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 2023年03月 

SVB破綻し、ドル円急落 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は急落し、一時は134円12銭前後まで売られる。
2月の雇用統計では非農業部門雇用者数は予想を上回ったが、
失業率の上振れと、シリコンバレー銀行の破綻から一気にリスク
回避の流れが加速。
◆ユーロドルも大きくユーロ高が進み、2月20日以来となる
1.07台まで上昇。
◆株式市場は3指数が大幅下落。ダウは4日続落し3万2000ドルの
大台を割り込む。
◆債券は急騰。SVBの破綻が決まり、安全資産の債券が
大きく買われる。長期金利は一気に3.7%台割り込む。
◆金は大幅に続伸。原油も買われた。

◆2月失業率          →  3.6%
◆2月非農業部門雇用者数   →  31.1万人
◆2月平均時給 (前月比)   →  0.2%
◆2月平均時給 (前年比)   →  4.6%
◆2月労働参加率        →  62.5%
◆2月財政収支         →  -262.4b

本日の注目イベント

◆韓  米韓年次軍事演習(23日まで)
◆米  米英豪首脳会談(カリフォルニア)

NYではドル円が大きく売られ、134円台まで円高が進みました。
「2月の雇用統計」では、非農業部門雇用者数が市場予想を回る「31.1万人」と、
相変らず「好調」で、本来ならこの時点で「株価と債券が売られ、ドル高が進む」のが
これまでのパターンでしたが、失業率が「3.6%」と、予想の「3.4%」を超えて
いたことで、ドル高にはつながらなかったようです。

さらにドルを大きく下押ししたのがシリコンバレー銀行(SVB)の破綻でした。
同行の経営悪化は前日までにも伝えられていましたが、正式に破綻が決まったことで一
気に「リスク回避」の流れが加速しました。株価は金融株を中心に大きく売られ、安全
資産の債券に買いが集まり、価格は急騰。長期金利は3.7%台を割り込みました。金
利低下もあり、ドル円は136円台後半から134円台前半まで売られ、いつものよう
に円高へ振れた際のスピードの速さに驚かされています。
さらに週明けのオセアニア市場ではドル売りが一段と進み、一時133円56銭前後ま
で円が急騰しています。

SVBは集めた資金を債券市場でかなり運用しており、米インフレの長期化にともない
債券が大きく売られたことから「含み損」を抱え、資金繰りが急速に悪化したと伝えら
れています。米財務省、FRB、連邦預金保険公社(FDIC)は、破綻したSVBの
預金を全て保護することを本格的に検討しているとワシントンポスト紙が報じています
。同行の総資産規模は昨年末時点で約2090億ドル(約28兆円)と、全米で16位
でした。また同行の資産を買い取る入札も進行中で、事情に詳しい関係者の話として、
「12日遅くにも、買い手が判明する可能性もある」とブルームバーグは伝えています
が、最終決定はまだされておらず、合意がまとまらない可能性もあるとしています。
米銀の破綻というと、どうしても2008年のリーマン・ブラザーズの破綻を連想して
しまいます。大きな荷物を抱えてNYのリーマン本社ビルから出て来た社員の姿はテレ
ビで放映され、大きな話題を呼びました。
その後、「リーマンショック」を教訓にFDICが中心となり、銀行破綻に対する「セ
ーフティネット」が十分拡充されているため、今回の破綻がリーマン級の「ショック」
になる可能性はないと思います。
ただ今朝の市場の動きを見ると、円を買う動きは活発で、テクニカルでもドル高傾向の
波形が崩れつつあります。念のため「注意」する必要はあります。

先週末、黒田総裁にとって最後の会合となる、政策決定会合が行われましたが、一部で
予想されていたYCCの修正といった、政策の変更はありませんでした。
会合後の黒田総裁の会見は「意外なほど」あっさり終わってしまいましたが、黒田氏は
「金融緩和は成功だった」と語っていました。
「2年で2%の物価上昇」という目標を達成すると、自信を持ってパネルを高々と掲げ
た就任直後の会見でしたが、達成はできませんでした。それでも、それまで長い間続い
てきた「デフレ」からの脱却や就職氷河期を解消したことで、女性や若年層に雇用の機
会が増えたことなどを成果として挙げていました。
会見では幹事社を皮切りに、限られた時間の中、あらかじめ決められたと思える各社が
質問を行いましたが、テレビ東京の大江氏だけが黒田総裁10年間の労をねぎらう発言
を行っていたことに、やや違和感を覚えた次第です。

今日も荒っぽい動きが続きそうです。
レンジ予想は133円~136円程度でしょうか。


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