米朝首脳会談中止で円全面高に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
まで円高が進み、約2週間ぶりのドル安水準を記録。ドル円はその後
やや買い戻され、109円20-30銭で取り引きを終える。
売られ、127円台後半までユーロ安が進行。
意識され、ダウは75ドル安。
買い戻される。長期金利は2.97%台まで低下。
本日の注目イベント
昨日のホワイトハウスの発表は個人的には大きなサプライズでした。
日程と場所まで決まっていた米朝首脳会談の中止が発表されました。
会談を取りやめた理由についてトランプ大統領は、北朝鮮側の最近の発言に
見られる「途方もない怒りとあからさまな敵意」がその理由と説明しています。
(ブルームバーグ)。実際、北朝鮮は今月7~8日に金委員長が中国へ
2回目の訪問を行った以降に、米国への態度を硬化させ、批判的な論調に
変わってきました。米国側も、このまま相手に非核化の問題も含めて指導権を
握らせるわけにはいかず「中止」を発表したものと推測されます。
相手がトランプ大統領であることを考えると、「中止」がないわけではないと
多少警戒はしていましたが、それでもここまでくれば「大国としての対応」を
見せるだろうと予想していました。突然の首脳会談中止で、ドル円は一時10
9円を割り込み、ユーロ円も127円台後半まで売られるなど、「円全面高」
の様相です。昨日の日本株も、米国が自国への輸入自動車の関税引き上げを示
唆したことから日経平均株価は300円以上下げる場面もあり、2万3000
円台を回復して楽観ムードが高まっていた株式市場にも警戒感が広がってきま
した。
また一時3.12%まで上昇した米長期金利は3%を割り込み、昨日は2.9
7%台まで低下し、安全資産の債券に資金が戻った格好になっています。朝鮮
半島リスクはほぼ後退したと見ていましたが、再び米朝が対立する形になりま
した。
今後米国は、北朝鮮に対する経済制裁を維持するだけではなく、強化するのか
という点についても注目しなければなりません。
一方で、北朝鮮は予告どおり核実験場を爆破し、非核化の意思を見せています。
米朝首脳会談中止を受けた後の北朝鮮側のコメントを聞いてはいませんが、お
そらく「北朝鮮は核実験場の爆破まで行ったのに、米国の勝手な理由で会談を
中止させたと」いった論調のコメントが出されると思われます。ただトランプ
大統領は、金委員長とは「最近まで良い対話ができていた。金委員長は正しい
ことをしたがっていると思う。そう信じている」(ブルームバーグ)と述べて
おり、今後会談日程が再びテーブルに乗る可能性も否定できません。
ドル円はリスクオフの動きが強まってきたため、再び下落基調に戻ってきまし
た。今回の動きで111円台はかなり重くなってきたと思われます。同時に1
10-115円の新しいレンジ形成にも失敗しております。レンジとしては1
05-110円に戻った印象ですが、3月23日の104円64銭から今回の
上昇分をフィボナッチ・リトリースメントではじくと、38.2%戻しが10
8円82銭になります。また半値戻しは108円02銭となり、この辺りが目
先の下値のメドと考えられます。トランプ大統領は輸入自動車に対する関税引
き上げも示唆しています。これが実施されるようだと、直接日本にも大きな影
響が出ることから、さらにリスクオフが拡大することも予想されます。
市場関係者は再び「トランプリスク」に対して身構え始めたと言えるでしょう。
本日のドル円は108円70銭~109円70銭程度を予想します。

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- [2018/05/25 09:01]
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