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米経済指標軒並み悪化 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 106円台後半で取引が始まったドル円は直ぐに107円台を回復。107円37銭まで買われたものの、その後は再び下落。 

  • ユーロドルは1.08台半ばまで上昇。1.07台後半から1.08台後半でのレンジが続く。

  • 株式市場は続伸。経済活動再開への期待からダウは60ドル上昇し、主要株価指数も揃って続伸。

  • 債券相場は反落。長期金利は0.64%台へと上昇。

  • 金は続伸。原油も続伸し、30ドル台が視野に。

本日の注目イベント

  • 日 1-3月GDP(速報値)
  • 米 5月NAHB住宅市場指数

新型コロナの感染拡大により、米中関係がさらに悪化して来ました。中国との断交を示唆し、習近平主席とも「今は話ししたくない」と述べたトランプ大統領は、中国の通信大手ファーウェイへの禁輸措置を強化することを発表しました。ファーウェイが海外で半導体を製造・設計するため米国の技術とソフトウエアを利用することを制限するものです。これに対して中国は直ちに抗議を行い、米企業を標的とした一連の対抗措置を講じる用意があると人民日報系の新聞、環球時報が報じています。

またナバロ米大統領補佐官はABCの番組で、「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」と発言し、「中国はWHOという盾に守られて2カ月の間、ウイルスを世界から隠ぺいし、数十万という中国人をミラノやNYなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」と語っています。ナバロ氏はさらにABCに対して「武漢にウイルスをとどめておくこともできた」と指摘し、「なのにパンデミックになってしまった。米国人に向けた中国の行為であり、責任は中国にあると私が主張するのはこのためだ」と話しており、トランプ政権で続いている中国非難の口調を一段と強めています。(ブルームバーグ)

しかし、これら一連の措置や発言は今のところ市場への影響は限定的なようです。ドル円は106円台後半から107円台半ばで推移し、上へも下へも動きにくい展開が続いており、連日上昇下落を繰り返している株式市場もこの日は続伸しており、経済活動再開への期待感が優勢な展開でした。ただトランプ政権は今後も中国に対する第2、第3の制裁を考えているようで、米中関係の一段の悪化は避けられない模様です。ジョンズ・ホプキンス大学が発表したデータによると、5月17日午後4時現在での米国の新型コロナ感染者数は146万7000人を超え、死者数も8万8000人を超えています。

パウエルFRB議長は米CBSとのインタビューで、米経済は新型コロナウイルスのパンデミックから回復するが、その過程は2021年の終わりまで長引く可能性があるほか、ワクチンの有無に左右されるとの見方を示しました。議長は、「米経済の完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」とし、「ただ、回復するにも、かなりの時間がかかるかもしれない」と指摘し、「来年末まで長引くことも考えられる。本当にわらない」と語っています。米国では高級百貨店の「ニーマン・マーカス」に続いて、大手百貨店の「J・Cペニー」が経営破綻し、新型コロナウイルス感染の影響は大きくなっています。米下院では15日、民主党が主導する3兆ドル(約320兆円)の追加対策が可決されました。上院での可決が必要なため、このまま実施されるかどうかはまだ不明ですが、対応の早さは評価されます。今後これらの対策が実行に移され、それでも景気回復が進まないようだと、「マイナス金利の導入」というカンフル剤を打つことになるかもしれません。

ドル円はもみ合いが続いています。先週末には多くの経済指標が発表され、そのほとんどが過去に例を見ないほどの悪化でした。それでもドルの下落は限定的です。上値が重いのは多くの投資家の共通した認識と思われますが、同時に「経済データが悪い」という認識も共有されているようです。上述ように、米中関係のさらなる悪化がどこまで為替相場に影響を与えるのかという点には注意が必要ですが、これも時間がかかるかもしれません。

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