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5月の米雇用者数250万人増加 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 5月の雇用統計が市場予想を大きく上回る結果であったことからドル円は続伸し、109円85銭まで上昇。3月下旬以来の高値を記録。株高、金利高が続き、リスクオンの流れがさらに加速。

  • 上昇を続けていたユーロドルは反落。ドル高の流れと利益確定に押され、1.1279まで小幅に下落。

  • 株式市場は大幅に続伸。雇用統計の結果を受け、早期の米経済立ち直りが確認されるとの観測からダウは829ドル上昇し、5日続伸。ナスダックはザラ場で最高値を更新する場面も。

  • 債券相場は続落し、長期金利は0.89%台まで上昇。

  • ドル高が進んだことで金は大きく下落。原油は続伸し40ドルに迫る。

本日の注目イベント

  • 日 1-3月GDP(改定値)
  • 日 4月国際収支
  • 日 4月貿易収支
  • 日 5月景気ウオッチャー調査
  • 独 4月鉱工業生産
  • 欧 ラガルド・ECB総裁、欧州議会公聴会に出席
  • 米 世銀、世界経済見通しに関する報告書

5月の雇用統計は記録的な「誤算」でした。もともとこの統計は速報値ということもあり、ブレやすく、毎月発表時には前月、あるいは前々月の数値が修正されるのが「恒例」になっているほどです。しかし、今回の結果は事前予想からは大きく外れました。
事前予想では750万人ほどの非農業部門雇用者の減少が予想されていましたが、結果は250万人の増加で、その差は1000万人ということになります。筆者も長く雇用統計を見てきましたが、これほどの差は記憶にありません。また失業率も予想の19.0%に対して13.3%でした。今回の雇用統計は、確かにこれまでに経験したことのない「コロナによる経済の混乱」ということで、予測しにくく、やむをえない部分はあろうかと思います。

ブルームバーグによれば、今回の大きく予想と異なった原因は、エコノミストの多くが失業保険申請件数をベースに予測しており、この件数の急増と、数千万人が失業保険を継続受給しており、給与保証プログラム(PPP)など、政府による救済策を十分に考慮に入れていなかった可能性があるのではないかと分析しています。また多くのサービス業や飲食業では、コロナ感染拡大により従業員の解雇をおこなったものの、これは一時的な解雇であり、感染が収まれば再雇用するといった形態が多かったようです。ただ、これで米雇用は安定的に推移し、これまでの状況に戻るかどうかは依然として不透明であり、個人的には早くとも来年のことと予想しています。コロナ感染のピークは過ぎたものの、直近のデータでは米国の感染者は192万人に達しており、死者数も10万9千人で、まだまだ予断は許しません。加えて、ミネソタ州で起きた黒人暴行死事件に対する抗議デモは日増しに拡大しており、デモは米国内に留まらず、この日曜日にはロンドンやブリスベンにも波及しています。米国の抱える、根強い人種差別と格差拡大のマグマが今回の事件を契機に一気に噴き出したと見ることができます。今後この抗議活動がさらに拡大するようだと、11月の大統領選にも大きな影響を与えることにもなります。

雇用統計の「ポジィティブ・サプライズ」で市場ではさらにリスクオンが高まりました。NYダウは5日続伸し、一気に2万7000ドルの大台を回復し、ナスダックはほぼ急落前の水準を回復しており、上記コロナによる甚大な影響を受けながらも株価の上昇が続いています。今思えば、あの連日の急落は何だったんでしょう。ドル円は、リスクオンが進み109円85銭までドル高が進み、3月26日以来の水準に戻っています。すでに「週足」の一目均衡表でも雲の上抜けは完成させており、「MACD」ではゴールデンクロスを示現しそうな状況になっています。これでゴールデンクロスを完成させれば、テクニカル上はドル高傾向が鮮明になることから、注意して見ていきたいと思います。ただ、個人的には足元の株価の上昇に対する懐疑的な姿勢は変わりません。報道によると、個人投資家に加え海外勢の資金流入も活発になってきたようですが、企業業績の見通しでは多くの企業が先行きに対して慎重な姿勢を崩しておらず、2021年度業績については「未定」としている状況です。「株価は先行指標だ」とよく言われますが、一方で「しびれをきらした個人投資家が参入すれば、転換点」とも言われています。本日も日本株は大幅な上昇が予想されますが、ドル円の110円テストが日本時間にあるのかどうか、注目点の一つです。

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