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ドル円小動きの中127円台半ばを超える 

ひと目で分かる昨晩の動き 

欧州市場

◆ドル円はNY市場が休場の中、小動きながら堅調に推移。
127円83銭まで買われ、約1週間ぶりに127円台
半ばを超える。
◆ユーロドルは続伸。1.0787まで上昇。7月の
利上げに加え、スペインのCPIや9月の利上げを支持する
報道が支えに。
◆欧州株式市場ではFT、DAX、CACなどが
1カ月ぶりの高値に。
◆原油価格は続伸し、117ドル台に。

本日の注目イベント

◆独   独4月輸入物価指数
◆豪   豪1-3月期経常収支
◆豪   豪4月住宅建設許可件数
◆日   4月失業率
◆中   5月中国製造業PMI
◆中   5月中国サービス業PMI
◆独   独5月失業率
◆欧   ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値)
◆英   英4月消費者信用残高
◆米   3月FHFA住宅価格指数
◆米   3月ケース・シラ-住宅価格指数
◆米   バイデン大統領、FRB議長と会合

昨日のドル円は、いつものように東京時間朝方には127円を割り込み、
126円86銭まで売られましたが、その後は127円台を回復したもの
の、上値の重い展開が続きました。日経平均株価が大きく買われ、リスク
オンが進み、円が売られ易い状況だったにもかかわらず、127円台前半
では「蓋をされた」状況でした。
しかし海外市場ではこれまでの動きとは異なり、127円台半ばを抜け、
127円83銭までドル高が進み、5月24日以来となる127円台後半
までドルが買われました。
相場のセンチメントが一夜にして変わったとは言いませんが、再びインフ
レ懸念が台頭してきたことがドルを押し上げたとみられます。
昨日はNY市場が休みだったため、米長期金利の動きはありませんでした
が、今夜のNYでは長期金利が上昇すると予想します。

FRBのウォラー理事は、インフレが米金融当局の目標に向って緩和され
るまで0.5
ポイントずつ利上げしていくことを望むと述べました。
ウォラー理事はフランクフルトのイベントに出席し、「数回の会合でさら
に50ベーシスポイントの引き締めを支持する」と述べ、「具体的にはイ
ンフレ率が当局の目標である2%に近づくまで沈静化しない限り、50b
pの利上げを選択肢から排除しない」との考えを示しました。
高インフレは国民の不満を招いており、中間選挙を控え、バイデン政権の
支持率にも影響しているとみられます。バイデン大統領は今夜、パウエル
議長と会合を持つことになっており、政治的圧力もないとは言えない状況
です。
市場の観測では6、7月の0.5ポイントの利上げは既に「確定」してい
るとみており、焦点はその次の会合である9月のFOMCで、利上げがあ
るかどうかに移っています。
少なくとも、昨日までの見方では、0.25ポイントの利上げ、もしくは
見送りといった選択肢が想定されており、どちらかと言えば「見送り」が
優勢な状況でした。
昨日のウォラー理事の発言に加え、WTI原油先物市場では原油価格がさ
らに上昇し、
117ドル台まで買われていることも、インフレ率は簡単には鈍化しない
ことを示唆しており、ドル高に一役買ったようです。北海ブレント原油は
121ドル台で取引を終えています。

普段余り注目されませんが、スペインの5月のCPIが「8.5%」と前
月を上回ったことで、ECBに対する利上げ圧力が一段と強まりました。
ECBのチーフエコノミストであるレーン理事はインタビューで、「正常
化は25ベーシスポイント単位の利上げが自然な焦点だ。7月と9月の2
5bp利上げが基準のペースだ」と語り、「これ以外の動きについての議論
は7月や9月にこれより大幅な利上げをする根拠を示さなければならない
」と述べ、ラガルド総裁と同様の考えを示しました。

これまで重かった127円台半ばが一旦上抜けしたことで、ややドル上昇
の余地が出てきた印象です。ただ、昨夜のウォラー理事の発言だけでドル
高を予想するのは早計です。今後も物価上昇に関するデータを見極める必
要がありますが、急速に買い戻しが進んだ株式市場の動きも重要です。
また、バイデン大統領とパウエル議長の会合も気になるところです。

本日のドル円は127円20銭~128円50銭程度を予想します。


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4月PCEデフレーは前月より鈍化 


ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は上値の重さは相変わらずだが、株価が大きく上昇した
ことから円売りも続き、底堅く推移。この日のドル高値は
127円25銭。
◆ユーロドルは小幅に反発。NYでは終始1.07台で
推移し、1.0750まで上昇。
◆株式市場はほぼ全面高。ダウは575ドル上昇し、6日続伸。
アップルなどのハイテク株も大きく買われ、ナスダックは
390ポイント高。
◆債券はこの日も小動きで横ばい。長期金利は2.73%台で推移。
◆金は続伸。原油も3日続伸で115ドル台に乗せる。

◆4月個人所得                 →  0.4%
◆4月個人支出                 →  0.9%
◆4月PCEデフレータ             →  6.3%   
◆4月PCEコアデフレータ           →  4.9%
◆5月ミシガン大学消費者マインド(確定値)   →  58.4

本日の注目イベント

◆独   独4月輸入物価指数
◆独   独5月消費者物価指数(速報値)
◆欧   ユーロ圏5月景況感指数
◆欧   EU首脳特別会合(ブリュッセル、31日まで)
◆欧   ユーロ圏5月消費者信頼感指数
◆欧   ユーロ圏5月消費者信頼感指数(確定値)
◆米 休場 (メモリアルデー)

ドル円は依然として上値が重く、先週末のNYでも株価が大きく上昇し、
リスクオンが進む流れだったにもかかわらず、127円25銭止まりでし
た。ユーロドルでややドル安が進んだこともありますが、米長期金利がこ
れまでの動きとは異なり2.7~2.8%台で落ち着いてきたことが大き
な要因かと考えます。株価が急速に出直ってきていることで、債券が売ら
れ、長期金利が上昇してもおかしくはない状況ですが、反応は見られませ
ん。その背景には、「米インフレはピークを越えたのでは?」との観測が
高まり、FRBは今後急速な引き締めは行わないといった見方が徐々に増
えてきたことがあります。先週末に発表された4月のPCEデフレータは
年率で「6.3%」と、3月の「6.6%」から低下しており、コア・デ
フレータでも「4.9%」と、先月の「5.2%」から鈍化しており、米
インフレがピークを付けた可能性は否定できません。
もっとも、だからと言って米インフレが急低下することはなく、当面は高
水準が続くと思われます。

経済データ面からは明らかに米景気の鈍化が窺えます。
S&Pグローバルの集計する製造業PMIやサービス業PMI、5月のフ
ィラデルフィア連銀景況感指数、さらには住宅着工件数など、多くの指標
が米景気の下振れを示してきました。
そのため、6、7月のFOMCでの0.5ポイントの利上げ観測は不変と
しても、9月の会合では「利上げを見送る」との見方も台頭してきました。
実際には、さらに今後の経済データを確認する必要がありますが、市場の
タカ派観測が急速にしぼむようだと、ドルの上値が徐々に切り下がり、円
買いが一気に進むことも想定され、注意は必要です。WTI原油価格が引
け値で115ドル台で終わるのは、3月初旬以来のこととなり、インフレ
懸念はまだ払拭できないと考えますが、市場が常に先を読むことは、今に
始まったことではありません。
今後の焦点は、「米インフレが本当にピークを越えたのかどうかを確認す
る」といった点になろうかと思います。

NY株式市場の戻りが勢いを増しています。
ダウは6連騰で、ここ2日は連日で500ドルを超える上昇を見せていま
す。この間の上昇幅は2000ドルに迫り、3月あたりから始まった大幅
な下げ幅の半分ほど回復したことになります。
多くの機関投資家が基本としている、S&P500も20日の安値から9
%上昇し、この10年で最も長い週間ベースでの下落局面から脱し、20
20年以来の大幅な上昇を記録しました。(ブルームバーグ)
下落が続いたことで、1株あたりに当期利益の何倍まで買われているかを
示す「PER」が大きく低下し、割高感が薄れたとの指摘がある一方、「
まだ底入れ感がない」といった声もあるようです。為替に比べ、1日の値
幅も大きく乱高下を繰り返しているNY株の動きが、再び為替にも影響を
与える局面が来るとみています。

ロシア軍は集中砲撃などの猛攻によりウクライナ東部で着実に前進し、ル
ハンスク州のほぼ全域を制圧した模様です。ゼレンスキー大統領は28日
夜のテレビ演説で、「表現できないほど厳しい。ウクライナ軍は持ちこた
えている」と厳しい表情で述べていました。
また、ロシアのウクライナ侵攻100日が近づく中、「(ロシアは)少な
くとも何らかの戦果を強引にでも得ようとしている」とも述べています。
ゼレンスキー氏は本日から行われる「EU首脳特別会議」で演説を行う予
定です。フランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相は28日、ロ
シアのプーチン氏と80分間にわたり電話会談を行い、停戦とロシアによ
る捕虜解放、ウクライナ産穀物の輸出を可能にする南部オデーサの封鎖解
除を求めましたが、プーチン氏からは明確な返事はないようです。

トルコ中銀は26日、政策金利の据え置きを決めました。高インフレが続
く中、同中銀はこれで、5カ月連続で金利を据え置いています。
エルドアン大統領はイスタンブールで実業界のグループに対し、「指標金
利とインフレの関連性を押し付けようとしてくる人々は無学か売国奴だ」
と主張し、「ロンドンやNYから世界を見ることにしか能のない人々のむ
やみな話に注意を向ける必要はない」と続けました。(ブルームバーグ)
トルコのインフレ率は今や70%と、中銀が公式に目標とする水準を14
倍上回る水準にまで物価上昇が進んでいます。

本日のドル円は126円50銭~127円80銭程度を予想します。


NYダウ大幅高で5日続伸 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は前日と同じ展開で、126円台後半から反発し、127円台半ばまで上昇。株価の大幅続伸でリスクオンが進み円が売られたが、127円台半ばがやや壁となる。

  • ユーロドルは反発。再び1.07台を回復し、1.0732まで上昇。

  • 株式市場は3指数が揃って大幅高。ダウは516ドル高で、5日続伸。ウォルマートなど小売銘柄が上昇をけん引。

  • 債券はこの日も小動きでほぼ横ばい。

  • 金は反発。原油は大幅に続伸し114ドル台に。

本日の注目イベント

  • 豪 4月小売売上高
  • 日 5月東京都区部消費者物価指数
  • 中 4月工業利益
  • 欧 ユーロ圏4月マネーサプライ
  • 米 4月個人所得
  • 米 4月個人支出
  • 米 4月PCEデフレータ   
  • 米 4月PCEコアデフレータ
  • 米 5月ミシガン大学消費者マインド(確定値)

ドル円もユーロドルも前日と同じ展開となり、方向感はなく、ドル円では127円台半ばがやや壁になりつつあります。従って、上値では127円40-60銭近辺を抜け切ることができるかどうかで、今後の展開も変わってきそうです。東京市場の引けから欧州市場が参入する時刻の15-16時半くらいにドル円は127円を割り込み、126円80銭近辺まで売られましたが、その後はもみ合い、NYでは株価の大幅上昇に、リスクオンの流れがやや強まり、円売りが優勢となり127円台半ばまでドルが買われる展開でした。

これで米長期金利が上昇し、2.9%台にでも上昇する展開であれば、もう少しドルが上伸するところですが、株価の大幅反発にもかかわらず、債券相場は底堅く、金利上昇に結び付きません。NYダウは5日続伸し、3万2600ドル台まで値を戻してきました。売られ過ぎたということもあろうかと思いますが、インフレ懸念が払しょくされたわけでもなく、FRBの利上げスタンスは変わっていません。足元の株価の上昇は単なる「ショートカバー」の域を出ていないと思われますが、ここまで値を戻して来ると、専門家の中には「強気」に転じる人もいます。シティー・グループのストラテジストは、バリュエーションが割安だとして「押し目買い」を推奨しています。ただし、これは米国株ではなく、欧州株と新興国市場を挙げています。レポートでは、シティーの「弱気相場チェックリスト」のうち、警鐘を鳴らしているのは18項目中6項目のみで、過去において市場の警戒信号が現在と同じような水準まで示した際には、その後12カ月で株式相場は平均31%上昇したと指摘しています。

ブリンケン国務長官は26日、バイデン政権の対中戦略を説明しました。ブリンケン氏は、「世界は重大な瞬間を迎えている。中国政府がその軌道を変更するのに頼るわけにはいかない。従って米国は開かれた包括的な国際システムというわれわれのビジョンを推し進めるため、中国政府を取り巻く戦略的環境を形作っていく」と語っています。バイデン政権は昨年3月に公表した国家安全保障戦略の暫定版で、中国を「唯一の競争相手」と位置づけましたが、ブリンケン氏は、同盟国、特にインド太平洋諸国と緊密に協力した上で、「公平な競争の場」で中国と競い合うと説明しました。また、習近平体制は中国に繁栄をもたらした国際システムを積極的に損なっているとしながらも、「中国との間で新たな冷戦が始まることを米国は望んでいない」も述べています。(ブルームバーグ)

NY連銀は、「今のインフレショックが一時的なものであり、物価上昇率がより長期的には低位安定すると米国の消費者はおおむね予想している」との調査結果を発表しました。短期のインフレ期待は上向いているものの、消費者は5年後の物価上昇率を3%程度とみているとNY連銀の調査は示していますが、足元の米長期金利の上昇が抑制されつつあることとの関係は不明です。昨日のNY株式市場で、日本の「100円ショップ」にあたる「ダラー・ツリー」や「ダラー・ゼネラル」の株価が大きく買われ、ダウ指数をけん引したことを見ても、米国の消費者はインフレに対応するため、より価格の安いものへとシフトしていることがうかがえます。NY連銀の調査結果では「3%」と、まだFRBが目標とする「2%」を大きく超えています。またそれが「5年後」の物価水準であるということで、足元ではWTI原油価格が再び114ドル台まで上昇し、ウクライナでの戦争も長期化するとの見方が強まっている中、FRBがインフレを抑え込むには、さらなる景気減速を引き起こす必要があるのではないでしょうか。

本日は4月のPCEデフレータやコア・デフレータが発表されます。いずれも前月よりも低下していると予想されていますが、結果次第ではこのところ静かな米長期金利も大きく動く可能性があります。ドル円もその動きに追随することも考えられます。

本日のドル円は126円30銭~127円80銭程度を予想します。
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米国でまた銃の乱射事件がおき、21人もの人が命を落としました。先日もNY州バッファローのスーパーで黒人を標的にした乱射事件があり10人が死亡したばかりでした。

今回はテキサス州の小学校で起きました。「ユバルディ」という、これまで聞いたことのない名前の小さな町での事件です。小学生18人が犠牲となり、幼い命が一瞬にして奪われた悲惨な事件です。この事件に関する記事には、近所の人の話として、「まさかここでこんなことが起こるなんて・・・」といった言葉が紹介されていました。「ちょっと待ってくださいよ。確かに気持ちは理解できますが、少なくともその小さな町も米国の一部ですよ」と言いたいです。

「銃を持つことは米国人の基本的な権利の一つ」とされ、ほとんどの人が身を守るために銃を保持している米国では、大きな都市でも、小さな町でも同じです。スイスのジュネーブに本拠を置く団体、スモール・アームズ・ベリーの2018年の報告書によれば、米国の銃器保有者は3億9330万丁を保有しているそうで、米国の人口約3億3000万人を上回る数です。銃規制に反対する「全米ライフル協会」は、非常に大きな圧力団体として米政治家に多額の寄付を行っているが現実です。ウクライナで民間人を無差別に攻撃するロシアを非難するのも大いに結構ですが、その前に、自国でいつでも、どこででも起こりうる「悲劇」を生む、この不合理な法律を撤廃することに熱意を傾けて欲しいと思います。

米韓首脳会談に続き、日米首脳会談、クワッド首脳会議を終えて帰国したバイデン大統領を迎えたのは、この悲しい知らせでした。バイデン氏は「学校内での銃犯罪は、もううんざりだ」と怒りを表していました。アジア訪問で、それなりの成果を感じ取ったバイデン氏も、この悲惨な事件を耳にして、一気に疲れを感じたはずです。

2会合で0.5ポイントの利上げで一致。FOMC議事録 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は127円台を回復し、127円49銭まで反発。
FOMC議事録では目新しい内容は見られず、株価が上昇したことで
リスクオンの流れから円が売られた。
◆ユーロドルは反落。前日の1.07台半ばから1.0642まで
ユーロ売りが進む。
◆株式市場ではダウが191ドル上昇し、4日続伸。
ナスダックとS&P500も反発。
◆債券は横ばい。長期金利は2.74%台で推移。
◆金は反落し、原油は反発。

◆4月耐久財受注      → 0.4%  

本日の注目イベント

◆トルコ  トルコ中銀、政策金利発表
◆米   1-3月GDP(改定値)
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   4月中古住宅販売成約件数
◆米   イエレン財務長官、対中政策についてスピーチ
◆加   カナダ3月小売売上高

今月3-4日に開催されたFOMCでは、今後2会合で0.5ポイントずつ
の利上げが必要だとの認識で大部分のメンバーが一致していたことが、公表
された議事録で明らかになりました。
議事録では、「向こう2回の会合で0.5ポイントずつの利上げを行うこと
が適切となる公算が大きいだろうと、大部分の参加者が判断した」と記され
ており、また「政策緩和の解除を早めれば、委員会は年内において、政策引
き締めの効果、および経済の展開が政策調整をどの程度正当化したかを見極
める上で良い位置につけることが出来ると、多くの参加者が判断した」とし
ていました。
ただ少数意見だったようですが、急速な利上げが金融市場へ与える影響を懸
念する声もあったようで、議事録は「金融安定に関する問題に言及した幾人
かの参加者は、金融引き締めが米国債券市場の流動性や民間部門の仲介能力
に絡む脆弱性と相互作用を起こす可能性を指摘した」と記されていました。


5月会合では0.5ポイントの大幅利上げが実施されたこともあり、市場は
どのような議論が交わされたのか注目していました。中には、「タカ派的」
な意見もあったのではと警戒感もありましたが、蓋を開けてみたらサプライ
ズはなく、株式市場では「安心感」から株価が上昇。ダウは4日続伸し、3
万2000ドルの大台を回復してきました。
前日126円台半ばまで売られたドル円も127円台を回復し、127円4
9銭まで反発しています。株価の上昇からややリスクオンが進んだことで、
円が売られたようです。
127円という、これまでの重要なサポートを割り込んだことで、126円
37銭までドルが急落しましたが、昨日はひとまず反発したことでドルロン
グの投資家は胸を撫でおろしたことと思います。しかしまだ安心は出来ませ
ん。ドルの上値は依然として重く、米長期金利も同様な動きを見せています。
127円前後は重要なレベルでしたが、もっと重要なのが125円前後です。
この水準は4月13日以降、一度も割り込んでおらず、一目均衡表(日足)
でも、現在雲の上限が125円19銭辺りに位置しており、ここから「抵
抗帯」があることを示しています。
筆者は「相場の基準は日足にある」と考えており、その意味からも上記「抵
抗帯」を割り込んだら、相場は転換したと判断出来るのではないかと思いま
す。ドル円はまだ上昇し130円台を目指す可能性があると考えていますが、
それには昨日のNYのように株価が大きく反発し、リスクオンが強まるか、
あるいは、今後発表されるインフレ指標が上振れし、9月会合でも0.5ポ
イントの利上げが必要との見方が強まる、といった「支援材料」が不可欠で
す。

中国の李克強首相は、地方当局や国有企業、金融機関と景気について協議を
行い、新型コロナウイルスのパンデミックが世界を襲った2020年よりも
幾つかの側面で悪化しているとの見方を示し、「中国の経済統計は著しく悪
化している。厳しさは幾つかの側面において、またある程度において、パン
デミックの打撃を受けた2020年よりも深刻だ」と述べています。(ブル
ームバーグ)
「ゼロコロナ」を目指す習近平国家主席の号令の下、北京や上海では徹底し
た新型コロナウイルスの封じ込めが実施されています。
個人や家庭のプライバシーも脅かされる状況に、国民の怒りを買っていると
の報道もあります。上海ではロックダウン解除も決まっているようですが、
感染状況次第では中国の「ゼロコロナ」戦略が今後、世界経済のリスク要因
になる可能性もありそうです。

本日のドル円は126円60銭~127円90銭程度を予想します。


ドル円1カ月半ぶりに126円台半ばへ 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆上値の重い展開が続いていたドル円は126円37銭まで急落。
米長期金利の低下や株安など、外部環境の悪化に節目の127円を
割り込んだことから円を買い戻す動きが加速。
◆ユーロドルでもドル安の流れが続き、ユーロは5週間ぶりに
1.0748まで続伸。
◆株式市場ではダウが3日続伸したものの、ハイテク株が大きく
売られた。ナスダックは270ポイント下げ、年初来安値を更新。
◆債券は続伸し、長期金利は2.75%台と、約1カ月ぶりの
水準まで低下。
◆金は続伸し、原油は小幅安。

◆5月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)      →  57.5
◆5月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)    →  53.5
◆5月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)   →  53.8
◆5月リッチモンド連銀製造業景況指数          →  -9
◆4月新築住宅販売件数                 →  59.1万件

本日の注目イベント

◆日  3月景気先行指数(CI)(改定値)
◆日   黒田日銀総裁講演(オンライン)
◆独   独6月GFK消費者信頼感
◆独   独1-3月期GDP(改定値)
◆欧   ECB金融安定報告
◆米   4月耐久財受注
◆米   FOMC議事録(5月3-4日分)

やはりと言うか、ついにと言うか、上値の重かったドル円はこれまでサポートとして
機能してきた127円前後を割り込むと売りが加速し、126円37銭までドル安が
進みました。この水準は4月18日以来ということになりますが、外部環境の悪化が
ドル売りにつながった側面があろうかと思います。

先ずは株価の大幅下落です。
ダウは小幅に上昇し3日続伸したものの、無残なのはハイテク銘柄の多いナスダック
指数です。アップルなど、いわゆる「GAFA」が大きく売られ270ポイントの大
幅安で引けています。通常、ナスダック指数は金利上昇に対しては弱い部分がありま
すが、この日は米長期金利は約1カ月ぶりとなる低水準を付けています。
因みに、何かと話題の多いイーロン・マスク氏率いるテスラ株は、昨年11月のピー
クからほぼ半分になっています。もっとも、同氏は納税のためや、ツイッター買収資
金確保のため、いい水準でかなりの株数を売却してはいますが・・・。
さらに見逃せないのが、ユーロドルの動きです。
2週間前には1.03台半ばまでユーロ安が進みましたが、そこから400ポイント
程反発し、昨日は1.0748までユーロ高が進んでいます。ユーロドルでユーロ高
が進んだ影響から円買いが加速したとも言えそうです。

FRBは積極的に利上げを進める可能性が高く、しかもその過程で景気減速や株価の
大幅下落などの「痛み」は想定内との立場を明らかにしています。
インフレ阻止を最重要課題にしているFRBは、インフレ率の上昇が止まり、低下傾
向を見せるまでは今のスタンスを維持するものとみられ、株式市場にとっては逆風が
続きます。ただ、それは債券市場にとっても同じことで、今後金利がさらに上昇する
とすれば債券は売られ、金利が上昇することになります。これが4月の下旬から5月
の初旬まで見られた現象で、5月9日に米長期金利は3.2%まで上昇しました。

株式と債券の大きな違いは、3.2%でその債券を購入すれば、「発行元が破綻しな
い限り償還まで3.2%のクーポンが保証される」点です。この場合、発行元は米財
務省、すなわち米国政府ということになり、原則、破綻は考えられません。日本の機
関投資家、とりわけ生保は契約者にコミットしている「予定利率」との兼ね合いで、十
分ペイするとすれば、10年債や30年債などを購入することで、それ以降の金利変動
リスクを「ロック」することができます。生保会社にとって、顧客との保険契約は「負債」
であり、それを長期国債という「資産」を購入することでヘッジ出来ることから、
金利上昇局面のどこかで債券を購入する機会を常に窺っており、債券への投資は非
常に有効な手段の一つになります。

ブルームバーグよると、米ゴールドマンとBOAのストラテジストは、「米金融当局
が金融引き締めを示唆するまで、米国株はさらに下落する可能性がある」と指摘して
いると報じ、一方債券については「ウォール街、米国債買いを再開・・・最悪過ぎ、安
全とみるベテラン」といった見出しの記事を掲載しています。
記事では、「多くの悪いニュースが織り込み済みの段階に来つつある」とし、10年
債利回りが3%余りでピークとなった2013年と18年に環境が似ていると分析。
「現金を減らして米国債を買っている」といった、Tロウ・プライス・インベストメ
ントの投資戦略者のコメントを紹介しています。
また世界最大の運用会社であるブラックロックの担当者なども同じスタンスだと紹介
し、「インフレが依然40年ぶりの高水準にありFRBの積極的利上げサイクルもま
だ初期にある今、底を打ったという人はほとんどいないが、利回りが今年に入って大
幅に上昇し10年債ではほぼ2倍になっている状況は過去の買い場を連想させる」と、
記事は結んでいます。

「米長期金利は3.5%まで上昇し、ドル円は135円台を目指す」と、多くの市場
関係者が口を揃えた4月頃のセンチメントとは明らかに異なってきました。ただ、今
のこの市場のセンチメントもこの先またどうなるのかは不透明です。相場というもの
はやはり簡単ではありません。

ECBは7月利上げに向って着々と準備を進めているようです。ラガルドECB総裁
は24日、ユーロ圏の金融政策は「転換点」に至ったとして、7-9月末までにマイ
ナス金利を脱するとの認識を改めて示しました。ただそれでも、緩和引き締めを急ぎ
はしないと強調しています。またフランス中銀のビルドワドガロー総裁も、0.5ポ
イント利上げのコンセンサスはないと述べています。
ビルドワドガロー総裁は、「0.5ポイント利上げは現時点でECBのコンセンサス
に含まれていない。これを明白にしておく」と述べ、「金融政策の正常化であって引
き締めではない。利上げは漸進的なものになる」と、ダボス会議後のインタビューで
語っています。ECBもいよいよ「金融正常化」に向けて一歩踏み出すようです。

本日のドル円は126円~127円50銭程度を予想します。


NY株大幅に反発 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は127円台前半では底堅いものの、128円台が
依然として重い展開。米長期金利の上昇にもかかわらず、ユーロ
ドルでドル安が進んだ影響から終始127円台で推移。
◆ユーロドルは続伸し、1.0697までユーロ高が進む。
約4週間ぶりの高値を付ける。
◆株式市場は大幅に上昇。バイデン大統領が中国からの関税
引き下げに言及したことを好感し、ダウは618ドル高。
◆債券相場は反落。長期金利は2.85%台へと上昇。
◆金は3日続伸。原油は横ばい。

本日の注目イベント

◆独   独5月製造業PMI(速報値)
◆独   独5月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏5月製造業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏5月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏5月総合PMI(速報値)
◆英   英5月製造業PMI(速報値)
◆英   英5月サービス業PMI(速報値)
◆米   5月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
◆米   5月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
◆米   5月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)
◆米   5月リッチモンド連銀製造業景況指数
◆米   4月新築住宅販売件数
◆米   パウエル議長、経済イベントで挨拶

岸田首相とバイデン大統領は、対面では初となる首脳会談を昨日迎賓館で
行い、首相は防衛費を大幅に増額する意向を示しました。バイデン大統領
は記者会見の場で、中国が台湾に侵攻した場合に米国が軍事的に関与する
意志があるのかとの質問に、「はい、それが我々の約束だ」と、明確に答
えました。
共同声明では「中国を念頭とする抑止力強化へ日米が協力する」との文言
も挿入されています。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、日米の連携が強固であることを示すとと
もに、中国を強くけん制したものとみられています。

「弱気相場入り」した可能性が高いとされ、一時は3万500ドル台まで
売られたNYダウは前日比618ドル高と大幅に上昇し、3万1800ド
ル台まで反発してきました。
バイデン大領がトランプ前政権下で発動された対中関税を見直ししている
と述べたことなどが材料視されました。
また、大手米銀JPモルガンのダイモンCEOが米経済にかかる「暗雲」
は消える可能性があると述べたことも株価を押し上げたようです。
大手米銀とはいえ、一銀行のCEOの発言が株式市場に影響を与えたこ
とにはやや驚きです。

株価が大幅に上昇したことで、買い戻しが進んでいた債券が売られ、長期
金利は2.85%台まで上昇しましたが、昨日のドル円は金利高には反応
せず、むしろユーロドルでユーロ高が進んだことに引っ張られ、NY市場
では終始127円台で推移しています。
ユーロドルは1.07手前まで買い戻しが進み、約4週間ぶりの高値を付
けましたが、ラガルド総裁が「7月に利上げをする公算が大きい」との見
方を示したことや、ドイツ企業の景況感が改善を示したことがユーロの買
い戻しを誘発したようです。
1. 03台半ばまで売られたユーロが大きく反発したことで、「6時
間足」までのチャートでは買いシグナルが点灯しており、4月の高値であ
る1.09台前半がこの先のレジスタンスとみています。

上値を重くしているドル円が再び130円台を回復し、131円を目指す
にはもう一段のタカ派的観測が不可欠かと思いますが、昨日は真逆の発言
がありました。アトランタ連銀のポスティック総裁は地元のロータリーク
ラブでの講演で、「今後2回のFFOMC会合で政策金利をいずれも0.
5ポイントずつ引き上げた後、9月に利上げをいったん停止する可能性が
ある」と述べました。その上でポスティック総裁は、「インフレが現在と
は違う方向に展開し始めた場合は、より積極的に動くことにオープンでな
ければならないだろう。検討対象から解除しているものは何もないことを
明確にしておきたい」と語っています。(ブルームバーグ)
この発言は、市場では0.25ないしは0.5ポイントの利上げを予想し
ている現状からすると、かなり「ハト派寄り」と考えられます。
2会後連続での0.5ポイントの利上げは既に市場に織り込まれています
が、実施されてもFF金利の誘導目標は1.75%~2.0%にしかなり
ません。
9月会合で利上げを停止した場合、年内残りの会合は11月と12月の2
回となります。
中立金利を仮に3%と見た場合でも、2会合では少なくとも再び0.5ポ
イントの利上げが必要となり、中立金利をもう少し上に見れば、そのうち
の1回は0.75%という大幅利上げを迫られる可能性も出てきます。
6月、7月で連続利上げを実施し、その効果を見極める意味からデータを
確認するのは当然ですが、11月の中間選挙を考えると残された時間的な
余裕はあまりありません。政治的な圧力も徐々に増してくると予想してい
ます。


今日でロシアがウクライナ侵攻を開始してから、ちょうど3カ月が経過し
スイスのジュネーブでロシアの国連代表部に勤務している外交官、ボリス
・ボンダレフ氏がウクライナ侵攻に抗議して辞任したことが報じられてい
ます。
ウクライナでの戦争を同国外交官が公に非難したのは、これが初めてのこ
とのようです。
また、ウクライナの首都キーウの裁判所は、戦争犯罪で初めて訴追された
ロシア軍兵士に
「終身刑」の判決を言い渡しています。
ゼレンスキー大統領は、スイスのダボスで開催中の世界経済フォーラムで
演説し、ロシア経済を世界から遮断すべきだと訴えるとともに、ロシアの
侵攻でもたらされた荒廃から復興するためのウクライナ支援を投資家に呼
び掛けています。
ロシアではマクドナルドに続き、スターバックスもロシアからの完全撤退
を決めました。「米国の象徴」とも言える両社が撤退することで、ロシア
の失業率は大きく上昇すると予想されますが、制裁の効果はじわじわと出
て来た印象です。

本日のドル円は127円~128円50銭程度を予想します。


日米首脳会談開催 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は128円を挟みもみ合う。米長期金利が低下したことで
127円60銭まで売られたが、勢いはなく128円手前まで反発。
◆ユーロドルは1.05台で推移。7月利上げの可能性が高まるものの、
景気減速懸念から上値も限定的。
◆株式市場はまちまち。ダウは一時600ドル下げる場面もあったが、
その後急回復し、プラスで引ける。ナスダックは33ポイント下げ、
年初来安値を更新。
◆債券は続伸。長期金利は2.78%台に低下。
◆金と原油は中国情勢を手掛かりに続伸。

本日の注目イベント

◆日   日米首脳会談
◆トルコ トルコ4月消費者物価指数
◆独   独5月ifo景況感指数
◆欧   ベイリー・BOE総裁講演(ウイーン)
◆欧   世界経済フォーラム年次総会(ダボス)
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演


昨日の午後バイデン大統領は韓国の訪問を終え、大統領専用機「エアフォ
ース・ワン」で米軍横田基地に到着しました。バイデン氏の訪日は大統領
就任後初めてとなり、本日岸田首相と首脳会談を行います。
会談では「ウクライナ支援問題」や「中国問題」など、議題も多い中、日
本は防衛費の増額を表明するとみられています。
ウクライナ問題をきっかけに、政府与党内では「防衛費をGDPの2%以
上に」との議論が活発となり、岸田首相は具体的な額には言及しないまで
も、日本の防衛費を増額する意向を表明するものとみられます。

ウクライナではマリウポリをほぼロシアに掌握されましたが、戦闘は続い
ており、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアに対する対抗姿勢をや
や変えた可能性があります。
これまで、クリミア半島奪回が勝利の証だといった表現を行っていました
が、日経新聞によると、「ロシア軍を2月24日の侵攻以前の地点まで押
し戻せば、ウクライナにとって勝利となる」と述べ、クリミア半島奪回は
目指さないとの考えを示唆しているようです。
その背景には、最大で1日当たり100人もの兵士が毎日命を落としてい
る現状を踏まえて、ウクライナの兵士の命をより多く救うためにも、「戦
争は外交を通じて終結することになる」と語っています。
当初、徹底抗戦の構えを見せていたゼレンスキー大統領も、戦争終結が第
一との考えに傾いてきたのかもしれません。
戦争は、明日で3カ月になります。
一方米国は21日、バイデン大統領が総額約400億ドル(約5兆115
0億円)規模のウクライナ支援法に署名し、法案が成立しました。

セントルイス連銀のブラード総裁は20日、FOXビジネスのインタビュ
ーで、「私は年末までに(FF金利を)3.5%に引き上げるべきだと述
べてきた。これは一部同僚が考えるより高い水準だ」とし、「より前倒し
し、インフレとインフレ期待を制御できれば、それだけ状況の改善も進む
。23、24年にはインフレがしっかり制御され、政策金利を引き下げる
こともあり得る」と語っています。(ブルームバーグ)
今回の局面で、「政策金利引き下げ」のタイミングにまで言及したのは、
ブラード総裁が初めてですが、今年積極的な利上げを行っても、果たして
来年にはインフレが収まり、利下げを議論する機会が来るのでしょうか。
やや楽観的な感じもしますが、同総裁は、今回のインフレが加速する過程
でもいち早く「大幅な利上げを行うべきだ」と早くから警鐘をならしてお
り、結局FRBは同総裁の言及に追随した形となっただけに、あなどれな
いかもしれません。

日本の4月の生鮮食料品を除く消費者物価指数は年率で「2.1%」でし
た。7年ぶりの高水準に達したことで、日銀が現行の金融政策を「修正」
するのではないかといった観測も広がり、発表直後にはやや円が買い戻さ
れる局面もありましたが、G7後の記者会見で黒田総裁は、安定的な2%
ではない。現行のイールド・カーブ・コントロール(YCC)を軸に緩和
を続ける意向を示しました。
黒田総裁は、「物価上昇の要因は、国際商品市況を中心とした輸入物価の
上昇であり、交易条件の悪化によって国民所得が流出し、経済を下押しす
る」と指摘。「マイナス金利を含む現行のYCC政策を軸とした強力な金
融緩和策を粘り強く続け、経済の回復をしっかりサポートすることが重要
だ」と述べています。ただ市場では、今後も物価上昇が続くようなら、現
行の政策の「修正」を行う可能性が高く、現在10年債の金利を基準とし
ているものを、5年債に変更するのではといった観測が有力だと予想して
います。

7月の政策会合で利上げの可能性が高まって来たユーロ圏ですが、ラガル
ドECB総裁は、「7-9月始めに資産購入を終了した後で、われわれは
その後ある時点で利上げを行い、それは数週間後かもしれない」と語り、
0.5ポイントの利上げに関しては、「現時点で何か言えることではない
」と語っています。政策メンバーのクノット・オランダ中銀総裁はデータ
次第では0.5ポイントの利上げが正当化されるかもしれないとの考えを
示していました。

本日のドル円は127円20銭~128円50銭程度を予想します。


ドル円再び127円割れを試す 


ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆荒っぽい動きが続くドル円は129円手前から2円に迫る、
127円03銭まで下落。3週間ぶりのドル安を付ける。
◆ドル安の流れが強まったことでユーロドルは大幅に上昇。
一時は2週間ぶりとなる1.0608まで反発。
◆株式市場は下げ止まらずに続落。ダウは236ドル下げ、
S&P500と共に年初来安値を連日で更新。
◆債券は続伸。長期金利は2.77%台まで低下したが、その後
持ち直し2.83%台で取り引きを終える。
◆金と原油は反発。

◆新規失業保険申請件数           →  21.8万件
◆5月フィラデルフィア連銀景況指数     →  2.6
◆4月中古住宅販売件数           →  561万件
◆4月景気先行指標総合指数         →  -0.3


本日の注目イベント

◆日  4月消費者物価指数
◆日   バイデン大統領来日
◆独   独4月生産者物価指数
◆欧   ユーロ圏5月消費者信頼感指数(速報値)
◆欧   ユーロ圏4月小売売上高



ドル円の荒っぽい動きは止まりません。昨日の東京市場オープン前には127円90
銭近辺までドル売りが進み、株価の大幅下落も予想されたことから、127円台半ば
を目指す雰囲気でしたが、直後に発表された日本の4月の貿易収支が相場を押し上げ
ました。結果は9カ月連続の貿易赤字で、輸出も伸びていましたがそれ以上に輸入が
増加しており、輸入額は過去最高でした。
この発表にドルを買い戻す動きが加速。日経平均株価の大幅な下げを横目に、午後に
は128円95銭までドル高が進みました。

9カ月連続の貿易赤字は予想されていたことで、その割にはドルの戻しが速いと感じ
ていましたが、欧州市場が参入すると流れが変わり、NYでは米長期金利が大きく低
下したことを材料に127円割れ手前までドル売りが進み、結局昨日1日の値幅は1
円90銭を超えるものでした。今週に入り、ドル円は神経質な動きを見せながらも下
値を徐々に切り下げています。
「日足」チャートでは、ローソク足が一目均衡表の「基準線」を下回り、これは今回
のドル高が加速した3月7日以来のこととなります。ドル高トレンドはまだ変わって
いないとみていますが、「基準線」を下回ったことで、「トレンド転換の予兆」と捉
えられることもできなくはなく、注意が必要です。
FRBが粛々と利上げを進めることは確実ですが、6月、7月の0.5ポイントの利
上げは既に織り込み済みで、ここから再度131円台を目指すには、例えばどちらか
の会合で「0.75ポイントの利上げの可能性」が高まるなど、新たなドル支援材料
が必要となります。重要なポイントは127円前後の水準です。
日足チャートを見れば分かりますが、このレベルは4月6日の下落時に最初にサポー
トされて以来、昨日で3回目となり、見事に下げ止まっています。
相当しっかりとしたサポートラインと見られますが、それだけにここを下抜けした場
合、かなりの下落も予想されます。この下方にはストップロスのドル売り注文も集ま
っているはずです。

カンザスシティー連銀のジョージ総裁は19日CNBCとのインタビューで、「株式
市場が大荒れの1週間となっているのは驚きではなく、金融政策の引き締めを一部反
映したものだ」と指摘し、「インフレ抑制に向け、複数回の0.5ポイントの利上げ
を支持する考えは変わらない」と述べています。
また総裁は、「現在はインフレ率が高過ぎて、それを下げるために一連の金融調整を
行う必要がある」とした上で、「今は0.5ポイントの行動に全く違和感はない」と
語っています。
インフレ阻止を最優先に掲げているFRBが利上げを行うことで、株式市場が下落す
ることは想定内といった意味合いで、これと同様な考えを、パウエル議長は今週ウォ
ールストリート・ジャーナル主催のイベントでも示しています。議長は、「物価安定
を取り戻すには何らかの痛みを伴うこともあるだろう。しかし、強い労働市場を維持
できると考えている」と述べています。

バイデン大統領はNATO加盟を申請したスウェーデンとフィンランドの首脳をホワ
イトハウスに招き、「強く支持する」と表明。ストルテンベルグNATO事務総長も
申請が速やかに受け入れられることに期待感を示しました。
また米上院はこの日、400億ドル(約5兆1000億円)余りに上るウクライナ支
援法案を86対11で可決し、バイデン大統領の署名を経て成立する運びになってい
ます。

今日は週末でもあり、NY株式市場がどのような動きをするのか興味があります。
ドルもこの先再度131円台を目指すのであれば、ここが「踏ん張りどころ」でしょ
う。間もなく、日本の4月のCPIが発表されます。
2%に届くようなら、「日銀が金融政策を修正するのではないか」といった観測も浮
上し、円が買い戻される可能性もあるかもしれません。

本日のドル円は127円~128円50銭程度といったところでしょうか。


NYダウ今年最大の下げに 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は大幅下落。米長期金利が10ベーシス・ポイントの低下を
見せたことで128円01銭まで売られる。
ユーロドルではややドル高に振れ、1.0460までユーロ安に。
◆株式市場は大幅安。インフレや企業業績への懸念が強まり、
ダウは1164ドル安と、今年最大の下げ幅を記録。他の指数も
大きく下げ、全面安の展開に。
◆債券は急反発。長期金利は2.88%台へと急低下。
◆金は反落し、原油は続落。

◆4月住宅着工件数    → 172.4万件
◆4月建設許可件数    → 181.9万件

本日の注目イベント

◆豪   豪4月雇用統計
◆日   4月貿易収支
◆欧   ユーロ圏3月経常収支
◆欧   ECB議事要旨(4月会合分)
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   5月フィラデルフィア連銀景況指数
◆米   4月中古住宅販売件数
◆米   4月景気先行指標総合指数
◆米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、講演会に参加
◆米   バイデン大統領、スウェーデン、フィンランド両首相と会談

NY株式市場が大きく下げ、ダウとS&P500は年初来安値を更新しました。
ダウは一時1200ドルを超える下げとなり、引け値ではやや戻したものの、こ
の日の安値圏で取引を終えています。
小売り大手「ターゲット」や「ウォルマート」株を中心に、消費関連株が下げを
けん引し、ハイテク株も一段安となっていまます。
「リスク回避の円買い」といった声がNYからは聞こえています。
ただ、ユーロドルなどではドル高が進み、円とドルが買われたことになります。
当然ですが、クロス円は軒並み大幅安となり、その意味では「リスク回避の円買
い」がやや戻ってきたのかもしれません。
「避難通貨としての円」や「円は安全通貨」、「有事の円買い」といった修飾語
が全く通じなくなった春先からは、やや変化が見られるような気がします。
ドル円は売られても128円70銭~90銭のレベルではサポートされ、その後
は129円台後半まで押し戻されて来ましたが、昨日は一気にその水準を割り込
み、128円前後まで下げています。ちょうど1週間前に記録した127円54
銭を目指す可能性もありそうですが、その際、127円台半ばで下げ止まるかど
うかも注目されます。

フィンランドとスウェーデンは正式にNATOへの加盟申請を行い、申請書をN
ATOのストルテンベルグ事務総長に手渡しました。事務総長は「われわれの安
全保障にとって重要な瞬間で、素晴らしい日だ。歴史的な局面にあり、この機会
を捉えなければならない」と歓迎の意を表しています。
NATO加盟国大使は18日午前に会合を開きましたが、トルコが同意せず、加
盟手続きは前進しなかったようです。
両国の加盟にはNATO30カ国の同意が必要ですが、トルコのエルドアン大統
領は重ねて反対を表明しています。
ただ、これもトルコが両国からの譲歩を引き出すための駆け引きで、加盟承認は
やや遅れる可能性はあるものの、承認されるとの見方が有力のようです。
ブリンケン国務長官はトルコの外相と会談を行い、同意への働きかけを行ってい
ます。

シカゴ連銀のエバンス総裁はブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで、
「政策金利を米金融当局が経済にとって中立と考える水準をやや上回るまで引き
上げ、利上げをそこで打ち止めにしても、インフレを現在の高い水準から減速さ
せるのに役立つと考える」と述べ、「引き締めのためにFF金利を常に引き上げ
る必要はない。引き締めの環境に到達し、そこでしばらく政策を維持することは
可能だ」と、ややはハト派寄りの発言を行っています。
イエレン財務長官は本日から始まる「G7」財務相・中央銀行総裁会議への出席
を前にドイツのボンで記者会見を行い、「政権の立場から言えることは、われわ
れは市場が決定する為替レートにコミットしているということだ」と述べ、米金
利上昇でドルへの資金流入が勢いづく中、「ドルが上昇しているのは理解できる
」(ブルームバーグ)と、現在のドル高を容認するような発言を行いました。イ
エレン財務長官からこの様な発言が出て来ることは初めてのことかと思いますが、
これで、仮にドル高がさらに進んでも「日米協調介入」の可能性は極めて低いこ
とが確認されたとも言えます。ブルームバーグは、「イエレン氏は歴代長官の一
部が表明したような『強いドル』政策支持を公には表明していないが、今回の発
言は最近のドル上昇をほとんど懸念していないことを示している」と論評してい
ます。

本日は再び日本株が下値を試す動きとなり、日経平均株価は大きく下げると予想
されます。「リスク回避の円買い」が見られるのかどうかが焦点になりそうです。
予想は127円30銭~128円80銭程度とします。




米6、7月会合で0.5ポイントの利上げ確定か? 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は堅調に推移。朝方の東京時間には129円を割り込んだが
直ぐに反発。その後は底堅い動きとなり、NYではパウエル議長の
発言を受けてドルが買われ、129円78銭まで上昇。
◆ユーロドルは反発。小動きながら終始1.05台で推移し、
1.0555までユーロ高に。
◆株式市場は大幅高。長期金利が上昇したものの、良好な経済指標
を手掛かりに3指数は揃って上昇。
◆債券相場は反落。長期金利は2.98%台まで急上昇。
◆金は続落し、原油は5日ぶりに反落。

◆4月小売売上高         →  0.9%
◆4月鉱工業生産         →  1.1%
◆5月NAHB住宅市場指数    →  69

本日の注目イベント

◆日   3月鉱工業生産(確定値)
◆独   G7財務相・中央銀行総裁会議(ボン、20日まで)
◆独   イエレン財務長官記者会見(ボン)
◆欧   ユーロ圏4月消費者物価指数(改定値)
◆英   英4月消費者物価指数
◆米   4月住宅着工件数
◆米   4月建設許可件数
◆米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、オンラインイベントで講演
◆加   カナダ4月消費者物価指数


「それをちゅうちょしない」
パウエル議長はウォールストリート・ジャーナルが主催したイベントで、こう発言し、
FRBは中立水準を超える利上げも「ちゅうちょしない」と、強い姿勢を見せました。
昨日の本欄で、パウエル議長がタカ派的な発言にシフトする可能性に触れましたが、
予想に沿った発言でした。発言を受け米長期金利は大幅に上昇し、ドル円を129円7
8銭まで押し上げました。株式市場は金利上昇にもかかわらず3指数が揃って大幅に上
昇しています。これまでにかなり売り込まれたことや、小売売上高が予想を超え、引き
続き個人消費が好調だったことが相場のセンチメントを好転させたようです。

パウエル議長は、「われわれが目にしなくてはならないのは、明確かつ納得のいく形で
のインフレ低下であり、それを確認するまで取り組みを続けていく」と述べ、「そのた
めに広く理解されている中立水準を超えることになるならば、われわれは一切ちゅうち
ょせずそれを成し遂げる」と表明しました。
議長はさらに、「経済は強く、金融緩和の後退や政策引き締めに耐えられる良好な位置
につけている」とし、「物価安定を取り戻すには何らかの痛みを伴うこともあるだろう
。しかし、強い労働市場を維持できると考えている」(ブルームバーグ)と、これまで
の発言よりもさらに一歩踏み込んだと思える発言だったと言えそうです。
議長は先のFOMC後の会見では50ベーシス・ポイントの利上げについて、「経済が
われわれの予測通りに動けば、それが議題に上がるだろう」と述べており、これで余程
想定外の事態が起きない限り、6月、7月の会合で「0.5ポイントの利上げ」は確実
になったと考えられます。この日はタカ派のブラード・セントルイス連銀総裁も発言し
ており、「次の数会合に0.5ポイントずつの利上げを実施する方向にあるようだと、
パウエル議長がこれまでに述べている」と発言し、「見通しへのリスクはあり、状況は
変わり得るが、今のところわれわれには適切な計画がある」と語っています。また、こ
の日は0.75ポイントの利上げには言及しませんでした。

足下のインフレは収まる気配がなく、FRB当局の対応の遅れを指摘する声もある中、
ここに来て当局者からは、そう言った声を払拭する意味もあるのか、タカ派的な発言が
目立つようになってきたと感じます。日経新聞はクリーブランド連銀のメスター総裁と
単独インタビューを行っています。
メスター総裁はその中で、「ウクライナ情勢や中国の『ゼロコロナ』政策は供給制約を
悪化させ、さらなるインフレを引き起こしかねない。米国でも非常に高い家賃が物価に
反映されるのに時間がかかる。今の物価情勢は上振れリスクが大きい」との認識を示し
ています。
また0.75ポイントの利上げの可能性を問われると、「インフレが十分に収まらない
事態もあり得るため、0.75%の利上げを含むあらゆる選択肢をテーブルの上に置い
ておきたい。6月と7月の利上げ幅は0.5%にとどめておくのが妥当だろうが、将来
的に0.75%とすることも排除するつもりはない」と答えています。

ウクライナ東南部のマリウポリのアゾフスターリ製鉄所から兵士265人超がロシアの
占領地域に移送されたことを受け、ウクライナ政府はこの兵士とロシア軍捕虜の交換を
模索していることを明らかにしています。
スウェーデンとフィンランドはNATOへの正式な加盟申請を18日に揃って行うこと
を発表しました。審議はこれまでにないスピードで行われる予定ですが、加盟30カ国
の承認が必要な中、トルコが難色を示しており、不透明感は残ります。
トルコはクルド人武装勢力に対する両国の姿勢を非難しており、両国は協議のためトル
コの首都アンカラに外交団を派遣する計画ですが、エルドアン大統領は「わざわざ来る
には及ばない」と述べています。一方バイデン大統領は両国首脳を19日にホワイトハ
ウスへ招待すると発表しています。

昨日のNYではパウエル議長のタカ派的な発言で129円台後半までドルが買われまし
たが、130円台には届いていません。市場は0.5ポイントの連続利上げを織り込ん
でいるものと思われ、ここから再び131円を目指すにはさらなる材料が必要かもしれ
ません。

本日のドル円は128円80銭~131円程度を予想します。


WTI原油価格2カ月ぶりに114ドル台まで上昇 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆東京時間午後には128円台後半で推移していたドル円は
欧州市場では129円台前半まで買われ、NYでは
129円61銭まで上昇。ただその後は再び軟調な展開。
◆ユーロドルは反発。前日は1.03台半ばまで売られたが、
米長期金利が低下したこともあり、1.0443まで反発。
◆株式市場はまちまちながら依然として上値の重い展開。
ダウは小幅に続伸したが、ハイテク株が売られ、ナスダックと
S&P500は反落。
◆債券相場は反発。長期金利は2.88%台へ低下。
◆金は3日ぶりに反発。原油は4日続伸し、約2カ月ぶりに
114ドル台に。

◆5月NY連銀製造景況業指数     → -11.6

本日の注目イベント

◆豪   RBA議事録
◆欧   ユーロ圏1-3月期GDP(改定値)
◆欧  ラガルド・ECB総裁講演
◆英   英4月失業率
◆米   4月小売売上高
◆米   4月鉱工業生産
◆米   5月NAHB住宅市場指数
◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁、オンライン会議で講演
◆米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
◆米   メスター・クリーブランド連銀総裁、パネル討論会に参加
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米   パウエル・FRB議長講演



東京タイムでは129円台半ばから128円70銭前後まで売られた
ドル円は、NYで再び同水準まで買われ、結局「往って来い」の動き
になりました。1日の値動きはそこそこあったものの、方向感に欠け
る展開でした。激しい攻防が続くウクライナ情勢と、新型コロナウイ
ルスの拡大に伴う中国の景気減速が相場の重しになっています。
上海では長く続いているロックダウンが解除される見通しですが、ま
だ不透明感は残っているようです。また米国でも、昨日発表された5
月のNY連銀製造業景況指数は「-11.6」と、前月から36ポイ
ント余り落ち込んでいました。
同指数は「ゼロ」が活動の拡大と縮小の境目で、マイナスに落ち込ん
だことで、他の指標へも影響するとみられ、米国は「今年の後半にか
けてリセッション入りする」といった見方を裏付ける結果になりまし
た。

スウェーデン政府は16日、NATOへ加盟申請することを正式に決
定しました。アンデション首相はフィンランドと同じ歩調を採ること
を説明し、約200年にわたって維持してきた軍事的中立を、ロシア
のウクライナ侵攻を受けて大きく転換することとしました。
これに対してプーチン氏はロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約
機構」(CSTO)の首脳会議をモスクワで開き、フィンランドとス
ウェーデンのNATO加盟は「直接的な脅威にはならない」としたう
えで、「われわれは対応策を講じる」と述べています。両国のNAT
Oへの加盟申請について、ドイツのベーアボック外相は、「極めて迅
速にNATO加盟が可能だろう」との見解を明らかにしており、今回
の両国の加盟に対する審議は異例のスピードで行われる見込みです。

バーナンキ元FRB議長は16日CNBCとのインタビューで、現在
のFRB指導部はインフレ高進への対応があまりにも遅すぎたとし、
結果として成長停滞とインフレが同時進行するスタグフレーションの
局面に直面すると指摘しました。
バーナンキ氏は、「フォワードガイダンスが全体として、インフレ問
題へのFRBの対応を遅らせたと考える」と発言し、「振り返ってみ
ると、間違いだったと思う。彼らも間違いだったと同意すると思う」
と述べています。
また、バーナンキ氏はこれとは別に、NYタイムズに対して、「良好
なシナリオに基づいても、景気減速は起こるだろう。インフレは鈍化
するがなお高すぎる。従って、向こう1年か2年は成長が低く、失業
率が少なくとも若干上昇し、インフレがなお高い局面になるだろう」
とし、「それをスタグフレーションと呼ぶことは可能だ」と話してい
ます。(ブルームバーグ)
パウエル議長は本日、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)主
催の会議に出席し、講演を行う予定です。
上述のように、バーナンキ元FRB議長やサマーズ元財務長官など、
金融政策に極めて詳しい「先人」からも、今回の金融当局の対応の遅
さを指摘されています。
6月、7月の会合で0.5ポイントの利上げを示唆しているパウエル
議長が、インフレ阻止のためさらにタカ派に転じる可能性もあるかも
しれません。
景気減速の足音も聞こえ始める中、矢面に立たされた議長は厳しい選
択を迫られています。

本日のドル円は128円20銭から129円50銭程度を予想します。


北欧2カ国NATOへの加盟申請 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は反発。前日127円台半ばまで売られたドル円は
米長期金利の上昇もあり129円45銭まで買われる。
◆ユーロドルは下落基調が続き、小幅ながら前日の直近安値を
更新。1.0349まで売られ、2017年1月以来の水準に。
◆株式市場は3指数が揃って大幅に反発。アップルなどの
大型ハイテク株が買われ、ナスダックは434ポイント高と、
今年最大の上昇を記録。
◆債券は6日ぶりに反落。長期金利は2.91%台へと上昇。
◆金は続落。原油は3日続伸し110ドル台に乗せる。


◆4月輸入物価指数               → 0.0%
◆5月ミシガン大学消費者マインド(速報値)   → 59.1

本日の注目イベント

◆中   中国4月小売売上高
◆中   中国4月鉱工業生産
◆欧   ユーロ圏3月貿易収支
◆欧   欧州委員会、春季経済予測
◆米   5月NY連銀製造景況業指数
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁、討論会に参加
◆加   カナダ4月住宅着工件数

北欧のフィンランドとスウェーデンがNATOへの加盟を申請する見通しです。
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、両国は長年保持してきた軍事的中立の方針を
転換することになります。特にフィンランドはロシアと1300キロにわたり国
境を接しており、ロシアからの軍事的なリスクが高まって来たとしてNATOへ
加盟を決め、近く申請する模様です。
隣国スウェーデンも、長年続けてきたNATO加盟反対の姿勢を転換し、加盟支
持を決定しています。これに対してロシアは反対を表明していますが、両国は、
主権をないがしろにしてウクライナに侵攻したロシアの責任を強く批判していま
す。
こうした中、ブリンケン米国務長官は、フィンランドとスウェーデンの加盟につ
いて現加盟国の間でコンセンサスが得られると「強く確信している」と述べ、N
ATOのストルテンベルグ事務総長も同様の認識を示しています。

ただ、現在NATOには30カ国が加盟しており、両国の加盟には加盟国全ての
承認が必要であり、トルコの承認が焦点になると見られています。
トルコはテロ組織として敵視するクルド系武装勢力、クルド労働党(PKK)な
どと北欧2カ国の関係が近いことなどを理由に、両国の加盟に慎重な姿勢を示し
ています。(日経新聞)
フィンランドのニーニスト大統領は「この問題の着地点を見出せると確信してい
る」と述べていますが、やや不透明のようです。
同大統領はロシアのプーチン氏と直接電話で会談し、向こう数日のうちにNAT
O加盟を目指すかどうかを決定すると伝え、これに対してプーチン氏は「NAT
Oへ加盟するという計画は間違いだ。フィンランドの安全保障は脅かされていな
いからだ」とし、NATOへの加盟は両国関係を損ないかねないとロシア政府は
発表しています。

そのロシアはウクライナ軍の攻勢にさらに戦況を悪化させている模様です。
英国防省は、ロシアが2月に投入した兵力の3分の1を失った可能性があり、ま
たドンバス地域での攻撃も難航していると発表しました。
昨日ウクラナに関するテレビの報道で驚いたのは、ウクライナでは既にロシア兵
の戦争犯罪を問う裁判が行われていた映像です。
これまでの認識では、戦争が終結した後にその戦争責任を問う裁判は行われ、裁
判官は各国から任命されるものだと思っていましたが、21歳のロシア兵が民間
人を射殺した犯罪についての裁判が行われていました。
今回の戦争もいずれ終わると思いますが、その際のプーチン氏の戦争責任は極め
て厳しいものになるのでしょう。

EUの行政執行機関である欧州委員会は、2022年のユーロ圏の経済予想を下
方修正する一方、インフレ率見通しをほぼ倍に引き上げる見通しだと、ブルーム
バーグは速報として伝えています。
同委員会はロシアのウクライナ侵攻後、初となる今回の見通しで、域内GDP予
想を2022年は2.7%、23年を2.3%とする方向で発表するようです。
またインフレ率は今年が6.1%。来年は2.7%と予想しています。
ドル高とロシアからの資源輸入と決別することを決めたことで通貨ユーロは大き
く売られています。先週末にはおよそ5年半ぶりとなる1.0349までユーロ
安が進みましたが、
ユーロ安はインフレ率を高めることにもつながり、ECBにとっても頭痛の種で
す。7月には利上げに踏み切る可能性があり、利上げ後のユーロの動きが注目さ
れます。

先週後半には127円台半ばまで売られたドル円は反発し、129円台半ばまで
上昇してきました。フィボナッチ・リトレースメントで戻りの目安を確認すると、
131円35銭(5/9)から127円54銭 (5/12)までの下落幅の50%戻しは
129円45銭となり、これはちょうど先週末のNYの高値と一致します。
今日は61.8%戻しに当たる129円89銭辺りが一つの目安と考えることが
できます。

その辺りを加味して、本日のドル円は128円70銭~130円程度と予想しま
す。


ドル円127円台半ばに急落 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は朝方の130円台から急落。東京時間夕方には
129円台を割りこみ、NYでは長期金利の低下もあり一気に
127円54銭までドル安に。
◆ユーロドルではドル高ユーロ安が進み、一時はおよそ4年半ぶり
となる1.0354まで売られる。ユーロは対円でも132円台
半ばまで続落。
◆株式市場はまちまちながら反転の兆しが見えない展開。
ナスダックはかろうじてプラスを維持したものの、ダウは
6日続落。
◆債券は続伸。長期金利は2.84%台まで低下。
◆金は反落し、原油は続伸。

◆新規失業保険申請件数    →  20.3万件
◆4月生産者物価指数     →  0.5%

本日の注目イベント

◆欧   ユーロ圏3月鉱工業生産
◆米 4月輸入物価指数
◆米   5月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
◆米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、討論会に参加
◆米   メスター・クリーブランド連銀総裁講演

「安全通貨の円復活?」

ドル円は130円台から急落し、NYでは127円54銭まで売られ、昨日1日
の値幅は2円50銭以上と、大幅にドル安円高が進みました。
昨日のこの欄でも、「4時間足」の雲の下限を割り込むと「市場のセンチメント
も変わる可能性がある」と記述しましたが、ドル円には久しぶりの「大幅な調整
」が見られた格好です。今週月曜日には131円35銭までドルが買われました
ので、高値からは「およそ4円の調整」ということになります。
円が買われた最大の要因はもちろん米長期金利の低下にありますが、加えて株価
の下げが止まらず、資金が株から債券にシフトしつつあることも指摘されていま
す。ウクライナでの戦争が長期化するとの観測から、多くの資源でロシアへの依
存度の大きいユーロ圏の景気悪化が、ユーロから円に資金が向かっているとの声
もあります。ユーロ円は3月24日以来となる132円台半ばまで、こちらも急
落しています。
もっとも、ドル円が2円以上売られれば、全てのクロス円が下がることはいつも
の事ですがさらに、厳しい行動制限を敷いている中国の成長鈍化も懸念材料です。


毎朝チェックしているブルームバーグの「DAYBREAK」では、「約2カ月におよん
だ円安基調は終わりを迎えたのかもしれない。中国の成長鈍化と米利上げに伴う
米景気減速の見通しで、避難先通貨としての需要が増している」とのコメントが
目を引きました。個人的にはまだその局面とは思っていません。
相場の基本である「日足」チャートでは、ローソク足が短期の「転換線」を下抜
けしていますが、昨日の大幅な下げでも「基準線」でしっかりと下げ止まってい
ます。その他にも、「順目」に並んでいる移動平均線に変化はありません。
また「MACD」ではデッドクロスを見せてはいますが、依然として「プラス圏
」の高い位置にいます。もちろん今後の展開次第では上記シグナルがドル売りに
変化する可能性もあるため、慎重な対応が必要であることは言うまでもありませ
んが、今回の「調整」がこれまでのドル高基調の中でも何度か見られたような「
単なる調整」に過ぎないのか、あるいはブルームバーグの記事にもあったように
「円安基調が終わりを迎えたのか」を、しっかりと見極めて行かなければなりま
せん。

米上院は12日、パウエル議長の再任を、賛成80、反対19という圧倒的多数
で承認しました。パウエル議長は米公共ラジオNPRの番組で、0.75ポイン
トの利上げは既に検討から外したのか問われ、当局はそうした動きを「積極的に
検討していない」と、
先週のFOMC後の会見で述べた言葉を繰り返していましたが、同時に、「経済
がほぼ予想通りに推移した場合、今後2回の会合では0.5ポイントの追加利上
げが適切だろう」と答えています。
またサンフランシスコ連銀のデーリー総裁もブルームバーグ・ニュースとのイン
タビューで、「50ベーシスポイントずつの利上げは私にとってかなり理にかな
うもので、現時点の経済には向こう数回の会合でそれを休止する理由は見当たら
ない」と語っています。
ただ、0.75ポイントの利上げについては、「第一に考えられているものでは
ない」と、否定的な考えを示しています。

そうした中、4月の生産者物価(PPI)が発表されました。総合PPIは前年
同月比「11.0%」と、市場予想を上回り、3月分も「11.5%」(速報値
は11.2%)に上方修正されました。
またコアPPIも前年同月比で「8.8%」上昇しており、生産者は引き続きコ
スト上昇に見舞われる可能性が高く、今後消費者への価格転嫁が進む可能性が高
いとみられます。
4月の消費者物価指数(CPI)の上昇率はやや鈍化していましたが、今後しば
らくは高止まりする公算が高いと予想されます。

上述のように、ドル円は大きな値動きが続いています。
今朝は既にNYの底値からは1円以上も反発していますが、昨日の今日というこ
ともあり上値は重いと思われます。ただ連日大きく下げている株価が急反発すれ
ば、ややドル高に振れるかもしれません。

本日のドル円は127円70銭~129円20銭程度を予想します。


米4月のCPIは8.3% 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆130円台前半から半ばで推移していたドル円は米CPIの発表後に
130円82銭まで上昇。ただその後は長期金利が急低下したことから
129円台半ばまで急落するなど荒っぽい動きに。
◆ユーロドルはやや水準を下げながらも1.05台で推移。
◆株式市場は前日と同様な展開で、朝方上昇するも大幅な下落で引ける。
ダウは5日続落し、他の指数も連日の年初来安値を記録。
◆債券は続伸。長期金利は一時2.9%まで低下し、2.92%台
で引ける。
◆金と原油は大幅に反発。


◆4月消費者物価指数     →  0.3%
◆4月財政収支        →  308.2b

本日の注目イベント

◆日   3月国際収支
◆日   3月経常収支
◆日  4月景気ウオッチャー調査
◆欧   G7外相会議(独、14日まで)
◆欧   OPEC月報
◆英   英3月鉱工業生産
◆英   英1-3月期GDP(速報値)
◆英   英3月貿易収支
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   4月生産者物価指数
◆米   デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、討論に参加
◆米   米大統領、ASEAN首脳とサミット(ワシントン)


米4月のCPI発表を材料にドル円は相変わらず荒っぽい動きを見せています。
昨日1日の値幅は1円40銭もあり、利上げが近い割には動きの少ないユーロド
ルとは対照的になっています。
市場参加者が動きのいいドル円の取引にシフトしているとみられますが、それだ
けに思惑やポジションの偏りから値幅が増幅されていると思われます。

4月のCPIは前年同月比で「8.3%」と、前月よりも鈍化したものの、市場
予想を上回りました。前月よりも伸びが鈍化するのは8カ月ぶりとなりましたが
、インフレの高水準が続き、FRBは大幅な利上げを余儀なくされるとの見方か
ら発表直後にドル円は130円82銭まで上昇し、買い戻しが先行していた株式
市場は結局大幅続落で取引を終えています。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も、前年同月比で「6.2%」
と、3月よりは鈍化したものの、市場予想を超えていました。
エコノミストからは「インフレは既にピークを付けたかもしれないが、この日の
CPI統計は、指数の低下が長期間要する、ゆっくりとしたものであることを示
しており、8%前後での横ばいさえも示唆している可能性がある」と言った声も
聞かれていました。(ブルームバーグ)

FRBの積極的な利上げ姿勢が重しとなり、NY株式市場では連日の大幅安が続
いています。ダウは昨日も300ドルを超える下落で、これで最高値からは50
00ドルに迫る大幅な下げ幅(約13.5%)を記録しています。この日の下げ
はアトランタ連銀のポスティック総裁の発言にも反応したようです。
同総裁は、中立金利に達するまで通常より積極的な利上げを支持する考えを示し
、「われわれは、もはや緩和策とはならない中立の領域にまで政策金利を引き上
げていく。インフレが高すぎる水準にとどまった場合、私はさらなる行動を支持
するだろう。高すぎる水準とは、当局目標の2%に向けて戻っていかないような
状況だ」と述べています。
またタカ派の代表であるセントルイス連銀のブラード総裁は、年内に政策金利を
3.5%に引き上げことを支持するとあらためて表明しましたが、1回の政策会
合で0.75ポイント利上げすることは自身のシナリオではないとも語っていま
す。
さらに、前NY連銀総裁のダドリー氏はブルームバーグとのインタビューで、イ
ンフレを抑制するために必要な金利水準や、それがどれほどの痛みを引き起こす
のかについてのメッセージで米金融当局は「ごまかしをやめるべきだ」と述べ、
物価圧力を抑えるためにFRBは政策金利をどこまで引き上げるべきかについて
の問いに、「4-5%もしくはそれ以上だと思う」と述べています。
市場では3-3.5%までの引き上げを予想していると考えられますが、それを
大きく上回る水準までの利上げに言及したのは、筆者が知る限りダドリー氏が初
めてです。

ドル円は4月の下旬に131円25銭まで上昇し、その後小幅な調整を経て今週
には131円35銭まで上昇しましたが、130円台を固めるには至っていません。
昨日のCPIの高止まりでもドルが一旦買われましたが、そこからは大幅に下げ
る場面もあり、131円台がやや壁になる可能性も出てきた印象です。
まだドルが大きく調整する局面ではないと思いますが、6月、7月の利上げ幅が
カギを握っていそうです。
ここで連続して0.5ポイントの利上げを正当化するようなデータが今後出て来
るのかどうかが焦点です。
チャートを見ると、1日の値幅が大きいため「1時間足」や「2時間足」ではサ
ポートを割り込むケースもあり、ショートを振らされることにもなりそうです。
「4時間足」では、ここしばらくは雲の下限を明確に下抜けしてはおらず、この
レベルがサポートになっていることが確認されます。現在雲の下限は129円1
0銭あたりに位置しています。ここを抜けたらセンチメントにもやや変化が出て
来る可能性もありそうで、参考になろうかと思います。

本日のドル円は129円10銭~130円50銭程度を予想します。


NYダウ4日続落 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は130円台半ばまで上昇したが、米長期金利の低下に
130円を割り込む場面も。その後130円30銭前後まで反発して
取り引きを終える。
◆ユーロドルは1.05台で推移。上値を試すものの、1.06台には
届かず。
◆株式市場はまちまち。ダウは朝方大きく上昇して始まったが、
クリーブランド連銀総裁の発言を境に急落し4日続落。ナスダックと
S&P500は4日ぶりに反発。
◆債券は続伸。長期金利は2.99%台まで低下し、3%台
を固めるには至らず。
◆金と原油は続落。

本日の注目イベント

◆豪   豪5月ウエストパック消費者信頼感指数
◆中   中国4月消費者物価指数
◆中   中国4月生産者物価指数
◆トルコ  トルコ4月消費者物価指数
◆トルコ  トルコ4月生産者物価指数
◆独   独4月消費者物価指数
◆欧  ラガルド・ECB総裁講演(リュブリャナ)
◆米   4月消費者物価指数
◆米 4月財政収支
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演

本日の米4月のCPI発表を前に神経質な展開が続いています。
ドル円は130円台半ばまで買われる場面があったものの、131円を目指
す動きにはならず、NYでは米長期金利の低下に130円を割り込む場面も
ありました。
下落基調が続く株式市場では、昨日は日経平均株価が500円を超える下げ
を見せ、2万5700円台まで売られる局面もありました。NY株の大幅な
下げの影響をもろに受けている状況です。
NYダウは連日の大幅な下げもあり、朝方には大きく反発して取引が始まり
ましたが、連銀総裁のタカ派的な発言に一蹴され、マイナスで引けています。

クリーブランド連銀のメスター総裁は、パウエル議長が示唆したように、6
月と7月の会合で0.5ポイントの利上げを支持する考えを示しました。総
裁は、「今後2会合での50ベーシスポイント利上げは完全に妥当だと考え
る。その後、加速させる必要があるかどうかを見極める必要性が出て来るだ
ろう。需要が予想より速いペースで減速すれば、少し減速させることも可能
かもしれない」と述べ、さらに「永遠に75bpの利上げを排除するのではな
い。今後後半のしかるべき時点でインフレが下がっていなければ、スピード
を上げる必要があるかもしれない」と指摘しました。(ブルームバーグ)
0. 75ポイントの利上げについては、パウエル議長は先週のFOMC
後の会見で
「委員会は積極的に検討していない」と、現時点では否定的な考えを示しま
したが、再び大幅利上げの可能性が浮上してきました。
0.75%幅に言及したのは、セントルイス連銀総裁のブラード総裁に続き
2人目ですが、この発言が株式市場を押し下げたようです。

また、NY連銀のウイリアムズ総裁は、「私が『ソフトランディング』を考
える場合、『それは潜在成長率を下回る成長がしばらく続く可能性がある。
失業率が幾分か上昇することも確実にあり得るが、大幅に上昇するわけでは
ない』という状況だ」と述べ、「私は失業率が3.6%にとどまっている状
況をソフトランディングとは定義しない。インフレが鈍化しつつあり、同時
に健全かつ力強い労働市場を真の意味で維持している状況が、ソフトランデ
ィングと定義されよう」と語っています。
FRBとしてはインフレを阻止する過程で、労働市場へ悪影響が出ることも
容認する構えと見られ、FRBの焦りも感じられます。
米国では11月に中間選挙が行われますが、焦点の一つが足元の高インフレ
で、遅くともその前までには「ソフトランディング」させておかないと、バ
イデン政権の基盤にも影響してきます。今後FRBに対する政治的なプレッ
シャーも増してくると思われます。バイデン大統領は10日ホワイトハウス
で、物価高を抑えるため約3000億ドル(約39兆円)相当の中国からの
輸入品に対して関税引き下げの是非を検討していることを明らかにしていま
す。

本日発表されるCPIの結果にもよりますが、FRBは今後利上げを実施し
ていく中で、どの水準が景気を過熱も減速もさせない「中立水準」であるか
を模索して行くことになります。
原油価格が再び100ドルの大台を割り込んではいますが、ウクライナでの
戦争も長期化する可能性が高く、今後の物価上昇の動きは非常に不確実性が
高いとみられます。FRBとしては出来るだけ早い時期に利上げを行い、そ
の効果を見極めるといったスタンスを採るのではかと思います。
6月、7月の会合で0.5ポイントの利上げを行うことで、「3会合連続で
0.5ポイントの利上げを実施」という、インフレ阻止に向けたFRBの強
い意志を示し、人々のインフレ期待感を後退させる必要もあります。
それには、6月の会合で一気に0.75ポイントの利上げまで持って行く必
要があるのかもしれません。8月には会合がなく、その次は9月20-21
日になります。FRBに残された時間はそう多くありません。

本日のドル円は129円50銭~131円程度を予想します。
CPIの予想は「8.1%」で、発表は21時30分です。


ドル円131円35銭まで上昇後反落 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は東京時間夕方には131円台に乗せ、131円35銭まで
買われ、直近高値を更新。その後上値が重くなり、NYでは
長期金利の低下に130円15銭まで売られる。
◆ユーロドルは1.05台で推移。
◆株式市場は大幅に続落。金利の先高観に加え、中国の景気
減速も重石となり、3指数とも年初来安値を更新。
◆債券は反発。長期金利は朝方には3.2%まで上昇したが、その後
大きく低下。
◆金と原油は大幅に下げる。原油は中国のロックダウンが景気を下押しする
との見方から6ドルを超える大幅な下げに。

本日の注目イベント

◆豪   豪4月NAB企業景況感指数
◆独   独5月ZEW景気期待指数
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
◆米   バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
◆米   メスター・クリーブランド連銀総裁、パネル討論に参加


ドル円は昨日の午後3時過ぎ、欧州市場の参入に合わせるように上昇し、一時
は131円35銭までドル高が進みました。先月28日に記録した131円2
5銭を上回ったことで、もう一段の上昇期待もありましたが、NYでは長期金
利の低下から、高値から1円以上も下落するという、相変わらず荒っぽい値動
きでした。

昨日はドル円だけではなく、多くの市場で活発な値動きがありました。
NY株式市場では3指数が揃って大きく売られ、S&P500は1年1カ月ぶ
りの安値を付けるなど、揃って年初来安値を更新しています。
金利先高観に加え、ウクライナでの戦争の長期化や中国での新型コロナウイル
スに対するロックダウンが続く中、サプライチェーンの混乱がインフレへの脅
威になっており、リスク資産を売る動きにつながっています。
昨日はビットコインも値を下げ、3万1000ドルを割り込み、昨年11月に
記録した最高値から約半分になっています。
また、WTI原油価格も6%を超える下落でした。中国景気への懸念から原油
消費量が減るといった見方からでしょう。
「Cash is King」といった状況で、リスクのあるものは全て売られた形です。
米財務省が公開した金融安定監視評議会の、年次報告書での議会証言テキスト
の中でイエレン財務長官は、「国々がパンデミックへの対応を継続する中で、
ボラティリティーと世界成長の不均一が続く可能性がある。ロシアによる一方
的なウクライナ侵攻は経済の不確実性を一層高めた」と分析しています。

明日11日には注目の米4月の消費者物価指数が発表されますが、アトランタ
連銀のポスティック総裁は9日、米金融当局は0.5ポイントの利上げを継続
することが望ましく、それより大幅な利上げの必要はないとの考えを示しまし
た。ポスティック総裁はブルームバーグのインタビューで、0.5ポイントの
利上げは「既にかなり積極的だ」とし、「さらに積極的に動く必要があるとは
思わない。このペース、この歩調を維持し、市場がどのような展開をたどるか
を見極めることは可能だ」と述べています。また足元のインフレについては、
「優先事項として私の念頭にあるのはインフレ率があまりに高水準であるとい
うことであり、われわれは決然と、また明確な意図を持ってその抑制に向けて
行動する必要がある」と語っていました。また、ミネアポリス連銀のカシュカ
リ総裁もCNBCとのインタビューで、「米国民が払っている物価は高すぎる
」と述べ、その理由として「労働力の供給が予想していたほど速いペースで回
復していないことや、個人消費が貯蓄ではなく現行の収入で賄われているとみ
られる」ことなどを挙げています。
同総裁は先週の講演で、雇用市場がやや減速しても容認する考えを示唆してい
ました。


注目されたロシアの戦勝記念式典でプーチン氏は、ウクライナへの侵攻を正当
化する演説に終始し、懸念されていた「戦争状態にある」といった発言は見ら
れませんでした。
一方で、「NATOはわれわれの話を聞こうとしなかった」と述べ、欧米との
対決姿勢を鮮明にしています。
ウクライナ側も欧米の大規模な支援を背景に反攻に転じる可能性を示唆してお
り、戦争の長期化は避けられない見通しです。

今しばらくは、ウクライナ情勢と、米国のインフレがどこまで進行するのかを
見極める必要があろうかと思います。
ドル円は131円台前半から折り返してきましたが、「130-135円のレ
ンジ」を形成する過程にいるのかどうかを見極めたいと思います。

本日のドル円は129円50銭~130円80銭程度を予想します。


米4月の非農業部門雇用者数は42.8万人 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は雇用統計発表の割りには小動きだった。
非農業部門雇用者数が予想を上回ったことからFRBによる
利上げが加速するとの見方からドル円は130円71銭まで
買われた。
◆ユーロドルは小幅に反発し、1.06近辺まで上昇。
◆株式市場は続落。良好な雇用統計の結果を受け、FRBが積極的
利上げスタンスを維持するとの見方が重しとなり3指数は揃って
続落。
◆債券は続落。長期金利は続伸し、時間外取引では3.14%まで
上昇。
◆金と原油は続伸。

◆8月失業率          →  3.6%
◆8月非農業部門雇用者数   →  42.8万人
◆8月平均時給 (前月比)   →  0.3%
◆8月平均時給 (前年比)   →  5.5%
◆8月労働参加率        →  62.2%
◆3月消費者信用残高      →  52.4535b

本日の注目イベント

◆日   日銀金融政策決定会合、議事要旨(3月17―18日分)
◆中   中国 4月貿易収支
◆加   カナダ3月住宅建設許可件数

米4月の非農業部門雇用者数は「42.8万人」と、市場予想の「38万人」
を上回り、失業率は横ばいの「3.6%」でした。
今回の雇用統計では、雇用者数の伸びがやや鈍化すると見られていましたが、
結果が依然として良好だったことから、FRBがインフレ阻止を掲げ、今後積
極的に利上げを進めて行くことへの障害が一つなくなったとの見方から長期金
利が上昇。ドル円も堅調な動きになっています。値動きは小幅でしたが、13
0円台前半から後半で推移し、その前の東京時間では130円80銭までドル
が上昇していたこともあり、131円台乗せへの期待もありましたが、今回は
131円台には至っていません。長期金利は3.1%台まで上昇し、時間外取
引では2018年1月以来となる3.14%まで上昇しています。

今回は賃金の伸びも注目されていましたが、こちらは前月比ではやや鈍化し、
3月分は上方修正されています。前年同月比では「5.5%」と、依然として
高い伸びを示していましたが、このまま賃金が上昇するようだと、インフレ率
も高水準が続くとみられます。
ただ、今回の結果が賃金上昇の持続的な鈍化傾向の始まりなのか、あるいは一
時的な減速に過ぎないのかは、判断が難しい(ブルームバーグ)ところです。
4月の雇用統計の結果を踏まえて、リッチモンド連銀のバーキン総裁は、0.
75ポイント利上げの可能性に関する質問に、「私は何も排除しない。あらゆ
ることが検討議題になるだろう」と述べ、「われわれのペースはかなり加速し
ていることだけは言っておこう」と答えています。
また米金融当局のインフレ対策が「ビハインド・ザ・カーブ」(後手に回る)
だったとの批判に対し、タカ派のセントルイス連銀のブラード総裁は、「信頼
できるフォワードガイダンスとは、米当局の実際の行動より前に金利が大きく
上昇していることだ」とし、「これは『ビハインド・ザ・カーブ』の別の定義
であり、この定義に基づくと当局はさほど出遅れてはいない」と語っています。

ロシア軍がウクライナ東部ルガンスク州の学校を攻撃したとの報道が昨晩あり
ました。この攻撃で60人が死亡したとゼレンスキー大統領は発表しています。
本日はロシアの戦勝記念日にあたり、この日までに戦果を挙げる必要があり、
攻撃が激化するとの見方がありました。しかし、ロシア軍は目立った戦果を得
られなかったものの、見境なく攻撃を繰り返しているようです。
欧米は、ウクライナへのさらなる支援を表明しており、米国はあらたに1億5
000万ドル(約200億円)相当の追加支援を決めています。戦闘が長期に
渡る可能性を意識してか、携行型の対戦車ミサイル「ジャベリン」に加え、装
甲車や、りゅう弾砲、攻撃型のドローン「フェニクス・ゴースト」の提供も決
めています。またG7首脳は、ロシア産原油の輸入禁止を表明しています。本
日のロシアの戦勝記念式典では、プーチン氏の演説があると見込まれているよ
うですが、引き続き強気の姿勢を見せ、「大義なき戦争」を続けることを表明
するのでしょうか。
また戦闘員を増やす目的から足元の闘いを「戦争」という言葉で言い表すので
しょうか。
ゼレンスキー大統領も欧米からの最新鋭の武器など、強力な支援を背景に、犠
牲者を出しながらも徹底抗戦の構えのようです。ゼンレンスキー氏は「クリミ
アを取り戻す」と述べています。

本日のドル円は130円20銭~131円50銭程度を予想します。


NYダウ1000ドルを超える下げに 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は前日の水準から大幅に反発。米長期金利が
3%を大きく超えたため、ドル円は130円55銭まで上昇
◆ユーロドルは反落。前日は1.06台前半まで買われたが、
この日はドル高が進み、1.04台後半まで売られる。
◆イングランド銀行は政策金利を0.25%引き上げ、
1.00%にすると発表。同時に、インフレ率が2桁台に
上昇すると、英経済がマイナス成長に陥るとの見方も発表。
これを受けポンド円は163円近辺から急落し、160円台半ばに。
◆株式市場は前日の大幅高を全て失う。ダウは一時1300ドル
の下げを見せ、引け値は1063ドル安。ナスダックは年初来
安値を更新。
◆債券は大幅に反落。長期金利は一時3.1%台まで上昇。
◆金と原油は続伸。

◆新規失業保険申請件数   → 20万件

本日の注目イベント

◆独   独3月鉱工業生産
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁、イベントで冒頭挨拶
◆米   ウォーラーFRB理事、セントルイス連銀総裁、パネル討論に参加
◆米   デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、大学卒業式でスピーチ
◆米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、討論会に参加
◆米   4月雇用統計
◆米   3月消費者信用残高


先ずは、前日のFOMCに関する動きから行きます。

4日(日本時間5日午前3時)のFOMC会合では予想通り、フェデラル・ファンド
(FF)の誘導目標金利を0.5ポイント引き上げ、0.75~1.00%に決定し
ました。会合後の会見でパウエル議長は、「インフレはずいぶんと高すぎる、それが
もたらしている困難をわれわれは理解しており、インフレを押し下げるべく迅速に行
動している」と説明し、「委員会は次の2会合において0.5ポイントの追加利上げ
を議題にすべきだとの認識が広く見られる」と付け加えました。ここまでは市場予想
通りだったと受け止められますが、さらに大幅な0.75ポイントの利上げについて
は、「委員会は積極的に検討していない」(ブルームバーグ)と述べたことで、市場
の一部にあった「0.75ポイントの利上げ観測」が大きく後退し、長期金利が急低
下。3%台で推移していた10年債利回りは一時2.9%を割り込み、2.89%台
まで下げました。ドル円は米金利の低下に130円台から急落し、128円62銭ま
で売られる場面がありました。

個人的には、パウエル議長の、0.75ポイント利上げを「委員会は積極的に検討し
ていない」との発言も、想定内だと考えていました。
確かに足元のインフレの進行は許容しがたいものがありますが、それでも0.5ポイ
ントという、2000年以来20年ぶりとなる大幅な利上げ幅に加え、ウクライナで
の戦争の行方も極めて不透明で、今後はその影響にも配慮する必要があります。
今後の経済データを見極める必要もあることから、今回0.5ポイントの利上げを決
め、次回の2会合で再び0.5ポイントの利上げをテーブルに乗せるという見通しが
、現状で許容できる最もタカ派的は発言であったと考えます。
大幅な調整が続いている米株式市場にも、多少は目を向ける必要があったのではない
かと思います。

市場はパウエル氏の発言を好感し、大きく反応しましたが、「楽観ムード」は短命で
した。昨日の債券市場では、イギリスが利上げを決めたことも影響したのか、債券が
大きく売られ、長期金利は再び3%を超え、一時は3.1%まで上昇する場面もあり
ました。
引け値でも3.03%台と、今後の利上げを織り込む形で上昇しました。前日128
円台半ばまで売られたドル円は金利上昇に素直に反応し、130円55銭まで上昇し
ています。足下の主役は「米長期金利」です。
金利が上昇するのか低下するのかで、その他の市場の動向も決定されているような状
況です。前日大きく上昇したNY株式市場は「往って来い」だったというよりも、上
昇分を全部吐き出しても足らなかった状態でした。ナスダック指数は今年の最安値を
更新しています。4日のFOMC後の反応がやや行き過ぎだったとは思っていました
が、わずか1日で真逆の動きになるとは、正直驚きました。
今朝のブルームバーグの「DAYBREAK」トップの記事には、熊が前足を上げ、
吠えている画像で、タイトルは「熊、吠える」とありました。
もちろん「熊」は弱気(Bearish)の象徴で、その熊が勢いを増しているといった、
市場のセンチメントをうまく表現しているものでした。
昨日はWTI原油価格が再び110ドル台まで上昇する場面もあり、インフレの芽は
なかなか消えません。
このままいけば、6月、7月も再び0.5ポイントの大幅利上げの可能性が高まり、
そのうちの1回は0.75ポイントの、さらに大幅利上げになる可能性が高まりそう
です。
ドル円は、いましばらくは底堅い動きが続き、日本がGW中に128円台半ばまで売
られた局面が唯一の調整だったのかもしれません。直近高値からは2円63銭の下落
でした。

戦闘が続いているウクライナでは、国連のグテレス事務総長とプーチン氏との直接会
談が功を奏したのか、マリウポリの製鉄所から150人以上の民間人が避難に成功し
たと伝えられています。ただここにきて「防戦一方」だったウクライナの対応が変化
してきたように思えます。
ゼレンスキー大統領は4日ウォールストリート・ジャーナルのイベントでオンライン
参加し、「領土保全が我々の第一任務だ。クリミアを取り戻したいと考えているし、
それは可能だ」と述べています。欧米からの大規模な武器供与を含む支援がゼレンス
キー氏を強固にさせたようですが、そのことは、ウクライナでの戦争が長期化するこ
とを意味しそうです。巷間言われている、9日の戦勝記念日まで残すところあと3日
です。プーチン氏の「鶴の一声」はあるのでしょうか?

全ての金融市場でボラティリティーが急騰しています。
ドル円も、値幅が大きく動きも速い展開が続いています。
方向的にはそれほど難しい相場展開ではありませんが、買い出動するタイミングや手
放すタイミングが結構重要で、それが収益を大きく左右する状況です。

本日のドル円は129円40銭~130円90銭程度を予想します。


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