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ドル円2週間ぶりに135円台半ばまで下落 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は大きく下落。長期金利が2.75%台まで低下したことからドルを売る勢いがつき、NYでは午前中に135円58銭までドル売りが進む。

  • ユーロドルは1.02台半ばから徐々に下落。1.0170までユーロ安が進んだが、前日と同様な流れに。

  • 株式市場はサービス業と総合PMIが「50」を下回ったことで3指数が揃って反落。ハイテク株が大きく下げ、ナスダックの下げが突出。

  • 債券相場は大きく上昇。長期金利は一時2.72%台まで低下し、約2カ月ぶりの低水準を記録。リスクオフが進み、安全資産の債券が買われる。

  • 金は続伸。原油は3日続落し94ドル台に。

本日の注目イベント

  • 独 7月ifo景況感指数

先週末のNYでドル円は2週間ぶりとなる135円台半ばまで売られました。NYではドルの上値が重い欧州市場の流れを引き継ぐ中、低調なPMIの発表を受けて「リスクオフ」が進みました。株式が売られ、債券が買われ長期金利が急低下したことで、ドルを売る動きが活発となり、ドル円は135円58銭まで売られました。特徴的だったのが債券市場の動きでした。FRBは今週27日にもFOMCで大幅な利上げを行うことは確定的となっていますが、すでに0.75ポイントの利上げは織り込まれているといった動きでした。

「パウエル議長がインフレ制御に成功すると、債券市場は信じたようだ」(ブルームバーグ)といったコメントが見られましたが、多くの投資家は27日に発表されるFOMCの結果に身構えているようですが、この日の債券市場では安全資産の債券が買われ、金利は大きく低下しています。特に投資家がインフレ期待の主要な指標として捉えている、5年間のインフレ期待の平均値を示す数値が21日、2月18日の水準を若干下回り、ロシアのウクライ侵攻以前の水準を付けました。「米利上げ局面について、従来の予想よりも早期に終了し、金利政策のピークが以前考えられていたほど高くならないとの見方が強まっている」とブルームバーグは伝えています。イエレン財務長官はNBCの番組で、「雇用創出ペースがやや減速する可能性が高い」としつつ、「それはリセッションではないだろう。リセッションとは経済が広い範囲で弱くなることだ。現在のところ、そうした状況は目にしていない」と述べ、また金融当局によるインフレ抑制への取り組みについては「成功すると見込んでいる」と語り、当局への信頼を示しています。

米国では、インフレの高進を背景に市場ではFRBの積極的な利上げスタンスを背景に、低金利の円を売って高金利のドルを買う動きがドル円を押し上げてきましたが、ややその見方にも変化が出てきたのかもしれません。筆者はまだその見方を維持していますが、もしそうだとしたら想定よりもかなり早いと言えます。市場の一部にそのような見方が出て来たことだけは頭の片隅に入れておいてもいいのかもしれません。因みに日足チャートではやや変化は見られますが、全体的には変わっていません。ローソク足が「基準線」の位置まで低下しており、これは6月1日以来のこととなり、早期の動きを示す「MACD」は先週も触れたように、「デッドクロス」を示現していますが、まだ依然として「プラス圏」で推移しています。結局チャートでも、上昇トレンドは続いてはいますが、ややその傾向に早期の警戒シグナルが点灯したといった状況です。

今週は26-27日のFOMCが「真夏の夜の最大イベント」となります。上述のように、会合では大幅な利上げが見込まれ、筆者は「0.75ポイントで決まり」かと考えています。イエレン財務長官はリセッションの兆候は見られないと述べていますが、経済データは確実に景気の鈍化を示しています。先週末のNYで、ドル円急落のトリガーとなったPMI速報値では、製造業は「52.0」と、景気も拡大と縮小の境目である「50.0」を辛うじて上回っていましたが、サービス業と総合PMIはいずれも「50.0」を下回っています。また消費者マインドや失業保険申請件数も明らかに悪化しており、その他の経済データも同様です。FRBは米景気が減速することを狙っているわけで、その減速次第では今後の利上げ幅や、利上げのペースも大きく異なってきます。今後のインフレ率はもとより、他の経済データにもより注目しなければならないことになります。

本日のドル円は135円50銭~137円程度を予想します。

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