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雇用統計の悪化を受け、ドル円80円前半に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 5月の雇用統計の結果が市場予想より大きく悪化していた
    ことから、ドルは主要通貨に対して下落。
  • ドル円は一時80円05銭まで売られ、約1ヵ月ぶりの
    ドル安水準を示現。その後ISM非製造業景況指数が予想を上回って
    いたことからドルが反発する場面もあったが上値は重く、
    80円20-30銭でクローズ。
  • ユーロドルも1.46台まで上昇し、こちらも5月5日以来の
    ドル安を記録。
  • 株式市場は大幅に続落。米景気の失速感からダウは100ドルに迫る
    下落を見せ、先週1週間で約300ドルの下落を記録。
  • 債券相場は続伸。株安と米景気の低迷から利上げの可能性が遠のき
    金利は当面上がらない、との見通しから買い物が優勢となり、長期金利は
    再び低下し3.0%を割り込む。
  • 金は反発。米雇用統計を受けドル全面安の流れから、金への資金流入が
    活発となり、前日比約10ドル高。
  • 原油価格は小幅に反落。失業率の増加など景気悪化に伴い需要が減少
    するとの見通しから売りがかさむ。
  • 5月非農業部門雇用者数   → 5.4万人
  • 5月失業率         → 9.1%
  • 5月ISM非製造業景況指数 → 54.6



本日の注目イベント


  • 欧   ユーロ圏4月生産者物価指数
  • 欧   トリシェ・ECB総裁講演(カナダ)
  • 欧   ユンケル・ユーログループ議長、レーン委員長、欧州議会で証言
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁
         パネルディスカッションに参加(ヘルシンキ)
  • 米   ガイトナー・財務長官講演
  • 米   バーナンキ・FRB議長講演





懸念されていた米経済指標の悪化がついに、労働市場へも波及してきました。

5月の米雇用統計では、失業率、非農業部門雇用者数はともに市場予想より悪化しており、

米景気の減速が確認された格好となり、ドルは全面安の展開でした。

特に、非農業部門雇用者数は、

先週水曜日に発表されたADP雇用者数が予想外の低水準を見せたことで、

「本番の雇用者数」がそれまでの19万人前後の予想から10万人程度に

下方修正されていましたが、その水準をも大きく割り込む結果となりました。



失業率の9.1%は今年の1月より悪化して今年最悪。

非農業部門雇用者数の5.4万人は昨年9月のマイナス4.1万人以来の数字となります。

民間部門の中でも、特に製造業の雇用者数は前月から大幅に落ち込みマイナス5千人と、

昨年11月以来の「前月比減少」となりました。

5月に発表された経済指標は住宅はもとより、

消費、製造、耐久財などほぼ全ての指標が悪化傾向を示していましたが、

これがいよいよ「本丸」である「雇用」にも及んできたと言ったところです。



この結果、ドルは売られほぼ全面安の展開となりました。

また、株式市場では景気減速感の拡大から株価が大きく下落し、

債券市場では「金利は当面上がらない」との見通しから債券が買われるなど、

「リスク回避」の動きが一段と加速しています。

問題は、この傾向がいつまで続くのかということになります。

為替の値動きは必ずしも経済指標が全てではないとしても、

景気の鈍化、とりわけ金利の低下は為替の動向にとっては

極めて重要な要素であることは論を待ちません。

米ファンダメンタルズの悪化が続く以上、

しばらくはドルの反発は見込めないということになります。



先週末のNY市場では80円割れは回避できましたが、

やはり今週中には80円割れの場面が見られそうです。

ただ、それでも3月の大震災後のような急激な円高にはならず、

ドルのじり安が続くのではないかと予想します。

急激な「円買い」にも不安が残るからです。

原発問題はいまだに尾を引いています。

政治的混迷も今後さらに深まりそうな気配です。

さらに財政問題が焦点となり「格下げ」の報道には円が一気に売られ、

財政問題がアキレス腱であることは確認済みです。

また3月18日に行われた「協調介入」は一度だけでその後は音無しですが、

水準によっては意識しなければならない場面もありそうです。



ユ-ロについても、ギリシャ問題は最悪の事態は避けられたものの

6月がヤマバであることは変わりません。

仮にユーロ圏の財政問題が蒸し返されるようだと、

「ドル買いユーロ売り」の流れも考えられ、

ドル円でも「円売り」に働く可能性も残ります。

新聞のコラムでは「不美人投票」といった表現が使われていましたが、

3通貨はまさに「脛(すね)にキズを持つ」ことから一方方向への

急激な通貨高(あるいは通貨安)の可能性はそれほど高くはないと思われます。



本日の下値のポイントは言うまでもなく、80円を維持できるかどうかです。

さらに80円を割り込んだ場合には、現状では「2番底」にあたる、

5月5日に付けた79円57銭が意識されます。

株式市場の動向、ユーロの動きに注意しながら

ドルの上値の重さを確認する展開かと思います。






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