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米5月の雇用者増加するも予想に届かず 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 5月の雇用者数の結果を受けドル円は反落。米長期金利が低下したことで109円37銭までドル売りが進む。

  • ユーロドルは反発。1.21台前半から買われ、1.2186前後まで上昇。

  • 株式市場は3指数が揃って上昇し、ダウとナスダックは最高値に迫る。5月の雇用者数が増加したものの勢いは鈍く、FRBがテーパリングを行なうには不十分との見方から株式が買われた。

  • 債券価格は上昇。雇用者数の伸びが予想に届かず、金融正常化観測が後退。長期金利は1.55%台へ低下。

  • 金と原油は反発。

本日の注目イベント

  • 日 4月景気先行指数(CI)(速報値)
  • 中 5月貿易統計
  • 中 5月外貨準備高
  • 独 4月製造業新規受注
  • 米 4月消費者信用残高

5月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月よりは増加していたものの、市場予想には届かない「55.9万人」でした。失業保険申請件数やADP雇用者数の伸びからすると、5月分は相当な上振れを予想していただけに、やや想定外の結果でした。業種別の内訳を見ると、飲食店が18万6千人増と大幅な伸びを見せましたが、建設業や金融などが伸びていません。失業率は「5.8%」と、前月よりも改善を見せ、予想よりも良い結果でしたが、コロナ禍前に比べるとまだ高く、雇用者数全体でも700万人ほど少ないと見られます。クリーブランド連銀のメスター総裁は「しっかりした雇用統計だとみている」としつつも、「さらなる進展を確認したい」と話していました。市場では、「悪材料は好材料」と言った声も聞かれ、FRBが資産購入の縮小を始めるには「不十分」との見方が広がり、株式市場では株価が大きく上昇しています。ダウは175ドル上昇し、先月8日に記録した最高値に20ドル余りと迫り、ナスダックも同様に最高値に迫る上昇を見せています。債券も買われ、金利は大幅に低下し。1.55%台で取り引きを終えています。ドル円は金利低下を手掛かりに利益確定の売りと失望感から大幅に下げ、109円37銭までドル安が進みました。バイデン大統領は雇用統計の結果には懸念を示さず、「雇用拡大が継続しているのは政府によるワクチン接種キャンペーンと、3月に成立した経済対策法の功績だ」とデラウェア州でのスピーチで述べています。

イエレン財務長官も5日、このところの物価上昇はいずれ収まるとの見方を示し、労働市場は改善しつつあるが、新型コロナウイルスのパンデミック前の強さを回復するには、まだ道のりは長いとの見解を示しています。またイエレン氏はロンドンで開かれたG7会合後の記者会見で、「幾分のインフレを目にしているが、恒久的だと私は考えていない」と述べ、「少なくとも前年比ベースでは、インフレ率の上昇が今年いっぱい続き、3%前後になるかもしれない」と語っています。インフレ率の上昇が続くとの認識を示しながらも、当局者が物価上昇を引き続き注視していると語り、「われわれはこれを非常に注意深く見守り、目を離さず、生じた問題に必要なら対処することになる」と話しています。(ブルームバーグ)

雇用統計も終わり、今度は来週のFOMCに市場の関心が移ります。ただ、今回の雇用統計の結果を考慮すれば、今回のFOMCでもFRBがテーパリング開始時期に関するフォワードガイダンスを発する可能性は低下したと考えます。もともと今後数カ月の雇用統計を確認し、雇用の持続的な増加が確認できなければ「FRBは動かない」と予想していますが、6月の雇用統計も今回のように不十分な結果だとすれば、フォワードガイダンスを発するのは早くて年内といった見方にシフトする必要があるかもしれません。

ドル円は今回も110円台が維持できずに押し戻されています。依然として「月足の雲」に上昇を抑えられている展開が続いていますが、大きな崩れは見られません。「日足」では一度「雲のねじれ」が生じ、ドルの下落が意識されましたが、先週110円台を回復したことで再び「上昇の雲」に転じています。「週足」ではやや上昇傾向に変化が出始めていますが、まだトレンドの変化までに至っていません。

本日のドル円は109円30銭~110円程度を予想します。


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