ドル円一気に109円台半ばまで下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は欧州市場での急落を受け109円台で始まったが、
NY市場では落ち着いた動きを見せた。110円台前半まで上昇したが
米長期金利の低下などもあり、やや上値の重い展開だった。 - ユーロドルはユーロ圏のPMIが悪化していたことで続落。
一時は半年ぶりとなる、1.1676前後までユーロ安が進む。 - 株式市場は反発。FOMC議事録で追加利上げを急がないことが示唆
されていたことで買いを集めた。ダウは52ドル高と小幅に上昇して引ける。 - 債券は急反発。議事録の内容に買い安心感が広がり価格が上昇。
長期金利は約2週間ぶりに3%の大台を割り込み、2.99%台に低下。 - 金は反落し、原油は続落。
- 4月新築住宅販売件数 → 66.2万件
本日の注目イベント
- 独 独1-3月期GDP(改定値)
- 英 英4月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 3月FHFA住宅価格指数
- 米 4月中古住宅販売件数
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
最近の緩やかな値動きからしたら、久しぶりの大きな動きでした。ドル円は昨日の朝方から欧州市場が参入する夕方までに1円50銭程度動き、1日の下落幅としてはかなりのものでした。円買いドル売りを誘発したのは、北朝鮮リスクや貿易問題、さらにはトルコリラの急落が挙げられます。ただ米朝首脳会談を巡っては、トランプ大統領が6月12日に行われる会談を巡り「私たちが求める条件が満たされないと会談は開かない」とホワイトハウスで述べたことで、北朝鮮リスクが再び高まったものですが、この報道は昨日の早朝には伝えられており、その時のドル円は極めて静かで、111円を下回る水準で推移しています。
ドル円は夕方には110円を割り込み、一気に109円56銭前後まで円高が進み、円急騰時に良く観られる「円独歩高の展開」でした。昨日はユーロ円なども急落し、特にトルコリラ円は損切りも巻き込み大きく値を下げました。これらクロス円の下げが、ドル円でのドル売り円買いにもつながったと見られます。トルコリラは、その後トルコ中銀が通貨防衛のための利上げを決めたため、急速に値を戻しています。
昨日のこの欄でも述べましたが、ドル円は111円台前半から半ばがやや重くなりながらも「調整らしい調整」もなく、ジリジリと買われてきました。昨日の欧州市場で109円台半ばまで下落したことで、今回の上昇局面での最初の本格的な調整が起こったと言えます。今回の調整で、111円台では天井感も出てくると思われ、しばらくは110-115円のレンジではなく、110円を挟むレンジを形成するのではないでしょうか。
決め手となるのは、やはり米朝首脳会談が延期されるのか、あるいは予定通り6月12日に実施されるのかという点です。個人的には、現時点では延期する決定的な理由はないことから、予定通り実施されると予想しています。今回のトランプ大統領の発言は、北朝鮮側から揺さぶりをかけてきたことに反応したものです。米朝首脳はお互いに「策士」です。会談までに有利なポジション取りをしているものと思われます。特にトランプ大統領にとっては、劣勢が予想される11月の中間選挙に向けて、「成果」をアピールしたいという思惑もありそうです。
本日のドル円は110円を挟む展開になりそうです。上値は110円35-40銭辺りを抜けるかどうか。下値では109円50-70銭辺りがサポートになろうかと思います。予想レンジは109円50銭~110円50銭程度と見ます。

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- [2018/05/24 09:52]
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