ドル円110円を維持し堅調 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 米朝首脳会談をひとまず評価したドル買いで、ドル円は

    110円49銭まで上昇。発表された5月のCPIが年率で2.8%

    だったこともドルを支えた。

  • ユーロドルは小幅に反落。1.1733まで売られる場面が

    あったが、明日のECB理事会を控え活発な動きは見られなかった。

  • 株式市場は続伸したものの、ダウは5日ぶりに小幅安で

    終わる。ハイテク株の多いナスダックは43ポイント上昇。

  • 債券相場は小幅ながら3日続落。長期金利は2.96%台まで

    上昇し、ドル堅調の一因に。

  • 金は反落し1300ドルを割り込む。原油は小幅に続伸。


  • 5月消費者物価指数 →  +0.2%

  • 5月財政収支     →   -1468億ドル

    本日の注目イベント

  • 欧   ユーロ圏4月鉱工業生産

  • 欧   IEA月報

  • 英   英4月消費者物価指数

  • 英   英4月生産者物価指数

  • 米   FOMC 政策金利発表

  • 米   パウエル議長記者会見

  • 米   5月生産者物価指数


    昨日の米朝首脳会談の様子をテレビの前でしっかりと見た人は多かったのでは

    ないかと思いますが、共同声明に署名をする場面では、やはりトランプ氏が役

    者が1枚も2枚も上なのか、終始場面をリードしている様に見えました。

    年齢差や人生経験を考えれば当然なのでしょうが、1対1の会談でどんなこと

    が話されたのか、興味は尽きません。

    共同声明では、朝鮮半島の非核化に取り組むことが記載されていましたが、そ

    のプロセスについては触れていません。これについてトランプ大統領は「完全

    な非核化には時間がかかる。いったんプロセスが始まれば、ほとんど終わる」

    と述べており、事前にあれだけ「完全で、かつ検証可能で不可逆的(CVI

    D)な非核化」にこだわった事を考えると、やや肩透かしをくらった印象です。

    一方金委員長は、北朝鮮の体制保証を取り付けたことで、まずまずの成果だっ

    たと満足している風にも見えました。

    結局今回の歴史的会談は、政治的パフォーマンスの色合いも強く、それでもト

    ランプ大統領が言ったように、ひとまず筋道をつけたことを喜ぶべきなのか、

    あるいは結局米国が望んだ短期的な非核化が棚上げされたことに失望するのか、

    評価が分かれるところです。

    またわれわれにとって関心のある拉致問題では、「拉致を提起した」とトラン

    プ大統領は述べていましたが、それに対する金委員長の言葉すら分かっていま

    せん。この点に関しては失望と言わざるを得ません。

    ドル円は昨日の首脳会談中に、「期待以上の成果だった」というトランプ大統

    領の言葉に反応し、110円49銭までドル高が進みましたが、その後上値は

    抑えられており、NYでも同じように上値を試したものの、110円台半ばは

    抜け切れていません。

    市場は既に「米朝首脳会談」から「FOMCとECB理事会」に目線を移して

    います。今回のFOMCでは今年2回目となる利上げはまず間違いないと思わ

    れます。そうなると、残りもう1回なのか2回なのかが焦点ですが、前回のF

    OMC議事録では「利上げは急がない」との文言もあり、パウエルFRB議長

    の会見でもヒントは得られず、ニュートラルな結果になるかもしれません。

    今朝方のドル円は110円台半ばを若干超えてきたことから、やはり利上げが

    ドル高をサポートしている構図になっていると思われます。

    既に日足の「200日線」をしっかりと抜けてきたことから、111円テスト

    もあるかもしれません。

    ただ、それでも今後円が買い戻される材料は残っています。

    米朝首脳会談で自分をアピールできたトランプ大統領が、先週も触れていた輸

    入自動車関税の引き上げに着手し、中間選挙を一気に有利に持っていきたいと

    考えることに違和感はありません。

    また先週のカナダでのG7では欧州との対立が鮮明でしたが、ドイツのメルケ

    ル首相は「7月1日にも対抗措置を準備できる」と述べており、対中国だけで

    なく、対欧州でも「貿易戦争」という言葉が現実味を帯びてきました。

    「最初にガツーンとやってから落し所を探る」のがトランプ流外交術であるこ

    とから、このまま「貿易戦争」に発展する可能性は低いものの、円が急騰する

    場面も想定されます。

    本日のドル円はFOMCもあることから、109円50銭~111円程度を予

    想します。


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