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米長期金利2.9%へ急落 


ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は先月20日以来となる112円台半ばまで下落。
    米株式市場で株価が大きく下げ、長期金利も2.91%まで
    急低下したことで、ドル売り円買いが加速し112円58銭
    までドル安が進む。

  • ユーロドルではドル円ほどユーロ高が進まず、1.14台に
    乗せたものの押し戻される。ユーロ円の売りが活発となり、
    ユーロ円は127円台半ばまで下落。

  • 株式市場は急落。米中貿易問題のへの不透明感に加え、債券
    市場で発生した「逆イールド」が意識され、景気に対する
    懸念も株価を押し下げる。ダウは800ドルほど下げ、他の
    主要指数も大きく下落。

  • 債券相場は大幅に続伸。リスク回避の流れもあり、利上げ
    停止観測も高まり、債券に資金が流れる。長期金利は
    2.91%台まで急低下。

  • ドルが売られたことで金は続伸。原油価格は小幅に上昇。



    本日の注目イベント

  • 豪   豪7-9月期GDP
  • 中   中国 11月財新サービス業PMI
  • 欧   ユーロ圏11月総合PMI(改定値)
  • 欧   ユーロ圏11月サービス業PMI(改定値)
  • 欧   ユーロ圏10月小売売上高
  • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 加   カナダ中銀政策金利発表

    ドル円はNY市場で112円台半ばまでドル安が進み、昨日の日中の水準から
    1円を超える円高が進みました。米長期金利が急低下し、株価も再び大きく売
    られる展開から、リスク回避の円買いが強まったわけですが、今回はドル円も
    それなりに反応したようです。

    予兆はありました。昨日の東京時間には、日経平均株価が特段の理由がないまま
    ジリジリと下げ、特に午後に入ると下げが一段と加速し、結局この日の最安値で
    ある前日比538円安で引けています。ドル円も歩調を合わせるかのように
    113円割れ目前の水準までドル安が進んでいました。
    この流れがNY市場へ伝播した形です。ダウは一時800ドルを超える下げを見せ、
    長期金利は急低下し2.91%台まで下がり、円を買う材料が整った形です。

    債券ディーラーだけではなく、市場全体が注目したのは3年債の利回りと5年債の
    利回りが逆転する「逆イ-ルド」が起きたことです。通常金利は、短いほうが低く
    長くなるにつれて高くなるのが一般的です。(順イールド)これが5年債の金利の
    方が高くなってしまったのです。3年債は短期であることから、政策の影響を受け
    易いと言われ、FRBが粛々と政策金利を引き上げていることに反応し、緩やかな
    金利上昇が続いています。
    今月行われるFOMCでも今年4回目となる利上げは確実視されており、3年債や
    2年債には金利上昇圧力が続いています。

    一方期間の長い債券では、先週から金利の低下が続いており、長期金利は3%の大台
    を割り込み、昨日のNYでは2.91%まで低下しています。
    先週パウエルFRB議長はNYのエコノミック・クラブでの講演で、「金利は中立を
    わずかに下回る」との認識を示し、急速に「ハト派」に変化してきたとの印象を
    市場に与えました。またパウエル議長に先んじて、クラリダ副議長は、今後の利上げ
    には慎重になるべきだとの立場を示していました。
    FRBの正副議長以外にも利上げに対する慎重な見方が増えており、ここにきて
    急速に「利上げ打ち止め論」が広がっており、これが長期金利の低下を促しています。
    結局、期間の短い金利が上昇し、長いものが低下することで「逆イールド」が発生
    しています。

    今回の逆イールド現象は2007年以来のこととなり、2年債と10年債との利回り
    も10ベーシスを切ってきており、急速に縮小しています。2年債と10年債で
    「イールドカーブの逆転」が起こると、その後ある期間を経て景気後退につながる
    可能性が高いことは、過去の経験則がわかっているため、来年には米景気の減速を
    背景に株安、ドル安のシナリオが高まってきます。
    米経済指標にまだその傾向は明確には出ていませんが、昨日のNY市場での為替、債
    券、株式市場での動きは、それを織り込む動きだったのかもしれません。

    ドル円は112円台半ばまでドル安が進んで、11月20日以来の円高水準です。
    「週足」の雲の入り口で下落が止められた格好ですが、今後は米中貿易問題だけでは
    なく、米景気の行方や金利にも細心の注意を払う必要があります。
    本日のレンジは112円20~113円20程度を予想します。
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