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追加緩和の効果も限定的。円84円台に。 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場



  • 円は日銀の追加緩和策の内容に新鮮味が無かったと受け止められ

    84円台半ばでの取引となり、安値から1円以上もの円高水準に。

  • 円は対ドルだけではなく、ユーロなどの主要通貨に対しても大幅高に。

    NY株式市場が大きく下落し、米金利が低下したことも材料に。

  • NYダウは全面安となり、前日の大幅高は帳消しに。経済指標の悪化を受け

    ドル安の流れからダウは140ドル下落し、引け際に下げ足を早めたが、

    かろうじて1万ドルの大台を維持。

  • 個人所得の伸びが予想以下だったことから、景気減速が強まるとの観測も。

  • 株式市場が大幅に下落したことで、債券には買い物が集まり長期金利は

    下落し、再び2.5%台に。

  • 市場は今週末の雇用統計を控え、様子見気分が優勢。

  • 7月個人所得 → +0.2%

  • 7月個人支出 → +0.4%




本日の注目イベント



  • 日   7月鉱工業生産

  • 豪   7月住宅許可件数    

  • 独   8月失業率 

  • 欧   8月ユーロ圏消費者物価指数

  • 欧   7月ユーロ圏失業率

  • 加   第2四半期GDP     

  • 米   6月ケースシラー住宅価格指数   

  • 米   8月シカゴ購買部協会景気指数

  • 米   8月消費者信頼感指数

  • 米   FOMC議事録(8/10日分)  

      


経済紙の報道通り、日銀は昨日午前9時から臨時の金融政策決定会合を開き、

追加金融緩和策の実施を決めました。

ドル円は昨日の午前中、これを見越してじりじりとドル高になり85円91銭まで上

昇しました。日経平均株価もドル高や日銀の対応を好感し前場では約280円の

大幅高を演じましたが、昼過ぎに決定会合の内容が伝えられると、サプライズが

無かったことからドルと株価が急落。ドル円は一時85円を割り込み政策決定会合

以前の水準を割り込みました。追加緩和策の内容は事前の予想通り、供給額を2

0兆円から30兆円に拡大し、10兆円については固定金利で貸出期間を6ヵ月に

するという内容でした。



白川日銀総裁はこの後の記者会見で「(経済見通しの)標準シナリオを幾分、下

方修正する可能性は否定できない」との認識を示し、為替介入については「適時

適切な対応を行っていく」と、これまでの表現を繰り返したにとどまっています。

決定会合の開催を材料にドルが買い戻されものの、その内容が明らかにされると

再びドル売りに傾く市場は、やはりこれまでと同様に「ドルの反発力は限定的」との

見方を崩してしていないことになります。



NY市場での円の高値は84円50銭と、さすがに新高値をつけに行くことにはなり

ませんでしたが、

米経済指標が少しでも悪化するとドル売りで反応する姿勢は変わりません。

その意味では今週末の雇用統計を待つまでもなく、今夜の「ケースシラー住宅価

指数」がカギを握っているとも言えます。

5月の同指数は年率4.6%の上昇でしたが、市場では既に上昇率は鈍化してい

ると予想しています。先週まで発表された住宅関連指標は軒並み大幅に悪化し

ていたことを考えると、改善への期待は持てなく、ドル売りのきっかけになる可能

性はあります。



さて、日銀が金融緩和策の実施を決めたことで、残された手段は市場介入というこ

とになります。財務相も日銀総裁も「適時適切に」という言い回しを繰り返しています。

菅総理も「必要な時には断固たる措置をとる」と言明しています。

では一体、どんな状況が「適時」あるいは「必要な時」にあたるのでしょうか?

先週の83円58銭を記録した時点でも介入は観られなかったことから、少なくとも

この水準を割り込み、さらに円高が加速し、株式市場が大幅に下落するような事態

に陥った時が想定されます。

日銀としても、介入を行う以上最も効果の出やすい状況を見定めて出動するはずで

す。しかし、円が急騰するのではなく、昨日のようにジリジリと円が高くなるような状況

では「必要な時」とは判断されず、介入が行われないことも考えられます。

ここは、追加緩和という切り札を切った以上、市場に対して「円高阻止」の強い意志

を示す必要があろうかと思います。

介入による効果については議論がありますが、まずは強い態度を示すことが重要です。



本日も多くの米経済指標が発表されます。

さらにFOMC議事録も発表されます。バーナンキ議長は追加緩和には前向きな姿勢

を示しています。議事録の内容次第では追加緩和実施が早まるとの連想からドル売り

に傾く可能性もあり、再び米ファンダメンタルズに注目が集まり、市場介入を「催促」す

るような相場展開が予想されます。

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