ドル円ついに110円台を突破
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は「110円の壁」を上抜けし、110円45銭まで上昇。
米長期金利が一段と上昇したことと、経済指標の一部が上振れ
したことが材料に。 - ドル高が進み、ユーロドルは大幅に下落。1.1820まで
ユーロ安が進み、先週9日に記録した安値に並ぶ。 - 株式市場は大幅に反落。米長期金利がさらに上昇した
ことと、連日上昇が続いていたことから、利益確定の売りが
出やすい状況にあった。ダウは193ドル下落し、他の主要指数も
大きく売られる。 - 債券相場は続落し、10年債利回りは一時3.09%まで上昇。
NY連銀製造業景況指数が予想を大きく上回ったことなどに
反応した。引け値では3.07%台と、やや低下して取り引きを終える。 - ドル高が進み金は前日比27ドル以上売られ、1300ドルの
大台を割り込む。原油は小幅に上昇し高値圏で推移。 - 米 5月NY連銀製造業景況指数 → 20.1
- 米 4月小売売上高 → +0.3%
- 米 5月NAHB住宅市場指数 → 70
本日の注目イベント
- 日 1-3月GDP(速報値)
- 独 独4月消費者物価指数(確定値)
- 欧 ユーロ圏4月消費者物価指数(確定値)
- 欧 IEA月報
- 米 4月住宅着工件数
- 米 4月建設許可件数
- 米 4月鉱工業生産
- 米 4月設備稼働率
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
まさに「三度目の正直」でした。ドル円は三度(みたび)110円台をテストし、三度目の今回は「110円の壁」を突破し、110円45銭前後まで一気にドル高が進みました。前回までは110円02銭や04銭まで上昇したものの、結局押し戻されましたが、今回はその水準を大きく上回り、引け値でも110円台前半で戻ってきています。
ドル高が進んだ材料は幾つかありましたが、やはり米長期金利の一段の上昇が大きな理由だったと思われます。米長期金利は3.09%まで上昇し、2011年以来の高水を記録しました。昨日もこの欄で述べたように、米金利との相関が戻ったドル円は、金利がさらに上昇したことで、ドル高が進みました。2月の初めにもこのように、米長期金利が大きく上昇しました。その時は金利高に嫌気してNYダウが1000ドルを超える大幅安を見せ、この株価の大幅下落に反応してドル円は大きく円高ドル安が進んだ経緯があります。昨日もその傾向は観られNYダウは下げましたが、193ドル安に留まっています。ダウは8日続伸していたこともあり、下落は「想定内」とも言えます。むしろ昨日の下落幅で、2月に比べ、株式市場の金利高に対する耐性が強まったと判断することもできそうです。
さらにドルを押し上げたのは、この日発表された5月のNY連銀製造業景況指数でした。市場予想の「15.0」を大きく上回る「20.1」だったことで、FRBによる利上げ回数の上振れ観測が高まり、ドル買いにつながっています。さらにサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が講演で、米景気の先行きに楽観視しており、「今年は3回か4回の利上げが適切」との見解を改めて示したこともドル高につながりました。ウィリアムズ総裁は、来月退任するダドリーNY連銀総裁の後任となり、新しいNY連銀総裁に就任します。
地区連銀の中でもNY連銀は別格で、それだけ発言にも影響力があります。
ドル円は2月2日以来のドル高水準となる110円台半ばまで上昇してきました。これまで何度も述べてきた重要な値位置である「200日移動平均線」もついに抜けてきました。この先の上値のメドですが、まずは『週足』の「52週移動平均線」が110円35銭近辺にあるため、この線をしっかりと抜ける必要があります。そしてその上には、ほとんどレジスタンスらしいものは見当たらないため、
フィボナッチ・リトレースメントを駆使してみると、114円74銭(2017年11月6日)の直近高値から、104円64銭(3月23日)の安値の値幅、10円10銭の61.8%戻しが、110円88銭ということになります。ということで、110円台半ば~111円にかけては、仮に抜けるとしてもてこずることになりそうです。本日の予想レンジは109円80銭~110円60銭程度とします。

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- [2018/05/16 09:54]
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