ドル円111円割れを試す 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は続落。米経済指標が予想を下回ったことや、

    ユーロ高に引っ張られる形で、111円05銭前後まで下落。

  • ユーロドルはECB議事録の公表を手がかりに急伸。

    1. 1936近辺から1.2059前後まで上昇する荒っぽい

    動きに。議事録の内容が予想されたよりもタカ派的で

    あったことが材料に。

  • 株式市場は大幅に反発。原油価格が一時64ドル台

    に乗せたことで、エネルギー株を中心に買われた。

    ダウは前日比205ドル上昇し、最高値を更新。

  • 債券相場は反発。連日大きく売られたことで、値ごろ感

    からの買い戻しも入り、長期金利は2.53%台へと低下。

  • 金は続伸。原油価格は4日続伸し、一時は64ドル台

    半ばを超える水準まで上昇。今後もOPECの減産が続くとの

    報道が手掛かり。その後は押し戻されて63ドル80セントで引ける。

  • 12月生産者物価指数    →  -0.1%

  • 新規失業保険申請件数   →  26.1万件

  • 12月財政収支        →  -232億ドル

    本日の注目イベント

  • 日 12月景気ウオッチャー調査

  • 日   11月国際収支

  • 中   中国 12月貿易収支

  • 米   12月消費者物価指数

  • 米   12月小売売上高

  • 米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演

  • 米  企業決算 →ブラックロック、JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ


    ドル円は昨日の東京時間では、株価が予想されたよりも下げなかったこともあり

    111台半ばから後半まで反発しましたが、NY市場では再び下値を試す展開と

    なりました。111円台は割り込まなかったものの、111円05銭前後までド

    ル安が進んでいます。

    昨日の動きはどちらかといえば、ユーロドルでドル安ユーロ高が急速に進んだこ

    とで、円も連れ高した側面が大きかったと思われます。

    もっとも、ドル円は日足チャートでも雲抜けを完成させ、下落を示唆する形状を

    見せていることから、目先上値の重い展開が予想されます。昨日は米長期金利の

    上昇も一服し、株価が再び最高値を更新するなど、リスクオンに傾きそうな状況

    でしたが、ユーロの強さが全体のモメンタムを決定したような1日でした。

    昨日公表された昨年12月のECB議事録では、「景気拡大が続きインフレが当

    局の目指す水準に向けてさらに収れんすれば、政策委員会のコミュニケーション

    が、順序は変更しない形で、徐々に進化していく必要があるとの見解が、幅広く

    支持された」と記され、さらに「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざ

    まな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」

    と述べられていました。(ブルームバーグ)

    ECBは今月から債券購入額をこれまでの600億ユーロから300億ユーロに

    減額し、これを9月まで実施することを昨秋に決めています。ただ同時に、「必

    要ならば再び増額することも期限を延期することもある」との文言も残しており、

    市場はこの部分に反応し、ユーロが大きく売られた経緯があります。

    今回の議事録は今年の早い段階で、条件さえ合えばテーパリングを行う可能性が

    高いことが示唆され、その先には「利上げ」が意識される段階に入っていること

    を匂わせていると理解できます。米国からは周回遅れで走ってはいますが、よう

    やく米国の背中が前方にかすかに見えてきたといった状況です。

    米国株は再び上昇傾向を強めています。

    ダウは先週木曜日に初めて2万5000ドルの大台に乗せましたが、昨日の引け

    は2万5574ドルです。ちょうど1週間で574ドル上昇したことになります。

    武者リサーチの調査によれば、米国の個人資産のうち、52.1%が「株式・出

    資金」に向けられており、日本の14.0%を大きく引き離しています。

    そのため株価の上昇による資産効果は強烈で、個人消費がさら拡大する

    ことも容易に想定されます。

    一方で、昨日発表された経済指標に「かげり」が見られないわけでもありません。

    生産者物指数は予想を下回る「-0.1%」でした。また週間失業保険申請件数

    は前の週よりも1万1000件増えて「26.1万件」と、昨年9月にハリケー

    ンの影響で申請件数が増加した時以来の高水準でした。この数字がさらに拡大す

    ると、いずれ失業率にも影響を与えることになります。

    一時的な現象だとは思いますが、今後も注意深くウォッチしていく必要があるで

    しょう。

    好調な米景気にとって「死角」は賃金とインフレ率です。この2つが依然として

    上昇傾向を見せないことが、FRBが想定する利上げ回数と市場が予想する回数

    に溝を作っているわけです。

    本日のドル円は昨日と同じような展開になりそうですが、やや水準が円高方向で

    す。

    111円割れを試す可能性もありそうですが、本格的な動きは海外市場が入って

    からでしょう。引き続きユーロドルの動きには注意が必要です。

    予想レンジは昨日と同じ、110円80銭~111円80銭程度とします。


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