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円独歩高弱まるも下落幅は限定的 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は欧州からNYにかけては中国の経済指標を手がかりに緩やかに
    下落し、109円15銭までドル安が進む。その後、トランプ大統領が自動車関税を
    巡る判断を先送りするとの報道から、109円69銭までドル買い戻しが進む。

  • ユーロドルも1.1179前後まで売られた後、自動車関税を巡る報道に
    1.1225まで反発。

  • 株式市場は揃って続伸。米政権の通商対立緩和の動きを好感し、
    ダウは115ドル上昇し、ナスダックも87ポイント高で取引を終える。

  • 債券相場は続伸。長期金利は2.4%を割り込み、2.37%台でクローズ。

  • 金は反発。原油価格は続伸し62ドル台を回復。

  • 4月小売売上高          →  -0.2%

  • 5月NY連銀製造業景況指数    →  17.8 

  • 4月鉱工業生産          →  -0.5%

  • 4月設備稼働率          →  77.9%

  • 5月NAHB住宅市場指数     →  66 


本日の注目イベント

    豪   4月雇用統計
    豪   RBA議事録
    米   4月住宅着工件数
    米   4月建設許可件数
    米   新規失業保険申請件数
    米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
    米   ブレイナードFRB理事講演

相変わらず貿易問題に左右される相場展開が続いています。昨日は朝方200円ほど売られた日経平均株価が「予想通り」上昇して取引を終え、8日ぶりにプラスで引けました。ただその割にはドル円の上値は重く、東京時間から欧州にかけてはジリジリと円が買われる展開になりました。中国の4月の経済指標が予想を下回ったことでドル売り円買いが進み、「NYでは109円台割れ」といった観測も出る状況でした。

この流れを反転させたのが、この日もトランプ大統領の発言です。国家安全保障を理由に導入を検討している自動車・自動車部品に対する、最大25%の輸入関税を巡る判断の期限が18日に迫っていましたが、トランプ氏が「判断を最大6カ月先送りする見通しだ」と伝えられました。貿易摩擦への懸念が一時後退し、ドル円は109円69銭まで反発。今回も109円割れは何とか回避しています。

一方で米景気の先行きに対する弱気の見方も浮上しています。4月の小売売上高が発表されましたが、市場予想の「+0.2%」に対して「-0.2%」と落ち込んでいました。3月分は上方修正されましたが、ここ3カ月で2回目のマイナスです。項目別では、自動車や建築資材の販売が低調で、中国製品に対する関税が25%に引き上げられたことで、今後さらに消費が落ち込むのではといった見方も出ています。米国はGDPの7割を個人消費が占める「消費大国」です。景気を見る上で、今後もこの個人消費の動きが重要な要素の一つです。また、昨日は鉱工業生産も市場予想を下回る「-0.5%」で、こちらは過去4カ月で3度目の低下となっています。ブルームバーグは今回の統計は、対中貿易戦争の中、製造業が勢いを失いつつあることを示唆しており、今月に入り中国からの製品2000億ドル(約22兆円)に対する関税が25%に引き上げられたことから「向かい風」は強まる見通しだと報じています。

今後も引き続き通商問題の行方が相場に大きな影響を与えることは間違いないと思われますが、ムニューシン財務長官は昨日上院歳出委員会の公聴会で、貿易協議を継続するために、トランプ政権の当局者が近い将来の「ある時点で北京を訪問する可能性が高い」と証言しています。また、先週ワシントンで行われた中国との会合は「建設的」だったとも述べています。

ドル円は2度続けて109円割れを回避できていますが、「週足の雲抜け」をテストしている状況と見られます。また「MACD」もマイナス圏で「デッドクロス」を見せており、下落傾向が続いていることを示しています。円は対ドルだけではなくユーロなど、他の主要通貨に対しても強含んでおり、「独歩高」の様相です。このような状況下では、個人投資家だけではなく、輸出企業などの「実需筋」もドル円が110円台まで戻ったら「ひとまずドルを売っておこう」という姿勢を強めており、これがドルの上昇を抑えることになります。市場のセンチメントが大きく変われば話は別ですが、当面はドルの反発力が弱いと予想しています。本日のドル円は109円10銭~109円90銭程度を予想します。


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