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好調な米雇用統計でもドル円伸びず 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 8月の雇用統計が予想を上回ったことで、ドル円は111円25銭

    まで上昇。その後トランプ大統領が中国への関税をさらに拡大する

    発言を行ったことで、110円74銭まで反落。引けにかけては111円台に

    乗せ111円05-10銭で越週。

  • ユーロドルは雇用統計発表後、1.151台半ばまで売られたが

    その後は反発。1.1622前後まで上昇。

  • 株式市場は下落。トランプ大統領が対中関税拡大を警告した

    ことが嫌気された。ダウは79ドル下げ、S&P500は4日続落。

  • 良好な雇用統計を受け債券は売られる。長期金利は大幅に

    上昇し、2.93%台後半で引ける。

  • 金と原油は小幅に反落。

  • 8月失業率              →   3.9%

  • 8月非農業部門雇用者数   →   20.1万人

  • 8月平均時給 (前月比)     →   0.4%

  • 8月平均時給 (前年比)     →   2.9%

  • 8月労働参加率          →   62.7%

    本日の注目イベント

  • 日   4-6月GDP(改定値)

  • 日   7月国際収支

  • 日  8月景気ウオッチャー調査

  • 中   中国 8月消費者物価指数

  • 中   中国 8月生産者物価指数

  • トルコ 4-6月期GDP

  • 英   英7月貿易収支

  • 英   英7月鉱工業生産

  • 米   7月消費者信用残高

  • 米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演


    8月の雇用統計は概ね良好でしたが、特に平均時給の伸びが目を引き、

    発表直後はドルが買われました。

    平均時給は前月比で「+0.4%」、前年比で「+2.9%」と、2

    009年以来の高水準でした。

    賃金の上昇が消費を拡大させ、インフレにつながるという連想から、

    今後も利上げが続くといった思惑が働きドルが買われました。

    もっとも、今月25-26日に開催されるFOMCでは利上げが確実

    視されており、市場の焦点は12月FOMCでの利上げの有無に移っ

    ています。

    上値の重かったドル円は、雇用統計発表後に111円25銭までドル

    高が進みましたが、その後、再びトランプ大統領の貿易に関する発言

    でドルが売られています。トランプ氏は「(中国に)新たに2670

    億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」と遊説先に

    向かう大統領専用機の中で報道陣に語りました。すでに500億ドル

    が実施され、さらに2000億ドルの追加関税が発動されるのも「時

    間の問題」となっている状況の中、さらに強気の発言を行っています。

    仮に、この分までも実施されるようだと、中国からの全輸入品に対し

    て関税を引き上げることになり、このままでは市場が予想しているよ

    りもさらに厳しい状況になりそうです。トランプ大統領が仕掛けた

    「貿易戦争」に終わりは見えそうもありません。

    大統領はさらに、前日に続き日本に対してもじわじわと攻撃していま

    す。大統領は7日、日本との貿易協議について「合意に達しなければ

    日本は大変な問題になる」と述べ、合意がなければ報復することを示

    唆しました。さらに大統領は「日本との貿易協議に本腰を入れてこな

    かった唯一の理由は、中国と協議していたことだ」と説明しています。

    日米貿易協議は今月下旬に行われるようですが、トランプ政権はいよ

    いよ日本も標的にし始めたと思われます。

    今回の雇用統計で、米景気の良さが再確認されました。

    昨年末の大規模減税に加え、株高による資産効果、さらには今回確認

    された賃金上昇と、個人消費を拡大させる材料に事欠きません。

    4-6月期のGDPも「4.2%」と上方修正され、やはりG20諸

    国内では頭一つ抜けていることは疑う余地もありません。

    米国発の好景気が世界の景気に好影響を与えることで、世界景気が巡

    航速度を保って伸びていけば、米国が好景気の牽引車ということにな

    りますが、この先は不透明です。

    貿易戦争がさらにエスカレートすれば、米国自身もその影響を避ける

    ことはできません。

    好調だった米IT株が低迷しているのは、対中貿易の不透明感がその

    理由の一つです。

    アップルのiPhoneは、基本部分の設計は米国内で行い、日本の素材を

    用いて中国で生産し、世界中に輸出していると言われています。

    先週6日に締め切られた、中国への2000億ドルの追加関税公聴会

    では、アップルは正式に反対意見を述べています。

    今週は上記2000億ドルの追加関税がどこで発動されるのか、ある

    いは中国側が何か妥協案を示してくるのかが最大の焦点でしょう。

    好調な米経済でもドル円の上値が抑えられていますが、トランプ政権

    が日本に対する圧力をさらに強めてくるようだと、ドル円が水準を変

    えてくることも予想されます。

    本日の予想レンジは110円40銭~111円30銭程度と見ます。


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