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石油情勢 最終話:原油埋蔵量と可採年数 


石油情勢



第四話:原油埋蔵量と可採年数


私も今回の資料を集めて勉強するまでは知りませんでしたが、石油は地下に埋まっている時は「液体」として存在しているのではないのです。地圧によって、地下を構成する岩石の中に微細な粒子として閉じ込められているのです。例えば、地下5000メートルの油層には50気圧という圧力がかかっています。この圧力が微細な隙間に原油と水とガスを閉じ込めています。

これが掘削によって地表の1気圧とパイプで繋がった瞬間、岩石の中の原油も水もガスも、一気に噴出して地表に上がってきます。このとき、静かに取り出すことに失敗すると「暴噴」と呼ばれる大惨事になるそうです。

 では、どれくらいの原油が地中にあるのでしょうか?

「埋蔵量」といっても実は、専門的には三種類あるそうです。

1.原始埋蔵量 → 油層内に存在する油の総量。
2.可採埋蔵量 → 原始埋蔵量のうち、技術的、経済的に生産可能なものをいい
    通常20%~30%程度といわれています。
3.確認埋蔵量 → 可採埋蔵量のうち、最も信頼性が高いものをいう。

昨年末現在で世界の確認埋蔵量は約1兆3317億バレルです。その69.6%をOPEC諸国が占めています。最大の確認埋蔵量(以下単純に埋蔵量と記述します)を持つのはもちろんサウジアラビアです。その量は約2667億バレルで世界の2割の原油を保有しています。そして二位が、驚いたことに、カナダなんです。

私は知りませんでしたが、皆さん如何ですか?

カナダにはオイルサンドを含めると1786億バレルの埋蔵量があります。三位イラン、四位イラクと続きます。
 
 では、毎日毎日採掘し続けている原油はあと何年もつのか、気になるところです。
これも専門的な用語で「可採年数」という言葉があります。ある年の年末の埋蔵量をその年の生産量で除した数値です。つまり、今のペースで掘り続けたらあと何年掘れるかを表す数値です。

2007年末の世界合計可採年数は50年でした。
ただこの数値もOPECと非OPECでは大きく異なり、世界の埋蔵量の約7割を占めるOPEC諸国は83年、非OPEC諸国では27年だそうです。
もちろん、この年数が経てば原油が完全に枯渇するという意味ではなく、前回のブラジルのように新しい油田を発見したり、生産量あるいは消費量が変われば当然可採年数も変わることになります。

いずれにしても、資源は有限です。気の遠くなるような年月を経て蓄えられた資源をわれわれ現代
人が使い切ることは許されないことです。

最後に自動車大国アメリカでも「節油」(?)が浸透しているという新華社のレポートを紹介して終わりたいと思います。

新華社ワシントン

最新のデータによると、アメリカ人が今年3月に自家用車で移動した距離は、昨年同期より4.3%減少した。
1970年代末にガソリン価格が高騰を始めて以来、初めてアメリカ人の自動車走行距離が減少したことになる。地元メディアがアメリカ運輸省の統計データを引用し伝えたところによると、今年3月、アメリカ人の自動車走行距離は昨年同期と比べ177億キロメートル減少した。
1979年3月以来初の減少で、同省が1942年に統計をとりはじめて以来、最大の減少幅となった。

報道によると、アメリカの平均ガソリン価格は、ここ一週間で1ガロン(約3.675リットル)あたり3.79ドルに上昇している。

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