ドル円半年ぶりに112円台に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は続伸し、半年ぶりに112円台までドルが急伸。
    米中貿易戦争がさらに激化したことで、新興国通貨が対ドルで
    大きく売られたことで、対円にも波及。111円台半ばを超えた
    ことからストップのドル買いも巻き込んで上昇したものと見られる。

  • ユーロドルではドル高が進まず、1.1758までユーロが
    上昇。ユーロ円も、131円目前まで続伸。

  • 株式市場は大幅に反落。米中貿易戦争の激化でキャタピラーなど、
    中国関連銘柄を中心に幅広く売られる。ダウは219ドル下げ、
    2万4700ドル台に。

  • 債券相場は変わらず。長期金利も2.84%台で動かず。

  • 金はドル高により続落。原油は米中の貿易摩擦の激化で、世界経済の下押し要因に
    なるとの懸念から大幅に反落。またOPECが6月は増産していたことも嫌気され前日比約5%下げ、
    一気に70ドル台に。

  • 6月生産者物価指数   →  0.3%

本日の注目イベント

  • 独  独6月消費者物価指数(改定値)
  • 欧  ユーロ圏5月鉱工業生産
  • 米  6月消費者物価指数
  • 米  新規失業保険申請件数
  • 米  6月財政収支 
  • 米  カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 米  ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演

トランプ政権は昨日の朝方、中国製品に対する追加関税を発表し、あらたに2000億ドル(約22兆4000億円)、6031品目に対して10%の関税をかけることを発表しました。実際の発動は、今後、公聴会や一般からの意見を聞く作業があるため9月になる見込みですが、もし実施されれば、中国からの輸入の半分に高関税をかけることになり、米中貿易戦争は新たな局面に入ってきたと
いえます。

中国はこれに対し対抗措置を講じる構えで、米国の「脅しには屈しない」と攻撃に出ています。中国商務省の王受文次官は11日、「当事者の一方が、言ったことを守らないならば、話し合いは成功しない」と述べ、交渉が成功するには「当事者が他の当事者に銃を突きつけることがあってはならない」と語っています。(ブルームバーグ)この発言から、米国商務省と中国の窓口である商務省が水面下では、妥協案を模索するための交渉を行っていたことが理解できます。

トランプ政権の留まるところをしらない保護主義政策の暴走は、米国内や身内の共和党内からも批判の声が高まり、ブレイディ米下院歳入委員長は、大きな犠牲を伴う中国との貿易戦争を停止するためトランプ大統領に貿易協議を再開するよう求めるとしています。同委員長は、貿易戦争の一段の激化が複数年の戦いになる恐れがあり、それは「世界のますます多くを巻き込む」と警告しています。また、上院財政委員会のハッチ委員長も、関税リストを批判し、「見境がないようで、的を絞ったアプローチではない」と声明を発表しています。(ブルームバーグ)

トランプ政権の新たな追加関税の内容が伝わった昨日の朝方、ドル円は111円台から110円76銭前後まで下落しましたが、昼前には再び111円台を回復しており、ドルの底堅さを確信した格好でしたが、まさかその後のNYで112円台までドル高が進むとは予想出来ず、さらにドル高がそこまで進んだ理由も、正直まだしっくりきません。貿易戦争の拡大懸念から、株価は大きく下落しましたが、安全資産の債券は特に買われてはいません。また恐怖指数と言われる「VIX指数」は「13.63」と、前日よりも上昇はしているものの恐怖が高まってはいません。しかし、だからといってこれだけではドル円が112円台まで上昇した説明には、「説得力」が欠けているように思えます。トルコリラなど「新興国通貨」が対ドルで大きく売られ、ドル高が進んだことによりドル円でも円売りが波及したという説明です。この欄でも何度も触れていますが、やはり111円40銭という、直近高値を抜けたことと、111円台半ばから上にはストップロスのドル買いがあり、それを巻きこみながら上昇したと考えるのが妥当かと思われます。

注目したいのはドル円の「週足チャート」です。2015年6月の125円86銭を頂点に引くことが出来る「レジスタンス・ライン」はかなり強い抵抗線で、これまでに何度も上抜けを試みましたが、抜け切れていません。昨日112円17銭までドル高が進んだことで、この抵抗線に再び挑んだ形になっています。まだ完全に抜け切れたとは言えませんが、完全に抜け切れるかどうかに着目する必要があります。ここを完全に抜け切れれば、114円程度までドル高が進む可能性も出てくるからです。

今後は、2000億ドルの追加関税実施の可能性と、それに対する中国の出方が非常に重要になってきます。中国側はこれまで、米国の制裁関税が発動されるとすかさず、同規模の報復関税で対抗してきました。しかし今回は、米国が2000億ドルという大規模な内容を発表しましたが、そもそも中国の米国からの輸入総額は1300億ドル程度で、物理的に2000億ドル規模の対抗措置を発表することは不可能です。そうなると、「金額」ではなく「質」での対応を見せるのか、あるいは「関税以外」で報復をちらつかせることが考えられます。こうなると正に、「貿易戦争の泥沼化」ということになります。本日は、112円まで上昇したものの、東京時間にドル円を買い上げる動きはそれほど強くはないと予想しており、下値がどこまであるかという点が焦点でしょう。予想レンジは111円60銭~112円40銭程度と見ていますが、海外市場ではドルの上昇にも気をつけたいところです。

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