の雲の上限は104円30銭から上の所にあり、昨日の動きは、一旦
雲抜けをしたかに見えましたが、日足ベースではまだ抜け切れていません。
前回1月11~12日の上昇は、雲の下限に完全に上昇を抑えられその後下落しましたが、今回は雲の上限抜けをテストしているところです。
まだ、このままドルが上昇していくかどうかは不透明です。
ここまでの上昇は、ヘッジファンドなどの「ドルショートの買い戻し」の影響にすぎず、まだ「ドルロングの構築」には至っていないと見ています。
それには少なくとも105円台に乗せる必要があります。
105円台に乗せれば、市場参加者の相場観も徐々に変化して来ます。
104円半ばとしては今年3回目となるテストですが、ここから105円台を示現できるのか、あるいは再び103円割れまで押し戻されるのか、正念場です。

本日のドル円は103円90銭~104円60銭程度を予想します。

========================================
「ロビンフッダー」・・・・。
取引手数料がほぼかからない米ネット証券「ロビンフッド」で取引をしている個人投資家
をこう呼びますが、27日のNY株の急落に、このロビンフッダーの存在があったようです。「ゲームストップ株」(ゲーム販売店)を、SNSを通じてロビンフッダー達が大量に買い付け、空売りを行っていたヘッジファンドを「逆襲」したとか。
ヘッジファンドは損切を余儀なくされ、その損を埋るため利益の出ている株を売らざるを得なかったようで、これがNY株の大幅安につながったとのことです。
何しろ、27日の「ゲームストップ株」の売買代金は3兆円にも上り、アップルのそれを上回る「大商い」だったようです。
昨日同社は、「ゲームストップ株」の取引きを停止し、これに対してロビンフッダー
達は猛反発しています。
日本でもいずれ「ロビンフッダー」が出て来ると思われますが、すでにかなりの数、存在しているのかもしれません。
良い週末を・・・・・。

スポンサーサイト



NY株急落。ドル円104円台に 


ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆株価の急落に、決済通貨のドルを買う動きが加速し、
ドル円は約2週間ぶりに104円台を回復。一時は
104円20銭まで買われ、「有事のドル」復活。
◆ドルを買う動きが強まり、ユーロドルも下落。
1.2058近辺までユーロ安が進む。
◆株式市場は急落。ダウは633ドル下げ、ナスダックも
355ポイント安と今年最大の下げを演じる。投機的な
動きと、ヘッジファンドが損出を埋めるために利益の出ている
銘柄を大量に売ったとか。
◆債券は続伸。長期金利は1.01%台と、節目の1%に接近。
◆金は5日続落。原油は小幅に反発。

◆12月耐久財受注    → 0.2%  

本日の注目イベント

◆独   独1月消費者物価指数(速報値)
◆欧   ユーロ圏1月景況感指数
◆欧   ユーロ圏1月消費者信頼感指数(確定値)
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   10-12月GDP(速報値)
◆米   12月新築住宅販売件数
◆米   12月景気先行指標総合指数
◆米  企業決算 →  ダウ、コムキャスト、VISA,
◆加   カナダ12月住宅建設許可件数

「合理的バブル」への警鐘か・・??
NY株が今年最大の下げを見せました。
特にこれといった明確な材料は見当たらないものの、ダウとナスダックは
2%を超える大幅な下げとなり、特に今週に入り連日で最高値を更新して
いたナスダッック指数は2.6%安と、厳しい下げに見舞われました。
この欄でも何度か、株価の乱高下から米金利が動き、その動きに沿ってド
ル円が上下するという見立てを指摘してきました。昨日の動きはそれに近
いものでしたが、急激なリスク回避の流れは、国際決済通貨であるドルを
選好し、「有事のドル買い」が復活した格好でした。
これまでの「安全通貨の円」はその神通力を失いつつあるのかもしれませ
ん。NY株が大きく下げ、米長期金利が低下した際には、反射的に買われ
た円は、昨日はクロス円ではやや買われましたが、かつての「強い円」は
見られません。ドル円は104円台まで上昇し、約2週間ぶりのドル高水
準を付けましたが、ここから104円台半ばを超えて行くようなら、今後
の相場観にも影響を与える動きにつながる可能性もあります。
リスク回避の流れが強まったことで、「VIX指数(恐怖指数)は大きく
上昇し、昨年11月以来となる「37」台まで恐怖感が強まってきました。
この「VIXV指数」は、「20」を超えると警戒感が強まり、リスクに
対する備えが必要だと見られていますが、極めて不思議なことに「VIX
指数」は昨年2月以来一度も「20」を下回ったことがありません。
ブルームバーグも指摘していましたが、リスクが高まると上昇する「VI
X指数」は、当然ですが、市場が落ち着き、多くの投資家がリスクを取れ
るようになると下がります。昨年2月21日に「VIX指数」が「17」
台まで低下した時には、ダウはまだ2万9300ドル台でした。ナスダッ
ックに至っては9800ポイント台でしたが、その後はご存知のように、
NY株は急騰し、ナスダックは1万3635ポイントまで上昇、史上最高
値を記録しています。それでも「VIX指数」は節目の「20」を割り込
んだことはなかったわけです。

問題は、これが何を意味するのか?・・・・ということです。
「VIX指数」が上昇すると円が買われ、円高が進んだドル円でも、その
相関関係が崩れています。「VIX指数」は、投資家がリスク選好、リス
ク回避を判断する際のベンチマークとして、最早機能しなくなっているの
か?あるいは、高止まりしていることで投資家へ「警鐘」を鳴らし続けて
いるのか?年後半には答えが出ているかもしれません。

個人的には注目度が低下していると見ていた今回のFOMCですが、予想
通り現状維持を決め、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジ
を0-0.25%で据え置きました。
声明文では、「連邦準備制度は現在の困難な時期の米経済を支えるため、
あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を
促進することにコミットしている」と、これまでの声明文と目立った変化
はありません。
コロナウイルスの感染が経済に与える影響に関しても触れており、「経済
の道筋はワクチンに関する進展を含め、ウイルスを巡る状況に大きく左右
される。進行中の公衆衛生危機は引き続き経済活動や雇用、インフレへの
重しとなっており、経済見通しへの重大なリスクをもたらしている」と記
述されています。
その上で、「委員会の目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場
合、委員会は必要に応じて金融政策スタンスを調整する用意がある。委員
会は公衆衛生労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標
のほか、金融、国際情勢など幅広く考慮して判断する」とあります。
(ブルームバーグ)

会合後パウエル議長は会見で、「大規模な経済支援を縮小する状況からは
程遠い」と述べ、一部で噂されているテーパリングについて、「しかるべ
き時に資産購入のテーパリングを
開始する時に、誰も不意を突かれたと受け止めることがないよう。金融当
局として明瞭なコミュニケーションを心がける」と語り、「出口に焦点を
合わせるのは時期尚早だ」とテーパリングを否定しました。

ドル円は104円台を回復したことで再び雲の中に入ってきました。
(日足)また、MACDでも「ゼロの軸」に絡んでおり、微妙な値位置に
なっています。前回も104円台ミドルで上昇を抑えられUターンしてい
ます。上でも述べたように、104円台ミドルを明確に超えて行けるかど
うかが焦点です。引き続き株価が為替の方向を決める展開が続き、日米の
株価の動きには注視したいところです。

本日のドル円は103円70銭~104円50銭程度を予想します。


新型コロナ感染者世界で1億人突破 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は材料難から小動き。103円台半ばでの推移に
留まり、本日のFOMC待ちのムードに包まれる。
◆ユーロドルも1.21台半ばで小動き。
◆株式市場は揃って小幅に下落。引け間際まで上昇して
いたが、コロナ感染への警戒感などから、最後にマイナス
圏に。ナスダックは9ポイント下げ、ダウは4日続落、
◆債券はもみ合う中小幅に下落。長期金利は1.035%台に。
◆金は4日続落し、原油も下げる。

◆11月ケース・シラ-住宅価格指数      →   9.08%   
◆11月FHFA住宅価格指数         →   1.0%
◆1月消費者信頼感指数            →   89.3
◆1月リッチモンド連銀製造景況業指数     →   14

本日の注目イベント

◆豪   豪第4四半期消費者物価指数
◆豪   豪12月NAB企業景況感指数
◆日  11月景気先行指数(改定値)
◆日  11月景気先行指数(CI)(改定値)
◆中   中国12月工業利益
◆独   独2月GFK消費者信頼感
◆米   12月耐久財受注
◆米   FOMC 政策金利発表
◆米   パウエル議長記者会見
◆米  企業決算 → アップル、AT&T、テスラ、フェイスブック、ブラックストーン、ボーイング

今朝の最初の話題はやはり、新型コロナに関するものでしょう。
ジョンズホプキンス大学の集計によると、世界の新型コロナウイルス感染者が
1億人を突破しました。その約4分の1が米国で、インド、ブラジルがこれに
続きます。欧州でも、英国のコロナによる死者数が10万人に達し、ポルトガ
ルでもコロナによる1日の死者が291人と過去最多を更新し、アイルランド
ではロックダウンを少なくとも3月5日まで延期する見込みです。
日本では緊急事態宣言の発令の効果からか、感染者数はやや減少傾向にありま
すが、重症者の数は思ったほど減っていません。
また、欧米と比べ圧倒的に少ないとは言え、最近ではコロナによる死者の数が
1日で100人を超える日も散見されます。何よりも、感染が確認されても入
院できずに自宅待機を余儀なくされる患者が3万人を超えていることに「危機
感」を感じます。最大限の注意をしていますが、万が一コロナに感染しても、
入院できない可能性があるということです。

IMFは2021年の世界経済成長見通しを上方修正しました。
新型コロナワクチンの供給や追加の財政出動が感染拡大による目先の景気の落
ち込みを和らげると見込んでいるようです。IMFによると、21年の世界経
済成長率は「5.5%」と、昨年10月時点の予測「5.2%」から0.3ポ
イント引き上げました。日本は、10月時点の予測「2.3%」から「3.1
%」に引き上げ、米国は「5.1%」と、前回から「2.0%」も上方修正し
ています。米国では、コロナによる感染者数が世界の4分の1を占めているも
のの、大規模な経済対策と、今後ワクチンの普及が急速に感染者の減少につな
がることを見込んでいるものと思われます。欧州ではユーロ圏と英国の成長率
は、昨年末の冷え込みが続くと予想され下方修正されました。また中国も下方
修正されたものの、「8.1%」と高水準の成長が達成されると予測されてい
ます。

バイデン政権で商務長官に指名されたレモンド氏は、中国の「不公正な」貿易
慣行と闘うため米国は「積極的な」措置を取らなくてはならないと、上院での
指名承認公聴会で述べています。また、生産拠点を米国に戻すよう米製造業に
投資する方針も示され、その他の新政権閣僚候補と同じく、前政権の対中強硬
路線が新政権下でも一部維持されることを示唆しています。
先週の指名承認公聴会でも、イエレン財務長官が中国に対して、これまでの同
氏としては極めて異例とも思える強硬な姿勢を見せていました。予想されてい
た通り、バイデン政権ではパリ協定やWHOへの復帰を目指す一方、中国への
強硬な姿勢は変わらないことを印象付け、中国をけん制していると考えられま
す。

バイデン大統領は26日、ロシアのプーチン大統領と初の電話会談を行いまし
た。ホワイトハウスは声明で「バイデン大統領はウクライナの主権に対する米
国の確固たる支持を再確認した」と説明し、ロシアの反体制派指導者ナワリヌ
イ氏が毒を盛られたとみられる事件や、米国に対する大規模なサイバー攻撃を
巡る問題などでプーチン大統領に圧力をかけたと見られます。
ロシア大統領府も電話会談が同日行われたことを確認し、「ビジネスライクで
率直なものだった」と表現しています。(ブルームバーグ)

為替市場は全体的に小動きで動意に欠ける展開が続いています。
株価の動きがきっかけで金利が動き、その動きに合わせて出動を待つ、待機状
態かと思われます。
本日はアップルやフェイスブックなどの決算発表があり、市場関係者は非常に
注目しているところです。今朝方発表されたマイクロソフトの決算は、市場予
想を上回る増収となり、同社株は時間外取引で一時約5%の上昇を見せたよう
です。

ドル円は本日のFOMCでも金融政策の現状維持が予想され、パウエル議長の
会見に注目が集まります。議長は引き続き緩和姿勢を明確にすると見られるこ
とからドル円はやや水準を切り下げています。

本日のドル円は103円30銭~104円10銭程度を予想します。


米ハイテク株続伸 


ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は小幅に続伸。ユーロなどが対ドルで売られた
ことを受け、ドル円も103円93銭まで円売りが進む。
◆ユーロドルは小幅に下落。独IFO景況感が悪化していた
ことを手掛かりに売りが先行し、1.2116まで下落。
イタリアのコンテ首相辞任も売り材料に。
◆株価は先週末と同様にまちまち。ハイテク株の多いナスダックは
92ポイント上昇し、これで、4日連続で最高値を更新。
一方ダウは下げ幅を大幅に縮小したもの36ドル安。
◆債券相場は続伸。長期金利は1.03%台まで低下し、約3週間
ぶりの低水準。
◆金は続落し、原油は反発。

本日の注目イベント

◆日   日銀金融政策決定会合、議事要旨(12月17日、18日分)
◆英   英失業率(9月ー11月)
◆米   IMF、世界経済の見通し、改定見通し
◆米   11月ケース・シラ-住宅価格指数
◆米   11月FHFA住宅価格指数
◆米   1月消費者信頼感指数
◆米   1月リッチモンド連銀製造景況業指数
◆米  企業決算 → スターバックス、アメックス、J&J、GE、ベライゾン、マイクロソフト

習近平国家主席は25日、世界経済フォーラム(WEF)がオンライン開催した
「ダボスアジェンダ」会議で講演を行い、世界がお互いの尊重を取り戻すため、
「イデオロギー的な偏見」を捨て、時代遅れの「冷戦思考」をやめるよう呼び
かけました。習主席は、「相違そのものは警戒するに当たらない。警戒すべき
は放漫な偏見、憎しみだ」と述べました。
また、「対立はわれわれを袋小路に陥れる」と指摘するとともに、世界の大国
が「覇権にコミットし続けるのではなく、国際法と国際的なルールにコミット
し続けるよう」主張しました。(ブルームバーグ)
この発言は、バイデン新政権がトランプ政権のように「自国第一主義」を取ら
ず、中国との関係を改善するよう、強くけん制したものと受け止められていま
す。ポンペオ前国務長官が国務長官としての最後の置き土産として20日に、
新疆ウイグル地区におけるウイグル族など、少数民族に対する行為は「ジェノ
サイド」だと発言したことも意識されているようです。バイデン新政権発足後、
習近平主席が演説を行ったのはこれが初めてです。

米国では大手製薬会社メルクが2つの新型コロナワクチンの開発を打ち切ると
発表したことで、ダウは朝方から大きく下げ、一時は400ドルを超える下げ
を見せました。同社はファイザーやモデルナなどとは異なる戦略やアプローチ
を採用したものの、試験継続に必要な結果が得られなかったとしています。
一方モデルナは、感染力が強い「変異種」への対応を目的とした、新型コロナ
ワクチンの効果増強を狙った追加接種について、人を対象とした治験を開始す
る予定だと発表しています。
ナスダックは4日連続で最高値を更新し、今年もハイテク株の上昇が指数をけ
ん引しそうな気配です。
上昇の背景は、今週決算発表が行われるアップルなど、ハイテク株の好決算観
測が高まっていることが挙げられます。マイクロソフトの決算発表は本日26
日で、アップルとフェイスブックの決算発表は明日27日の予定です。

もっとも、NYダウの下げはバイデン大統領が提案した1.9兆ドル(約197
兆円)の経済対策が遅れるとの見方が影響した部分もあります。
民主党のシューマー上院院内総務は、同経済対策案を向こう1カ月から1カ月
半に議会で通過させたい考えを明らかにしていますが、規模を巡って共和党側
から強く反対する声も挙がっており、実施時期が予定されているよりも遅れる
可能性があるようです。バイデン大統領は民主党だけの支持ではなく、共和党
の関与も期待しており、同党と協議する用意があることを明らかにしています。

ドル円はNYで買われましたが、104円には届いていません。
今朝のレベルは昨日とほぼ同じです。米長期金利が大きく低下したことを考え
れば、もう少しドル安に振れてもよかったのかなと思いますが、ユーロドルの
下落がドルを支えた格好でした。足元では103円台を固めている動きのよう
にも思えますが、104円台では依然としてドル売り意欲も旺盛かと思われま
す。これまでと同様、小刻みに利益を確定して行くしかありません。

本日のドル円は103円50銭~104円20銭程度を予想します。


トランプ弾劾裁判審理2月上旬へ 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円はやや値を戻し、103円台後半まで上昇。
英ポンドなどが米ドルに対して売られたことで、相対的に
ドルが買われた。
◆ユーロドルも小動きで1.21台半ばから後半で推移。
◆株式市場はまちまちの展開の中、ナスダックは買われ、
3日連続で最高値を更新。ダウは179ドル安。
◆債券は反発。長期金利は1.1%台を割り込み、1.08%
台に。
◆金と原油は売られる。

◆12月中古住宅販売件数                 → 676万件
◆12月マークイット製造業PMI(速報値)        →  59.1
◆12月マークイットサービス業PMI(速報値)      →  57.5
◆12月マークイットコンポジットPMI(速報値)     →  58.0

本日の注目イベント

◆独   独1月ifo景況感指数
◆欧  ラガルド・ECB総裁講演
◆欧   世界経済フォーラム」(WEF)「ダボス・アジェンダ」
     (29日まで、オンライン形式)

バイデン政権が本格的に始動しましたが、先ずはコロナ対策に軸足を置き、
通商問題への対応は後回しになりそうです。外交ではジョンソン英首相と
の会談が予定されており、同氏がバイデン新大統領と最初に会談する欧州
首脳になるようです。
また議会上院でも、トランプ前大統領に対する弾劾裁判に関する審理を2
週間遅らせることで合意しています。ここでは、バイデン新政権の閣僚指
名承認の採決を優先することになります。下院では弾劾裁判の審理に関す
る法案は可決していますが、上院では共和党議員の中から少なくとも17
名の造反者が出る必要がありますが、10名の名前は挙がっており、さら
に共和党上院で影響力を持つ、マコネル上院院内総務がトランプ批判を強
めていることから、その影響も考えられます。

本日から世界経済フォーラム(WEF)がオンライン形式で開催されます。
本フォーラムにはマクロン仏大統領、メルケル独首相、インドのモディ首
相に加え、菅首相も参加し、ECBのラガルド総裁など世界の中銀首脳も
講演する予定です。初日の25日には習近平中国国家主席の講演が予定さ
れており、注目されています。フォーラムでは、世界経済が危機に直面す
る中、公正な経済、社会システムやデジタル化、気候変動などについて議
論が交わされる予定です。(ブルームバーグ)

今週は今年最初のFOMCが開催されます。
引き続き、コロナ感染が拡大する状況が続く中、FRBとしては緩和政策
の継続を表明するものと思われます。先週14日、パウエルFRB議長は
プリンストン大学のセミナーで、同大学のマーカス・ブルネルマイヤー教
授との対話を行い、「必要となれば利上げはするが、その時は直ぐ来ない
」との認識を示しています。また2%の物価目標についても、「新たな枠
組みの信認のためには2%を一定期間上回る必要がある」と述べ、一時的
に2%を超えてもすぐに利上げにつながらないことを改めて強調していま
した。

ドル円は先週103円30銭前後まで売られ、再び104円台から下落し
ていましたが、週明けの為替市場では豪ドル円が80円台、ユーロ円が1
26円台を回復しています。これらから、「ドルは売られるけど、円も売
られる」展開が続いていると見られます。大枠は、102円~104円台
でのもみ合いと見ていますが、今週再び104円台に乗せるようだと、1
03円台を固めている動きのような印象が強まりそうです。引き続き米長
期金利の推移と、今週は特に、米株式市場の動きに注目したいと思います。
マイクロソフト、アップル、テスラなど、米株式市場の大幅高をけん引し
てきたIT株などの決算が発表されるからです。これらの決算発表がきっ
かけとなり、株価の乱高下を通じて債券市場にも影響を与える可能性があ
ります。

本日のドル円は103円30銭~104円程度を予想します。


バイデン新政権始動 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円はやや水準を切り下げ、103円38銭まで売られる。
リスク選好が進みドルが売られたものの、クロス円では
円も軟調な動きに。
◆ユーロドルは小動き。ECBが金融政策を据え置いたことで
材料不足となり動意に欠ける展開に。
◆株式市場は3指数とも上昇していたが、引けにかけて
ダウはマイナスに転じる。ナスダックとS&P500は
最高値を更新。
◆債券は売られ、長期金利は再び1.1%台を回復。
◆金と原油は下落。

◆新規失業保険申請件数          →  90万件
◆12月住宅着工件数           →  166.9万件
◆12月建設許可件数           →  170.9万件
◆1月フィラデルフィア連銀景況指数    →  26.5

本日の注目イベント

◆豪   豪12月小売売上高
◆日  12月消費者物価指数
◆独   独12月製造業PMI(速報値)
◆独   独12月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏1月総合PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏1月製造業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)
◆英   英12月小売売上高
◆米   12月中古住宅販売件数
◆米   12月マークイット製造業PMI(速報値)
◆米   12月マークイットサービス業PMI(速報値)
◆米   12月マークイットコンポジットPMI(速報値)
◆米   米上院財政委員会、イエレン氏の財務長官指名公聴会
◆加   カナダ11月小売売上高

式典を終えたバイデン大統領は、ホワイトハウスの執務室で早速15本
の大統領令に署名を行う映像が公開されました。
その中には、パリ協定への復帰やWHO脱退の撤回など、トランプ政権時
代の政策を大きく転換するものも含まれていました。
国のトップである大統領には、これほどの権限が委譲されていたことを、
改めて知らされたのは筆者だけではないと思います。それだけに、最高
指導者を選ぶ権利を有する国民も、より賢くなる必要があります。
20日の就任式のスピーチでも、「結束」や「民主主義」という言葉を
何度も使っており、その言葉の頻度からも、今後のバイデン政権の運営
が簡単ではないことを物語っていたと感じました。

大統領就任2日目となったバイデン氏は重要な政策の柱の一つである、
新型コロナウイルスと闘うための全国的な戦略を発表しています。バイ
デン氏はホワイトハウスで、コロナのため向こう約1カ月でさらに10
万人が死亡する恐れがあり、事態は改善する前にさらに悪化するだろう
と述べ、「より多くの人への無料のワクチン接種のため全力を尽くす」
と述べました。またバイデン氏はより頻繁にマスクを着用するよう国民
に呼び掛け、「こうした予防措置で4月までに5万人の命を救える」と
指摘し、「マスク着用は実際のところ、われわれが出来る唯一にして最
善のことだ。ワクチンよりも重要だ」と国民に訴えました。

下院での承認公聴会で中国に対する米国の強硬な姿勢は変わらないこと
に言及したイエレン次期財務長官が、その姿勢を裏付けるような言葉を、
議員からの質問に対して回答している文書をブルームバーグが入手した
と伝えています。
イエレン氏は、新政権は「中国の悪質な慣行にはあらゆる手段を積極的
に使う」とし、「対中関税は同盟国と協議するまで変更するつもりはな
い」と書面で回答しています。
さらにイエレン氏は、「通商上の不公正な優位を得るための人為的な
為替操作に対しては、バイデン大統領は反対の意思を明確にしている。
この意向を支持しており、承認を受ければ、いかなる為替操作に対して
も政権内で協力して反対していく」と表明しています。
FRB議長時代のイエレン氏とは打って変わった強い言葉での意思表明
だと感じます。「物価の安定と雇用の最大化」を責務とするFRB議長
から、バイデン政権の最重要閣僚の1人として、「財政、為替、貿易」
などの分野で最前線に立つ、財務長官としての強い意志の表れだと思わ
れます。

ECBは20日の理事会で、金融緩和措置の現状維持を決め、パンデミ
ック緊急プログラム(PEPP)の規模を1兆8500億ユーロ(約2
33兆円)で維持し、少なくとも2022年3月末まで継続することを
確認しました。
ラガルド総裁は、「中銀預金金利をマイナス0.5%で据え置き、条件
付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)を通じて銀行に十分な流動
性供給を続ける」ことを表明しました。
また域内の景気については、「ユーロ圏経済は2020年10-12月
『第4四半期』に恐らく縮小した。『第4四半期』の縮小は『第1四半
期』に流れ込むだろう」とも述べ、景気が二番底に向っているとの認識
を示しています。個人的には今回の会合で追加緩和の可能性を予想して
いましたが、ECBはコロナによる影響がより明瞭になる3月の会合で、
より深い議論を行うことを選択した模様です。

米長期金利は先週後半から低下傾向にありましたが、1%の大台を割り
込むことなく、再び1.1%台まで上昇してきました。
一方104円台半ばまで買われたドル円はジリジリと下値を切り下げ、
102円60銭から104円40銭までの上昇幅の「約半値」程度押し
戻されたことになります。これまでも述べてきたように、まだドル下落
のリスクは残っています。従って、ドルの戻りを売るスタンスは継続す
る必要があります。ただ、ドルの下値も徐々に底堅くなってきたのも事
実です。102―104円のレンジ内で推移すると予想し、次の材料を
待つ展開でしょう。

本日のドル円は103円10銭~103円90銭程度を見ています。


バイデン氏、第46代米大統領に就任 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場


◆ドル円は堅調に推移し、一時は104円台に乗せる。
次期財務長官に就任するイエレン氏が公聴会でドル安政策の
修正を示唆する発言を行ったこともドルをサポート。
◆ユーロドルは小幅に反落。1.2116まで売られ、再び
1.21割れを試す。
◆株式市場は3指数とも揃って上昇。ハイテクと小型株が
上昇をけん引する形で、ダウは116ドル高。
◆債券は小動きとなり、長期金利も1.08%台とほぼ
横ばい。
◆金と原油は反発。

本日の注目イベント

◆豪   豪1月ウエストパック消費者信頼感指数
◆中   中国全人代常務委員会
◆独   独12月生産者物価指数
◆欧   ユーロ圏12月消費者物価指数(改定値)
◆英   英12月消費者物価指数
◆英   ベイリー・BOE総裁、イベントに参加
◆米   1月NAHB住宅市場指数
◆米   バイデン氏、米大統領に就任
◆米   トランプ氏、退任式を計画(アンドルーズ空軍基地)
◆米  企業決算 → P&G、モルガンスタンレー、アルコア
◆加   カナダ中銀政策金利発表
◆加   カナダ12月消費者物価指数

本日20日、ジョー・バイデン氏が正式に第46代米大統領に就任します。
首都ワシントンでは「就任式一色」といった様相のようですが、厳しい厳
戒態勢が敷かれていることから、これまでのお祝いムードとは異なった雰
囲気のようです。バイデン氏は日本時間午前2時すぎに宣誓を行い、スピ
ーチを行う予定です。
通常ですとその後、議事堂から真っすぐホワイトハウスに伸びる「ペンシ
ルベニア大通り」を夫人と歩いて国民に手を振る場面が思い起こされます
が、今回は取りやめになったようです。

そんな中、議会上院で次期財務長官に就任予定のイエレン前FRB議長の
承認公聴会が行われました。
イエレン氏は、「競争上の優位を得るため弱い通貨を米国が目指すことな
く、他国によるそうした試みを求めるべきでない」と発言し、さらに「貿
易における優位性を得るため人為的に通貨価値を操作する外国によるいか
なる、またあらゆる試みに反対すべく、取り組んでいく」と決意を述べま
した。
イエレン氏は通貨政策について、これまでの財務長官にはなかった明確な
スタンスを表明したと思います。ブルームバーグは「イエレン氏のドルに
関する発言は、いわゆる強い
ドル政策への回帰を示唆する。強いドル政策はクリントン政権以来の米国
の方針だったが、トランプ大統領が実質的に放棄していた」と論評してい
ます。またイエレン氏は、中国が知的財産権を搾取し、世界市場で製品を
ダンピングしているほか、自国企業に補助金を付与しているとの認識を示
し、そうした行為に対抗する用意がバイデン次期政権にあると述べていま
す。予想されてはいたことですが、中国政策については、政権が変わって
も中国が変わらない限り、これまでの強硬な姿勢は継続されることが確認
されたと言っていいと思います。

一方で、バイデン次期政権が掲げる1.9兆ドル(約197兆円)規模の
経済対策について、共和党からは反対の声があがっており、議会の壁を意
識させられた格好でした。
政府支出の増加をまかなうための債務拡大を巡り、「いつの時点で多すぎ
となるのか」と質問され、イエレン氏は「連邦予算を持続可能な軌道に乗
せることは必須だが、経済成長を支えるための投資を現段階で行わなけれ
ば、状況は悪化することになる」と返答しています。
同時に、「金利が非常に低い時は長期債を発行して資金調達する利点はあ
る」と述べ、50年債の発行を検討する考えを明らかにしています。

ドル円は昨日のNY市場で再び104円台に乗せる場面がありました。
ややドルが底堅くなった印象ですが、上述のように、イエレン次期財務長
官は「ドル安政策の修正」を匂わすような発言行っています。
今後事あるごとに、この政策が実施されていくのかどうかを見極めていか
なければなりません。これまでにも述べてきたように、ドル円が105円
台を回復すれば、周りの景色もこれまでとは異なるものが見えてくるよう
に思います。まだドル下落のリスクは排除できませんが、ドル反転のマグ
マが少しずつですが溜まってきている気配は感じています。

本日のドル円は103円50銭~104円30銭程度を予想します。


米『パリ協定』に復帰 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は103円台半ばから後半でもみ合い。
バイデン次期大統領が1.9兆ドル(約197兆円)の
経済対策を発表したが反応せず。低調な小売売上の発表に
押し切られた格好。
◆ユーロドルは続落し、1.2075まで売られる。
米金利の低下を材料にドルが買われた。
◆株式市場は続落。小売売上が予想を下回ったことで、
個人消費の悪化傾向が確認されたとの声も。ダウは177ドル安。
◆債券相場は続伸。長期金利は1.08%台まで低下。
◆金と原油は揃って下落。
  
◆12月小売売上高                →  -0.7%
◆12月生産者物価指数              →  0.3%
◆1月NY連銀製造景況業指数           →  3.5
◆12月鉱工業生産                →  1.6%
◆12月設備稼働率                →  74.5
◆1月ミシガン大学消費者マインド(速報値)    →  79.2

本日の注目イベント

◆日   11月鉱工業生産
◆中   10-12月GDP
◆中   中国12月小売売上高
◆中   中国12月工業生産
◆英   ベイリー・BOE総裁講演
◆米   NY市場休場(キング牧師生誕記念日)
◆加   カナダ12月住宅着工件数

今週水曜には予定通りバイデン次期大統領の就任式が首都ワシントンで行われます。
すでに厳しい警備体制がしかれていますが、バイデン氏は就任式当日に、パリ協定
復帰を含む10以上の政策を打ち出す予定です。特にパリ協定の復帰は、トランプ
政権との違いを明確にする意味合いもあるようです。
就任式の演説ではトランプ政権から続く公衆衛生と経済の危機への対応方針を示す
ほか、トランプ大統領支持者による連邦議会議事堂乱入を踏まえて、国民に結束を
呼び掛ける模様です。バイデン氏らの顧問によれば、演説ではバイデン氏に投票し
なかった人々にも支持を訴え、深まりつつある政治的分断を埋めることを目指す
(ブルームバーグ)予定です。次期大統領首席補佐官に指名されているロン・クレ
イン氏によると、バイデン次期
大統領は、新型コロナウイルス感染症、景気悪化、気候変動、そして人種差別とい
った「4つの重複した複雑な危機」に対処する方針を明らかにする予定とのことで
す。

先週14日パウエルFRB議長はプリンストン大学のセミナーで、同大学のマーカ
ス・ブルネルマイヤー教授との対話で、「必要となれば利上げはするが、その時は
直ぐ来ない」との認識を示しました。
また2%の物価目標についても、「新たな枠組みの信認のためには2%を一定期間
上回る必要がある」と述べ、一時的に2%を超えてもすぐに利上げにつながらない
ことを改めて強調していました。(日経新聞)
議長は、「一時的な物価上昇は、基調としての物価上昇を意味しない」とも語って
います。これまでにもパウエル議長は、一時的な2%を超える物価上昇を容認する
考えを示してきましたが、今後もこの考えを続けていく方針で、この方針は次期財
務長官に決まっているイエレン氏とも共有できるものと見られます。

先週1%の大台を超え、一時は1.18%台まで急騰した米長期金利でしたが、足
元では1.08%台まで低下しています。
米金利の上昇を受け、ドル円は102円台半ばから104円台半ば近辺までドルが
買い戻されました。一方1.2345まで買われたユーロドルでもドルが買い戻さ
れ、1.20台後半までユーロ安が進んできました。金利上昇が一服した割には、
ユーロの下落が続いている印象ですが、これには積み上がったポジションの整理と
いう側面も多分にあろうかと思います。ユーロ圏をけん引するドイツでは、「ポス
トメルケル」の動きも活発化しています。
ドイツの与党、キリスト教民主同盟(CDU)の次期党首にメルケル首相の中道路
線継承を唱えるラシェット氏が選出されました。メルケル首相は今年秋には退任す
ることが決まっており、「成功した中道路線をさらに進めていく」と述べているラ
シェット氏が次期首相になる可能性が高いと見られていますが、CDUと姉妹政党
のキリスト教社会同盟(CSU)のゼーダー党首も人気が高く、ポストメルケルを
巡る戦いはこれから佳境を迎えそうです。

好調だった米株市場にやや天井感も出始めたことで、資金が株から債券に流れてい
ます。依然として米株式市場に対し強気の見方をする専門家も多くいますが、先週
から始まった米企業の決算発表にも注意する必要があります。すでに決算発表を行
った米大手金融機関でも明暗は分かれており、注目される企業の決算内容次第では、
株式市場全体に影響を与える可能性があります。

本日のドル円は103円40銭~104円10銭程度を予想します。


米長期金利上昇が一服 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は米長期金利の上昇が一服したことで反落。
米長期金利が1.12%台まで低下したことを受け、
午後には103円72銭まで売られる。
◆ユーロドルは反発。1.2210までユーロが買い戻され、
1.21台前半では底堅い動きを見せる。
◆株式市場は反発。ダウは60ドル上昇し、主要指数は揃って
買われる。
◆債券相場は反発。10年債の入札が好調だったことから、
買い物を集める。長期金利は1.12%台まで低下。
◆金は反落し、原油は続伸。原油価格は53ドル台まで
上昇し、約11カ月ぶりの高値に。バイデン政権での景気回復観測が
買いにつながる。

本日の注目イベント

◆欧   ユーロ圏11月鉱工業生産
◆欧 ラガルド・ECB総裁、オンラインで質疑応答に参加
◆米   12月消費者物価指数
◆米 12月財政収支
◆米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
◆米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
◆米   クラリダ・FRB副議長、バーチャル討論会に参加


大統領就任式を来週に控えている中、トランプ氏の民衆を扇動した発言
を巡る混乱が続いています。議会民主党は、トランプ氏の罷免をペンス
副大統領に求める決議案を議会に提出し、下院で可決される見込みです。
法案可決後24時間以内にトランプ氏を罷免するようペンス副大統領に
迫る予定ですが、ペンス氏はこの要求を拒みそうで、その場合には、本
議会で弾劾決議案の採択を行う予定で、本日13日中にも採決の運びと
なります。これに対してトランプ氏は、「不適切なところは一切ない」
と断言しており、訪れたテキサス州アラモでは、大統領罷免に関する憲
法修正25条について、「自分には全く脅威ではないが、バイデン氏と
その政権はこれに呪われるかもしれない」と述べています。
またトランプ氏の属する共和党のマコネル上院院内総務はトランプ氏に
ついて、弾劾されて当然の罪を犯したと考えているとNYタイムズ紙は
報じています。
同紙は、マコネル氏は弾劾訴追の動きにより、トランプ大統領を共和党
から排除することが容易になるとの認識を示したと伝えています。
(ブルームバーグ)
弾劾訴追決議案は下院では可決される可能性が高いと見られ、上院の採
決が注目されます。

11日のNY市場で104円40銭まで買われたドル円でしたが、昨日
は米長期金利の低下に伴い103円72銭前後まで押し戻されています。
昨日の東京時間では104円台を維持出来ていたものの、NY時間の午
後には104円台を割り込み、ジリジリと値を下げました。
米長期金利との相関が強まっており、その金利が1.12%台まで低下
したことを考えれば、当然の成り行きと言えます。
また、104円台半ばには一目均衡表の雲(日足)があり、その雲に上
昇を一旦抑えられた格好にもなっています。

米長期金利が1.5%近くまで急騰したことについてクラリダFRB副
議長は、「ワクチンや経済成長期待などプラスの期待を織り込んで金利
が上昇しているのであれば、それは懸念すべきでない」と、景気が回復
する過程での金利上昇を容認する姿勢を見せています。
市場の一部には今後FRBが債券の購入規模を徐々に縮小する、いわゆ
る「テーパリング」の観測もあるようですが、これについてセントルイ
ス連銀のブラード総裁は、「新型コロナウイルスが依然として猛威を振
るう中、金融政策支援の縮小を議論するのは時期尚早だ」との見解を示
しました。
市場はバイデン次期大統領が大規模な追加の景気刺激策を講じるとの観
測を強めており、これが金利上昇圧力になっています。
追加の経済対策については14日にも発表されるとの報道もあり、その
内容と規模次第では今後の金利の動きに大きな影響を与えます。
また、次期財務長官に就任する予定のイエレン前FRB議長の公聴会が
19日にも行われるようです。
公聴会は上院財政委員会で行われる予定ですが、ここでは問題なく承認
されると見られています。
イエレン氏の財政政策に対する考え方の一部が披露される可能性もあり、
注目されます。

ドル円の動きも、米10年債の動きも、今週から来週にかけて行われる
バイデン新政権での政策内容を待つ展開になります。
政策内容が期待を上回るものであれば、米株価が上昇し、債券が売られ、
金利が再び1.4%を超えていく可能性があります。
ドル円の動きも金利に沿った動きとなり、再び104円台乗せもありそ
うです。もっとも、期待が先行している部分もありそうで、期待外れの
場合には103円割れもないとは言えません。
ドル円の値動きも徐々に活発になってきており、ようやく相場らしい相
場つきになってきたと考えております。

本日のドル円は103円40銭~104円20銭といったところでしょ
うか。

緊急事態宣言の発令に伴い、毎朝配信しております「アナリストレ
ポート」も、発令期間中不規則な配信体制となります。今週は14日
(木)と、15日(金)はお休みとさせて頂きます。読者の皆様にはご
不便をおかけいたしますが、宜しくお願い申し上げます。


米長期金利1.46%台まで上昇 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は続伸し、104円40銭まで買われ、
1カ月ぶりのドル高を付けた。米10年債利回りが
1.46%台まで上昇したことでドルの買い戻しが進む。
◆ユーロドルは続落。ドルが買われたことで1.2132
までユーロ安に。
◆株式市場は反落。連日最高値を更新していたこともあり、
米下院民主党がトランプ大統領の弾劾決議案を提出したことを
嫌気し、ダウは89ドル安。
◆債券は続落し、長期金利はこの日の高値となる
1.46%台で引ける。
◆金利高が続き、前日大幅に売られた金は反発。
原油は52ドル台でほぼ横ばい。

本日の注目イベント

◆日  12月景気ウオッチャー調査
◆日   11月貿易収支
◆日   11月国際収支
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米   カプラン・ダラス連銀総裁講演
◆米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演

米長期金利の上昇に弾みがつき、止まりません。
10年債利回りは1.46%まで上昇し、この日の高値で取り引きを終えています。
昨日のNYでは株価が3日ぶりに反落し、リスクオンがやや後退したにも拘わらず、
債券が売られています。
通常は株式が売られれば、債券は買われますが、昨日はやや象徴的な動きだったよ
うに思います。
バイデン次期大統領が大規模な財政出動を行うとの見立てから、債券への売り圧力
が継続していることが背景です。

ドル円も金利高に反応し、104円40銭まで買い戻しが進み、昨年12月10日
のレベルまでドル高が進行しました。株価の動きよりも金利の動きにより反応する、
ドル円本来の動きに戻って来ています。もちろん米10年債利回りが1%を抜け、
大幅に上昇して来たことで、金利高に引っ張られる形でドルが買い戻されてきまし
たが、この傾向が続くかどうかはまだ判然としません。
これで米長期金利の上値のメドは1.2%という節目となりますが、この水準は昨
年3月に新型コロナウイルス感染拡大の「第一波」を受け、FRBが急遽ゼロ金利
政策を決定したレベルで、長期金利は1.27%台から急落したところです。
先週この欄で、長期金利が1%の大台を突破した際、「ドルの戻りを売る展開は変
わっていないが、注意が必要」とのコメントを書きました。
米長期金利が一段と上昇したことで、ドル円の先行きにも変化が出てきました。
依然としてドル先安観を完全に取り去るわけにはいきませんが、今後105円台に
乗せるようなら、その相場観の修正も迫られると考えます。今後も米長期金利の動
きが要になってきます。ドル円を動かすメインのドライバーが株式市場から債券市
場へと変わるかもしれません。

米下院民主党はトランプ大統領を弾劾訴追する決議案を提出しました。
ペンス副大統領と大統領顧問団(内閣)が憲法修正25条を発動し、トランプ氏を
免職するよう同決議案は要求しています。
下院はこの決議案について、12日に点呼投票を行うようですが、その24時間以
内にペンス氏が行動しないのであれば、下院は弾劾決議案の採決に向かうと、ペロ
シ下院議長は述べています。(ブルームバーグ)
ただ仮に下院で可決されたとしても、上院で弾劾決議が採決されるには出席議員の
3分の2以上の賛成が必要であるため、少なくも共和党の中から17名の賛成者が
出て来る必要があります。トランプ氏の罷免や弾劾裁判を巡る問題は、「脱トラン
プ」の路線を模索するのか否か、共和党側は「踏み絵」を迫られている(日経新聞)
といったところです。また弾劾裁判とバイデン氏の大統領就任が日程的に重なるた
め、決議は大統領就任式後になるとの見方もあります。
2024年の大統領選には再出馬するのではないかとの観測もある中、自ら蒔いた
種とは言え、トランプ氏にとっても厳しい局面となります。

104円40銭までドルが買われたことで、日足のチャートではローソク足が「雲
入り」を見せています。この雲の上限は104円60-65銭にあり、上で述べた
ように、やはり105円台に乗せるということは「雲抜け」を完成さすせることと
なり、ドル高に弾みがつく可能性があります。ここからが、ドルが再び100円を
目指すのか、あるいはドル安に終止符を打つのか、重要な局面になると思われます。

本日のドル円は103円80銭~104円50銭程度を予想します。


米金利上昇でドル円104円に迫る 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は大幅に反発し、約3週間ぶりの水準となる
103円95銭までドル高が進む。リスクオンが高まった
ものの、長期金利の上昇に素直に反応。
◆ユーロドルは反落。ドルが買い戻された流れに、
1.2246までドル高に。
◆株式市場はバイデン政権の景気刺激策期待から主要指数は
揃って大幅に上昇。ダウは初の3万1千ドルの大台に。
◆債券は続落。新政権で大規模な財政出動が見込まれることから
債券は売られ、長期金利は1.08%台まで上昇。
◆金は反発し、原油は続伸。

◆新規失業保険申請件数          →  78万7千件
◆11月貿易収支             →  -681億ドル
◆12月ISM非製造業景況指数      →  57.2

本日の注目イベント

◆日  12月景気先行指数(CI)(速報値)
◆日  12月景気一致指数(CI)(速報値)
◆独   独11月貿易収支
◆独   独11月鉱工業生産
◆米   12月雇用統計
◆米   11月消費者信用残高
◆加   カナダ12月就業者数
◆加   カナダ12月失業率

4人もの死者を出したワシントンでの混乱を経て、ジョー・バイデン氏
が正式に第46代米国大統領に決まりました。
市場は暴動や混乱による不安よりも、「トリプルブルー」、「ブルーウ
ェイブ」を好感し、リスクオンが急速に高まっています。
米株式市場では3主要指数が揃って大幅に買われ、最高値を更新しまし
た。特に前日にはダウやS&P500が上昇したにもかかわらず下落し
たナスダックの上昇には目を見張るものがあります。
そして、3主要指数とも揃って「大台替え」を示現しました。
ダウは3万1000ドル、S&P500は3800ポイント、そしてナ
スダックは1万3000ポイントの大台をそれぞれ達成しています。
また小型株で構成する「ラッセル2000指数」は、ここ3営業日で8
%近い上昇を見せています。

債券市場でも前日の流れが続き、債券はさらに売られ長期金利は一時1.
08%台まで上昇する場面がありました。
「リスクオンのドル売り」も影を潜め、ドル円は素直に長期金利の上昇
に沿った動きを見せ、103円95銭までドルが買い戻されています。
これは昨年12月16日以来、約3週間ぶりのドル高水準です。
株価の上昇よりも、急激な金利上昇に追随した格好です。
このように、円が安全通貨の本領を発揮し、リスクオンでは売られ、リ
スクオフでは買われる展開であれば、投資家にとっても判り易いと思わ
れますが、この傾向が定着するかどうかは残念ながらわかりません。

1月20日の大統領就任式までわずか2週間を切った、ぎりぎりのタイ
ミングで正式に決まったバイデン次期大統領。就任式には共和党のブッ
シュ元大統領も出席する予定です。それにしても今回の大統領選は非常
に後味の悪さが残りました。4人の死者を出し、60人以上の逮捕者も
出ています。
民主主義の根幹を揺るがした今回の行動には、各方面からも非難の声が
多く上がりました。
JPモルガンのダイモンCEOや、トランプ大統領の支持者として知ら
れるブラックロックのシュワルツマンCEOも「今日の大統領発言に続
く暴動は驚愕するものであり、われわれが米国人として大切にしている
民主主義の価値観を侮辱している」と非難し、「私は憲法を弱体化させ
ようとした暴徒の試みにショックを受け、恐怖を感じる。11月に述べ
た通り、選挙の結果は非常に明確であり、平和的な政権交代が実施され
なければならない」と付け加えています。(ブルームバーグ)トランプ
氏は秩序ある移行を表明しましたが、今回の暴動を扇動したことは事実
です。民主党のシューマー上院院内総務は、トランプ氏が政府への反乱
を扇動したとして、20日の任期を待たず「即刻免職されるべきだ」と
訴えています。

「矢折れ刀尽きる」とは、このような時に使う言葉でしょうか。
ホワイトハウスでは次々と辞任が相次いでいます。その数はすでに5人
以上に上っており、メラニア大統領夫人の首席補佐官、グリシャム氏も
辞任しています。船が沈むのを察知したネズミが一斉に逃げる行動を思
い浮かべましたが、今回の大統領選は、「混乱」と米国の「分断」を増
幅したという意味では大きな汚点を残しました。
その意味では、「ドナルド・トランプ」の名は歴史に刻まれることでし
ょう。これで、市場の不確定要素が一つなくなります。

ドル円は今週水曜日に102円59銭まで売られ、昨日は104円手前
まで戻ったことで、
日足では昨年11月11日の105円68銭を起点とするトレンドライ
ンを上抜けしてきました。もっとも、昨年2月の112円台から引くこ
との出来る「メインのトレンドライン」はまだ上抜けには至っていませ
ん。ドルの上値は重いという「基本スタンス」は依然維持できると思い
ますが、日足の「MACD」ではマイナス圏にいながらも「ゴールデン
クロス」を示現している点には注意が必要です。
「ひょっとしたら、ドルは戻すのではないか」といった警戒感を持ちな
がら、ドルショートのポイントを探るスタンスでいいと思います。
同時に、決め手となるのが米長期金利の動向です。
債券は急激に売られていますが、FRBが恒常的に債券を購入するとい
う構図は変わっていません。この先さらに金利が上昇した場合、FRB
が金利上昇を容認するのかどうかも重要なポイントです。
FOMCのメンバーである地区連銀総裁の発言内容から探るしかありま
せんが、ここにも注意を払いたいと思います。
これに関して昨日フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、「米金融当
局による債券購入プログラムが早ければ年末にも縮小を始める可能性が
ある」と、バーチャル形式の講演で述べています。
ただ、「余りに早期に開始しようとすれば、市場に混乱を引き起こしか
ねない。そのため、私はこれに関してかなり慎重だ。景気の修復が実際
に見られるようになるまで、変わらない姿勢でいるべきだ」とも述べて
います。(ブルームバーグ)ハーカー総裁は今年のFOMCでの議決権
は持っていませんが、今後このような発言には耳を傾ける必要がありま
す。

本日のドル円は103円30銭~104円10銭程度を予想します。


ジョージア州決選投票民主党が制す 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は荒っぽい展開に。ジョージア州で民主党が勝利との報道に
102円台後半から103円44銭まで上昇。長期金利の上昇が
ドルを押し上げた格好だったが、その後ワシントンでの混乱から
再び103円を割り込む。
◆ユーロドルは続伸。1.2345までユーロ高が進み、対円でも
127円台に。
◆株式市場は「トリプルブルー」を好感し続伸。ダウは437ドル
買われた。ただ金利高からナスダックは78ポイント下落。
◆債券は大幅に売られ、長期金利は1%の大台を突破。
◆金は金利上昇を嫌気して大幅反落。原油は続伸し引け値で
50ドル台に。
  
◆12月ADP雇用者数                →  -12万3千人
◆12月マークイット製造業PMI(改定値)      →  55.3
◆12月マークイットサービス業PMI(改定値)    →  54.8
◆11月製造業受注                  →  1.0%

本日の注目イベント

◆豪   豪11月住宅建設許可件数
◆豪   豪11月貿易収支
◆独   独11月製造業新規受
◆欧   ユーロ圏12月消費者信頼感(確定値)
◆欧   ユーロ圏11月小売売上高
◆欧   ユーロ圏12月景況感指数
◆欧   ユーロ圏12月消費者物価指数(速報値)
◆米   新規失業保険申請件数
◆米  11月貿易収支
◆米   12月ISM非製造業景況指数
◆加   カナダ11月貿易収支
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
◆米   デイリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
◆米   バーキン・リッチモンド連銀総裁講演

ジョージア州で行われた米上院決選投票と、選挙人投票を集計し、
次期大統領を正式に決める上下両院合同会議という「2つのイベ
ント」を巡り、金融市場は乱高下しました。
為替も株も債券も大きく値が動き、金価格にも影響が出ています。

「トリプルブルー」・・・・。
ジョージア州の連邦議会上院2議席の決選投票で、民主党候補が
2議席を取り、6年ぶりに上院で主導権を握ることになりました。
この動きを織り込む格好で、株式市場では株価が急騰。
財政支出の拡大観測から景気敏感株が値を飛ばし、ダウは一時6
00ドを超える上昇を見せた一方、金利上昇からハイテク株の多い
ナスダックは下落しました。
引け値で、ダウは437ドル上昇しS&P500も21ポイント上
昇したものの、ナスダックは78ポイント下げ、これほど上げ下げ
まちまちの展開も稀です。

バイデン政権での財政支出拡大観測から債券市場では債券が大きく
売られ、長期金利は1%の節目を超え、1.05%台まで上昇しま
した。
米長期金利が1%を超えるのは昨年3月以来のこととなります。
昨日の東京時間に102円60銭を割り込んだドル円は、103円
台を回復し、長期金利の上昇を手掛かりに103円44銭までドル
が急反発しました。この日ドル円は株価の上昇ではなく、金利の上
昇に素直に反応した格好となっており、今週指摘したように、今回
も102円台半ばが結果的にサポートになっています。
株価の上昇はドル安傾向に振れる流れが定着しつつありましたが、
さすがに1%を超える金利上昇では金利に注目せざるを得ないのか
と思います。そもそも為替に最も影響を与える要因は、長期的に見
れば金利であり、日米金利差であると筆者は考えています。

ただこのままで終わらなかったのが昨日の金融市場でした。
ワシントンで行われた大統領選勝利者を認定する合同会議を巡って、
トランプ支持者が連邦議会前に結集し大規模なデモを行い、一部の
支持者は議会議事堂に乱入しました。混乱を鎮めるため警察が出動
し、警察は催涙スプレーを使いデモ隊に対応した模様です。一部に
は銃声も聞こえたとの報道もあり、トランプ大統領はツイッターで
「Stay peaceful」(平和的な行動を)と呼びかけていましたが、一
方では支持者には「絶対に(敗北を)認めない」と述べています。
また、大統領選の選挙人投票の集計と結果認定を行う上下両院合同
会議を進行するペンス副大統領に対し、バイデン氏を次期大統領に
公式認定しないよう求めました。これに対しペンス氏は、大統領選
の結果を覆す権限を自分は有していないと表明しています。
議会議事堂は建物を取り囲むバリケードをデモ隊が突破したため、
ロックダウン状態に置かれ、選挙人集計結果の認定作業は停止し、
ペンス氏は議場を離れています。(ブルームバーグ)
この事態にNYダウは上げ幅を縮小し、103円台半ばまで上昇し
たドル円は103円を割り込む水準まで押し戻されています。

この4年間、トランプ氏の言動に市場は何度も翻弄されてきました
が、最後の最後までその動きは止まりません。
一歩退いて、この4年間の言動を公平に見ても、トランプ氏のそれ
は受け入れ難いものがあると、個人的には思います。
しかし一方では、今回の大統領選で7400万票の支持を得たのも
事実です。今月20日の大統領就任式に向けて、結果は変わらない
と思いますが、残念なことに米国の「分断」がかつてないほど強ま
ったことは認めざるを得ません。
バイデン次期大統領にとって、この分断の波はコロナを収束させる
以上に難しいかもしれません。コロナにはワクチンがありますが、
米国の分断に効く薬は今のところないからです。

2つのビッグイベントの影響で、ADP雇用者数の結果が消されて
しまった感がありますが、12月の雇用者数は予想の「プラス7.
5万人」に対して「マイナス12.3万人」でした。
内訳では、娯楽、ホスピタリティ、小売業界で雇用の減少が集中し
ており、やはりコロナの感染拡大にともなう行動制限の影響を大き
く受けていると見られます。ADP雇用者数のマイナスは昨年4月
以来のこととなりますが、明日の雇用統計でも大きく下振れするリ
スクはありそうです。
米景気が再び下降傾向を見せたと判断されれば、好調な株価にも急
ブレイキがかかり、ドル売りがさらに進む可能性も排除できません。
1日で30万人近くが新規に感染する米国では、ワクチンの接種が
想定されていたよりも遅れているようです。
現在、医療従事者を優先的に行っていますが今後は、教育関係者、
救急や公安、さらには交通機関の要員、そして75歳以上の高齢者
に接種を行う予定です。
クオモNY州知事は、「ワクチンは供給面でまだ問題がる」と述べ
ています。

ドル円のボラティリティも徐々に上がっています。
より慎重な取引を心掛けたいものです。
本日のドル円は102円60銭~103円40銭程度を予想します。


ドル円102円台半ばまで下落 


ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は下値をさらに切り下げ102円61銭までドル安が進む。
株価の上昇に伴いリスクオンが強まり、さらに豪ドルなどでドル安が
進んだことも、円を買う動きを加速。
◆ユーロドルも上昇し、1.2306まで買われる。
◆前日大きく売られた株式市場は3指数とも揃って反発。
ジョージア州での決選投票を巡る不透感はあるものの、
エネルギー株を中心に買われた。ダウは167ドル高。
◆債券は売られ、長期金利は0.95%台へと上昇。
◆金は続伸。原油価格は大幅に上昇。一時は10カ月
ぶりとなる50ドル台まで買われ、49ドル台後半で引ける。

◆12月ISM製造業景況指数    →  60.7
◆12月自動車販売         →  1590万台

本日の注目イベント

◆中   中国12財新サ-ビス業PMI
◆中   中国12月財新コンポジットPMI
◆独   独12月製造業PMI(改定値)
◆独   独12月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏12月総合PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏12月サービス業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏11月生産者物価指数
◆独   独12月消費者物価指数(速報値)
◆米   12月ADP雇用者数
◆米   12月マークイット製造業PMI(改定値)
◆米   12月マークイットサービス業PMI(改定値)
◆米   11月製造業受注
◆米   FOMC議事録(12月15-16日分)
◆米   大統領選、上下両院合同会議が選挙人投票を集計し、
次期大統領が正式に発表される

世界中から投資資金が集まり、世界最大の規模を誇る米株式市場。
それだけに、その動向は世界中のマーケットに影響を及ぼします。
特に昨年中ごろからは、コロナの影響による「すごもり需要」から、
アマゾンやアップルが買われました。さらには脱Co2に伴い電気自
動車を生産する新興自動車メーカーのテスラなども株価をけん引し、
ナスダック、S&P500などは連日最高値を更新したことは記憶
に新しいところです。そして今や、米株式市場の動きが、世界の株
式市場だけではなく、債券市場、為替市場、商品市場へも大きく影
響を与える結果になっています。「世界の金融市場の中心に米株式
市場がいる」と言っても過言ではありません。

昨日の動きもそれに沿った動きでした。
主要株価指数が揃って上昇したことで、債権が売られ金利は上昇。
「リスクオン」が強まったことでドル売りが進み、ドル円は前日の
直近安値を下回る、102円61銭までドル安が進みました。
ユーロドルも再び1.23台に乗せるなど、主要通貨に対してドル
安が進んでいます。特に目立ったのが豪ドルです。
0.774台まで買われ、2018年4月以来の豪ドル高を
記録しています。商品市況が堅調で、鉄鉱石の価格上昇が対中国と
の関係悪化を相殺している状況です。
また、世界中で感染拡大が止まらない新型コロナウイルスでも、比
較的拡大防止には成功しています。
豪ドルは対円でも80円に迫る水準まで上昇しており、昨年3月の
60円割れからほぼ一貫して上昇しています。一旦は80円台に乗
せる可能性が高いでしょう。

注目のジョージア州での上院決選投票が始まりました。
トランプ大統領とバイデン次期大統領がともに現地入りしたことを
見ても、この決選投票の重要性が理解できます。現地で演説を行っ
たトランプ大統領は、「負けるわけにはいかない」と声高に演説を
行い、大統領選挙では不正があったと改めて述べています。
2議席を4名の候補者が争っていますが、すでにマスコミでも大き
く報道されているように、1議席でも共和党が取れば、これまでの
ように「ねじれ議会」が継続され、民主党は2議席を取る必要があ
ります。ただ、仮に民主党が2議席を確保し、ハリス次期副大統領
が議決権を有することから、過半数を握ったとしても、市場がどの
ような反応を見せるかは断定できません。大規模な財政出動など、
バイデン政権にとって政策運営がやり易くなると言う意味では、株
価にとってプラス材料と見られます。そうなると、ドル安がさらに
進む・・・?まだ、そう判断するわけにはいきません。
すでに300万人を超える有権者が期日前投票を済ませており、こ
れは同州での決選投票では過去最高だそうです。郵便投票など全て
集計して当選者が確定するには数日、もしくは数週間かかる可能性
もあるようですが、今朝の情報では、「6日の朝には結果が判明す
る可能性が高い」と、ラッフェンスパーガー州務長官がFOXニュ
ースで述べています。

米供給管理協会(ISM)が発表した12月の製造業景況感指数は
予想を大きく上回っていました。
市場予想は「56.8」でしたが「60.7」と、ここ2年余りで
最も高い拡大ペースを示しています。
ブルームバーグによると、新規受注が持ち直したほか、生産が20
11年以来の大幅上昇となっており、パンデミックで大打撃を受け
た製造業界は、ここ数カ月で着実に回復しているとのことです。ま
た、完全回復にはまだ時間を要する一方、景気の好転や在庫水準の
低さが今後も生産や雇用の改善をけん引する見通しを今回の指数は
明確に示していると論じています。

昨日東京都で新規のコロナ感染者数が1278人確認され、昨年末
に次いで過去2番目の多さでした。
政府もようやく重い腰を上げ、明日7日から1都3県を対象に「緊
急事態宣言」を発令する予定です。
今回の制限は4月の時ほど厳しいものではないようですが、この制
限で5兆円の消費減が見込まれるとの試算もあり、影響は避けられ
ません。
ただこの措置で、増加傾向にある感染者数が減少に転じれば、2月
末までにはファイザー社のワクチンも届く見込みもあるため、結果
的にはその後の消費拡大につながるものと思われます。
問題は厳しい環境に置かれている中小の飲食業が、それまで持つの
かどうかが心配です。イギリスでは1日当たりの感染者数が過去最
多を更新し、イングランドでは50人に1人が感染しているとの報
告は衝撃的でした。

ジリジリと下値を切り下げているドル円ですが、下値の一つの節目
である102円50銭を割り込みそうな気配です。
NYでは株価が上昇し、リスクオンが強まるとドルが売られる傾向
がありますが、東京市場では株価の下落がそのままドル売りにつな
がるケースも見受けられます。

本日のドル円は102円20銭~103円10銭程度を予想します。


米国株、波乱の幕開け 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆欧州市場で102円72銭まで売られたドル円は反発。
リスク回避のドル買いが優勢となり、103円25銭まで
ドルが買われる。
◆ユーロドルは反発。昨年末と同水準となる1.2310まで
ユーロ高が進む。
◆株式市場は大幅安で始まる。コロナ感染が拡大している
ことや、ジョージア州での決選投票の不透明さを背景に、ダウは
一時700ドルを超える下げに。その後下げ幅を縮小したものの、
382ドル安で引ける。ナスダックとS&P500も大幅安。
◆債券は横ばい。
◆株が大きく売られたことで資金は再び金へ。
昨年末比51ドル上昇し、一気に1946ドル台に。
原油は反落。

本日の注目イベント

◆日   12月マネタリーベース
◆独   独11月小売売上高
◆独   独12月失業率
◆欧   ユーロ圏11月マネーサプライ
◆米   12月ISM製造業景況指数
◆米   12月自動車販売
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁、パネル討論に参加
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁、オンラインイベントで司会
◆米   ジョージア州で上院決選投票

2021年が始まりました。株式市場は、日米とも昨年末はほぼ最高値近辺
で取り引きを終えましたが、今年は波乱の幕開けでした。
いずれもコロナ感染の拡大に歯止めがかからず、感染者数が過去最多を記録
したことで、コロナ情報には慣れっこだった市場も「コロナの影響による景
気後退」を意識せずにはいられない状況だったようです。
昨日の日経平均株価はプラスで始まったものの直ぐ下落に転じ、一時は40
0円を超える下げに。103円30銭前後で取引されていたドル円も、この
時は「リスク回避の円買い」で反応し、102円台に。その流れを引き継い
だ欧州市場ではさらにドル売りが強まり、102円72銭までドル安が進み
ました。昨年12月17日に記録した102円88銭を、わずかですが下回
るドル安水準を示現しています。

ただ、NYでは株価に対する反応は逆でした。
米国ではコロナ感染者数が1日で30万人を超えたことや、ジョージア州で
議会上院の決選投票を巡る不透明感からNYダウは大きく売られ、一時は7
00ドルを超える下げを見せました。この時のドル円は「リスク回避のドル
買い」で反応したようで、ドル円は103円25銭まで反発しています。
なかなか読みにくい相場展開です。
それにしても、102円台半ばから後半では確実にドルが買い戻され、反発
しています。ドルの先安観が根強いとはいえ、突っ込み過ぎると足元をすく
われる展開が続いています。ここは、ドル安を見据えているものの、その動
きは極めて緩やかで、「一歩前進二歩後退といった展開だ」との腹ズモリで
対峙するしかありません。


米上院の決選投票は今日行われ、これで議会の勢力図が最終的に決まること
になります。上院では共和党50、民主党48で、残る2議席を巡っての闘
いです。
トランプ、バイデン両氏とも現地に入り応援演説を行うようですが、予想で
は共和党が過半数を獲得する公算が高いと見られています。
またトランプ大統領はジョージア州で選挙事務を統括する州務長官に圧力を
かけていたことが判明しました。
トランプ氏はラフェンスパーガー州務長官に、バイデン氏勝利の選挙結果を
覆すよう電話で圧力をかけたと、ワシントン・ポスト紙が報じています。
トランプ氏もこの事実を認めているようですが、ラフェンスパーガー州務長
官は、選挙結果に不正がなかったことを発表しています。
この期に及んでもまだ選挙結果を認めないトランプ氏に対して、前国防長官
のマティス氏などは、「選挙結果に疑問を投げかける時は過ぎた」と、選挙
結果を受け入れるようワシントン・ポスト紙に寄稿しました。

シカゴ連銀のエバンス総裁は4日、インフレ率が2.5%を大幅に上回って
も懸念はない、との認識を示しました。
同総裁は記者との電話会見で、「インフレ率が2.5%を大幅に超えて上昇
することは懸念していない。3%でさえ恐れていない」と発言し、「インフ
レ率が3%に向っているのを
見れば、われわれは間違いなく政策対応をどう調整するかについて話してい
るだろうが、同時に、最大限の雇用を達成しインフレ率を適正化させること
にも間違いなく焦点をあてているだろ」と語っています。(ブルームバーグ)
この発言は、コロナ禍で物価上昇が困難の中、国民のインフレ期待を引き上
げるには、それくらい大胆な施策が必要だとの強い意志を表したものと思わ
れます。因みに同総裁は今年のFOMCでの議決権を有しています。

本日もドル円は昨日と同じような展開を予想します。
レンジは102円60銭~103円40銭といったところでしょうか。


ドル円103円30銭近辺で越年 


ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆前日再び103円を割り込んだドル円は、やや値を戻し
103円32銭まで反発。103円30銭近辺で越年したが、
依然として上値の重い展開が続く。
◆ユーロドルも前日には2018年4月以来となる1.23台
まで上昇したが、この日は1.222台前半で小動き。
◆株式市場は3指数が揃って上昇。ダウは196ドル高と
S&P500とともに、最高値を更新
◆債券相場は短縮取引の中、小幅に上昇。長期金利は0.91%
台へと低下
◆金と原油はともに続伸。

本日の注目イベント

◆中   12月財新製造業PMI
◆独   独12月製造業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏12月製造業PMI(改定値)
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米   メスター・クリーブランド連銀総裁講演
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総、パネル討論に参加


明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。

2020年末のドル円は103円30銭近辺で取引きを終えました。
2019年末のドル円が108円55銭程度だったことから、2月
には112円台までドル高が進んだものの、結局緩やかな円高とう
いうより、「緩やかなドル安」で2020年を終えたことになりま
す。
2019念末が1.1205だったユーロドルでも、ドル安ユーロ
高が進み、12月30日には、2018年4月以来となる1.23
10までユーロは買われています。豪ドル米ドルでも同じような展
開となっており、主要通貨全てに対して売られたドルは「ドルイン
デックス」でも2020年の最安値近辺で取引を終えています。

今年も概ね、少なくとも第一四半期はこの傾向が続くと思われます
が、今月20日はバイデン新大統領が就任し、バイデン政権の政策
がスタートします。新しい財務長官にイエレン前FRB議長が就任
し、経済運営をどのように行っていくのかも注目されます。
また副大統領には、初の女性副大統領となるカマラハリス氏が就き
ます。
これまでのトランプ政権が実施してきた「アメリカ・ファースト」
という方針が、大きく舵を切り直されるとものと思われます。
米国がどのように変わっていくのかによって、為替の値位置も大き
く変わってきます。ただ、それでも変わらないのが対中国政策でし
ょう。米国では共和党だけでなく民主党も、香港や中国新疆ウイグ
ル地区での人権問題などから、中国に対する強行姿勢は変わらず、
程度の差こそあれ、大きく変更されることはないと思います。中国
携帯電話最大手「チャイナモバイル」など、3社がNY証券取引所
での上場を廃止された事案など、今後もこの傾向が続くと見られま
す。また中国も強大な経済力を背景に、基本方針を変える考えはな
く、今後さらに反中国勢力への監視を強める可能性すらあります。
今年は中共産党100周年の年にもあたります。そして、バイデン
政権になって最も変わるのが、「トランプ大統領という不確定要素」
がなくなるという点です。
トランプ氏のツイッター一つで、為替相場が神経質に変動したこの
4年間でした。特に中国との関税問題では関税率引き上げを突然発
表したり、また突然引き下げたりと、市場は翻弄されました。また、
側近の閣僚を辞任させた例は枚挙にいとまがありません。このよう
な「不確定要素」が無くなるというのは事実でしょう。

さらに今年の重要事項のもう一つは、言うまでもなく、コロナがい
つ収束に向かうかという点です。すでにワクチンの接種が始まって
いる米国では依然感染拡大が止まりません。
1月3日時点では世界の感染者数は8486万4877人、死亡者
数は183万9848人になっています。(ジョンズホプキンス大
学集計)
日本でもこの正月三が日は感染者数が過去最多を記録し、まさに2
021年はコロナで始まったという印象です。
1都3県の知事は政府に対して「緊急宣言」発出を要請し、政府も
要請内容を限定する方向で検討していると報じられています。
東京都で1日に1300人の感染者が確認されたとの報道にも慣れ
っこになってしまった感はありますが、今年がコロナ撲滅の年にな
るのかどうか、日本国民、日本の経済にとって非常に重要な分岐点
であると言えます。

ドル円は依然として上値の重い展開が続いています。
先週30日にも一時103円割れがありました。
102円台後半がやや底堅くなってきていますが、102円台半ば
から後半が軽いサポートゾーンになりつつあります。

クリスマスから年末年始にかけて投機的な動きはなかったものの、
多くの投資家が「ドルの戻りを売りたい」というスタンスを維持し
ていると思われ、そのスタンスが方向転換される材料が待たれます。

本日のドル円は102円80銭~103円50銭程度を予想します。


このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判
断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊
社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外国為替証拠金取引とは、元本や利益が保証された金融商品ではありません。お取引した通貨にて、
相場の変動による価格変動やスワップポイントの変動により、損失が発生する場合があります。
レバレッジ効果では、お客様がお預けになった証拠金以上のお取引が可能となりますが、証拠金以上の
損失が発生するおそれもあります。個人のお客様の取引に必要な証拠金は、各通貨のレートにより
決定され、お取引額の4%相当となります。証拠金の25倍までのお取引が可能です。
(法人のお客様の取引に必要な証拠金は、通貨ペア、取引コースにより1万通貨あたり3,500円から
34,000円の範囲内であり、証拠金の約200倍までの取引が可能です。)当社では、
「オフセット注文™」以外の取引手数料、口座維持手数料を無料としておりますが、
取引レートの売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があり、
また諸費用等については別途掛かる場合があります。当社は法令上要求される区分管理方法の
信託一本化を整備いたしておりますが、区分管理必要額算出日と追加信託期限に時間差があること
等から、いかなる状況でも必ずお客様から預かった証拠金が全額返還されることを保証するもの
ではありません。ロスカット取引は、必ず約束した損失の額で限定するというものではありません。
通常、あらかじめ約束した損失の額の水準(以下、「ロスカット水準」といいます。)に達した時点から
決済取引の手続きが始まりますので、実際の損失はロスカット水準より大きくなる場合が考えられます。
また、ルール通りにロスカット取引が行われた場合であっても、相場の状況によってはお客様より
お預かりした証拠金以上の損失の額が生じることがあります。お取引の開始あたり、
契約締結前交付書面を熟読の上、十分に仕組みやリスクをご理解いただき、ご自身の判断にて
開始していただくようお願いいたします。