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ドル円5カ月ぶりに140円台前半まで下落 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 東京時間から上値の重かったドル円は141円台を割り込み、NYの午前中には140円25銭まで売られる。5カ月ぶりの円高ドル安を記録。したが、その後は141円台前半まで反発。

  • ユーロドルではドル安はそれほど進まず、1.1120近辺までユーロが買われたが、前日の高値は抜けず。

  • 株式市場はまちまちの展開。ダウは最高値を更新したが、ナスダックは小幅に下落。

  • 債券は反落。長期金利は3.84%台へと上昇。

  • 金は5日ぶりに反落。原油も大幅に続落。

本日の注目イベント

  • 米 10月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 債券市場、短縮取引

昨日の東京時間からドル円は上値を重くし141円割れを試す展開でしたが、NYでは一気に140円25銭まで売られ、今月14日に記録した直近安値であった140円95銭を大きく下回る動きになりました。ただ、その後は急反発し、141円台前半まで値を戻して引けています。FRBの利上げ局面が終わり、何度も期待を裏切られた日銀の緩和政策修正の動きも、既報の通り、植田総裁の発言などからすればどうやら、来年4月くらいまでには実施されそうな気配です。そうなると、「2024年に向けてドルが緩やかに下落する」といったシナリオは描きやすく、焦点はドルがどこまで売られるのかといった点に絞られそうです。気を付けたいのは、それでも昨日のNYでの動きは140円台前半から1円以上も反発して取り引きを終えているという事実です。この動きが何を示唆しているのか、注意しておく必要があろうかと思います。従来の相場観からすれば、来年に向けて円高ドル安が想定される中、5カ月ぶりの円高水準までドルが売られれば、そこからの戻しは限定的になるのが定石です。市場参加者の中には、円高を予想しながらもそれでも「ドルが下がったら買いたい」と考えている投資家も結構いるということかもしれません。

イスラム組織ハマスを支持するイエメンの親イラン武装組織フーシ派によるスエズ運河を航行する船舶への攻撃が続いていますが、この状況が長引けば消費者にとってあらゆる物価の上昇につながる可能性がありそうです。その結果、世界的に治まりつつあるインフレの波が再び高まる可能性もあります。物流会社フレックスポートがまとめたデータによると、299隻の船舶が航路を変更する計画であることが明らかになり、それらの船舶は合わせて430万個のコンテナを運ぶ能力を持っているとのことです。この数は1週間前からほぼ倍増し、世界全体の輸送能力のおよそ18%に相当するようです。「アフリカの喜望峰を迂回するルートは、アジアと欧州を結ぶ近道であるスエズ運河を利用するよりも最大25%長く時間がかかり、コストもさらに高くなる。消費者にとってスニーカーから食品、石油に至るあらゆる物価の上昇につながる可能性がある」(ブルームバーグ)と報告されています。さらにもう一つの海運の大動脈である「パナマ運河」では、干ばつによる水位の低下で米国からアジアに向かう穀物輸送船の運航が制限されています。パナマ運河(ACP)は、1日あたり36隻の運航枠を12月から22隻まで減らしており、追加の航行枠が出た場合競売でその枠を発給していますが、落札額は1枠140~200万ドル(約2億~2億8000万円)に達する例もあるようです。200万ドルで落札した場合、米国から日本向けの穀物の運賃は5割ほど上がるとのことです。(日経新聞)大量の飼料を必要とする酪農業にとって極めて厳しい状況が予想され、ひいては末端価格にも波及してくることは必至です。


自民党安倍派のパーティー券を巡る問題で、東京地検特捜部は議員本人に対する事情聴取だけでなく、議員会館や事務所に踏み込むなど、厳しい捜査を行っています。いずれ逮捕者が出る可能性もありそうです。日経新聞の伝統的なコラム「大機小機」に今週、「終わりゆくアベノミクス」と題した興味深いコラムがありました。「自民党最大派閥がにらみを利かせていると、『アベノミクス下の政策をもうやめます』とは言いにくい。その状況が今回の問題で終わる。最大の変化は、日銀が政策のフリーハンドを得たことだろう。24年は政治、金融の両面でアベノミクスが終わる年となりそうだ」と、執筆者の「四つ葉」氏は論じていました。安倍―黒田ラインが終わり、もしかしたら石破―植田ラインが誕生する可能性を踏まえれば、正鵠を射ていると思われます。

本日のドル円は140円30銭~142円30銭程度を予想します。

『アナリストレポート』も、今年は今日が最後になります。
1年のご愛読、ありがとうございました。
引き続き来年も皆様のお役にたてる情報を配信できるよう心掛けてまいります。
それでは、良いお年を・・・・・。

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米長期金利5カ月ぶりに3.79%台まで低下 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は荒っぽい展開に。東京時間朝方には日銀会合の「主な意見」の内容が公表され142円台後半まで上昇したが、NYでは植田総裁のNHKのインタビューでの発言や、米金利の低下が材料となり141円55銭近辺まで下落。

  • ドル安の流れはユーロドルでも続き、ユーロは7月以来となる1.1122まで買われる。

  • 株式市場は売り買い交錯するなか、引けにかけて3指数が揃って上昇。ダウは111ドル高で連日の最高値更新。

  • 債券は買われ、長期金利は3.8%台を割り込み、およそ5カ月ぶりに3.79%台まで低下。

  • 金は4日続伸。原油は反落。

本日の注目イベント

  • 日 11月鉱工業生産
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 11月中古住宅販売成約件数

昨日の朝方8時過ぎに日銀決定会合での「主な意見」の内容が公表され、ドル円は142円85銭まで買われる場面がありました。決定会合の委員からは、「賃金上昇が物価上昇に追いつかない日本の現状を踏まえれば、来春の賃上げが予想よりかなり上振れたとしても、基調的な物価上昇率が2%を大きく上回ってしまうリスクは小さい」従って、「少なくとも来春の賃金交渉の動向を見てから判断しても遅くない」との意見があったことが判明。現行の大規模な金融緩和政策の修正が遅れるとの見方から円売りドル買いが強まる結果になりました。

一方、昨日の夜のNHK「ニュース9」では植田総裁とのインタビューが放映され、その中で総裁は、「物価と賃金の好循環が見通せる状況が来年にあることを期待している」と、これまでの考えを示し、「今年の春と同じか、それを少し上回るくらいの賃上げが決定されると望ましい」と述べながら、政策転換のタイミングについては、「中小企業の賃金データが完全に出ていなくても、ある程度前もっての判断は可能だ」と述べていました。この最後の発言に反応してドル売りが進んだ面もあろうかと思いますが、それ以上に米長期金利が急低下したこともドル売り要因になったようです。米10年債利回りは7月24日以来となる3.79%台まで低下しました。この日は米5年債の入札がありましたが、旺盛な需要を集めたことを受け、各年限の国債利回りは急低下しました。2024年夏ごろまでにはFRBによる利下げの可能性があることを織り込む形で債券へ買いが膨らんだものです。金利低下を受け、株式市場では主要3指数が概ねこの日の高値引けで取引を終えています。

ブリンケン国務長官は声明で、今年最後のウクライナへの軍事支援を発表し、最大2億5000万ドル(約354億円)相当の武器・装備品を提供することを発表しました。ブリンケン氏は、「ウクライナの自衛と将来の安全確保を支援することで、米国の国家安全保障上の利益を高めるために議会はできるだけ早く、迅速に行動しなければならない」と述べています。2024年の米大統領選に向け、ウクライナへの「支援疲れ」も出ているなか、バイデン政権では引き続き支援を続けるとしていますが、そのことがバイデン氏の大統領選での再選の可能性を低減させている部分もあります。次期大統領にもしトランプ氏がなるようなら、ウクライナとロシアの戦争の行方は現状から大きく異なってくると思われ、これはイスラエルのハマスとの紛争にも言えるかもしれません。

ドル円は再び下値をテストする気配を強めてきました。現時点では、年内140-145円のレンジは維持出来ると思われますが、年末、年始に向けてドル売りが強まることも予想されます日本勢の参加者が減り、投機筋もドル売りで攻めてくる可能性があります。シカゴ先物市場では「円の建玉」が今月からネットで、「円売り」から「円買い」に転換しています。必ずしもヘッジファンドなど投機筋の相場観とシカゴの建玉とは一致するわけではありませんが、筆者が長い間観ている限り「概ね一致」しています。一応、頭の片隅には入れておくべきでしょう。

本日のドル円は140円50銭~142円30銭程度を予想します。

米住宅価格再び上昇傾向か 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は小動き。参加者が少なく材料も乏しい中、142円63銭まで買われたがドルの上値も重い展開。

  • ユーロドルは引き続き1.10台で推移。

  • 株式市場は3指数が揃って上昇。引けにかけて上げ幅を縮小したが、石油株などが上昇をけん引。

  • 債券はやや売られ長期金利は3.89%台に。

  • 金は小幅ながら3日続伸。原油も大きく反発。

本日の注目イベント

  • 日 日銀金融政策決定会合における主な意見(12月19日、19日分)

ドル円は142円台で推移し、NYでは142円台半ばまで買われましたが、ロンドンなど一部の主要市場がクリスマス明けの休暇であるため、大きな動きにはなっていません。今年もあと3日を残すのみとなりましたが、下値の140円と上値の145円を抜け切るのは難しそうな気配です。

10月のケース・シラー住宅価格指数が発表され、主要20都市では前年同月比で「4.9%」上昇し、伸びは今年最も高い水準でした。都市別ではデトロイトが最大で「8.1%」上昇し、サンディエゴ、NYと続き、20都市で唯一オレゴン州のポートランドが前年同月比で下げていました。米住宅ローン金利も急速に低下し、ここ2年程住宅購入を控えてきた人たちが購入を決めたようで、「供給不足が根強く続くなか、物件を巡って争奪戦の様相を呈している」(S&Pコアロジック/ケース・シラー)といったコメントもありました。

日銀が消費者物価指数の「基調的変動」の分析に活用する独自のコア3指数が、11月は揃って前月に比べ鈍化しました。刈り込み平均値は「2.7%」(前月は3.2%)、加重中央値は「1.7%」(前月は2.2%)、そして最頻値は「2.4%」(前月は2.6%)と、いずれも上昇率が鈍化しており、植田総裁の発言の正当化に寄与しそうな状況です。もっとも、インフレ率の鈍化傾向は日本だけではなく、ユーロ圏や米英でも顕著に鈍化傾向を示しています。

パレスチナ自治区ガザでのハマスとイスラエルの戦争は、まもなく3カ月目に入ろうとしていますが、戦争停止の道筋は見えていません。ガザ地区ではすでに戦争による死者は2万人を超えており、民間人の犠牲者が多数出ています。一方ハマス側に捕らえられたイスラエル人の人質も厳しい状況となっており、限界に近いとの声もあります。攻撃継続を強行するネタニヤフ首相に対して国内でも「即停戦を行い人質解放の提案をすべきだ」との声が高まり、デモも起きています。「圧倒的に勝利するまで戦い続ける」と宣言している同首相ですが、25日のウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に論説を寄稿しています。ネタニヤフ氏はその中で、「ハマスの壊滅」、「パレスチナ自治区ガザの非武装化」、「パレスチナ社会の脱過激化」の3つを、戦闘で和平を達成するための前提条件として挙げています。ネタニヤフ氏は、「ハマスの壊滅において、イスラエルは引き続き国際法を完全に順守して行動する」とし、「ハマスの排除がこうした恐ろしい残虐行為を繰り返さないため唯一の相応する対応だ」と主張しています。人道的な配慮が全くなく、国際法上も大きな問題があるとされているイスラエルのガザ地区での攻撃が続いている中で、果たしてこのような論説がどこまで信用されるのでしょうか。

本日のドル円は141円50銭~143円程度を予想します。

ドル円一時141円台後半まで下落 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は続落。個人消費支出(PCE)コアデフレータが予想を下回ったことで142円台を割り込み、141円87銭まで売られる。

  • ユーロドルは1.10台で推移。ドル安が進んだことで1.1040まで上昇。

  • 株式市場はまちまち。ダウは小幅安で取引を終えたものの、ナスダックとS&P500は続伸。

  • 債券は小幅に買われ、長期金利は3.89%台に低下。

  • 金が続伸し、原油は売られる。

本日の注目イベント

  • 日   10月景気先行指数(CI)(改定値)
  • 日   10月景気一致指数(CI)(改定値)
  • 日   植田日銀総裁講演
  • 欧米  主要欧米市場は休場

11月の個人消費支出(PCE)は、食品とエネルギーを除くコアベースで価格指数の伸びが市場予想を下回っていたことで、ドル円は141円台後半まで売られました。コア価格指数が6カ月間の年率ベースでは、上昇率が「1.9%」と、FRBが目標とする「2%」をわずかですが下回りました。物価上昇圧力の持続的緩和と家計需要の底堅さは、米景気がソフトランディングするという見通しと整合している(ブルームバーグ)とし、インフレ率が当局の目標に達したことで、FOMCメンバーの多くが先走る市場をけん制する発言を行ってはいるものの、パウエル議長が行った「ハト派発言」を、より正当化させる根拠になりそうです。

意外な人のコメントにやや注目しています。民党の石破氏が24日のラジオ日経のポッドキャスト番組で、自身の経済政策につい
て語っています。自民党安倍派や二階派のパーティー券売り上げ収入不記載問題で、政権の主要閣僚は外され、東京地検が任意の事情聴取を行うといった不祥事が発生し、岸田内閣の支持率は急低下。今や岸田政権そのものが「風前の灯火」となっている状況の中、次期首相の先頭にいるのが、石破氏のようです。これまでに、「暗い」と言われてきた石破氏にもいよいよ陽が当たり始めたかもしれません。石破氏は、「『イシバノミクス』と偉そうなことを言うつもりはないが、本来の資本主義に戻す」と述べて、さらに「金利のある世界が必要不可欠」と、マイナス金利からの正常化も主張しています。「異次元の金融緩和を実施し、壮大な実験ではあったが、それが所期の結果をおさめたかは検証が必要だ。需給ギャップが本当になくなったのか、そうではないと思っている」とも述べ、「岸田首相は聞く力も大事だが、自民党が窮地にあり、発言力を発揮しなければいけない」と話していました。「安倍・黒田」体制はすでに終わりましたが、ひょっとしたら「石破・植田」体制もあるかもしれません。

バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話で協議を行い、大統領は「ネタニヤフ氏と長時間にわたって協議を行ったが、戦闘停止は求めなかった」と記者団に述べています。ネタニヤフ氏も「イスラエルは主権国家であり、戦争に関する決定は作戦上の考察に基づいたものだ」と述べています。また、これまでに主張してきた言葉を繰り返し、「イスラエルは絶対的な勝利が得られるまで、どんなに時間がかかろうとも戦い続けるとバイデン氏に伝えた」と語り、「米国はそれを理解している」と続けていました。ネタニヤフ氏自身も述べていますが、この戦争は長いものになりそうです。

本日のドル円は141円50銭~143円程度を予想します。

明日(12月26日)のアナリストレポートは、主要市場が休場のためお休みとさせて
いただきます。27日(水)から今週末までは通常通りです。

米第3四半期GDP確報値は下方修正 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は続落。GDPの下方修正や他の経済指標の下振れを受け、ドル円は142円05銭まで売られ今月18日以来の安値に沈む。

  • ユーロドルは反発し、約1週間ぶりに1.10台を回復。

  • 株式市場は3指数が揃って大幅に反発。前日に大きく売られた株式は再び上昇に勢いがつき、S&P500は48ポイントの上昇。

  • 債券は反落。長期金利は3.88%台に上昇。

  • 金は反発し、原油は小幅ながら反落。

本日の注目イベント

  • 日 11月全国消費者物価指数
  • 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(10月30日、31日分)
  • 英 英11月小売売上高
  • 英 英7-9月期GDP(改定値)
  • 米 11月耐久財受注
  • 米 11月個人所得
  • 米 11月個人支出
  • 米 11月PCEデフレータ(前月比)
  • 米 11月PCEデフレータ(前年比)    
  • 米 11月PCEコアデフレータ(前月比)
  • 米 11月PCEコアデフレータ(前年比)
  • 米 11月新築住宅販売件数
  • 米 12月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
  • 米 債券市場、短縮取引

ドル円は再び下落基調を強め142円目前まで下落してきました。今回の反発局面では144円96銭まで戻す場面もありましたが、結局145円には届かず、142円近辺まで下げてきました。今夜は比較的重要な指標である個人消費価格指数(PCE)が発表されるため、結果次第ではどちらかに大きく動く可能性は残していますが、どうやら年内は140-145円のレンジ内に留まると予想されます。予想される11月のPCEコアデフレータは前年比で「3.3%」と見込まれています。10月の「3.5%」から一段と鈍化すると見られ、FRBが目標とする2%に近づくことになります。昨日発表された第3四半期GDPの確報値でも、食品とエネルギーを除いたコアPCEは「2.0%」と、改定値の「2.3%」から低下していました。GDPは依然としてG7諸国の中では高い成長率を維持しながらも、インフレの鈍化が着実に進み、米国のソフトランディングの可能性が一段と高まってきたことを示唆しています。

サウジアラビアが主導する形で減産計画を巡る議論が交わされてきた「OPECプラス」でしたが、その中で減産に強く反対していたアンゴラが、ついに「OPEC」からの脱退を発表しました。アンゴラのアゼベド鉱物資源・石油相は「OPECにおけるわれわれの役割は適切なものでなかった。決定は容易に下されたわけではない。時が満ちた」と述べています。サウジは「OPECプラス」と通じ、低迷する原油価格の底上げを目指し減産を主張してきましたが、アンゴラは生産枠の引き下げに反対していました。これでアンゴラは16年に及んだOPEC加盟国の立場を放棄することになり、これでOPEC加盟国は12カ国に減少します。(ブルームバーグ)OPECからの脱退は、カタールとインドネシアのほか、最近ではエクアドルも脱退しており、盟主サウジの求心力にも陰りが出てきたとの指摘もあります。減産による収入減は、財政が豊かなサウジと石油収入への依存度の高いアンゴラなどの国々では、その影響も大きく異なるようです。

トルコ中銀は21日、政策金利である1週間物レポ金利を2.5%引き上げ「42.5%」にすることを決めました。これで7会合連続で利上げを行ったことになり、今年5月には「8.5%」だった政策金利は、エルカン総裁が就任して以来積極的に引き上げられて来ました。トルコの消費者物価指数(CPI)は低下傾向を示してはいるものの依然とし高水準で、12月のCPIも前年比で「68.7%」と予想されており、実質金利がマイナスの状況が続いています。トルコ中銀は、インフレ率は2024年末には「36%」まで低下すると見込んでおり、金融政策員会は「引き締めサイクルを可能な限り早期に終了させる」としており、積極的な利上げも最終局面に入ってきたようです。

本日のドル円は141円50銭~143円程度を予想します。

米長期金利3.84%台まで低下 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆140円台後半を付けてからのドル円の戻しも一服。
米金利が低下し、株価も大きく下げたことで143円32銭
までドル売りが進む。欧州市場では143円26銭近辺まで下げる。
◆ユーロドルはやや水準を下げたものの、ほぼ変わらず。
◆株式市場では上昇が止まる。利益確定の売りに押され3指数が
揃って大幅安。
◆債券は反発。長期金利は3.84%台まで急低下。
◆金は反落し、原油は続伸。

◆経常収支(7-9月)              →  -200.3b
◆11月中古住宅販売件数             →  382万件
◆12月コンファレンスボード消費者信頼感指数   →  110.7  

本日の注目イベント

◆トルコ トルコ中銀政策期金発表
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   7-9月GDP(確定値)
◆米   12月リッチモンド連銀製造業景況指数
◆米   11月景気先行指標総合指数


ドル円は昨日の東京時間から上値を重くし、143円台前半まで下げて来まし
た。FOMC後のパウエル議長の予想外のハト派発言で、政策金利引き下げが
かなり前倒しになるといった観測も、その後のFOMCメンバーが概ね慎重で
タカ派寄りの発言を繰り返し口にしたことで、やや冷水を浴びせられた格好で
す。
また、植田日銀総裁の「チャレンジング発言」で、盛り上がった大規模金融緩
和策の修正観測も、同じように沈んでいます。総裁は「一層気を引き締める」
といった意味合いで述べたものだと釈明していました。このような状況の中、
ドル円の方向性も定まりません。2024年に向け、ドル円の方向性を決定す
る重要な要因の一つである「日米金利差」は確実に縮小すると見ていますが、
それでも「どこまで縮小するのか」といった見方や、あるいは「縮小したとし
ても絶対的な金利差は依然大きい」と捉えることもでき、一気に円高方向に向
かうかどうかは不透明な部分があります。

昨日のNY市場では12月の消費者マインドが好調だったにもかかわらず、債
券が買われ、株価は大きく下げました。コンファレンスボードが発表した12
月の消費者マインドは「110.7」と、市場予想の「104.5」を大きく
上回り、2021年3月以来となる高水準でした。
労働市場とインフレの見通しに対する消費者の楽観的な見方が強まったことを
表していると見られます。
しかし、株式市場では連日最高値の更新が続いていたため、クリスマス休暇を
前に利益確定の売りに押されたものと思えますが、各金融市場を全体的に見渡
せばセオリーからは離れた動きでした。
米利下げのタイミングを巡ってはメンバー内でも意見が錯綜しているようにも
思えますが、昨日のインタビューで語られたフィラデルフィア連銀のハーカー
総裁の言葉が、現状最も適切であり、FRBの置かれている状況を言い表して
いると思います。ハーカー総裁はラジオとのインタビューで、「金利を下げ始
めることが重要だ。しかし、あまり急ぐ必要はないし、今すぐやるつもりもな
い」と述べています。

欧米では明日辺りからクリスマス休暇に入る市場関係者も多いかと思われます
。相場の方向性は見えにくい状況が続いていますが、通貨オプション市場では
ドル円のボラティリティーが低下しており、「このボラの低下傾向が円安要因
になる」と指摘する向きもあります。ドル円1カ月物オプションのボラティリ
ティーは今朝の時点で「8.925」と、今月6日以来の低水準に沈んでいま
す。日米金利差をベースに行われる「キャリートレード」はボラティリティー
が高まると敬遠される傾向があります。
為替の値動きが大きければ大きいほど、「金利差」どころではなくなって来る
からです。「キャリートレード」が活発になるのは低ボラティリティーが基本
になるため、足元の低水準では取引が活発になり、従って「ドル買い円売り」
が増えるといった見立てです。
この指摘も含めてドル円の方向性は不透明になっています。ひょっとしたら年
内は140-145円のレンジ内で推移するのかもしれません。

本日のドル円は142円70銭~144円20銭程度を予想します。


ドル円日銀会合を受け145円に迫る急騰 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆日銀の決定会合を受けドル円は急騰。さらに植田総裁の会見でも
ドル買いが続き、LDN市場では144円96銭までドル高が進行。
◆ユーロドルではドル安が進み、1.0987までユーロが買われる。
◆株式市場は糸の切れた凧のように上昇。ダウは251ドル上昇し、これで
9日続伸。ナスダックは1万5000の大台に乗せる。
◆債券は横ばい。
◆金と原油は続伸。

◆11月住宅着工件数    →  156万件
◆11月建設許可件数    →  146万件

本日の注目イベント

◆日   11月貿易統計
◆独   独11月生産者物価指数
◆独   独1月GFK消費者信頼調査
◆英   英11月消費者物価指数
◆欧   ユーロ圏10月経常収支
◆欧   ユーロ圏12月消費者信頼感指数
◆米  経常収支(7-9月)
◆米   11月中古住宅販売件数
◆米   12月コンファレンスボード消費者信頼感指数
◆米   グールズビー・シカゴ連銀総裁、WSJとインタビュー

昨日の昼前、11時49分にドル円は一気に上昇を始め、142円65銭前後から
1円ほど「ドル高円安」が進みました。
日銀は金融政策決定会合で、イールドカーブコントロール(YCC)を中心とした
大規模な金融緩和策の現状維持を決めました。また、先行きの政策指針であるフォ
ワードガイダンスにも変更はありませんでした。
市場では、今月7日の国会で植田総裁が「年末から来年にかけて一段とチャレンジ
ングになる」と発言したこともあり、金融政策の修正観測が急速に高まりましたが
、昨日の時点ではその見方も後退していました。ただ、1月会合に向け何らかのメ
ッセージはあるのではないかといった見方は一部に根強く残っていましたが、それ
もなく、結局「円金利は上がらない」ことを材料にリスクオンが強まり、円安、株
高が進みました。

ドル円はその後の植田総裁の会見でもジリジリと値を上げ、LDN市場では一時1
44円96銭までドルが買われ、昨日の日銀の決定だけで2円以上も円安が進んだ
ことになります。あの「チャレンジング発言」は、一体何だったんでしょう。
午後3時半から始まった会見の場で、朝日新聞の記者がその真意を質問しました。
筆者もどのような意味合いだったのか、興味深く回答を聴いていましたが、総裁は
「2年目に入ることもあり、一層気を引き締めてやるというつもり」のものだった
と答えていました。ドル円はあの発言を受け、1日で5円程円高が進みましたが、
あのような言葉を発すれば為替が大きく動くということは容易に予測できたと思わ
れます。今年は最後まで日銀に振り回されたといった印象が残ります。

NY株式市場では株価の上昇が止まりません。
ダウは今月5日の下落を最後に連騰を続け、この間に1400ドル以上も上昇して
います。
ブルームバーグによると、先週15日には上場投資信託(ETF)の「SPDR・
S&P500ETFトラスト」に208億ドル(約3兆円)の資金が流入したそう
です。ブルームバーグの集計では、この金額は1993年の同ファンド開始以来最
大の資金流入になるそうです。14日にはFOMCが開催され、パウエル議長が「
会合で利下げを議論した」と発言したことと関係がないとも思えません。
2024年に向け、FRBが政策金利引き下げに動くとの観測から大量の資金が株
式市場に向っていると思えます。
一方でFOMCメンバーの多くは、むしろタカ派的な発言を発していますが、昨日
もそうでしたが、「Who cares ?」といった雰囲気に飲まれているようで、個人的
にはやや行き過ぎとの印象も否めません。

リッチモンド連銀のバーキン総裁はヤフー・ファイナンスとのインタビューで、「
インフレがうまく鈍化すると見なすなら、われわれは当然、適正に対応するだろう
」と述べ、利下げもある得ることに触れましたが、「向こう数カ月間にインフレに
関するデータの一貫性と広がりを見たい」と述べています。
また、アトランタ連銀のポスティック総裁は同地で開かれたイベントで、「インフ
レ率は向こう6カ月は比較的緩やかに低下していくと考えている。これは景気抑制
的なスタンスを撤回する緊急性がないことを意味する」と述べ、来年利下げを急ぐ
必要性はないとの見解を示し、FOMCは来年の後半に2回の利下げを実施するだ
ろうと、自身は予想するが「それに関して活発に議論しているというわけではない
」と述べています。(ブルームバーグ)

ドル円は140円台後半まで下げましたが、これでその水準から4円程戻したこと
になります。植田総裁の発言とFOMCでのパウエル議長の発言で一気に円高に振
れましたが、その修正が起きている途中です。
これまでにも触れていますが、11月の高値からの下落分の「反値戻し」(146
円45銭近辺)は達成しています。ただ、基本的にはFRBによる利上げが終わり
、日銀によるマイナス金利の解除を含む政策修正が今後実施されることは変わらな
いと思います。
ドルがどこまで戻すのかが焦点かと思いますが、今回もそうでしたが、相場観の決
め打ちはリスクが高いようです。相場の動きに柔軟な姿勢で対峙することは今後も
必要です。

本日のドル円は143円50銭~145円程度を予想します。


FOMCメンバーのタカ派発言相次ぐ 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円はFOMCメンバーによるタカ派寄りの発言が相次いだことで
143円台に乗せる。143円16銭まで買われたが本日の日銀決定会合を
前に、様子見気分も広がる。
◆ユーロドルは1.09台で小動き。
◆ダウは8日続伸したものの終盤に失速しわずか86セント高。他の2指数も
続伸。M&Aが再び活発化するとの期待も株価にプラスに働く。
◆債券は反落。長期金利は3.93%台に上昇。
◆金と原油は反発。

◆12月NAHB住宅市場指数  → 37 

本日の注目イベント

◆豪   RBA、金融政策会合議事要旨公表
◆日   日銀金融政策決定会合
◆日   植田日銀総裁記者会見
◆欧   ユーロ圏11月消費者物価指数(改定値)
◆米   11月住宅着工件数
◆米   11月建設許可件数
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米   グールズビー・シカゴ連銀総裁、FOXニュースとインタビュー
◆加   カナダ11月消費者物価指数

NY市場ではドル円が143円台に乗せる場面もありました。
先週のFOMC会合後のパウエル議長によるハト派寄りの発言に、メンバーの地区
連銀総裁3人がけん制する発言を行ったことでドルを押し上げましたが、影響は限
定的だったようです。債券は若干売られ金利が上昇しましたが、株式市場ではハイ
テク株が値を伸ばし日本製鉄のUSスチール買収のニュースもあり、ナスダックは
続伸。ただ市場は本日の日銀決定会合の結果を見極めたいとする雰囲気もあり、値
動きは小幅でした

クリーブランド連銀のメスター総裁は英フィナンシャルタイムズ(FT)とのイン
タビューで、来年の早期利下げを織り込んでいる金融市場について、「政策の正常
化について、少し先走っている」とけん制する発言を行いました。また、自身は来
年0.25ポイントの利下げを3回と予想する当局者の1人だと発言した上で、「
利下げに関する議論が活発化すれば、1年先のインフレ期待と、それが2%の目標
に向かってどの程度のペースで下がっていくかを注視する」と説明しています。
またシカゴ連銀のグールズビー総裁も、CNBCとのインタビューで、「米金融当
局は市場がどう反応するかを考えて行動すべきではない」と述べながらも、「先週
のFOMC後に公開した四半期の経済・金利予測に対し、市場が示した反応に困惑
している」と語っており、「インフレについては、著しい改善が見られるものの、
目標には依然戻っていない」と指摘しています。
デーリー・サンフランシスコ連銀総裁も、「今年のインフレ鈍化の程度を踏まえ、
当局者が24年に利下げの検討を開始するのは適切だ」としつつも、「それがいつ
になりそうか臆測するのは時期尚早だ」と、ウォールストリートジャーナル紙(W
SJ)とのインタビューで指摘しています。
さらにブルームバーグのコラムニストで、元NY連銀総裁のダドリ-氏も、「パウ
エル議長らは、リセッション回避と過度なインフレ抑制の両立は可能だと考えてい
る。筆者もそれがうまくいくことを願っている。しかし、残念ながら、そうはなら
ない可能性もなお非常に大きい」と議長の政策の大転換に疑問を呈していました。

それにしてもここまで利下げに対する慎重論が出て来ると、インフレとの闘いに自
信を深めているパウエル議長の「先走りだったのでは」といった疑問も沸いてきそ
うです。
この状況で、例えば22日(金)の11月PCEデータが市場予想を大きく上回る
ような結果が出た場合には、ドル円が限りなく145円に接近する可能性もないと
はいえません。
FRBによる利上げステージが終わり、一方で日銀によるマイナス金利解除などの
政策変更が視野に入ってきたことを考えると、「2024年にかけては円高が進む
」と予想するのは自然の流れかとは思いますが、まだそれほど単純な話ではないの
かもしれません。

本日のドル円は141円80銭~143円30銭程度を予想します。


NY連銀総裁の発言にドル上昇 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円はNY連銀総裁のタカ派寄りの発言に142円45銭まで上昇。
「FOMCメンバーの足並みが揃っていない」との疑念も台頭。
◆ユーロドルは小幅に反落し、1.08台後半まで値を下げる。
◆株式市場はS&P500が小幅に下落したものの、他の2指数は続伸。
ボーイングなどが株価を押し上げ、ダウは7日続伸。連日で最高値を更新する。
◆債券は小幅に続落。長期金利は3.91%台に。
◆金は反落。原油も小幅安。

◆12月NY連銀製造業景況指数                →  -14.5
◆12月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)        →  48.2
◆12月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)      →  51.3
◆12月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)     →  51.0
◆11月鉱工業生産                      →  0.2%
◆11月設備稼働率                      →  78.8%

本日の注目イベント

◆独   独12月ifo景況感指数
◆米   12月NAHB住宅市場指数


「同床異夢」・・・・・。
先週のFOMCではパウエル議長の、かなりハト派寄りの発言を受け、ドル円は大きく
売られましたが、先週末には「ブラックアウト」期間が終了したこともあり、多くのメ
ンバーの発言する機会がありました。
FOMCメンバーの中心的な存在の一人であるNY連銀のウイリアムズ総裁の発言はそ
れなりに重いものがありますが、予想に反してインフレを巡ってはかなり慎重な発言で
した。
これがドル円を141円台後半から142円台半ばまで押し上げました。パウエル発言
で「早ければ来年3月にも利下げが開始される」とする観測は後退しています。

ウイリアムズ総裁はCNBCとのインタビューで、「利下げについて協議しているとい
うほどでもない」と発言し、来年3月の利下げについて考えるのは「時期尚早だ」と述
べました。その上で、「パウエル議長が言ったように、問題はインフレ率が2%に下が
るのを確実にするため、金融政策は十分景気抑制的なスタンスになったかどうかだ、そ
れが目前にある問題だ」と話しています。
またシカゴ連銀のグールズビー総裁もウイリアムズ総裁に歩調を合わせるかのように、
「2023年に多くの進展を遂げてきたが、なお注意しておこう。まだ終わってはいな
い。従って、データが今後の金利動向を左右することになる」と話していました。
一方、アトランタ連銀のポスティック総裁は中立的な意見を述べ、「インフレ率が予想
通り低下すれば、2024年第3四半期に利下げが始まる」との見方を示し、「インフ
レ率は2024年末時点で2.4%前後になり、目標の2%からさほど離れていない見
通しだ」と語っています。

また、久しぶりに米国家経済会議(NEC)のブレイナード委員長が発言しています。
ブレイナード氏は今年2月までFRB副議長の要職を務め、一時はパウエル議長の後任
になるのではないかと目された人です。そのブレイナード氏は、「サプライチェーンの
圧力緩和や堅調な雇用市場、力強い生産性、データにおけるさまざまな遅行効果を総合
すると、インフレとの闘いが終わりに近づきつつあることが示唆される」と述べ、「想
定し得る限りにおいて、経済は実に良好なバランスが取れた状態になりつつある。ディ
スインフレのプロセスがかなり安定した形で進んでいるようだ。従って、進展の継続を
期待する十分な根拠はある」と発言しています。(ブルームバーグ)


イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争が3カ月目に入りましたが、戦況は変わらず
、執拗に攻撃を続けるイスラエルに対して、欧米を含む世界中からだけではなく、国内
からもネタニヤフ政権を批判する声が高まる事態が発生しています。
イスラエル軍は16日、イスラム組織ハマスに拘束されていた人質3人を誤って射殺し
ました。3人は白い布のようなものを棒に付けた「白旗」のようなものを掲げていたが
、イスラエル軍兵士は「ハマスのわな」と思い込み発砲したようです。イスラエルのコ
ーヘン外相は「ハマスの排除はイスラエルの安全保障上の利益であるだけでなく、地域
全体に一段と好ましい、かつ安全な将来をもたらす」と話しており、ネタニヤフ首相は
戦闘で死亡した兵士の遺族からの手紙を引用して、「戦うための信任はあるが、途中で
止める信任はない」と語っています。(日経新聞)
今や、米国内の若いユダヤ人の間からも「やり過ぎだ」といった声が高まっており、バ
イデン大統領も2024年の大統領選をにらんだ中で、厳しい対応を迫られています。

本日のドル円は141円50銭~143円程度を予想します。


ECB、BOE政策金利据え置く 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆東京時間に140円台後半まで売られたドル円はその後反発。
NY時間には142円27銭まで買われたが、米金利の低下に上値も重い。
◆ECBは政策金利据え置きを決定。ラガルド総裁が利下げの可能性を
一蹴したことでユーロドルは1.10台を回復する場面も。
◆株式市場は前日のFOMCの結果に支えられこの日も続伸。
ダウは158ドル買われ、連日で最高値更新。
◆債券も続伸し、長期金利は一時3.8%台まで低下し、
3.92%台で引ける。
◆金利低下を好感し金は大幅に続伸。原油も大幅に買われ71ドル台を回復。

◆新規失業保険申請件数       → 20万2000件
◆11月小売売上高         →  0.3%
◆11月輸入物価指数        →  -0.4%
◆11月輸出物価指数        →  -1.4%

本日の注目イベント

◆中   中国11月小売売上高
◆中   中国11月鉱工業生産
◆独   独12月製造業PMI(速報値)
◆独   独12月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏12月製造業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏12月サービス業PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏12月総合PMI(速報値)
◆欧   ユーロ圏10月貿易収支
◆英   英12月製造業PMI(速報値)
◆英   英12月サービス業PMI(速報値)
◆米   12月NY連銀製造業景況指数
◆米   12月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
◆米   12月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
◆米   12月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)
◆米   11月鉱工業生産
◆米   11月設備稼働率
◆加   カナダ11月住宅着工件数


FOMCで来年には3回の利下げが示唆されたことからドル円は再びドル売りが強まり
昨日の東京時間昼ごろには、先週付けたドルの直近安値であった141円71銭を割り
込みました。その水準を割り込むと、ストップロスのドル売りが執行されたのか、ドル
円は一気に141円を割り込み、140円98銭前後(一部には140円95銭との報
道も)までドルが売られ、直近の安値を更新しました。ただその後の戻りも先週と同じ
ように速く、1円程戻し141円87銭辺りまで反発する荒っぽい動きとなり、NYで
は142円台前半までドルが反発しています。
1週間前の急速な戻りとまでは行きませんでしたが、今回もドルが大きく売られたもの
の、底値を付けた後の戻りも速く、見方を変えれば「ドルは底堅い」と見られないこと
もありません。
米長期金利は一段と低下し、昨日は一時4%を大きく割り込み3.88%台まで低下し
ました。米債券市場では、今後もFRBの金融政策の修正に伴い米金利は緩やかに低下
するといった見方が主流となっており、ドル円の上値を抑えることになりそうですが、
見極める必要はあります。

ECBは市場予想通り政策金利の据え置きを決めました。
ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、「決して警戒を緩めてはならない。利下げにつ
いては全く議論しなかった」と述べ、消費者物価の上振れリスクは続いていると警告し
、「現在あるデータを見ると、圧力は弱まっていない」と述べています。
イングランド銀行(BOE)もこの日政策金利の据え置きを決め、両中銀の今後の金融
政策への取り組みは前日のFOMCとは対照的な動きでした。
FOMCでは2024年には少なくとも3回の利下げがあることが示されましたが、E
CB、BOEはともに市場の「利下げ期待」を打ち消すような姿勢を見せています。
利下げ観測が後退したことでラガルド総裁の会見後、ユーロドルは100ポイント程買
われています。

米金利の低下傾向が鮮明になったことで資金が債券市場と株式市場に再び流入していま
す。
特にダウの上昇は大きく、10月末では3万3050ドルだったダウは、昨日は3万7
248ドルで引け、連日で史上最高値を更新しています。この間の上昇率は12.7%
にも達しています。株高は言うまでもなく、「リスクオン」につながることから、ドル
円では円売り材料と見ることができます。一方日経平均株価の方は、底堅い動きを見せ
てはいるものの、上値の重い展開が続いています。本来なら米国株の上昇に引っ張られ
る形で3万5000円を目指してもいい状況ですが、「円高」がボトルネックになって
います。
「行き過ぎた円安は日本経済にとってはよくない」と言われてきましたが、円高も企業
業績全体にとっては悪いということでしょうか。
もっとも、円高に振れたといっても今年1月は127円台であったわけで、決して円高
とは言えません。米国株が今後どこまで上昇するのかも見ておく必要がありそうです。

本日のドル円は141円20銭~143円程度を予想します。


FOMC24年度に3回の利下げを示唆 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆145円前後で推移していたドル円はFOMC後に急落。
24年に複数回の利下げを示唆したことで142円65銭まで
ドル売りが進む。
◆ユーロドルでもドル安が進み、ユーロは1.0897まで上昇。
◆株式市場ではドット・プロットで24年度には0.75
ポイントの利下げが示されたことを好感し3指数が大幅高。
ダウは512ドル上昇し、およそ2年ぶりに最高値を更新。
◆債券も急騰。長期金利は前日比18bp下げ、4.0%台まで低下。
この日発表されたPPIの鈍化も債券買いにつながる。
◆金と原油は小幅高。

◆11月生産者物価指数 →  0.9%

本日の注目イベント

◆豪   豪11月雇用統計
◆日   10月鉱工業生産(確定値)
◆欧   ECB政策金利発表
◆欧  ラガルド・ECB総裁記者会見
◆英   BOE金融政策発表
◆英   BOE金融政策委員会(MPC)議事録
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   11月小売売上高
◆米 11月輸入物価指数
◆米 11月輸出物価指数

今朝方発表されたFOMCでは予想通り政策金利は据え置かれ、パウエル議長の発言も
想定を大きく超えるもではありませんでしたが、ややハト派寄りだったことで、ドル円
は発表前の145円前後から急落し一時は142円65銭まで売られ、再び「ドル安円
高」が進行しました。

各市場を大きく動かしたのは、FOMC参加者のドット・プロット(金利予測分布図)
でした。予測中央値では、今後追加利上げはないとの見通しが示され、また2024年
には複数回にわたって金利を引き下げる見通しも示されました。これまで続いてきた積
極的な利上げ局面が終了したとするシグナルが示されたことになりますが、この部分は
想定外でした。メンバーは2024年に、中央値で0.75ポイントの利下げを予想し
ており、0.25ポイントの下げ幅とすれば3回ということになります。予測はばらつ
きが多かったようですが、8人が0.25ポイントの利下げが3回未満となっている一
方、5人はそれ以上の利下げを予想していました。
この結果を受け、債券と株が大きく買われ、長期金利が急低下したことでドル売りが加
速しました。株式市場では主要3指数が5日連続で買われ、NYダウは512ドル高。
ついに3万7000ドルの大台に乗せ、およそ2年ぶりに「史上最高値」を更新してい
ます。

声明文では「最近の複数の指標は、経済活動の伸びが第3四半期の力強いペースから鈍
化してきたことを示唆する。雇用の伸びは今年の早い時期より緩やかになってきている
が、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレはこの1年で緩和したが、依
然として高い水準にある」と記しています。
パウエル議長は会合後の会見で、「予測(ドット・プロット)はあらかじめ決められた
計画ではない。物価上昇圧力が再び台頭しないようにするため、追加利上げの選択肢を
外す用意はない」と述べ、ここまでは予想通りでしたが、「利下げは視野に入り始めて
おり、実社会で話題になっているのは明白だ。今回のFOMC会合でも議論した」と発
言しています。ここでは「利下げ」という言葉を使い、かなりハト派寄りの発言でした。

ドル円は先週木曜日の植田総裁の発言をきっかけに141円71銭まで急落しましたが
、その後の戻しも急で、146円59銭まで反発しました。それでも戻りは今回の下落
幅の「半値戻し」には届かず、さらに日足の戻りのメドでもある「基準線」(146円
81銭)にも届かず、今回再び下落に転じ下値を試す展開になってきました。
142円台半ばから先週記録した141円71銭までの間では、ドル買いが集まり易い
と見られ、簡単には割り込まないかもしれませんが、反対に割り込んだ場合、今度は1
40円が大きな節目になろうかと思います。今年最後のFOMCはパウエル議長が「利
下げの可能性」に言及して終えました。
FRBによる積極的な利上げが功を奏したといったところですが、これで注目は来週の
日銀です。ただ、「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」といった発言
があった割には、現時点では「政策変更はなし」というのが市場のコンセンサスになっ
ているようです。
「利下げ」が言及されたことは一歩前進ですが、市場の反応はいつものように「オーバ
ーリアクション」の感があることは否めません。

本日のドル円は141円80銭~143円80銭程度を予想します。


米11月のCPIは3.1% 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円は146円台半ばから反落。米長期金利が低下したこともあり
144円72銭まで売られ、先週金曜日の水準まで下落。
◆ユーロドルは反発。1.0830まで買われ、およそ1週間ぶりの高値に。
◆株式市場は朝方軟調に取引が始まったが、買い優勢となり
3指数は揃って3日続伸。
◆債券は買われ、長期金利は4.20%台に低下。米11月の
CPIを巡っては微妙な反応に。
◆金は3日続落し、原油も反落。

◆11月消費者物価指数      →  3.1%(前年同月比)
◆11月財政収支         →  -314b

本日の注目イベント

◆日 10ー12月期日銀短観・大企業製造業業況判断
◆日 10ー12月期日銀短観・大企業製非造業業況判断
◆中東  OPEC月報
◆欧   ユーロ圏10月鉱工業生産
◆英   英10月鉱工業生産
◆英   英10月貿易収支
◆米   11月生産者物価指数
◆米   FOMC 政策金利発表
◆米   パウエル議長記者会見

ドル円は146円台半ばから反落し、昨日のNYでは一時144円台後半まで売られる
場面もありました。結局、今回の下落分の「半値戻し」は達成せずに売られたことにな
ります。それでも米11月の消費者物価指数(CPI)が発表されると、145円台半
ばまで買い戻されましたが、今夜のFOMCを前にその後の動きは緩慢でした。

11月の総合CPIは、前月比で「0.1%」(10月は「0.0%」)、前年同月比
では「3.1%」(10月は「3.1%」)でした。またコアCPIは前月比で「0.
3%」(10月は「0.2%」)、前年同月比では「4.0%」(10月も「4.0%
」)と、前月比ではいずれも上振れしたことで、FRBの利下げ期待はやや後退したよ
うですが、これが今夜のFOMCの決定に影響を及ぼす可能性はないようです。米国の
インフレは着実に鈍化してはいるものの、この日のデータはインフレをここからさらに
低下させることが容易ではないことを、改めて浮き彫りにした格好でした。
労働市場が依然強く、個人消費とともに経済全般を引き続き引っ張っているようで、「
ラスト・ワンマイル」は容易ではないと言われる根拠にもなっていると思われます。
ただ、イエレン財務長官は昨日ワシントンでのイベントで、「インフレ率は確実に低下
しつつある」とし、「インフレ率を金融当局の目標である2%に戻すまでの最後の1マ
イルが特に難しいとは考えていない」と、上記11月のCPI発表後に述べています。
イエレン氏は「難しくない」とする、その根拠については触れていません。

イスラエルのネタニヤフ首相は、パレスチナ自治区ガザへの執拗な攻撃を続けています
が、同首相と米国のバイデン政権との間に、ようやく亀裂らしきものが見えてきました
。バイデン大統領は12日、イスラエルの「右派政権」はイスラム組織ハマスに対する
軍事作戦で国際的な支持を失いつつあると主張、ネタニヤフ首相にパレスチナ側との2
国家による解決を支持するよう迫った(ブルームバーグ)と報じられています。
ブルームバーグによると、「この発言は、10月7日にイスラエルとハマスの戦争が始
まって以来、ネタニヤフ政権を最も厳しく批判したものの一つ。ネタニヤフ氏はこの数
時間前、戦争後のガザ地区の将来についてバイデン氏と「不一致」があり、パレスチナ
自治政府が同地区を再び統治するというバイデン氏の提案を拒否したことを明らかにし
ていた」と報じています。
バイデン大統領はワシントンでの会合で、ネタニヤフ政権について「世界がイスラエル
を支持し続けるのを極めて難しくしている」と発言し、「ネタニヤフ氏は良い友達だ」
としつつ、「変わらなければならない」とも述べています。
イスラエルの非人道的で無差別な攻撃を止めさせることをできるのは「米国だけ」であ
ると考えていましたが、バイデン政権もようやく2024年大統領選への影響を考え、
動き出したようです。米国にとって「手塩にかけて育てた子供」が反抗している現在、
そろそろ親の威厳を見せる時です。遅すぎると取り返しのつかない事態にもなりかねま
せん。イスラエルの対応が注目されます。

明日朝方には今年最後のFOMCとパウエル議長の会見があります。
政策金利の据え置きはほぼ確定的と思います。注目はパウエル議長の発言内容ですが、
少なくとも「勝利宣言」はなく、ある程度のメドはついたものの、引き続き今後のデー
タを注視していくといった内容になるのではと予想しています。
データ次第では追加利上げの可能性もあるといった「再利上げの扉」を開けておくのか
どうかも、ポイントの一つになろうかと思います。

本日のドル円は144円~146円50銭程度を予想します。


ドル円はさらに反発し146円台半ばまで上昇 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円は146円台半ばまで続伸。「マイナス金利解除は急がない」
とのブルームバーグの報道に反応し、146円59銭までドル高に。
◆ユーロドルは大きな変化がなく、1.07台半ばでもみ合う。
◆株式市場は3指数が続伸。ダウは3日続伸し、年初来高値を更新。
ナスダックはインテルなどが上昇し28ポイント高。
◆債券は今夜のCPIを前に小動き。長期金利は小幅に上昇し、
4.23%台で引ける。
◆金はドル高が進んだことで3日続落。2000ドルの大台を
割り込む。原油はやや上昇。


本日の注目イベント

◆豪   豪12月ウエストパック消費者信頼感指数
◆豪   豪11月NAB企業景況感指数
◆独   独12月ZEW景気期待指数
◆英   英ILO失業率(8-10月)
◆英   英11月失業率
◆米   11月消費者物価指数
◆米 11月財政収支
◆米   バイデン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談(ホワイトハウス)

ドル円はブルームバーグのニュースに反応し、NYでは146円59銭まで買わ
れました。昨日も触れましたが、これで先月13日の高値である151円91銭
から今回の下げの「38.2%戻し」は抜き、「50%(半値)戻し」(146
円81銭)に近づいてきました。何度も言っていますが、「半値戻しは全値戻し
」という言葉があるように、147円に近づくようだと再び150円台もないと
は言い切れなくなります。
現時点ではまだドルの上値は重いと考えていますが、荒っぽい展開が続くドル円
のこと、この先まだまだ、波乱含みが予想されます。
NY株が堅調なこともリスクオンの流れに傾き易く、円売り材料として捉えるこ
とができそうですが、今後も柔軟な対応が不可欠です。

NY連銀が発表した調査結果によると、1年先のインフレ期待の中央値は「3.
4%」と、10月の「3.6%」から低下していました。これで2カ月連続の低
下ですが、3年と、5年のインフレ期待は前月から横ばいでした。
背景は、ガソリン価格と家賃が下落したことが大きかったようですが、労働市場
に対する消費者の見方にも変化が出ています。
今後1年以内に職を失うと考える確率は平均で1ポイント近く上昇し「13.6
%」となり、また失業後に職が見つかると考える確率も「55.2%」と、7カ
月ぶりの低水準でした。失業保険申請件数も増加傾向にあり、「職はいつでも見
つかる」と考えていた年初の頃に比べ、人々の意識も変わってきたようです。

今夜発表の11月の消費者物価指数(CPI)は、前月比では「0.0%」で横
ばい、前年比では「3.1%」と鈍化が予想されています。またコア指数では前
月比では伸びていると見込まれ、前年比では横ばいと予想されています。
いずれにしても、13日のFOMCの決定には影響がないと思われます。一方、
先週の植田総裁の発言でにわかに政策修正観測が高まった日銀ですが、ブルーム
バーグが報道した「動きはない」との見方が市場で受け入れられています。
ブルームバーグは、事情に詳しい複数の関係者への取材で分かったとして、「日
銀は、賃金と物価の好循環の実現に向けた十分な確証が得られていないため、マ
イナス金利やイールドカーブコントロール(YCC)の撤廃などを今月急ぐ必要
はほとんどないとの認識だ」と伝えています。
このニュースがドル円を押し上げましたが、これで先週木曜日の141円台後半
からはおよそ5円も反発したことになります。

本日のドル円は145円~146円80銭程度を予想します。


11月の米雇用統計良好 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆前日141円台後半まで売られたドル円は反発。11月の
雇用統計が市場予想を上回る結果を示したことで米金利が上昇し、
ドル円は145円22銭まで買われる。
◆ユーロドルは続落。ドルが反発したことで1.0724まで下落。
◆株式市場は3指数が揃って上昇。ダウは130ドル上昇し、年初来
高値を更新。
◆債券は続落。長期金利は4.22%台に。
◆金は大幅に続落。原油は7日ぶりに反発。

◆8月失業率                   →  3.7%
◆8月非農業部門雇用者数            →  19.9万人
◆8月平均時給 (前月比)            →  0.4%
◆8月平均時給 (前年比)            →  4.0%
◆8月労働参加率                 →  62.8%
◆12月ミシガン大学消費者マインド(速報値)   →  69.4

本日の注目イベント

◆英   英11月消費者物価指数

前日141円台後半まで売られたドル円は、先週末のNY市場で145円台まで
反発しました。短期的には売られ過ぎたことと、11月の雇用統計が市場予想を
上回ったことで米金利が上昇し、ドルを押し上げました。

11月の非農業部門雇用者数は「19万9000人の増加」と、市場予想の「1
8万5000人」を上回り、さらに失業率も予想の「3.9%」に対して「3.
7%」と低下していました。
雇用者数の上振れは、ストライキを行っていた自動車メーカー従業員の職場復帰
が数字を3万人押し上げたとされていますから、実質的には予想を下回っていた
ことになります。
ただ、平均時給は前月比で「0.4%」と、今年最大の伸びに並ぶ上昇率であっ
たことから、米労働市場は依然として底堅いと見られます。注目される今週のF
OMCですが、今回の結果を踏まえても追加利上げにはつながらないと見られま
す。
「今回のデータの全体像を見れば、FOMCはインフレ率を確実に目標に戻すた
め辛抱強い姿勢を維持できるだろう」と、ブルームバーグは報じています。
またこの日発表された12月のミシガン大学消費者マインドは「69.4」と4
カ月ぶりの高水準でしたが、1年先のインフレ期待は「3.1%」に低下してお
り、前月比では「1.4%」も下げ、これは2001年10月以来の大きさでし
た。
FRBが積極的に景気抑制的な政策を実施してきましたが、それでも米経済はリ
セッション入りを回避し、ソフトランディングできる可能性が高いことを示して
いると見て取ることが出来ます。

イスラエルの攻撃によりパレスチナ自治区ガザでは,被害を受けた民間人犠牲者
の姿が連日TV等で放映されていますが、国連の安全保障理事会は、同地区での
停戦を求める決議案を採決にかけましたが、米国が拒否権を行使したため否決さ
れています。
理事国15カ国のうち決議案に反対したのは米国のみで、英国は棄権し、残りの
13カ国が賛成票を投じました。
バイデン政権は民間人の死者数の多さに懸念を表明しながらも、停戦を求める決
議案には反対し、9日には戦車の弾薬約1万4000発をイスラエルに売却する
ことも発表しています。
これらの行動に対しは米国内でも反対する声が高まっており、バイデン政権には
強い逆風となっています。
「11月末、若者たちはホワイトハウス前に集まり『大虐殺ジョー』と、バイデ
ン大統領を批判することをためらわなかった。2024年11月の大統領選を控
え、いまや『停戦なければ投票なし』が合言葉になっている」(日経新聞)と報
じられています。
ここのままではトランプ氏が再びホワイトハウスの主になる可能性が高まりそう
です。

荒っぽい動きが続いているドル円ですが、今週も引き続きその傾向が維持されそ
うです。
今週は13日にはFOMCがあり、「利上げ見送り」でほぼ間違いないと思われ
ますが、パウエル議長がどのような認識を示すのか、その内容次第では相場が乱
高下しそうです。
また、14日にはECB理事会があり、来週には注目の日銀金融政策決定会合も
控えており、まだまだ相場は落ち着きません。

本日のドル円は144円~145円50銭程度を予想します。


ドル円急落。一気に141円台後半に 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円は急落。植田日銀総裁の発言が伝わり東京時間3時前後から
下げ足を速め、NYでは一時141円71銭までドル安が進む。
◆ユーロドルは前日とほぼ同水準で推移。その結果、ユーロ円は
153円台前半まで急落。
◆株式市場は3指数が揃って反発。IT株が買われ、ナスダックは
193ポイント高。
◆債券は反落。長期金利は4.14%台に上昇。
◆金は小幅に反落。原油も6日続落。

◆新規失業保険申請件数    →  22.0万件
◆10月消費者信用残高    →  5.134b
◆7-9月期家計純資産    →  1312b

本日の注目イベント

◆日   7-9月GDP(改定値)
◆日   10月国際収支・貿易収支
◆日  11月景気ウオッチャー調査
◆独   独10月製造業新規受注
◆独   独11月消費者物価指数(改定値)
◆米   11月雇用統計
◆米   12月ミシガン大学消費者マインド(速報値)


「植田にやられた!」
今朝の知人の第一声でした。

「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」、植田総裁が昨日の参議院財
政金融委員会でこのように発言したことが伝わり、東京時間の午後3時前辺りからド
ル円は下げ足を速め、これまでのサポートレベルであった146円台前半を抜け、欧
州市場が参入すると節目と見られていた145円台も突破しました。
NYではさらにその流れが加速。ストップロスのドル売りも巻き込み、一時は141
円71銭までドルが売られました。今回の動きは「ドル暴落」というのではなく、「
円の暴騰」といった様相でした。ユーロドルなど、円以外のドルストレートは大きく
変わっておらず、ドル円も含め「クロス円」での巻き戻しが大量に持ち込まれたと解
釈されます。

植田総裁の発言はもちろん予想することはできませんでしたが、筆者は先月末辺りか
ら「ドル高トレンド」が転換した可能性に何度も言及してきました。昨日の下げはさ
すがに想定を越えるものでしたが、テクニカルでは的確にメッセージを送っていたこ
とになります。
そのテクニカルを軸に11月28日のコメントでは、『おそらくドル円は個人投資家
の多くが「ドル高傾向は変わっていない」との相場観に基づき、ドルが下げたところ
では確実に拾っていることが影響していると、個人的にはみています。筆者も現時点
ではこの見方には賛成です。相場が「トレンド転換」したのかどうかの判断では、「
日足」を軸に判断していますが、その「日足」では昨日の下げも「一目均衡表の雲の
下限」で下げ止まっており、さらに雲の先端も上昇傾向を変えていません。ただ、一
方で「一目均衡表」よりもサインの点灯が早い「MACD」では、ドル下落の兆候を
示唆しています。
言えることは、これまでとはドルを取り巻く環境が明らかに変わってきており、現在
はその環境の変化が今後大幅なドル安につながるのか、あるいはこれまでにも何度か
見られたように「ドル上昇の中での調整局面」であるのか、今はその「分岐点」にい
るということです。そこは、今後特に柔軟なスタンスで相場と対峙していくことが重
要で、あまり自身の相場観に囚われないことです。もし現在が「ドル安の入り口」で
あれば、下げ幅もこれまでとは大きく異なるからです。』と書きました。

また12月1日のレポートでも、『ドル円はNYでは148円台半ばまで買われまし
たが、本リポート執筆時時点では148円前後まで押し戻されています。このパター
ンは昨日も見られましたが、NYではドル高に振れるもののその後は続かず、市場も
方向を決めかねていることがうかがえます。「MACD」では依然としてマイナス圏
への動きを見せていることもあり、まだドルの上値は重いと見るべきでしょう』
さらに12月4日には、『先週のコメントでも書きましたが、ドル円は目先152円
手前でピークを付けた可能性があり、日足の「一目均衡表」でも「雲の下抜け」を完
成させています。これまではドルが売られたら拾う展開でしたが、今度はドルが戻っ
たところを売る展開になってきたように思います。軟調な米経済指標が発表されてド
ルが売られても、直ぐに切り返して来たこれまでとは明らかに環境が異なってきまし
た。米金利が大きく低下し、金利高に弱い「金が過去最高値」を更新し、NYダウも
3万6000ドルの大台を超えてきました。この先円が買い戻されるようだと、クロ
ス円での巻き戻しも活発になり、これがドル円を押し下げる一因にもなります。先週
末のNYでのユーロ円の動きを見ると、それも感じられます。ただ、金利低下により
株価がさらに上昇するようだと、リスクオンから低金利の円は売られ易い傾向がある
ため、この点には注意が必要です。目先は120日移動平均線の位置する146円3
5銭前後と、その下の200日移動平均線の143円70銭辺りが次のターゲットに
なろうかと思います』といった具合に、ドル下落の可能性に触れました。

それにしてもいつもの事ですが、ドルが下げる時のスピードには目を見張るものがあ
ります。ドルロングの投資家にとっては背筋が凍る怖さを覚える瞬間です。
特に今回の下落はドル高トレンドが変わっていないと考える投資家が依然として多く
いる中、投機筋の円売りポジションも高水準の状況でのドル急落でした。
植田総裁も、自身の発言に市場がこれほど反応するとは思っていなかったと思われま
すが、もう少し慎重な発言が望まれます。

昨日一日の下げはやや過剰反応とは思いますが、これで11月13日に記録した15
1円91銭が今年のドルの最高値であったことは決まりでしょう。昨年10月と今年
10月、11月と3度も151円台後半までドル高が進んだにもかかわらず152円
には乗せられなかったことから、このゾーンはかなり固いレジスタンスが形成された
と見ます。しかも今回は政府日銀の市場介入がなかった中(あくまでも現時点ですが
)でのドル反落でした。今回の急落で、ドル円は140-145円レンジに入ったの
かどうかはまだ判断できません。今夜の雇用統計が上振れすれば、容易に145円台
には反発することも予想され、逆に下振れした場合には140円台テストの可能性も
否定できません。
下値のメドですが、大台の140円は言うまでもなく重要な水準ですが、11月高値
まで上昇した起点を今年7月14日の137円43銭からだとすれば、この間の上昇
幅の「半値戻し」は達成しています。「76.4%」では140円85銭程度となり
、目先は意識される水準かと思います。

本日はボラティリティーが急速に高まって来た上に雇用統計もあり、レンジ予想は意
味がありません。ドルの上値が重い中、どこまで戻りがあるのかが焦点でしょう。


WTI原油価格70ドルを割り込む 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円は東京時間終盤に147円を割り込んだが、今回も反発。
NYでは米金利低下にも終始147円台で推移。
◆ECBのシュナーベル理事が追加利上げの可能性がないことに
言及したことで、ユーロドルは1.0760まで続落。
◆株式市場は3指数が揃って下落。ダウは70ドル下げ3日続落。
◆債券は続伸。世界的に債券が買われたこともあり、長期金利
は4.10%に低下。
◆金は反発。原油は5日続落。ガソリンの在庫が増えていたことで
2ドルを超える下げに。70ドルを割り込み、およそ5ヵ月ぶりの安値を記録。

◆11月ADP雇用者数     →  10.3万人
◆10月貿易収支        →  -64.3b

本日の注目イベント

◆豪   豪10月貿易収支
◆日  10月景気先行指数(CI)(速報値)
◆中   中国11月貿易統計
◆中   中国11月外貨準備高
◆独   独11月貿易収支
◆独   独10月鉱工業生産
◆欧   ユーロ圏7-9月期GDP(確定値)
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   10月消費者信用残高
◆米   7-9月期家計純資産
◆加   カナダ10月住宅建設許可件数


民間の雇用統計である11月のADP雇用者数は、市場予想の「13万人」を
下回る「10.3万人」でした。また10月分も速報値の「11.3万人」か
ら「10.6万人」に下方修正されています。民間企業の雇用者数は明らかに
増加ペースが鈍化してきており、製造業の雇用者数は2022年初め以来の低
水準でした。
また、新型コロナウイルス禍後の雇用回復をけん引してきた娯楽・ホスピタリ
ティーのセクターでは、2021年2月以降で初めて雇用者数が減少していま
す。ADPのチーフ・エコノミストは、「そうした押し上げ効果は終わった。
娯楽・ホスピタリティーが過去のトレンドに戻ったことは、経済全体での雇用
と賃金の伸びが来年に鈍化することを示唆する」と、今回のデータを分析して
います。
明日の雇用統計本番でも、そもそもADP雇用者数との強い相関は見られない
ものの、求人件数の減少や新規失業保険申請件数の増加傾向などを勘案すると
、「16万人」と予想されている見込みが、下振れする可能性はあるかもしれ
ません。

WTI原油価格の下げがきつくなっています。
昨日のNY商品先物市場では前日比3ドルに迫る下げを記録し、70ドルを割
り込んできました。一時は69ドル11セントまで売られ、およそ5カ月ぶり
の安値を付けています。
ガソリンの在庫が増加していたことに加え、米国からの輸出増加もあり、さら
に「OPECプラス」による減産実施に対する懐疑的な見方もあり、全体とし
ては供給過剰への懸念が強まっていることが背景のようです。
今年9月の直近高値である90ドル台からはすでに23%を超える下げとなっ
ています。

為替市場ではユーロドルの下げが目立っています。
ユーロドルは昨日のNYでは1.0760まで売られ、1.10台から急速に
下げています。ECBのシュナーベル理事はロイター通信とのインタビューで
、「直近のインフレ率を見ると、追加利上げの可能性はかなり低い」と述べた
ことが材料になっています。
11月30日に発表されたユーロ圏11月の消費者物価指数(CPI)は前年
同月比で「2.4%」と、市場予想を大きく下回るものでした。
シュナーベル氏は、「11月のインフレ速報値は非常に嬉しいサプライズだっ
た。最も重要なのは、より頑固だった基調的インフレ率が、予想以上に急激に
低下していたことだ。これは驚くべきことだ。全体として、インフレの進展は
心強い」と語っています。
昨日のNYでは米長期金利が引き続き低下している中でも、ドル円は底堅く推
移していましたがこれは、ユーロドルで「ユーロ安」が進んだ影響もあったよ
うです。
米インフレ率の動向でドル円も左右されますが、今後はユーロ圏のCPIとユ
ーロドルの動きにも目配せが必要です。

本日のドル円は146円50銭~148円程度を予想します。


米長期金利3カ月ぶりに4.1%台に低下 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円は10月の米求人件数が予想を大きく下回ったことを受け、
147円台前半から146円57銭まで下落。その後は147円台を
回復したが、上値の重い展開が続く。
◆ユーロドルは続落し、約3週間ぶりに1.0779まで売られる。
◆株式市場はまちまちの展開の中、米金利が低下したことで
ナスダックは44ポイント上昇。他の2指数は小幅安。
◆債券は反発。長期金利はおよそ3カ月ぶりとなる4.16%台
まで低下。
◆金は続落。原油も4日続落で72ドル台に。

◆11月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値)    →  50.8
◆11月S&Pグローバル総合PMI(改定値)       →  50.7
◆10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数        →  8733千件
◆11月ISM非製造業景況指数              →  52.7

本日の注目イベント

◆豪   豪7-9月期GDP
◆独   独10月製造業新規受注
◆欧   ユーロ圏10月小売売上高
◆米   11月ADP雇用者数
◆米 10月貿易収支
◆加   カナダ11月貿易収支
◆加   カナダ中銀政策金利発表

ドル円は147円を中心にもみ合いの展開です。昨日もそうでしたが、146円台では
買が入り押し戻される展開ですが、147円台では半ばから後半が重くなっています。
NYでは、10月の求人件数(JOLTS)が「873万3000件」と、市場予想の
「930万件」から大きく減少していました。

10月分では、広範なセクターで減少しており、特にヘルスケア、金融、宿泊・食品サ
ービスで顕著でした。また、9月分も下方修正され、米労働市場が冷え込みつつあるこ
とを示唆しています。
「自発的離職者の割合である離職率は4カ月連続で2.3%と、2021年1月以来の
低水準が続いた。離職率の低下は、労働者が別の仕事を見つける自信が薄れている現状
や、転職の際の賃金上昇幅が小さくなっていることを示唆している」とブルームバーグ
は伝えています。毎週発表される「新規失業保険申請件数」も増加傾向にあり、好調な
米労働市場にも景気抑制的政策の影響が出てきた可能性があります。
その意味では、今週末の「11月雇用統計」の結果が一段と注目され、結果次第ではド
ルが一気に145円台に突入する可能性もあり、反対に148円台回復の可能性もあり
ます。来年早い時期での利下げ期待が高まっている市場の追い風になるのか、あるいは
その観測にブレイキを掛けることになるのか、注目したいと思います。

オーストラリア準備銀行(RBA)は5日、今年最後となる金融政策決定会合で政策金
利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を4.35%に据え置くことを決
めました。市場予想通りの決定でしたが、この発表後、豪ドルはやや軟調に推移してい
ます。
RBAのブロック総裁は会合終了後の声明で、「インフレ率を合理的な時間枠で当局目
標に確実に回帰させるため、金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかはデータやリ
スクの評価に左右される」と説明し、「インフレ率を目標に回帰させる確固たる決意に
変わりはなく、それを達成するために必要なことを行うつもりだ」と述べていました。

7日間の停戦を終えた直後に大規模な攻撃を再開したイスラエルですが、政府の報道官
は5日、「人質を解放するための一時的な休止なら、検討できる」とエルサレムの記者
クラブで述べていました。しかし、今朝のブルームバーグの報道では、ネタニヤフ首相
は「ハマスはわれわれを破壊しようとしているが、逆にわれわれが彼らを壊滅させつつ
ある。われわれは最後まで、圧勝するまで戦い抜く」と表明しています。
イスラエルでは特にネタニヤフ首相の強硬姿勢が目立ちますが、同氏への支持率は低下
している模様です。ロシアのプーチン氏に似て来たと感じるのは筆者だけではないと思
いますが、どうでしょう・・・。

バイデン大統領はマサチューセッツ州で行われた選挙資金集めのイベントで「トランプ
氏が出馬していなければ、私が出馬していたかどうか分からない」と発言し、「だが米
国のためには、彼を勝たせるわけにはいかない」と、今年81歳になり、高齢にもかか
わらず再出馬した理由を述べています。
やや正義感を前面に押し出し、同情を買っているとの印象もありますが、民主党内に有
力な候補者がいないことと、トランプに任せるわけにはいかないというところは共鳴で
きる部分です。
バイデン氏はまた、氏が高齢であることを巡る懸念をユーモアで和らげ、「40歳に2
回なったことになる」とも述べています。
FRBの利上げ局面が終わり、利下げが視野に入る頃には、今度は2024年大統領選
が大きな材料になります。

本日のドル円は146円30銭~148円程度を予想します。


金、荒っぽい動き。最高値から反落 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆東京時間朝方には146円23銭まで売られたドル円はNYでは
反発。米金利が上昇したこともあり147円44銭近辺までドルが
買われる。
◆ユーロドルは小幅に続落。1.0804まで下落し、引き続きユーロ円
などの売りが重荷になっている模様。
◆株式市場は3指数が揃って反落。米金利の上昇にナスダックは
119ポイントの下落。
◆債券は反落。長期金利は4.25%台に上昇。
◆金はアジア市場で2152ドル台まで買われ、最高値を更新したが
NYでは金利上昇に大幅反落。原油は3日続落し73ドル台に。

◆10月製造業受注     →  -3.6%

本日の注目イベント

◆豪   豪7-9月期経常収支
◆豪   RBA、キャッシュターゲット
◆日  11月東京都区部消費者物価指数
◆中   11月財新サービスPMI
◆中   11月財新コンポジットPMI
◆独   独11月サービス業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏11月総合PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏11月サービスPMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏10月卸売物価指数
◆米   11月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値)
◆米   11月S&Pグローバル総合PMI(改定値)
◆米   10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
◆米   11月ISM非製造業景況指数

米長期金利の低下に伴い昨日の東京時間朝方には146円23銭まで売られた
ドル円でしたが、その後は買い戻され、NYでは147円44銭近辺まで反発
しました。
米長期金利が上昇したことで、前日までの動きが逆回転して、ドルが買われ、
債券と株が売られ、連日上昇していた金も大きく売られました。
特に金は、先週末のNYで過去最高値を記録し、その流れから昨日のアジア市
場でも大きく買われ、一時は2142ドル台と、NYの最高値を大きく上回り
ましたが、NYでは金利高が嫌気され、2042ドル台で引けました。
アジア市場で記録した過去最高値からは実に100ドルを超える下げとなった
わけで、金価格の動きとすれば非常に大きく、荒っぽい動きだったと言えます。

米金利を巡っては昨日のウィークリー・コメント(今週の予想レンジ)でも触
れましたが、市場には「早ければ3月にも利下げ」といった観測が一部に出ま
したが、昨日は大手金融機関のストラテジストから「米利下げ期待は行き過ぎ
」との声も上がり、これが上記逆回転の動きにつながったようです。米ゴール
ドマンのストラテジストは「米金融政策当局が来年どの程度利下げするかにつ
いて、金融市場は楽観的になり過ぎている」と指摘し、同行では来年中に1回
の利下げを見込んでおり、市場は利下げに傾き過ぎているとしています。
市場は常に先走り、「順張り」で考える傾向がありますが、この先FRBの目
標である2%の物価上昇率に対する「ラストワンマイル」は決して容易ではな
いようです。
仮に、今週末の雇用統計で予想を上回る数字が出ただけで、市場のセンチメン
トは一変するリスクがあります。FRBは現在の高い政策金利を当面維持し、
その後の影響を見守りながら、2%物価目標の達成に確信が持てた段階で初め
て「利下げ」を口にするのではないかと、筆者は予想しています。来年春先ま
でにその確信を得る可能性はそれほど高くはないと思われます。インフレに対
する初動が遅れたと批判されたパウエルFRBにとっては、二度と政策の失敗
は許されないはずです。

格付け会社フィッチ・レーティングスは、「日本銀行が政策正常化によって被
る損失からの日本の財政赤字への影響は、比較的穏やかな打撃であっても、ソ
ブリン格付けには大きな影響を与える可能性がある。利払い負担が増える見通
しの中ではなおさらだ」と発表しています。フィッチの基本シナリオは、日銀
が超低金利政策を今後数年間維持することだが、リスクのバランスはインフレ
率上昇と引き締め加速に傾いていると見られる(ブルームバーグ)とのことで
す。
先週日銀は2023年9月末時点で保有する国債の含み損は10兆5000億
円だと発表していました。イールドカーブコントロール(YCC)政策を推し
進めてきたことで、市場から大量の国債を購入してきましたが、その後YCC
の修正もあり金利が上昇したことにより含み損は過去最大となっています。

ラガルドECB総裁は2日、コロナ検査で陽性だったようです。
本日のドル円は146円30銭~147円80銭程度を予想します。
10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数など、比較的重要指標の発表もあ
ります。



米長期金利急低下 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円はパウエル議長のハト派寄りの発言に148円台前半
から下落。一時は146円66銭まで売られ、29日に記録した
直近安値に並ぶ。
◆ユーロドルは下落。1.0829まで売られ、対円でも159円台
半ばまで下落。ポジションの巻き戻しと見られる売りが活発に。
◆株式市場は3指数が揃って上昇。ダウは4日続伸し、3万6000ドルの
大台を回復し、今年の最高値を更新。
◆債券はパウエル議長の発言を受け上昇。長期金利は一気に4.2%台を
割り込む。
◆金は大幅に買われ、過去最高値を記録。原油は続落。


◆11月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)    →  49.4
◆11月ISM製造業景況指数             →  46.7
◆11月自動車販売台数                →  15.32百万台

本日の注目イベント

◆日   日銀が「金融政策の多角化的レヴュー」に関するワークショップの第一回
会合開催
◆中   中国11月消費者物価指数
◆中   中国11月生産者物価指数
◆独   独10月貿易収支
◆米   10月製造業受注


やはりこの人の発言は重いというか、市場はすぐに反応します。
パウエル議長は1日アトランタで講演を行い、「かなり急ピッチでここまで来たあと、
FOMCは慎重に前進している。引き締め不足と引き締め過ぎのリスクは一段とバラン
スが取れてきている」と話し、さらに、「政策は今、かなり景気抑制的な領域に入って
いる」と述べ、これまでと比べ「ハト派寄り」の内容でした。

パウエル議長の11月9日の講演では、「金融政策のさらなる引き締めが適切となれば
、そうすることをためらわない」と発言。「しかし、数カ月の良好なデータで見誤るリ
スクと、引き締め過ぎるリスクの両方に対処できるよう、引き続き慎重に行動していく
」と述べ、金融政策の当局者はインフレ率を目標の2%に下げることに注力しているが
、「そのようなスタンスを達成できたと確信していない」と話していました。
ここ1カ月で幾つかの指標が景気抑制的な影響を受けている内容を示してきたことを踏
まえての発言だとは思いますが、明らかに楽観的に変わったと思えます。FOMCメン
バーの中にも同じような認識が広がってきたことが想定されます。
議長は、「十分景気抑制的なスタンスを達成したと確信を持って結論付ける、あるいは
金融緩和の時期について臆測するのは時期尚早だ。追加の金融引き締めが適切になる場
合、そうする用意がある」と、けん制する発言も行いましたが、市場は前者の部分に大
きく反応し、株と債券が買われ、長期金利が大きく低下したことでドル円は売られまし
た。
先週29日(水)に付けた146円66銭に並びましたが、今朝のオセアニア市場では
その水準を下回っています。

先週のコメントでも書きましたが、ドル円は目先152円手前でピークを付けた可能性
があり、日足の「一目均衡表」でも「雲の下抜け」を完成させています。これまではド
ルが売られたら拾う展開でしたが、今度はドルが戻ったところを売る展開になってきた
ように思います。軟調な米経済指標が発表されてドルが売られても、直ぐに切り返して
来たこれまでとは明らかに環境が異なってきました。
米金利が大きく低下し、金利高に弱い「金が過去最高値」を更新し、NYダウも3万6
000ドルの大台を超えてきました。
この先円が買い戻されるようだと、クロス円での巻き戻しも活発になり、これがドル円
を押し下げる一因にもなります。先週末のNYでのユーロ円の動きを見ると、それも感
じられます。ただ、金利低下により株価がさらに上昇するようだと、リスクオンから低
金利の円は売られ易い傾向があるため、この点には注意が必要です。
目先は120日移動平均線の位置する146円35銭前後と、その下の200日移動平
均線の143円70銭辺りが次のターゲットになろうかと思います。

都合1週間の停戦期間を終えイスラエルは再びパレスチナ自治区ガザで、今度は南部へ
の大規模な空爆を開始しました。
すでに200人を超える死者も出た模様で、イスラエルはガザ地区南部にハマスの指導
者らが潜伏していることを理由にしているようです。オースティン国防長官は2日、パ
レスチナ自治区ガザでの民間人の犠牲者拡大について、「イスラエルが警告に耳を傾け
なければ、イスラム組織ハマスと再開した戦闘で『戦略的敗北』を喫する危険がある」
と述べています。
欧米の強い警告にも屈しないイスラエル。米国もこれまでの「過保護」を止め、さらに
強い姿勢で臨まないと、バイデン政権そのものが危機にさらされる可能性もあり、20
24年度の大統領選でも「再選はほぼ不可能になるリスク」もあります。

本日のドル円は145円50銭~147円程度を予想します。


NYダウ520ドル急騰 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円は再び146円台から反発。NYでは米長期金利の上昇や
株価の上昇もあり148円52銭まで急伸。
◆ユーロドルは続落。ドルが反発したことで、1.0879まで
売られる。
◆株式市場ではダウが500ドルを越える上昇。セールスフォース
やボーイングが上昇をけん引。一方ナスダックは金利上昇に32
ポイント安で引ける。
◆債券は反落。長期金利は4.32%台まで上昇。
◆金は4日ぶりに反落し、原油も売られる。

◆新規失業保険申請件数              →  21.8万件
◆10月個人所得                 →  0.2%
◆10月個人支出                 →  0.2%
◆10月PCEデフレータ(前月比)        →  0.0%
◆10月PCEデフレータ(前年比)         →  3.0%     
◆10月PCEコアデフレータ(前月比)      →  0.2%
◆10月PCEコアデフレータ(前年比)      →  3.5%
◆11月シカゴ購買部協会景気指数         →  55.8
◆10月中古住宅販売成約件数           →  -1.5%

本日の注目イベント

◆日   10月失業率
◆中   11月財新製造業PMI
◆独   独11月製造業PMI(改定値)
◆欧   ユーロ圏11月製造業PMI(改定値)
◆英   英11月製造業PMI(改定値)
◆米   11月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
◆米   11月ISM製造業景況指数
◆米   11月自動車販売台数
◆米   パウエル・FRB議長、クックFRB理事、グールズビー・シカゴ連銀総裁、討論会に参加
◆米   バー・FRB副議長講演
◆加   カナダ11月新規雇用者数
◆加   カナダ11月失業率

ドル円は再び146円台から急反発し、NYでは148円台半ばまで上昇しました。
昨日夕方の時点では多くのテクニカルでドル下落を示唆しており、「ドル高トレンド
の転換」の可能性があると、個人的には予想していました。
日足では「一目均衡表」でローソク足が雲を下抜けしており、「MACD」でもマッ
クDとシグナルの両線が「マイナス圏入り」しており、トレンドの転換を強く意識し
ましたが、NYでは予想に反してドルが大きく買われています。
米長期金利の上昇に加え、ダウが520ドル急騰し年初来高値を更新したことでリス
クオンが強まり円が売られたようです。結局ドルが戻したことで、ローソク足は雲の
下限に絡んだだけで完全に下抜けしなかったことになり、見方を変えれば今回も「雲
の下限近辺で下落が止められた」と言えます。ただこのまま再びドルが上昇軌道に戻
るかどうかは不明です。特に今日はパウエル議長など、要人の発言機会も多くあり注
意は必要です。

注目の10月のPCEコアデフレータは前年同月比で「3.5%」と、前月の「3.
7%」から伸びが鈍化していました。個人消費支出も、ともに前月比「0.2%」で
伸びが縮小しています。さらに失業保険申請件数も小幅に増加し、継続受給者数は約
2年ぶりの高水準となっています。インフレ率が着実に低下し、労働市場でもこれま
でのひっ迫感が徐々に和らいで来たことがうかがえます。全体的に見れば、やはり今
後も追加利上げの可能性は後退していくと見ていいと思います。
ただそれでもNY連銀のウィリアムズ総裁は講演で、「金利は過去25年で最も景気
抑制的だと推定される。バランスを完全に取り戻し、インフレ率を当局の中長期的目
標である2%へと持続的に低下させ、景気抑制的なスタンスをかなりの期間維持する
のが適切になると想定される」と述べています。
またサンフラシスコ連銀のデーリー総裁はドイツ紙とのインタビューで、インフレ率
は依然として高すぎ、勝利宣言は時期尚早だとした上で、「政策は非常に良い位置に
ある。われわれは政策金利を大幅に引き上げてきた。インフレ上昇をヘッジするよう
な保険的な思考は現時点では必要ない。金融当局はただ忍耐強く、警戒を怠らないよ
うにすべきだ」と話しています。ただ利下げに関しては、「私自身現時点では利下げ
は全く考えていない」(ブルームバーグ)と述べており、両総裁ともこれまでの政策
が機能し、その効果が出ているとの認識を示しながらも、慎重な姿勢を維持していま
した。

「OPECプラス」は日量100万バレルの追加減産で合意しました。
合意したにもかかわらず昨日のNYではWTI原油は売られています。
サウジアラビアが同規模の自主減産を継続するとしたものの、アンゴラは新たな生産
枠を拒否し、これを上回る生産を行う意向を示したことと、減産はすでに予想されて
いたことが売りにつながったようです。

ドル円はNYでは148円台半ばまで買われましたが、本リポート執筆時時点では1
48円前後まで押し戻されています。このパターンは昨日も見られましたが、NYで
はドル高に振れるもののその後は続かず、市場も方向を決めかねていることがうかが
えます。
「MACD」では依然としてマイナス圏への動きを見せていることもあり、まだドル
の上値は重いと見るべきでしょう。

本日のドル円は147円~148円80銭程度を予想します。


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