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ドル円1週間ぶりに113円台半ばまで売られる 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は反落。米長期金利が低下したことで一旦ドルロングを手仕舞う動きもあり、113円42銭まで売られる。

  • ユーロドルはやや水準を切り上げたものの、1.16台半ばが抜け切れず。

  • 株式市場はまちまちながらダウは上昇し、約2カ月ぶりに最高値を更新。

  • 債券は反発し長期金利は前日の1.7%台から1.63%台へと急低下。

  • 金と原油は揃って反発。

本日の注目イベント

  • 日 8月景気先行指数(CI)
  • 独 10月ifo景況感指数

トルコリラが先週に引き続き再び安値を更新しています。トルコのエルドアン大統領は米独仏など西側10カ国の駐トルコ大使を、「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定すると演説し、国外追放を警告しました。きっかけはトルコ人実業家で人権活動家、オスマン・カバラ氏の釈放を求めた10大使館の共同声明にあるようです。エルドアン氏は、「外務省に対して、10人の大使のペルソナ・ノン・グラータ指定を迅速に処理するよう必要な指示を行った」と説明しています。この発言を受け、トルコリラは対米ドルで1%強売られ、対円でも今朝は11円50銭台で取引が開始されています。先週は高インフレが続いているにもかかわらず、「高金利は悪」と言い放ち、強硬に政策金利を引き下げリラ売りを誘いましたが、今度は自身の独裁政治を批判する人権派に同調する動きを封じ込めるという「暴挙」に出ました。通貨安がさらにインフレを加速する可能性もあり、リラ円の底値が見えない展開です。

パウエル議長は先週末バーチャル形式のパネル討論会で、「われわれは資産購入のテーパリング開始へと順調に向かっており、経済がおおむね想定通り展開すれば、来年半ばまでに完了する見通しだ」としつつ、「私はテーパリングを始める時が来たと考えているが、利上げの時期とは考えていない」と述べ、改めて利上げはまだ先であることを強調しています。また、イエレン財務長官はNCCの番組で、「米国がインフレに対するコントロールを失いつつあるとは考えていない」と発言し、米国がインフレリスクを十分留意していないとするサマーズ元財務長官の批判に反論しています。(ブルームバーグ)イエレン氏はさらに足元のインフレの高進について、「このところ経験しているようなインフレは米国では長い間みられなかった。しかし正常に戻る中でこれも終わると予想する」と語っています。これら一連の発言から、FRB執行部や財務長官は物価上昇は一時的であるとの見方を依然として崩していないことがうかがえます。

バイデン大統領は、米国は台湾を守るコミットメントがあり、台湾が中国から攻撃を受けた場合には米国が防衛に向うと表明しました。大統領はCNNがメリーランド州ボルティモアで行ったタウンホール集会で、「中国は、米国は世界最強の軍を有していることを知っている」と述べ、懸念するのは中国が深刻な間違いを犯しかねない活動に従事していることだ」と付け加えていました。中国は台湾海峡での圧力を強め、台湾が西側諸国との経済的結びつきを強めていることに対しても批判し、警戒を強めています。半導体受託生産の世界的大手である台湾のTSMCがソニーと共同で熊本に半導体生産工場を建設することに伴い、日本政府がその資金(4000億円程度)半分を拠出することや、台湾外交トップがスロバキアやチェコなど欧州諸国を歴訪し、経済外交を推し進めていることに強く反発しています。

ドル円は113円台半ばまで下落してきましたが、これは米長期金利の低下に伴った動きであり、これも想定内と言えます。ただ、ドル円が111円台から114円台まで上昇した際のスピードと、先週の動きは明らかに異なってきました。米国のテーパリング開始は完全に相場に織り込まれ、中国恒大集団を始め中国不動産リスクが徐々に表面化する中で、円に対する見方にもやや変化が出て来た可能性があります。そのため「調整局面」も想定以上に長くなることも予想されますが、ドルの上昇トレンドにまだ変化はないとみています。

本日のドル円は113円20銭~114円程度を予想します。


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