円101円台半ばまで急騰
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はウクライナ情勢や中国の景気減速懸念などを背景に大きく下落。
好調な米経済指標にもかかわらず、102円台後半から101円台半ばまで
円買いが進み、101円90銭前後で引ける。 - ユーロドルも1.39台半ばから下落。ドラギECB総裁が「ユーロの水準は
物価を考える際重要だ」と発言したことに反応。1.38台半ばまでユーロは売られ
1.40台乗せには失敗。 - 株式市場は大幅に下落。ウクライナ情勢や中国景気が改めて嫌気され
すべての株価指標が大幅に下落。ダウは231ドル安の4日続落。 - 安全資産の債券は4日続伸。リスクオフの流れが強まり、株価の大幅安から
買い物を集め、長期金利は2.64%まで大幅に低下。 - 金、原油は小幅に上昇。
- 2月小売売上高 → +0.3%
- 新規失業保険申請件数 → 31.5万件
本日の注目イベント - 日 1月鉱工業生産(確報)
- 日 日銀金融政策決定会合議事要旨(2月17、18日分)
- 米 2月生産者物価指数
- 米 3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
- 米 フィシャー・FRB副議長講演
先週末には103円77銭まで買われたドル円は、ちょうど1週間で101円
50銭近辺まで売られる、相変わらず難しい展開が続いており、今年の相場展
開を象徴する動きになりました。
昨日もこの欄で触れましたが、ウクライナ情勢が緊迫する中、市場はほとんど
無視する形で「ドル高」や「株高」が進んでおり、「市場は楽観視している」
と書きました。
加えて、中国からは「シャドーバンキング問題」だけではなく、経済指標の
悪化が続き、景気の先行きに対する不安が高まっていましたが、これも昨日
の東京時間には明らかになっており、今さらながら東京市場とNY市場の反
応の違いには驚かされます。
もっともNY時間の為替は、株価の動きと、債券の動きに大きく影響されるこ
とから、東京時間で取引する際には「NY市場がどう反応するのか」を予想し
ながらポジションメイクすることも重要になります。
103円台後半までドル高が進んだ後、一転してリスク回避が強まってきた
ドル円ですが、昨日のコメントでも102円の半ばが重要な水準で、ここを
割り込むとドル売りが加速する可能性にも触れました。
それは、この水準がこれまでの「レジスタンス」だったわけで、一旦上抜け
すると今度は「サポート」として機能するケースが多いからです。
そして昨日のNY市場ではやはり、この水準を明確に抜けたら101円54
銭まで円高ドル安が進みました。目先のサポートが下抜けしたということに
なります。
ただそれでも今回の下落も、これまでと同様に「120線」(日足)で下げ
止まっています。
現時点では今年に入って3度目の下落阻止ということになるこの「120線」
は、相当強い支持線ということになりますが、反対にこの支持線が破られた
ら大きく下落することにもなり、注意が必要です。
因みに、この「120日線」はユーロ円では2012年10月以来下落を阻
止している「優れもの」です。
さて、ウクライナではクリミア地区で16日に住民投票が行われ、自治独立
国としてロシア側に付くか、あるいはウクライナに留まり、西側諸国に付く
のかが決まりそうです。
オバマ大統領は住民投票そのものが国際法に違反していると非難しています。
ケリー国務長官も、議会で住民投票が実施されれば欧米でさらなる制裁を発
動すると警告していますが、今のところその効果も限定的のようです。
またウクライナ情勢に関しては「沈黙」を守ってきた日本も、どうやら欧米
側に組することに傾いたようです。
来週以降の情勢が急激に緊迫する可能性もでてきたと思われます。
景気の先行不安が急速に高まってきた中国と、ウクライナなど「火種」が徐
々に大きくなってきそうな状況です。
現時点では101円~104円のレンジ内での取引は続いていますが、先週
上値を試しただけに、今度は再び下値を試す展開が予想されます。
レンジ予想も難しくなっていますが、101円30銭~102円50銭程度を
考えています。
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- [2014/03/14 08:39]
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