ドル円139円台に続伸
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円はさらに上昇し、欧州からNYでは139円39銭前後まで
買われ、いよいよ140円が視野に。前日カナダなど、多くの
国で利上げが決定され、日銀との差がより鮮明に。
◆ユーロドルは続落。イタリアのドラギ首相が辞任との報道もあり、
0.9958までユーロ安が進む。
◆株式市場はまちまち。ダウは142ドル下げ、5日続落。
ナスダックはマイナス圏から浮上し、辛うじてプラスで引ける。
◆債券は反落。長期金利は2.95%台に上昇。
◆金は反落し一時は1700ドル台を割りこむ。原油も小幅に
反落。
◆6月生産者物価指数 → 1.1%(前月比)
◆6月生産者物価指数 → 11.3%(前年比)
◆新規失業保険申請件数 → 24.4万件
本日の注目イベント
◆中 4-6月GDP
◆中 中国6月小売売上高
◆中 中国6月鉱工業生産
◆欧 ユーロ圏5月貿易収支
◆米 6月小売売上高
◆米 7月NY連銀製造業景況指数
◆米 6月輸入物価指数
◆米 6月鉱工業生産
◆米 6月設備稼働率
◆米 7月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
◆米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米 企業決算 → ブラックロック、シティーグループ、ウェルズファーゴ
ドル円は欧州勢が参入して来た昨日の夕方には139円台に乗せ、NYでは139円
39銭前後までドルが続伸しています。先週末に雇用統計が発表される前には135
円台後半で推移していたドル円は、再び「大台替えショー」を演じ、136、137、
138円と上昇し、ついに140円が視野に入ってきたようです。
米国では労働市場が依然として好調だったことに加え、6月のCPIが予想を大きく
上回る「9.1%」だったことで、今月のFOMCでは1ポイントの利上げもあり得
るといった見方が急速に台頭したことが背景です。
さらに日本以外の国に目を向ければ、カナダ、ニュージーランド、韓国、さらにはハ
ンガリーなど、世界中の国が「利上げ競争」の真っただ中にあり、そのトップランナ
ーが米国といった位置付けです。
動かない日本の存在がいやがうえにも目立ち、投資家が主要通貨に対して円売りに走
るのも無理はありません。
水は高い所から低い所に流れますが、マネーは金利の低い所から高い所に流れます。
6月の米卸売物価指数(PPI)は年率で「11.3%」と発表されました。市場予
想が「10.7%」であったことから、予想を大きく上回る伸びを見せましたが、一
方で、インフレ圧力が若干緩和した兆しも一部に見えていました。
ブルームバーグによると、6月の上昇分の4分の3は、エネルギー価格などが大きく
上昇したことが指数を押し上げています。
サービスは前月比「0.4%」の上昇に留まり、食品全体の伸びは年初来で最少でし
た。
ひょっとしたら前日発表されたCPIも6月がピークだったということもあるかもし
れません。
6月のCPIを受けて今月の利上げ幅が1ポイントになるとの観測も台頭しましたが、
FRBのウォラー理事は14日アイダホ州での講演で、「6月のCPI統計について
は最大級の失望だ」とし、今月26-27日のFOMC前に発表される小売売上高や
住宅関連といった追加のデータに左右されると強調しました。
同理事はその上で、「75bpという利上げ幅は極めて大きい。FOMCがそうした
幅の利上げを選択した場合、金融当局が役割を果たしていないことにはならない」と
述べ、「行き過ぎた利上げはしない方が良い」と、75bpの利上げを支持する考え
を示しました。
また、タカ派の重鎮であるブラード・セントルイス連銀総裁も、「これまでわれわれ
は50bpか75bpという枠組みで議論してきた。私は75bpにかなり利点があ
ると考えている」と述べ、「今日時点では、私は次回会合で再び75bp利上げする
ことを支持する」と語っています。
ユーロドルがパリティを明確に割り込み、0.9952までユーロ安が進みました。
エネルギー供給の影響からドイツを中心に景気減速が意識され、来週の理事会で実施
されるとみられている「利上げによる効果も帳消し」といったところです。
加えて、FRBによる積極的な利上げスタンスに比べ消極的だとの見方も広がり、ド
ル高の流れに押し流される形でユーロが売られています。
さらに昨日は、イタリアのドラギ首相が連立政権の足並みの乱れを理由に辞任の意向
を示したこともユーロ売りに拍車をかけたようです。
ユーロ圏では、米国にひけをとらない程インフレが進んでおり、0.25ポイントの
利上げ幅ではその効果も限られそうです。
ユーロ安は止めるという意味からも、来週の会合で0.5ポイントの利上げに踏み切
る可能性もあるかもしれません。
日本では18日(月)が祝日で3連休ということもあり、連休前の動きにもやや注意
が必要かもしれません。
多くの市場関係者が「140円」という数字を口にしていることもあり、その前に利
益を確定する動きがあるのか注意したいところです。
ドルが上昇したものの、まだ135-140円のレンジが続く公算が高いと予想して
います。140円という水準はこれまで以上に「重要な」水準であり、数値であると
考えますが、どうでしょう。
本日のドル円は138円~139円80銭程度を予想します。
- [2022/07/15 09:52]
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