ユーロドル は続落し、1.05台前半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は昨日の早朝の水準から大きく反発。
長期金利が大幅に上昇したことで128円60銭まで
ドルが買い戻される。
◆ユーロドルでもドル高がさらに進み、1.0515まで
続落。ロシアによる東欧へのガス供給停止などが材料に。
◆株式市場はまちまち。ダウは大きく上昇したが、上げ幅を
縮め61ドル高。ナスダックは小幅ながら続落。
◆債券は大幅に反落。長期金利は2.83%台まで上昇。
◆金は反落し、原油は続伸。
◆3月中古住宅販売成約件数 → -1.2%
本日の注目イベント
◆豪 豪1-3月四半期輸入物価指数
◆日 日銀経済・物価情勢の展望(展望リポート)
◆日 3月鉱工業生産
◆日 日銀金融政策決定会合
◆日 黒田日銀総裁記者会見
◆独 独4月消費者物価指数(速報値)
◆欧 ユーロ圏4月景況感指数
◆欧 ユーロ圏4月消費者信頼感指数(確定値)
◆米 新規失業保険申請件数
◆米 1-3月GDP(速報値)
◆米 企業決算 → キャタピラー、マクドナルド、アップル、アマゾン、インテル
昨日の早朝には127円を割り込み、126円95銭まで売られたドル円でしたが、
その後急反発し、NYでは128円60銭まで上昇しました。日経平均株価が大きく
売られ一時は600円を超える下げを横目に、ドル円は上昇し、結局昨日1日の値
幅は1円65銭と大きく動きました。筆者はもう少しドルが売られる展開を予想し
ましたが、大きく外してしまいました。ドル急反発のドライバーはやはり、米長期
金利の上昇でした。米10年債は前日比11ベーシスも上昇し、ドルを押し上げま
したが、ユーロドルでもドル高が一段と進んだことも円売りに安心感を与えたよう
です。
依然として日米中銀の金融政策の方向性の違いがクローズアップされています。
本日は日銀の金融政策が発表されます。金融政策の変更はないものと見込まれてい
ますが、昨日も触れたように、20年ぶりに急激な円安が進み、先週は129円4
1銭までドルが上昇したことから、今日の黒田総裁の発言はこれまでにないほど注
目されています。
ブルームバーグ・エコノミストの調査によると、9割が金融政策の現状維持を予想
し、1割は政策金利の先行きを示すフォワードガイダンスについて、利下げに関す
る文言の削除など、引き締め方向への変更があり得るとみています。
バークレーズリサーチでは9月にも誘導目標金利を上方へシフトするのではないか
と予想しています。現行ではゼロを中心に上下0.25%内に誘導する長期金利を
、0.5%を基準にする可能性もあるようです。現在2%を超える可能性もある日
本の消費者物価指数が、この先緩やかに低下するといった見立てもありますが、す
でに多くの品目が値上がりしており、今年は6000品目以上が値上がりするとみ
られています。今朝も「山崎パン、7%値上げ」、「餃子の王将、22~33円値
上げ」、「アサヒビール、6~10%の値上げ。14年ぶり」といった文字が紙面
を踊っていました。
ロシアは27日、ポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を停止しました。
ロシア産ガスの支払いをルーブルで支払うよう要求していましたが、拒否したこと
を理由にしています。EUのフォンデアライエン委員長はEU内で両国に供給する
体制を取っているとコメントしています。
国連のグテレス事務総長との会談でも強気の姿勢を崩さなかったロシアのプーチン
氏は、ウクライナ侵攻に「介入」を試みる国に対しては「電撃的な」報復をすると
恫喝しています。すでに2カ月を経過したウクライナでの戦争は、来年末まで続く
とする専門家の見方もあり、消耗戦が続く可能性が高そうです。
日本では明日からGWが始まります。
この時期になると、GW中の為替の乱高下に注意するよう呼び掛けることになりま
すが、実際にその種の問い合わせも増えてきました。
個人的にはその可能性は低いとみています。
いわるゆ「フラッシュク・ラッシュ」はほぼ急激な円高が引き金となり相場が急変
する場合が多く、円安方向への急変はなかったと記憶しています。
今回、仮に円高方向に仕掛けがあっても、そこは絶好の買い場と見られる買い注文
に抑えられるのではないかと思います。
昨日の動きを見ても、ドルが下げたところでは予想以上にドル買いが旺盛だったこ
とが判明しています。
地合い的にも投機的な仕掛けが暗躍する可能性は低いと思いますが、FOMCも開
催されることから、動きが活発になることは予想され、注意をするにこしたことは
ありません。
本日のドル円は127円70銭~129円程度を予想します。
*************************************
明日29日(金)は祝日のため「アナリストレポート」はお休みとなります。
宜しくお願い申し上げます。
- [2022/04/28 09:34]
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ドル円127円前半まで下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆東京時間に127円35銭まで下げたドル円はその後128円台を
回復したが、NYでは再びドル売りが優勢となる。
◆ユーロドルは続落。ドル高が続き、一時1.0636まで下落。
ユーロは対円でも2週間ぶりとなる135円台前半まで下げる。
◆株式市場は大幅に反落。ダウは809ドル売られ、ナスダックは
514ポイント下げ、年初来安値となる。
◆債券は大幅続伸。長期金利は2.72%まで低下し、この日の
最低水準で取引を終える。
◆金と原油は上昇。
◆3月耐久財受注 → 0.8%
◆2月ケース・シラ-住宅価格指数 → 20.20%
◆4月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 107.3
◆4月リッチモンド連銀製造業景況指数 → 14
◆3月新築住宅販売件数 → 76.3万戸
◆2月FHFA住宅価格指数 → 2.1%
本日の注目イベント
◆豪 豪第1四半期消費者物価指数
◆独 独5月GFK消費者信頼感
◆米 3月中古住宅販売成約件数
世界的にインフレが進行し、各国中銀が金融引き締めへと舵を切り直しているこ
とから株価の下げも世界的な傾向です。中でもNY株の下げは厳しく、昨日は主
要3指数が揃って大きく売られました。
特に金利上昇に弱いとされるナスダック指数は4%近い下げを演じ、年初来安値
を更新しています。EV専用メーカーのテスラは、同社CEOのイーロン・マス
ク氏がツイッターを買収することで合意したことで、その資金を確保するために
同社株を売却するのではないかとの懸念から大きく下げ、引け値では前日比12
%もの大幅下落になっています。
株価下落の底辺にはFRBによる強力な利上げ観測があります。
来週3-4日の会合では0.5ポイントの利上げが確実視されており、さらに残
り5回のFOMCでも0.5ポイントの利上げが少なくとも3回はあると見込ま
れています。足元のインフレは40年ぶりの高水準であることから、FRBにと
ってはインフレ阻止が最重要課題であり、多少の景気減速には目をつぶる姿勢を
維持する構えかと思われます。もっとも、株価の大幅な下げはインフレを抑える
要因にもなるかと思います。米国人は株式を保有する割りあいが多く、株価が下
落すればおのずと消費を控えるスタンスが強まります。そう考えると、今後もF
RBがインフレを阻止するため、政策金利を3~3.5%まで引き上げるとの予
想はやや行き過ぎとも思えます。来週の会合では政策決定後のパウエル議長の会
見がいつも以上に注目されることになりそうです。
一方ほぼ「無風」で注目度の低かった日銀金融政策決定会合の方もやや注目度が
増しています。政策変更はないと見ていますが、黒田総裁の発言には注意が必要
です。
総裁の発言でドル円が大きく動いたことが度々あり、先週のNYでの発言もドル
円を129円台に押し上げる起爆剤になりました。
発表によると、0.25%以上の金利上昇を容認しない日銀は、昨日も0.25
%で9215億円の国債を指し値オペで買入れ、21日からの連続指し値オペで
の買い入れ総額は2兆767億円に達しています。
現行の金融政策を維持し、断固として金利上昇を容認しない姿勢を改めて示した
形となっています。注意したいのは、声明文と黒田総裁の発言に「微妙な変化」
が見られるかどうかです。「微妙な変化」があるようだと、市場は「フォワード
ガイダンス」と受け止め、近い将来の政策変更を意識することになり、円が買い
戻される可能性もありそうです。一方、これまで通り、「強力な金融緩和を粘り
強く続けていく」と繰り返すようだと、再び円売りが活発になる可能性があると
見ています。
ウクライナ訪問を終えたオースティン国防長官は、ドイツにある米軍施設で40
カ国以上の国防トップと会談し、ウクライナへの追加支援策について協議しまし
た。ドイツはこの席で、ウクライナへ「ゲバルト対空戦車」を供与すると発表し
ています。ロシアのラブロフ外相は先のオースティン国防長官の発言に反発し、
「欧米はロシアを分断させようとしている。核戦争につながりかねない重大な危
機が存在する」と警告しています。国連のグテレス事務総長はロシアのプーチン
氏と会談を行いましたが、停戦への動きはなく、国連と国際赤十字が今後関与す
ることで合意した模様です。
米長期金利の低下に伴いドル円も徐々に上値が重くなってきました。
今朝方には127円を割り込む場面もあったようですが、127円を明確に割り
込むかどうかに注目しています。「4時間足」の雲の下限が126円80銭近辺
にあり、目先はこの辺りがサポートになるかもしれません。
本日のドル円は126円60銭~127円80銭程度を予想します。
- [2022/04/27 09:25]
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ユーロドル2年ぶりに1.07台を割り込む
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆米長期金利の低下が重石となりドル円は下落。
一時は127円53銭まで売られたが、その後は反発し
128円台前半で引ける。
◆ユーロドルではドル高がさらに進み、一時は1.0697前後まで
ユーロ安が進行。
◆株式市場は3指数が揃って反発。ダウは238ドル上昇し、
ナスダックも165ポイント上昇。
◆債券は続落。長期金利は2.82%台で取引を終える。
◆金は5日続落し1900ドル台を割りこむ。原油も続落し
98ドル台に。中国での新型コロナ感染拡大が重石となり100ドル台を
割りこむ。
本日の注目イベント
◆日 3月失業率
◆米 3月耐久財受注
◆米 2月ケース・シラ-住宅価格指数
◆米 4月コンファレンスボード消費者信頼感指数
◆米 4月リッチモンド連銀製造業景況指数
◆米 3月新築住宅販売件数
◆米 2月FHFA住宅価格指数
◆米 企業決算 → マイクロソフト、アルファベット、VISA,GE,GM
ドル円は米長期金利の低下を手掛かりにドルが売られ、NYでは一時127円53銭
までドル安が進みました。ただその後は再び128円台前半まで値を戻すなど、相変
らず押し目を拾う動きは旺盛な印象です。
米長期金利は3%を意識しているせいか上昇にブレイキがかかり、昨日は2.75%
台まで低下する場面があり、これがドル円を押し下げています。
一方ユーロドルではドル高が続き、ユーロは一時1.07を割り込み、2020年3
月以来となる1.0697までユーロ安が進んでいます。ウクライナ情勢の混迷が基
本的な悪材料としてある他、中国の新型コロナウイルスの感染拡大に対する懸念も、
売り手を有利にしているようです。
フランスのマクロン氏再選も大きな買い材料にはならず、欧州株も下落基調が強まっ
ています。
結局ユーロ円が大きく売られる結果となり、前日の高値からは2円70銭程売られて
います。
FOMCまで1週間ほどとなり、市場は6月、7月のFOMCでも0.5ポイントの
利上げがあるのかどうかに注目しており、そのヒントを探る動きになっています。
パウエル議長が来週のFOMC後の記者会見を対面形式で行うとFRBは発表してい
ます。対面による会見は新型コロナウイルスのパンデミック入り以降で初めてのこと
になります。
ウクライナの首都キーウを訪れたブリンケン国務長官とオースティン国防長官はゼレ
ンスキー大統領と会談を行い、ブリンケン氏は「ウクライナ侵略で行ったようなこと
が出来なくなる程度まで弱体化するのが望ましいと、米国として考えている」とし、
「ウクライナが主権を有する民主主義国家であり続け、自国を守ることができるよう
望んでいる」と語っています。さらに、「ロシアの戦争目的の点では、同国は失敗し
ウクライナは成功しつつある。
ロシアは当初、ウクライナを完全に従属させようとしたが、その取り組みは失敗した
」とコメントしています。
またオースティン氏も、「(ロシアが)極めて率直に言って、多くの軍事力と多数の
兵力を既に失った。そうした能力をあまり早急に再生できないのが望ましい」と述べ
ています。(ブルームバーグ)米国は今回の訪問に合わせ、ウクライナや周辺国へ約
7億ドル(約900億円)の追加支援を行うと発表し、国外退避していた外交官を同
国に戻すことも表明しています。
一方ロシア軍は、南東部のマリウポリのアゾフスタル製鉄所への空爆を継続していま
す。製鉄所には2000人以上のクライナ兵と子供を含む多くの市民が立てこもって
いると伝えられています。
中国では、上海だけではなく北京市でも新型コロナウイルスの感染拡大が続いており
、北京市(全16区)は、朝陽区以外の11区にも新型コロナウイルスの大規模検査
を26日から30日に拡大するとしています。
ただ、上海のような危機になる恐れはあるものの、市全体のロックダウンを行うには
至っていませんが、これらを受け、人民元は約1年ぶりの安値を記録し、WTI原油
価格も中国景気の鈍化を織り込む形で大きく下げています。
米長期金利の上昇もドル高も一服です。
上でも触れたように、FOMCでの今後の利上げスタンスを探る動きになりますが、
「ブラックアウト」に入ったためFOMCメンバーによる発言もなく、相場はやや落
ち着くのではないかと思います。多くのFOMCメンバーがタカ派姿勢にシフトして
いますが、さすがに今回の会合で、0.75ポイントの利上げはないと考えています。
今後発表されるCPI等がさらに上振れ
するようなら、6月か7月の会合での大幅な引き上げも可能性としてはあると思いま
すが、CPIも今後緩やかに低下すると予想しています。
本日のドル円は127円20銭~128円20銭程度を予想します。
- [2022/04/26 09:16]
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仏大統領選、マクロン氏勝利
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆東京時間に128円を割り込み127円74銭まで下げた
ドル円だったが、NYでは黒田総裁の講演をきっかけに
129円11銭まで急速に値を戻す。
◆ユーロドルはドル高が進んだことから反落。今朝は仏大統領選で
マクロン氏が勝利したとの報道でやや上昇。
◆株式市場は大幅に続落。ダウは一時1000ドルを超える下げに
見舞われ、ほぼこの日の安値圏で引ける。
◆債券は反発。長期金利は2.899%前後に低下。
◆金と原油はともに下げる。
◆4月マークイット製造業PMI(速報値) → 59.7
◆4月マークイットサービス業PMI(速報値) → 54.7
◆4月マークイットコンポジットPMI(速報値) → 55.1
本日の注目イベント
◆日 2月景気先行指数(CI)(改定値)
◆トルコ トルコ3月消費者物価指数
◆独 独4月ifo景況感指数
◆米 企業決算 → コカ・コーラ
先週末はワシントンでの「鈴木財務大臣とイエレン財務長官が為替問題で連携」と
の報道からドル円が売られ、127円74銭近辺までドル安が進むなど、ドルの上
値が重い展開でしたが、NYでは大きく反発しました。
黒田日銀総裁がNYのコロンビア大学で講演を行い、これまでの主張を繰り返し、
「日銀は2%の物価目標の安定的な達成に向け、現在の強力な金融緩和を粘り強く
続けていく必要がある」と述べたことでドル買いが強まり、再び129円台まで上
昇したものです。
鈴木財務大臣が円安の是正に向けイエレン財務長官と「落としどころ」を探ってい
る一方、黒田総裁が「強力な金融緩和」に言及するなど、為替を主管する財務省と
金融政策を司る日銀との間の認識の違いを投機筋に突かれる展開が続いています。
黒田氏は講演で、「米国のインフレは『デマンド・プル型』の様相が強まっており
、日本については『国際商品市況の大幅な上昇』の影響が大きい」と説明してい
ます。
3%に迫る金利上昇が続く米国と、0.25%以上の上昇を容認しない日本との政
策の差がそのままドル高につながっていますが、IMFのアジア太平洋局のサンジ
ャヤ・パンス副局長は日経新聞社とのインタビューで、急激な円安を巡り、「現時
点で為替介入の必要はない」と語っています。パンス氏はその理由として、「通貨
を安定させるための介入は、市場が無秩序になり始めた時に実施すべきだ。円相場
はかなりの速さで動いているが、市場は円滑に機能している。ファンダメンタルズ
を反映した形で動いている。無秩序になっていないのだから安定させようとする必
要はない」と語っています。
また金融緩和政策を見直す必要はないかとの質問に、ここでも「変更する必要はな
い」と答え、「今後数カ月間は燃料費の上昇や携帯電話料金の引き下げの影響が消
えることでインフレ率が一時的に上昇するが、また下がると考える。2%の目標を
持続的に考えていくまで、金融政策の変更は勧めない」と説明しています。
どうやら日銀は、足下ではインフレが急速に強まる兆しがあるものの、安定的に2
%を超える物価上昇が続くとは考えていないようで、これが金融政策を変更しない
大きな理由になっていると思われます。
個人的な印象では、すでに多くの品目が値上がりしており、さらに電気料などの桁
違いの値上がりが家計を圧迫していると思っていますが、どうなんでしょうか。
ロシアによるウクライナ侵攻は3カ月目に入りましたが、ウクライナではマリウポ
リを中心に全土で空襲警報が聞かれているようです。
そんな中、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が首都キーウを訪れ
ています。2月24日のロシアの侵攻後初となるバイデン政権の高官の訪問になり
ます。
両長官はゼレンスキー大統領と会談し、今後の武器供与について話し合うと見られ
ていますが、バイデン大統領はこれまで通りウクライナへの支援は武器に留め、米
兵を派遣しない姿勢は崩していないようです。
また26日には国連のグテレス事務総長がプーチン氏と会談する予定ですが、ゼレ
ンスキー氏は「グテレス氏がモスクワを訪れ、プーチン氏と話す意図がわれわれに
は分からない」と述べています。
来週のFOMCでは0.5ポイントの利上げが確実視されていますが、その後の6
月、7月会合でも0.5ポイントの利上げが実施されるとの見方も有力になってい
ます。
さらに先週はタカ派のセントルイス連銀のブラード総裁が「0.75ポイントの利
上げの可能性を排除しない」との考えを示していました。
そんな中、クリーブランド連銀のメスター総裁はCNBCとのインタビューで、「
金融政策は市場の期待や動きを通じて経済に伝わっていくことを常に念頭に置いて
おきたい」とし、「75ベーシスポイントの衝撃よりも、こうした整然としたアプ
ローチを私が支持するのはそれが理由だ。われわれの政策でやろうとしていること
において、それは必要ではないと考える」と述べ、0.75ポイントの利上げには
反対の立場を示しています。(ブルームバーグ)
ドル円は1日の値幅が依然として大きく、しかも値動きも従来よりもかなり早い展
開が続いています。ニュースのヘッドラインを瞬時にAIが判断して売買を行うこ
とが、その動きを増幅しています。
本日のドル円は127円70銭~129円20銭程度を予想します。
- [2022/04/25 09:50]
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ユーロ円、約7年ぶりに140円に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は上値が重く、東京時間に127円台後半まで
下げたが、NYでは長期金利が再び上昇したことを受け反発。
一時128円70銭までドル高が進む。
◆ユーロドルは小幅に反発し、1.0896まで上昇。
ユーロ円は一時140円まで買われ、2015年6月以来の
高水準を記録。
◆朝方は上昇して始まった株式市場は3指数が揃って下落。
ダウは368ドル下げ、ナスダックと、S&P500は続落。
◆債券は反落し、長期金利は一時2.95%まで上昇。パウエル議長が
5月のFOMCで0.5ポイントの利上げに言及したことが材料に。
◆金は3日続落し、原油は続伸。
◆新規失業保険申請件数 → 18.4万件
◆4月フィラデルフィア連銀景況指数 → 17.6
◆3月景気先行指標総合指数 → 0.3%
本日の注目イベント
◆独 独4月製造業PMI(速報値)
◆独 独4月サービス業PMI(速報値)
◆欧 ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)
◆欧 ユーロ圏4月サービス業PMI(速報値)
◆欧 ユーロ圏4月総合PMI(速報値)
◆欧 ユーロ圏2月経常収支
◆欧 ラガルド・ECB総裁講演
◆英 英3月小売売上高
◆米 4月マークイット製造業PMI(速報値)
◆米 4月マークイットサービス業PMI(速報値)
◆米 4月マークイットコンポジットPMI(速報値)
5月のFOMCが近づく中、メンバーの多くがタカ派寄りの発言を繰り返し
ていますが、昨日はパウエル議長が、5月の会合で政策金利を0.5ポイン
ト引き上げることを含め、利上げの前倒しを支持する議論には評価すべき利
点あるとの認識を示したことで、長期金利が大きく上昇。一時127円台後
半まで売られたドル円は128円70銭近辺まで反発しました。朝方には大
きく上昇して取引の始まったNY株式市場は、金利高を嫌気して大幅な下げ
に終わっています。
これで、5月のFOMCでの0.5ポイントの利上げは、「確定的」と考え
ていいと思います。
ワシントンで開かれたIMF主催のパネル討論で議長は、「5月会合では0
.5ポイントが選択視に入るだろう」とし、「インフレ率を2%に戻すべく
金融政策手段を活用することに、われわれは全力で取り組んでいる」と述べ
ています。
また議長は、適切な場合に「前倒しで動くという考えには何か感じるものが
ある」とし、「それは0.5ポイントを選択肢とする方向を示している」と語り
ました。
議長は労働市場にも触れ、「過熱」状態にあると指摘しながら、「労働者に
とっては極めて良好な労働市場だ。供給と需要のバランスを改善し、より良
い環境にするのがわれわれの仕事だ」と結んでいます。(ブルームバーグ)
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁もラスベガスでの会合で、金融当局は
迅速に行動し、年末までに経済を抑制も促進もしない中立水準に政策金利を
引き上げるべきだと話し、「私は3つのことで頭がいっぱいだ。インフレ、
インフレ、インフレの3つだ」と、米国人らしいジョークで現在の直面する
課題を表現しました。
ワシントンで行われた「G7財務相・中央銀行総裁会合」では、鈴木財務大
臣が急速に進む円安への危機感を訴えましたが、会合ではそれに対する議論
はなく、共同声明でも取り上げられることはなかったようです。
もともと今回の「G7会合」では、ロシアのウクライナ侵攻が世界経済に及
ぼす影響が議題の中心だったこともあり、参加国にとって円の弱さが特に懸
念材料にはなっていないとの印象です。
キーウ大学の推計によると、戦争によるウクライナのインフラ損害額は4月
11日時点で800億ドル(約10兆2800億円)に達し、その額はさら
に大きく増加していると報じられています。
イエレン財務長官は会見で、「ウクライナの復興コストは最終的に膨大な額
になる」と指摘し、「ウクライナ復興のために必要な額の一部の提供で、ど
うにかしてロシアに支援させることを、われわれは当然追及すべきだと考え
ている」と述べています。
またロシアがウクライナ侵攻に踏み切って以来、米欧はロシア中銀の外貨準
備6400億ドル(約82兆1600億円)の半分程度を凍結しており、こ
れを復興に利用する可能性について質問されたイエレン氏は、「それは非常
に大きなステップとなり、踏み出す前にその結果を慎重に考慮しなければな
らない。軽々しく行いたくない。米国の同盟国やパートナーに安心感を与え
、支持してもらえるようにする必要がある」と答えています。
そのロシアはウクライナの南東部の港湾都市マリウポリでの攻撃を強めてお
り、プーチン氏は「マリウポリという南部の要衝を掌握したことは成功だ」
と宣言しましたが、ウクライナ政府の高官は、まだ一部でウクライナ兵士が
抗戦していると述べています。
あさってでロシアがウクライナに軍事侵攻して2カ月になります。5月9日
の戦勝記念日までには何が何でも成果が欲しいプーチン氏が、そのための攻
撃手段を選ばなくなったらさらに危険度が増します。
ドル円は1日当たりの値幅が1円以上もあるのが「常態化」してきました。
本日のドル円は127円60銭~128円90銭程度と予想します。
- [2022/04/22 09:47]
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ドル円一気に129円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京時間に127円台から128円台に乗せたドル円は一段と上昇し、NYでは129円に迫る水準まで上昇。
- ユーロドルは引き続き1.08を挟みもみ合い。ユーロは対円で139円台まで上昇。
- 株式市場は3指数が揃って大幅反発。ダウは500ドル上昇し、ナスダックも287ポイント上昇。金利先高観は残るものの、米景気に対する楽観的な見方が株価を押し上げた。
- 債券は3日続伸。長期金利は一時2.94%前後まで上昇。
- 金と原油はともに大幅反落。
本日の注目イベント
- 日 3月貿易収支
- 独 3月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏2月鉱工業生産
- 欧 ユーロ圏2月貿易収支
- 米 3月中古住宅販売成約件数
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 G20財務相・中央銀行総裁会合(ワシントン)
- 米 G7財務相・中央銀行総裁会合(ワシントン)
- 米 IMF専務理事、記者会見
- 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 米 企業決算 → P&G、テスラ、アルコア
- 加 3月消費者物価指数
円安の流れが止まりません。
ドル円は昨日の早朝に127円台に乗せたと思ったら、昼過ぎには128円に迫る127円97銭と一段と上げ足を早め、午後にはついに128円台を付けています。鈴木財務大臣は前日に続き、「為替の安定は重要で、急速な変動は望ましくない」とコメントし、円安対応として為替介入や金融政策について問われると、「いろいろ影響もあるのでコメントは控えたい」と述べるにとどめ、「緊張感
を持って注視している」と答えています。市場はこの種の発言にも慣れたのか、全く意に介さない形で上昇し、結果的に「火に油を注ぐ」状況になった格好です。昨日もこの欄で述べましたが、口先介入だけで相場の流れを変えられたためしはなく、市場もその辺りを十分熟知していることから、ドル買いで攻めている状況が続いています。最早「口先介入」だけでは全く効果がないことは鮮明になりました。実弾を伴う市場介入か、現行の日銀の基本政策である「長短金利操作付き量的・質的金融緩和策」を変更するか、解除するしかないのかもしれません。
ドル円はその後も上昇し、NYではついに129円に迫る、128円97銭までドル高が進みました。そして昨日と同じように、早朝には129円台に乗せ、129円40銭前後まで円が売られています。円は全面安の展開で、ユーロ円は2015年6月以来となる139円台半ば、ポンド円は2016円2月以来の168円台、さらに豪ドル円も約7年ぶりに95円台半ばまで「円安」が進行しています。昨日から今朝にかけてのドル円の上昇は急ピッチで、ちょうどドル円が122円台から一気に125円台まで急騰した3月28日の相場展開の再来のようです。
ドル高のドライバーになっているのが米金利高であることは明らかです。昨日のNY債券市場では、米長期金利が一時2.94%前後まで上昇し、3%に迫る勢いです。そのため、年初には1.43%ほどであった日米金利差は、足元では2.7%近くまで拡大しており、これが「ドル買い・円売り」のマグマになっていると考えられます。ドル円の「130円」と、米長期金利の「3%」が、目先のターゲットのように思えてきました。筆者は「多くの人が口を揃えてその水準に言及した時は、その水準には届かない」といった、余り根拠のない「アノマリー」のようなものを意識する「クセ」はありますが、今回もその意識は持っています。為替は参加者の心理的要因が大きく作用するケースが多く見られるからです。ただ、一方で今回は日米金融当局の政策の差が明らかで、どちらかに政策変更が見られない限り、「130円でも止まる保証はない」との意識も共存している状況です。また、余り目先の相場には関係ありませんが、5年、10年といった長期で見た場合、円の凋落はまだ第2段階で、今後大きく売られる可能性があるとの認識はかなり長い間維持しているところです。
ロシアのラブロフ外相はウクライナの侵攻に関して、「作戦の新段階に入った」と微妙な言葉を発しましたが、メディアとのインタビューでは、「ロシアは核戦争回避に注力している」と答えています。5月9日の戦勝記念日に向けそれなりの成果が欲しいロシアは、ドンバス地方を構成するルハンスク州とドネツク州の全ての戦線で全面攻撃を開始しています。国連のグテレス事務総長は、21日から4日間の休戦を呼び掛けていますが、いまのところロシアはその呼び掛けに応じる構えはありません。
FOMCメンバーの多くがタカ派寄りの姿勢を示す中、アトランタ連銀のポスティック総裁は「貴重なハト派」の一人と言えるかもしれません。ポスティック総裁はCNBCとのインタビューで、「中立水準を超えていきたいと実際に表明することに二の足を踏む1つの理由は、経済環境から正当化されるよりも多く利上げする可能性があるためだ」と述べ、「前に進む際に間違いなく慎重になる必要があることを示すサインだ」と説明しています。またインフレが予想通り抑制されない場合に0.75ポイントの利上げが必要になる可能性があるとセントルイス連銀のブラード総裁が発言したことに同意するかと問われ、「いかなる行動も実際には可能だが、それは現時点では私の念頭にはない」と語っていました。(ブルームバーグ)
本日はワシントンでG20、G7財務相・中央銀行総裁会合が開催されます。非常に穿った見方かもしれませんが、口先介入では全く効果がない状況下で、会合を通じて米国側に歩調を合わすよう「行き過ぎた円安は好ましくない」といったコメントを要請する可能性もゼロではないように思います。インフレ阻止が喫緊の最優先課題である米国が「協調介入」に賛同するとも思えませんが、最大限譲歩して「口先介入」に同調する可能性があることも、頭の片隅には入れておきたいものです。
本日のドル円は128円30銭~129円90銭といったところでしょうか。

- [2022/04/20 10:28]
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ドル円一気に129円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆東京時間に127円台から128円台に乗せたドル円は一段と
上昇し、NYでは129円に迫る水準まで上昇。
◆ユーロドルは引き続き1.08を挟みもみ合い。ユーロは
対円で139円台まで上昇。
◆株式市場は3指数が揃って大幅反発。ダウは500ドル上昇し、
ナスダックも287ポイント上昇。金利先高観は残るものの、
米景気に対する楽観的な見方が株価を押し上げた。
◆債券は3日続伸。長期金利は一時2.94%前後まで上昇。
◆金と原油はともに大幅反落。
◆3月住宅着工件数 → 179.3万件
◆3月建設許可件数 → 187.3万件
本日の注目イベント
◆日 3月貿易収支
◆独 独3月生産者物価指数
◆欧 ユーロ圏2月鉱工業生産
◆欧 ユーロ圏2月貿易収支
◆米 3月中古住宅販売成約件数
◆米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
◆米 G20財務相・中央銀行総裁会合(ワシントン)
◆米 G7財務相・中央銀行総裁会合(ワシントン)
◆米 IMF専務理事、記者会見
◆米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
◆米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米 企業決算 → P&G、テスラ、アルコア
◆加 カナダ3月消費者物価指数
円安の流れが止まりません。
ドル円は昨日の早朝に127円台に乗せたと思ったら、昼過ぎには128円
に迫る127円97銭と一段と上げ足を早め、午後にはついに128円台を
付けています。
鈴木財務大臣は前日に続き、「為替の安定は重要で、急速な変動は望ましく
ない」とコメントし、円安対応として為替介入や金融政策について問われる
と、「いろいろ影響もあるのでコメントは控えたい」と述べるにとどめ、「
緊張感を持って注視している」と答えています。市場はこの種の発言にも慣
れたのか、全く意に介さない形で上昇し、結果的に「火に油を注ぐ」状況に
なった格好です。昨日もこの欄で述べましたが、口先介入だけで相場の流れ
を変えられたためしはなく、市場もその辺りを十分熟知していることから、
ドル買いで攻めている状況が続いています。最早「口先介入」だけでは全く
効果がないことは鮮明になりました。
実弾を伴う市場介入か、現行の日銀の基本政策である「長短金利操作付き量
的・質的金融緩和策」を変更するか、解除するしかないのかもしれません。
ドル円はその後も上昇し、NYではついに129円に迫る、128円97銭
までドル高が進みました。そして昨日と同じように、早朝には129円台に
乗せ、129円40銭前後まで円が売られています。円は全面安の展開で、
ユーロ円は2015年6月以来となる139円台半ば、ポンド円は2016
円2月以来の168円台、さらに豪ドル円も約7年ぶりに95円台半ばまで
「円安」が進行しています。昨日から今朝にかけてのドル円の上昇は急ピッ
チで、ちょうどドル円が122円台から一気に125円台まで急騰した3月
28日の相場展開の再来のようです。
ドル高のドライバーになっているのが米金利高であることは明らかです。
昨日のNY債券市場では、米長期金利が一時2.94%前後まで上昇し、3
%に迫る勢いです。
そのため、年初には1.43%ほどであった日米金利差は、足元では2.7
%近くまで拡大しており、これが「ドル買い・円売り」のマグマになってい
ると考えられます。ドル円の「130円」と、米長期金利の「3%」が、目
先のターゲットのように思えてきました。筆者は「多くの人が口を揃えてそ
の水準に言及した時は、その水準には届かない」といった、余り根拠のない
「アノマリー」のようなものを意識する「クセ」はありますが、今回もその
意識は持っています。為替は参加者の心理的要因が大きく作用するケースが
多く見られるからです。
ただ、一方で今回は日米金融当局の政策の差が明らかで、どちらかに政策変
更が見られない限り、「130円でも止まる保証はない」との意識も共存し
ている状況です。また、余り目先の相場には関係ありませんが、5年、10
年といった長期で見た場合、円の凋落はまだ第2段階で、今後大きく売られ
る可能性があるとの認識はかなり長い間維持しているところです。
ロシアのラブロフ外相はウクライナの侵攻に関して、「作戦の新段階に入っ
た」と微妙な言葉を発しましたが、メディアとのインタビューでは、「ロシ
アは核戦争回避に注力している」と答えています。5月9日の戦勝記念日に
向けそれなりの成果が欲しいロシアは、ドンバス地方を構成するルハンスク
州とドネツク州の全ての戦線で全面攻撃を開始しています。国連のグテレス
事務総長は、21日から4日間の休戦を呼び掛けていますが、いまのところ
ロシアはその呼び掛けに応じる構えはありません。
FOMCメンバーの多くがタカ派寄りの姿勢を示す中、アトランタ連銀のポ
スティック総裁は「貴重なハト派」の一人と言えるかもしれません。
ポスティック総裁はCNBCとのインタビューで、「中立水準を超えていき
たいと実際に表明することに二の足を踏む1つの理由は、経済環境から正当
化されるよりも多く利上げする可能性があるためだ」と述べ、「前に進む際
に間違いなく慎重になる必要があることを示すサインだ」と説明しています。
またインフレが予想通り抑制されない場合に0.75ポイントの利上げが必
要になる可能性があるとセントルイス連銀のブラード総裁が発言したことに
同意するかと問われ、「いかなる行動も実際には可能だが、それは現時点で
は私の念頭にはない」と語っていました。(ブルームバーグ)
本日はワシントンでG20、G7財務相・中央銀行総裁会合が開催されます。
非常に穿った見方かもしれませんが、口先介入では全く効果がない状況下で、
会合を通じて米国側に歩調を合わすよう「行き過ぎた円安は好ましくない」
といったコメントを要請する可能性もゼロではないように思います。
インフレ阻止が喫緊の最優先課題である米国が「協調介入」に賛同するとも
思えませんが、最大限譲歩して「口先介入」に同調する可能性があることも、
頭の片隅には入れておきたいものです。
本日のドル円は128円30銭~129円90銭といったところでしょうか。
- [2022/04/20 09:50]
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ドル円早朝に127円12銭まで続伸
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は黒田日銀総裁のこれまでとは異なる発言にも
かかわらず上昇。127円ちょうどまでドル高が進む。
◆ユーロドルは1.08を挟みもみ合うが、上値の重い展開。
◆株式市場はプラス圏とマイナス圏を繰り返すも小幅に
続落。S&P500はほぼ変わらず。
◆債券相場は続落。長期金利は一時2.88%前後まで上昇する
場面も。
◆金と原油は続伸。
◆4月NAHB住宅市場指数 → 77
本日の注目イベント
◆豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
◆日 2月鉱工業生産(確定値)
◆米 3月住宅着工件数
◆米 3月建設許可件数
◆米 IMF経済見通し(WEO)
◆米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米 企業決算 → J&J、ネットフリックス、IBM
「かなり急激な為替の変動のため、企業の事業計画の策定に困難を来す恐れ
があるという意味で、マイナスを考慮しなければならない」、「非常に大き
な円安とか、急速な円安の場合はマイナスが大きくなる」黒田日銀総裁は昨
日の午前、衆院決算行政監視委員会での答弁で、このように発言しました。
この発言を受け、ドル円は126円台半ばから126円台前半まで下げる場
面もありましたが、その後直ぐに同水準を回復しました。
黒田総裁は、円安が全体としてはプラスという評価を変えたわけではないと
しつつも、「より注意して見ていく必要がある」との認識を示し、これまで
とはややニュアンスを変えた発言になったとの印象は残ります。
今朝の日経新聞ではこの発言を1面で取り上げ、「日本経済にプラスと主張
していた黒田氏がマイナス面にも言及し、見解を事実上修正した」と論じて
いました。
ただ、このような発言にもかかわらず、連休明けのNY市場ではドルがじり
じりと買われ、127円ちょうどまで続伸しています。NYではほぼこの日
の高値圏で終わり、その流れを引き継いで今朝のオセアニア市場では127
円12銭までドル高が進む場面もありました。
米債券市場ではFRBが今年残りの全ての会合で利上げを実施するとの見方
が徐々に浸透してきたこともあり、10年債には売り圧力が強まっています
。長期金利は一時2.88%前後まで上昇し、いよいよ3%が視野に入って
きました。
市場参加者の相場観や、読み、インフレ率、あるいは需給で決まる米債券市
場に対して、日銀がコントロールしている日本の債券市場では、長期金利の
上限、下限が抑えられています。これが先週見られた「指し値オペ」と言わ
れるもので、現在日銀は「0.25%」を上回る金利上昇を容認しません。
黒田総裁が円に対する認識をやや変えたとしても、一方で日銀が「0.25
%」を超えて金利が上昇するのを抑えている以上、米金利の上昇に伴い日米
金利差は拡大する一方です。インフレの波は世界的に押し寄せており、日本
も例外ではありません。
そのため、日本の10年債にも売り圧力がかかっており、昨日の日本の長期
期金利は「0.245%」まで上昇してきました。
本日再び同債券への売り圧力が強まり、「0.25%」に近づいた時、日銀
が再度無制限の「指し値オペ」を通知してくるのかどうか、非常に注目され
るところです。
仮に通知がなければ、今後の政策変更への「布石」とも受け止められ、短期
的に円が買われる可能性があるかもしれません。
今後政府からの円安を牽制する発言が増えることも予想され、その都度円高
に振れる場面があるかもしれませんが、日米金融当局の基本政策が変わらな
い限り、円が大きく買い戻される可能性は低いとみています。
FOMCメンバーの中でもタカ派の最右翼にいるセントルイス連銀のブラー
ド総裁の舌がさらに滑らかになっています。
ブラード総裁は18日、オンライン形式のイベントで講演し、FOMCが複
数回の0.5ポイントの利上げで年内の政策金利を3.5%前後に早急に引
き上げる必要があると述べ、「0.75ポイントの利上げも排除しない」と
の考えを示しました。
ブラード氏は、現時点で0.5ポイントを上回る利上げは自身の基本シナリ
オではないと述べながらも、グリーンスパンFRB議長時代の1994年に
もそうした利上げはあったと指摘し、「その可能性を排除しない」と語って
います。(ブルームバーグ)
米財務省は、今週ワシントンで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議
にロシア当局者が参加した場合でも、イエレン財務長官は自動的に会議をボ
イコットするわけではないことを明らかにしています。
イエレン長官は一部会議への出席は見送るものの、ロシアのウクライナ侵攻
による経済的影響に的を絞った会議には参加するようです。ただ、米国とロ
シアの双方が出席する会議がどれに当たるのかは明確になっていないと報じ
られています。
ウクライナがロシアの「最終通告」にも応じなかったことで、ロシア軍の幹
部は「殲滅させる」と過激な言葉を発している中、ロシア軍による攻撃がさ
らに激しさを増すと予想されます。
ゼレンスキー大統領は、「ロシア軍がドンバス地方の制圧作戦を開始した」
と述べています。
ウクライナ南東部のマリウポリはロシア軍に包囲されており、多くの兵士や
女性がアゾフスタル製鉄所に非難しているようです。
ロシアがウクライナへの侵攻を開始して間もなく2カ月になります。何とし
てもマリウポリを手に入れたいロシアは、ここを標的に攻撃を強めるとの観
測もあります。
本日のドル円は126円50銭~127円60銭程度を予想します。
- [2022/04/19 09:28]
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ウクライナ、ロシアの投降呼び掛けには応じず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は126円台で堅調に推移。NYでは債券、株式市場が
休場だったため、動きは緩慢。ドル円は東京時間に126円68銭
前後まで上昇。
◆ユーロドルは下値を試すも、1.08台で推移。前日の1.07台半ば
から反発するも限定的。
◆4月NY連銀製造景況業指数 → 24.6
◆3月鉱工業生産 → 0.9%
◆3月設備稼働率 → 78.3%
本日の注目イベント
◆中 中国3月小売売上高
◆中 中国3月鉱工業生産
◆中 中国1-3月GDP
◆米 4月NAHB住宅市場指数
◆米 ブラード・セントルイス連銀総裁、オンラインイベントで講演
◆米 企業決算 → バンク・オブ・アメリカ
◆加 カナダ3月住宅着工件数
先週末のNYは、「グッドフライデー」のため、為替市場以外は休場でした。
NYでは大きな動きは見られませんでしたが、東京時時間の午後3時半過ぎに
126円68銭前後までドル高が進む場面がありました。
ドル円は先週、直近の高値「125円86銭」を上抜けしてからも、さらに上
昇の勢いを増し、126円台後半までドル高が進んでいます。週明けの18日
も、早朝には126円73銭まで上昇しています。
市場関係者の多くが「130円が目先の節目」といった声を唱えるようになっ
てきましたが、日米金利差の拡大だけではなく、今や貿易赤字や、今後は経常
収支の赤字も予想されるなど、「構造的」にも円が売られ易い状況になってい
ます。今後円安がさらに進んだ場合、果たして130円で止まるのかどうか、
非常に不透明です。多くの相場がそうであるように、「オーバー・シュート」
することを考えれば、一時的にはさらに円安が進む可能性も否定できません。
総務省が15日に発表した「人口推計」では、2021年10月時点での出生
児数は、83万1000人と前年よりも4万人減少する一方、死亡者数は14
4万人で、差し引き64万人も総人口が減ったことが明らかになりました。
これは、この1年で鳥取県の総人口以上が減少したことになり、日本の総需要
やGDPの減少という意味でも、円安材料と見ることもできそうです。
日本の人口は確実に減少しており、出生児数が死亡者数を下回るのはこれで1
5年連続ですが、さらに65歳以上の高齢者の総人口に占める割合も28.9
%と過去最高です。
いずれ人口の3人に1人が高齢者という時代は迫っています。要は「少子高齢
化」の波がさらに加速しているということです。
今回のロシアのウクライナ侵攻でも円が売られ、かつての「有事の円」、「避
難通貨としての円」は見る影もありません。果たして足許の円安は「130円
」で止まるのでしょうか。
ロシアがウクライナの掌握を目指し、さらに厳しい姿勢を強めています。
ロシア側は湾岸都市マリウポリに残るウクライナ軍に17日、日本時間17日
午後7時までに武器を捨てて投降すれば命は保証すると呼び掛けましたが、ウ
クライナ軍は呼び掛けには応じていないようです。ウクライナのシュミハリ首
相は、マリウポリは陥落していないと声明を発表しています。
ロシアの、いわば「最終通告」にも応じなかったことで、ロシアの攻撃はさら
にエスカレートする可能性があり、生物・化学兵器の使用もあるのではと予想
されています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、バイデン大統領のウクライナ訪問を期待
すると述べています。イタリアのドラギ首相は、「ロシアのプーチン大統領と
話すのは無益かつ、時間の無駄だとの見解に賛同し始めている」とコメントし、
「彼らが子供や女性にしたこと、大量虐殺に伴う戦争の恐ろしさは、交わされ
る言葉や電話とはまったく関係ないとの印象を持っている」と話しています。
(ブルームバーグ)
本日は連休明けの米債券市場の動きに注目しています。
先週木曜日には2.83%近辺まで上昇して取引を終えた10年債利回りが、
一段と上昇し3%台に乗せるのかどうかといった点です。
本日のドル円は126円10銭~127円10銭程度を予想します。
- [2022/04/18 09:17]
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米長期金利2.83%近辺まで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は反発。東京時間に125円10銭まで売られたが、NYでは長期金利の上昇を材料に126円台に乗せる。
- ユーロドルは続落し、1.0758まで下落。ECBの利上げ観測がやや後退したことで売りが加速。
- 株式市場は3指数が揃って反落。金利上昇が続き、ナスダックは292ポイントの下げに。
- 債券は大幅に売られ、長期金利は2.83%近辺まで上昇。
- 金は6日ぶりに下落。原油はウクライナ情勢を反映し大幅に続伸。
本日の注目イベント
- 米 NY休場(グッドフライデー)
- 米 4月NY連銀製造景況業指数
- 米 3月鉱工業生産
- 米 3月設備稼働率
- 米 米財務省、半期に一度の為替報告書の議会提出期限
ドル円は再びNY市場で126台まで反発しています。昨日の東京市場ではドルの上値が重く、日経平均株価が上昇したにもかかわらずドル売りが優勢の展開でした。短期的な趨勢を示す「30分足」では、雲の上限を割り込みましたが、結局この雲を下抜けすることなく反発しました。欧州市場の朝方には再び同水準突破を試す動きもありましたが、やはり、米長期金利の上昇が手掛かりとなり、NYでは126円02銭までドルが買い戻されています。米長期金利が急上昇し、2.8%台に乗せ、その後2.83%近辺まで上昇したことを考えると、当然の動きと言えそうです。
米金利上昇に拍車をかけたのがウイリアムズNY連銀総裁の発言でした。ウイリアムズ氏はブルームバーグとのインタビューで、0.5ポイントの利上げについて「FF金利は現在非常に低いことから、妥当な選択肢だと考えられる」とし、「政策をより中立に近い水準へと戻す必要がある」と付け加えています。さらに、今後の政策運営について、「われわれはインフレ率を中長期の目標である2%以下に低下させることに集中する必要がある。向こう数年で2%に戻されなければならない。それが最重要課題だ。経済が力強いことが原因だと考えられる」と指摘。「よって金融政策の観点から見て、より正常なFF金利の水準に向けてわれわれが迅速に動くことは理にかなっている」と述べました。5月3-4日のFOMCに向けて、多くのメンバーが一気にタカ派的な発言を口にするようになっており、5月会合での0.5ポイントの利上げは「もはや規定路線化」しており、個人的には0.5ポイント以外は有り得ないと考えます。従って、0.5ポイントでなかった場合が「ビッグサプライズ」と言える状況になっています。そのため、FOMCメンバ-のタカ派発言にはやや反応薄にはなっていましたが、やはりNY連銀総裁の発言ということになると影響力が違います。
ECBは14日の理事会で債券購入を7-9月(第3四半期)中に終わらせる方針をあらためて表明しました。ラガルド総裁は会見で、ウクライナ戦争によって一段とインフレ高進のリスクが高まったとの認識を示し、「インフレ見通しが上振れするリスクは短期を中心に増した」と述べ、「現在の不確実性に強く留意しており、中期的インフレ見通しへの影響に関して今後のデータを注視していく」と語っており、利上げは資産購入終了の「1週間後かもしれないし、数カ月後かもしれない」と具体的な時期については言及を避けています。ただ域内の3月のCPIは前年比で「7.5%」と非常に高く、ECB内部では利上げに関してのコンセンサスは出来上がっていると考えられ、この夏前後には実施されると予想しています。
ウクライナ情勢は依然として厳しい状況が続いており、近くロシアが総攻撃を仕掛けてくるとの観測も強まっています。ロシアが流した情報では、100人以上のウクライナ兵が銃を捨てて投降する映像も公開されています。また、ウクライナはロシアの巡洋艦「モスクワ」に複数のミサイルを命中させたと発表していますが、ロシア側は単なる火災と発表しています。その様な状況の中、バイデン大統領はウクライナへ政府高官を派遣する予定のようで、ブリンケン国務長官や、オースティン国防長官の名前が取り沙汰されています。一方ロシアはNATOへの加盟を示唆したフィンランドとスウェーデンの両国が実際に加盟すれば、バルト地域に核兵器を配備すると警告しています。この週末にかけて再び緊張が高まる可能性があります。
本日のドル円は125円60銭~126円80銭程度を予想します。
---------------------------------------------------
ロシアのウクライナ攻撃がさらに激化し、11日には東部マリウポリで科学兵器を使用したのではないかとの観測も出ました。ウクライナ軍の予想を超えた強い抵抗に、プーチン氏の焦りも日増しに強まっていることと思います。ウクライナ軍の抵抗は「母国を守る」という強い信念と意志に支えられている部分が大きいと思いますが同時に、欧米から提供された武器も大いに貢献していると考えられます。その一つに米国が提供した対戦車ミサイル「ジャベリン」があります。時々テレビなどでも目にする、兵士が肩に担いでいるあの小型ミサイルです。小型ですがその威力はなかなかのものです。全長は1.2メートルで、最大2.5キロメートル先の戦車を標的に、内蔵されているコンピューターが「自動的に追尾」し、戦車の装甲を貫く威力があるそうです。また低空飛行するヘリコプターを撃ち落とす力もあるそうです。さらにこの「ジャベリン」を使いこなすのに、多くの訓練を必要としないという特徴もあります。米国は既に1万2000基以上の「ジャベリン」をウクライナへ供与したとの報道もあり、ロシア側が失った戦車の数は数百両にのぼるとか。昨日の発表ではさらに5000基の支援を行うとしています。これにはロシア軍も命がけでしょう。
良い週末を・・・・・。
- [2022/04/15 10:31]
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米長期金利2.83%近辺まで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は反発。東京時間に125円10銭まで売られたが、NYでは
長期金利の上昇を材料に126円台に乗せる。
ユーロドルは続落し、1.0758まで下落。ECBの利上げ観測が
やや後退したことで売りが加速。
株式市場は3指数が揃って反落。金利上昇が続き、ナスダックは
292ポイントの下げに。
債券は大幅に売られ、長期金利は2.83%近辺まで上昇。
金は6日ぶりに下落。原油はウクライナ情勢を反映し大幅に
続伸。
3月小売売上高 → 0.5%
失業保険申請件数 → 18.5万件
3月輸入物価指数 → 2.6%
4月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 65.7
本日の注目イベント
米 NY休場(グッドフライデー)
米 4月NY連銀製造景況業指数
米 3月鉱工業生産
米 3月設備稼働率
米 米財務省、半期に一度の為替報告書の議会提出期限
ドル円は再びNY市場で126台まで反発しています。昨日の東京市場
ではドルの上値が重く、日経平均株価が上昇したにもかかわらずドル売
りが優勢の展開でした。短期的な趨勢を示す「30分足」では、雲の上
限を割り込みましたが、結局この雲を下抜けすることなく反発しました。
欧州市場の朝方には再び同水準突破を試す動きもありましたが、やはり
、米長期金利の上昇が手掛かりとなり、NYでは126円02銭までド
ルが買い戻されています。米長期金利が急上昇し、2.8%台に乗せ、
その後2.83%近辺まで上昇したことを考えると、当然の動きと言え
そうです。
米金利上昇に拍車をかけたのがウイリアムズNY連銀総裁の発言でした
。ウイリアムズ氏はブルームバーグとのインタビューで、0.5ポイン
トの利上げについて「FF金利は現在非常に低いことから、妥当な選択
肢だと考えられる」とし、「政策をより中立に近い水準へと戻す必要が
ある」と付け加えています。さらに、今後の政策運営について、「われ
われはインフレ率を中長期の目標である2%以下に低下させることに集
中する必要がある。向こう数年で2%に戻されなければならない。それ
が最重要課題だ。経済が力強いことが原因だと考えられる」と指摘。「
よって金融政策の観点から見て、より正常なFF金利の水準に向けてわ
れわれが迅速に動くことは理にかなっている」と述べました。5月3-
4日のFOMCに向けて、多くのメンバーが一気にタカ派的な発言を口
にするようになっており、5月会合での0.5ポイントの利上げは「も
はや規定路線化」しており、個人的には0.5ポイント以外は有り得な
いと考えます。従って、0.5ポイントでなかった場合が「ビッグサプ
ライズ」と言える状況になっています。そのため、FOMCメンバ-の
タカ派発言にはやや反応薄にはなっていましたが、やはりNY連銀総裁
の発言ということになると影響力が違います。
ECBは14日の理事会で債券購入を7-9月(第3四半期)中に終わ
らせる方針をあらためて表明しました。ラガルド総裁は会見で、ウクラ
イナ戦争によって一段とインフレ高進のリスクが高まったとの認識を示
し、「インフレ見通しが上振れするリスクは短期を中心に増した」と述
べ、「現在の不確実性に強く留意しており、中期的インフレ見通しへの
影響に関して今後のデータを注視していく」と語っており、利上げは資
産購入終了の「1週間後かもしれないし、数カ月後かもしれない」と具
体的な時期については言及を避けています。ただ域内の3月のCPIは
前年比で「7.5%」と非常に高く、ECB内部では利上げに関しての
コンセンサスは出来上がっていると考えられ、この夏前後には実施され
ると予想しています。
ウクライナ情勢は依然として厳しい状況が続いており、近くロシアが総
攻撃を仕掛けてくるとの観測も強まっています。
ロシアが流した情報では、100人以上のウクライナ兵が銃を捨てて投
降する映像も公開されています。また、ウクライナはロシアの巡洋艦「
モスクワ」に複数のミサイルを命中させたと発表していますが、ロシア
側は単なる火災と発表しています。その様な状況の中、バイデン大統領
はウクライナへ政府高官を派遣する予定のようで、ブリンケン国務長官
や、オースティン国防長官の名前が取り沙汰されています。一方ロシア
はNATOへの加盟を示唆したフィンランドとスウェーデンの両国が実
際に加盟すれば、バルト地域に核兵器を配備すると警告しています。こ
の週末にかけて再び緊張が高まる可能性があります。
本日のドル円は125円60銭~126円80銭程度を予想します。
- [2022/04/15 10:30]
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ドル円約20年ぶりに126円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は東京時間午後3時15分過ぎに126円台に乗せ、
126円32銭まで上昇。NYでは米長期金利が低下したこともあり、
125円37銭まで押し戻される場面も。
◆ユーロドルは1.0809近辺まで売られたがその後反発。
◆カナダ中銀は政策金利を0.5%引き上げ、1.0%に。
キャン円は99円台前半から99円台後半まで上昇。
◆株式市場では3指数が揃って大幅に反発。ダウは344ドル上昇し、
S&P500も49ポイント上昇。
◆債券は続伸し、長期金利は2.7%前後まで低下。
◆金は5日続伸。原油も続伸し104ドル台に。
◆3月生産者物価指数 → 1.4%
本日の注目イベント
◆豪 豪3月雇用統計
◆トルコ トルコ中銀政策金利発表
◆欧 ECB政策金利発表
◆欧 ラガルド・ECB総裁記者会見
◆米 3月小売売上高
◆米 新規失業保険申請件数
◆米 3月輸入物価指数
◆米 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
◆米 NY債券市場、短縮取引
◆米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
◆米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
◆米 企業決算 → モルガンスタンレー、ゴールドマン、シティーグループ
「円、20年ぶりに126円台まで下落!!」
昨日の夕方からこの様な報道が相次ぎました。
ドル円は昨日の午後3時15分過ぎ、黒田日銀総裁が信託銀行の大会で来賓挨拶
を行い「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言したことで、円売りが
加速し、125円台半ばで推移していたドル円は一気に126円台に乗せ、12
6円32銭まで上昇しました。
この日は午後3時15分に黒田総裁の挨拶があることは事前に分かっており、こ
こでドル円の水準について触れる可能性があることが意識されていましたが、こ
れまでの認識を変えなかったことで、格好の円売り材料にされた形です。特にこ
れまで「黒田ライン」と言われてきた「125円86銭」が抜けたことで、スト
ップロスのドル買いも巻き込み126円32銭まで上昇したとみられます。
ただ、NY市場では126円台はほぼ見られず、米長期金利が低下したことで1
25円37銭まで押し戻されています。高値からほぼ1円もドルが売られるなど
、引き続き荒っぽい動きが続いています。
NY市場で126円台半ばを超える水準で昨日の取り引きを終えていれば、「1
25~130円の新たなレンジ」に入った可能性があると考えていましたが、ま
だその動きではないようです。ただ、昨日発表された米3月の生産者物価指数
(PPI)は前年同月比で「11.2%」と、統計でさかのぼれる2010年以
降最大で、初期のインフレ圧力が根強く続いていることが確認されています。
CPIに続き、PPIも高水準を記録したことで、FRBの政策金利引き上げや
、量的引き締めへの圧力が増すものと思われます。
バイデン大統領は13日、ウクライナへの8億ドル(約1000億円)相当の軍
事支援で大型兵器を幅広く供与すると表明しました。
大統領は追加軍事支援パッケージには砲弾と軍用ヘリコプターに加え、重火器シ
ステムや装甲兵員輸送車(APC)も含まれると述べ、「ウクライナ軍は米国が
供与する武器を極めて有効に活用している。ロシアがドンバス地方の攻撃強化を
準備する中、米国は引き続きウクライナに防衛能力を提供していく」と、軍事関
与を深める姿勢を示しました。(ブルームバーグ)ウクライナ南東部のマリウポ
リで1万人余りの民間人が犠牲になったことに関して、欧州安保協力機構(OS
CE)は、「ロシア軍はウクライナで民間人をあえて標的にし、戦争犯罪を行っ
た」と報告書で指摘しています。
またフィンランド政府がNATO加盟申請につながるとみられるプロセスを開始
したと伝えられ、スウェーデンも6月までに加盟申請を模索すると報じられてい
ます。既に報じられているように、プーチン氏は5月9日の戦勝記念日に、ウク
ライナ侵攻での「成果」を発表するのではないかと見られており、この日まで残
り3週間余り。マリウポリでの攻撃力をさらに強めて来るのではないかとの観測
もあります。
イエレン財務長官もロシア戦争に関して発言を行っています。
イエレン氏は講演で中国に対して、ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵
攻に対する中国のアプローチの方法次第では、国際社会から経済的影響がもたら
されることもあり得ると述べています。「中国は最近、ロシアとの特別な関係を
再確認した」と指摘し、「中国がこの関係を有益なものにし、戦争終結に寄与す
ることを私は強く望んでいる」と発言しています。
ドル円は126円台前半まで一気に駆け上がってからはやや上値が抑えられてい
ます。下値のメドは、「1時間足」の雲の上限である125円25銭近辺と、下
限である124円89銭辺りかと思います。
本日の予想レンジは125円~126円程度といったところでしょうか。
- [2022/04/14 09:29]
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米3月CPIは8.5%
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は東京時間夕方には125円76銭近辺まで上昇したが、
米3月CPI発表後は急落。コアCPIが予想を下回っていたことから
124円76銭までドルが売られたが、その後は125円台を回復。
◆ユーロドルは続落し1.0821まで売られる。
◆株式市場は朝方大幅に上昇して始まったが、FRBの利上げスタンスは
変わらないとの見方から3指数が揃って続落。
◆債券は8日ぶりに反発。CPI発表後2.83%前後まで長期金利は
上昇したが、その後買いが入り、2.72%台とやや低下する。
◆金は大幅に続伸。原油もロシアの停戦の可能性が低下したことで
大きく上昇し、100ドルの大台を回復。
◆3月消費者物価指数 → 1.2%
◆3月財政収支 → -1927b
本日の注目イベント
◆豪 豪4月ウエストパック消費者信頼感指数
◆中 中国 3月貿易統計
◆欧 ユーロ圏2月鉱工業生産
◆英 英3月消費者物価指数
◆英 英3月生産者物価指数
◆米 3月生産者物価指数
◆米 企業決算 → JPモルガン、ブラックロック
◆加 カナダ中銀政策金利発表
注目された3月米CPIは前年同月比で「8.5%」と、2月の「7.9%」
を上回り、市場予想も若干上回っていました。発表直後ドルが上昇する場面も
ありましたが、食品とエネルギーを除くコアCPIは、前月比、前年同月比と
も市場予想を下回っていたため、ドル円は急速に値を下げ、一時125円を割
り込み、124円76銭まで売られました。
ただ、インフレは依然として高水準で、今後もFRBによる積極的な利上げス
タンスは変わらないとの見方は支配的です。
CPIに対する市場の見方がタカ派寄りであったことで、コアCPIが予想に
届いていなかったことを受けドル売りが加速する場面も見られましたが、その
後に行われたブレイナードFRB理事の発言が大きく影響しました。
ブレイナードFRB理事はウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のオン
ラインインタビューで、「われわれは整然とした金融政策引き締めによりそれ
を行っている。一連の利上げ実施と、バランスシートのランオフ(償還に伴う
保有資産の減少)開始を通じるものだ」述べ、その上で、バランスシートに関
する決定は「5月にも下され、6月にバランスシート縮小が開始される可能性
がある」と続けました。また、利上げを具体的にどのようなペースで進めるの
が適切かについては「あまりそのことに重点を置きたくない」とした上で、利
上げとバランスシート縮小の「複合的な効果により、年内には速やかに政策ス
タンスがより中立的なものになる」とし、経済成長を促進も抑制もしない中立
金利に言及しました。(ブルームバーグ)
今回の発言はこれまでよりも一歩踏み込んだもので、「5月にも下され、6月
にバランスシート縮小が開始される可能性がある」と、具体的な時期にも触れ
た点が注目されます。
ブレイナード理事はハト派と見られ、これまでは利上げには慎重な姿勢を維持
してきましたが、伸び続けるインフレに危機感を強めてきた印象です。
ブレイナード理事は、常にFOMCでの投票権を有しているだけでなく、議会
の承認を経て近くFRB副議長に就任する予定だけに、同氏の発言には影響力
もありそうです。
この発言を受け、プラス圏で推移していたNY株式市場は、金利上昇を嫌気し
マイナスに転じ、ドル円は124円台後半から125円台前半まで押し上げら
れています。
ウクライナ南東部のマリウポリでは激戦が続いており、同市長はAP通信との
インタビューで、1万人余りの民間人が死亡し、死者数は2万人を超える可能
性があると語っています。さらに昨日は同市でロシア軍が毒物を使用したので
はないかとの情報もありました。
ウクライナ軍のアゾフ大隊が、一部市民や兵士が苦しんでいる様子を撮影した
動画を投稿しました。動画では、顔面紅潮や胸やけ、粘膜炎症、目の乾燥など
の症状に見舞われている様子が映し出されているとのことです。これは人体に
深刻な被害を及ぼすリン爆弾が要因の可能性があるとしていますが、この件に
関して米英は、まだ未確認だと発表しました。
プーチン氏はこの件に関してウクライナ側の「フェイク」だと、ロシア極東に
ある宇宙基地をベラルーシのルカシェンコ氏と訪れた際に否定しています。
プーチン氏はここで、ウクライナに対する強硬姿勢を変えず、「ロシアの様な
大国を孤立させることはできない」と、ウクライナへの攻撃を継続する意志を
表明しています。
ロシアとの交渉チームのメンバーであるウクライナのポドリャク大統領府顧問
は、交渉は「極めて難しい」と述べています。
米国では引き続き高いインフレが進行していることが確認されましたが、今後
FRBがどの様なスタンスで利上げを進めていくのかが焦点になります。
ロシアによる「ウクライナへ仕掛けた戦争」という、予測が困難で極めて不確実
性の高い状況が続く中、ブレイナード理事の発言にもあったように、FRBは
インフレ阻止に全力を尽くす構えです。WTI原油価格も再び100ドル台を
回復しており、そう簡単にインフレが鈍化するとも思えません。
ドル円はまだ買われ易い地合いが続くと見ていますが、一方で昨日もドルが買
われた際、2015年6月に記録した「125円86銭が抜け切れなかった事
実」もあります。
ドルロングが有利かとは思いますが、ここは慎重に見極める必要がありそうで
す。上記水準が明確に抜け切れるかも大きなポイントでしょう。
本日のドル円は124円90銭~126円程度とみます。
- [2022/04/13 09:40]
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ドル円2015年6月以来となる125円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は東京タイム午後には直近高値であった125円10銭を抜き
125円台半ばまで上昇。NYでは長期金利が一段と上昇したことを受け
125円77銭まで続伸。
◆ユーロドルはドル高傾向が続くことから上値が重いなか、
先週末とほぼ同水準で推移。
◆株式市場は3指数とも大幅に下落。金利高とインフレの高進を
背景に、ダウは413ドル、ナスダックは2%を超える下げに。
◆債券は7営業日続落。長期金利は一時2.79%近辺まで上昇し、
2019年1月以来となる高水準を記録。
◆金は3日続伸。原油は4ドルに迫る下げで1カ月半ぶりの安値に。
本日の注目イベント
◆豪 豪3月NAB企業景況感指数
◆独 独3月消費者物価指数(改定値)
◆独 独4月ZEW景気期待指数
◆英 英3月失業率
◆米 3月消費者物価指数
◆米 3月財政収支
◆米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
◆米 ブレイナード・FRB理事講演
ドル円は先月28日に記録した125円10銭の高値を抜いてきました。
前回はここを頂点にその後ドルが急落し、121円台前半まで「調整」が進みましたが、
その後時間をかけながらジワリと値を戻し、上記水準を上回ってきました。NYでは12
5円77銭までドルが買われましたが、2015年6月1日に記録した「125円86銭
」が意識されたのか、126円台テストには至っていません。この水準は黒田日銀総裁が
国会で「円がこれ以上弱くなることはない」と発言し、実際それから円高に推移したこと
から「黒田シーリング」、あるいは「黒田ライン」と呼ばれる水準で、その後6年以上も
届いていなかった水準です。
ドル高の背景は言うまでもなく、米長期金利の上昇です。
昨日のNY債券市場では10年債がさらに売られ、長期金利は一時2.79%近辺まで上
昇しました。債券価格はこれで7営業日続落となっています。
ハト派として知られるシカゴ連銀のエバンス総裁が11日、インフレ抑制のため利上げペ
ース加速を議論する価値があるとの見解を示したことが材料視されました。
エバンス氏は、「5月3、4日両日に開かれる次回FOMC会合で0.5ポイントの利上
げを検討する価値があるのは明らかだ」とした上で、「その可能性はおそらく極めて高い
とさえ言える」と述べています。
またFRBが政策金利を中立水準まで引き上げる必要があると述べ、それには「今年9回
分程度の利上げが必要になるが、毎会合0.25ポイントずつ利上げするだけでは到達で
きない」とも述べ、0.5ポイントの利上げ幅が必要との認識も示しました。
ただ、同総裁はハト派の代表格の一人ですが、すでにこれまでも「脱ハト派」とも言える
認識を示しており、市場の反応は「ドル高材料には非常に敏感だ」といった印象がありま
す。因みに同総裁は今年のFOMC会合での投票権は持っていません。
昨日はウォーラーFRB理事も発言しており、同理事は、「利上げは経済をたたくハンマ
ーとなり得る『力ずくの手段』であり、米金融当局はその『付随的損害』を回避できるよ
う全力を尽くしている」と語っています。(ブルームバーグ)
ウクライナ情勢を巡り、オーストリアのネハンマー首相はロシアがウクライナへの侵攻を
開始して以来EU首脳としては初めてとなるロシアを訪問し、プーチン氏と会談を行いま
した。
ネハンマー首相はプーチン氏に対して停戦を呼びかけたようですが、会談後同首相は「和
平実現に関して悲観的だ」と述べ、会談の成果がなかったことを示しました。
オーストリアは永世中立国であり、ロシアと西側諸国の架け橋的な存在として期待されて
いた部分もありましたが、結局プーチン氏は「聞く耳を持たなかった」ということなので
しょう。
こうしたなか、ロシアとの交渉が何らかの結果を生み出す兆候も見られないことから、欧
州諸国はロシアへの対応で、外交や制裁に重点を置く通常のやり方を超える方向に動いて
いると伝えられています。
ドイツのベーアボック外相は、軍需品、とりわけ重火器をさらに送るべきだと主張し、ル
クセンブルクのアッセルボルン外相も、「今は基本的に、制裁か武器か、どちらがより重
要かを判断する問題に直面している」と述べ、「私の結論は、今では武器だ。2カ月前で
あれば、こんな結論を出すなど狂気の沙汰だと一笑に付しただろう」と記者団に話してい
ます。
またバイデン大統領はインドのモディ首相とオンライン形式で会談を行い、「ロシア産エ
ネルギーやその他一時産品の輸入を加速、増加させることはインドの利益にならない」と
圧力を加えたようです。インドはロシアから大量の武器を購入してはいますが、対米ロ関
係では中立の立場に立っており、今回のウクライナへの侵攻にあたっても、ロシアを非難
していません。
ホワイトハウスは5月24日頃、日本で「クアッド」の会合を開き、日米豪印首脳が一堂
に会する機会があることを発表しています。
本日は米3月のCPIが発表されます。
すでに予想は前月の「7.9%」を大きく上回る「8.4%」と見込まれています。この
結果を受け、金利、為替を含め金融市場は乱高下する可能性もありそうです。
本日のドル円は124円70銭~126円程度を予想します。
- [2022/04/12 09:36]
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ドル円124円台半ばまで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続伸。米長期金利が2.7%台まで上昇したことを受け、日米金利差を意識したドルか買いに124円67銭までドル高に。
- ユーロドルも続落。1.0837まで売られ、1カ月ぶりの安値を記録。
- 株式市場はまちまち。ダウは上昇したものの、ナスダックとS&P500は長期金利の上昇を嫌気し下落。
- 債券は続落。長期金利は2.7%台に乗せ、一時2.73%近辺まで上昇。
- 金は続伸し、原油は反発。
本日の注目イベント
- 中 3月消費者物価指数
- 中 3月生産者物価指数
- 欧 EU外相知事会
- 英 2月鉱工業生産
- 英 2月貿易収支
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、イベントで開会の挨拶
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米長期金利の上昇が止まりません。先週末のNY債券市場では10年債利回りが2.7%台に乗せ、一時は2.73%台まで上昇しました。FOMCでの利上げが加速するとの見方が支えとなり、長期債を売るスタンスが加速されています。米長期金利は2月15日に2.0%の大台に乗せ、わずか1カ月半で2.7%台まで上昇。市場に見方は「3%乗せも近い」といった情勢になっているようです。米長期金利の上昇に呼応するかのようにドル円も買われ、NYでは124円67銭までドル高が進みました。
この欄で「ドル円は今後少なくとも1回は125円前後まで上昇する」と予想していましたが、その予想に近い動きでした。しかもその上昇スピードは予想通り前回に比べより多くの時間を要しており、前回3月28日に125円10銭まで上昇した局面では、120円から125円を示現するのにわずか5日でしたが、今回121円台まで押し戻され124円台半ばまで再び上昇するのに、10日以上かかっています。125円台を付けた後の下げが速く、利益を取り損なった市場参加者がドルの戻りを抑えたことと、ドル買いで攻める参加者も慎重になったことが考えられます。ただ現時点ではこの流れを変える要素は見当たりません。FRBは次回5月会合で0.5ポイントのFF金利引き上げに踏み切り、その後の会合でも同じように0.5ポイントの引き上げを余儀なくされる局面が何度かあると見ています。
原油価格が一時ほどの上昇の勢いはなく、落ち着いてきたようには思えますが、ロシア戦争の影響は今後も長引きそうで、原油価格が一気に下がる可能性は低いとみられます。また米国サイドには今年秋の「中間選挙」を意識し、バイデン政権としては何としても足下のインフレを止める必要があります。極端な言い方をすれば、多少景気を犠牲にしても「インフレ阻止が最優先」だということかと思います。そのため、バイデン大統領に再任を託されたパウル議長もインフレ阻止への圧力は感じることになろうかと思います。実需面からもドル需要が増していることも見逃せません。日本の貿易赤字は今後も定着しそうな気配で、原油価格がこのまま100ドル以上で推移した場合、経常収支ベースでも赤字に転落するといった試算もあります。要は、日本サイドから見れば、ドルを売る人よりもドルを買わなければならい人の方が多いということです。現在2.4~2.5%程度ある「日米金利差」は、今後3%に拡大する余地があるとみています。日本でもインフレの足音がヒタヒタと近づいてきていますが、本邦機関投資家にとって国内で運用利回りをあげるのは至難の業で、運用難であることは変わっていません。そのためリスクを取っても海外での運用に頼らざるを得ない状況です。2.7%台に乗った米国債はその意味では非常に魅力的な投資対象で、今後も継続されるとみられます。このまま円安傾向が続けば、利回りだけではなく「為替益」も得ることが出来る可能もあると考えれば、為替ヘッジをかけずに投資する機会が今後増えることも予想されます。当局からの口先介入が本格的に出て来るまでは、ドルは堅調に推移するものと予想しています。
ロシアのウクライナ攻撃は続き、さらに無差別化しています。8日にはウクライナ東部ドネツク州の駅にミサイルを発射し、避難する市民が犠牲になり、子供5人を含む52人が亡くなりました。また、「路上を歩いていた女性がいきなり射殺された」との報道もあります。ロシアはこの件について、ウクライナ軍の仕業だと関与を否定していましたが、「何おか言わんや」で、「あいた口がふさがらない」とはこのことです。さらに報道では、ロシアはウクライナでの軍事作戦を統括する司令部に、シリアでの軍事作戦を指揮したドゥボルニコフ司令官を任命したとあります。ウクライナでの民間人犠牲者がさらに増えるのでかないかと危惧されています。またオーストリアのネハンマー首相が11日、モスクワでプーチン氏と会談するとの報道もありますが、誰が会談してもプーチン氏に戦争を止めさせることはほぼ不可能なのでしょう。
クリーブランド連銀のメスター総裁は10日、「インフレ率は今年も来年も2%を超えると思うが、鈍化の軌道になるだろう」との見通しを述べました。メスター氏は、「金融政策の引き締めのなかでも米経済はリセッション入りを回避すると確信しているものの、インフレ率は来年にかけて2%を上回る水準が続く公算が大きい」との見方も示しました。リセッションのリスクが高まると見ているが、「困難であるが、われわれには出来る」と発言しています。(ブルームバーグ)
フランスの大統領選で、マクロン氏とルペン氏が24日の決選投票に進むことが判明し、早朝にはユーロが窓を開け上昇しています。ドルがユーロに対して売られたことで、ドル円も早朝には124円割れも示現していました。現職のマクロン氏有利と見られますが、ルペン氏との支持率の差はかなり縮まっているようです。24日の決選投票では、ユーロが開票を睨みながらさらに乱高下する可能性がありそうです。本日のドル円は123円80銭~124円80銭程度を予想します。

- [2022/04/11 10:21]
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ドル円再び124円台まで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小動きのなか、米長期金利の上昇が支えとなり底堅く推移。NYでは124円まで買われ、高値圏で取引を終える。
- ユーロドルは前日と同水準で推移。1.09を挟みもみ合う。
- 株式市場では3指数が3日ぶりに反発。ザラ場では下げが拡大する局面もあったが、引け値では小幅ながら上昇して取引を終える。
- 債券は5日続落。長期金利は一時2.67%台まで上昇し、2.65%台で取引を終える。
- 金は3日ぶりに反発。原油は小幅ながら3日続落。
本日の注目イベント
- 日 2月貿易収支
- 日 2月国際収支
- 日 3月景気ウオッチャー調査
- 加 3月就業者数
- 加 3月失業率
国連総会は7日の緊急特別会合で、国連人権理事会におけるロシアの理事資格を停止する決議案を賛成多数で可決しました。議決案への賛成は「93カ国」で反対は、イラン、ベラルーシ、シリア、北朝鮮、中国など「24カ国」でした。資格停止案はウクライナでの行為を理由に提起されたもので、1カ月半の戦争で「失われた無実の人々の命の側にたつように」と、ウクライナの国連大使が訴えましたが「58カ国」が棄権に回っています。ロシアはまた、ウクライナからの停戦案を拒否したとラブロフ外相が明らかにしています。ラブロフ氏は、ウクライナの安全を多国間で保障する枠組みについて同国案には、クリミア半島を適用外にする項目が省かれたと説明し。ウクライナで軍事演習を実施する際にロシアの同意が必要とする、ロシア側が求めた項目も盛り込まれなかったことを、拒否の理由に挙げています。(日経新聞)
G7首脳はロシアのウクライナ侵攻への対応として、エネルギー分野を含むロシア経済分野への新規投資を禁止するとの共同声明を発表しました。ロシアからの石炭輸入の禁止や段階的縮小を進めるとともに、ロシア産の石油への依存を低減する取り組みを加速すると発表しています。(ブルームバーグ)しかし実際にはロシアの経済的打撃は現時点では限定的なようです。ロシア極東産ソコル原油の来月出荷分は完売していると報じられています。中国の数社が3月のロシア産石炭を人民元で購入したことも報告されており、ロシアから欧州に輸出されるガスの量は、侵攻以降に倍増し、このいずれもが、制裁の対象になっていないとのことです。ブルームバーグの集計では、ロシアがエネルギー輸出で今年上げる収入は3200億ドル(約40兆円)と予想され、前年から3割強の増加が見込まれています。
タカ派の代表格であるセントルイス連銀のブラード総裁は7日、ミズリー大学での講演後記者団に対し、「FOMCが今年下期に政策金利を3-3.25%に引き上げることが望ましいと考える」とし、「直面するインフレに対応するため、われわれは政策金利を適切な水準にすべく、直ちに動く必要がある」と語りました。ブラード氏は、5月のFOMC会合について早まった判断を下したくないとし、今後新たに入手するデータを考慮する考えを示しましたが、同氏は3月の会合で「0.5ポイントの引き上げ」を主張し、「0.25ポイントの引き上げ」には、唯一反対票を投じていました。FF金利を今年下期までに3-3.25%まで引き上げるとすれば、仮に5月の会合で「0.5ポイント」の利上げが実施されたとしても、残り5回の会合で都合「2.5ポイント」の引き上げが必要になることになります。これは5回連読して「0.25ポイント」引き上げても追い付かず、5会合のうち4回は「0.5ポイント」の大幅引き上げが実施される計算になります。これはあくまでも机上の計算になりますが、今後のウクライナ情勢の動向や原油価格の推移を見極めなければなりません。足下の原油価格は徐々に低下しており、今週は常時100ドル以下で推移しています。2月の米CPIは「7.9%」
と40年ぶりの高騰を見せましたが、インフレ率はここから大幅に低下することはないにしても、ピークが近いのかもしれません。
日銀審議委員の野口氏は昨日、熊本県で行われた金融経済懇談会後の会見で、デフレからの脱却を目標とする日本にとっては円高よりも円安の方がプラスだとの考えを示しました。野口氏は、「経済全体としてメリットとデメリットを比較すると、現状では円安のプラス面の方が大きい」と述べています。ただ、エネルギー価格の上昇は、輸入にほぼ依存する日本にとって「交易条件の悪化をもろに被り、経済全体の下押し圧力になる」とし、「為替の問題とは切り離して考える必要がる」と語っています。政府財務省からは円安を警戒する声が出始めていますが、野口氏は黒田総裁と同じ認識を示したことになります。注意したいのは、為替の問題はあくまでも「財務省」が主管です。従って、財務大臣や財務官の発言が非常に注目され、仮に市場介入をする場合でも、日銀は財務大臣の指示のもと実施することになります。FF金利が今後ブラード総裁の主張するような水準になるとすれば、ドル高がさらに進むと予想されますが、仮に当局が市場介入に踏み切ったとしても、日本単独ではその効果は限定的であったことは過去の歴史が物語っています。
本日のドル円は123円60銭~124円70銭程度を予想します。
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今週5日、アメリカはイギリス、それにオーストラリアの3カ国で、「極超音速兵器」や無人潜水機の開発など、8分野で協力していくことを発表しました。ブルームバーグで関連する興味深い記事を見つけましたので、紹介したいと思います。
2021年に中国が「極超音速兵器」の実験を行ったことはニュースで報じられていましたが、例えば、「極超音速ミサイル」は、マッハ5以上の速度で、1時間で少なくとも6100キロ飛べる計算になるそうです。さらにこの種のミサイルは低空飛行で変則的な軌道を描き、従来のミサイル防衛システムでは探知と攻撃が難しいスピードと機動性を有し、規定の軌道に縛られず、飛行途中でも
軌道を修正することが可能だとか。ただこのクラスのスピードになると、飛翔体周囲で空気の分子が解離する電離(イオン化)という現象が起き始め、大気圏に突入する際の飛翔体に「極めて強い」ストレスがかかるそうです。現在中国と米国、ロシアが能力の点で先頭グループにおり、インドや日本、オーストラリア、フランス、ドイツが同技術調査を行っているそうです。記事は、米国は「極超音速技術」で多額の投資をしているが、中国に比べて「少なくとも数年は遅れている」そうです。だからこそ、ロシアの戦争を契機に、英、豪との関係を強化することで、中国を牽制する意味もあるようです。
良い週末を・・・・・。

- [2022/04/08 10:25]
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米長期金利2.65%台まで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は東京時間に124円05銭まで上昇したが、NYでは
上値が重く、長期金利の上昇にも反応せず。123円46銭まで
売られたがその後反発。
◆ユーロドルは続落。約1カ月ぶりとなる1.0879前後まで
売られる。
◆株式市場は大幅に続落。FOMC議事録の内容が重しとなり、
さらに長期金利の上昇に3指数とも売られる。ナスダックは
2日連続で2%を超える大幅な下げに。
◆債券も続落。長期金利は一時2.65%台まで上昇。
◆金と原油はともに続落。
本日の注目イベント
◆豪 豪2月貿易収支
◆日 2月景気先行指数(CI)(速報値)
◆中 中国 3月外貨準備高
◆独 独2月鉱工業生産
◆欧 ユーロ圏2月小売売上高
◆欧 ECB議事要旨(3月会合分)
◆米 新規失業保険申請件数
◆米 2月消費者信用残高
◆米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米 アトランタ連銀総裁とシカゴ連銀総裁、イベントに参加
QE(Quantitative Easing)からQT(Quantitative Tightening) へ。
公開された3月のFOMC議事録では、FRBの大規模な保有資産を月額最
大950億ドル(約11兆7600億円)のペースで縮小することが示唆さ
れ、前日の講演でブレイナードFRB理事が述べていた、「5月にもバラン
スシート縮小を急速なペースで行う可能性がある」との発言と整合すること
になっていました。
議事録では、「参加者は総じて、米国債で月額600億ドル程度、MBSで
同350億ドル程度を上限とすることが適切になりそうだとの見解で一致し
た」と記され、「参加者はまた、市場環境から見て妥当と判断される場合は
縮小規模の上限を3カ月ないし、それよりやや長い期間をかけて段階的に導
入し得るとの認識でもおおむね一致した」とありました。
また政策金利については、「特にインフレ圧力の強い状態が続く、ないしは
さらに強まった場合、今後の会合でFF金利誘導目標レンジの0.5ポイン
ト引き上げを1回以上行うことが適切になり得ると、多くの参加者が認識し
た」と記されていました。(ブルームバーグ)
3月の会合では0.25ポイントの利上げを決めましたが、これは、ロシア
のウクライナ侵攻が起きたことで0.25ポイントの利上げにとどめたとあ
り、ウクライナへの侵攻がなければ多くの当局者が0.5ポイントの利上げ
を支持していたことも判明しています。
FRBは遅まきながら本格的にQEからQTへと舵を切り直したことが明確
となり、債券市場では債券がさらに売られ、長期金利は連日で直近の最高水
準を上回る展開が続いています。
これを受け、株式市場で今後利上げペースが早まるとの観測から連日大幅な
下落が続います。QEの終焉は言い換えれば、「ゴルディロックス」の終焉
ということにもなりそうです。
キーウ(キエフ)郊外でのロシア軍による残虐な行為に対し、米国は追加の
制裁措置を発表しました。
バイデン大統領はロシアがウクライナで行った行為は「重大な戦争犯罪だ」
と批判し、ロシアの銀行大手ズベルバンクと民間銀行最大手アルファ銀行と
の取引を禁止することを発表しました。エネルギーセクターを除く米国の全
企業・団体が両行との取引を禁じられたことになります。
またバイデン政権の高官は、プーチン氏の成人した2人の娘、さらにラブロ
フ外相の妻と娘、ロシアの安全保障会議メンバーも制裁の対象になると述べ
ています。
ブルームバーグによると、バイデン大統領は、米国の個人と団体によるロシ
アでの新規投資を禁じる大統領令に署名し、大統領は「600もの企業が自
主的にロシアから撤退した」と述べるとともに、米企業がこうした動きを強
化するとしています。
さらに、米国と同盟国の制裁により「ロシア経済は今後数年間成長を阻まれ
るだろう」と話し、ロシアのGDPは今年だけで前年比2桁の減少になると
説明しています。
イエレン財務長官が久しぶりに議会で証言を行っています。
イエレン氏は、「罪のないウクライナ市民に対するブチャでの残虐行為を含
め、ロシアの行動は非難に値する。ルールに基づく世界秩序への容認できな
い侮辱だ。世界的に経済への甚大な影響があるだろう」と証言しています。
また、この戦争でIMFや世銀といった国際金融機関の作業がいっそう重要
になったとして、ウクライナ復興では「重要なパートナーになる」と語りま
した。イエレン氏は今年のG20会合にロシアが出席を認められていること
に関して、「ロシアが参加する限り、われわれは数々の会合に出席しない方
針だとインドネシアに明確に伝えた」と公聴会での質問に答えています。
さらに、「中国が台湾に対する攻撃に動いた場合、バイデン政権として中国
にあらゆる制裁手段を使う用意がある」と発言し、対ロシア制裁で明らかに
なったように、侵略的な国家に多大な苦痛を強いることが米国は「可能であ
ることが示された」とも述べ、中国の軍事的拡大を牽制するような形になっ
ています。
ドル円は昨日の東京市場で124円05銭まで上昇する場面がありましたが
、その後米長期金利の一段高にもかかわらず、上昇の勢いは見られません。
明らかに前回125円台までドルが買われた状況とは異なっています。
5月のFOMCでの0.5ポイント利上げは確実になっていると思われ、そ
の後も現時点では利上げが続くとみられますが、ドル買いで攻める投資家は
やや慎重になっていることが窺えます。
本日のドル円は123円~124円程度とみています。
- [2022/04/07 09:33]
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米長期金利3年ぶりに2.56%台へ上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ブレイナードFRB理事の発言を受け米長期金利が上昇した
ことでドル円は急伸。123円台を回復し、123円67銭まで
ドル高が進む。
◆ドル高が進んだことでユーロドルは続落。1.0900近辺まで
売られ、約4週間ぶりのユーロ安を示現。
◆株式市場は3指数が大きく売られる。金利上昇を受け、特に
ナスダックの下げが大きく328ポイントの下落。
◆債券は大幅に続落。ブレイナードFRB理事がバランスシート縮小を
急ぐ考えを示したことで、長期金利は2.56%台まで急騰。
◆金と原油は反落。
◆3月マークイットサービス業PMI(改定値) → 58.0
◆3月マークイットコンポジットPMI(改定値) → 57.7
◆2月貿易収支 → -89.2b
◆3月ISM非製造業景況指数 → 58.3
本日の注目イベント
◆中 3月財新サービス業PMI
◆中 3月財新コンポジットPMI
◆独 独2月製造業新規受注
◆欧 ユーロ圏2月生産者物価指数
◆欧 NATO外相会合(ブリュッセル、7日まで)
◆米 FOMC議事録(3月15-16日分)
個人的にも大いに注目していたブレイナードFRB理事の発言は、やはりイ
ンパクトがありました。
ブレイナード氏は5日、ミネアポリス連銀主催の講演で、FOMCは「一連
の利上げを通じて整然と、また早ければ5月の会合で急速なペースでのバラ
ンスシート縮小を開始することで、金融政策の引き締めを続ける」と述べ、
「過去の景気サイクルと比べて回復がかなり力強く、かつ速いスピードで進
んでいることを踏まえれば、バランスシートは過去の回復局面よりもかなり
急速なペースで縮小すると想定する。2017-19年と比較して縮小額の
上限がかなり大きくなるほか、縮小期間も大幅に短くなる」と付け加えまし
た。さらにブレイナード氏は、「現時点において、インフレは高すぎる状況
で、上振れリスクにさらされている。インフレやインフレ期待の指標で正当
化されれば、FOMCには一段と強力な行動を取る用意がある」と続けてい
ます。(ブルームバーグ)
ブレイナード理事が5月にもバランスシート縮小を「急速なペース」で行う
ことに言及したことで株価は大きく下げ、債券も売られ、長期金利は一時2
.565%台まで上昇し、2019年5月以来、約3年ぶりとなる高水準を
記録しました。
123円近辺が重かったドル円も、金利上昇に吸い寄せられるように、12
3円台をクリアし、1週間ぶりに123円67銭までドル高が進んでいます
。昨日の東京市場でのドル安水準から見ると、1円30銭も上昇したことに
なります。
ただ米長期金利の水準を見ると、前回125円を記録した際よりも、今回は
さらに高くなりましたが、125円には届いていません。
これも先週指摘したことですが、今回のドル高は前回に比べ上昇スピードが
明らかに遅いと言えます。
前回利益を取り損ねた投資家の「戻り売り」が上昇スピードを抑制したとみ
ています。
125円台から121円台への急落を経験した「学習効果」が働いているよ
うです。
昨日はブレイナードFRB理事の他にもFOMCメンバーによる発言があり
ました。
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、「金利は上昇しつつあるものの、
歴史的基準から見て比較的低い軌道上になおある」との認識を示し、5月に
もバランスシート縮小を開始する可能性に触れています。
また、カンザスシティー連銀のジョージ総裁もブルームバーグニュースとの
インタビューで、「50ベーシスポイントは、われわれが他の事とともに検
討しなければならない選択肢の一つだと思う」と述べ、「この金融緩和を解
除する課程で、非常に慎重かつ意図を持って行う必要がある。バランスシー
トが政策金利の上昇とともにどう推移するかを考えることを、私は重視して
いる」と語っています。
昨日の午後、オーストラリア準備銀行(RBA)は金融政策会合で政策金利
であるキャッシュ・レートを「0.1%」で据え置くことを決めました。
この決定は市場予想通りでしたが、会合後に発表した声明が豪ドルを大きく
押し上げています。
2021年11月会合以降、声明で毎回使われた「忍耐強い対応を続ける」
との表現が消えたことで、RBAがタカ派的シグナルを発した可能性がある
と受け止められ、豪ドルが買われました。
声明では「豪州のインフレ率は他の多くの国々よりも低い水準にとどまる」
としながらも、「インフレは勢いを増しており、さらなる加速が予想される
」とし、「力強い雇用の伸びが継続する兆しがある」うえ、「賃金の上昇は
引き続き緩やかと予想」との言い回しから、今年の夏ごろには利上げに踏み
切るのではないかと思われます。
豪ドル円はこの発表後上昇し、92円台前半から93円台まで上昇。さらに
NYでは94円台まで買われています。
キーウ(キエフ)郊外のブチャでのロシア軍の残虐な行為に対して世界中か
ら厳しい非難の声が上がっていますが、EUに続いて米国もロシアに対して
追加制裁を行うことを決め、本日にも発表される見込みです。
ウクライナのゼレンスキー大統領はこれらの行為を「ジェノサイドだ」と断
じ、国連はロシアの拒否権剥奪か平和を確保するシステムの改革が必要だと
訴え、さもなければ、国連安保理は「解散」すべきだと、これまでより一歩
踏み込んだ発言を行いました。
本日は3月のFOMC議事録が公開されます。
利上げを決めた会合だけに、どのようなタカ派的議論があったのか注目され
ますが、昨日ブレイナード理事がバランスシート縮小に関してかなり突っ込
んだ発言を行ったことで、議事録の「鮮度」はやや低下しているとみていま
す。議事録の内容だけでここから一気に125円台に乗せる公算は低いと考
えます。
本日のドル円は123円~124円30銭程度と予想します。
- [2022/04/06 09:51]
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EUロシアへの追加制裁を検討
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は小動きながら小幅に続伸。122円96銭まで
ドルが買われたが123円台には届かず。
◆ユーロドルも小幅に続落。1.10を割りこみ、1.0960
までユーロ安に。
◆株式市場は3指数が揃って続伸。テスラのマスクCEOによる
ツイッター株購入が判明し、大型ハイテク株が上昇。ナスダックは
271ポイントの上昇。
◆債券は続落。長期金利は2.39%台へと上昇。
◆金は反発。原油はロシアへの制裁が強まるとして大幅に反発。
◆2月製造業受注 → ―0.5%
本日の注目イベント
◆豪 RBA、キャッシュターゲット
◆独 独3月サービス業PMI(改定値)
◆欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(改定値)
◆欧 ユーロ圏3月コンポジットPMI(改定値)
◆英 英3月サービス業PMI(改定値)
◆米 3月マークイットサービス業PMI(改定値)
◆米 3月マークイットコンポジットPMI(改定値)
◆米 2月貿易収支
◆米 3月ISM非製造業景況指数
◆米 ブレイナード・FRB理事講演(オンライン)
◆加 カナダ2月貿易収支
「戦争犯罪」・・・。
バイデン大統領はワシントンで記者団に対し、「彼は戦争犯罪者だ」とプーチン氏
を批判し、「この男は残忍だ。ブチャで起きていることは常軌を逸しており、それ
は誰もが目にしている。戦争犯罪の裁判が実際に行われるようにするため、詳細な
情報を全て集めなければならない」と語りました。
キーウ(キエフ)郊外のブチャで民間人と見られる複数の遺体が路上に放置されて
いたことを巡り、EU加盟国はロシアへの追加制裁を準備していることを明らかに
しました。
欧州委員会のボレル副委員長は「大勢の民間人犠牲者を映し出した忘れることの出
来ない映像は、ロシア軍に責任がある」と糾弾し、「緊急に追加制裁に取り組む」
と、EU加盟国を代表して発表しています。(ブルームバーグ)
ロシアはウクラナとの停戦協議を続ける一方、攻撃の手を緩めていません。
サリバン大統領補佐官は4日、ロシアが戦争の目的を大幅修正し、ウクライナ東部
のドンバスとルガンスクへの攻撃に集中するため軍部隊を再配置しているとする米
国の分析結果を明らかにしています。
サリバン氏は、「あらゆる兆候から見て、ロシアは東部でウクライナ軍を包囲し圧
倒しようとする模様だ」と指摘し、「プーチンがその後に、戦術的成功を利用し、
成果を語って軍の失敗を大したことではないとする態度を示すだろう」と語ってい
ます。
トルコの3月の消費者物価指数(CPI)は20年ぶりの高水準に上昇し、その結
果実質金利は世界最低水準を記録しており、通貨リラに売り圧力が強まりそうです。
3月の同指数は前年同月比「61.1%」と、先月の「54.4%」からさらに伸
びが加速しました。食品とエネルギーを除くコア指数も「48%余り」と上昇し、
生産者物価指数(PPI)は「115%」と、前月に続き3桁の伸びを示していま
す。
通貨リラの下落が続いている中、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格と商品価
格の上昇が追い打ちをかけている状況です。
このような状況下、本来なら政策金利を大幅に引き上げ、インフレを阻止するのが
金融政策の役割ですが、トルコ中銀は3カ月連続で政策金利を据え置いており、エ
ルドアン大統領の意向が大きく働いています。
このため、トルコはインフレ調整後ベースでの実質金利は「マイナス47%」と、
世界最低水準にあり、新興国通貨の中でドルに対する3月の下落率は、トルコリラ
がロシア・ルーブルに次いで2番目に大きいと、ブルームバーグは指摘しています。
消費者物価指数の構成品目の約4分の1を占める食料品価格の上昇率は、前年同月
比で70.3%にもなっています。
おそらくロシアはこの先、これを上回る大幅なインフレに見舞われることになると
予想しています。
先週は特に荒っぽい動きを見せたドル円も、昨日は静かな展開でした。
底堅い動きを見せる一方125円台からの急落の影響もあり、上値も重い展開にな
っています。
本日5日にはブレイナードFRB理事がミネアポリス連銀主催のインフレに関する
オンライン討論会に参加し、その発言が注目されています。
ブレイナード氏は先のFRB議長指名では、パウエル氏とその職を争い、パウエル
氏に議長職は譲ったものの、次期副議長に指名され議会での承認を待っている状況
です。
インフレ阻止に向けて5月会合では0.5ポイントの利上げを支持するものとみら
れますが、その後の利上げペースをどのように考えているのか、注目されます。
また明日発表の3月会合のFOMC議事録でも、会合でどのような議論があり、メ
ンバーのインフレに対する危機感が共有されているのかどうか、こちらも大いに注
目されます。
ハト派と見られるNY連銀のウイリアムズ総裁も、インフレ抑制のため政策金利を
一段と正常な水準に引き上げることは可能だとの認識を示しています。
本日のドル円は122円30銭~123円30銭程度を予想します。
- [2022/04/05 09:23]
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米3月の失業率は3.6%に改善
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は雇用統計発表後に123円台まで上昇する場面が
あったが続かず。その後は122円台半ばから後半でもみ合う。
◆ユーロドルは小幅に下落。1.1028まで売られたが動きは
閑散。
◆株式市場は3指数が揃って上昇。良好な雇用統計を受け買われたが、
一方で利上げが加速するとの見方もあり上昇は限定的。
◆債券は下落。長期金利は2.38%台へと上昇。
◆金は反落し原油は続落。
◆3月失業率 → 3.6%
◆3月非農業部門雇用者数 → 43.1万人
◆3月平均時給 (前月比) → 0.4%
◆3月平均時給 (前年比) → 5.6%
◆3月労働参加率 → 62.4%
◆3月ISM製造業景況指数 → 57.1
◆3月マークイット製造業PMI(改定値) → 58.8
◆3月自動車販売台数 → 1333万台
本日の注目イベント
◆独 独2月貿易収支
◆トルコ トルコ3月消費者物価指数
◆英 ベイリー・BOE総裁講演
◆米 2月製造業受注
◆加 カナダ2月住宅建設許可件数
3月の米雇用統計はまずまずの結果でした。
非農業部門雇用者数は市場予想を若干下回る「43.1万人」でしたが、
2月分が「67.8万人」から「75万人」に上方修正され、1月分につ
いても「48.1万人」から「50.4万人」に上方修正され、労働市場
は引き続き回復基調にあることが判明しています。また失業率も予想より
改善しており、「3.6%」でした。
コロナウイルスのパンデミック前の2020年2月の水準にも、もう一息
といった水準です。
総体的に見れば今回の雇用統計の結果は、次回5月のFOMCで利上げ幅
を0.5ポイントに拡大すべきだと主張するタカ派にとっては有利な内容
だったと言えます。
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、「今から次回の会合までにネガ
ティブサプライズがないとすれば、0.5ポイントの論拠は強まっている
」と指摘し、「そうした早期の調整を行うのが適切になるとの確信を私は
強めている」と述べています。
一方で雇用統計の結果を受けてもなお慎重な見方をしたのが、NY連銀の
ウイリアムズ総裁です。
同総裁はプリンストン大学での講演で、「金利をもっと正常ないし中立的
な水準に引き上げなければならないのは明らかだが、直ちにそこに到達す
る必要があるかと問えば、答えはノーだ。それは一連のステップを通じて
実行可能だ」と語っています。(ブルームバーグ)
ウイリアムズ総裁は早急な上げ幅の拡大には慎重な姿勢を見せましたが、
足元の高インフレは終息のメドがたっておらず、大手米銀は次回から2会
合連続で0.5ポイントの利上げを予想し、最もタカ派のシティーグルー
プは3会合連続で0.5ポイントの利上げを予想しています。
個人的には、次回会合での0.5ポイントの利上げは不可避と考えますが
、原油価格はやや落ち着きを見せていることから、次回会合でのパウエル
議長の発言が多いに注目されます。
また同時に、前回会合で多くのメンバーが早急な利上げが適切へと大きく
シフトしたこともあり、今週6日(水)に公開される前回会合のFOMC
議事録の内容も注目しておきたいと思います。
ウクライナのポドリャク大統領府顧問は、キーウ(キエフ)近郊のブチャ
からロシア軍が撤退後、両手を縛られて同国軍に射殺された複数の民間人
の遺体が路上に残されているのが見つかったとツイッターで投稿し、証拠
収集を国際刑事裁判所(ICC)に求めています。フランスのマクロン大
統領は「この映像は耐え難い」とのコメントを発表していますが、ロシア
側は、画像の多くは捏造されていると反論しています。
この週末も引き続きロシアの戦争に関する報道が多くありましたが、中に
、プーチン氏は5月9日に開催されるナチスに勝利した記念日にあたるこ
の日に、「勝利宣言」を行うのではないかとの専門家の予想がありました。
この予想が的を得ているとすれば、その日まであと1カ月余りです。1日
あたり莫大な戦費が浪費されていることもあり、ロシアは総攻撃を仕掛け
てくるのもしれません。
米国とEUはロシアに対してさらなる制裁の強化を考えているようです。
通貨ルーブルの下落によるインフレと、多くの外国資本がロシアからの撤
退を決めたことに伴う失業者の増大、さらには輸入品の大幅な減少など、
ロシア国民にとってはこれからが「臥薪嘗胆」の時期です。
これらの動きが大きな反戦運動の波につながればと期待していますが、ど
うでしょう。
本日のドル円は122円~123円程度を予想します。
- [2022/04/04 09:19]
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WTI原油価格一時100ドルを割り込む
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円は上値の重い展開が続く。米長期金利の低下に
121円28銭まで売られたが、今夜の雇用統計の結果を
見極めたいとする姿勢が広がる。
◆ユーロドルは反落。1.1061近辺まで売られる。
◆株式市場は続落。引けにかけて下げが拡大し、3指数は
揃って1.5%以上の下落に。
◆債券は続伸。長期金利は2.33%台に低下。
◆金は反発。原油は米政府が備蓄原油の大量放出を決めたことで
大幅安となり、一時は100ドルの大台を割りこむ。
◆新規失業保険申請件数 → 20.2万件
◆2月個人所得 → 0.5%
◆2月個人支出 → 0.2%
◆2月PCEデフレータ → 6.4%
◆2月PCEコアデフレータ → 5.4%
◆3月シカゴ購買部協会景気指数 → 62.9
本日の注目イベント
◆日 1-3月期日銀短観
◆中 3月財新製造業PMI
◆独 独3月製造業PMI(改定値)
◆欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)
◆欧 ユーロ圏3月総合PMI(改定値)
◆欧 EU中国首脳会議(オンライン)
◆英 英3月製造業PMI(改定値)
◆米 3月雇用統計
◆米 3月ISM製造業景況指数
◆米 3月マークイット製造業PMI(改定値)
◆米 3月自動車販売台数
◆米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
バイデン大統領は31日、米国の戦略石油備蓄から1日あたり100万バレルを
今後6カ月間にわたって放出すると発表しました。バイデン氏は今年に入っての
ガソリン価格の高騰は「プーチンによる価格押し上げ」だと表現し、ロシアのウ
クライナ侵攻を非難しました。今回の石油備蓄の放出計画は過去最大規模となり
、この発表を受けWTI原油価格は大きく売られました。一時は100ドルの大
台を割り込む水準まで売られましたが、引け値は100ドル台を維持して取引を
終えています。
プーチン大統領は欧州向け天然ガス供給に関して、ルーブルでの代金支払いを要
求したものの、ドイツなどから拒否されたことから、欧州への供給を停止するの
かどうか、その後の動向が注目されていましたが、結局供給を継続する意向を表
明しました。
ロシアにとって、天然ガスなど資源輸出による収入は大きく、ウクライナへの進
行で「戦費」が拡大していることから外貨の獲得を優先したとみられます。
今朝の報道では、2月24日にウクライナ侵攻を開始したものの、その後のウク
ライナ軍の徹底した抗戦で戦闘が長引き、ロシア側もかなりの損失が出ている模
様です。
NATO高官は、ロシア側の死者数は7000人~1万5000人との見方を発
表しており、1日あたりの戦費も侵攻開始時点では70億ドル(約8000億円
)でしたが、その後は200億ドル(約2兆5000億円)規模に膨らんだと推
計されています。
この状況が1カ月続くとロシアのGDPの4割、2カ月半で1.5兆ドルと言わ
れているロシアのGDPの100%に相当する(日経新聞)戦費となり、経済的
にも非常に厳しい状況に追い込まれます。米国を始め西側諸国の制裁が強化され
ている中、それらの国からのロシアへの輸出量は大幅に減少することが予想され
ますが、ロシアからの輸出についても大きく制限されており、厳しい状況です。
オーストラリア政府はロシアとベラルーシからの全ての輸入品に対して35%の
追加関税を課すことを決定しています。これは既に適用されている関税率に上乗
せされることになります。
ロシアとウクライナの交渉はビデオ会議方式で本日再開する見通しです。
2月の個人消費支出は減少しており、物価高が消費を抑制しているとみられます。
一方PECデフレータは前年同月比で6.4%上昇しており、1982年以来4
0年1カ月ぶりの高水準でした。またコアデフレータも5.4%増と上昇してお
り、FRBの連続利上げを促す結果になっています。
昨日のNY株式市場は3指数が大きく売られ、再び下落基調に戻ったのではない
かとの懸念が出てきました。
主要3指数は3月半ばに底を打ち、その後急回復してきましたが、FRBによる
利上げ観測の常態化やウクライナ情勢の混迷など、なかなか元の水準まで戻すの
は厳しいようです。
ドル円も同じように、122円台半ばまでは戻りますが、再び121円台前半ま
で押し戻されています。
ドルの上昇基調は変わっていないとみていますが、これまでのようなスピードで
円が売られる状況ではなくなった印象です。下値のメドは121円を維持できる
かどうかです。本日は21時半に雇用統計の発表があります。
非農業部門雇用者数は「49万人」と予想されており、2月よりは低水準ですが
この予想が維持されていれば、労働市場は順調に伸びていると判断できそうです。
本日のドル円は121円20銭~122円70銭程度を予想します。
- [2022/04/01 09:37]
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