ドル円102円台で一進一退
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はウクライナ情勢をにらみながらも小動き。
FRBが利上げに踏み切る時期が想定以上に早い可能性が
出てきた一方、ロシアへの新たな制裁の内容を見極めたい
とする雰囲気の中、ドル円は102円台前半で推移。 - ユーロドルも方向感がなく、1.38を中心に
もみ合いが続く。 - 株式市場は朝方上昇して始まったものの、引けでは
小幅に下落。S&P500は日中最高値を更新したが
前日比マイナスで終わる。 - 債券は小幅に買われ、長期金利は3bpほど低下して
2.74%台で越週。 - 金、原油はともに続伸。
本日の注目イベント - 中 中国 3月HSBC製造業PMI(速報値)
- 独 独3月製造業PMI(速報値)
- 独 独3月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏3月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(速報値)
EUは先週末に開催した首脳会議で、ロシアに対する新たな制裁を決め、
今週にはオランダで開催される臨時の「G7」で新たな制裁が加わるこ
とで、ロシアに対する包囲網ができそうですが、今の所ロシアは直接的
な影響を受けておらず、今後ガスや石油などの資源に対する規制にまで
制裁が及ぶかどうかがカギになりそうです。
ウクライナの外相は23日米ABCテレビのインタビューで、同国国境
にロシア軍が集結しており、対ロシア戦の可能性が増しつつあると語っ
ています。
「われわれは対応する準備ができている」と述べており、「国民は母国
を守る準備もできている」とも述べています。
クリミア半島での緊張が高まって以来、軍事行動の可能性に触れたのは
今回が初めてです、緊張は増す一方です。仮に軍事衝突が起これば、円
買いが加速することが想定されます。
このような状況の中でも、ドル円が102円台で安定し、円買いが進ま
ないのは先週のFOMC後のイエレン議長の発言が円の上昇を抑えてい
ると考えられます。
19日のFOMC終了後の記者会見で、「相当の期間」とはどれくらい
かとの質問に、イエレン議長は「おそらく6ヶ月前後」と答えたことです。
債券購入プログラムの縮小は、今回のFOMCまでに3回連続で100億
ドルの減額が決められています。
このままのペースでいけば「年内にQEが終了」することになり、来年夏
場までには政策金利を引き上げることになります。
市場の多くは2015年後半から、2016年春先までゼロ金利政策が続
くと予想していただけに、イエレン議長の発言はサプライズとして受け止
められています。
想定よりも早い政策金利引き下げのタイミングに、ドル円は日米金利差が
拡大するとの思惑に102円台で推移しています。
FRBがゼロ金利を解除すれば、その後はフェデラルファンド金利が正常
な水準まで引き上げられることになります。
米金利の上昇は米国債の金利上昇にもつながり、昨年5月に見られたよう
に、米長期金利が一時3%を越えた際にドル円が105円台半ばまで円安
に振れたことは記憶に新しいところです。
「タカ派」の代表格である、フィッシャー・ダラス連銀総裁も21日の講
演で「このペースで資産購入の縮小を続ければ
10月までに大規模資産購入が終了することは明白だ」と述べています。
現在のFOMCで投票権を持つメンバーは、「ハト派」のシカゴ連銀総裁
が抜け、ダラス連銀総裁が新たにメンバー入りしたことで、やや「タカ派」
的になっていることにも注意が必要です。
上述のように、足許ではウクライナ情勢の緊張と高まりという「円買い材
料」と、ゼロ金利政策解除という「円売り材料」がにらみあっている状態
です。
ウクライナ情勢は極めて流動的なため、「G7」での制裁内容と、それに
対するロシアの出方がまずは焦点になります。
本日は101円50銭~102円70銭程度を予想したいと思います。
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- [2014/03/24 08:46]
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