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党首討論を受け円全面安 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ドル円はアジア市場でのドル高円安の流れを受け上昇。NYでは80円台を

    回復し、80円31銭までドル高が進む。日本の政権交代観測が強まり、追加緩和

    の可能性が浮上したことを背景に円は全面安に。

  • ユーロドルも、ユーロ円の買い戻しの影響もありユーロ高ドル安に。

    1.27台前半が重かったものの、抜けると1.27台後半まで上昇。

    前日100円台前半を付けたユーロ円も急速に値を戻し、102円台半ばまで

    ユーロが買い戻される。

  • 株式市場は小幅高で始まったものの、依然として「財政の崖」問題が重しとなり

    引けにかけて急速に値を崩す。ダウは一時200ドルを超える下げを見せたあと、

    185ドル安で引ける。

  • 債券相場は堅調。10年債利回りは1.6%台を割り込んでいるため、高値警戒感

    から一段の上昇には繋がらず前日と同水準で取引を終える。

  • 金は小幅に反発。原油は中東情勢の緊迫を背景に1ドル高。

  • 10月生産者物価指数 → -0.2%

  • 10月小売売上高 → -0.3%


    本日の注目イベント






    • 独   独7-9月GDP(速報値)

    • 欧   ユーロ圏7-9月GDP(速報値)

    • 欧   スペイン7-9月GDP(速報値)

    • 欧   イタリア7-9月GDP(速報値)

    • 欧   ECB月例報告

    • 欧   ユーロ圏10月消費者物価指数(確報値)

    • 欧   アスムセン・ECB理事講演

    • 英   英10月小売売上高

    • 米   新規失業保険申請件数

    • 米   10月消費者物価指数

    • 米   11月NY連銀製造業景況指数

    • 米   11月フィラデルフィア連銀景況指数

    • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演

    • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演

    • 米   バーナンキ・FRB議長講演

    • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演

    • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演





    「16日に解散します」

    野田総理のこの一言がドル円に大きな影響を与える結果になりました。

    昨日の国会での党首会談の席上、野田総理は衆議院定数の削減を

    条件に16日の解散を約束しました。昨日の午後3時過ぎにこの発言

    が伝えられると、79円50銭近辺で推移していたドル円は上昇に転じ、

    海外市場では再び80円台前半まで円安が進みました。

    この欄でも何度か記述しましたが、民主党政権の不人気が広がってお

    り、今選挙をやれば自民党が政権を奪回する可能性が高く、現在自民

    党総裁である安倍氏が「総理」に就任することは確実視されています。

    安倍総裁はこれまで自分が総理になった際にはデフレからの脱却を全

    力で行うことを公言しています。

    11月7日の講演では、10月30日に決定された日銀の追加緩和に対し

    て「市場はほとんど反応していない」とし、日銀が2月に導入した中長期

    的な物価安定のメドについても「メドは天気予報みたいなもの。責任も

    説明責任も伴わない」と批判しています。

    さらに、「インフレターゲットを設け、達成できなければ責任を取ってもらう」

    とも発言し、デフレからの脱却に強い姿勢で臨むことを宣言しています。

    また、日銀が1%のインフレ率をメドにしていることについても、「あくまでも

    3%達成するまでは基本的には無制限に金融緩和をしていただく必要が

    ある」とも語っており、総理に就任した際には日銀に対するプレッシャーは

    さらに増すと予想されます。

    このような発言をしていることから、解散→自民党政権奪回→安倍政権誕

    生→追加緩和 との図式が連想されドル高に振れたものと思われます。

    3%の物価上昇率を達成することは簡単ではありません。

    その具体的な手段も明かにされてはいません。

    しかし、現政権に比べより積極的な「デフレからの脱却」「円高是正」への

    姿勢は評価できそうです。

    ドル円はこれらを手掛かりに海外市場では80円31銭まで円安が進み、

    前日に100円33銭まで下落したユーロ円は

    102円40銭前後まで反発するなど、一夜にして円全面安の展開に転じ

    ています。

    オバマ大統領再選前には80円68銭までドル高に振れたものの、その

    後は米「財政の崖」問題と欧州での「ギリシャ」問題に焦点があたり急速

    に「リスク回避」の状況が拡大し、円とドルが買われ、そのドルに対しても

    円は強含む展開でした。

    今年春先に見られたように、市場が不安定になると安全資産の円が買わ

    れる傾向はありますが、その時と今の状況は明らかに異なっており「二匹

    目、あるいは三匹目のドジョウを狙う」状況ではありません。

    日本の潜在的な円安要因が顕在化してきたからです。

    貿易赤字はこのままでは、2011年には2兆5千億円の過去最大の赤字

    額を記録した倍以上の額になりそうです。

    安定的に黒字を続けてきた経常収支でも、季節調整済みの数字とは言え

    単月では「31年半ぶり」の赤字でした。

    市場で取引される需給の面でも徐々に変化が表れてきているということです。

    さらに内閣府の調査でも「既に景気後退に入っている可能性が高い」とされ、

    月例経済報告でも景気の基調判断を下方修正するとの観測も出ています。

    ここでもさらなる「追加緩和」と「円高是正」の必要性が浮上します。

    80円31銭まで上昇し、しっかり80円台で海外市場での取引を終えたドル円

    ですが、このまま80円台を維持できるかどうかはまだ不透明です。

    「財政の崖」問題やギリシャへの支援問題がこじれれば、再び円が買われ79

    円台に押し戻されることは十分考えられます。

    オバマ大統領は昨日の講演では改めて「富裕層への増税は必要」との考え

    を表明しました。

    大統領は今日にも経済界首脳12人と会談をします。

    ここでも「財政の崖」回避に向けた方法を話し合うものと見られますが、同時

    に富裕層への増税についての理解を求めるものと思われます。

    また明日には民主・共和両党の議会指導部と会い、正式に協議を開始する

    と伝えられています。

    足元ではやや円安傾向が強まってはいるものの、80円台定着にはまだ時間

    がかかりそうです。
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