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ドル円続落し138円台半ばへ 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は続落。米債務上限法案が下院で可決されたことで、ほぼ成立
の可能性が高まる。6月会合での利上げ観測が急速に後退し、
ドル円は138円44銭まで売られる。
◆ユーロドルはやや値を戻し、1.07台半ばまで買い戻される。
◆米国がデフォルトを回避できるとの見方が強まり、3指数は揃って
上昇。ダウは153ドル上げ、S&P500は41ポイントの上昇。
◆債券は続落。長期金利は3.6%を割り込む。
◆金は続伸し、原油も反発。

◆5月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)    →  48.4
◆5月ADP雇用者数                →  27.8万人
◆ 新規失業保険申請件数               →  23.2万件
◆5月ISM製造業景況指数             →  46.9
◆5月自動車販売台数(年換算)           →  1505万台
◆労働生産性(1-3月、確定値)          →  -2.1%

本日の注目イベント

◆米   5月雇用統計


最後まで共和党強硬派の抵抗が続いていた米債務上限問題は下院で可決しました。
法案の名称は「The Financial Responsibility Act」(財政責任法案)と名付けら
れ、2日にも上院で可決され、バイデン大統領の署名を持って発効します。
余談ですが、そのバイデン大統が昨日、米空軍士官学校の卒業式に列席し、演説を
行うため壇上に案内された際転倒しました。幸いケガはなかった模様ですが、何せ
80歳とご高齢です。2024年の大統領選に向けて、悪影響が出なければよいの
ですが。
下院を通過したことで、6月5日とされる「Xデー」にはぎりぎり間に合った格好
ですが、法案に「Responsibility」という文言が入ったことはやや驚きでした。今
後も財政再建は政権の「責任」において解決すべきとの想いも入っているのかもし
れません。

この欄でも何度も触れているように、筆者は6月会合では利上げが見送られるとの
見方に立っていますが、昨日から市場の風向きが変わり筆者には「追い風」になっ
て来ています。
先週までは6月会合で0.25ポイントの利上げを織り込む動きが強まり、金利先
物市場ではほぼこれを織り込んだことが、ドル円を141円手前まで押し上げる要
因の一つになっていました。昨日は1-3月期の単位労働コストとISMの5月の
仕入れ価格指数が予想を下回ったことで、株式と債券が買われ、金利が低下したこ
とに伴いドル円は1週間ぶりに138円台半ばまで押し戻されています。
さらに、ハト派寄りの発言を繰り返すフィラデルフィア連銀のハーカー総裁は昨日
も、全米企業エコノミスト協会(NABE)が主催したオンラインイベントで、「
政策金利を据え置き、インフレ率を適時に目標に戻すための仕事を金融政策に任せ
ることが可能な地点に近づいていると考える」と述べています。ハーカー総裁はこ
れまでも、後日のFOMC会合で利上げが必要になったとしても、6月会合での利
上げ見送りを支持する考えを示していました。
またジェファーソンFRB理事も前日、自身が金利据え置きに傾いていることを示
唆していました。
利上げ観測が後退した一連の流れから、金も買われ原油も上昇し、以前の状況に戻
った印象もあります。
ただ、市場の見方が変わり易いことは今に始まったことではありません。今夜発表
の雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が大幅に予想を上回る結果が示されれ
ば、センチメントは再び一変します。

5月のNFPは19.5万人(4月は25.3万人)と予想され、先月よりも減少
していると見られています。また、失業率も「3.5%」と4月の「3.4%」か
ら若干上昇していると予想されています。昨日発表された民間の雇用統計である「
ADP雇用者数」が、本番の雇用統計と異なることは度々ありますが、5月分は2
7万8000人の増加と市場予想を上回り、4月分は若干下方修正されています。
同統計は2500万人余りの「給与明細」(Pay Roll)の数を基準に集計されてい
ると言われ、今回の結果から家計支出を下支え、景気を拡大させている労働市場は
なお力強いことを示していると考えられます。またこの先、大本命の指標である「
5月の消費者物価指数」も残っていることから、まだ利上げの可能性が消えたわけ
ではないとは思いますが、ドル円の140円台後半が徐々に遠のく可能性もありま
す。

本日のドル円は138円~140円程度を予想します。


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