パウエル議長の議会証言を受けドル円上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
◆ドル円はパウエル議長の議会証言を受け、136円10銭台
から137円台前半まで100bpほど上昇。議長発言は予想通り
タカ派的で、市場の楽観論を一蹴。
◆ドル高が進んだことでユーロは売られ、1.05台半ばに。
◆株式市場は大幅下落。今後も利上げが加速する可能性がある
ことからダウは574ドル下げ、他の2指数も大幅安。
◆債券は続落。長期金利は上昇したものの、4%の大台には
届かず。
◆金と原油は大幅に下落。
*******************(何もない時は空欄のままにします)
◆1月消費者信用残高 → 14.799b
本日の注目イベント
◆日 1月貿易収支
◆日 1月国際収支
◆日 1月景気先行指数(CI)(速報値)
◆日 2月景気ウオッチャー調査
◆独 独1月小売売上高
◆独 独1月鉱工業生産
◆欧 ユーロ圏10-12月期GDP(確定値)
◆欧 ラガルド・ECB総裁講演
◆米 2月ADP雇用者数
◆米 1月貿易収支
◆米 1月求人件数
◆米 パウエル・FRB議長、下院金融委員会で証言
◆加 カナダ1月貿易収支
◆加 カナダ中銀政策金利発表
米議会上院でパウエル議長の証言は「想定通り」タカ派の内容でした。
昨年6月に「9.1%」というインフレのピークを記録し、その後は大幅利上げを
断行したこともあり、インフレ率は1月には「6.4%」まで低下してきました。
このまま順調に低下傾向を見せるとみられていましたが、2月に入ってからは市場
予想を超える経済指標が相次ぎ発表され、米インフレ率は想定よりも「粘着性が強
く」再び上昇に向かうとの観測も台頭している中での、パウエル議長の証言でした
。それだけに、市場では非常に注目されていましたが、議長は「必要なら利上げを
加速させる用意がある」と述べ、市場は大きく反応しています。
「最新の経済データは予想より強く、金利の最終到達水準が従来想定を上回る可能
性が高いことを示唆している」とし、「経済データが全体として、より速い引き締
めを正当化するのであれば、利上げペースを加速させる用意があるだろう」と発言
しました。
パウエル議長のタカ派寄りの発言を受け、株式と債券が売られドルが買われていま
す。先週から上げ足を強め、都合700ドルを超える上昇を記録していたダウは、
最も下げがきつく、前日比574ドル下落。他の主要指数も大幅安の展開でした。
利上げ加速が意識され債券も売られ、長期金利は上昇しましたが4%の大台には届
かず、上昇幅はわずか1bpで、小幅な上昇だったことにやや違和感が残ります。
株価程売られなかった債券が、今後何かの動きを暗示しているのではとしたら、考
えすぎでしょうか。
金利上昇を受けドル円は136円10銭台から100bp買われ、137円19銭
近辺まで上昇し、わずかですが先週記録した年初来高値であった137円10銭を
上回っています。
また、金と原油も大きく売られており、次回3月会合での「0.5ポイントの利上
げ確率」は「0.25ポイント」を上回る結果になっています。
2年債も利回りが大幅利上げを織り込む格好で上昇し、一時5%を記録しました。
その結果、「10年債との逆イールド」は拡大し、100bpに達しています。
これで、データ次第では次回FOMCで0.5ポイントの利上げの可能性が十分あ
ることが確認されました。10日は「2月の雇用統計」が発表されますが、ここで
市場予想を超えるデータが出るようなら「0.5ポイント利上げ」は「当確」とい
うことになりそうです。もっとも、そもそもブレやすい「雇用統計」ですから、市
場予想を下回る可能性にも注意が必要です。難しいのはその場合、市場の見方が再
び「0.25ポイントの利上げ」に戻るのかどうかという点です。
ユーロ圏でもインフレは長期化するとの観測が根強く、ECB政策メンバーのホル
ツマン・オーストリア中銀総裁は、「コアインフレ率は上期には大きく下がらず、
現在の水準付近にとどまると思う。その場合、0.5ポイントの利上げを今年あと
4回行うだろうと考えている」と述べ、3、5、6、7月の4会合連続で0.5ポ
イントの利上げを支持する考えを示しました。またオ―ストラリア準備銀行(RB
A)も昨日、10会合連続の利上げとなる、0.25ポイントの利上げ決め、イン
フレ抑制に対する強い姿勢を見せていました。
世界的にもインフレはピークを超えてはいますが、主要国は依然としてインフレ再
燃に対する警戒感を解いてはいません。
ドル円は米利上げ長期化観測を支えに底堅い動きが続いています。
今朝の日経新聞も触れていましたが、ここからはドル円が日足の「200日移動平
均線」を越えられるかどうかが大きなポイントになります。現在、200日線は「
137円47銭」近辺にあります。
この水準に極めて近いところまでドル高が進んでいますが、この線は言うまでもな
く「レジスタンス・ライン」(抵抗線)です。ドルロングもこの水準を境に決済を
する向きも多く、実需のドル売りも集まり易い傾向があります。
一方で、この上には「ストップ・ロス」も設定されていると思われ、ここを明確に
抜けるかどうかは、今後140円を目指すのか、あるいは下落に転じるのかを占う
意味でも重要だと言えます。この後も日銀の決定会合、雇用統計と材料はあります。
注意深く、慎重に見極めたいと思います。
本日のドル円は136円50銭~138円50銭程度でしょうか。
- [2023/03/08 09:52]
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