ユーロ円102円台から下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- コロンバスデーで債券市場などが休場だったため、為替市場
でも参加者が少なく値動きは限定的。ドル円は先週末の78円台
後半から78円台前半まで下落。中国や欧州景気に対する懸念から
ユーロとドルが売られ、円買いが強まった。 - ユーロドルは先週末には1.30台後半まで上昇したものの、
ドイツの鉱工業生産が悪化していたことを材料にユーロ売りが加速。
NYでは1.29台半ばまで下落。ESMが正式に発足したことによる
影響は無かった。 - IMFは今年の世界経済成長率を、7月時点での予想3.5%から
3.3%に下方修正。 - 株式市場は小幅に反落。欧州会合開催で投資家が慎重姿勢だった上、
アップルの株価が下落したことが響き、ダウは26ドル安で引ける。 - 金と原油はともに続落。原油価格は再び90ドル代を割り込む。
本日の注目イベント- 豪 ロウ・RBA副総裁講演
- 日 8月国際収支
- 日 9月景気ウォッチャー調査
- 日 IMF・世銀総会(東京)
- 欧 イタリア 4-6月財政赤字の対GDP比
- 欧 EU財務相会合
- 欧 仏・スペイン首脳会談
- 英 英8月鉱工業生産
- 英 英8月貿易収支
- 加 カナダ9月住宅着工件数
先週末の雇用統計では非農業部門雇用者数は、ほぼ市場予想
通りの11.4万人だったものの、失業率が大幅に改善し7.8%と、
3年8ヵ月ぶりに7%台に低下しました。この結果を受けドル円は7
8円88銭までドル高円安が進んだものの79円台には至っていません。
しかし日本が休日だった昨日のアジア市場では再びドルとユーロが
売られる展開となり、ドル円は78円台前半まで、ユーロドルも1.29
台半ばまで下落しています。欧州ではESM(欧州安定メカニズム)
が遅くれながらも正式に発足し、欧州危機収束への「足固め」ができた
と思われますが、市場は欧州の今後の景気に懐疑的です。
日本では中韓との領土問題や、それに伴う輸出の減少が懸念され、
本日の国際収支が注目されます。また、日本の景気見通しも下方修
正され、今月末の「展望リポート」発表時には、さらなる「追加緩和」
の可能性も取り沙汰されるなど、「円安材料」も無いわけではありません。
それでも昨日の動きなどを見る限り、円が一方的に売られる地合いで
はなく、足元では79円台では円買いドル売り意欲も強いようです。
一方77円台前半では依然として政府・日銀による介入警戒感が強く、
円が一気に買われる状況でもなく、「動きにくい」展開が予想されます。
本日から東京・有楽町の国際フォーラムで開催されるIMF総会で、
城島新財務相が「円高問題」をどのように説明し、理解が得られるの
かも今後の介入を予想する上で重要です。
米国では大統領選に対する不透明感や、来年早々に懸念される「財
政の崖」問題もあり、失業率の改善が見られたとしても、手放しでドル
を買う状況ではありません。
また、欧州では5000億ユーロ(約50兆円)規模のESM(欧州安定メ
カニズム)が正式に発足し、昨日開催されたユーロ圏財務相会合でユ
ンケル議長は「ESMの創設は参加国政府の戦略の信頼性を高め、
将来の危機に適切に対応するためのはるかに優れた道具をユーロ圏
に与えるものだ」とのコメントを発表していますが、ユーロ高には繋がっ
ていません。
この制度を最も早く使いそうなのはスペインですが、ユンケル議長は、
同国が救済要請の瀬戸際にあるわけではないと強調しており、スペイ
ンも依然として支援要請を行うべきかどうか、ぎりぎりまで判断を保留し
ています。
この日もスペインの長期債の利回りは低下(価格は上昇)していること
から、自力で資金調達ができる可能性もあり支援要請で厳しい財政目
標を与えられることを避けたいとの考えが、判断を躊躇させているものと
見られます。
米雇用統計が終わり、欧州でもユーロ圏財務相会合が終了し、ESMが
発足したことで、今後は材料不足の感が否めません。
スペインが支援要請を行うかどうかは相場変動要因の一つですが、いつ
判断を下すか分かりません。
ドル円もしばらくは77円50銭ー78円50銭の狭いレンジで推移しそうです。スポンサーサイト
- 豪 ロウ・RBA副総裁講演
- [2012/10/09 09:47]
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