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ドル円『往って来い』の展開。135円台を回復 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は前日の131円台から急騰。日銀決定会合では
政策の変更や修正もなく、今後も大規模な金融緩和を続けて
行くとのメッセージから円が売られた。NYで135円42銭
までドルが反発し、元の水準を回復。
◆ユーロドルもやや買い戻され、下値を切り上げる。
◆株式市場ではナスダックとS&P500が反発したものの、
ダウは続落。ダウは38ドル下げ年初来安値を更新。
◆債券は反落。長期金利は3.22%台に上昇。
◆金は反落。原油は前日比8ドルを超える(6.8%)下げとなり、
約1カ月ぶりの水準に。世界的な金融引き締から、原油の需要が
減少するとの見通しが影響。


◆5月鉱工業生産       →  0.2%
◆5月設備稼働率       →  79.0
◆5月景気先行総合指数    →  -0.4%

本日の注目イベント

◆独   独5月生産者物価指数
◆米 NY休場(ジューンティーンスの振替休日)
◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演

前日のNYでは131円49銭まで売られたドル円は、わずか1日で135円
42銭まで反発するなど、いずれも想定を超える動きでした。元の水準を回復
し、結局「往って来い」の相場展開でしたが、日米金融当局の金融政策に変更
がないとの見方が大きく作用したものと見られます。
市場の一部には今回の会合では日銀の政策に変更か修正、あるいは黒田総裁の
発言にも何か変化があるのではないかとの見方がありましたが、昼前に変更な
しとの結果が伝わるとドル円は一気に134円台半ばまで上昇。その後は13
3円台前半まで押し戻されましたが、黒田総裁の記者会見を境に再び円売りが
活発になりました。
黒田総裁は、自身の発言の変化について記者から質問を受けましたが、「為替
の水準を決めて金融政策をやっているわけではない」と答え、質問には真正面
から答えていないような印象を受けました。
結局、日銀の声明文では「為替を注視する」と、あらたな文言が加わりました
が、大きな変化はなかったようです。先週はFOMCで「0.75%」の追加
利上げが決定され、さらに予想外のスイス中銀利上げと、BOEの5会合連続
の追加利上げもあり、それらの動きとは全く異なる日銀の政策が余計に目立つ
結果になりました。

FRBの主要メンバーの中ではかなり「タカ派的」とみられるウォラー理事は
講演で、経済指標が、自身が想定する通りの内容なら、追加の75bpの利上
げを7月のFOMCでも支持する姿勢を明らかにしました。
ウォラー理事は「インフレの原因は何でもいい。高すぎるので、低下させるの
が私の使命だ。金利引け上げと利上げ軌道はあらゆるセクターで需要下押し圧
力を与えるだろう」と述べ、リセッションについては、「トレンド成長率を6
カ月から1年間下回るかもしれない。4-4.25%になると私は思う。今年
は40年ぶり高水準のインフレ率で、これが懸念すべき最も重要なポイントだ
」と強調しました。
またイエレン財務長官もABCの番組で、「インフレは今年これまで高い状態
が続いており、残りの期間も高インフレが続くのは確実だ」と語り、「ただ、
新型コロナのパンデミックを背景に国民の貯蓄が積み上がっているほか、労働
市場は極めて力強い。リセッションは全く不可避というわけではない」と言明
しました。(ブルームバーグ)
このような発言が続くと、現時点では次回7月会合でも「0.5ポイントでは
なく、0.75ポイントの利上げ」が実施されそうな印象です。
6月の雇用統計やPCEデフレータ、あるいは6月のCPIの結果が極めて重
要になってきます。

バイデン大統領は「近く」、中国の習近平国家主席と電話かオンラインで会談
する可能性があることを発表しました。国内の高インフレを抑制する意味もあ
り、中国からの約3000億ドル(約40兆円)相当の輸入品を対象にトラン
プ前政権が課した制裁関税の緩和を提案する可能性が高く、一方でウクライ情
勢での中国の役割を期待するメッセージを伝える可能性もあります。
ただ具体的な日程はまだ決まっていないようで、バイデン氏は「彼と会談する
つもりだ」とだけ話しています。

再び135円台を回復してきたドル円は、今週も上値を試す可能性が高いとみ
ています。
日銀の政策に変更がないことが確認され、米国では上述のように7月会合でも
75bpの利上げの可能性が高まっている状況では、円売りの勢いは止まらな
いと予想されます。ただ、このところのドル円の動きは非常に早く、下げる場
合でも値幅も大きく、想定を超える可能性があるため注意が必要です。

本日のドルは円134円~136円程度を予想します。


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