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ドル円昨年6月以来の109円台後半へ 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場


◆株価が大きく上昇し、長期金利も上昇したことで
リスクオンが加速。ドル円は109円台半ばのゾーンを
抜け切り、昨年6月4日以来となる109円84銭まで
ドル高に。
◆ユーロドルは反発。1.1806まで買われたが上値は
なお重い印象。
◆コロナワクチンを巡る楽観的な見通しに株式市場は3指数が
揃って大幅に上昇。ダウは453ドル買われ最高値を更新。
S&P500も小幅ながら最高値を更新。
◆債券は続落。長期金利は1.67%台へと上昇。
◆金と原油はともに反発。


◆3月ミシガン大学消費者マインド(確報値)     →  84.9
◆2月個人所得                   →  -7.1% 
◆2月個人支出                   →  -1.0%
◆2月PCEコアデフレータ             →   1.4%


【本日の注目イベント】

◆日   日銀金融政策決定会合における主な意見(3月18、19日分)
◆英   英2月消費者信用残高
◆米   ウォラー・FRB理事、オンライン形式の討論会に参加


ドル円は続伸し、109円台ミドルの「レジスタンス・ゾーン」を抜け切り、
昨年6月4日以来となる109円84銭までドル高が進みました。
今月5日に108円台を示現してからはさすがに調整色がやや強まり、それ
までの上昇スピードを維持できず上げ下げを繰り返しましたが、それでも結
局一度も108円台を割り込むことなく、109円台後半まで上昇したこと
になります。日足チャートを見ても、「120日移動平均線」と「200日
移動平均線」はともに、上向きに伸びており、まもなく、「120日線」が
「200日線」を下から上へ抜けるゴールデンクロスの気配も見せています。

「MACD」の形が「いまいち」ではありますが、テクニカルでみるかぎり
110円を窺い、続伸するパターンであると見て取れます。ただ今度は節目
の「110円」です。
輸出企業にとっては「余裕」があることは確かですが、110円という節目
では一旦ドルを売っておこうという行動も予想されます。また、個人投資家
にとってもそれは同じことで、110円前後では一旦利益確定のドル売りが
出ることは想像に難くはありません。
従っていつものことですが、「1次攻撃」では抜け切れない可能性がある
と思います。
それでも現時点ではドル高傾向は変わらないでしょう。
バイデン大統領が4月末までにコロナワクチンの接種を2億回に増やすと宣
言したことを市場は好感し、先週末のNYでは、株高、金利高、ドル高といっ
た典型的な「リスクオン」になっています。変異種の問題はありますが、コ
ロナからの脱却への筋道は確かに描けるところまで来たのではないかと思い
ます。
ただ一方で米国の中国政策を巡る壁は徐々に高さを増しているのも事実です。
中国は新疆ウイグル地区の人権問題を理由とした制裁への報復として、米国
とカナダの個人や団体に対する制裁を発表しています。
さらに中国はイランと、貿易における今後の両国関係を網羅する25カ年の
「包括的戦略パートナシップ」協定を結びました。
米国を敵対視するイランと利害が一致したということでしょうが、中国がイ
ランの石油を確保し、イランは中国の「マネー」を取り込みたいという思惑
があるようです。
外交の専門家は、「民主主義同盟」対「反民主主義同盟」の対立が、さらに
深まるとの懸念を表明していました。
またこれに加え、北朝鮮が米国に対して再び敵対姿勢を強めており、ミャン
マーでのデモ隊と軍や治安部隊との衝突では27日だけでも114人以上が
死亡したと報じられており、これらもバイデン政権にとっては外交上の懸念
材料になっています。来月訪米する菅首相にとっても、これまでのような「
どっちつかずの外交姿勢」では対応できなくなる可能性もあり、まさに「踏
み絵」を迫られることになるかもしれません。

3月もまもなく終わり、今週末には早くも3月の雇用統計が発表されます。
先週の新規失業保険申請件数では減少傾向が確認され、さらに大規模な経済
対策も実施されています。
コロナ前の景気回復は、米国が最も早く達成するという見方はほぼ規定路線
で、これがドル高の根拠の一つにもなっています。
余程上述の外交問題で予想外の展開にならない限り、ドルが緩やかに上昇す
るというメインシナリオは維持されそうです。
110円台を達成したら、その先は「昨年のドルの高値である112円23
銭を抜くのかどうか」が次の焦点になりますが、これはまだ不透明だと考え
ます。

本日のドル円は109円40銭~110円10銭程度を予想します。


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