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円一段安で81円台半ばに 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ドル円は安倍晋三自民党総裁の講演での発言を受け一段高。

    海外市場では約6ヵ月半ぶりに81円46銭までドル高円安が進み、

    円が全面安。さらに追加緩和が実施されるとの観測が強まる。

    ドル円はもみ合い後やや値を下げたが81円台は維持。

  • ユードルも反発。ユーロ円の買い戻しが旺盛で、欧州景気の鈍化を

    示す経済指標にも関わらずユーロドルは1.28台まで上昇。ユーロ円も

    一時は104円ちょうどまでユーロ高に振れる。

  • 株式市場はもみ合いの末結局マイナスで引け、これで4日続落。ウォルマート

    の利益見通しが市場予想を下回ったことを嫌気しダウは28ドル安。

  • 失業保険申請件数の悪化などの経済指標に反応し、債券相場は堅調。

    10年債利回りはさらに低下し1.59%台を割り込む。

  • 金、原油はともに反落。

  • 新規失業保険申請件数 → 43.9万件

  • 10月消費者物価指数 → +0.1%

  • 11月NY連銀製造業景況指数 → -5.22

  • 11月フィラデルフィア連銀景況指数 → -10.7


    本日の注目イベント



    • 独   独・メルケル首相、ロシアのプーチン大統領と会談

    • 欧   ユーロ圏9月貿易収支

    • 欧   コスタ・ポルトガル中銀総裁講演

    • 米   10月鉱工業生産

    • 米   10月設備稼働率

    • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演





      ドル円は一段と上昇し、NY市場では一時81円46銭と、今年4月以来

      約4ヵ月半ぶりの円安水準まで円が下落しています。

      円は対ドルではここ2日間で約1円30銭程度円安が進み、対ユーロに至

      っては3円50銭程度円安が進行しています

      ユーロ圏の不透明感が払拭できない中、対ユーロでの下落率が高いのは

      やはり投機的な「ユーロ円ショート」が積み上がっていたことが背景かと

      思われます。

      円は、14日の野田総理の「16日に解散します」という発言をきっか

      けに売られ

      始めました。この時の相手は、安倍自民党総裁でした。

      そして昨日の昼過ぎに急速に円売りが強まったのも、安倍総裁の講演が

      きっかけでした。

      安倍総裁は都内で講演を行い、自分が総理になった際には日銀と協力し

      金融緩和を積極的に進めていく、と発言し、さらに市中銀行が日銀に預

      けている預金に0.1%の金利を付利するのではなく、ゼロかマイナス

      でもいいと発言したことで、ドル買い円売りが加速しました。

      ドル円は80円30銭近辺から半ばまで上昇し、オバマ大統領再選前に

      記録した直近の高値である80円68銭を抜けると上昇の勢いも増し、

      80円95銭まで円が売られました。

      その後欧州市場に入っても円売りの勢いは止まらず、節目の81円にあ

      っさり乗せ、NYでは81円46銭までドル高が進み、それ以降、もみ

      合いながらも一度も81円台を割り込んではいません。

      それにしても、安倍総裁の発言がこれほどまでに市場に影響を与えるの

      は想定外でした。

      かつて大蔵大臣(現財務大臣)や日銀総裁の発言で市場が動いたことは

      何度もありましたが、現時点では野党第一党の総裁です。

      市場は完全に安倍総理を織り込んでいることになります。

      これまでに何度も指摘してきました80円台半ばと、80円台後半の、

      重要な水準が抜けたことで、テクニカル上では

      「週足」の「120日線」も、一目均衡表の「雲」も上抜けをし、次

      のターゲットは85円台前半にある「200日線」ということになり

      ます。

      ただこれも「週足」であるため、ローソク足が完全に抜け切るには来

      週週明けのオセアニア市場で81円台から取引が開始される必要があ

      ります。

      現在の水準では81円台を上回ってはいますが、まだ「雲」に絡(か

      ら)まっている段階です。この上抜けが完了すると、ドル円はさすが

      に上昇傾向がさらに高まることが考えられます。

      その結果、昨年10月31日に記録した75円台は「大底」だった可

      能性が出てきます。少なくともテクニカル的には上昇傾向を確認した

      ことになります。

      その意味でも今日の東京市場と海外市場での動きが注目されます。

      テクニカル上ではドルの底値を確認する可能性が高まってはいますが、

      この状況は今年の2月中旬から3月中旬にかけて、ドル円が急速に反

      発して84円18銭までドル高が進んで状況にも似ています。

      日銀が予想外の追加緩和に踏み切り「バレンタイン・ギフト」とも言

      われたあの状況です。

      チャートでは重要な「52日線」を抜け84円台まで一気に8円ほど

      上昇しましたが、結局「120日線」に

      捕まってしまい、時間をかけながらゆっくりと77円台まで落ちて行

      きました。

      今回のドル円の上昇も、同様なことが起こるのかやや疑心暗鬼のとこ

      ろもあります。特に、昨日は新規失業保険申請件数など、米経済指標

      は軒並み悪化してしてお

      り、米株式市場ではオバマ大統領再選以来株価が下落しており、この

      間の下げ幅は775ドルにも達し、率にして5.85%も下落してい

      ます。

      その結果米債券は買われ10年債利回りは低下し、昨日の水準は1.

      59%程度まで低下しています。

      ご承知にように、米金利とドル円には強い相関関係があり、米金利

      が低下しながらドル高円安が続くとも思えません。

      また、日本の株式市場も昨日は大幅高で、NYダウの大幅安には逆

      行しています。

      昨日もNYダウは28ドル安であったことから、本日の日経平均の

      動きも注目されます。

      昨日と同様、円安を好感して上昇するのか、あるいはさすがにNY

      株の下落に引っ張られるのか見て行きたいところです。

      安倍総裁の発言を手掛かりに円安機運が優勢な状況です。

      上述のように、このまま一気に円安傾向に進むかどうかはまだ判断

      できません。

      米国では12月末で「ツイスト・オペ」の期限が切れるため、再び

      「追加緩和」を行うのではないかとの見方もあります。

      バーナンキ議長は昨日の講演で、回復基調が鮮明だと思われる住宅

      市場についても「住宅の回復は程遠い」といった発言をし、慎重姿

      勢を崩していません。

      米「財政の崖」問題と、日本の「政権交代・追加緩和」との綱引き

      になっており、今の所、後者が優勢な状況といったところです。

      綱引きの動きをもうしばらく注視したいと思います。

      14日の国会での党首討論をビデオで観ましたが、近頃の「お笑い

      番組」より遥かに見応えがありました。

      解散時期を探ろうとした安倍総裁に対して、野田総理は条件を飲む

      なら「16日に解散します」と発言。安倍総裁は想定外の言葉にや

      や戸惑った表情を浮かべて

      いました。

      こちらの「綱引き」は、どうやら野田総理の勝ちだったように感じ

      ました。
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