ドル上値重く、再び85円台前半に。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米経済指標の下振れと長期金利の大幅低下を受けてドルは
軟調に推移。 - ドル円は85円台前半から半ばのせまいレンジでの取引に終始。
上値の重い展開は変わらず。 - ユーロドルは東京時間内に1.27台前半まで弱含む場面が
あったものの、欧州時間ではドル安の流れに乗り1.28台を回復。
NYでは安値から140ポイント程上げ1.28台後半までユーロ高が進む。 - NY連銀製造業景況指数は前月を上回ったものの市場予想よりも弱い
内容に。項目別でも、雇用は改善していたが、新規と出荷は大幅にマイナス。 - NYダウは先週末の引け値水準を挟む展開から小幅安。ナスダックは
プラスで引ける。 - 長期金利が大幅に低下。約1年4ヵ月振りとなる2.5%台を記録。
2年債と10年債の利回り差は2.09%となり、イールドカーブの
フラット化が一段と進む。 - 金は続伸。原油は小幅ながら5日続落。
- 8月NY連銀製造業景気指数 → 7.1
- 8月NAHB住宅市場指数 → 13
本日の注目点- 豪 RBA議事録
- 独 8月ZEW景況感調査
- 欧 8月ユーロ圏ZEW景況感調査
- 米 7月住宅着工件数
- 米 7月建設許可件数
- 米 7月卸売物価指数
- 米 7月鉱工業生産
- 米 7月設備稼働率
先週末のNYで86円台前半で引けた円は、昨日の朝方わずかな時間
86円台を維持していましたが、その後はドルがジリジリと売られる展開で
した。
これまでと同様、ドルの反発力は弱く、昨日の朝方からこれまでの24時
間、86円台には一度も届かず頭の重い展開となっています。
NY市場では値幅は限定的でしたが、NY連銀製造業景況指数、NA
HB住宅価格指数はいずれも市場予想を下回りドル反発の力を削いで
います。NYでの円の高値は85円21銭と85円割れはありませんでした
が、介入警戒感とドル安の微妙なバランスが継続されているようにも思え
ます。
昨日、日本の4-6月期GDPが発表されました。
前期比+0.1%、年率換算で+0.4%と事前予想を大きく下回っていま
す。本来であれば円安要因のはずですが、市場ではリスク回避が進むと
して、高金利の豪ドルなどが対円で売られ、これがドル円でのドル売り円
買いに繋がった面もあります。政府はこの発表を受け、エコポイント制度の
延長などを含む経済対策を検討するようですが、円高が今後の日本の経
済成長に与える影響は無視できない状況になってきました。
円高を止めるための本腰を入れた対策を求める声が日増しに強くなってい
るように思えます。
米長期金利の急低下が止まりません。
「米債券市場はバブルだ」との指摘もありますが、昨日のNYでは10年債
の利回りが0.1%以上も低下し、16ヵ月振りに2.5%台を記録しました。
日本の長期金利も0.95%を割り込んでおり、世界的に安全資産である債
券に資金が流れ込んでいることが分かります。
しかし、日米金利は急激に縮小しており、これがドル安を招いている理由の
一つです。
日米共に長期金利が低下していますが、米金利の方が低下余地があること
から、より急速に低下していることが背景です。
本日も日経平均株価の下落が見込まれています。
「株売り、債券買い」の流れが一段と加速し、これが「ドル売り、円買い」に
繋がってくるものと思われます。
現在ドル円は85円台前半と、NYの円の高値をお割り込んだ水準で推移し
ていることを考えると今日あたり、再び84円台をうかがう展開が予想されます。
場合によっては政府日銀の重い腰を上げされるような展開があるかもしれま
せん。株価をにらみながら85円の攻防が繰り広げられそうです。
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- [2010/08/17 09:36]
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